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1 平成 30 年度 経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業 (⾃治体発⾏チケット等のオンライン完結プラットフォーム実現に向けた調査事業) 事業報告書 平成 31 年 3 ⽉ ヤマトシステム開発株式会社

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Page 1: (⾃治体発⾏チケット等のオンライン完結プラット …2 平成30年度 経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業 ( 治体発 チケット等のオンライン完結プラットフォーム実現に向けた調査事業)

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平成 30 年度 経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業

(⾃治体発⾏チケット等のオンライン完結プラットフォーム実現に向けた調査事業)

事業報告書

平成 31 年 3 ⽉

ヤマトシステム開発株式会社

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平成 30 年度 経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業 (⾃治体発⾏チケット等のオンライン完結プラットフォーム実現に向けた調査事業)

事業報告書 <⽬次>

第 1 章 事業概要

1.1. 背景 1.2. 事業⽬的 1.3. 実施内容 1.4. 成果⽬標

第 2 章 オンライン完結プラットフォームの⽬指すべき姿と考え⽅

2.1. オンライン完結プラットフォームの⽬指すべき姿と考え⽅ 2.2. オンライン完結プラットフォームの類型整理 2.3. 類型ごとの具体的事例 2.4. 類型整理の結果 2.5. 考察

第 3 章 オンライン完結プラットフォームの標準的な仕様の策定(技術検討)

3.1. 技術検討 WG の運営について 3.2. 標準仕様の策定 3.2.1. 全体アーキテクチャ定義 3.2.2. プロセス機能要件 3.2.3. システム間インターフェイス仕様 3.2.3.1. 標準となる通信⽅式について 3.2.3.2. 標準となるインターフェイス⽅式について 3.2.4. セキュリティ仕様 3.2.4.1. Web アプリケーションのセキュリティ対策について 3.2.4.2. ネットワークおよびサーバのセキュリティ対策 3.2.5. データフォーマット仕様

3.3. システム化標準ガイドラインの策定 3.4. データ利活⽤基準の具体化 3.5. 調達仕様の策定 3.6. 考察

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第 4 章 制度上の制約への対応策の検討(推進施策の整理・検討)

4.1. 各⾃治体の条例・規則等による制約 4.2. オンライン完結プラットフォームの全国展開に係る制度⾯・財政的な課題の整理 4.3. 収集データの利活⽤のモデル化およびオープンデータ化に関する課題の整理 4.4. 考察

第 5 章 利便性及び有効性等の検証(実証)

5.1. 実証実験の概要と⽬的 5.2. 実証計画 5.3. 実証環境 5.4. 実証項⽬と内容(期間、⼈数等) 5.5. 実証結果 5.6. 考察

第 6 章 有識者・関係者からなる会議体の設置、運営(検討委員会)

6.1. 設置の⽬的 6.2. 委員構成 6.3. 各回の開催概要

第7章 総括

7.1. 総括 7.2. 今後の課題と対策 <資料集> 資料 1 調達仕様書案 資料 2 実証実験アンケート結果(モニター利⽤者・タクシー乗務員) 資料 3 実証実験ヒアリング結果(モニター利⽤者・⾃治体職員・タクシー事業者)

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1 事業概要

1.1. 背景

我が国は、主要先進国の中でも高齢化率とその上昇スピードが高水準であり、加えて

生産年齢人口の減少により人口構造は急速に変化しており、それに伴う様々な社会的

課題への対応が求められている。

高齢化の急速な進展は、社会保障費の増大、生産年齢の減少による消費・生産活動の

縮小など、日本の経済活動に多大な影響を与えている。こうした状況に対応するため、

我が国では、デジタル技術を 大限活用し、人口減少・少子高齢社会に適合した経済社

会システムへと転換することが求められている。中でも、多くの国民や事業者が接点を

もつ、普通地方公共団体及び特別地方公共団体(以下「地方公共団体」という。)にお

ける行政事務のデジタル化・効率的な運用は、大きなテーマの一つである。

近年、各地の地方公共団体では、高齢者及び単独での外出が困難な障がいのある住民等

の外出支援策として、あるいは不採算や老朽化等を理由に廃止された公共交通機関の代

替手段として、福祉目的のタクシーチケット(以下「福祉チケット」という。)を発行

するケースが増加している(推計値:全国で年間約4,300万枚)。

こうした福祉チケットは、地方公共団体独自の条例等に基づいて運用され、その多くが

紙で、地方公共団体の窓口における申請書提出・本人確認書類の提示など対面での手続

きにより発行されている。タクシー事業者にとっても、利用後のチケットの集計や経理

処理、地方公共団体への請求など、多くの事務作業が発生している。さらに、地方公共

団体ごとに多種多様な福祉チケットが発行されているため、無効な福祉チケットの誤使

用等が発生し、タクシー事業者が自己負担せざるを得ないケースなども生じている。

一方で、福祉チケットをめぐっては、発行主体(自治体等)、サービス提供者(タク

シー事業者)、経費処理を担う事業者、利用者(高齢者・障がい者など実際にタクシ

ーを利用する者)など関係者が多岐にわたること、各タクシー事業者の事業規模が小

さく投資負担に耐えられない等の阻害要因により、業界を横断する統一的な対応が見

送られてきた経緯がある。しかし、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大

会に向け、国を挙げてキャッシュレス決済の普及拡大が急務となる中、福祉チケット

のデジタル化・キャッシュレス化を進めることで、事務負担の軽減や利用データの活

用を進め、サービスの質の向上に取り組む必要がある。

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1.2. 事業目的

福祉チケットとは、高齢者や単独での外出が困難な障がい者に対し、自治体が外出支

援策として発行するタクシーチケットを指す。近年、福祉チケット助成を行う自治体

が多くなっており、平成 29 年度調査事業で実施したアンケート調査によると、アンケ

ートに回答した 534 自治体中、524 自治体が発行している。福祉チケットは地方公共団

体独自の条例等に基づき運用され、下記のような課題がある。

① ほとんど紙のチケットとして発行されている

② 地方公共団体の窓口での申請書提出・本人確認書類の提示など対面での手続きに

よって発行されている

③ タクシー事業者にとっても、利用後のチケットの集計や経理処理、地方公共団体

への請求など、多くの事務作業が発生している

④ 地方公共団体ごとに多種多様な福祉チケットが発行されているため、無効な福祉

チケットの誤使用が発生し、タクシー事業者が料金を自己負担せざるを得ないケ

ースなども生じている

これらの課題に対して、福祉チケットの発行から精算までを一元的にデジタル処

理するプラットフォーム(以下「オンライン完結プラットフォーム」という)を実

現することで、自治体・事業者の業務効率化、利用者の利便性向上、データ利活用

による助成内容の見直しなどの社会的メリットが見込めると考えた。

本事業の目的は「平成 29 年度調査事業」で明らかになったオンライン完結プラット

フォームの実現に向けた以下 3 点の課題に対して調査・実証を行うことである。

図表 1 本事業の目的

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なお、本事業の推進にあたっては、「平成 29 年度調査事業」を通じて形成した「オン

ライン完結プラットフォーム 標準化仕様」、「オンライン完結プラットフォーム自治

体導入ガイドライン」、「オンライン完結プラットフォーム 効果的且つ合理的なプラ

ットフォームモデル」を元に平成 31 年度以降、実導入へ向けた準備活動(システムの

構築ならびに環境構築)が官民問わず、広く全国で利用可能となるように既存の技術、

民間サービス等を利活用することで実現できる、汎用性のある低コストな仕様となる

ように留意した。

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1.3. 実施内容

本事業の実施内容は以下の通りである。

図表 2 本事業の実施内容

また、本事業は、以下の通り運営した。なお、実施にあたっては経済産業省と調査の

方向性について適宜確認を行うとともに、計画上想定していなかった事項が発生した

場合には、協力して対処するものとした

図表 3 本事業の実施体制

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1.4. 成果目標

本事業の成果目標は以下の通りとした。

図表 4 本事業の成果目標

また、本事業の実施に係る全体像は以下の通りである。

図表 5 本事業の全体像

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2 オンライン完結プラットフォームの目指すべき姿と考え方

2.1. オンライン完結プラットフォームの目指すべき姿と考え方について

本年度の調査事業を通して導き出されたオンライン完結プラットフォームの目指す

姿は以下のとおりである。

① 煩わしい対面業務、書類を撤廃し、必要な人が必要な時に使える利用環境の実現

② データ活用による処理の効率化及び新たな価値の創出

①に関しては、チケットの電子化による関係者(自治体・サービス事業者)の業務効

率化とコスト削減に貢献すること、業務効率化によりサービスの向上と顧客満足度の

向上に期すること、および自治体発行のチケットのみでなく民間発行のチケットも視

野に入れることが求められる。

②に関しては、自治体・サービス事業者のみでなく、チケットを取り扱うプラットフ

ォーマー自身もデータを活用することで新たな価値が創出されることを想定している。

また、オンライン完結プラットフォームは複数のプラットフォーマー間での相互運用

性を持つことが特徴である。これにより、自治体・サービス事業者・利用者をつなぐ

マッチングシステムとして機能することが期待される。

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目指す姿に向けてのステップを以下に示す。

図表 6 オンライン完結プラットフォーム 目指す姿

まずは、福祉チケットについて標準仕様に基づき電子化する。そして、その標準仕様

を、自治体が発行する他のチケット類や、民間発行のチケット類へと段階的に転用す

る。これにより、自治体や民間企業等のチケット発行者およびサービス事業者の業務

効率化とオンライン化対応に当たってのコスト削減が見込める。さらに、利用データ

を活用し新たな価値を提供する。ここでの「新たな価値」とは、自治体に関しては助

成の効率化や 適化(市民サービスの向上)、データに基づく政策(EBPM)の実現など

であり、民間企業にとっては新事業の創出や顧客満足の向上を指す。

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2.2. オンライン完結プラットフォームの類型整理

前項で述べたオンライン完結プラットフォームの「目指す姿」を実現する形として考

えられる類型を、提供されるサービスの観点から整理すると以下のようになる。なお、

以下の表に記載の社名等は「タクシー」というサービスで考えた際の内容となる。

図表 7 オンライン完結プラットフォームの類型

それぞれの類型の詳細と、実現するにあたっての要求事項について記載する。

① 類型1

類型1のプラットフォームは、行政向けサービスの範囲で特定のサービスを提

供するプラットフォームである。

以下の図の場合、チケットプラットフォーム A は福祉チケット、Bは美容室で

利用できる理美容券、Cはドラッグストアで利用できる介護用品給付券のプラッ

トフォームである。

図表 8 類型1のモデル

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この場合、要求事項は「複数の自治体がサービスを利用しても区別できること」

「複数のサービス事業者がサービスを利用しても区別できること」「チケットを

扱うプラットフォームは、同じシステムで他の理美容券や介護用品給付券など他

の行政サービスで扱うチケットの電子化にも対応できること」である。

② 類型2

類型2のプラットフォームは、行政向けサービスの範囲ではあるが、複数のサ

ービスを扱う。

図表 9 類型2のモデル

この場合、要求事項は類型1の要求事項に加え「単独で、複数の行政サービス

で扱うチケットの電子化に対応できること」となる。

③ 類型3

類型3のプラットフォームは、サービスは単一であるものの、行政・民間向け

サービスを扱う。

図表 10 類型3のモデル

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この場合、要求事項は「同じプラットフォームで自治体(A)、民間(B)、混在

(C)のいずれのパターンも 1つのサービス(たとえばタクシー)で扱うチケッ

トの電子化に対応できること」である。

④ 類型4

類型4のプラットフォームは、公民混在サービス、かつ複数のサービスを取り

扱う。

図表 11 類型4のモデル

この場合、要求事項は「同じプラットフォームで自治体(A)、民間(B)、混在

(C)のいずれのパターンも複数のチケットの電子化を実現できること」である。

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2.3. 類型ごとの具体的事例

前項で整理した4つの類型について、それぞれ具体例を示す。

① 類型1の例

<自治体発行の妊婦健診助成券>

自治体において発行される「妊婦健診助成券」は、妊婦健診受診時に利用可

能なチケットである。利用の流れは、申請(妊娠届提出)~資格確認~利用(医

療機関を受診)~請求・精算(対自治体)となる。プラットフォームでの処理

を想定した場合、必要な項目は利用者 ID、利用先 ID、助成券金額、利用内容

(健診項目)である。

図表 12 類型1のモデル 具体例

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② 類型2の例

<妊婦支援>

自治体によっては妊婦に対して支援券を発行しており、家事援助や陣痛時の

かかりつけ医への移送(タクシー)など複数のサービスが利用可能である。利

用の流れは申請~資格確認~利用(サービスの利用)~請求・精算(対自治体)

となる。プラットフォームでの処理を想定した場合、必要な項目は利用者 ID、

利用先 ID、助成券金額、利用内容(利用サービス)である。

図表 13 類型2のモデル 具体例

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③ 類型3の例

<ベビーシッター券>

チケット発行元が公民混在(自治体や福利厚生代行会社が発行)しているベ

ビーシッター券も、申請(利用申込)~(自治体の場合は資格確認)~利用(ベ

ビーシッターサービスの利用)~請求・精算(対自治体または福利厚生代行会

社などの民間企業)という流れで利用される。プラットフォームでの処理を想

定した場合、必要な項目は利用者 ID、利用先 ID、利用券金額、利用内容(利

用サービス)である。

図表 14 類型3のモデル 具体例

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④ 類型4の例

<子育て支援>

自治体が発行する「子育て支援券」は複数のサービスが利用可能であり、民

間で発行されている子育て世帯向けの券類(たとえば㈱トイカードが発行する

こども商品券)も加盟店が複数用意されている。利用の流れは申請(購入)~

(自治体の場合は資格確認)~利用(サービスの利用や物品購入)~請求・精

算(対自治体または㈱トイカード)である。こども商品券の場合は贈答などに

より申込者と利用者が異なる場合もあり得る。プラットフォームでの処理を想

定した場合、必要な項目は利用者 ID(またはチケット ID)、利用先 ID、利用券

金額、利用内容(利用サービス)である。

図表 15 類型4のモデル 具体例

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2.4. 類型整理の結果

類型整理の結果、チケット発行者(自治体又は民間企業)が異なっても共通する部分

は以下の通りである

・申請(申込)~利用~精算・請求の流れ

・サービスを提供する事業者

チケット発行者が異なると変わってくる部分は以下の通りである。

・本人確認(資格確認)の必要有無

– 自治体の場合は助成の申請時に受給資格確認や本人確認が必要。一方、民間

の場合はともに不要なケースが大半を占める。

・チケットの受け渡しの発生有無

– 自治体の助成の場合は基本的には本人が使うことが前提だが、民間発行のチ

ケットの場合は贈答など、申込者と利用者が異なるケースがある。

以上から、オンライン完結プラットフォームの機能について、申請(申込)~利用~

精算・請求は4類型における共通機能となることが分かった。

次に、チケットの種類が異なっても共通する部分は以下の通りである。

・精算に必要な項目

– 利用者 ID(またはチケット ID)

– サービス事業者 ID

– チケット金額

– 利用内容

・申請(申込)~利用~精算・請求の流れ

一方、チケットの種類により異なる部分は以下の通りである。

・チケット発行者

・サービスを提供する事業者(提携している利用先)

以上から、オンライン完結プラットフォームのデータ項目を検討するにあたっては、

利用者 ID(またはチケット ID)、サービス事業者 ID、チケット金額、利用内容が 4類

型における共通項目となることが分かった。

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2.5. 考察

前述の「オンライン完結プラットフォームの目指す姿」の実現には、類型1~4全て

の類型をカバーしうるプラットフォームが必要である。

ただし、コスト削減の観点やデータ利活用の可能性まで考慮した上で類型1~4の要

求事項を全て満たす場合、必ずしも単独のプラットフォームが全ての類型の機能を充

足している必要はない。複数のプラットフォームが既存の決済スキームなどの資産を

活用して、相互に連携し合うことでオンライン完結プラットフォーム全体を構成する

モデルとすることが望ましい。

図表 16 オンライン完結プラットフォームにおける相互連携

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このモデルを検討するにあたって参考としたのが日常生活に広く浸透している電子

マネーのプラットフォームである。電子マネーサービスには様々な事業者が参入して

おり、プリペイドやポストペイなど精算方法にも複数パターンがある。利用者は、利

用条件などを比較し、利用する電子マネーを自身で選択して規約に同意する。また、

利用者とプラットフォーム間の契約によって、プラットフォーム上で自身の電子マネ

ーを管理しており、プラットフォームは利用者の代理であると言える。電子マネープ

ラットフォームは、利用者本人の同意のもとで取得したデータを分析・活用する事も

可能である。

図表 17 電子マネープラットフォームの整理

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この電子マネープラットフォームにおける考え方を、今回検討する電子チケットのプ

ラットフォームに置き換えると以下のとおりとなる。電子マネー同様、電子チケット

プラットフォームにも様々なサービス事業者が参入し複数の選択肢があることを想定

する。事業者向けの決済端末や決済サービスは既存のものを利用する事を想定してい

る。利用者は、使用する電子チケット(プラットフォーム)を自身で選択する。利用

者と電子チケットプラットフォーム間の契約によって、プラットフォーム上で自身の

電子チケットを管理する、つまり電子チケットプラットフォームは電子マネーの例と

同様に利用者の代理と位置づけられる。また電子チケットプラットフォームは、利用

者の同意に基づいてデータを活用することが可能である。

図表 18 電子チケットプラットフォームの整理

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前述の電子チケットモデルをベースに、発行されるチケットが民間発行のタクシーチ

ケットになった場合を想定すると、以下のようになる。チケット発行者ごとに管理機

能(支払管理・会員管理など)・チケット生成機能・決済1機能を持つことと、それとは

別に電子チケットプラットフォーム内にエンドユーザー側のチケット管理機能を持た

せることで、クレジットカード会社・タクシー会社など、複数のチケット発行者が同

一のプラットフォーム上でチケット事業を展開可能となる。またこの場合は類型整理

の項で述べた通りチケットの購入者と利用者が異なることが起こり得るが、その場合

も購入者・利用者それぞれのチケット管理機能を元に、自由な受け渡しが可能となる。

図表 19 民間発行タクシーチケット 電子化モデルの整理

1 ここでの決済とは、利用者がチケットを購入する対価の支払いのことを指す。

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このモデルを、さらに自治体発行の福祉チケットへと展開する場合には以下の図に

記載のモデルが考えられる。

前述の図表 19 のモデルと異なる点は以下の二点である。

① 決済機能が審査・助成額決定機能に置き換わること

② 申込者(利用者本人)と決済用資金の提供者(チケット発行元である

自治体)が別になること

②に関しては、民間発行のタクシーチケットでも申込者と 終的なチケットの利用

者が異なることは起こりうるが、その場合は申込者本人の資金で決済が行われ、生成

されたチケットを授受することで権利を移転しているため、ここで言う②の状態とは

異なると考えられる。

図表 20 自治体発行チケット 電子化モデルの整理

このモデルは、自治体に対して助成精算サービスを提供するプラットフォームと、

利用者に対してチケット管理機能を提供する電子チケットプラットフォームを分けて

いる。自治体発行のチケットの場合は、民間発行のものと異なり、申請とそれに基づ

く審査及び付随しての本人確認が必要であるため、自治体側が所持している「対象者

情報」が必要となる。この情報は福祉チケットの場合障がい情報などセンシティブな

情報を含んでいるが、このモデルの場合、申請の受付から助成決定・チケット生成の

ために必要な申請データの取得主体者は自治体となるため、自治体が自治体向けプラ

ットフォームを提供するプラットフォーマーとの間で業務委託契約を結ぶなどして、

前述の業務の遂行を目的に対象者情報を提供することは可能であると考えられる。

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その一方で、チケットを利用したデータに関しては、自治体から民間に提供するた

めには非識別加工をする等の対応が必要とされるが、非識別加工やオープンデータの

取組は自治体であまり進んでおらず、非識別加工情報作成に必要な条例改正を平成 29

年度中に行った地方公共団体は 5団体、オープンデータの取組率は平成 30 年 9 月 17

日時点で約 20%であった。また仮にデータを出せたとしても非識別加工を経て活用しづ

らいデータとなることが想定される。そのため、チケットを利用したデータについて

は、自治体ではなくオンライン完結プラットフォームを提供する事業者自身が、利用

者本人の同意に基づき取得する必要がある。その点、図表 20 のモデルでは、「決済履

歴」や「チケット支払」、即ちチケットを購入し利用したデータは電子チケットプラッ

トフォームが取得主体者となる。即ちオンライン完結プラットフォームを提供する事

業者は、福祉チケットに限らず、提供するサービス全般の履歴データの一部として、

利用者本人の同意のもとデータ利活用が可能となる。これは一般的なサービス提供の

モデルと同様であると同時に、自治体もチケットを精算するための証跡としてプラッ

トフォーム経由でチケットの利用実績の提供を受けられるため、データ利活用におけ

る課題はないことが分かった。

以上の調査結果から、オンライン完結プラットフォームによりオンラインでの申請

~利用~集計・精算を実現しチケット発行者(自治体)の業務負荷を下げ、利用者の

利便性を向上し、かつオンライン完結プラットフォームを利用したデータを自治体・

民間(オンライン完結プラットフォームを提供する事業者自身を含む)双方で活用す

る、という姿を実現するためには、自治体向けに福祉チケットの申請受付や発行を代

行するサービスを提供するプラットフォームと、利用者向けにチケット管理やチケッ

トを使って決済する機能を提供するプラットフォームを分ける必要があると考え、図

表 20 のモデルに至った。

これまで述べてきたモデルをまとめ、類型1から類型4の全てを実現するオンライ

ン完結プラットフォームのモデルを以下に示す。

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図表 21 オンライン完結プラットフォーム 実現モデル

このように、オンライン完結プラットフォームは下記 3つのプラットフォームによ

って構成される。

① 民間のチケット発行者向けのチケット発行機能を持ったプラットフォーム

② 自治体に向けたチケット発行機能を持ったプラットフォーム

③ 利用者向けのチケット管理・決済機能、及び事業者向けの決済サービスを提供

する電子チケットプラットフォーム

それぞれのプラットフォームに関しては、既に社会に存在しているサービスや資産

を活用する事を想定している。

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3 オンライン完結プラットフォームの標準的な仕様の策定(技術検討)

オンライン完結プラットフォームの実現に向けては、まず自治体等が発行する助成チ

ケットをデジタル処理し、かつ広く全国で利用可能となるよう標準規格の整理、検討

が必要である。本実施項目においてはオンライン完結プラットフォームの具体化のた

めに、標準規格の整理・検討を行った。

第 2章では類型 1~4の整理を行い、全ての類型を実現できるモデルを描いたが、今

年度の技術検討にあたっては、まずはチケット発行元が自治体である類型 1・2を中心

として整理・検討を行った。

本実施項目の具体的な実施内容については下記の通りである。

図表 22 オンライン完結プラットフォームの標準的な仕様の策定(技術検討)実施の流れ

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3.1. 技術検討 WG の運営について

オンライン完結プラットフォームは、プラットフォーム本体、モバイルアプリケーシ

ョン、自治体・タクシー事業者業務システム等、複数のシステムに渡りインターフェ

イスデータの連携が発生する事を当初から想定していた。したがって標準的な仕様を

策定するために多様なステークホルダーで合意形成を図る必要があることから、技術

検討ワーキンググループ(以下、「技術検討 WG」という)を設置した。

技術検討 WG では、現実的かつ、将来にわたって持続可能となるオンライン完結プラ

ットフォームの標準的な仕様を策定するにあたり、有識者から知見、指導を得ながら

整理、検討を行った。構成するメンバーについては以下の通り。

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所属 氏名(敬称略) 立場 選定理由(実績・知見)

富士通株式会社 吉田 泰 自治体システム

ベンダー

地方自治体向けソリューション

INTRRCOMMUNITY21 開発・

導入

みずほ情報総研

株式会社

百井 勝 決済システムベ

ンダー

地方自治体向け ASP サービス

「公金収納ネットワークサービ

ス」開発・導入

ピクセルソリュ

ーションズ株式

会社

増井 浩二 ソフトタクシー

メーター開発者

ソフトタクシーメーター開発

ピクセルソリュ

ーションズ株式

会社

川島 賢一 ソフトタクシー

メーター開発者

ソフトタクシーメーター開発

株式会社システ

ムオリジン

河村 武男 タクシー業務シ

ステムベンダー

タクシー事務処理システム開

発・導入

株式会社システ

ムオリジン

大矢 信貴 タクシー業務シ

ステムベンダー

タクシー事務処理システム開

発・導入

株式会社フィノ

バレー

川田 修平 モバイルアプリ

ベンダー

地域通貨「さるぼぼコイン」開

発・導入

株式会社フィノ

バレー

青山 拓磨 モバイルアプリ

ベンダー

地域通貨「さるぼぼコイン」開

発・導入

合同会社

DMM.com

長井 和裕 モバイルアプリ

ベンダー

電子チケット発券アプリ開発・導

合同会社

DMM.com

佐藤 達郎 モバイルアプリ

ベンダー

電子チケット発券アプリ開発・導

ヤマトシステム

開発株式会社

神田 寛 プラットフォー

ムベンダー

大手宅配会社向け

決済プラットフォーム開発導入

図表 23 技術検討 WG 構成

なおメンバーの選定にあたっては、福祉チケットを例にとり、自治体システム・タク

シー事業者システム・利用者向けアプリそれぞれに精通している専門家をメンバーと

して構成した。全 9回の技術検討 WG を開催し、技術仕様の標準化に向けた議論を行っ

た。

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3.2. 標準仕様の策定

オンライン完結プラットフォームの標準仕様について、下記の項目を策定した。

① 全体アーキテクチャ定義

② プロセス機能要件

③ システム間インターフェイス仕様

④ データフォーマット様式

なお、標準仕様の策定にあたっては「平成 29 年度調査事業」で明らかになった以下 5

点の課題を解決できる仕様を前提として検討を行った。

① 自治体にとって導入コストが高くなく、業務処理の量およびコスト低減に資す

ること

② タクシー乗務員をはじめとするプラットフォーム利用者にとって使いやすい仕

組みであること

③ 利用実態に関する現状分析ができること

④ 既存の紙によるチケットとの併用が可能な仕組みであること

⑤ 本人以外による不正利用や期限切れ等の不適切な利用を抑制できる仕組である

こと

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3.2.1 全体アーキテクチャ定義

福祉チケットを電子化した際、オンライン完結プラットフォームと連携する(可能性

がある)、利用者用モバイルアプリケーション、自治体業務システム、タクシー事業者

業務システム、収納基幹システム、その他関連システムなど、全体の構成と連携する

業務を定義し図示する。

図表 24 オンライン完結プラットフォーム 全体アーキテクチャ定義

全体アーキテクチャについては、平成 29 年度調査にて洗い出しを行った機能群の整

理を基に、プラットフォームの持つべき機能と役割を明確にすると共に、プラットフ

ォームと連携する必要があるシステム(ステークホルダー)を洗い出した。

プラットフォームでは、機能を「共通管理基盤」と「チケット別基盤」の 2つに分類

することとした。

「共通管理基盤」は、電子チケットを利用するにあたっての基本機能となり、「申請

データ受付」「利用データ集計」「請求データ作成」など、業務に基づく必要機能と定

義した。

「チケット別基盤」は、助成されるチケットごとに指定される固有要件を定義するこ

とで、チケットの利用上限やチケット 1枚あたりの助成金額の違いなどを管理する機

能とし、自治体が発行する様々な助成チケットに横展開ができるように定義した。

また、平成 29 年度調査結果からの変更点として、電子チケットのフロント機能につ

いては、プラットフォームとして持つべき機能からは除外することとした。

利用者が電子チケットを利用する際のフロント機能並びにデバイスについては、現在

多くのものが普及しており、標準仕様として特定できるものではない。また、プラッ

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トフォームを構築するプラットフォーム事業者にとっても、デバイスを限定すること

で参入障壁になる可能性を考慮し、標準化の範囲から除外した。

3.2.2 プロセス機能要件

全体アーキテクチャにおける各ステークホルダーのオンライン完結プラットフォー

ムを活用した業務プロセスを定義する。

ここでは、現状の紙チケットを使った福祉タクシー券の業務プロセスを基に、電子化

した場合のプロセスを洗い出しフロー化したものである。

フローでは、「①申請~交付」「②利用」「③精算~請求」の 3 つのフェーズに分けて

フローをまとめた。

以下、フェーズごとのフローとそれに関わる解説・補足について記載する。

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① 申請~交付

図表 25 オンライン完結プラットフォーム業務プロセス 申請~交付

• 通知について

現状は、各自治体によって方法は異なるが、広報誌等に申請開始の案内を掲載し、利

用者へ申請を促している。この方法の場合、利用者自身が受給対象なのかを把握するこ

とが難しいというデメリットがある。

そのため、周知に当たっては、自治体向けプラットフォームの利用歴のある方には E

メールもしくは SMS 等によるプッシュ通知を、その他、利用歴の無い方には、利用者向

けの機能を提供するプラットフォーム事業者やタクシー等のサービス提供事業者と連

携して広告を流す等の方法を併用することを想定している。

ただし、プッシュ通知を行う場合は、自治体から「受給対象者」情報をデータでプラ

ットフォームに送れることが前提となる。個人情報のうち、より機微な情報を直接取り

扱うことになるため、自治体の制度上の制約や、プラットフォーム事業者のセキュリテ

ィ面での障壁が高くなるため、考慮が必要である。

• 利用申請について

通知の受領有無にかかわらず、利用者が自治体に対して福祉チケットの受給申請を行

う。この時、実際の申請データは、プラットフォーム上に格納され、申請があった人の

一覧を自治体へ提供することを想定している。自治体はこのデータを利用し支給決定を

行い、チケットを交付する

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• 支給決定について

申請者一覧データを受け取った自治体は、申請情報が本人(代理人を含む)からの申

請であるか、その申請者にはその助成チケットを受け取る資格があるのかを、自治体お

よび民間企業が定める方法で確認を行う。※

その結果、チケットを交付できると確認された申請者に対してのみ、福祉チケットを

交付する。

※本人確認と資格確認の方法については、自治体および民間企業の条例やポリシーに

より確認方法や確認内容の粒度が大きく変わることがヒアリング等より判明している。

そのため、技術的な標準仕様として、本人確認方法や資格確認方法は定義しない。

• 民間発行のチケットの場合

利用者からの申請が発生しないため、民間企業はチケットを発行する利用者情報をプ

ラットフォームに送信することで、チケットを配布することができる。民間が発行する

チケットは多岐にわたるため一概に述べることはできないが、コンサートチケットなど

は、本人確認等も行っているため、その場合、自治体のフローと同様のものを活用する

ことができる。

図表 26 オンライン完結プラットフォーム業務プロセス 申請からチケット交付

(民間企業発行のチケットの場合)

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• 利用デバイスの洗い出しについて

大分類 概要 方式

(1) 紙チケット ・利用者に紙のタクシー券(一枚一枚にタクシー券情報

のバーコードまたは QR コードを印刷したもの)を発行

し、利用時に車内でコードを読み取る

静的 QR

(2) プラスチックカード ・利用者にプラスチックカード(券面にタクシー券情報

と紐づけしたバーコードまたは QR コードを印字したも

の)を発行し、利用時に車内でコードを読み取る

(3) IC カード ・利用者に Felica 型の IC カード(タクシー券情報を紐

づけ)を発行し、利用時に車内で IC を読み取る

IC カード ・利用者にマイナンバーカード(空き領域にタクシー券

情報を付与)を発行し、利用時に車内で IC を読み取る

・利用者に IC タグ入りリストバンド(タクシー券情報を

紐づけ)を発行し、利用時に車内で IC を読み取る

(4) スマートフォン

(アプリケーション) ・利用者にスマホアプリを配布し、利用時に車内でアプ

リケーション上のバーコード(QR コード)を読み取る 動的 QR

・利用者にスマホアプリを配布し、利用時に車内でアプ

リケーション上のチケットを電子的にもぎる スマホアプリ

・利用者にスマホアプリを配布し、利用時に車内でアプ

リケーション上のチケットを電子スタンプで読み取る

(5) 生体認証 ・利用者の指紋情報とタクシー券情報を紐づけし、利用

時に車内で指紋情報を読み取る

除外 ※ ・利用者の静脈情報とタクシー券情報を紐づけし、利用

時に車内で静脈情報を読み取る

・利用者の顔情報とタクシー券情報を紐づけし、利用時

に車内で顔情報を読み取る

図表 27 オンライン完結プラットフォーム 利用デバイス一覧

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本調査事業では、利用者が使用するデバイスを特定しないこととしているが、平成 29

年度調査では、利用デバイスの洗い出しを行っている。

技術検討 WG では、デバイスごとにプラットフォームと通信を行うデータの相違点を

調査した。

その結果、機能の差はあるが、デバイス側の機能を利用するか、プラットフォームで

用意した機能を利用するかの違いにとどまり、当初策定した全体アーキテクチャには

影響ないことが確認できたため、図表 27 のデバイスに対応できると判断した。

※(5)生体認証については、2019 年 3 月時点において、利用できるデバイスが限定

される恐れがあり、かつ技術面・インフラ面および導入コストにおいて来年度以降す

ぐの実現は難しいと判断し、利用デバイスから除外した。しかし、利用者を特定・認

証する機能が他のデバイスと比して劣るわけではなく、機器の普及と低価格化が進め

ば対応は可能である。

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② 利用

図表 28 オンライン完結プラットフォーム業務プロセス(利用)

いずれのデバイスであっても、利用データを随時プラットフォームに送信する必要が

ある。

福祉チケットの場合、受信したデータをタクシーシステムへ送信し、タクシー事業者

が行う日次締めに対応しなければならない。

また、タクシーシステムの運賃計算と連動しない場合も考慮し、タクシーシステムか

らプラットフォームに対する修正データの連携を設けることで、柔軟な対応ができる

よう考慮した。

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③ 精算~請求

図表 29 オンライン完結プラットフォーム業務プロセス(請求~精算)

オンライン完結プラットフォームにて以下の条件で集計を行う。

– 請求データ:タクシー事業者毎に取りまとめを行い、自治体・民間企業ごと

に分割

また、利用データを活用できるよう、管理画面等を経由しプラットフォームに積算さ

れているデータを閲覧できる等の考慮が必要である。

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3.2.3 システム間インターフェイス仕様

オンライン完結プラットフォームは、プラットフォーム本体、チケット利用者が使用

するデバイス(スマートフォンアプリケーション等)、地方自治体・タクシー事業者業

務システム等、複数のシステムに渡りインターフェイスデータの連携が発生する。

図表 30 オンライン完結プラットフォーム インターフェイスの標準化範囲

オンライン完結プラットフォームの実現に向けて、標準となる通信方式およびインタ

ーフェイス方式を以下に記載する。

3.2.3.1 標準となる通信方式について

① 回線網

プラットフォームを運営、運用する事業者は自治体、業務システム構築業者と協議検

討の上、いずれかの回線網の使用を決定すること。

• 地方自治体のシステムとオンライン完結プラットフォームのデータ伝送

<閉域網>

– 総合行政ネットワーク(LGWAN) ※

– 専用線

– 各種 Virtual Private Network (IP-VPN(レイヤー3VPN)、広域イーサネット

(レイヤー2VPN))

<公衆網>

– インターネット回線

– インターネット VPN

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※自治体システムと民間企業等が有する自治体以外の外部システムとデータ授受

を行うことを想定している。その際、自治体間のデータ授受では一般的かつセキュ

アな環境として LGWAN を用いることが多いため、手段の一つとして記載した。

• タクシー事業者業務システム等の民間企業のシステムとオンライン完結プラット

フォームとのデータ伝送

<閉域網>

– 専用線

– 各種 Virtual Private Network (IP-VPN(レイヤー3VPN)、広域イーサネット

(レイヤー2VPN))

<公衆網>

– インターネット回線

– インターネット VPN

なお、オンライン完結プラットフォームと利用者デバイス間のデータ伝送は、使用す

るデバイスの性質・形態に依存するため、標準仕様としての通信方式を設けない。

② IP ベースのデータ通信について

留意点を以下に記載する。

• HTTP 通信は SSL/TLS 層において伝送内容の暗号化を行うこと。

– 2019 年 3 月時点では、TLS (Transfer Layer Security) Version 1.2 による

通信を推奨し、それ以下の TLS バージョンおよび SSL (Secure Socket Layer)

での通信は非推奨とする。

• 自治体とプラットフォーム間、プラットフォームと事業者システム間の通信にお

いて、接続先の IP アドレスが固定されている場合、接続できる IP アドレスを制

限する措置を講ずること。

3.2.3.2 標準となるインターフェイス方式について

• 地方自治体のシステムとオンライン完結プラットフォームおよび、オンライン

完結プラットフォームと地方自治体・タクシー事業者業務システムのインターフ

ェイスは以下の方式からシステムの仕様に合わせて選択して構築を行うこと。

– Web サービス(SOAP)

– WebAPI (REST など)

– RPC(XML-RPC、JSON-PRC など)

– ORB(CORBA など)

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• システム間のインターフェイスについて、データファイルを用いて行う場合、

ファイル転送プロトコルに SFTP 等を用いること。もしくはファイル連携ツールを

適切に使用して構築を行うこと。

• HTML を使用したブラウザからデータファイルのアップロードを用いる場合、デ

ータのアップロードは、SSL/TLS 層において伝送内容の暗号化を行うと共に、 [2.

セキュリティ仕様2.1 Webアプリケーションのセキュリティ対策について]に記載

の内容を順守して構築した Web アプリケーションにて行うこと。

– オンライン完結プラットフォームと利用者デバイス間のデータ伝送は、使

用するデバイスの性質・形態に依存するため、標準仕様としてのインター

フェイス方式を設けない。

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3.2.4 セキュリティ仕様

3.2.4.1 Web アプリケーションのセキュリティ対策について

Web アプリケーションの制作にあたっては独立行政法人 情報処理推進 機構 (IPA )

が策定した「安全なウェブサイトの作り方」の内容を理解するとともに、「安全なウェ

ブサイトの作り方」の別紙1「ウェブアプリケーションのセキュリティチェックシー

ト 」に定める対策を実施すること 。

3.2.4.2 ネットワークおよびサーバのセキュリティ対策

ネットワーク環境およびシステムが稼働する各種サーバに対して、以下の対応を講

ずること。

• ファイアウォールの導入

– 外部との通信を行うネットワークレイヤーと内部サーバ間通信を遮断す

• ウィルス対策ソフトの導入と適切な運用

• 適切なリソース管理、負荷分散の導入

• セキュリティパッチの適用

• 不必要なサービス/アプリケーションの削除

• 適切な監視体制の構築

– 構築したサーバおよびサービスの監視を適切に行い、異常を検知するこ

とができる体制を整えること。

• 定期的な監査、適切なデータクレンジング、ファイルクリーニングの実施

• アプリケーションログ、サーバアクセスログの取得と適切な管理

Web API において、セキュリティの強度を高めるため以下のいずれかの施策を講ずる

こと。(2019 年 3 月現在)

• JSON Web Token(JWT)

• OAuth 2.0

• HMAC / salt

• パラメータハッシュ

• API トークン

• SSL クライアント証明書

• Digest 認証

– セキュリティ対策を施していないWeb APIやBasic認証は使用しないこと。

利用者デバイスがスマートフォンかつ、その端末が指紋等によるバイオメトリクス認

証が使用できる場合、セキュリティ対策の一環として積極的な導入を検討すること。

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3.2.5 データフォーマット仕様

各システムが保持すべきデータ項目を、チケット業務要件の観点から抽出した。

オンライン完結プラットフォームでは、 低限図表 31 に記載のテーブルが必要であ

る。

SEQ テーブル名 概要

1 事業者マスタ 事業者(地方自治体や一般企業)の情報を保持するマスタ

2 部署マスタ 事業者に紐づく部署の情報を保持するマスタ

3 サービス事業者マスタ 事業者(この場合は主に地方自治体)傘下の事業者の情報を保持する

マスタ。

例:××市にはタクシー事業者 A 社、B社・・・が存在する

4 サービス事業者部署マスタ サービス事業者に紐づく部署の情報を保持するマスタ

5 チケット種別マスタ チケットに関する各種基本情報(チケット名称や額面、利用期間等)

を定義するマスタ。

6 チケット種別

(固有要件)マスタ

チケット種別マスタの情報以外、チケット別の固有要件が必要となっ

た場合定義するマスタ。

このテーブルはチケットの種類により、必要に応じて作成される。

7 チケット種別関連マスタ チケット同士の関連を保持するマスタ。

例:XX 市の 2019 年タクシーチケット、100 円券と 300 円券が存在する

場合、その 2つを設定する。

8 デバイスマスタ チケットを使用するデバイスの種類(Felica、スマートフォン QR コ

ード、マイナンバーカード 等)を定義するマスタ。なお、紙のチケッ

トも 1つのデバイスとして定義する。

9 受給者マスタ 受給対象者の情報を保持するマスタ。

事業者未承認、承認済みなど受給対象者の状態も保持する。

10 受付チケット 受給対象者に対して支給されたチケットの情報を保持するマスタ。受

付、未発行、承認、否認 など、チケットの状態も保持する

11 チケット使用 使用したチケットの情報を保持するトランザクション。

12 チケット使用

(タクシー固有要件)

使用に関する固有要件の情報を保持するトランザクション。

例:タクシーチケットの場合、乗車、降車の緯度経度情報を保持する。

13 チケット残高 このテーブルを参照するとユーザ(受付 No)ごとの 新残高を素早く

参照するためのトランザクション。

チケット使用ごとに当テーブルを更新する。

14 日次チケット精算 日次によるチケット清算の情報を保持するトランザクション。

15 月次チケット精算 月次によるチケット清算の情報を保持するトランザクション。

図表 31 オンライン完結プラットフォーム データフォーマット仕様

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このうち、電子チケット標準基盤が保持するデータ項目のテーブルは、「事業者マス

タ」「部署マスタ」「サービス事業者マスタ」「サービス事業者部署マスタ」「チケット

種別マスタ」「チケット種別関連マスタ」「デバイスマスタ」「受給者マスタ」「受付チ

ケット」「チケット使用」「チケット残高」「日次チケット精算」「月次チケット精算」

である。

チケット別基盤が保持するテーブルは、「チケット種別(固有要件)マスタ」「チケッ

ト使用(タクシー固有要件)である。

全テーブルの詳細の項目については、別紙 資料 1 「データ項目定義草案」を参照の

こと。

なお、テーブル項目定義案を作成するに当たり、「IMI 共通語彙基盤コア語彙2」を活

用しマッピングを行った。

2 IMI とは、Infrastructure for Multilayer Interoperability:情報共有基盤。コア語彙は、

共通語彙基盤の基礎をなすもので、氏名、住所、組織等、あらゆる社会活動で使用される

中核的な用語の集合である。

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• インターフェイスデータの項目

インターフェイスデータは、電子化した場合の業務フローから洗い出した、それぞれ

のシステム連携を考慮したうえで、以下のデータ授受が必要なことが分かった。

図表 32 システムフロー1

図表 33 システムフロー2

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図表 34 システムフロー3

「2.4. 類型整理の結果」から洗い出された共通フローのうち、業務プロセスを実行

するにあたり 14 のインターフェイスを一覧にまとめた。

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インターフェイス一覧

SEQ インターフェイス名 発信者 受信者 概要

1 受給者登録 自治体(事業者) プラットフォーム 受給対象者情報をプラットフォームへ登録するインターフェイス

2 受給対象者登録 自治体(事業者) プラットフォーム 自治体(事業者)にて受給対象者を抽出し、受給対象者をプラットフォームへ登録するインタ

ーフェイス

3 利用申請 利用者 プラットフォーム 自治体(事業者)から受給対象者の通知を受けた方が、プラットフォームへ利用申請を行うた

めのインターフェイス

4 申請者一覧 プラットフォーム 自治体(事業者) 申請者の一覧を自治体(事業者)が受領するインターフェイス

5 支給決定一覧 自治体(事業者) プラットフォーム 支給決定者一覧をプラットフォームへ登録するインターフェイス

6 チケット発行 自治体(事業者) プラットフォーム チケット発行のインターフェイス

7 チケット利用 利用者 プラットフォーム チケット利用のインターフェイス

8 チケット精算 プラットフォーム サービス提供事業者 チケット精算のインターフェイス(=利用データ)

9 チケット利用データ修正 サービス提供事業者 プラットフォーム サービス提供事業者からの利用データ修正

10 サービス提供事業者向け請求 プラットフォーム サービス提供事業者 サービス提供事業者から自治体(事業者)への請求データ作成のインターフェイス

11 自治体(事業者)向け

利用実績一覧

プラットフォーム 自治体(事業者) 利用者から自治体(事業者)への利用実績のインターフェイス

12 自治体(事業者)向け請求 プラットフォーム 自治体(事業者) サービス提供事業者から自治体(事業者)への請求データ受領のインターフェイス

13 利用申請

(受給者登録がない場合)

利用者 プラットフォーム 受給申請が自治体(事業者)から受領できない場合の利用申請インターフェイス

14 申請者一覧

(受給者登録がない場合)

プラットフォーム 自治体(事業者) 「13 利用申請(受給者申請がない場合)」を使って申請があったデータを自治体(事業者)

へ提供するインターフェイス

図表 35 オンライン完結プラットフォーム インターフェイス一覧

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インターフェイスの項目等については、別紙 資料 2 「インターフェイス項目定義草

案」を参照のこと。

なお、インターフェイスデータを作成するに当たっては「IMI 共通語彙基盤コア語彙」

を活用しマッピングを行った。

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3.3. システム化標準ガイドラインの策定

システム化標準ガイドラインは、オンライン完結プラットフォームを構成するサービ

スを提供する事業者が参入する際の技術仕様について記載したものである。

いかなる企業の参入にあたっても同じ技術仕様でシステムを構築することは、将来的

にプラットフォーム同士のデータ連携を可能にするマルチプラットフォーム構想を実

現するうえで、必要不可欠である。

今年度調査を通じて、オンライン完結プラットフォームを構築する際の参考資料とし

て「データ項目定義草案」「ER 図」「インターフェイス項目定義草案」を別紙にて準備

した。詳細は別紙 資料 1「データ項目定義草案」資料 2「インターフェイス項目定義

草案」資料 3「ER 図」を参照のこと。

3.4. データ利活用基準の具体化

収集データを「Adhoc 型・Routine 型」「Find 型・Solve 型」※1 に分類した利活用ケ

ースを調査し、各事業者のメリットと遵守すべき要件を抽出する。

ここでは、実証実験で得られた利用データ等をもとに、各 1ケースずつ草案として提

示する。

• Adhoc 型

– 一度分析結果を利用した後は、数年は分析を実施しないような業務のことを指す。

今回の実証実験で得られたデータを基にすると、自治体または民間企業が電子タク

シーチケット制度を始めた際にデバイスごとの利用率を分析し、より使われている

デバイスをタクシー乗車時に利用できるようにする検討が出来るようになる。これ

により、利用者にとって使いやすいデバイスは何かを自治体や民間企業で検討する

ことができ、より使いやすい仕組みと制度を継続的に推し進めることができる。

• Routine 型

– 刻々と変化する日々の業務に分析結果と都度適用していく業務のことを指す。これ

はタクシー事業者にとって、タクシー車両を効率的に稼働させる検討に役立てるこ

とができる。平日や休日別の利用データ・時間帯のデータを活用し、たとえば、月

曜日の午前中、特に 9時は○○病院に行く人が多い等が分析結果として得られるこ

とで、車両および人員の 適配置を推進できる。

• Find 型

– データからビジネスに価値を与える何らかのパターンを発見する分析アプローチの

ことを指す。今回の実証実験では、タクシーの乗車位置および降車位置を取得した。

その位置情報を連続的に分析することで、行きだけでなく帰りの手配も予測できる

ようになり、利用者の利便性向上につながる施策をタクシー会社が展開することが

できる。

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• Solve 型

– 構造化されたデータから人の仮説をベースにデータで検証・解決していくアプロー

チのことを指す。福祉タクシーチケット事業は、「移動支援」「外出支援」の目的で

行われることが多い。たとえば、「A さんは 2児の母であり、3日に 1 回の頻度で夕

方 18 時頃に駅前商店街近くで降車している」というデータがあるとする。そしてこ

の人が実際に商店街近くで降車したあと、スーパーに行っているのか、ドラックス

トアに行っているのか、そこで何を買っているのか等、今回取得できた情報に加え

ることで、「移動支援+買い物支援等の施策を検討し、自治体と商店街が一体となっ

た施策が展開できる等、検討の幅を広げることができる。

3.5. 調達仕様の策定

自治体が、本プラットフォームを活用し、電子チケットサービス導入を検討する場合

には、資料集 資料 2「仕様書(案)」を参考にし、仕様書を作成すること。

また、自治体が電子福祉タクシーチケットサービスの利用を開始した際、タクシー事

業者は、自治体が決めた制約に基づき業務を行うことになる。タクシー事業者は、プ

ラットフォーム事業者から、業務フロー並びに作業手順書(マニュアル)を受領し、

業務を遂行することとするため、タクシー事業者からプラットフォーム事業者への調

達仕様書は、作成しないこととする。

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3.6. 考察

前年度調査からの課題 5 点に対する具体的解決策について、以下に示す。

①自治体にとって導入コストが高くなく、業務処理の量およびコスト低減に資するこ

・機能の分離

今回の標準仕様は、機能を分離して利用できることも想定している。例えば、「申請

受付機能」は、プラットフォームで直接受けなくとも実現することができるため、代替

の手段がすでにある場合などは、プラットフォームに実装しなくてもよい。また、「チ

ケット発行機能」も同様に、精算を事後で行うケースでは、ユーザーアプリケーション

でチケット発行を行うことができる等、使う用途等の状況次第でいくつもの使い方がで

きるような設計となっている。そのため、すべての機能を新規で構築するプラットフォ

ームに実装するのではなく、すでにある基盤を機能として選択して利用することで、導

入コストを下げることができ、結果的に提供価格の低減につなげることができる。

・業務処理の量の低減について

本調査を元に定めた標準仕様のプロトタイプを用いた実証実験にて、オンライン完結

プラットフォームの導入により自治体及びタクシー事業者でかかっている業務処理量

を低減できることが確認された。実証実験の結果に関しては第 5 章 5.5.に記載する。

・システムの提供形態について

オンライン完結プラットフォームは、各自治体(事業者)がオンプレミスで保有する

システムではなく、サービス利用形態をとることにより、コストの低減につなげること

ができる。

②タクシー乗務員をはじめとするプラットフォーム利用者にとって、使いやすい仕組

みであること

・デバイスについて

本事業の標準化の主眼はデータ流通ルールであるが、それに則ったデータ交換に対応

できるのであれば、マルチデバイス対応が可能になる。そのため、データ流通ルールを

共通化することによって、利用者の属性等に合わせたデバイスが選択できるようになり、

利用者にとって使いやすい仕組みを実現できる。

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・支払方法や精算方法、チケットの利用パターンについて

オンライン完結プラットフォームにより、自治体発行のチケットと民間企業発行のチ

ケットとがつながりあえる環境が実現出来る。たとえば、福祉チケットで支払きれなか

った残りのタクシー運賃を民間が発行するタクシーチケット等で支払うといった形も

技術的には可能になり、利用者へのサービス向上に大きく寄与することができる。

③利用実態に関する現状分析ができること

利用者が使う仕組みから利用データをオンライン完結プラットフォームに送ることで、

利用実績から得られる現状分析が可能となる。

④既存の紙によるチケットとの併用が可能な仕組みであること

紙に関しては、QR コード等を印字した紙という形を想定しており、チケット利用時に

おける制約(電子チケットと紙のチケットは併用できない)等もなく利用できるよう設

計することが可能。

さらに、QR コード等の印字のない紙チケットを取り扱った場合の精算データを、プラ

ットフォームで集計することも可能(修正データをアップロードすることで対応)であ

るため、年度途中でのシステム導入等で新旧チケットが混在するような場合についても

対応できる。

⑤本人以外による不正利用や期限切れ等の不適切な利用を抑制できる仕組みであるこ

前述のとおり、利用者が使用するデバイスは限定されないため、あらゆる手段を活用

したチケット利用が発生する。

それに対してチケット利用の基となるチケット管理のデータベースをプラットフォー

ムに保持することで、どのデバイスであっても情報を参照することができ、有効性確認

や残高管理を行うことができる。それにより、オンライン完結プラットフォーム導入後

の不正利用等を抑制することが可能である。

なお、本章冒頭にも記載の通り、本調査では当初第 2 章で述べた 4類型のうち類型 1

および 2 を中心として標準仕様を定めるべく、検討を進めてきた。自治体が発行するチ

ケット、特にタクシーで利用される福祉チケットのプラットフォームを標準化しようと

する検討の中で、結果としては汎用的なチケットプラットフォーム上でタクシーチケッ

トを処理する方式で結論付けている。自治体、民間企業などチケットの発行者を問わな

い網羅性のある仕組みとすることで、類型 1・2のような自治体が発行するチケット類

だけではなく、類型 3・4のような民間企業が発行するチケットのデータ交換について

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も対応しうるプラットフォーム設計となったことが、技術検討 WG メンバー内で確認さ

れた。

従って、本章で記述した内容をオンライン完結プラットフォームの標準仕様として定

義する。

また、本調査を通じて導き出された、福祉チケットを電子化する際にオンライン完結

プラットフォームを成立させるための課題として以下を挙げる。

課題①自治体とプラットフォームの受給対象者(個人情報)のデータ授受について

自治体が発行しているチケットを電子化し、その利用データを活用することを前提

として考えている。「自治体が業務で使用する目的で収集した個人情報」を、自治

体以外がデータ利活用を行おうとした際に、「個人情報の目的外利用」に当たるた

め、制度面での調査が必要。

調査結果については、次章「4.制度上の制約への対応策の検討」にて述べる。

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4 制度上の制約への対応策の検討(推進施策の整理・検討)

本実施項目では、オンライン完結プラットフォームを自治体が導入するに当たって対

応が必要となる制度上の制約について、これらの制約を解消し自治体における円滑な

導入をサポートする必要があると考え、調査を行った。

具体的には、以下の流れでの調査・検討を行い、自治体導入プロセスガイド案の作成

を行った。

図表 36 制度上の制約への対応策の検討(推進施策の整理・検討)実施の流れ

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なお「1.各自治体の条例・規則等による制約への対応策の検討」ならびに「2.オ

ンライン完結プラットフォームの全国展開に係る制度面・財政的な課題の整理」に関

してはさらに以下に記載の 5ステップで調査・検討を行った。

図表 37 1.各自治体の条例・規則等による制約への対応策の検討 ならびに

2.オンライン完結プラットフォームの全国展開に係る制度絵面・財政的な課題の整理

実施の流れ

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また、「3.収集データの利活用のモデル化およびオープンデータ化に関する課題の

整理」に関しては以下のステップで調査・検討を行った。

図表 38 3.収集データの利活用のモデル化およびオープンデータ化に関する

課題の整理 実施の流れ

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4.1. 各自治体の条例・規則等による制約

「平成 29 年度調査事業」より、多くの自治体では福祉チケット助成について条例・

規則等を根拠規定として定め、この中で申請様式等を定めていることが分かっている。

この定めが電子化を行う際の制約となるのではないかと仮定し調査を行った。

<STEP 1>対象自治体の選定

「平成 29 年度調査事業」で調査対象としていた 10 自治体(根拠規定は要綱や

規則であった)及び、根拠規定を条例としている 9自治体を加えた全 19 自治体

を対象とした。調査対象は以下の通り。

♯ 自治体名 根拠規定

1 三川町 三川町心身障害者福祉タクシー利用扶助費支給条例

三川町心身障害者福祉タクシー利用扶助費支給条例施行規則

2 岡谷市 岡谷市福祉タクシー運行利用条例

岡谷市福祉タクシー運行利用条例施行規則

3 日南市 日南市身体障がい者福祉タクシー料金助成金支給に関する条

日南市身体障がい者福祉タクシー料金助成金支給に関する条

例施行規則

4 愛南町 愛南町福祉タクシー助成条例

5 大豊町 大豊町福祉タクシー制度実施条例

6 坂祝町 坂祝町福祉タクシー助成に関する条例

坂祝町福祉タクシー助成に関する条例施行規則

7 吉野ヶ里町 吉野ヶ里町福祉タクシー利用助成券支給条例

吉野ヶ里町福祉タクシー利用助成券支給条例施行規則

8 小林市 小林市福祉タクシー料金の助成に関する条例

小林市福祉タクシー料金の助成に関する条例施行規則

9 えびの市 えびの市福祉タクシー料金の助成に関する条例

えびの市福祉タクシー料金の助成に関する条例施行規則

10 横浜市 横浜市重度障害者タクシー料金助成事業実施要綱

特別乗車券及び福祉タクシー利用券交換事務取扱要領

11 福岡市 福岡市福祉タクシー料金助成事業実施要綱

福岡市福祉タクシー利用券等取扱事業者登録等要領

12 千葉市 千葉市福祉タクシー事業実施要綱

13 熊本市 熊本市障がい者福祉タクシー助成事業の実施に関する規則

14 豊田市 豊田市障がい者タクシー料金助成規則

15 三鷹市 三鷹市福祉タクシー事業実施要綱

16 弘前市 弘前市在宅心身障がい者タクシー等移動支援事業実施要綱

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17 石巻市 石巻市在宅障害者等社会参加促進助成券交付要綱

18 千歳市 千歳市高齢者及び障害者福祉サービス助成規則

19 室蘭市 室蘭市心身障害者福祉タクシー料金助成事業実施要綱

図表 39 条例・規則等の分析 対象一覧

<STEP 2>条例等の分析

STEP1 で対象とした 19 自治体の根拠規定の構成を分析し、福祉チケットの根

拠規定の構成を 9つのパート(①申請書②認定通知書/却下通知書③申請時の

本人確認方法④申請時の資格確認方法⑤利用者証様式⑥利用券様式⑦利用時

の本人確認方法等⑧事業者との精算方法・様式⑨異動・変更届)に分類するこ

ととした。

次に、各自治体における根拠規定の記載内容について、電子化に際してハー

ドルとなる部分があるかを分析した。その結果、福祉チケット助成事業に係る

根拠規定は、条例・規則・要綱など形式は違っても記述内容に大きな差異はな

いことが分かった。

<調査結果>

19 自治体の分析結果について以下に示す。

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根拠規

定の種類

定めのある自治体数

①申請書

②認定通知

書/

却下通知書

③申請時の

本人確認方

④申請時の

資格確認方

⑤利用者証

様式

⑥利用券様

⑦利用時の

本人確認

方法等

⑧事業者との

精算方法・様

⑨異動・変更

条例

(規則) 8 4 1 0 4 8 8 7 6

要綱 10 4 3 4 3 10 6 6 9

調査結果

該当した自治

体全て様式を

定めている

該当した自治

体全て様式を

定めている

条例で

定めている

1 自治体は

手帳

要綱で

定めている

3 自治体は

手帳・免許証

等の本人確

書類・

公共料金の

振り込み通知

条例の

自治体は

全て

定めていない

要綱で

定めている

4 自治体は

各種手帳や、

所得制限の

ある自治体は

所得証明書

該当した自治

体全て様式を

定めている

該当した

自治体の

ほぼすべて

様式を

定めている

うち手帳の

提示を求めて

いるのは

6 自治体

うち請求書の

様式を定めて

いるのは

5 自治体

様式を

定めている

自治体が

ほとんど

図表 40 根拠規定の分析結果

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また、根拠規定の分析をもとに、有識者や自治体へのヒアリングを実施した。

分析及びヒアリング結果のまとめを以下に述べる。

• 根拠規定で定められている「様式」の捉え方について

– 福祉チケットの根拠規定においては①申請書②認定通知書/却下通知書

⑤利用者証様式⑥利用券様式⑨異動・変更届などの書面は「様式○号」

といったように様式が指定されている事が多いが、このような様式の指

定のみでは紙とは限定されないことが分かった。この場合は電子化にあ

たっても根拠規定の改正が必要とはならない。ただし、例えば①申請書

の場合「申請書に記入の上」としている場合は紙限定と解釈される可能

性が高く、根拠規定の改正が必要となる事もある。

• ③申請時の本人確認方法④申請時の資格確認方法に関して

– 「手帳を添えて」との定めがある場合、本人が手帳を持っていることの

確認あるいは手帳の画像等で代替できる条文に改正する必要がある。一

方で障害者手帳の提示による本人確認をオンライン化する場合は、自治

体の定めによっては要配慮個人情報(機微情報)に該当するかどうか確

認が必要である。また、PIA(プライバシー影響評価)の実施も重要な

事項として考慮すべきである。第 3 章で記載の通り、オンライン完結プ

ラットフォームにおいて申請時の本人確認方法・資格確認方法はプラッ

トフォーマーの競争領域としているため、導入の際にはプラットフォー

マーの提供する手段に則った対応が必要である。

• ⑥利用券様式に関して

– 多くの自治体では福祉チケットを「利用券」「助成券」などと呼ぶが、

この「券」という言葉即ち「紙である」とは解釈されない。「利用券を

添えて」という記載であれば紙に限定されることはない事が分かった。

一方、根拠規定に「利用券の手渡し」と記載される場合には「利用券」

が「紙である」と解釈される。

• ⑤利用者証様式⑦利用時の本人確認方法等に関して

– 障害者手帳等の提示については、各自治体がどの程度まで確認すること

を求めているかにもよるが、顔写真を用いず等級のみの確認であるなら

ば、電子的に行うことは可能と考えられる。利用者・事業者双方にとっ

て手帳の提示・確認は心理的負担も高く、電子化されたタクシー券(電

子化された利用者証)の仕様をもって代替し「手帳の提示」を求める条

文は今後削除していく方向が望ましい。

• ⑨異動・変更届に関して

– タクシー券を電子化することにより、券の再発行が可能となることから、

「再発行しない」旨が定められている場合は改正することが望ましい。

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9 つのパート以外について、注意が必要な点は以下のとおりである。

• 交付台帳や申込書兼受領書に受領印が必要なケース

– 様式が要綱等で定められている場合には、根拠規定の改正が必

要となる。

• 利用券の交付時の方法が指定されているケース

– 「継続の場合、利用券は郵送で送付する」としている場合には

根拠規定の改正が必要となる。

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次に、福祉チケット助成の根拠規定以外に、オンライン完結プラットフォー

ムの導入に際して影響し得る規定等について調査を行った。対象は、本事業に

おける実証対象自治体となっている三鷹市・豊田市両市とした。福祉チケット

助成根拠規定の他に関連のある規定類は以下の通りである。

<三鷹市>

図表 41 三鷹市 関連のある規定類

<豊田市>

図表 42 豊田市 関連のある規定類

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個人情報保護条例・施行規則等に関して、自治体によって対応は異なるが、

三鷹市においては、個人情報保護条例施行規則でサービスごとに取得する情報

を明記しており、この場合は修正が必要になる。必要な対応を以下に示す。

• 個人情報保護条例施行規則の別表に取得項目を追加する事を個人情報

保護委員会(年に数回)への報告を行う

• 追加取得項目を個人情報保護条例施行規則へ追加

委員会への説明時には、例えば「福祉チケット利用証跡の管理ならびに市

民サービスに活かすため」等の理由が必要となる。

図表 43 三鷹市 個人情報保護条例施行規則 別表への記載イメージ

豊田市については、福祉チケット助成根拠規定以外に特に影響のある条例

等はないと思われる。ただし、個人情報ファイル簿の更新は必要と思われる。

本調査においては三鷹市・豊田市に関する分析を行ったが、自治体によっ

てはこれ以外の条例へ影響があるケースも想定されるため、導入の際には運

用を鑑みて俯瞰的に調査する必要があると言える。

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<STEP 3>条例等の改正案の検討

STEP 2 までの調査を鑑み、三鷹市・豊田市における改正案は以下のとおりとな

る。

三鷹市

対象法令 対象条項 改正案

福祉タクシー事業実施要綱 (助成額等)

第3条 市長は、第 14 条の

規定により市長と協定を締

結したタクシー事業者(以

下「協力タクシー事業者」

という。)が運行するタクシ

ー(以下「福祉タクシー」

という。)を利用した対象者

に対して、別表に定める年

間発行額の範囲内で福祉タ

クシーの利用料金(メータ

ー料金)(以下「メーター料

金」という。)を助成するも

のとする。

2 市長は、協力タクシー

事業者に対して、協力事業

費として、第7条第1項に

規定する利用券支払額の合

計額に3%を乗じて得た額

を支払うものとする。

(助成額等)

第3条 市長は、第 14 条の

規定により市長と協定を締

結したタクシー事業者もし

くは市が提携する福祉チケ

ットプラットフォームと契

約する事業者(以下「協力

タクシー事業者」という。)

が運行するタクシー(以下

「福祉タクシー」という。)

を利用した対象者に対し

て、別表に定める年間発行

額の範囲内で福祉タクシー

の利用料金(メーター料金)

(以下「メーター料金」と

いう。)を助成するものとす

る。

2 市長は、協力タクシー

事業者に対して、協力事業

費として、第7条第1項に

規定する利用券支払額の合

計額に3%を乗じて得た額

を支払うものとする。

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対象法令 対象条項 改正案

福祉タクシー事業実施要綱 (利用券支払額相当額等の

支払)

第8条 協力タクシー事業

者は、利用者から受け取っ

た利用券に必要事項を記入

したうえ、請求書とともに

市長が定める日までに、市

長に提出するものとする。

2 市長は、前項の請求書

を受け取った後 30 日以内

に利用券支払額相当額及び

協力事業費を協力タクシー

事業者の指定する金融機関

の口座に振り込むものとす

る。

(利用券支払額相当額等の

支払)

第8条 協力タクシー事業

者は、利用者から受け取っ

た利用券に必要事項を記入

したうえ、請求書とともに

市長が定める日までに、市

長に提出するものとする。

ただし、福祉チケットプラ

ットフォームを介して電子

化する場合には利用券への

必要事項の記入は不要とす

る。

2 市長は、前項の請求書

を受け取った後 30 日以内

に利用券支払額相当額及び

協力事業費を協力タクシー

事業者の指定する金融機関

の口座に振り込むものとす

る。

福祉タクシー事業実施要綱 (協定の締結)

第 14 条 市は、この要綱に

基づく福祉タクシー事業に

協力する個人又は法人のタ

クシー事業者と三鷹市福祉

タクシー事業に係る協定を

締結するものとする。

(協定の締結)

第 14 条 市は、この要綱に

基づく福祉タクシー事業に

協力する個人又は法人のタ

クシー事業者と三鷹市福祉

タクシー事業に係る協定を

締結するものとする。もし

くは市が提携する福祉チケ

ットプラットフォームと契

約することで、個別の協定

の締結を代用しても良い。

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対象法令 対象条項 改正案

個人情報保護条例施行規則 別表(1) (第3条関係)

福祉タクシー券助成管理

利用者番号

種別

交付年月日

交付枚数

別表(1) (第3条関係)

福祉タクシー券助成管理

利用者番号

種別

交付年月日

交付枚数

乗車位置情報

降車位置情報

利用金額

利用年月日

三鷹市個人番号の利用及び

特定個人情報の提供に関す

る条例

改正必要なし

三鷹市個人番号の利用及び

特定個人情報の提供に関す

る条例施行規則

改正必要なし

三鷹市特定個人情報保護条

改正必要なし

三鷹市個人情報保護条例施

行規則

改正必要なし

三鷹市情報セキュリティ基

本方針

改正必要なし

三鷹市個人情報保護条例 改正必要なし

図表 44 三鷹市 改正案

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豊田市

対象法令 対象条項 改正案

豊田市障害者タクシー料金

助成規則

(利用タクシーの範囲)

第 8 条 助成券を使用する

ことができるタクシーは、

市長が別に覚書を締結した

タクシー業を営む者のタク

シーとする。

(利用タクシーの範囲)

第 8 条 助成券を使用する

ことができるタクシーは、

市長が別に覚書を締結した

タクシー業を営む者もしく

は市が提携する福祉チケッ

トプラットフォームと契約

する事業者のタクシーとす

る。

豊田市障害者タクシー料金

助成規則

(再交付の制限)

第 12 条 助成券の再交付

は、原則として行わないも

のとする。

(再交付の制限)

第 12 条 助成券の再交付

は、原則として行わないも

のとする。

ただし、福祉チケットプラ

ットフォームを介して電子

化した場合にはその限りで

はない。

豊田市ホームページにおけ

る個人情報の取り扱い方針

改正必要なし

豊田市個人情報保護規則 改正必要なし

豊田市個人情報保護条例 改正必要なし

豊田市情報セキュリティ基

本方針

改正必要なし

図表 45 豊田市 改正案

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<STEP 4>改定案実践の検討

条例・規則・要綱について、実際に改正を行う場合の流れや注意点については

以下の通りである。いずれの場合も改正にあたっては審査会での審査やパブリッ

クコメントを実施する必要があるなど、手続きに時間がかかるケースがあるのを

考慮すること

①条例

議会(通常年 4回)での承認が必要。本会議の前に通常は委員会があり、意見

を出したのち、議会に諮る。新規の条例の場合、3か月程度。新規以外でも修正

案を作成し、法務チェックを実施し、文言を固めるなどの作業に 低 2か月程度

は要する。議会の 1 か月前には案の取りまとめを終える。

②規則(施行規則)

市長決裁。多くの場合は条例とセットとなっており、条例が議会で可決された

タイミングで即、規則も対応するケースが多い(早ければ 1日)。

③要綱

通常は部長レベルの決裁。ただし三鷹市の場合は、市民生活に影響がある場合

(福祉チケットもこれに該当)、市長決裁としている。要綱の下にもマニュアル

のような立ち位置の手順(内規)が定められているものもある。一般的に住民に

不利益を強いる「行政処分」が必要なものは条例で定める傾向があり、要綱では

それ以外のものを定める。福祉チケット事業は要綱で実施している自治体が多い。

④参考

昨年度の調査結果を踏まえ、福祉チケット事業を条例で定めている自治体につ

いて追跡調査を実施した。福祉チケット事業を条例で定めている自治体は、平成

31 年 1 月時点で判明しているのは 23 自治体であった。また、マイナンバーを資

格確認(税)で用いる自治体は、三鷹市以外にも 40 自治体を確認できており、

増加傾向にある。

4.2. オンライン完結プラットフォームの全国展開に係る制度面・財政的な課題の整理

オンライン完結プラットフォームを導入する際の制度的・財政的な課題に対応するた

めの策を検討し、その際の課題の整理を行った。単独の地方公共団体では財政的な制

約があり、新たな情報システムを導入するために十分な予算を確保することが難しい。

その場合、複数の地方公共団体が連携し、共同で事業を運営するなどの対応策が考え

られる。その際に、連携する自治体において条例・規則等の整合を図る必要があると

考えられる。

<STEP 5>全国展開方法の検討

• 導入形態

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– 福祉タクシー券プラットフォームの導入は、単独の自治体で導入することが可

能である。

– 利用者視点で助成サービスを考慮する場合は、隣接する複数の自治体で同一若

しくは相互にデータを交換し得るプラットフォームを導入し、面的にサービス

提供を行うことが望ましい。

• 推進組織

– 「一部事務組合方式」「協議会方式(法定・任意)」「財団方式」等が考えられ

る。

– コストを下げるには、複数年契約ができる「主体」であることが重要となる。

– 当初は「任意協議会」として検討を開始し、調達や契約までに複数年契約がで

きる組織体とする等。

– 意思決定権の一元化により、限られた時間内での調整・決定等が円滑化が可能

になる。

– 各団体の業務主管課職員の意見集約とシステム評価・選定プロセスへの参画が

重要となる。

• 「押し付け」では理解と協力は得られない。意見を聞く機会を十分に設け、実

際のシステムの選定や調達に関われる枠組みが肝要である。

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4.3. 収集データの利活用のモデル化およびオープンデータ化に関する課題の整理

• 収集データの利活用及びオープンデータ化に関する制約

当初、本項の調査目的は、自治体がオンライン完結プラットフォームを導入した

際の下記二つのケースをモデル化し課題を整理することであった。

– 収集したデータを自治体内で利活用するケース

– 収集したデータを非識別加工することによりオープンデータ化して民間事

業者に提供して利活用するケース

以下に、上記二つのケースについての整理結果をまとめる。

<STEP1>収集したデータを自治体内で利活用するケースの整理

オンライン完結プラットフォームの利用データとしては以下の表に記載の項目が

想定される。

図表 46 オンライン完結プラットフォーム 実証実験での取得データ一覧

この利用データの自治体内での活用について、以下にまとめる。

表に記載されるような利用データを、助成を行っている自治体自身で活用する事

について、特段問題はない。課を跨いでの活用に関しても、助成の主体者は実施

機関(自治体)となっているため、問題はない。横断して取り組む事が難しい場

合はデータ戦略室などといった専門の組織を立てて取り組むなどが解決策として

考えられ、実際に行っている自治体もある。

一方、助成を行っている自治体のみでなく、例えば隣の市など複数の自治体で活

用する場合は、照合禁止義務により非識別加工情報は向いていないため、生デー

タを利活用する方法が考えられる。自治体の個人情報保護関連は、民間の個人情

報保護法とは異なり目的の範囲であれば外部提供も可能であるため、手間はかか

るが必要な段取りを踏めば、実施する事は可能である。

収集データのうち乗車位置・降車位置による人の移動情報の活用などが想定され

たが、これらの連続した位置情報は一般的には個人情報として取り扱う必要があ

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る。非識別加工情報として扱う際にもプライバシーに配慮する必要があり、デー

タをかなり丸めなければならない。結果、上記表のような収集データを非識別加

工し、一般に利活用できるデータにすることは非常に難しいと考えられる。また、

福祉チケットの対象者である即ち障がいを持っていることが要配慮個人情報にあ

たるか否かは各自治体の条例を確認する必要があるが、直接該当せずとも障がい

者であるまたはそれを推知させる情報として丁寧に取り扱う必要があることは明

らかである。

オンライン完結プラットフォームで収集したデータの自治体内での活用に関して

は、これまで取得できていなかった利用データが取得できることにより、助成の

適化など地域住民へのサービス向上に活用されることが期待される。

<STEP2>収集したデータを非識別加工することによりオープンデータ化して民

間事業者に提供して利活用するケースの整理

オンライン完結プラットフォームによる収集データを民間事業者で活用する方法

としては非識別加工することによりオープンデータ化する方法が考えられる。そ

こで非識別加工の対応ならびにオープンデータの取組について調査を行った。

その結果、オープンデータ(非識別加工)の制度整備が進んでいないことが分か

り、この形で利活用するケースを進めるには制度整備のための時間がかかること

が判明した。非識別加工ならびにオープンデータの取組状況については以下にま

とめる。

① 非識別加工の状況調査

「平成 29 年度調査事業」では、非識別加工情報作成に必要な条例改正を実施して

いる地方公共団体は非常に少なく、平成 29 年度中に条例改正を行った地方公共団

体は 5団体であった。またその 5団体のうち、非識別加工情報の仕組みの運用が

開始された団体に対しては、 事前相談があったが、非識別加工情報の提供には至

らなかった(地方公共団体の非識別加工情報の作成・提供に係る効率的な仕組み

の在り方に関する検討会(第 1 回)より)。この状況を受けて総務省へヒアリング

したところ、今年度についてはまだ調査は行っていないものの、条例改正の進捗

は良くないという状況であった。

また、同じく総務省にヒアリングを行った結果、本年度は地方公共団体の保有す

るパーソナルデータに関する作業工程案を作成し、非識別加工の事例収集や作成

組織の活用を中心とした仕組みの整備を検討していることがわかった。

その中では、作成組織の仕組みが構築される場合にも、地方公共団体が独自に条

例改正によって非識別加工情報の仕組みを導入することが可能であるが、非識別

加工情報を効率的に提供していく観点から、作成組織の仕組みによって対応する

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ことが望ましいと言われている。(地方公共団体の非識別加工情報の作成・提供に

係る効率的な仕組みの在り方に関する検討会より)

② オープンデータの状況調査

オープンデータに取り組む地方公共団体数の推移として、平成 30 年 9 月 17 日時

点の取組率は、約 20%であった(「オープンデータの取組状況について」内閣官房

情報通信技術(IT)総合戦略室 より)。

オープンデータの活用事例として、複数のデータを組み合わせた活用や、単一の

データを面的に活用するモデルが計画されている。

図表 47 オープンデータの取り組み事例

成功事例としては、Code for Kanazawa(一般社団法人)が開発したゴミの捨て方

がすぐにわかるアプリ「5374」が挙げられる。Code for Kanazawa は「市民の

課題を集め、その課題を整理・分析した上で、メンバーが実際に課題解決となる

ソフトウェアやハードウェア(仕組みや方法)を開発する」という活動を行って

おり、5374の制作にあたっては、金沢市が公開している「ゴミ分別辞典」デ

ータが活用されている。自治体側の課題である、オープンデータの用途が不明確

という点が解消され、市民の困りごとを解決するオープンデータの活用方法のモ

デルケースとして全国的に知られている。

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図表 48 5374について

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<STEP 3>オンライン完結プラットフォームが収集したデータを、プラットフォ

ーマー自身が活用するモデルの整理

前述の通り、自治体が収集したデータを民間事業者が利活用するケースは非常に

難しいことが判明した。

一方、第 2章に記載のとおり、本年度調査事業を通して、オンライン完結プラッ

トフォームを提供するプラットフォーマー自身が利用データを収集するモデルを

整理した。

図表 49 オンライン完結プラットフォーム実現モデル

このモデルは、自治体に対して助成精算サービスを提供するプラットフォームと、

利用者に対してチケット管理機能を提供する電子チケットプラットフォームを分

けている。この場合、申請の受付から助成決定・チケット生成のために必要な申

請データの取得主体者は自治体となるため、自治体が自治体向けプラットフォー

ムを提供するプラットフォーマーとの間で業務委託契約を結ぶなどして、前述の

業務の遂行を目的に対象者情報を提供することは可能であり、第 3章での課題は

解決される。

一方で「決済履歴」や「チケット支払」、即ちチケットを購入し利用したデータは

電子チケットプラットフォームが取得主体者となる。即ちオンライン完結プラッ

トフォームを提供する事業者は、福祉チケットに限らず、提供するサービス全般

の履歴データの一部として、利用者本人の同意のもとデータ利活用が可能となる。

これは一般的なサービス提供のモデルと同様であるため、データ利活用における

課題はない。

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オンライン完結プラットフォームが収集する、チケットの利用データ(利用年月

日や乗降位置など)を利活用するモデルとして、想定している将来像を以下に示

す。

図表 50 多摩地区での例

図表 51 岩手県での例

いずれも、プラットフォーマーが地域に対して提供したサービスを元に収集した

データと、プラットフォーマーが既存で持っている資産を活かして新たなサービ

スを展開している。オンライン完結プラットフォームが収集したデータを利活用

することにより、住民にとって便利な生活を実現できるのではないかと想定して

いる。

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<STEP 4>データ利活用に向けてのまとめ

自治体では、オンライン完結プラットフォームを導入する事により、発行チケッ

トの利用状況を把握することができる。これは紙のチケットでは把握できていな

かった情報であり、これを分析する事で、例えば福祉チケットであれば助成額を

見直すためのデータとするなど、助成の 適化やサービスの向上に役立てること

ができる。また、例えば福祉チケットの利用が多い時間帯やエリアには乗合タク

シーやバスなど別の交通手段を整備するなど、あるチケットの利用データを元に

他の住民サービスを充実させる、といったことも考えられる。

また民間においても、チケットの利用データを活用した新たなサービスの創出や

顧客満足の向上が考えられる。例えばヤマトグループでは、人々の移動情報や購

買情報などの行動データを荷物の再配達削減に活用するなどといったことが考え

られる。オンライン完結プラットフォームで収集されたデータが利活用されるこ

とで、人々の生活がより便利になる事を願う。

4.4. 考察

本実施項目においては、「1.各自治体の条例・規則等による制約への対応策の検討」

「2.オンライン完結プラットフォームの全国展開に係る制度面・財政的な課題の整

理「3.収集データの利活用のモデル化およびオープンデータ化に関する課題の整理」

と大きく 3点の調査・検討を行った。

結果、各自治体の条例・規則等に関しては、電子化にあたって当初想定していたよう

な大きな障壁はないことが分かった。ただし、自治体によっては福祉チケット根拠規

定や個人情報保護条例について軽微ではあるが改正・改訂等の対応が必要となる事が

分かった。

一方、オンライン完結プラットフォームの目指す姿の一つである「データの利活用」

に関しては、オンライン完結プラットフォーム導入により得られるデータを自治体自

身が活用する姿の道筋を描くことができた。データの利活用による住民サービスの向

上という形で住民へ新たな価値を還元することができると考えた。民間事業者でのデ

ータ利活用についても検討したが、自治体のデータを非識別加工しオープンデータ化

するという方法は、その取り組みは少しずつ広がってきてはいるものの進みが良いと

は言えない状況を背景に、制度整備に時間がかかると見込まれることが分かった。た

だし今年度検討の中で整理したオンライン完結プラットフォームのモデル(第 2 章に

て記述)であれば、オンライン完結プラットフォーム自身が、利用者の同意のもとに

利用データを直接取得し活用することが可能である。民間での利活用が進む事で、利

用者にとってより便利な生活が実現できると考える。

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5 利便性及び有効性等の検証(実証)

本実施項目では、電子化されたチケットが、実際に利用者・事業者・自治体の利

便性向上につながるのか、また、プラットフォームの利用を通じて得られる情報が、

自治体にとって有効なものであるのかを検証するため実証事業を行い、今後の広域

展開に向けた課題を取りまとめた。なお、今年度の実証実験に関しては第 2 章で整

理した類型のうち類型 1 の福祉チケットに絞って実証実験を行った。実施内容につ

いては以下の通り。

図表 1 利便性及び有効性等の検証(実証)実施の流れ

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5.1. 実証実験の概要と目的

実証実験においては、実証用のオンライン完結プラットフォームを実際の利用環境

下で運用し検証を行う。また、広域展開に向けた課題を取りまとめるため、検証は一

つの自治体ではなく複数の自治体で実施した。利用者についても、事前に選定したモ

ニター利用者により、実際の乗車・清算を行う。

利用のイメージについては以下の通りである。

図表 2 実証実験利用イメージ

実証結果については、それぞれの項目について評価を行った後、検討委員会ならびに

技術検討WGへ提言・報告を行った。

電子化されたチケットが、実際に利用者・事業者・自治体の利便性向上につながるの

か、また、プラットフォームの利用を通じて得られる情報が、自治体にとって有効なも

のであるのかを検証するため、実証事業を行い今後の広域展開に向けた課題を取りまと

める。

実証の目的としては以下5点とした。なお、詳しい内容については別紙 資料4 実証実

験KPIを参照のこと。

① 電子化されたチケットの受容性の検証

② チケットが電子化されたことによる負荷軽減の検証

③ チケットの利用状況取得による効果の検証

④ 電子化されたチケットを実際に利用した利用者、自治体、タクシー事業者それぞれ

の感想や利用意向の検証

⑤ オンライン完結プラットフォームを将来にわたり低負担で持続可能なシステムと

するための方策の提言

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実証実験フローについては以下の通りとした。なお、詳細なフローについては別紙

資料5 実証実験フローを参照のこと。

図表 3 実証実験フロー

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5.2. 実証計画

実証実験の計画については以下の通りとした。

三鷹市 豊田市

実証期間 1 ヶ月 2019 年 1 月 7 日(月)~2019 年 2 月 7日(木)

モニター利用者 三鷹市福祉チケット利用者

①下肢・体幹障がい 1~3級

②視覚・内部障がい 1級

③愛の手帳 1度

豊田市福祉チケット利用者

①身体 1.2 級/療育 A/精神 1級

②身体 3 級/療育 B/精神 2級

③身体下肢 4級/身体視覚 4~6 級

モニター利用者数 30 名 90 名

電子チケット概要

1 枚あたりの金額 300 円 100 円

1 乗車あたりの上限 なし 運賃の半額

1 人あたりの配布枚数 13 枚 40 枚

1 人あたりの配布金額 3,900 円 4,000 円

電子チケット手段 貸出用スマートフォンにアプリケーションをインストールし貸与

モニター利用者募集方法 三鷹市役所 障がい者支援課にて

ポスター・チラシを用いて募集

広報誌「広報とよた」へ募集案内掲載+

豊田市役所 障がい福祉課にて

ポスター・チラシを用いて募集

募集期間 1 ヶ月 2018 年 11 月 1 日(木)~11 月 30 日(金)

モニタータクシー事業者 境交通 20 台 名鉄東部交通 日の出タクシー

計 95 台

図表 4 実証計画

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なお、実証フィールドについては、オンライン完結プラットフォームの広域展開に向

けた課題を取りまとめるため単一の自治体でなく 2自治体を選定した。

選定基準は、以下 2点の条件を満たし、かつ異なる地域特性を持つ自治体として東京

都三鷹市と愛知県豊田市を選定した。

① 平成 29 年度調査事業にてヒアリングを実施した 10 の自治体のうち、福祉チケッ

ト助成に関する業務に課題があると感じている自治体であること。

② 人口 15 万人以上であること。

(平成29年度調査事業にて実施したアンケートにおいて福祉チケット事業に関し

て課題がないと回答した自治体の 9 割が人口 15 万人以下であった)

三鷹市は都内近郊のコンパクトな住宅都市である。一方、豊田市は広大な面積を持つ

「クルマのまち」としての面と、市域のおよそ 7割が森林で、都市部・産業部と山間部

の差が大きい産業都市としての面を併せ持っている。以上の点が、比較分析を行う上で

合理的であると考えた。

モニター利用者数は、両市の人口に対する福祉チケットの交付人数比率から、想定利

用者数の 3%(三鷹市 30 名、豊田市 30 名)と設定した。なお、実際の利用状況等を鑑

み両市と協議を行った上での設定である。

電子チケット 1枚あたりの金額は、モニター利用者の利便性を考慮し両市が既に助成

している紙のチケットと同様に三鷹市 300 円、豊田市 100 円とした。また、1人あたり

の配布金額は、複数回利用いただくことを想定し、三鷹市 3,900 円(13 枚)、豊田市 4,000

円(40 枚)とした。

タクシー事業者は、両市内から実証用に協力会社を募ってタクシー事業者・車両台数

を限定した。三鷹市は境交通株式会社(20 台)、豊田市は名鉄東部交通株式会社(92

台)、日の出タクシー有限会社(3 台)にご協力頂いた。なお、事業者およびタクシー

車両数を限定したことから、参加者が確実に対応車両を利用できるよう、後述のとおり

「電子タクシーチケット利用フロー」で「タクシーを呼ぶ」という予約のフローを挟む

こととした。

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5.3. 実証環境

• 実証実験システム 全体アーキテクチャ

実証実験システムについては、第 3 章で調査・検討した、オンライン完結プラットフ

ォーム標準仕様のプロトタイプとして「実証実験用オンライン完結プラットフォーム」

を構築した。

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図表 5 実証実験用オンライン完結プラットフォーム 全体アーキテクチャ

チケットレスプラットフォーム

(サーバサイド機能)

(1)利用資格管理機能

(2)チケット生成機能

(3)チケット消込機能

(4)乗務集計機能

(5)日次集計機能

(6)月次集計機能

モバイルアプリケーション

(フロント機能)

・既存機能

チケット表示機能

チケット精算機能

収納基幹システム

(バックエンド機能)

公的個人認証サービス

署名用電子証明書の失効情報

利用者証明用電子証明書の紐付情報

自治体業務システム

利用者 自治体(チケット発行事業体) タクシー事業者(サービス事業体)

金融機関システム

(11)'入金機能

1.チケット発行申請(電子証明書利用)

3.タクシー乗車、チケット利用

0.システム利用申請

2.チケット申請発行(承認)

7.請求承認

乗務員

4.チケッ ト精算

5.乗務日報作成

事務担当者

0.システム利用申請

6.請求書発行(承認)

タクシー業務システム

・パッケージ標準機能

精算データ 入金データ

凡例

ユーザ システム インターフェース

申請データ

精算データ

精算データ

請求データ

請求データ

精算データ

請求データ 申請データ 発行データ

発行データ

精算データ

入金データ

(7)利用分析機能

(8)請求確認機能

(9)自治体業務システム連携機能

(10)タクシー業務システム連携機

(11)収納基幹システム連携機能

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• 電子チケット利用手段

利用手段(利用者の電子チケットデバイスおよびタクシー乗務員の持つ電子チケット

読み取り手段)については、以下の理由によりスマートフォンアプリ(実証実験用のデ

バイスをモニター利用者へ貸し出しする形)および電子スタンプを用いた精算方法を採

用した。

• タクシーメーターと非連動のため、電子チケットの利用額を指定できる必要が

あること。

• 電子チケットの残額を明示する必要があること。

• 電子チケットが利用されたタクシーの情報(車番)を取得する必要があること。

• 乗車位置および降車位置の情報を取得できるデバイスである必要があること。

• 5.2.に記載の通り、協力事業者の一部の車両でしか対応できず、実証実験対応

車両を呼ぶ手順が発生するため、モニター利用者がスムーズに協力事業者に連

絡を取れるよう誘導する必要があること。またその際に通話料を負担させない

必要があること。

• 実証実験用システム

Microsoft 社の Azure 環境で構築し、下記(1)~(8)の機能を実装した。(9)~(11)に

ついては実証実験のスコープ外であるが、他システムとの連携機能については第 3章に

て調査・検証対象としている。

機能名 実証システム構築対象

○:対象 -:対象外

想定実装方法

(1)利用資格管理機能 ○ モニター利用者を事前に募集で決定し、対象デー

タをプラットフォームに取り込む

(2)チケット生成機能 ○ プラットフォームでチケットデータを生成し、ス

マートフォンアプリに発行する

(3)チケット消込機能 ○ チケット使用後、精算データをスマートフォンア

プリからプラットフォームへ送信し消込処理を行

う(消込は乗務員が行う)

(4)乗務集計機能 ○ プラットフォームで精算データを日次で集計し、

タクシー事業者へ手動で連携する

(5)日次集計機能 ○ 同上

(6)月次集計機能 ○ プラットフォームで精算データを月次で集計する

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(7)利用分析機能 ○ プラットフォームで利用データを月次で集計し、

自治体へ手動で連携する

(8)請求確認機能 ○ (6)で集計したデータを自治体へ手動で連携する

(9)自治体業務システム連携機能 - 実証システム構築対象外だが、技術 WG で連携機能

について調査、検証予定

(10)タクシー業務システム連携機

- 同上

(11)収納基幹システム連携機能 - 同上

図表 6 実証実験用システム 実装機能一覧

• 実証実験用データ

利用者情報、チケット利用情報、自治体およびタクシー事業者情報を含む下記の項目

とした。

(1)モニター利用者登録時

利用者

番号

性別 居住地区 年齢層 自治体コード チケット

配布金額

1 枚当たり

の金額

配布枚数

(2)電子チケット利用時(タクシー事業者向け)

利用

者番

精算

番号

自治体

コード

利用タクシ

ー事業者コ

ード

利用車

両コー

利用年

月日時

利用チ

ケット

金額

1 枚当た

りの金

利用

枚数

乗車

位置

降車

位置

(3)電子チケット集計・精算時(自治体向け)

利用者

番号

精算番

自治体

コード

利用タクシ

ー事業者コ

ード

利用年月

時間

利用チケッ

ト金額

乗車

位置

降車

位置

図表 7 実証実験 データ項目一覧

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• 実証実験用スマートフォン

スマートフォンをお持ちでない方にも参加いただけるよう、また実証実験用スマート

フォンアプリをインストールする手間や、それにより発生する不具合などのリスクを排

除するため、弊社で用意した Android OS を搭載した同一機種を利用することとし、モ

ニター利用者へ貸し出しする形とした。

図表 8 実証実験用スマートフォンホーム画面

• 実証実験用スマートフォンアプリ

Android 専用アプリとして開発し、機能を 小限に抑え、よく使用する機能をメイン

ページに配置しその他の機能はメニューページに収めることで簡易的なものとした。画

面イメージについては図表 60 および図表 61 を参照のこと。

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• 電子チケット利用フロー

タクシーの配車からタクシー乗車時のフローは以下の通り。

図表 9 電子チケット利用フロー1

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電子チケット利用時のフローは以下の通り。

図表 10 電子チケット利用フロー2

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5.4. 実証項目と内容(期間、人数等)

実証実験に向けての実施項目と内容については以下の通りである。

2018 年 11 月 2018 年 12 月 2019 年 1 月

モニター利用者

募集

三鷹市

豊田市

モニター利用者

向け説明

(集合説明会)

三鷹市 ①12/19 15:00

②12/21 19:00

計 19 名

豊田市 ①12/17 15:00

②12/18 15:00

計 36 名

モニター利用者

向け説明

(個別説明)

三鷹市 12/19~28

計 9 名

1/10,18

計 2 名

豊田市 12/25~27

計 23 名

1/18

計 8 名

タクシー事業者

向け説明会

三鷹市 境交通:11/26,27

豊田市 名鉄東部交通:11/21,22 日の出タクシー:12/18

図表 11 実証実験に向けての実施項目

• モニター利用者募集

– 三鷹市:2018 年 11 月に 30 名募集し 30 名が参加登録

– 豊田市:2018 年 11 月~12 月中旬に 90 名募集し 67 名が参加登録

30 名募集

90 名募集

30 名

募集完了

67 名

募集終了

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• モニター利用者説明会

2018 年 12 月下旬に 2 市でそれぞれ説明会を実施した。なお、集合説明会に参加でき

なかったモニター利用者に対しては、2018 年 12 月下旬~1 月中旬で個別説明を実施し

た。

図表 12 モニター利用者説明会の様子

• タクシー事業者説明会

2018年11月下旬~12月下旬にタクシー乗務員および経理担当者向けの説明会を実施

した。

図表 13 タクシー事業者向け説明会の様子

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5.5. 実証結果

• 利用者の属性

モニター利用者は、三鷹市 30 名、豊田市 67 名の計 97 名。年代・性別の構成比では、

40 代女性が も多い(14.4%)。三鷹市は 70 代以上の利用者はいなかった。豊田市の利

用者 67 名のうち、山間部在住の方は 3名であった。

年代 性別 三鷹市 豊田市 合計 構成比

10 代以下 男性 2 1 3 3.1%

女性 0 2 2 2.1%

20 代 男性 1 3 4 4.1%

女性 2 4 6 6.2%

30 代 男性 2 8 10 10.3%

女性 8 4 12 12.4%

40 代 男性 4 9 13 13.4%

女性 3 11 14 14.4%

50 代 男性 2 9 11 11.3%

女性 6 3 9 9.3%

60 代 男性 0 4 4 4.1%

女性 0 6 6 6.2%

70 代 男性 0 2 2 2.1%

女性 0 0 0 0.0%

80 代以上 男性 0 1 1 1.0%

女性 0 0 0 0.0%

合計 30 67 97 100.0%

図表 14 モニター利用者属性

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• 紙チケット助成の利用状況

モニター利用者について、現行の紙チケット助成の利用状況では「少しだけ使う」が

も多い(28.9%)。紙チケットは使っていないが実証実験に参加頂けたという方も利用

者全体の 6.2%いた。

利用状況 三鷹市 豊田市 合計 構成比

全く使わない 1 5 6 6.2%

少しだけ使う 11 17 28 28.9%

半分くらい使う 11 16 27 27.8%

ほとんど使う 6 17 23 23.7%

全て使い切る 1 12 13 13.4%

合計 30 67 97 100.0%

図表 15 モニター利用者の紙チケットの利用状況

• KPI 検証結果

KPI の検証結果について、以下に示す。なお、検証結果について詳細は別紙 資料 6

実証実験 KPI 結果サマリーを参照のこと。

① 電子化されたチケットの受容性の検証

<実証実験アクティブユーザー数>

• 利用者 97 名中、アクティブユーザーとなったのは 49 名であった。

(アクティブユーザー率:50.5%)

• フィールド別に見ると、三鷹市の方がアクティブユーザー率が高い結果となった。

要因としては 2市の現行紙チケット助成のルールに基づいた利用ルール(三鷹市は

特に上限なし、豊田市は運賃の半額まで利用可能)が影響したと考えられる。

図表 16 実証フィールド別アクティブユーザー率

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<年代別、性別のアクティブユーザー率>

• 50 代男性のアクティブユーザー率が も高い(72.7%)。

• 70 代以上の利用者 3 名はいずれも利用せず。

図表 17 年代別・性別アクティブユーザー率

非アクティブユーザーは、なぜ一度も使わなかったのか?

実証実験に参加しなかったユーザーにアンケートで参加しなかった理由を聞いたと

ころ、以下のような結果となった。

「予定がなく、タクシーを使わなかったから」

• 募集時に実証時間中にタクシーに乗車できることを条件としていたが、実証期間が

1 ヶ月と限られていたこともあり使う機会がなかった利用者が多かった。

• 「その他」で も多かった体調不良になってしまったことも影響したと思われる。

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「事前にタクシー会社へ電話をかけて配車を依頼するのが面倒だったから」

• 福祉タクシー券利用者はタクシーを配車して乗ることが多いと想定していたが、通

院の帰りなどは病院前や駅前に待機している車両に乗ることも多いことが分かり、

配車のみに限らず乗りたいと思ったタイミングで使えることが必要であることが

分かった。

「利用の流れが難しかったから」「アプリの表示や表記が分かりにくかったから」「事

前の説明や使用資料が分かりづらかったから」

• 普段デジタルデバイスの利用がほぼないモニター利用者が、使うことなく諦めてし

まったと思われる。

<電子チケット利用回数、利用率>

アクティブユーザーの電子チケットの利用回数は以下の通りであった。

利用回数 三鷹市 豊田市 合計 構成比

1 回 9 8 17 34.7%

2 回 3 15 18 36.7%

3 回 5 1 6 12.2%

4 回 1 3 4 8.2%

5 回 1 1 2 4.1%

6 回 0 0 0 0.0%

7 回 0 2 2 4.1%

合計 19 30 49 100.0%

図表 18 電子チケット利用回数

• 利用回数(全体 111 回)

三鷹市 39 回 平均 2.1 回乗車

豊田市 72 回 平均 2.4 回乗車

• 乗車回数の 頻値(全体 2.3 回)

三鷹市 1 回

豊田市 2 回

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なおこの利用回数については、事前に自治体及びタクシー事業者へのヒアリングで把

握した通常時の平均運賃(三鷹市:1,500 円、豊田市:都市部 1,500 円 山間部 4,000

円)から想定していた利用可能回数と比較すると、三鷹市・豊田市ともに少ない結果と

なった。

三鷹市 豊田市(都市部) 豊田市(山間部)

平均運賃 1500 1500 4000

平均運賃に対するチケット利用可能額

(想定 1乗車あたりの平均利用金額) 1500 800 2000

実証実験利用可能回数

(想定実証実験利用回数) 2.6 5 2

実証実験平均利用回数 2.1 2.5 1.5

実証実験 1乗車あたりの平均利用金額 1377 951 1167

図表 19 想定利用回数と実際の利用回数の比較

一方、金額ベースでの利用率は以下の通りであった。

(全体 31.9% 発行金額:385,000 円に対し利用金額:122,800 円 平均利用金額は

1,106 円)

三鷹市 45.9% 1,377 円

豊田市 25.8%。都市部 951 円、山間部 1167 円

利用金額については想定と大きく差がないまたは下回っていることから、日常の利用

を実証用チケットで代替した利用者が多いと考えられる。

利用回数と利用金額の分析から、実証実験での電子チケットは利用者にとって何度も

使おうと思えるものでなかったことが分かった。

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電子チケットの利用回数は、なぜ少なかったのか?

実証実験に参加し電子チケットを利用したものの、紙チケットと変わらず使うことが

できなかったとアンケートで答えたユーザーに、その理由を確認したところ以下の結果

となった。

図表 20 モニター利用者が電子チケットを紙チケットと変わらず使えなかった理由

「利用の流れが複雑だったから」

• タクシーを配車しなくてはならないことが影響したと思われる。

「同乗者やタクシーの乗務員にとっても分かりづらかったから」

• 乗降車時の電子スタンプ押印で乗務員が不慣れで時間がかかってしまったという

意見があった。

「その他」

• スマホの操作に慣れていないとの意見があった。

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電子チケットの改善点・・・「利用の流れをもっと簡単にする」

• アンケートでは紙チケットと変わらず使えたと答えたユーザーでも、ヒアリングで

は電子スタンプの押印や、チケット枚数選択画面で戸惑ったという意見も収集でき

た。

• 実現に向けては、利用の流れを簡単に分かりやすくすることが何よりも重要である

ことが分かった。

図表 21 電子チケットの改善点(モニター利用者)

電子チケットの改善点「その他」で多かったのは、福祉チケットで払った残りの額

も同時に払えるようにする、端数まで払えるようにする(チャージされた額から引き

去り方式にする)といった意見であった。現行の「100 円券」「300 円券」など 1 枚ご

とに金額が決まっており端数は自己負担、という制度は電子化にあたって改善を検討

できるニーズであることが分かった。

<実証用アプリケーションのエラー率>

利用データ 111 件中完全に取得できていなかったのは 3 件(エラー率 2.7%)。

• 取得できなかった理由は、今回のシステムの仕様では特定できない(乗車・降車ロ

グのみサーバに保存しているため)。実サービス化にあたっては、アプリサイドの

ログを取得できる仕組みとする必要がある。

位置情報が取得できなかったのは 19 件(17.1%)。

• うち 6件は乗降車ともに取得できず。利用データを活用する際、どこまで完全なデ

ータであるべきかについては今後の検討とする。

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利用前後でのスマートフォンの不具合に関する問合せが 2 件。(故障で画面が黒く何

も表示されなくなった、セーフモードになってしまい解除できない、等)

• 実用化した際も、スマホなどのデバイスを使用した電子チケットの場合にはデバイ

スの操作に関する問合せが入ることが想定され、対応が必要である。

<実証参加者評価(電子チケット利用への所感:利用者)>

アクティブユーザーの 81.6%が、電子チケットを「紙と変わらず使えた」と回答した。

• アクティブユーザーの電子チケットへの評価は、両市の間に大きな差はない。

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年代 性

三鷹市 豊田市 両市合計

使わな

かった

使ったが、上手く使

えなかった

問題なく

使えた

三鷹市

合計

使わな

かった

使ったが、上手く使

えなかった

問題なく

使えた

豊田市

合計

使わな

かった

使ったが、上手く使

えなかった

問題なく

使えた

全体

合計

10 代

以下

0 0 2 2 1 0 0 1 1 0 2 3

0 0 0 0 2 0 0 2 2 0 0 2

20 代

1 0 0 1 1 1 1 3 2 1 1 4

1 0 1 2 2 0 2 4 3 0 3 6

30 代

0 0 2 2 6 0 2 8 6 0 4 10

3 0 5 8 3 1 0 4 6 1 5 12

40 代

2 1 1 4 4 1 4 9 6 2 5 13

1 1 1 3 6 1 4 11 7 2 5 14

50 代

1 1 0 2 2 1 6 9 3 2 6 11

2 0 4 6 2 0 1 3 4 0 5 9

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60 代

0 0 0 0 2 0 2 4 2 0 2 4

0 0 0 0 3 1 2 6 3 1 2 6

70 代

0 0 0 0 2 0 0 2 2 0 0 2

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

80 代

以上

0 0 0 0 1 0 0 1 1 0 0 1

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

合計 11 3 16 30 37 6 24 67 48 9 40 97

図表 22 アクティブユーザーの電子チケット評価

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アクティブユーザーになったものの、紙と同じようには使えなかった層は、電子チケ

ットを利用できるタクシーの予約が必須であることや、乗降時に乗務員が手間取るなど

利用の流れやアプリの操作方法に分かりづらさを感じていた。また障がい者本人には使

いこなせないという介助者からの評価もあった。

電子チケットを問題なく使えた層には、紙による不便さの解消や常に持ち歩くスマホ

が利用できる点がおおむね好評な一方、高齢者などスマホに慣れていない層には難しい

のではないかという評価。

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<実証参加者評価(電子チケット利用への所感:タクシー乗務員)>

乗務員アンケートの回答数は 145 であった。(境交通:22、名鉄東部交通:121、日の

出タクシー:3)。そのうち、実際に実証実験に参加した乗務員は 60 名であった(アン

ケートの回答より)。参加率は 41.4%。アンケートは、電子チケットの利用意向や意見

も収集するため、モニター利用者同様実証実験に参加しなかった乗務員にも回答を依頼

している。

モニター利用者を乗せた回数もアンケートで聞いているが、システムで取得できて

いる回数よりも少ない合計結果(76 回。実際の乗車は 111 回)となったため、実際よ

り少なく回答していることも想定される。アンケートの回答に基づくと、利用者を乗

せた乗務員は平均 1.5 回実証実験に参加している。

「紙チケットと変わりなく使えたか」に対してはほとんどが問題なく使えたと回答

(93.3%)。

ただし、問題なく使えた理由でもっとも多かったのは「利用者が使い方をしっかり

理解していたから」であり、利用者が理解していない場合の対応は乗務員の負荷にな

るという意見もあった。高齢化が進む乗務員にとっては紙のチケット同様、利用者が

自分で操作できることが電子化において重要である。また利用者向けの課題とも重なる

が、決済端末がスマホや専用機器の場合は動作不良が発生する可能性があるため、対策(問

い合わせ対応・リブート等のマニュアルや、どうしても復旧できない場合のイレギュラー

処理手順なども考慮を要する)を整備しておく必要がある。

図表 23 タクシー乗務員が紙チケットと変わらず電子チケットを使えた理由

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そのため、電子チケットの改善点についても「利用の流れをもっと簡単にする」が

も多かった。

図表 24 電子チケットの改善点(タクシー乗務員)

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② チケットが電子化されたことによる負荷軽減の検証

<日次集計作業時間および月次請求作業時間の軽減率(タクシー事業者)>

タクシー事業者で行っている日次の集計作業および月次の請求作業は、チケットの電

子化によって軽減されることが分かった。

• 日次の集計作業は現状の作業として三鷹市および豊田市分のみを切り出して行っ

ているわけではないため正確な比較はできないが、各社とも数時間かけている枚数

確認・不備確認等が15分程度で完了したとの回答であった。

• 月次の請求作業は三鷹市・豊田市それぞれのみにかかっている時間が把握でき、各

社とも30分~1時間かかっていたものが5分で完了。

タクシー事業者における作業負荷比較

工程 紙チケット 実証実験

境交通 名鉄東部交通 日の出タクシー

乗務員が現金以

外の決済ごとに電

卓で合計し、乗務日

報と併せて提出

5分×86台=

約7時間

5-10分×135

名=

約11時間~22

時間

1時間 5分×台数分 モニター利用

者IDや利用金額

を控え、提出

社内日報システ

ムへ現金以外の決

済分の入力

5時間 45分 15分 実証システム

で利用データを

確認し、金額を社

内システムに転

経理担当者が乗

務員ごとにチケッ

ト仕分け・不備確

認・問合せ対応・枚

数確認など

3時間×2名

体制=6時間

枚数確認は不

要。乗務員の控え

と利用金額に差

異があった場合

は問合せ

図表 25 タクシー事業者における作業負荷比較(日次集計作業)

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月次請求作業

工程 紙チケット 実証実験

境交通 名鉄東部交通 日の出タクシー

社内システムか

ら利用明細と請求

書を発行

1時間 1時間 30分 5分 実証システムで利用実

績データデータと請求金

額が合っているか確認し

請求ボタンを押下

利用済チケット

の枚数と突き合わ

せて確認

- 不要

利用済チケット

とともに発行元へ

郵送

- 不要

図表 26 タクシー事業者における作業負荷比較(月次請求作業)

<実証参加者評価(電子チケットの処理に関する所感:タクシー事業者)>

各社とも、経理担当者へヒアリングしたところ概ね問題なく使用できたとのこと。

チケット枚数カウント作業の軽減や、不正利用の防止を期待する意見があった。

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<月次請求対応時間の軽減率(自治体)>

自治体で毎月行っている請求対応作業は、チケットの電子化によって軽減されること

が分かった。

• 両市とも境交通・名鉄東部交通からの請求にのみ対応しているわけではないため正

確な比較はできないが、両市ともに月に数時間~十数時間かけて行っている作業が

1,2時間程度に短縮できたとの回答であった。

• 軽減された時間で利用データの分析等を行うことが期待される。

工程 紙チケット 実証実験

三鷹市 豊田市

タクシー事業者

からチケットと請

求書受領

3分程度 10分 不要 システム上での

確認のみ

枚数確認、(三鷹

市はバーコード読

取)、請求金額との

確認

13時間~

19.5時間

3~5時間 15分 枚数確認は不

要。請求金額と明

細の確認のみ。

問合せ対応、支払

額一覧作成、市の財

務システムからタ

クシー事業者への

支払

2時間 1時間 1~2時間 紙チケットと同

様の処理。

図表 27 自治体における作業負荷比較(月次請求対応作業)

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<申請~チケット交付作業負荷の軽減効果想定(自治体)>

申請からチケット交付については、実証実験のスコープ外ではあったが、特に作業負

荷がかかっていることがヒアリングによって明らかになった。実証実験で検証はできて

いないが、想定される負荷軽減について以下表に示す。

工程 紙チケット オンライン完結

プラットフォーム

(想定)

三鷹市 豊田市

通知 広報に掲載 申請書を兼ねた

ハガキ(封筒、目隠

しシール等も含め)

作成、送付

不要(オンライン完

結プラットフォーム

から通知)

タクシー事業者との協

定・契約関連

全社に協定継続

有無の確認、覚書締

全社に協定継続

有無の確認、覚書締

オンライン完結プ

ラットフォームを運

営するプラットフォ

ーマーと契約

チケット作成 業者への印刷依

業者が印刷したチ

ケットの検品

業者への印刷依

業者が印刷したチ

ケットの検品

不要

(オンライン完結プ

ラットフォームでチ

ケット生成)

申請受付 電話または窓口 郵送または窓口 不要

(オンライン完結プ

ラットフォームで申

請受付)

チケット交付 郵送または窓口 郵送または窓口 不要

(オンライン完結プ

ラットフォームでチ

ケット交付)

図表 28 自治体における作業負荷比較(申請~チケット交付)

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<実証参加者評価(電子チケットの処理に関する所感:自治体)>

ヒアリング結果より、人件費、チケット発行コスト、使用済みチケットの保管コス

ト削減等の効果について評価する回答が多かった。

③ チケットの利用状況取得による効果の検証

<チケット利用率の増減効果>

• アンケート結果のうち、チケットの利用頻度に関する問いの回答結果で分けたグル

ープごとの変化では、「全く使わない」グループが紙のチケットの場合と比較して

も大きく増加した(+42名 +700%)。

前述の通り使わなかった理由は「予定がなく、タクシーを使わなかったから」が も

多いため、年間を通して見れば数回の利用があっても1ヶ月間の実証期間では使う機会

がなかったというユーザーが多かった。

利用率の変化(グループことの変化)

紙チケットの利用率

利用状況 三鷹市 豊田市 合計 構成比

全く使わない 1 5 6 6.2%

少しだけ使う 11 17 28 28.9%

半分くらい使う 11 16 27 27.8%

ほとんど使う 6 17 23 23.7%

全て使い切る 1 12 13 13.4%

合計 30 67 97 100.0%

電子チケットの利用率

利用状況 三鷹市 豊田市 合計 構成比 (増減:%)

全く使わない 11 37 48 49.5% +700.0%

少しだけ使う 3 9 12 12.4% -57.1%

半分くらい使う 2 7 9 9.3% -66.7%

ほとんど使う 8 10 18 18.6% -21.7%

全て使い切る 6 4 10 10.3% -23.1%

合計 30 67 97 100.0%

図表 29 チケット利用率の増減

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紙のチケットと電子チケットで利用率が増加した利用者は26.8%。

• 変化の詳細を見ると、紙のチケットを全く使わない6名については半数の3名が電子

チケットを利用する機会があり、うち2名はほとんど使っており、問題なくスムー

ズに使えたと回答している。

• 一方、紙のチケットを全て使い切る13名のうち電子チケットも全て使い切ったのは

2名にとどまった。

図表 30 個人ごとの利用率増減

紙のチケットは全て使い切るが電子チケットは全く使わなかった9名の使わなかった

理由は、非アクティブユーザー全体の結果と同様「予定がなく、タクシーに乗らなかっ

たから」という回答が も多かった。

一方で「利用の流れが難しかったから」という回答もあり、「難しすぎて乗れなかっ

た」「紙の厚さで残りの枚数を判断している」など、現行の紙チケット(もしくは限り

なく近いもの)でないと利用が難しい方がいることが明らかになった。紙と併用できる

仕組みであることは必要な条件であることが分かった。

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<住民サービス向上への活用効果(福祉チケット助成利用率向上への活用効果)>

今回、実証実験システムから取得したデータは下記のとおりであった。(1乗車ごと)

• 自治体名称、事業者コード、事業者名、車両コード、利用年月日・時間、利用者コ

ード、利用チケット枚数、利用チケット種類、精算金額、乗車位置情報、降車位置

情報

これらの、紙チケット助成では把握できていないデータ(利用年月日・時間、利用チ

ケット枚数、精算金額、乗降車位置情報)を取得できることにより、福祉チケット助成

利用率向上へ券面金額の見直しや助成金額の見直しに活用できることが自治体へのヒ

アリングから分かった。

<住民サービス向上への活用効果(福祉チケット助成以外の自治体の住民サービス

適化への活用効果)>

取得できるデータにより、曜日や時間、場所毎の利用者層がわかり新たな交通手段を

導入する等、福祉チケット以外の住民サービスの 適化にも効果が見込まれることが自

治体へのヒアリングからわかった。

乗降場所 乗車場所 割合 降車場所 割合

住宅 51 45.9% 40 36.0%

医療機関 5 4.5% 5 4.5%

役所・公共施設 4 3.6% 3 2.7%

介護・福祉関連施設 7 6.3% 1 0.9%

金融機関 5 4.5% 0 0.0%

駅 2 1.8% 12 10.8%

店舗(外食) 6 5.4% 6 5.4%

店舗(小売) 9 8.1% 8 7.2%

店舗(複合商業施設) 3 2.7% 4 3.6%

店舗(サービス) 3 2.7% 2 1.8%

企業 2 1.8% 1 0.9%

特定できず 8 7.2% 10 9.0%

位置情報取得できず 6 5.4% 19 17.1%

合計 111 100.0% 111 100.0%

図表 31 乗降場所一覧

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④ 電子化されたチケットを実際に利用した利用者、自治体、タクシー事業者

それぞれの感想や利用意向の検証

<実際に利用した利用者、自治体、タクシー事業者それぞれの感想や将来の利用意向

利用者は、7 割以上の人が「将来的に電子化したら使いたい」と答えた。

一方タクシー乗務員は、使いたいと思う人は 4 割程度にとどまった。

• 利用者は

三鷹市は 8割以上が「使いたい」

豊田市は 7割以下

• 利用者の使いたい理由は

「持ち運びが楽だから」

「普段からスマートフォンなどの電子機器を使い慣れているから」

• タクシー乗務員の使いたくない理由は

「紙の券のままで特段不便はないから」

利用者にとっては、紙と比較した際の利便性の高さを訴求していくことが重要であり、

タクシー乗務員に対しては紙とあまり変わらないオペレーションで電子化に協力して

もらうような形が理想的である。

図表 32 モニター利用者・タクシー乗務員の電子チケット利用意向

タクシー事業者からは、紙と比較して処理の手間が増えないことや、既存の仕組みを

できる限り使ってコストを抑えること等が条件ではあるが利用したいとのご意見を頂

けた。

• ビッグデータの視点では既に事業者ごとに持っており豊富にある情報を独自に使

えているとの意見。

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自治体からは、70%以上(豊田市)、あるいは 100%(三鷹市)電子化しない限り効果

は期待できない等、紙との併用についての意見を頂いた。

こうした声を踏まえて、第 3 章で調査・検討したオンライン完結プラットフォーム

の標準仕様では電子チケットのデバイスを縛らず、既存の紙チケットに静的 QR コー

ドを付加する等の方式にも対応可とした。

⑤ オンライン完結プラットフォームを将来にわたり低負担で持続可能なシステムとす

るための方策の提言

<オンライン完結プラットフォームを全国展開していく上での課題、および商用チケ

ットとのシステム共用化など、将来にわたり低負担で持続可能なシステムとするための

方策>

• 自治体にとっては、今かかっているコスト(主に人件費・印刷費等)以下のコスト

で導入できること。

• 事業者にとっては、既存の決済インフラを活用でき、導入にあたっての新たな投資

が 小限であること。

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5.6. 考察

電子チケットを利用したアクティブユーザーには、電子チケットはおおむね受容で

きるものであったことが分かった。モニター利用者、タクシー乗務員に受け入れられ

るか(=紙チケットと変わらず使えると思えたか)否かは利用の流れを簡単と思えた

かどうかによる。

実証実験の結果、実現に向けて下記二点の課題を示す。

課題 1:実証環境固有の問題

電子チケットの利用に消極的であったモニター利用者の中には、スマートフォンの

操作に苦手意識があり、電子チケットの利用を躊躇したとの意見もあり、電子化を実

現する際は IC カードや QR コードなど複数の中から使い慣れているデバイスを利用で

きるよう選択肢を用意しておく必要がある。

IC カードについては、交通系 IC カードを理想とする意見が多く、紙のチケットで

は端数分あるいは運賃の半額分は自己負担となるが、IC 化によって全額電子チケット

で支払えることを期待する声も多かった。その他にはマイナンバーカードや障害者手

帳という意見もあったが、マイナンバーカードは普及率も低く、特定個人情報の記載

もあることから持ち歩くこと自体に拒否反応を示す意見が多かった。障害者手帳は現

状紙であるが、本人確認も可能な書類であることから今後の IC 化を期待する声も多か

った。

課題 2:標準規格として実現する際に普及の妨げとなる問題

スムーズに使えなかった理由として「利用の流れが複雑だったから」「同乗者やタク

シーの乗務員にとっても分かりづらかったから」という意見が多かった。また、電子チ

ケットの改善点で も多かった意見として「利用の流れをもっと簡単にする」というこ

とからも、電子チケットが利用者に受け入れられるためには、利用の流れを簡単にわか

りやすくすることが重要である。

今回の実証実験では、実証システムがタクシーメーターと未連動であることから紙チ

ケット時はない乗車時の手続きが必要であることがモニター利用者およびタクシー乗

務員にとって不便と感じる理由となった。タクシーメーターとプラットフォームが連動

することにより、チケットの利用額や残額確認、位置情報や車番の取得が一手に解決す

るとともに、課題 1で述べたスマートフォン以外のデバイスによる電子化も視野に入れ

ることができることから、実証実験で手間と感じられた課題は解決できるものと考える。

自治体にとっては、現状の(主に人件費・印刷費等の)コスト以下で導入できること、

事業者にとっては、既存の決済インフラを活用でき、新たな投資が 小限であることが

重要である。

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6 有識者・関係者からなる会議体の設置、運営(検討委員会)

6.1. 設置の目的

有識者を交えて検討委員会を設置し、2018 年 9 月から 2019 年 2 月にかけて 4 回

の委員会を開催・運営した。委員会では、委員(有識者・自治体・事業者)と、オン

ライン完結プラットフォーム仕様並びに展開策、制約的課題に係る事項について審

議・合意形成を図った。

6.2. 委員構成

委員会の構成メンバーは以下の通りである。

委員名 所属 立場 選定理由

委員長 中村 素典 国立情報学研究所・特任教授 学識者 H26、27 年度経済産業省事業の

検討委員会委員長を務めてお

り ID 連携トラストフレームワ

ークに関する学識、経験ともに

豊富である

委員 板倉 陽一郎 ひかり総合法律事務所 法制度 個人情報の取り扱いに関する

法制度に精通

委員 斉藤 邦史 慶応大学 法制度 個人情報保護法制や情報セキ

ュリティに関する知見を有す

委員 平古場 浩之 みずほ情報総研株式会社 交通業界有識者 タクシー業界や位置情報の取

り扱いに深い知見を有する

委員 西村 剛仁 東日本電信電話株式会社 自治体業界有識者 自治体システムに精通すると

ともにICTの活用に関する知見

を有する

委員 白戸 謙一 三鷹市 自治体 自治体として実証実験に参画

委員 廣濱 学 豊田市 自治体 自治体として実証実験に参画

委員 根本 克己 境交通株式会社 タクシー事業者 事業者として実証実験に参画

委員 加藤 水竹 名鉄東部交通株式会社 タクシー事業者 事業者として実証実験に参画

委員 吉田 泰 富士通株式会社 技術 WG メンバー -

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6.3. 各回の開催概要

第 1回 オンライン完結プラットフォーム検討委員会

開催日時 平成 30 年 9 月 27 日(木) 10:00~12:00

開催場所 経済産業省本館 17 階 第 5共用会議室

参加者

(敬称略)

委員長 中村

委員 板倉、齊藤、平古場、西村

白戸、高島、根本、加藤、吉田

経済産業省 中野、吉田、岡田

事務局 中村、赤坂、加藤、望月

保木野、岡田、直井

オブザーバー 1 名(技術検討 WG メンバー)

議題 事業方針についての審議

実証計画についての審議

技術検討についての報告

制度調査進捗についての報告

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第 2回オンライン完結プラットフォーム検討委員会

開催日時 平成 30 年 11 月 12 日(月) 10:00~12:00

開催場所 経済産業省別館2階 238 各省庁共用会議室

参加者

(敬称略)

委員長 中村

委員 板倉、齊藤、平古場、西村

白戸、高島、根本、加藤、吉田

経済産業省 中野、岡田

事務局 中村、赤坂、牧、加藤、望月、持木、萩原

保木野、岡田、直井

オブザーバー 1 名(技術検討 WG メンバー)

議題 第 1回検討委員会での指摘について報告

調査結果ならびに変更時の注意点の報告

業務フロー策定にあたっての審議

実証準備の報告

実証アンケートに関する審議

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第 3回オンライン完結プラットフォーム検討委員会

開催日時 平成 31 年 1 月 24 日(木)15:00~17:00

開催場所 経済産業省 本館 17 階 第 5共用会議室

参加者

(敬称略)

委員長 中村

委員 板倉、齊藤、平古場、西村

白戸、廣濱、根本、加藤、吉田

経済産業省 岡田

事務局 中村、赤坂、牧、加藤、望月、持木、萩原

保木野、岡田、直井

オブザーバー 2 名(技術検討 WG メンバー)

議題

実証実験開始のご報告

オンライン完結プラットフォームの目指す姿についての審議

技術検討 WG での合意内容に関する審議

制度調査に関する審議

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第 4回オンライン完結プラットフォーム検討委員会

開催日時 平成 31 年 2 月 26 日(火)15:00~17:00

開催場所 経済産業省 別館 2 階 227 各省庁共用会議室

参加者

(敬称略)

委員長 中村

委員 板倉、齊藤、平古場、西村

波照間、廣濱、根本、加藤、吉田

経済産業省 中野、吉田、岡田

事務局 中村、赤坂、加藤、持木、萩原

保木野、岡田、直井

オブザーバー 2 名(技術検討 WG メンバー)

議題 オンライン完結プラットフォーム実現に向けた整理

実証実験結果のご報告

技術検討 WG での合意内容に関する審議

制度的課題について

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7 総括

7.1 総括

本年度調査研究では、オンライン完結プラットフォームの実現に向けての以下の課題

について調査・検討を行った。(1)オンライン完結プラットフォームの標準的な仕様の

検討、(2)制度上の制約への対応策の検討、(3)利便性および有効性の検証の 3 点である。

なお調査・検討にあたっては官民問わず、広く全国で利用可能となるように既存の技術、

民間サービス等を利活用することを前提とし、汎用性があり低コストで実現できる標準

仕様の検討、実証用システムを構築し実証を行った。また委員会での有識者からの意見

をいただき調査結果に反映させた。

オンライン完結プラットフォームの目指すべき姿について、以下の通り定義し、調

査・検討を行った。①煩わしい対面業務、書類を撤廃し、必要な人が必要な時に使える

利用環境の実現、②処理の効率化及び新たな価値の創出の 2点である。特に②処理の効

率化及び新たな価値の創出では、自治体に限らず、民間企業も活用できる仕組みとする

ことで新事業の創出や顧客満足の向上につながるものと整理した。

オンライン完結プラットフォームの全体像を整理する方法として、サービス提供の観

点でプラットフォームの類型整理を行った。その結果、申請、利用、集計・精算といっ

た機能が共通であり、それらを連携させるためのインターフェイスを標準化することに

で、必ずしも全ての機能を単独のプラットフォームで構成する必要がないことがわかっ

た。このような整理から、複数のプラットフォームが既存の決済スキームなどの資産を

活用して、相互に連携し合うことでオンライン完結プラットフォーム全体を構成するモ

デルとして「第 2 章オンライン完結プラットフォームの目指すべき姿と考え方 2.5 考

察」に取りまとめた。

オンライン完結プラットフォーム実現モデルにおいては、障がい者への移動支援を

目的とした福祉チケットに留まらず、自治体が発行している妊婦支援助成券等、他サ

ービスにも展開が可能となる。またクレジットカード会社や、タクシー会社が発行し

ているタクシーチケット等に代表される民間発行の商用チケット等についても、サー

ビスを提供する事業者とのインターフェイスを標準仕様に基づきデジタル化すること

で利用が可能となる。その結果、さまざまな業態の民間事業者の参入が容易になり、

利用者をはじめ自治体、事業者にとっても利便性の高いサービスの実現が期待できる。

オンライン完結プラットフォームの標準仕様の検討にあたり、自治体、タクシー事

業者、民間の電子チケット等に精通するシステム事業者による技術検討 WG を開催し検

討を行った。まず実際の福祉チケットの現行業務フロー、自治体、タクシー事業者等

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の外部システムを考慮した全体アーキテクチャを定義し、プロセス機能要件の整理を

したうえで共通機能を連携させるための 低限必要なシステム間のインターフェイス

仕様、データフォーマット仕様を取りまとめた。そのため外部システム間で発生する

データ通信量や処理時間を削減することが可能になることから、導入コスト・運用コ

ストの抑制が期待できる。また様々な決済機能やアプリケーションでの活用を容易に

することで、福祉チケット以外にも展開できる汎用的な電子チケットプラットフォー

ムとして設計し取りまとめた。

制度上の制約への対応策の検討について、多くの自治体では福祉チケット助成につ

いて条例・規則等を根拠規定として定めているため複数の自治体について条例・規約

等の分析・調査を行った。調査の結果、各自治体の条例・規則等に関しては、電子化

にあたって大きな障壁はないことが確認できた。ただし、自治体によっては福祉チケ

ット根拠規定や個人情報保護条例について軽微ではあるが改正・改訂等の対応が必要

となると予想される。一方、自治体における非識別加工情報や、オープンデータに関

する取組みは進んでいないことが明らかになった。オンライン完結プラットフォーム

の目指す姿の一つであるデータの利活用について、官民双方での活用を実現するため

には、自治体をはじめとするチケット発行元から利用データの提供を受ける形ではな

く、オンライン完結プラットフォーム自身が、利用者の同意のもとに利用データを直

接収集し活用するモデルが望ましいと結論づけた。上記で述べた調査・検討結果を踏

まえ、自治体がオンライン完結プラットフォームを導入検討する際に参考となる「福

祉タクシー券プラットフォーム導入プロセスガイド(案)」として取りまとめた。

オンライン完結プラットフォームの受容性、有効性を検証するために、前述の技術

検討WGで検討した標準化仕様のプロトタイプとなる実証用オンライン完結プラットフ

ォームを構築し 2の自治体、タクシー事業者 3 社、実際の福祉チケット利用者を対象

として計 97 名に参加登録いただき実証実験を行った。

実証実験で開発したスマートフォンアプリケーション及び電子スタンプを用いた電

子チケットの利用・集計・精算処理についてヒアリング及びアンケート調査の結果か

ら自治体、事業者、利用者ともに概ね受容できるとの回答を得た。また自治体と事業

者間の請求処理の負荷軽減効果についても、実証実験という限定的な範囲ではあるが

請求処理時間の大幅な削減が確認できた。さらに今回の実証実験では、現状の紙チケ

ットでは把握できていない利用データ(利用年月日・時間、利用枚数、精算金額、乗

降車位置情報)を取得し有効性について実証実験に参加いただいた自治体にヒアリン

グを実施し検証した。その結果、助成金額、助成方法の 適化や、バス、乗合タクシ

ーなど他の交通手段との連携等、客観的根拠に基づいた政策検討として有効活用でき

ることが確認できた。

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実証実験を通じて、オンライン完結プラットフォームを導入することにより自治体

で毎月の精算・請求にかかっているコストを約 60%~90%程度削減できるという試算も

できている。

7.2 今後の課題と対策

本年度調査研究を通じて、オンライン完結プラットフォームの実現により、これまで

自治体を中心に紙チケットの発行・交付、請求、保管に係るコストや、民間ではタクシ

ー事業者に代表される紙チケットに係る事務処理のコスト削減が可能となること。また

紙チケットのデジタル化により、新たに収集可能となる利用者の利用データを活用する

ことで自治体行政の効率化や政策検討に対し有効であることが確認できた。実証実験に

おける関係者へのヒアリング及びアンケート調査の結果をみても、オンライン完結プラ

ットフォームの実現には、大きな期待があることが示された。短い実証期間であるにも

関わらず、実証実験にご参加頂いた方々についても全体を通して前向きなご意見を頂け

たことは今後の広域展開に向け、より一層大きな力になっていくものと考えられる。

一方で、オンライン完結プラットフォームを広域展開するために対応していかなけれ

ばならない課題も確認できた。今後、オンライン完結プラットフォームの社会実装に向

けた取組みとして重要と思われる視点について記載する。

・オンライン完結プラットフォームの標準仕様としてデータ項目等を定めたが、将

来的にオンライン完結プラットフォーム間の相互連携を検討するにあたってはデー

タ交換のルール等は別途検討する必要がある。また、現行制度では自治体が発行し

ている福祉チケット等は同一人物に対し一度という条件があるため、行政サービス

ごとに契約するプラットフォームを 1対 1 の関係にするなど自治体、あるいは自治

体向けにサービスを提供するプラットフォーム同士が重複発行等に注意した運用設

計を検討する必要がある。

・本年度調査研究では、自治体発行の福祉チケットに限定した短期間での実験的運用

であり、サービス事業者(タクシー事業者)にとっては一部業務負荷が増えたとの意

見もあった。これは、今後オンライン完結プラットフォームの理想像を目指す中で利

用者のデバイスに既存の決済システムなどを活用することで解消していく課題と考

えているが、この点も含めオンライン完結プラットフォームの特徴を真に評価するに

は、公民混在のようなサービス業態、複数の自治体、事業者が参加した実験的運用を

行い広域展開に向けた課題を抽出し、取組みを整理する必要がある。

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・今年度標準仕様として定義したインターフェイス定義、データフォーマット仕様

は実証実験でも利用され、福祉チケットでは実用レベルの完成度は有していると考

えているが、民間発行の商用チケット等、他業態、利用目的など様々な条件での利

用を想定し仕様を更新していく必要がある。またデータフォーマットに限らず、必

須項目の設定やデータの入力ルールなども整備していくことが重要である。

・チケットの利用先つまりサービス事業者の業種や提供するサービスによっては、

特有の業務システムとオンライン完結プラットフォーム間の連携が必要となる場合

がある(今年度実証実験を行った福祉チケットの場合はタクシー事業者特有のタク

シーメーターや業務日報等の業務システムとの連携。なお、今年度実証実験におい

てはシステム構築における難易度の観点からこれらのシステムとの連携はしていな

い)。利用者及びサービス事業者にとっては連携することが更なる業務負荷の軽減・

利便性の向上につながることから、各システムとの連携を検討することが望ましい

と考える。

・今年度事業を通じては、自治体の福祉チケットから民間企業へも展開できるよう

なモデルを理想像として描きながらも、近い将来自治体でオンライン完結プラット

フォームを導入できるよう、標準仕様や導入ガイドラインを調査・検討した。オン

ライン完結プラットフォームの目指す姿が実現できるよう、まずは実際にサービス

として動かしながら、不備があればその都度修正し、少しずつ理想像に近づいてい

けるような取組みが期待される。

以 上

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資料集

資料 1 調達仕様書案

1. 件名

福祉タクシーチケットの電子化に係る準備業務委託

2. 契約期間

契約締結日の翌日から○○○○年○○月○○日まで

3. 履行場所

○○県○○市1-1-1

○○市役所○○課

4. 支払方法

本件委託業務完了後、受託者の請求に基づき支払う。

5. 目的

本委託は、○○○○年度に、○○(自治体名)が福祉タクシーチケット助成を行うため

の、「申請」「利用」「精算」に係る業務を、電子チケット(1枚あたり 300 円件を発行)

を使った精算を可能とするサービスを実施するに当たって、業務実施方法の調査等の準

備業務を委託するものである。

6. 業務内容

○○市が○○○○年度以降に実施を予定している、電子助成チケットサービスの業務内

容は以下のとおりである。

(ア) 対象助成チケット

福祉タクシーチケット、妊婦助成チケット・・・

(イ) 電子チケット利用対象企業および店舗

別紙1参照 等

(ウ) 取扱期間

○○○○年○○月○○日~○○○○年○○月○○日

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(エ) サービスの提供時間

24 時間 365 日

なお、システムメンテナンス等を実施する際は、受託者は○○市に対して、事

前に報告すること。また受託者はシステムメンテナンス等の実施時期について

利用者がわかるように記載または通知すること。

(オ) 基本スキーム

本スキームを実現するにあたり、「平成 30 年度 経済産業省デジタルプラット

フォーム構築事業(自治体発行チケット等のオンライン完結プラットフォーム

実現に向けた調査事業)」における技術仕様を参考にすると共に、調査事業に

おけるユーザーの声等を参考にしたスキームにすること。

① 利用者が、自身が持つパソコンやスマートフォン等により、インターネッ

ト上での受託者の設置する申請受付サイトを介し、○○市役所の窓口へ申

請に赴かなくとも、申請に関する一連の作業を完了させる。

② 受託者は、申請があった利用者の一覧データ(以下、申請一覧データ)を

後述する方法で○○市に納品する。

③ ○○市は、納品された申請一覧データを基に、本人確認・資格確認を行い、

確認が取れた利用者のデータ(以下、支給決定データ)を受託者へ送信す

る。

④ 受託者は支給決定データを基に、利用者へチケットを電子的な方法で交付

する。

⑤ 利用者は、電子的に交付されたチケットを6項(イ)で指定した企業およ

び店舗等で利用することができ、かつその利用されたデータは、リアルタ

イムで○○市および6項(イ)で指定した企業および店舗で確認できるよ

うにする。

⑥ 受託者は、6項(イ)で指定した企業および店舗ごとに、利用データを月

次単位で集計し、○○市へ請求データとして送信する。

(カ) 必要なデータの種類

委託者は、○○市へデータを提供する際、以下のデータを必ず考慮した上でデ

ータ連携すること

申請データ

氏名、性別、住所、電話番号

利用データ

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利用者 ID、乗車場所、降車場所、利用時間

(キ) 取扱手数料等

本契約に基づき受託者が業務を履行した場合、受託者は、委託完了届けを提出

し、委託料金を請求すること。なお、取扱手数料等について、社会情勢の変化

等により変更が必要と認められるときは、○○市と協議すること。

(ク) 申込受付サイトの設置及び運用管理

受託者は、上記(ウ)の期間中、申請受付サイトを設置し、その運用管理を行

うこと。申請受付サイトの詳細は○○市と協議することとし、同サイトにおい

て、○○市の指定する項目の入力とチェックの機能を実装すること。

(ケ) 申請データの引渡方法

受託者は、申請データをLGWAN回線または専用回線を通じて○○市の指定

する業務端末へのデータによる引き渡しを日次処理により行うこと。引き渡す

データにおいて、ファイル形式の文字コードはS-JIS(シフトJISコー

ド)の CSV データとする。ファイルの作成単位は日次で、○○市が翌日までに

取得可能とすること。なお、取得可能となる時刻については、○○市と協議す

ること。なお、専用回線による場合は、受託者と○○市の指定する拠点との間

に受託者が専用回線を敷設し、当該線区を閉鎖環境とすること。データの内容

及び引き渡し方法の詳細は○○市と協議すること。

(コ) 申請情報等の保管および搬送

① 受託者は、業務の履行によって作成された書面及び電磁的記録、その他一

切の資料(以下「申込情報等」という。)の保管及び搬送にあたっては、

紛失、毀損、盗難又は他目的利用がないように措置された保管場所で保管

するとともに、必要な措置を講じ確実に管理するものとする。

② 電子計算機・光学式情報処理装置等(以下「電子計算機等」という。)を

用いて保管及び処理を行う場合においては、申込情報等の保護の徹底が図

られるよう、システムを構築するとともに管理上の必要な措置を講じるこ

ととする。

(サ) 申込情報等の廃棄

申込情報等は、○○市が定める保存期間を経過したものについては、切断、熔

解、消磁等の復元ができない方法により廃棄するものとする。

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(シ) 苦情及び照会等の対応

受託者は、申込者又は第三者から本契約に基づく電子チケットサービスに係る

苦情又は照会等を受けた場合は、速やかに○○市に報告するものとし、状況に

応じ、○○市と協力して事態の収拾を図るものとする。

(ス) 事故発生等の報告

電子チケットサービスの業務に当たって、事故の発生を確認したとき又はやむ

を得ない事由により事故を回避することができないと見込まれるときは、直ち

に都に報告するとともに、○○市の確認のもと、速やかに必要な措置を講じる

こと。また、経緯、原因及び再発防止策について書面により○○市に報告する

こと。なお、受託者の責に帰すべき事由により生じた一切の損害について、受

託者は損害賠償責任を負う。また、事故発生時の事故内容、受託者名等につい

て、○○市は公表することがある。

(セ) 報告および検査

① ○○市は、必要があると認めるときは、受託者に対して、業務の履行状況

その他必要な事項について報告を求めることができる。

② ○○市は、必要があると認めるときは、受託者に対して、電子チケットサ

ービスの業務に係る申込情報等の関係書類の提出を要求し、受託者の帳簿、

書類その他の物件等の検査を行うことができる。

(ソ) 個人情報保護及び情報セキュリティ対策に係る遵守事項

① 受託者は、「個人情報の保護に関する法律」及び「○○市個人情報の保護

に関する条例」を遵守し、個人情報の適正な管理のために万全の措置を講

じることともに、業務上知り得た情報及び業務内容等の一切について、い

かなる場合にも第三者への情報提供及び目的外利用してはならない。この

ことは、契約期間終了後も同様とする。

② 受託者は、「○○市サイバーセキュリティ基本方針(例)」(別紙○)を遵

守し、情報管理の徹底を図ること。また、同方針の趣旨を踏まえ、システ

ム構築にあたっては、インターネットで通信される全行程において SSL に

よる暗号化を行う等の措置をとること。また、大規模災害等に対しても信

頼性の高いシステムを構築し、冗長化対応(二重化等)する等、早急な障

害復旧が可能な状態にすること。

③ 金融情報等コンピュータシステムの安全対策基準(公益財団法人金融情報

システムセンター)に則り、立ち入りを制限する等の対策を施すとともに、

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126

侵入防止システムを導入し、外部からの不正なアクセスを24時間監視す

る等、強固なセキュリティを保つこと。

④ 受託者は、本件委託業務を処理するため委託者が貸与する資料等を、委託

者の承諾なくして複写、転写、複製又は廃棄してはならない。なお、委託

者が貸与する資料等は、契約期間終了後、速やかに委託者へ返還すること。

⑤ 受託者は、個人情報保護及び情報セキュリティ対策に係る研修を業務従事

者に対して実施すること。なお、研修実施後、速やかに実施状況を委託者

へ書面により報告するとともに、研修資料を委託者へ提供すること。

⑥ 受託者は、情報セキュリティに関する公的資格を有していること。または、

資格同等の情報セキュリティ対策を実施していることを証明できること。

7. 委託内容

(ア) 上記6の内容を踏まえ、○○○○年度に電子チケットサービスを実施

するにあたり、以下の準備業務を委託する。

① 電位チケットサービスの詳細検討

1. 契約形態および内容の調整

2. ○○○○年度契約仕様内容の調整

3. その他必要な事項

② システムの仕様の内容検討およびシステム構築

1. 利用者の申請情報を入力するサイトに関する調整および構築

2. ○○市に申請一覧データ送信に関する調整および構築

3. ○○市から支給決定データ受信に関する調整および構築

4. 利用者へ電子的な方法でのチケット交付に関する調整および構築

5. 利用データの授受(○○市、6項(イ)で指定した企業および店舗等)

6. ○○市への請求データ作成に関する調査および構築

③ システムへの接続の対応

1. ○○市××システムとの接続条件の調整

2. 6項(イ)で指定した企業および店舗等との接続条件の調整

3. その他必要な事項

8. 納品物

(ア) 6項(イ)で指定した企業および店舗等一覧向け運用マニュアル

(イ) 業務フロー・サービス提供フロー

9. その他

10. 参考資料

(ア) 6項(イ)で指定した企業および店舗等一覧

○○市サーバーセキュリティー基本方針・・・

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127

資料 2 実証実験アンケート結果

<モニター利用者向けアンケート>

Q1. 皆さんへお聞きします。実証期間中、実証実験用の電子チケット(スマートフォン)

を使用してタクシーに乗りましたか。

選択肢 合計 三鷹市 豊田市

乗った 49 50.5% 19 63.3% 30 44.8%

乗らなかった 48 49.5% 11 36.7% 37 55.2%

合計 97 100.0% 30 100.0% 67 100.0%

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Q2. Q1.で「1.乗った」と回答した方へお聞きします。

Q2-1. 市から助成されている紙の「福祉チケット」と比較し、問題なく電子チケットを

使うことができましたか。

選択肢 合計 三鷹市 豊田市

できた 40 78.4% 16 76.2% 24 80.0%

できなかった 11 21.6% 5 23.8% 6 20.0%

合計 51 100.0% 21 100.0% 30 100.0%

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Q2-2. Q2-1.で「1.できた」と回答した方へお聞きします。

紙のタクシー券と比較し、問題なく電子チケットを使えたと思う理由を教えてください。

※当てはまる番号全てに○をしてください。

選択肢 合計 三鷹市 豊田市

1 . 利用の流れが簡

単だったから

26 28.3% 14 34.1% 12 23.5%

2 . アプリの表示や

表記が分かりやすか

ったから

22 23.9% 10 24.4% 12 23.5%

3 . 事前の説明や説

明資料が分かりやす

かったから

23 25.0% 9 22.0% 14 27.5%

4 . 同乗者やタクシ

ーの乗務員など、詳し

い人にサポートして

もらったから

12 13.0% 5 12.2% 7 13.7%

5 . その他(下の枠に

詳しい内容をご記入

ください)

9 9.8% 3 7.3% 6 11.8%

合計 92 100.0% 41 100.0% 51 100.0%

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130

<その他>の回答 抜粋

• 操作が分かるヘルパーと同乗した。(三鷹市)

• チケットを出したり、ちぎったりしなくていいので楽だった(三鷹市)

• 実際にタクシーを利用する前に資料を読み返した上でタクシーに乗った。その際

にタクシーも説明資料を持っていて、乗務員さんと確認しながらスマホを操作し

たので問題なかった。(豊田市)

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131

Q2-3. Q2-1 で「2.できなかった」と回答した方へお聞きします。

紙のタクシー券と比較し、電子チケットが使いづらかったと思う理由を教えてください。

※当てはまる番号全てに○をしてください。

選択肢 合計 三鷹市 豊田市

1 . 利用の流れが複

雑だったから

7 31.8% 1 11.1% 6 46.2%

2 . アプリの表示や

表記が分かりづらか

ったから

2 9.1% 2 22.2% 0 0.0%

3 . 事前の説明や説

明資料が分かりづら

かったから

0 0.0% 0 0.0% 0 0.0%

4 . 同乗者やタクシ

ーの乗務員にとって

も分かりづらかった

から

4 18.2% 1 11.1% 3 23.1%

5 . その他(下の枠に

詳しい内容をご記入

ください)

9 40.9% 5 55.6% 4 30.8%

合計 22 100.0% 9 100.0% 13 100.0%

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132

<その他>の回答 抜粋

• 普段スマホを利用しないため、アプリが難しいというよりはスマホ自体の扱いに

慣れていなかったから。(三鷹市)

• わざわざチケットを利用出来るタクシーを予約しないといけないこと、運転手さ

んもスタンプ読取りに不慣れで降車時に手間取ったこと(三鷹市)

• スマートフォンの操作自体に慣れていなかったから(豊田市)

• 1ヶ月、みじかすぎて乗れませんでした(豊田市)

• 障がい区分が「3」の子供には使いこなせない。(豊田市)

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Q2-4. 電子チケットについて、「こうすればもっと使いやすくなる」という点を教えて

ください。

選択肢 合計 三鷹市 豊田市

1 . 利用の流れをも

っと簡単にする(カー

ドをかざすだけなど)

42 50.6% 16 45.7% 26 54.2%

2 . 誰でも持ってい

るもので使えるよう

にする

23 27.7% 11 31.4% 12 25.0%

3 . その他(下の枠に

詳しい内容をご記入

ください)

18 21.7% 8 22.9% 10 20.8%

合計 83 100.0% 35 100.0% 48 100.0%

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135

<その他>の回答 抜粋

• 電話の受付時間が 7 時~19 時だったようで、20 時過ぎに電話したら時間内にお

願いしますのメッセージが流れて利用できなかった。21 時くらいまで使えればよ

いと思いました。(三鷹市)

• 端数、お釣りを計算しなくていいように、10 円単位で利用できる方が良い。(三

鷹市)

• 100 円券も使えたらもっと便利だと思う。(三鷹市)

• スイカの様に金額が引かれるようにしたほうが良いと思う(三鷹市)

• 電子チケット+現金は手が不自由だと手間取るので端数も支払えるようにしてほ

しい。(三鷹市)

• マナカカードの用な専用なカードをかざす(豊田市)

• 支払いの分も同じ電子化出来ればなお良い(豊田市)

• チャージ式の決裁アプリやmanacaなどのカードでは無理があるかもしれないが、

上限が決まっているカードやアプリを毎年発行して頂けるのであれば良いのか

もしれない。(豊田市)

• バーコードリーダーを読み取る形式にする(豊田市)

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Q3. Q1.で「2.乗らなかった」と回答した方へお聞きします。

電子チケットを使わなかった理由を教えてください。

※当てはまるもの全てに○をしてください。

選択肢 合計 三鷹市 豊田市

1 . 出かける予定が

なく、タクシーに乗ら

なかったから

18 46.2% 2 18.2% 16 57.1%

2 . 事前にタクシー

会社へ電話をかけて

配車を依頼するのが

面倒だったから

6 15.4% 4 36.4% 2 7.1%

3 . 利用の流れが難

しかったから

2 5.1% 0 0.0% 2 7.1%

4 . アプリの表示や

表記が分かりづらか

ったから

1 2.6% 0 0.0% 1 3.6%

5 . 事前の説明や説

明資料が分かりづら

かったから

0 0.0% 0 0.0% 0 0.0%

6 . 電子チケットを

使うのが面倒だった

から

0 0.0% 0 0.0% 0 0.0%

7 . 車イスで乗るこ

とに支障があったか

2 5.1% 1 9.1% 1 3.6%

8 . その他(下の枠に

詳しい内容をご記入

ください)

10 25.6% 4 36.4% 6 21.4%

合計 39 100.0% 11 100.0% 28 100.0%

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<その他>の回答 抜粋

• 全く乗務員がわかってなくその場で支払いできず営業所に行った(三鷹市)

• 降りる際時間的余裕が無かった(三鷹市)

• 名古屋では使えなかったので使いませんでした。配車依頼をスマートフォンから

してほしいと言われたが、自宅では電波が届かなかった。(豊田市)

• スマホを持って行くのを忘れる事が多かった(豊田市)

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Q4. 将来的に、お住まいの市で助成している紙のタクシー券が電子チケット(スマホや

IC カードなど電子的な機器で使える形のチケット)になったら、使いたいと思います

か。

選択肢 合計 三鷹市 豊田市

思う 57 72.2% 24 82.8% 33 66.0%

思わない 22 27.8% 5 17.2% 17 34.0%

合計 79 100.0% 29 100.0% 50 100.0%

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Q4-1. Q4.で「1.思う」と回答した方へお聞きします。

電子チケットを使いたいと思う理由を教えてください。

※当てはまるもの全てに○をしてください。

選択肢 合計 三鷹市 豊田市

1 . 普段からスマー

トフォンなどの電子

機器を使い慣れてい

るから

40 28.6% 19 31.1% 21 26.6%

2 . 持ち運びが楽だ

から

42 30.0% 18 29.5% 24 30.4%

3 . なくしたり汚し

たりしづらくなるか

22 15.7% 7 11.5% 15 19.0%

4 . 申請や受け取り

が楽になるから

30 21.4% 14 23.0% 16 20.3%

5 . その他(下の枠に

詳しい理由をご記入

ください)

6 4.3% 3 4.9% 3 3.8%

合計 140 100.0% 61 100.0% 79 100.0%

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141

<その他>の回答 抜粋

• 現在チケットはポーチに入れているが、子供を連れてそれを出してちぎったり精

算する作業がなくなるから(三鷹市)

• 受け取りが楽になるという説明はなかったがそうなってくれるのなら在り難い

(三鷹市)

• 紙のチケットと電子チケットのどちらかを利用者が選べることが望ましい(三鷹

市)

• 紙のタクシー券は家に忘れる事が多いから(豊田市)

• マナカなどの IC カードだったら携帯に慣れていなくてもかざすだけなので使い

やすそうだから(豊田市)

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Q4-1. Q4.で「2.思わない」と回答した方へお聞きします。

電子チケットを使いたくないと思う理由を教えてください。

※当てはまるもの全てに○をしてください。

選択肢 合計 三鷹市 豊田市

1 . 紙の券のままで

特段不便はないから

24 35.8% 3 42.9% 21 35.0%

2 . 電子チケットは

使い方が難しそうだ

から

25 37.3% 1 14.3% 24 40.0%

3 . その他(下の枠に

詳しい理由をご記入

ください)

18 26.9% 3 42.9% 15 25.0%

合計 67 100.0% 7 100.0% 60 100.0%

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<その他>の回答 抜粋

• 紙の方が残りが分かりやすい。(三鷹市)

• ふだんスマートフォンを使っている人でないと分からない。充電を忘れてしまう。

(三鷹市)

• 本人は緊急連絡用にスマホを持っていますが、知的にも自分で操作するのが困難

です。外出もヘルパーさんとが多く、その操作をしてもらうのも大変なことだと

思います。(三鷹市)

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144

• みんなが使えるものではないと思うから。使い方の分からない人は少なからずい

ると思う。(豊田市)

• 充電を忘れたら使えない(豊田市)

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Q5. その他、実証実験の感想や、電子チケットへのご意見などございましたらご記入を

お願いします。

• 正直言って本当に良いのか、良くないのか 1ヶ月じゃ、わからない。乗る回数を、

増やそうと、考えて乗車しましたが、けれども、5回が、限度でした。久々に、

色んな方のタクシーに乗れて、楽しかった。みなさん優しい方で、良かったです。

(三鷹市)

• 今回、参加して良かったです。自分の携帯で簡単に使えるようになるといいと思

います。チケットの枚数で支払うのは面倒。タクシー代端数まで払えると便利で

す。(三鷹市)

• タクシー乗り場から乗って使えると良いと思います。配車に時間がかかり間に合

わなくなり 1 度切ってしまいました。申し訳ありませんでした。(三鷹市)

• タクシー会社さんも実証実験のことをよく把握して下さっていた為、利用するに

当たって流れがとてもスムーズだった。(三鷹市)

• 本人が使うのはむずかしく、対応するヘルパーにも先に説明が必要だった。対応

する車の台数が足りず呼んでも断られる事があった。かえって手間だった(ヘル

パー談)(三鷹市)

• 紙でないと、むずかしい人もいる。対応してくれたタクシーはていねいだった(三

鷹市)

• もっと乗務員に研修制度で理解してもらわないと利用できない(三鷹市)

• 1 社だけでの実験だったので、利用したい際に電話が繋がらないケースがあった。

多くのタクシー会社で利用出来ると良いと思いました。電話が繋がった際は、大

変丁寧にわかりやすく対応して下さり安心して利用できました。(三鷹市)

• 病院への送迎など時間予約が出来たら有り難い。電子チケッ卜対応のタクシー台

数がどのくらいになるのか?現行の紙チケットなら全車有効なのだから…。申請

受け取りが今より楽になるのか?アンドロイドで慣れているので、実証実験は楽

しかった。ありがとうございました。(三鷹市)

• 福祉車両だったのですが乗るまでに時間がかかった--10 分位。一般道路で乗車す

るのは無理かと思います(三鷹市)

• 自分とタクシー会社が時間が合わない為実証実験は不可でした。夜間透析患者に

は不利ですね(三鷹市)

• アプリ以前の問題で、タクシー会社の選び方やタクシー会社との協力体制に問題

があると思います。せっかくなので使ってみたかったのですが、残念です。(三

鷹市)

• あくまで実験だったと思いますが、個人的には目的の「利用者、事業者双方の利

便性」は全く感じなかった。海外(アメリカや中国)で普及している配車アプリ

利用の方が簡易で分かり易い。チケット限定、開発途中とはいえ、通常のスマホ

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決済が出来ないと機器搭載車を探す必要があるなど紙チケットより不便。実験そ

のものに疑問を感じた。(三鷹市)

• タクシー会社に電話して、何度もかけたのに、なかなか繋がらなかった。緊急の

ときは困ってしまいそう。ドライバーの方がまだよくわかっていないようでした。

(三鷹市)

• 電子チケットは持ち運びやすく便利でした。支払いもスムーズでした。ただタク

シーの車種が車椅子ごと乗車することが少し大変だったです。今回はチケットの

実験だったのでタクシーの車種については関係ないかなと思いましたが乗り込

みにくかたったので。(三鷹市)

• 電子マネー化した時、端数まで支払い可能になるなら使いたいです。今のスタン

プを押してもらう作業は実験だとわかっていて手配した理解ある運転手さんだ

から安心してできますが、道でつかまえた運転手さんだと、もし差別意識を持つ

人だった時に怖いです。毎回予約しているわけでも手配しているわけでもないの

で、広まって安心して使えるまでは紙を使うかもしれません。(スタンプ方式な

ら)(三鷹市)

• 電話予約ではなくネットでできるとよかった。その際出発地、目的地が指定でき

ると良い(違うところで待たれたり、目的地点が分からない方もいてこちらも道

順を知らないときがある)。また車椅子やバギーを乗せることもあるので大きい

車種が画像等で選べたり、一言伝えられるテキスト入力欄があると良い。(車種

名称だけではどんなものか想像がつかないときもある。運転手によってはバギー

の乗車拒否、または乗せることを拒否し自分でバギーや機械を持ち上げさせられ

たりすることがあるので無くしたい。自分で乗せなくては行けないとその間車に

閉じ込められたと思う子供がパニックになるので避けたい。(三鷹市)

• 電子チケットがタクシー券を使えるタクシー会社全部で使用できるともっと便

利になるかなと思います。外出予定がなく、実証実験のモニターになれず申し訳

ありませんでした。(三鷹市)

• チケットの授受も送受信で行っては?(三鷹市)

• タクシーの運転手さんの対応が丁寧で気持ちよく使う事ができました。慣れてき

たところで終了でした。スマートフォンを持っていないので、「マナカ」が使え

たらうれしいです。(豊田市)

• 今回は初めてで不慣れでしたがタクシードライバーも不慣れでやりにくそうで

した。確認スタンプは不要に改善すべき、電子マネー的にかざすだけで処理完了

する様にしたら良いか。(豊田市)

• 使うチケットの枚数を選択する時に毎回すんなりできなかった。それ以外は何も

問題なかった。(豊田市)

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• 紙のタクシー券は残りの金額が一目で分らない。タクシーに乗ってスマートフォ

ンの操作(スタンプ)などの遣り取りに時間が掛り急いで行く時は焦る(豊田市)

• Suica の様な電子マネーに助成金を合わせたカード化、なおかつスマホでも使え

る様にする。チャージは専用アプリから年間の助成金を配布する。または役所で

のチャージする。(豊田市)

• 車椅子利用者はジャパンタクシーでもなかなか車椅子のまま利用出来ず不便で

した(豊田市)

• そもそも使おうとしたら、「ただいま混雑しており通話できません。」という文章

が表示され使用できない事があった。今回提携された名鉄タクシーもドライバー

ごとに全く知らない人もいれば、多少の事しか知らない人もおり、基本的に周知

されておらず不完全な実験だったんだなと落胆してしまったのが正直な感想。市

役所側に言いたいのは、もっと基盤を整えてからやってほしかった その一言に

尽きます。ましてやタクシーを豊田営業所側で呼んでいるにも拘わらず、知立の

ドライバーが来て、「そんなもの知らん」とまで言われ、使用することも出来な

かったし結局自腹で払わなければいけないのならこんな事に参加しなければよ

かったと思ってしまいました。→判子は持っているがやり方が分からずドライバ

ーも困っていた。事務の人達はタクシー全社きちんと対応してますので安心して

くださいと言うばかりで事務方とドライバーとの理解の差が激しかった。(豊田

市)

• 実験中という事で、運転手さんもとまどっていた。タクシー乗り場で乗ろうとし

てもチケット対応の車がなくて電話で呼んだ。全車に対応してくれれば、何の問

題もない。(豊田市)

• タクシー運転手に年配の方が多く、「お客さんが理カイされているので助かりま

す」と言われました(豊田市)

• スマートフォンなどの電子機器に慣れている人にはチケットなどに比べて使用

しやすいと思います。説明書も大変分かりやすかったです。しかし、スマートフ

ォンなどをまだ使い慣れていない人も年配の人に多く、タクシーの運転手さんも

スマートフォンを使っていないので、利用が分かりにくいと言っていました。そ

の辺が課題だと思いました。タクシーの運転手さんへのしっかりとした練習も必

要だと思います。(豊田市)

• 今回は実験だったため、タクシーを頼んでから 1時間またされた。(豊田市)

• 操作が複雑すぎます。精算時に電子チケットを 1回かざすだけにして、残金を現

金、またはペイで支払えるようにしてください。また、事前説明会の段取りが悪

すぎます。30 分で済む内容に 1 時間 30 分も掛かっていました。受付の仕方、ス

マホの渡し方など、工夫すれば時間短縮出来ます。また、行政側もベンダーに任

せきりで無く、説明内容を事前確認してください。(豊田市)

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• タクシーを呼ぶ時、TEL だけになってるのでメールアドレスも添えてほしい。(FAX

番号も含む)→(前もってタクシーを呼びたい時に FAX した方が安心だと思う。)

タクシーの到着ルート案内を画面に出してほしい。健聴者に TEL 依頼した後、タ

クシーが来たのはいいが聴覚障害者の私は健聴者と見間違えてしまった。ですの

で、メールを設けたら自身が聴覚障害者と判別できると思います。(豊田市)

• 障がいをもった人には紙の方がいいと思う(豊田市)

• 実証実験に参加でき興味深かった。このようなモニター実験は様々なことで計画

されるといいと思う。データ解析は正しくしてほしい。タクシーに乗った経路が

バス路線であっても、バスに乗ることができない理由があるからで、短絡的にタ

クシー不要とはしないでほしい。周りにはまだガラケーユーザーは多いし、メー

ルさえ打てない人もいる。選択肢は残してほしい。(豊田市)

• 電子チケット使用時に、スマホ画面に「障害者手帳をお持ちの方は、提示をお願

いします」等表示があった方が良い。(実際、手帳提示を忘れ、1 割引きできなく

なった。)→割引前の金額で電子チケットを使用したため。(豊田市)

• タクシーの配車を電話ではなく、タクシー会社のアプリと連携して GPS で自分の

いる場所にタッチで呼べるようにしてほしい。(構音障害があるので通話でタク

シーをよべない。)そもそも豊田市では自家用車でほとんど移動するので名古屋

で使えないタクシーチケットはほとんど用を足さないです。いつも使うことはな

く終わります。(豊田市)

• 電子化への実証実験の期間での使用ですので、タクシーの乗務員の方の対処がお

ぼつかない感じでした。又、スマートフォンの充電が思ったより減りが早いです。

毎日、タクシーを使用する訳ではないので、5,6日で0%に近い充電率でしたので、

ビックリしました。以上です。(豊田市)

• 自分のスマホにアプリを入れればつかうと思う(豊田市)

• アプリ自体の操作はとても簡単なのですが、そもそもスマートフォンの操作自体

が苦手な高齢者には難しいです。結局、娘が代わりに全て操作しました。(障害

者本人は知的障害者なので使えず。保護者である 70 代の母親が障害者の送迎を

する際に使用しました。アンケートは娘が代わりに記入しています。) (豊田市)

• 難しすぎて乗れない(豊田市)

• タクシー会社に電話をするときに資料通りにやったのですがプッシュ音はする

のに全然掛からなかった。2~3回やってもだめでした。説明書通りに進めたの

ですがしばらく経つと画面が消えてしまいもう1度押すと元の画面に戻ってしま

ったりと操作が大変ですごく時間がかかり面倒だった。もし電子化になるのであ

れば半額ではなく全額使える様になるといいかなと思う。(豊田市)

• 何をしているかよくわからん(豊田市)

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• 高齢者にはちょっと不向きのような気がします。現状において TEL すればすぐに

きてくれるのが実状です。電子チケットにすればスマートホンの購入も考えると

経済的な負担もあります。当方体調をこわしカゼをこじらせ肺炎になり入院する

羽目になり(1ヶ月半)使う機会がありませんでした。希望にそえず申しわけあ

りませんでした。(豊田市)

• すごく簡単で使いやすかったです。これが自分のスマホでできたらもっと楽なの

に・・・と思いました。(豊田市)

• 障がい者が地域社会に積極的に出ていくのを応援していただけるのなら、以前の

様なバス券が選択できる方法も考えていただきたいです。バス券が配布された時

は 1人でバスに乗り、出かけることができました。今後障がい者にも利用できる

支援をお願いします。(豊田市)

• スマホのアプリの立ち上がりが遅いことが不満でした。紙は利用段階で破損が酷

くなるので、常に利用する携帯が今後はいいと思います。(豊田市)

• スマホは便利だが慣れるまでが大変 充電も忘れそう でも 便利は便利(豊田

市)

• 普段からスマホなどにふれている若者にはとても便利だと思います。しかしお年

寄りの方々には難しく不便に思われるのかなとも感じました。(豊田市)

• この度は自宅までお越しいただき、丁寧な説明をして下さりありがとうございま

した。普段は様々な理由から、タクシーを利用する事はあまりないのですが、今

回を機会にタクシーの利用を日常生活に取り入れていきたいと思います。よい経

験をさせていただきまして感謝しております。全ての人が利用しやすいシステム

の実現を期待しております。(豊田市)

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<タクシー乗務員向けアンケート>

Q1. 皆さんへお聞きします。

実証期間中(1 月 7 日~2 月 7 日)、実証実験用の電子チケット(スマートフォン)を使う

方(利用者)を乗せる機会がありましたか。

選択肢 合計 境交通 名鉄東部交通 日の出タクシー

あった 70 47.9% 18 81.8% 50 41.3% 2 66.7%

なかった 76 52.1% 4 18.2% 71 58.7% 1 33.3%

合計 146 100.0% 22 100.0% 121 100.0% 3 100.0%

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Q2 Q1.で「1.あった」と回答した方へお聞きします。

Q2-1.利用者を乗せた回数は何回くらいでしたか。

※乗り降りで 2回ではなく、乗り降りで 1 回とカウントしてください

選択肢 合計 境交通 名鉄東部交通 日の出タクシー

1回 36 69.2% 6 42.9% 29 80.6% 1 50.0%

2回 10 19.2% 5 35.7% 4 11.1% 1 50.0%

3回 4 7.7% 3 21.4% 1 2.8% 0 0.0%

4回 2 3.8% 0 0.0% 2 5.6% 0 0.0%

合計 52 100.0% 14 100.0% 36 100.0% 2 100.0%

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Q2-2. 紙の福祉タクシー券と比較し、問題なく電子チケットを使うことができましたか。

選択肢 合計 境交通 名鉄東部交通 日の出タクシー

できた 61 87.1% 17 94.4% 42 84.0% 2 100.0%

できなかった 9 12.9% 1 5.6% 8 16.0% 0 0.0%

合計 70 100.0% 18 100.0% 50 100.0% 2 100.0%

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Q2-3. Q2-2.で「1.できた」と回答した方へお聞きします。

紙のタクシー券と比較し、問題なく電子チケットを使えたと思う理由を教えてください。

※当てはまる番号全てに○をしてください。

選択肢 合計 境交通 名鉄東部交通 日の出タクシー

利用の流れが簡単だ

ったから 32 29.4% 13 31.7% 18 28.1% 1 25.0%

電子スタンプが使い

やすかったから 10 9.2% 4 9.8% 5 7.8% 1 25.0%

アプリの表示や表記

が分かりやすかった

から

15 13.8% 9 22.0% 6 9.4% 0 0.0%

事前の説明や説明資

料が分かりやすかっ

たから

14 12.8% 6 14.6% 7 10.9% 1 25.0%

利用者が使い方をし

っかり理解していた

から

35 32.1% 9 22.0% 26 40.6% 0 0.0%

その他(下の枠に詳し

い内容をご記入くだ

さい)

3 2.8% 0 0.0% 2 3.1% 1 25.0%

合計 109 100.0% 41 100.0% 64 100.0% 4 100.0%

3210

1514

353

0 5 10 15 20 25 30 35

利⽤の流れが簡単だったから電⼦スタンプが使いやすかったから

アプリの表⽰や表記が分かりやすかったから事前の説明や説明資料が分かりやすかったから

利⽤者が使い⽅をしっかり理解していたからその他(下の枠に詳しい内容をご記⼊ください)

合計

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154

134

96

90

0 5 10 15 20 25 30 35

利⽤の流れが簡単だったから電⼦スタンプが使いやすかったから

アプリの表⽰や表記が分かりやすかったから事前の説明や説明資料が分かりやすかったから

利⽤者が使い⽅をしっかり理解していたからその他(下の枠に詳しい内容をご記⼊ください)

境交通

18567

262

0 5 10 15 20 25 30 35

利⽤の流れが簡単だったから電⼦スタンプが使いやすかったから

アプリの表⽰や表記が分かりやすかったから事前の説明や説明資料が分かりやすかったから

利⽤者が使い⽅をしっかり理解していたからその他(下の枠に詳しい内容をご記⼊ください)

名鉄東部交通

11

01

01

0 5 10 15 20 25 30 35

利⽤の流れが簡単だったから電⼦スタンプが使いやすかったから

アプリの表⽰や表記が分かりやすかったから事前の説明や説明資料が分かりやすかったから

利⽤者が使い⽅をしっかり理解していたからその他(下の枠に詳しい内容をご記⼊ください)

⽇の出タクシー

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155

Q2-4. Q2-2.で「2.できなかった」と回答した方へお聞きします。

紙のタクシー券と比較し、電子チケットが使いづらかったと思う理由を教えてください。

※当てはまる番号全てに○をしてください。

選択肢 合計 境交通 名鉄東部交通 日の出タクシー

利用の流れが複雑だった

から 1 10.0% 0 0.0% 1 1.6% 0 0.0%

電子スタンプが使いづら

かったから 3 30.0% 0 0.0% 3 4.7% 0 0.0%

アプリの表示や表記が分

かりづらかったから 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0%

事前の説明や説明資料が

分かりづらかったから 1 10.0% 0 0.0% 1 1.6% 0 0.0%

利用者が流れを理解して

いなかったから 1 10.0% 0 0.0% 1 1.6% 0 0.0%

その他(下の枠に詳しい

内容をご記入ください) 4 40.0% 0 0.0% 4 6.3% 0 0.0%

合計 10 100.0% 0 0.0% 10 15.6% 0 0.0%

13

011

4

0 2 4 6 8 10

利⽤の流れが複雑だったから電⼦スタンプが使いづらかったから

アプリの表⽰や表記が分かりづらかったから事前の説明や説明資料が分かりづらかったから

利⽤者が流れを理解していなかったからその他(下の枠に詳しい内容をご記⼊ください)

名鉄東部交通

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156

Q2-5. 電子チケットについて、「こうすればもっと使いやすくなる」という点を教え

てください。

※当てはまる番号全てに○をしてください。

選択肢 合計 境交通 名鉄東部交通 日の出タクシー

利用の流れをもっ

と簡単にする(カ

ードをかざすだけ

など)

50 62.5% 15 68.2% 35 61.4% 0 0.0%

誰でも持っている

もので使えるよう

にする

23 28.8% 5 22.7% 18 31.6% 0 0.0%

その他(下の枠に

詳しい内容をご記

入ください)

7 8.8% 2 9.1% 4 7.0% 1 100.0%

合計 80 100.0% 22 100.0% 57 100.0% 1 100.0%

50

23

7

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

利⽤の流れをもっと簡単にする(カードをかざす…

誰でも持っているもので使えるようにする

その他(下の枠に詳しい内容をご記⼊ください)

合計

15

5

2

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

利⽤の流れをもっと簡単にする(カードをかざす…

誰でも持っているもので使えるようにする

その他(下の枠に詳しい内容をご記⼊ください)

境交通

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157

35

18

4

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

利⽤の流れをもっと簡単にする(カードをかざす…

誰でも持っているもので使えるようにする

その他(下の枠に詳しい内容をご記⼊ください)

名鉄東部交通

0

0

1

0 10 20 30 40 50

利⽤の流れをもっと簡単にする(カードをかざす…

誰でも持っているもので使えるようにする

その他(下の枠に詳しい内容をご記⼊ください)

⽇の出タクシー

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158

Q3. 皆さんへお聞きします。

Q3-1. 将来的に、紙の福祉タクシー券が電子チケット(スマホや IC カードなど電子的

な機器で使える形のチケット)になったら、嬉しいと思いますか。

選択肢 合計 境交通 名鉄東部交通 日の出タクシー

思う 58 40.8% 19 86.4% 37 31.6% 2 66.7%

思わない 84 59.2% 3 13.6% 80 68.4% 1 33.3%

合計 142 100.0% 22 100.0% 117 100.0% 3 100.0%

思う58

40.8%思わない

8459.2%

合計

思う19

86.4%

思わない3

13.6%

境交通

思う37

31.6%思わない

8068.4%

名鉄東部交通

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思う2

66.7%

思わない1

33.3%

⽇の出タクシー

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Q3-2. Q3-1.で「1.思う」と回答した方へお聞きします。

電子チケットを良いと思う理由を教えてください。

※当てはまるもの全てに○をしてください。

選択肢 合計 境交通 名鉄東部交通 日の出タクシー

普段からスマートフ

ォンなどの電子機器

を使い慣れているか

13 14.4% 5 14.7% 7 13.7% 1 20.0%

間違って使えない券

を受領してしまうこ

とがなくなるから

34 37.8% 13 38.2% 19 37.3% 2 40.0%

利用者との間の確認

が楽になるから 13 14.4% 7 20.6% 5 9.8% 1 20.0%

乗務終了後の計算が

楽になるから 27 30.0% 9 26.5% 17 33.3% 1 20.0%

その他(下の枠に詳

しい理由をご記入く

ださい)

3 3.3% 0 0.0% 3 5.9% 0 0.0%

合計 90 100.0% 34 52.9% 51 51.0% 5 60.0%

1334

1327

3

0 5 10 15 20 25 30 35

普段からスマートフォンなどの電⼦機器を使い慣れているから

間違って使えない券を受領してしまうことがなくなるから

利⽤者との間の確認が楽になるから

乗務終了後の計算が楽になるから

その他(下の枠に詳しい理由をご記⼊ください)

合計

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5

13

7

9

0

0 5 10 15 20 25 30 35

普段からスマートフォンなどの電⼦機器を使い慣れているから

間違って使えない券を受領してしまうことがなくなるから

利⽤者との間の確認が楽になるから

乗務終了後の計算が楽になるから

その他(下の枠に詳しい理由をご記⼊ください)

境交通

719

517

3

0 5 10 15 20 25 30 35

普段からスマートフォンなどの電⼦機器を使い慣れているから

間違って使えない券を受領してしまうことがなくなるから

利⽤者との間の確認が楽になるから

乗務終了後の計算が楽になるから

その他(下の枠に詳しい理由をご記⼊ください)

名鉄東部交通

12

11

0

0 5 10 15 20 25 30 35

普段からスマートフォンなどの電⼦機器を使い慣れているから

間違って使えない券を受領してしまうことがなくなるから

利⽤者との間の確認が楽になるから

乗務終了後の計算が楽になるから

その他(下の枠に詳しい理由をご記⼊ください)

⽇の出タクシー

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Q3-3. Q3-1.で「2.思わない」と回答した方へお聞きします。

電子チケットを良くないと思う理由を教えてください。

※当てはまるもの全てに○をしてください。

選択肢 合計 境交通 名鉄東部交通 日の出タクシー

紙の券のままで特段

不便はないから 64 62.7% 3 75.0% 60 61.9% 1 100.0%

電子チケットは使い

方が難しそうだから 28 27.5% 0 0.0% 28 28.9% 0 0.0%

その他(下の枠に詳し

い理由をご記入くだ

さい)

10 9.8% 1 25.0% 9 9.3% 0 0.0%

合計 102 100.0% 4 100.0% 97 100.0% 1 0.0%

64

28

10

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65

紙の券のままで特段不便はないから

電⼦チケットは使い⽅が難しそうだから

その他(下の枠に詳しい理由をご記⼊ください)

合計

3

0

1

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65

紙の券のままで特段不便はないから

電⼦チケットは使い⽅が難しそうだから

その他(下の枠に詳しい理由をご記⼊ください)

境交通

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163

60

28

9

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65

紙の券のままで特段不便はないから

電⼦チケットは使い⽅が難しそうだから

その他(下の枠に詳しい理由をご記⼊ください)

名鉄東部交通

1

0

0

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60

紙の券のままで特段不便はないから

電⼦チケットは使い⽅が難しそうだから

その他(下の枠に詳しい理由をご記⼊ください)

⽇の出タクシー

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Q4. 皆さんへお聞きします。

その他、実証実験の感想や、電子チケットへのご意見などございましたらご記入をお

願いします。

• 若い人はいいがお年寄りは個人で使用できていなかった(境交通)

• 紙や現金を扱わないで済むといいです。(境交通)

• 簡単になっていいと思います。(境交通)

• 携帯(スマホ・ガラケイ)アプルが音声で認識できる用だとよいかと思います。

• IC系がスマホに入っていれば残高などもわかりやすい(境交通)

• スタンプは使いづらいので、もっと簡単にしてほしい。紙より電子チケットの

方が楽でよい(境交通)

• 機器を使える人はいいが、まだまだ使えない人多いその点を考える。(境交通)

• 電子マネーのような使い方ができればもっといいと思います。(300 円何枚とい

うのではなく、ストレートに何円という感じで)(境交通)

• モニター数をもう少し多くしていただいた方が。2 回しか使用しなかったので。

(境交通)

• 助成チケットをプリペイドカード方式がいいと思います。(名鉄東部交通)

• 高齢者には使いづらいと思う。(名鉄東部交通)

• 利用者が理解した簡単に利用できるようにする。また本人が利用したかを本人

にサインをもらうことにすれば使用者が特定できる。電子チケットは課題が残

る(利用者にとって)(名鉄東部交通)

• 他のシステムを考えた方がいい(名鉄東部交通)

• お客様の方が使い方がわからなかった。電話がつながらなかった(名鉄東部交

通)

• もう少し回数多く利用されていないと実験にならない。(名鉄東部交通)

• 今回2回ともに利用者が初めてじゃなくスムーズにやれたからいいが、もし初

めてで利用者がわからなくなったら、自分ではできない。スマホを使えない年

寄りには無理。(名鉄東部交通)

• もう少し実証実験の訓練をする場がほしい。(名鉄東部交通)

• 紙の補助券での不正をなくすには電子チケットが良いと思う。(名鉄東部交通)

• 簡単に出来る様にする事が一番良いと思います。(名鉄東部交通)

• 実証実験において、今回利用者を乗せる事が出来ませんでした。が、今後時代

と共に、紙による物が減ってくると思います。早期に実現できれば良いと思わ

れます。自身のスマホを、他人に渡す事は考えにくいので不正使用の防止にも

つながると思います。(名鉄東部交通)

• 今までの通りで十分だと思う。(名鉄東部交通)

• 何を簡素化にするか、其れが問題の様です。(名鉄東部交通)

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• たとえばマナカカードのようにかんたんに電子決済できるようにできないか。

(名鉄東部交通)

• 電子チケットの住所から、お客様の了解をとって自宅までのナビ設定をする。

道案がめちゃくちゃな人が多い。(名鉄東部交通)

• 今までの対応で十分である(名鉄東部交通)

• 慣れれば便利だと思います。(名鉄東部交通)

• 利用者が全く知らない(使った乗務員より)人が多い。全て乗務員がやってい

る。と聞きました。説明会のやり方に問題があるのでは?(乗務員の負担が多

くなる)(名鉄東部交通)

• 半額助成を全額助成にしたら電子チケットは使い勝手が良くなると思います。

(名鉄東部交通)

• バッテリー切れで使えない人もいた(名鉄東部交通)

• 実験の期間がもう少し長かったら利用される方も多かったのではないかと思い

ます。(1か月の間に一度タクシーを利用するかしないかという方が多いため

(名鉄東部交通))

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資料 3 実証実験ヒアリング結果

<モニター利用者向けヒアリング>

(1)50 代 女性(3 回 計 3,900 円分利用)

電子チケットの利用目的や利用金額は紙のチケットと同じか?

・いつもと同じ

実証実験期間中に、紙のチケットも使う機会があったか?

・あった。

アプリで使いづらい部分はあったか?

・自分は特に使いづらい画面はなかった。乗務員側で、乗車画面での電子スタンプ押下

時に押せないとなったことが一度あった。何度か押してなんとか乗車できた。アプリの

利用は問題なかったが、電子チケットを使った後の端数の計算が不便と感じた。

2回目以降は、タクシー会社側で電話番号を登録されたようで「○○町の○○さんです

ね、電子チケットの利用で良いですか」とスムーズに配車してもらえた

電子化される際、どのような手段が使いやすいか?

・かざすだけが良い(残高把握ができなくても、電子マネーのようなものが分かりやす

い)。端数まで払えると良い。

普段スマートフォンを使っているか?

使っている。

その他、ご意見など

・普段通院に使う際、行きはタクシー会社に電話して配車してもらい帰りは駅前などに

停まっている車両を使うが、定期的に利用している履歴を元に、呼ばなくても来てくれ

ると良い。

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(2)30 代 男性(1 回 計 1,200 円分利用)

電子チケットの利用目的や利用金額は紙のチケットと同じか?

・実証実験では配車が必要で、迎車料金が発生したためいつもより高め。普段は流しの

車両に乗る。

実証実験期間中に、紙のチケットも使う機会があったか?

・紙のチケットのみの利用も、3-4 回くらいあった。

アプリで使いづらい部分はあったか?

・スマートフォンのスペックの問題だと思うが、起動が遅い・反応が遅いことが気にな

った。アプリ自体の操作は難しくなく、問題なく使えた。自分のスマートフォンであれ

ば良かった。乗務員も戸惑い無く使えていた。

電子化される際、どのような手段が使いやすいか?

・IC カードでも、スマホでも良い。紙だと持ち歩きと、かさばること、破れてしまう

こと、数えてちぎることが大変。紙以外ならなんでも良い。

普段スマートフォンを使っているか?

・使っている。

その他、ご意見など

・普段公共交通機関で行きづらい場所や、バスが終わってしまった時間に使う事が多い

ため、今回の実証実験は 19 時で終了してしまい使いづらかった。

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(3)50 代 女性(2 回 計 2,400 円分利用)

電子チケットの利用目的や利用金額は紙のチケットと同じか?

・いつもと同じ。

実証実験期間中に、紙のチケットも使う機会があったか?

・電子チケットとの併用はしたが、紙チケットのみの使用はなかった。

アプリで使いづらい部分はあったか?

・自分は特にない。枚数選択画面でちょっと焦ったくらい。乗務員がもたついていた。

利用者・乗務員共に高齢だったら、今回のアプリは難しいように感じた。紙だったら、

もたつくことはあまりない。

電子化される際、どのような手段が使いやすいか?

・Suica のようにかざして、チケット制じゃない(チャージされた額から使う)ほうが

良いと思う。スマホの充電が切れてしまっていたことがあった。充電が切れるものは不

安がちょっとある。

普段スマートフォンを使っているか?

使っている。

その他、ご意見など

・紙の場合、使える事業者かどうか確認して乗るのが面倒。

不正利用が多いと聞いているが、自分も見た目で分かりづらい障がいなので、手帳の提

示を求められることがある。貴重な税収からの助成券なので、不正は許せないと感じる。

不正利用されるくらいならば、もっと本当に苦しい人(障がい者手帳対象ではないが重

病の方など)にあげて欲しい。利用の位置情報が取得されることについては、その情報

がより良い助成に活用されるのであれば良いと思う。

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(4)30 代 女性(利用なし)

利用しなかった理由は?

・いつでも使用できるよう持ち歩いてはいたが、普段タクシーを呼んで乗車することが

ないため、使用するタイミングがなかった。

実証実験期間中に、紙のチケットも使う機会があったか?

・紙のチケットは利用した。

電子化される際、どのような手段が使いやすいか?

・いつでも使えるよう、全台に対応してほしい。

普段スマートフォンを使っているか?

使っている。

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<自治体向けヒアリング>

(1)三鷹市

電子チケット処理の所感

・簡単なシステムで分かりやすい。

・職員の人件費とチケット発行にかかっているコストを考えるとかなり減ると思う。

住民サービス向上への活用効果(福祉チケット助成利用率向上への活用効果)

・1乗車ごとの券種の内訳(300 円券・100 円券の組み合わせ)が分かると券面金額の

見直しに活用できる。三鷹市では運賃の自己負担をなるべく少なくするよう 300 円券の

みでなく 100 円券も発行しているが、100 円券があまり使われておらず、今のままでは

なぜだか把握できない。実態に沿った助成にすることで利便性が上がり、結果利用率が

上がる事も想定される。

住民サービス向上への活用効果(福祉チケット助成以外の自治体の住民サービス 適化

への活用効果)

・人の移動が多いところへバスや乗り合いタクシーなど他の交通手段を、と言うのは充

分考えられる。

・位置情報はタクシー事業者やそれ以外の交通事業者にも使ってもらえそうだし、自治

体のオープンデータとしても、自治体とは違った視点で有意なものと考える業者なども

いるかもしれない。

実証実験に参加してみての感想、実用化した際の利用意向

・紙と電子が共存することで事務処理が増えることが想定され、100%電子化しない限り

自治体の負荷は軽減しないのではないか。

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(2)豊田市

電子チケット処理の所感

・今まで不明だった乗降データが取れることは大きい。

使用済チケットを数える手間が省略できることがありがたい。また、毎月 1 箱×12 か

月×保存期間 5年の段ボール保管を省略できることもメリット。

住民サービス向上への活用効果(福祉チケット助成利用率向上への活用効果)

・助成金額の見直しはそう頻繁に行うものではないが、もし見直す場合は根拠データに

なると思う。例えば、週 3回の通院費が負担であるとして、人工透析患者へのタクシー

券の上乗せが希望されている。市として透析患者のみに上乗せするスタンスはないが、

実際にどの病院にいくらかかっているのか、障がいや住所と紐付けて客観的なデータを

取ることができる。

住民サービス向上への活用効果(福祉チケット助成以外の自治体の住民サービス 適化

への活用効果)

・今まで障がい者の移動データを取るためにはアンケートを取るしかなかった。アンケ

ートは主観的な要素が強いため、客観的なデータは大いに活用できると感じている。中

山間地域の病院不足、交通空白地帯に対する基礎データ、障がい種別・住所ごとに障が

い者が必要としている目的地が分かり、それに対するサービスなど。

実証実験に参加してみての感想、実用化した際の利用意向

・紙との併用は避けられないが、少なくとも 3:7 程度は電子化できないと市として効

果を実感できない。

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<タクシー事業者向けヒアリング>

電子チケット処理の所感

・初めのうちは実証実験システムの使用方法に戸惑ったが、毎日確認していくうちに慣

れて問題なく使えるようになった。枚数を数えるなどのチケットの処理に負荷がかかっ

ているため、本格導入されると嬉しく思う。(境交通)

・紙のチケットを確認しているとき、一度に大量に使われていたり等、本当に正しく使

われたのか(不正利用なのではないか)と思う事もある。電子化で不正利用も防ぐこと

ができたら良いと思う。(境交通)

・分かりやすく、問題なく使えた(名鉄東部交通)

・3件しか利用がなかったため、システムを使う機会がほぼなかった(日の出タクシー)

実証実験に参加してみての感想、実用化した際の利用意向

・紙と比較して処理の手間が増えない事や、既存の仕組みをできる限り使ってコストを

抑える事等が条件にはなるが利用したい(三社共通)

・ビッグデータの視点では既に事業者ごとに持っており豊富にある情報を独自に使えて

いる。(名鉄東部交通)

オンライン完結プラットフォームを全国展開していく上での課題、及び商用チケットと

のシステム共用化など、将来にわたり低負担で持続可能なシステムとするための方策

・既存のインフラを活用できること。(三社共通)