ictリテラシー教育を埋め込んだ 社会人基礎力プログラムの設計と実践

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ICT リリリリリリリリリリリリリ リリリリリリリリリリリリリリリリリ リリリリリリリリリ リリリリ リリ リリ リリリリリ 2016/02/06 リリリリリリ CLE リリリ

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ICT リテラシー教育を埋め込んだ社会人基礎力プログラムの設計と実践

横浜商科大学商学部 遠山緑生 細江 哲志 田尻慎太郎

2016/02/06 情報処理学会 CLE 研究会

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Agenda

1. 横浜商科大学の現状

2. 2015 新カリキュラムにおける ICT リテラシー教育

3. スマホネイティブ化している学生の PC 利用意識

4. 社会人基礎力の評価に関する議論

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横浜商科大学の現状

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横浜商科大学の現状〜小規模・単科・首都圏郊外

横浜市鶴見区 商学部 1 学部の単科大学( 1 学年定員 300 名)

商学科 観光マネジメント学科 経営情報学科

典型的なユニバーサル化状況の大学 なんとか定員充足 (2015) 大学院進学はほとんどない、職業人育成大学 強い奨学金政策などにより、学生レベル感の幅が広い

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横浜商科大学における初年次教育の特徴 2014 年度より新機軸スタート

アクティブラーニングの徹底 PBL( 課題解決型の学び)を中心とする 講師陣によるチームティーチングの導入 コミュニケーションの徹底 - 学生同士の関係構築、学生と教員の関係構築 SA(StudentAssistant 、学生アシスタント)の導入 成果物指向 「楽しい学び」であること ICT の充実

ノート PC 必携化、 Google Apps コラボレーション環境の活用、 LINE 活用等

2015 年度新カリキュラム「社会人基礎力プログラム」導入 ジェネリックスキルの育成

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2014 以前カリキュラムの ICT リテラシ教育と課題

必修科目 コンピュータ活用演習 1/2 、が実質的に唯一の科目 2つの「これ、必要なの?」状態

入口側の必要性 – もうやらなくても良くない? 中学・高校での情報科目必修化 → 「ふつうの PC の使い方」はわかってる 学生のデジタルネイティブ化 → 諸々「教えるまでもない」領域

出口側の有効性 – 教えてるはずなのになんで使えない / 使ってないの? 教えてるはずの ICT リテラシが正課内外で活用されていない 上位学年で講義で ICT を全然使えていない、就活時もおぼつかない PC 教室のデスクトップしか使えない状況、環境

2015 新カリキュラムでは必修廃止

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では、 ICT リテラシー教育は不要? 社会人基礎力としての ICT リテラシーはむしろ重要性を増してい

る 入口側の有効性 - まだやらないといけないこと

スマホネイティブ世代であっても「大人の仕事のための ICT 」は必要 出口側の必要性 - 教えたものが使われるようにすること

ICT リテラシ科目だけで閉じることのない内容と状況設定が必要

プロジェクトに埋め込んだ ICT リテラシー教育 ICT を活用した社会人としての仕事の経験 単なるリテラシ習得のための演習問題ではなく、課題自体の意味と融合させる

ICT,PC操作そのものの習得を目的としない

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2015 年度新カリキュラム 社会人基礎力プログラム 小クラス (30 〜 40 人台編成 ) での必修科目、 1 〜 3 年で基礎力の徹底

全体に「コミュニケーション力」を要素分解して伝える 1 年次半期 2 科目、合計 4 科目

社会力基礎演習 1/2  「聴き、語る」ための基礎力 PBL 、コラボレーションワークを通じた「説明力」の向上 ジェネリックスキルの認識と向上 グループワーク、プレゼンテーション 大学での人間関係構築

キャリア形成 1/2  「読み、書く」ための基礎力 ビジネス現場と大学生活で行われている「仕事の仕方」の理解 自己分析に根ざしたキャリア意識の形成 文書ライティング・ノートテイキング データ思考力

これら全体にICT リテラシーを埋め込む

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前期:社会力基礎演習 1 後期:社会力基礎演習 2

入学時ガイダンス〜関係構築支援 対人コミュニケーション演習

傾聴・チームビルディング

期末プロジェクト 「横浜エリアミニツアー」の企画を立てプレゼンを行う フィールドワーク 地域研究 論理構築 プレゼン入門、 PowerPoint 基礎

企業分析プレゼンテーション 新しい時代の「商」のモデル Uber 、 AirB&B 、メルカリ等

プロモーションをテーマにしたポスター制作 「横浜の何かを紹介する」ポスターの作成

マーケティング デザイン入門、 PowerPoint応用

社会力基礎演習 1/2 - 聴き・語る9

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企業分析(新しい時代の「商」プレゼンテーション)

IT時代における各種の新しいビジネスをテーマにした企業分析プレゼンテーション

ビジネスモデルの考え方に挑戦

一方通行のプレゼンではなく、「質疑応答」や「聴衆の学びの促進」等、コミュニケーションによる触発を意識させる

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前期 : キャリア形成 1 後期 : キャリア形成 2

大学用の環境初期設定 毎週のタイピング練習 「読む相手を想定した」

大人メールの書き方 レポート・ライティング入門

PREP法による論旨構成 商大ミニレポート形式 参考文献の書き方

Google Calendar によるスケジュール・タスク管理、 PDCA

二年ゼミエントリーシートの作成 「就活ごっこ」の徹底 PREP法による論旨構成 自己分析・企業(ゼミ)分析 自分のキャリア意識の文章化

データ思考力入門 Excel の基本的操作 x プロジェクト 「 50% アンケート」仮説検証入門 「 GPA時間割表」 GPA を上げるに

は? 「タイピングスコア分析」実データ

のグラフによる可視化と分析レポート

最低限のセキュリティ対策

キャリア形成 1/2 - 読み・書き

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「レポートの書き方のスキルを磨く」 PREP(Point,Reason,Example, Point )の論法を徹底指導

( 2015 年度  キャリア形成 II  授業資料より)

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就職活動をモデルにした「ゼミ選択のためのワーク」 方針

ゼミを選ぶための「エントリーシート」を準備するエントリーシート:参加を希望する人が、希望の意思などをアピールし、主催者に提出する応募用紙のこと

就職活動、ゼミ選択などで提出する ゼミ活動=「大学生時代に取り組む中心的な活動」 志望するゼミに、自分のことをアピールする文書を書こう!

自分が大学生活で取り組みたいことについてまとめる昔の自分を振り返る

自分の好きなもの・したいことについて考える「なぜそのゼミに入りたいか」のエントリーシートへ結びつける

(2015 年度 キャリア形成 II 授業資料より)

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前提 : 新カリキュラムを支える環境の構築 出口側の必要性 - 教えたものが使われるようにすること、のためには ×   PC 教室+ デスクトップ PC+独自環境

そこでしか使わないバッドノウハウ、「行かないとできない」意識の醸成 環境の陳腐化

○  BYOD (Bring Your Own Device) + クラウドを前提とした環境 自分のノート PC 、スマホを持ち歩いて、いつでも、どこでも学習・研究 アクティブラーニング教室の整備 ノート PC 必携化、斡旋販売 学内 WiFi 強化 Google Apps, Office 365 など「普通によく使われている」クラウドサービス

による大学環境の提供 (Gmail, Google Classroom が重要 )

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今日の議論2つ

1. 「 PC苦手意識」の顕在化

2. 社会人基礎力の評価基準は?

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スマホネイティブ化している学生の PC 利用意識

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問題意識 スマホネイティブ世代のための

社会人基礎力の一環としての ICT リテラシー教育をどう科目に埋め込むか? 情報生産のための(新しめの) ICT リテラシーが必要

ターゲット想定学生 (18歳、 1 年生 ) の課題 スマホやネットは普通に使いこなせるが、 ICT を使った仕事はどう

か? 特に PC はどれぐらい使えるのか?

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学生のスマホネイティブ化と PC離れ ? 職業教育として結局 PC 中心の情報生産リテラシーが必須

スマホベースの情報消費には強くなっているが、大学一年生の情報生産リテラシーは近年、足踏み状態?

印象論 - 最近、むしろ PC苦手になってませんか? 2010 年頃までは PC を含めた ICT リテラシーの全体向上 2010 年以降、 PC に対する「苦手意識」が強まっている印象

本当のところどうなのか、意識調査

でも、学生は…

そこで

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高度スキル層( 上位層 2 〜 3 割 )

• PC ・スマホを問わず ICT利用スキル全体が高い• PC に対する苦手意識が薄く、高度な活用にハードルなし

中間層 ( 約 5 割 )

• 対スマホで PC に対するなんとなくの苦手意識• なるべく PC を使わずに済ませるが、使えないほどではない• 2: 学生平均の PC回避感

PC苦手層(下位層 2〜 3割 )

• 1:この層の強い苦手意識• タイピングが遅い• タッチパッド操作苦手• ファイル / フォルダの概念理解と操作スキルが低い• 軽微なトラブルに対して自力で対処できない

PC 利用レベル感での大きく3つの階層

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加えて、近年、格差が開いていないか?

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意識を探るための意識調査結果 1 年生春学期 4月、キャリア形成 1第 1回と

1 年生秋学期 12月、キャリア形成 2 の科目内でアンケート実施1回目:回答総数N=317 名( 1 年生の入学者ほぼ全員) 2回目:回答総数 N=263 名 (1 年生の約 8割 )

商学科 160 名 (60.8%) 観光マネジメント学科 62 名 (23.6%) 経営情報学科 41 名 (15.6%)

ポイント:実態と意識の格差が知りたい 実態: 1 年間 ICT リテラシー活用を実践し、 PCそこそこ使える 意識は?:「使える」と思っているかどうか ー 苦手意識を調べた

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図 1 PC の利用が得意か苦手か, 4段階で選択

4→12月でほとんど変わらないが、若干改善? 1 年近く講義で使っても苦手意識は残る

苦手意識を持つ学生が過半数  (12月、 1+2 で 62%) 「非常に苦手」の 25% は、教員からの主観での 1:下位層率に近

12 月4 月

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

65

86

97

117

86

99

15

15

1: 非常に苦手 2: 苦手 3: 得意 4: 非常に得意1:非常に苦手

25%

2:苦手37%

3:得意33%

4:非常に得意6%

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図 2 PC とスマートフォンの利用ならどちらが得意か回答選択肢は 1( スマートフォンの方が得意 ) 〜 4(PC の方が得意 ) の 4段階

秋で全体の 80% が PC よりスマートフォンが得意 4月→ 12月 : 対スマホで、 PC が得意になるわけでない

2: 学生平均の PC得意感は、科目で「実際のリテラシー」を向上させても残るか、対スマホで改善しない → PC 利用を回避する傾向

12 月4 月

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%143

147

67

97

34

52

19

21

1: スマートフォンの方が得意 23 4:PC の方が得意

54%25%

13%7%

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図 3 文章を入力する時の最速入力方法

4月→ 12月、「両者同じぐらい」は増え、スマホは減る 平均的な学生のタイピングスコアは問題なく、苦手ではないはず

もし練習がなかったら更にキーボードは苦手? キーボード入力の優位性を平均層が感じていない

PC ベースのデジタルネイティブ前期世代との意識差

12 月4 月

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%126

166

73

73

53

36

8

12

3

30

スマートフォン キーボード 両者が同じぐらいガラケーテンキー わからない・その他

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「 PC に対する苦手意識」問題 まとめ 教員側主観との一致

全体的な苦手意識が高い 特に下位層の強い苦手意識は強い

1年講義をやった結果、全体のリテラシーが改善しても 問題 1: 「本当に苦手な 25% 」の改善が難しい

このレベルに合わせて必修授業はしにくく、取り残され気味多少改善しても、苦手意識は消えない

問題 2:「学生平均の対スマホ PC 意識」は変わりにくい対スマホでは、スマホの優位感がむしろ増加する? 実質的なリテラシーの指標としてのタイピングスコアは向上し、多少キーボードに対する苦手意識が薄れても、スマホ入力の方が好き

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PC が苦手になっている理由、状況 想定される3つの理由・要因

1. 個人利用 ICT のスマホ化2. 家庭環境の中での PC離れ

家庭から PC が消えている Windows XP期に導入されて以降、 PC は放置 学生が自由に使える PC が家庭から減っている

3. 高校情報必修化に伴う「学校での勉強」としての PC 利用 家庭で使えなければ、学校で使うしかない 高校によって大きな格差、1年次の必修情報科目だけで終わるケースも 「勉強」であることによってむしろ忌諱対象となる場合も

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ノート PC の状況を教えて下さい (4月時点 )学校の斡旋 PC 、その他の新規購入など 授業で BYOD するノート PC

4月新規購入全体で 88%斡旋 PC 利用率 68%その他 PC購入 20%

元々持っているのは 10%

PC保有義務化と斡旋販売重要 めんどくさいが、当面必要か

2%10%

68%

20%

何らかの理由でまだ用意できていないか、用意できない入学前から元々持っていたノート PC を使う大学斡旋ノート PC( 東芝 Dynabook) を購入した大学斡旋ノート PC 以外を、入学にあわせて新しく購入・入手した

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今回講義で使う予定のノート PC 「以外」のPC保有状況について教えてください (4月時点 ) もし斡旋 PC がなかったらどうなっていたのか 家庭で、自由に使える PC が少ない?

元々自分専用の PC を持っているのは 30% 以下? 30% は家庭に PC がない?

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通っていた高校は、コンピュータ・情報教育に力を入れていましたか? 本人による評価 高校によるばらつきの高さ

家庭の状況と合わせて、入学時に前提としていいICT リテラシーレベルにかなり差があるのでは

全く力を入れていなかった /コンピュータ・情報の授業がな

かった5% あまり力を入れていな

かった22%

どちらとも言えない30%

比較的力を入れていた25%

非常に力を入れていた18%

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高校での情報教育と苦手意識との関係 (12月 )

高校が力を入れている方が苦手意識は低い 継続的な利用が自信につながるのでは

1: 全く _x000d_ 力を入れていなかった2: あまり _x000d_ 力を入れていなかった

3: どちらとも言えない4: 比較的力を入れていた5: 非常に力を入れていた

0% 10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

625

228

3

628

2821

14

25

2334

22

53

71: 非常に苦手 2: 苦手 3: 得意 4: 非常に得意

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PC苦手意識の分析と対策 実際のリテラシーと苦手意識は直接関係しない?

苦手と言っているだけの部分もある? 「私は英語が出来ません」と必ず言う日本人現象に近いのかも 実際のリテラシーの測定指標が必要 – PISA,PIAAC の一部?

今後の課題:「 PC が苦手だから避ける」ことを克服させる教育 ? 「楽しさ」がもう少し必要?

「授業」で<教える>ほど苦手意識が強まる可能性? PC による情報生産の楽しさを経験する必要

「自信」を植え付ける方法は? 高校で使っていた人ほど自信があるなら、大学でも同様か? 使う時間を増やす - 必修以外の授業での取り組みが必要

スマホの情報生産的活用も平行して探る必要性

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科目編成・コンテンツ編成への課題 今年度の取り組みでの確認

1 年次、一律必修科目としての「コンピュータ活用演習」は不要

今後の課題選択科目としての「コンピュータ活用演習」的科目の再設計 ターゲット層を分けて、目的を明確化する

オフィス系ソフトの資格取得などをゴールとする単独科目? 3,4 年生で、専門化した利用のタイミングで行う科目?下位層対象に、リメディアル教育としての情報リテラシー教育?

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社会人基礎力の評価

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基礎演習科目の結果概要 共通内容で実施

科目コーディネーターから PowerPoint形式の授業資料を配付 2014 年度

基礎演習Ⅰ、基礎演習Ⅱ 8 クラス編成(平均 29.5 人)

カレッジリーダー ×1 、有資格×1 、野球部 ×1 、その他×5 N=235 (休学退学除籍者除く)

2015 年度 社会力基礎演習 1 10 クラス編成(平均 31.4 人)

商学科 ×6 クラス(野球部員はうち 4 クラスに分散)、観マ・経情 ×4 クラス N=314

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基礎演習科目の結果概要

学期 科目 成績 修得単位 GPAPROGリテラシー

PROGコンピテンシー

2014 前期 基礎演習Ⅰ 79.00

19.7115.504.51

2.000.93 ー ー

2014 後期 基礎演習Ⅱ 76.60

22.1815.354.51

1.861.00

2.641.69

3.561.47

2015 前期

社会力基礎演習 1

82.3015.75

17.675.29

1.990.92

3.541.62

3.251.61(上段 =mean 、下段= sd )

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基礎演習科目成績ヒストグラム

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 次の級0

10

20

30

40

50

60

70

80

2014前期

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 次の級0

20

40

60

80

100

120

2015前期2014     201579.00 82.30平均値の差の検定有意

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1 7 2 9 4 8 3 5 10 660.0

65.0

70.0

75.0

80.0

85.0

90.0

基礎演習クラス別 成績37

野球部 資格 CL 他 3 他 4 他 1 他 2 他 560.0

65.0

70.0

75.0

80.0

85.0

90.0

野球部 資格 他 4 CL 他 5 他 2 他 1 他 360.0

65.0

70.0

75.0

80.0

85.0

90.0

基礎演習Ⅰsd: 7.23

基礎演習Ⅱsd: 4.60

社会力基礎演習 1sd: 3.48

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教育成果とは? この科目は去年と今年、どちらがうまくいったのだろうか?

半分くらい、異なる内容担当者も一部、入れ替え受講者は異なる期末試験はない 学生の初期条件の違い( IEOモデル)

データ 科目固有:成績、出席日数、授業評価アンケート、授業内アンケート総合: GPA 、修得単位数 外部: PROG

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教育成果の評価 中央教育審議会答申( 2012 )

成果の評価に当たっては、学習時間の把握といった学修行動調査やアセスメント・テスト(学修到達度調査)、ルーブリック、学修ポートフォリオなど、どのような具体的な測定手法を用いたかを併せて明確にする

私立大学等改革総合支援事業調査票( 2015 )

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PROG テスト PROG ( Progress Report on Generic Skills )

ジェネリックスキル汎用的技能 あらゆる職業を超えて活用できる Transferable Skills キー・コンピテンシー( OECD )

学校法人河合塾と株式会社リアセックが共同開発

「選考・専門にかかわらず大卒者として社会で求められる汎用的な能力・態度・志向」の育成と測定(成田 2014 )

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相関分析 2015 前期 1 年生 科目成績と PROG

リテラシー、 PROG コンピテンシーは 5%有意で相関

コンピテンシーはマイナス授業内容は社会人基

礎力養成を計ったものだった…

成績 GPA 単位 PROGリテ PROGコン 欠席 意欲 シラバス 学習時間 熱意 努力 遅刻早退 声 板書 配付資料 知識 学び 理解 対応 量 質問 満足 建学成績 1.000GPA .681 ** 1.000

単位 .717 ** .818 ** 1.000PROGリテ .145 * .438 ** .204 ** 1.000PROGコン -.119 * -.195 ** -.107 + -.221 ** 1.000

欠席 -.429 ** -.368 ** -.246 ** -.039 .054 1.000

意欲 .106 .004 -.007 -.041 .215 ** -.229 ** 1.000

シラバス -.016 -.013 .019 -.052 .162 * -.055 .461 ** 1.000

学習時間 .186 ** .261 ** .186 ** .025 -.063 .020 -.089 -.024 1.000

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評価指標としての外部テスト 「学力」から「新しい能力」へ

科目内容を PROG テストに寄せるのか?

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ビジョン→ DP→ 評価指標 ビジョン「 10 年後、どのような社会にしたいのか?」

そのために、どのような学生を育成するのか?

ディプロマポリシー例) 6 つのスキル /能力を身につける

授業評価アンケート 6 つの各スキルがこの授業で伸びたかを問わなければならない

どの授業でどのスキルを伸ばすか?→カリキュラム設計 学部共通ルーブリック シラバスに明記

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まとめと今後の課題

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まとめと今後の課題 2015 新カリキュラムにおける ICT リテラシー教育

職業人育成→社会人基礎力養成の一部として ICT リテラシー教育 スマホベースの情報消費者的な ICT から、情報生産的な ICT 活用へ

「 PC に対する苦手意識」の現状 - 根強さの分析 社会人基礎力の評価 - 成績と外部テスト

今後の課題 指導コンテンツのレベル感 リメディアル教育としての ICT リテラシー教育が今後必要かも 大学のビジョン /DP ・カリキュラムの目標に応じた評価基準が必要