昭和 48 年 1 月 13 日　第三種郵便物承認　ＨＳＫ通巻番号 571 号　（とかちダルク　第 30 号）　発行　令和 1 年 10 月 10 日（毎月 10 日発行）　定価　100 円（会費に含む）

編集人　住所　北海道帯広市西 12 条北 1 丁目 13　　　　団体名　特定非営利活動法人　とかちダルク　　　　TEL　0155-67-0911発行人　北海道障害者団体定期刊行物協会（ＨＳＫ）

1

ごあいさつ

　

みなさんいつもお世話になっ

ております。また、台風被害に

あわれた方々まだ復旧が思うよ

うにいっていないと聞きます。

本当に大変なことと気に病んで

おります。

　

さて、北海道の夏は終わり秋

になり、雪虫がちらほら見える

時期になってまいりました。

　

とかちダルクにも新しい仲間

が来たり、新しいホームに引っ

越したりで仲間やスタッフも忙

しく動いておりました。今まで

借りていたグループホームの老

朽化に伴い、いろんなところを

修繕しながら使わせていただい

ておりましたが、修繕しても他

のところが壊れたり、直す必要

が出てきて、思い切って引っ越

ししようと思い立ちました。そ

う思っているところへとある賃

貸物件いかがだろうかという話

が来て、引っ越ししました。

　

本格的な冬の訪れもそう遠く

ありません。今年ももう残りあ

とわずかです。

　

みなさま、ご健康にはくれぐ

れも留意されてお過ごしくださ

い。

とかちダルク

宿輪龍英

【もくじ】

1.　 ごあいさつ

2-3. 活動報告写真　

4-6. なかまのはなし

7.　 施設長の話

8.　 編集後記

2

【５月】ＡＡセミナーや ...

北海道ダルクの仲間との交流

はじめての共同作業 ...

ダルクの駐車場にライン引き

この辺かなー︖やっぱりもうちょっと右︖

シュー ...

なかなかきれいに完成しました～︕︕そして手早い︕︕

3

【９月】ＡＡラウンドアップと ...

寄り道珍道中～

レクレーションやバーベキュー

お出かけプログラムなど

毎日いろいろあるけれどぼくたち北海道を満喫してまーす︕

4

コウ

　

とかちダルクに来て３年が過

ぎました。最初の１年は、なか

なか飲酒が止まりませんでした

が、先日クリーン２年のバース

デーを仲間に祝ってもらい、今

もクリーンは続いています。

　

施設につながってプログラム

に取り組んだからといって、薬

物やアルコールを使いたいとい

う欲求がなくなるわけではあり

ませんが、しらふでも日々の生

活を楽しめるということを学ん

できました。嫌なことがあって

も、気分転換をするのに薬物や

アルコールは必要ないというこ

とも分かってきました。

　

強い飲酒欲求が現れた時の

対処方法も分かってきました。

ミーティングの際に「飲みた

い」と正直に話すこと、コンビ

ニに行って炭酸飲料やおやつを

たくさん買ってきて飲み食いす

るのもとても効果があるようで

す。それでも欲求がおさまらな

いときは、仲間に連絡して話を

聞いてもらいます。

ダイちゃん

　

「死んで終わりにしよう。」青

森から函館へ向かう船内で決め

た。

　

人気もまばらな船内で、泣き

じゃくる僕。

「どうかしたのか。」

やさしい表情の男性が、僕のも

とに駆け寄ってくる。

　

そして、僕はすべてを話し

た。警察官であったこと、なの

に覚せい剤で捕まったこと、そ

して、すべてを失ったこと。

「良かったじゃないか。生きて

いて。」

その男性は、この言葉だけを残

して立ち去った。いつのまにか

フェリーは、函館港に着岸して

いる。

　

僕は、この経験から学んだ。

覚せい剤ですべては失っていな

い。ときに覚せい剤は、僕が死

ぬことがないように守ったし、

こうして見知らぬ人にも守られ

た。だから僕も守る。見知らぬ

誰かを。そして何よりも大切な

自分を。

　

こう心に決めて、いま、ダル

クにいます。

なかまのはなし

あっちゃん

　

カフェるくらというところで

働いていますが、つらい時もあ

るし楽な所も有ります。

　

楽な所は、デイケアの研修旅

行に連れて行ってもらったりす

る所や、デイケアに土曜日しか

行かなくていい所や、色々有り

ますが、それはそれで楽しい所

です。

　

つらい所は、毎日朝そうじの

時にモップがけをしたりする所

です。ハンバーグを作ったりす

るのは楽しいんですが、本当に

将来、一般就労ができるんだろ

うかと思ったりするので、オレ

はカフェるくらに朝、そうじを

しに来ているんだと割り切って

働いています。

　

そうすれば、少しは楽に成っ

て行くんじゃないかなーと思い

ます。

　

まあ就労も色々有りますが、

楽しい事ばかりじゃ無い所が有

りますが、ガンバって、やって

行きたいと思います。

　今回は、とかちダルクを利用している仲間全員に原稿を書いてもらいました。デイケアに通

う仲間、就労支援事業所に通う仲間みんなに今感じていることを自由に書いてもらいました。

　全員の人となりを知っている身としては、それぞれの字や文章に個性が出ていて、とても良

いなと思いました。本当は原文をそのまま印刷したいところなのですが、それは難しいので、

なるべく誤字や脱字も含めて、ありのままの文章を掲載しています。

5

マッキー

　

とかちダルクに来て１年４ヶ

月が過ぎようとしています。

　

年に何度かの研修旅行や午後

のプログラム等で紅葉を観に

行ったり、釣り堀で仲間達とニ

ジマス釣りにと様々な事を経験

させて頂きました。

　

その中でも印象が強いのは、

スタッフさんと学校へ依存症の

講演に行ったことと、刑務所へ

薬害の教育の為に行ったこと等

です。私は過去に６度の受刑生

活の経験があり、この様な形で

刑務所へ行ったことなどありま

せんでした。自分の失敗談や経

験したことが少しでもなにかの

役に立つことなど考えも及ばぬ

事でした。

　

最近では、病院での集まり等

にも参加するようになりまし

た。多くの人達との関わりで学

ぶことも多いです。流行りのＳ

ＮＳも50歳を過ぎていますが、

多くの人達との繋がりにとても

感謝を覚えます。

　

今、自分がすべき事を日々模

索しながら「ワイワイガヤガ

ヤ」と日々を送っています。

アキラ

　

私は今ダルクという所で生

活しています。

　

以前は薬物依存症で数回刑

務所に服役していました。最

後の刑務所生活で出所後は薬

物をやめ、まっとうな人生を

歩んでいこうと思い、考えた

末ダルクにたどりつきまし

た。

　

ここに来て薬物をやめよう

と必死になって頑張っている

仲間と共に生活をしていて、

今は私も薬物は止まっていま

す。

　

ダルクに来ないで社会で今

までどおり生活をしていた

ら、また刑務所生活をしてい

たに違いありません。

　

私は刑務所で薬物の後遺症

などで苦しんでいる人達を沢

山見て来ました。やめたくて

もやめる事はできないとか、

もう刑務所に行きたくないと

思っている人が沢山居ると思

います。たしかに刑務所は自

由に行動する事は出来ません

が、ダルクは全然自由があ

り、自分にとってはすごく過

ごしやすい所だと思っていま

す。

　

最初私もダルクのイメージ

はあまり良く思っていません

でしたが、来てみてそんな事

はありませんでした。回復し

ていこうと頑張っている仲間

と毎日過ごして充実していま

す。

　

私は、薬物を今やっていな

い事で良い事がありました。

まず体の調子が良くなりまし

た。薬物をやっていると、病

院に行きたくても薬物を優先

していたので、薬物をやって

いない事でこんなにも良い生

活が出来るとは思っていませ

んでした。お金は持っていま

せんが、自分の体が良くなっ

て、どこでも行けたりする良

い生活というものを手に入れ

ました。

　

いろいろ考えている人がい

るのなら、是非ダルクも考え

たほうが良いと思っていま

す。私はダルクに来て本当に

良かったと思っています。

ピース

　

私は今回初めてダルクに

入所したのですが、自分が

考えていた所とは、実際

違っていました。何も分か

らない私を親切に迎え入れ

てくれてとても嬉しかった

です。

　

初めは長続きしないで途

中で逃げ出すんじゃないか

と心配でしたが、なんと入

所してもうすぐ１年３ヵ月

になろうとしてます。こう

して生活して来た中でダル

クでは禁止されてるアル

コールを飲んでしまったこ

とは有りますが、入所して

からまだ覚せい剤には手を

出していません。自分一人

なら手を出していたかも知

れませんが、ダルクに入所

出来たおかげで、こうして

今、社会に居られるのもダ

ルクに入れたおかげだと

思っています。

　

自分の目標は、後１年ダ

ルクで生活して、今後のこ

とを考えていきたいと思っ

ています。

6

シゲ

　

とかちダルクに来て６年が

経ちました。

　

６年もいると色々な事があ

りました。色々な仲間が出て

行ったり、また、色々な仲間

が入寮してきたりもしまし

た。色々な所にも行きまし

た。入院も何回もしました

し、何回もスリップしまし

た。

　

今は、カフェるくらで就労

しています。初めのうちは、

特にやることもなかったです

が、今は一日やることが多い

日々を過ごしています。毎

日、お弁当の注文があり、盛

り付けや皿洗いなどをやって

います。自分ができるように

なると面白くなって、毎日過

ごしています。

　

今は体の調子も良く、休ま

ないで毎日仕事に行っていま

す。仕事も楽しくやってい

て、毎日過ごしています。こ

のままの調子でやっていきた

いと思います。

L︵エル︶

　

ダルクに来てまだ一週間ぐ

らいしかたっていませんが、

まだ色んなことに慣れてなく

て、体ちょうをくずしてカゼ

をひいてしまいました。まだ

わからないことだらけだけれ

ど、なんとかやっています。　

　

ケイタイ電話を３ヵ月あず

けないといけなくて、それが

困っています。あとは職員の

人も寮の人もやさしくせっし

てくれるので、その辺はあり

がたいです。

　

私は３ヵ月前に札幌刑務所

を出所して、北見市のホゴ会

にいてそれからとかちダルク

に来ました。刑務所も４回も

入ってやっとダルクにくるこ

とになりました。

　

これからはここでがんばっ

ていくつもりです。

ノブ

　

自分は、刑務所を何回も出

たり入ったりしていて、入っ

ている時に薬物の教育も受け

ていましたが、その薬物の

教育でダルクの方々が来て、

色々な話をしてくれていまし

たが、正直、自分は出所して

も「ダルクだけは絶対に行か

ない」と思っていましたが、

外に出て、薬もやめる事も出

来ず、毎日薬におぼれて、ろ

くな生活を送る事も、出来ま

せんでした。

　

それと、薬の売人ともうま

くいかず、もうその土地に居

る事が出来ず、ダルクに、に

げこむ形で、施設に世話にな

りました。

　

今考えて見るとダルクに来

て本当に良かったと思ってい

ます。皆と色々な場所に行っ

たり、おいしい物を食べに

行ったり、映画を観に行った

りと、楽しい事ばかりです。

　

そのおかげで今では、薬を

やりたいと思った事は、あり

ません。

　

施設のスタッフさんも親身

になって、相談にも乗ってく

れるので、とても嬉しく思い

感謝しています。

　

この先、どのくらい施設に

お世話になるかはわかりませ

んが、いる間、仲間達と、色々

な事を学び、たくさん楽しい

事をして楽しみ、生活してい

きたいと思っています。

　

ここで学んだ事をしっかり

と思い続けていれば、施設を

出た時も、もう二度と薬に手

を出す事はないと思います。

　

これから先、薬に手を出さ

ないという事は、大変かもし

れませんが、施設に居た時の

生活を忘れず、しっかりやっ

ていきたいと思っています。

7

とかちダルクのはじまり

　とかちダルクは今年で法人設立 7 年を超えました。　2011 年 9 月 15 日に札幌から私を含め 3 人の仲間で移動してきました。札幌に拠点を置く「北海道ダルク」の一事業所としての位置づけで開設された「とかちダルクケアセンター」は、認可されない施設としてスタートしたのです。4LDK の借家からスタートしました。私も他の二人の仲間も同居いたしました。　3 ヶ月ほどたった 12 月に新しい仲間が 2 人刑務所を出所して入所することになり、新たな家を借りました。私以外の仲間はそちらで移り住み、今までの借家は仲間が日中生活する場、とかちダルクの事務所、私の住まいと変わったのです。　三年ほどその状態を続けつつ、道東で施設外の活動も増えてきました。まず刑務所で行われている「薬物乱用離脱指導」通称 [R-1] と呼ばれるものです。ダルクでは刑務所メッセージといっております。それまでは、札幌に拠点を置く「北海道ダルク」が全道の刑務所をカバーしておりました。北海道には７ケ所の刑務所があります。【函館】【札幌】【月形】【旭川】【帯広】【釧路】【網走】この中の旭川を除く６か所にメッセージを運んでいたわけです。　札幌－函館　往復約 600km　JR で往復 7 ～ 8 時間、札幌刑務所は車で 15分ほど、月形刑務所、夏は１時間弱、冬は２時間弱。帯広は往復約 400kmJRで往復４時間、釧路はさらに遠く JR で往復約９時間、網走に至っては、日帰りは不可能、かつ空路で行かなければならない距離でした。その中で道東方面の【帯広】【釧路】【網走】にとかちダルクが刑務所メッセージにはいるようになりました。　宿輪個人では刑務所メッセージに行くようになって 14 年ほど経ちます。この時間の中で少しづつ変化を感じる様になってきたんです。それは刑務所に服役中の変化だけでなく自分自身の変化もあってそう感じるようになってきたのではと思います。先日は帯広刑務所から感謝状もいただきました。あっという間に８年目を迎え、いろいろなことがありながら今があります。　相変わらず刑務所からの手紙は来ており、へたくそな字で返事書くのは心苦しく思うけれど、対応しております。　来年は法人設立８周年記念のフォーラムも行います。陸の孤島だと思っていたとかちダルクにも仲間が増えてきました。今後も一人でも多くの仲間が、回復の道を歩けるようにお手伝い出来たら幸いです。

R

ＨＳＫ　リカバリーニュース 昭和 48 年 1 月 13 日　第三種郵便物承認 ＨＳＫ通巻番号 571 号　（とかちダルク　第 30 号） 発行　令和 1 年 10 月 10 日（毎月 10 日発行） 定価　100 円（会費に含む）

編集人　住所　北海道帯広市西 12 条北 1 丁目 13　　　　団体名　特定非営利活動法人　とかちダルク　　　　TEL　0155-67-0911発行人　北海道障害者団体定期刊行物協会（ＨＳＫ）

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会員募集　とかちダルクでは、随時会員を募集しております。私たちの活動にご理解をいただき、少しでもご協力いただける方の入会をお待ちしております。是非、ダルクの会員となり、活動や運営を支えていただきたいと思います。　ご賛同いただける方は入会申込書に必要事項をご記入の上、会費の納入をお願いいたします。なお、郵便局でお受け取りになる振替兼受領書をもちまして、領収書に代えさせていただきます。領収書が別途必要な方、匿名希望の方は、通信欄にその旨をご記入いただきますよう、お願い申し上げます。

寄付のお願い　とかちダルクに入所される方の中には、着る物も身の回りの物もない状態で来られる方がいるため、生活必需品の購入を経費で負担することがあります。そこで、日用品や食料品、衣料品の寄付を会員募集と併せてお願いしております。少しでもご協力いただければ幸いです。

※このニュースレターの封入作業は、仲間達が分担して行っています。ページ漏れなどの点検は行っていますが、お気づきの点がございましたらお知らせください。　また、作業の簡略化の為、全員の方に郵便振替用紙を同封させていただいております。どうぞご理解ください。

連絡先　0155-67-0911

編集後記

　　

この度とかちダルクに、新し

いスタッフが２名も仲間入りし

てくれました。とかちダルクに

とっては、貴重な貴重な当事者

スタッフでございます。

　

二人ともかなりしっかり仕

事に取り組んでくれるうえに、

時々のぞかせるアディクトらし

いぶっ飛び具合がまた愛らしい

です。

　

人を雇うのも、施設を維持す

るのも、先立つものはやはりお

金です。このご縁も日頃から活

動を支えてくれる皆様のおかげ

で、良い人材に恵まれたことを

本当に嬉しく思っています。

　

そして、仲間の伝統の中には、

誰かにもらった優しさを、新し

く繋がった次の仲間に手渡し

ていくという考えがあります。

私はその考え方が好きなので、

これから

出会うア

ディクト

へ、この

感謝の気

持ちを手

渡してい

きたいと

思います。

　

渡部

会員入会と寄付のお願い

♡ダイちゃん♡ ♡太郎♡