~エネルギー・環境イノベーション戦略の検討状況 …...(nesti 2050)...
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イノベーションについて ~エネルギー・環境イノベーション戦略の検討状況の紹介~
長期地球温暖化対策プラットフォーム第2回資料
2016年12月26日
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長期的視野に立った、抜本的な排出削減の技術戦略策定
COP21(パリ)に向けて各国の示した温室効果ガスの排出削減目標を積み上げると、 2030年の排出総量を560億トンまで抑えられる。 しかし、2050年までに最小コストで2℃以内に抑える可能性が高いとされるシナリオ
(240億トン程度、出典:約束草案の効果の総計に関する統合報告書)に戻すには、更に300億トン超の追加的削減が必要。
⇒ 世界全体で抜本的な排出削減を実現するイノベーションが不可欠
1.抜本的な排出削減の必要性
2.2050年を見据えたイノベーションを実現する長期戦略の策定 日本が、抜本的な排出削減に向けた革新的エネルギー・環境技術の開発で世界をリード していくため、2050年頃を見据えた「エネルギー・環境イノベーション戦略」を策定する ことを、安倍総理が、平成27年11月26日の地球温暖化対策本部で発言。 平成27年11月30日、COP21において、安倍総理が、水素技術や次世代蓄電池等の イノベーションの実現で世界に貢献するための戦略を策定することを、世界に表明。
総理発言 ~抜粋~(H27.11.26 @地球温暖化対策推進本部、H27.11.30 @COP21) 「気候変動対策と経済成長を両立させる鍵は、革新的技術の開発です。CO2フリー社会に向けた水素の製造・貯蔵・輸送技術。電気自動車の走行距離を現在の5倍にする次世代蓄電池。 来春までに”エネルギー・環境イノベーション戦略”をまとめます。集中すべき有望分野を特定し、研究開発を強化していきます」
2
創エネルギー
次世代太陽光発電 ○新材料・新構造の、全く新しい太陽光発電 ➣ 発電効率2倍、基幹電源並みの価格
次世代地熱発電 ○現在は利用困難な新しい地熱資源を利用 ➣ 地熱発電の導入可能性を数倍以上拡大
蓄エネルギー
次世代蓄電池 ○リチウム電池の限界を超える革新的蓄電池 ➣ 電気自動車が、1回の充電で700km以上走行
水素等製造・貯蔵・利用 ○水素等の効率的なエネルギーキャリアを開発 ➣ CO2を出さずに水素等製造、水素で発電
5,
6,
3,
4,
CO2固定化・有効利用 7,
①これまでの延長線の技術ではなく、非連続的でインパクトの大きい革新的な技術 ②大規模に導入することが可能で、大きな排出削減ポテンシャルが期待できる技術 ③実用化まで中長期を要し、且つ産学官の総力を結集すべき技術 ④日本が先導し得る技術、日本が優位性を発揮し得る技術
省エネルギー
革新的生産プロセス ○高温高圧プロセスの無い、革新的な素材技術 ➣ 分離膜や触媒を使い、20~50%の省エネ
超軽量・耐熱構造材料 1,
2,
○革新技術を個別に開発・導入するだけでなく、ICTによりエネルギーの 生産・流通・消費を互いにネットワーク化し、デマンドレスポンス(DR)を含めてシステム全体を最適化。AI、ビッグデータ、IoT等を活用。
エネルギーシステム統合技術
システムを構成するコア技術
○次世代パワエレ:電力損失の大幅削減と、新たなシステムの創造 ○革新的センサー:高耐環境性、超低電力、高寿命でメンテナンスフリー ○多目的超電導:モーターや送電等への適用で、電力損失を大幅減
○材料の軽量化・耐熱化によるエネルギー効率向上 ➣ 自動車重量を半減、1800℃以上に安定適用
○排ガス等からCO2を分離回収し、化学品や炭化水素燃料の原料へ転換・利用 ➣ 分離回収エネルギー半減、CO2削減量や効率の格段の向上
分野別革新技術
戦略の対象となる排出削減技術の特定(評価軸)
エネルギー・環境イノベーション戦略(NESTI 2050):有望分野の特定
3
・総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が全体を統括し、関係省庁の協力を得て 一体的に本戦略を推進する体制を強化
・先導的な研究情報の共有等により政府一体となって新たな技術シーズを創出 発掘し、戦略に柔軟に位置づけ ・ステージゲートを設け戦略的に推進
・政府の長期的コミットメントの明示、産業界と研究開発ビジョンを共有 ・産学官研究体制の構築と、研究成果を切り出して事業化促進 ・産学官が協力し国際標準化・認証体制を整備
・G7関連会合やICEF※等を活用し、国際連携を主導 ・国際共同研究開発を推進 ・途上国、新興国への導入を見据え、国際標準化等の共同作業を模索
イノベーションで世界をリードし、
気候変動対策と経済成長を両立
※ICEF(Innovation for Cool Earth Forum):イノベーションによる気候変動問題の解決を目指 して我が国が主催する世界の産官学の議論と協力を促進する国際的プラットフォーム
1.政府一体となった研究開発体制の構築
2.新たな革新技術シーズの創出と柔軟な位置づけ
3.産業界の研究開発投資を誘発する仕組み
4.国際連携・国際共同開発の推進
エネルギー・環境イノベーション戦略(NESTI 2050) :研究開発体制の強化
戦略策定後の検討状況
平成28年度 12月14日 第1回エネルギー・環境イノベーション戦略WG開催 <主な内容> ・策定後の状況変化及び政府や産業界の取組紹介 ・研究開発体制の強化に関する自由討議 2~3月頃 第2回エネルギー・環境イノベーション戦略WG開催 <主な内容> ・第1回の議論を踏まえた今後の展開に関する議論 ・ロードマップ事務局案の提示 平成29年度以降 前年度のWGにおける議論を、科学技術基本計画や総合戦略に反映させる。 なお、WGは継続的に開催することを念頭に、開催頻度等を今後検討することとする。
2016 2017 2020
科学技術基本計画
総合戦略20XX ▼2016策定 ▼‘17 ▼‘20
▼第6期策定
(年度) 2019
▼‘19 ▼‘18
2018
▼第5期策定
2015
4
委員名簿
5
泉井 良夫 三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 主管技師長
髙原 勇 トヨタ自動車株式会社 未来創生センター 主査・担当部長
柏木 孝夫 東京工業大学 特命教授
小林 哲彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所 理事、エネルギー・環境領域 領域長
須藤 亮 産業競争力懇談会(COCN)実行委員長、株式会社東芝 技術シニアフェロー
住 明正 国立研究開発法人 国立環境研究所 理事長
田中 加奈子 国立研究開発法人 科学技術振興機構、低炭素社会戦略センター 主任研究員
平井 秀一郎 東京工業大学大学院 理工学研究科 教授
森口 祐一 東京大学大学院 工学系研究科 教授
矢部 彰 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構、 技術戦略研究センター ユニット長
山地 憲治 公益財団法人 地球環境産業技術研究機構 理事・研究所長 五十音順、敬称略
座長
6
2050年までの技術ロードマップの策定
技術ロードマップの策定の目的 • NESTI で特定された各技術に関して技術ロードマップを策定し、今後の研究開発の進
捗状況の目安とする。 • 各省庁との関係では、例えば、パワエレ、水素、蓄電池など、各省庁が色んなフェーズ
で研究開発を実施しているところ、連携して一つの技術ロードマップを策定し、その後の事業展開を進めて行けるよう、情報共有・連携を図り、効率的な研究開発体制を構築していく。
技術ロードマップ策定のポイント • 技術ロードマップは以下のポイントに従い事務局案を作成することとする。 - 各技術について、技術課題ごとに普及までの流れを整理。 - 研究開発ステージごとに、具体的な開発内容を記載。 - 各研究開発ステージにおける主な評価ポイントを記載。 - 普及ステージまでに達成すべき最終目標を記載。
技術ロードマップイメージ
超臨界地熱発電
実現可能性調査 詳細事前検討 実証試験
①地熱貯留層の位置の特定
①超臨界水の状態の把握及び地下物理現象の予測・掘削技術
④環境影響評価方法及び安全性を確保した開発方法の確立
②耐高温・高圧・高腐食性の材料・機器開発
③発電システムの開発(経済性評価を含む)
・抽熱方法の工学的実現可能性の検討
・発電システムの経済的実現可能性の検討
試掘 20●●年頃
・試掘に必要となる掘削技術、坑内機器技術等の抽出と開発 ・試掘規模、試掘場所の選定
その他の次世代
地熱発電関連技術
試掘結果の検証、実証実験への事前検討
・試掘により明らかとなった温度・圧力・腐食性等条件を満たす材料等の開発
・超臨界水の存在確認、流体流路の存在確認及び資源量の推定
・試掘結果(温度・圧力・腐食性等)に基づく材料等の必要仕様の決定
・試掘結果を踏まえた発電技術の開発 ・10万kW発電のエンジニアリング的な検討 ・2050年における発電規模目標の決定、発電コストの推算
・超臨界地熱システム模擬装置の開発と室内試験 ・坑内機器技術、モニタリング技術等の開発 ・地下3~5kmの岩体における長期間抽熱のためのシステム設計・制御技術の開発
・抽熱技術の実証 ・発電コストの推算、低減方法の検討 ・商用技術としての確立 ・パイロット発電所の建設 ・地熱発電設備の寿命推定
・環境影響評価の実施
②耐極限環境対応センサー
・発電出力15万kW(従来の5倍程度の出力)の次世代地熱発電所の建設 ・20~30年程度耐え得る材料・機器 ・2050年以降の超臨界地熱発電の普及目標の設定
各国が持つ地下貯留層に関するデータの共有、地下の亀裂や地熱流体の挙動を把握するシミュレーション技術の開発
・環境影響の最小化、安全性確保に関する検討
・初期費用の大幅な低減 ・導入ポテンシャルが倍増する高温岩体発電の研究開発、実証
300~400℃の耐熱性確立、高温用耐食性耐スケール性シール材の開発、小型・軽量・低価格・高信頼性センサーの開発
・工学的実現可能性 ・経済的実現可能性
・実証試験に耐え得る性能
・試掘に耐え得る性能、安全、リスク、社会受容性の確保
・実証試験の検討に必要なデータの取得
・商用技術としての確立
・環境影響評価方法の検討 ・安全に掘削を行うための工程および技術の検討
・抽熱方法の工学的実現可能性の検討
普及 2050年頃
※それぞれの評価ポイントに基づき、ステージゲート評価を必要に応じて実施
詳細は今後検討 (※)このイメージは、他の技術分野において今後ロードマップを策定するにあたっての参考とするため、事務局において暫定的に作成したものであり、詳細については、引き続き十分な技術的検討等が必要である。
評価ポイント
7
8
NESTI 2050 関連施策(各府省施策:1/3)
※有望分野の詳細技術については、基本的にNESTIの中で例示された技術のみを記載している。
NESTI関連施策所管省庁
実施期間
H28FY予算
(億円)
H29FY予算案(億円)
事業内容
地球環境情報プラットフォーム構築推進プログラム 文科省H28~H32
4.0 4.0データ統合・解析システム(DIAS)を中核とした地球環境情報プラットフォームの構築を推進するとともに、産学官の協働により、地球規模課題解決に貢献するアプリケーションを開発・実装。
次世代パワーエレクトロニクス(SIP) 内閣府H26~H30
23.0 -
・ウエハ、デバイス、モジュールや、回路構成、制御、システム技術を含む使いこなし技術までの基盤技術開発を行い、次世代パワーエレクトロニクスの適用用途の拡大、性能向上を図り、我が国の産業競争力の強化と省エネルギーを加速させる。
省エネルギー社会の実現に資する次世代半導体研究開発 文科省H28~H32
10.0 12.5 ・パワエレに応用できるGaN(窒化ガリウム)等の次世代半導体の研究開発。
電気機器性能の向上に向けた次世代パワーエレクトロニクス技術開発事業
経産省H25~H31
21.5 22.0
高電圧で使用でき、耐熱性の高い新材料SiC(炭化ケイ素)パワー半導体を
用いて、パワーエレクトロニクス装置等の開発を行う。さらに、実用化が進んでいるSi(シリコン)パワー半導体の性能限界を突破するための技術開発や高周波動作に適する等高い材料特性を有する我が国発のGaN(窒化ガリウム)をパワー半導体に適用するための応用基盤研究開発を行う。開発したインバータ等のパワーエレクトロニクス装置が、世界に先駆けて実
用化されることにより、従来よりも効率よく電力を制御・変換することが可能となり、飛躍的な省エネルギー化に繋がる。
熱需給の革新に向けた未利用熱エネルギー活用技術の創出 文科省H25~H34
569億円の内数
577億円の内数
「先端的低炭素化技術開発」では、未利用熱の有効利用に向け、断熱・蓄熱・伝熱・輻射・吸着等に関する材料に係る課題解決型の提案を公募・採択し、要素技術の研究開発を推進。「創発物性科学研究事業(新規熱電変換物質の設計)」では新しい原理による熱電材料の開拓を行う。
高温超電導の実用化促進に資する技術開発事業 経産省H28~H32
15.0 14.0
・高温超電導の大きな市場創出が期待される技術分野について、世界に先駆けて社会実装を行い、送配電や電気機器等の省エネルギー化を目指す。・超電導ケーブルや冷凍機などの送配電システムや、鉄道き電線の実用化のための実証研究、高磁場コイル等への適用が期待される高温超電導線材の性能の向上等に向けた応用基盤技術開発を行う。
スキルミオンを用いた超低消費電力デバイス技術の開発 文科省 H29~516億円の内数
526億円の内数
電子機器の構成要素となるデバイスの電力消費を低減するためにスキルミオンを用いた革新的超低消費電力デバイスの実用化に向けた研究を実施。
有望分野
エネルギー・システム対応センシング技術
その他の次世代技術
次世代パワーエレクトロニクス
システムを構成するコア技術
統合システム技術・CO2最小化シミュレーション技術
超電導応用
9
NESTI 2050 関連施策(各府省施策:2/3)
※有望分野の詳細技術については、基本的にNESTIの中で例示された技術のみを記載している。
(1/2)
(1/2)
NESTI関連施策所管省庁
実施期間
H28FY予算
(億円)
H29FY予算案(億円)
事業内容
- - - - - -
- - - - - -
革新的構造材料(SIP) 内閣府H26~H30
36.9 -
・航空機用樹脂の開発とFRP(繊維強化プラスチック)の開発(軽くて強い材料)。・航空機エンジンの燃費を改善するための革新的耐熱合金とセラミックス基複合材料の開発(耐熱材料)。・マテリアルズインテグレーション(材料条件等を入力すると、寿命や脆化要因を予測できるシステム⇒材料開発を効率化)。
輸送機器の抜本的な軽量化に資する新構造材料等の技術開発 経産省H26~H34
36.5 40.0
①革新鋼板、炭素繊維複合材料、アルミニウム材、マグネシウム材、チタン材等について、強度、加工性、耐食性等の複数の機能とコスト競争力を同時に向上させた材料開発。②これらの材料を適材適所に使うために必要な接合技術の開発等。③材料特性を最大限活かす、マルチマテリアル化の最適設計手法、評価手法等の開発。これらにより、材料開発、加工、最適設計、評価手法が一体となった開発を行い、輸送機器の抜本的な軽量化につながるマルチマテリアル化の最適設計技術を世界に先駆けて実現。
セルロースナノファイバー(CNF)等の次世代素材活用推進事業 環境省H27~H32
33.0 39.0
・社会実装に向けたCNF活用製品の性能評価モデル事業・CNF複合・成形加工プロセスの低炭素化対策の実証事業・バイオマスプラスチックによるCO2削減効果の検証・リサイクル時の課題・解決策検討の実証事業
計算科学等による先端的な機能性材料の技術開発事業 経産省H28~H33
17.8 24.0
これまでの開発プロセスを刷新するため、高度な計算科学、高速試作・革新
プロセス技術及び先端計測評価技術を駆使して、革新的な材料開発システムを世界に先駆けて構築。高い省エネ性能をもつ機能性材料の開発期間を劇的に短縮(試作回数・開
発期間を1/20以下)することにより、省エネルギーの実現を目指す。
革新的構造材料(SIP)【再掲】 【再掲】 【再掲】 【再掲】 【再掲】 【再掲】計算科学等による先端的な機能性材料の技術開発事業【再掲】 【再掲】 【再掲】 【再掲】 【再掲】 【再掲】
ポストリチウムイオン蓄電池等革新的エネルギー貯蔵システムの研究開発
文科省H25~H34
76.1億円の内数
74.6億円の内数
エネルギー供給・貯蔵・輸送システムの創出のため、①現在のリチウムイオン蓄電池の性能を大幅に上回るポストリチウムイオン蓄電池の研究開発、②ポストリチウムイオン蓄電池を支える基盤技術として先端的材料開発の加速を実施。
ポストリチウムイオン蓄電池等革新的エネルギー貯蔵システムの研究開発【再掲】
【再掲】 【再掲】 【再掲】 【再掲】 【再掲】
エネルギーキャリア(SIP) 内閣府H26~H30
34.9 -
①アンモニア、有機ハイドライドを用いた高効率・低コストのエネルギー キャリア技術(水素を効率良く転換して輸送・貯蔵・利用)②液化水素の荷役に必要な技術③水素エンジン技術④エネルギーキャリアの安全性評価や将来シナリオ作成
エネルギーキャリア製造次世代基盤技術の開発 文科省H27~H36
516億円の内数
526億円の内数
・中性の水を分解することにより低コストで水素を創出できる触媒の開発。・省エネな革新的アンモニア合成法の開発(ハーバーボッシュ法より省エネかつ低環境負荷な製法)。
蓄エネルギー
水素等エネルギーキャリアの製造、貯蔵、利用
次世代蓄電池
金属-空気電池
全固体電池
有望分野
省エネルギー
革新的生産プロセ
超軽量・超耐熱構造材料
膜分離技術革新的触媒利用生
超軽量構造材料
超耐熱構造材料
10
NESTI 2050 関連施策(各府省施策:3/3)
※有望分野の詳細技術については、基本的にNESTIの中で例示された技術のみを記載している。
NESTI関連施策所管省庁
実施期間
H28FY予算
(億円)
H29FY予算案(億円)
事業内容
水素エネルギー製造・貯蔵・利用等に関する先進的技術開発事業 経産省H26~H34
15.5 10.0
国際的に先手を打って以下の内容を実施し、水素社会の実現に貢献。
①再生可能エネルギーからの高効率低コスト水素製造技術②大規模化・高効率化を目指したエネルギーキャリア転換・貯蔵技術③水素利用拡大を見通した水素専焼タービン用燃焼器の開発④開発された技術の円滑な社会導入のシナリオ検討
再エネ等を活用した水素社会推進事業 環境省H27~H31
65.0 55.0
・水素の製造から利用までの各段階の技術のCO2削減効果を検証し、サプライチェーン全体で評価を行うためのガイドラインを策定。・再エネ等を活用して水素を製造し、輸送・貯蔵を経て、燃料電池自動車、フォークリフト、定置用燃料電池等で利用するまでの一貫した低炭素な水素サプライチェーンを構築し、先進的かつ低炭素な水素技術を実証。・再エネ由来の水素ステーションや燃料電池産業車両の導入支援。
これまでにない低コストでの製造を実現し得るペロブスカイト太陽電池を実用化するための要素技術開発。
従来型では到達し得ない高い効率を実現し得る太陽電池を実用化するための要素技術開発。
未来社会創造事業(ハイリスク・ハイインパクトな研究開発の推進)(異次元エネルギー技術の創出)
文科省H24~H33
2.3 4.0「エネルギー・環境イノベーション戦略」等を踏まえ、従来の延長線上にはない温室効果ガスの抜本的な削減の可能性を有する革新的な技術の研究開発。
- - - - - -
地熱発電の導入拡大に向けた技術開発事業の一部 経産省H25~H29
18.5 22.0地下の超高温・高圧の状態(超臨界状態)にある水を利用する地熱発電(超臨界地熱発電)の熱抽出に関する実現可能性調査等。
- - - - - -
化学吸収法
環境配慮型CCS実証事業(カーボンマイナス社会推進事業の一部) 環境省H26~H33
60.0億円の内数
60.0億円の内数
・アミン吸収液を用いた、商用規模の石炭火力発電所排ガスから二酸化炭素の大半を分離回収する場合のコスト、発電効率の低下、アミン回収液劣化物による環境の影響等の評価 等・平成27~28年度において、廃棄物発電施設にCO2分離回収設備を追設し、廃棄物焼却ガスからのCO2を回収・藻の培養や農作物栽培に利用する最適なプロセスや採算性を検討。廃棄物発電施設からのCCUを実証する日本初の取組を実施。
固体吸収法
CO2の分離回収技術の一つである化学吸収法のうち、高効率な回収が可能なアミンを含む固体吸収材について、実用規模のプラント試験設備を用いた実用化研究を行う。
膜分離法
石炭ガス化発電等で発生する比較的高い圧力を有するガスから CO2を分離回収するのに有効な分離膜技術について、実ガスを用いた実用化研究を行う。
ホワイトバイオテクノロジーによる次世代化成品創出プロジェクト(ALCA) 文科省H27~H31
52.5億円の内数
51.2億円の内数
高機能性バイオ製品、耐熱・高強度バイオ製品の創製などの具体的な出口を設定し、バイオプロセスとケミカルプロセスを融合し、「原料化」「合成」「プロダクト」各段階が一つのチームとして一体となって出口から見た研究開発を推進。
水素等エネルギーキャリアの製造、貯蔵、利用
5.4 5.0
太陽光発電のコスト低減に向けた技術開発事業の一部 経産省H27~H31
46.5 54.0
CO2分離回収技術の研究開発事業 経産省H27~H31
量子ドット太陽電池等
二酸化炭素固定化・有効利用
創エネルギー
次世代太陽光発電
ペロブスカイト太陽電池
次世代地熱発電
高温岩体発電
超臨界地熱発電
耐極限環境対応センサー
CO2有効利用技術
CO2革新的分離・回
収技術
有望分野
蓄エネ ルギー (2/2)
(2/2)
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NESTI 2050 関連施策(経済産業省関連の紹介)
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NESTI 2050 関連施策(経済産業省関連の紹介)
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NESTI 2050 関連施策(経済産業省関連の紹介)
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NESTI 2050 関連施策(経済産業省関連の紹介)
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1.政府一体となった研究開発体制構築
・エネ環イノベ戦略で掲げられた重点分野の研究開発を推進するにあたって、府省間連携を含め 政府一体としてどのような体制を構築すべきか。 ・内閣府事業(SIPやImPACT)での位置づけを含め、分野毎の特別な体制を作る必要はないか。
2.新たなシーズの創出と戦略への位置づけ
・革新技術シーズの発掘にはどのような仕組みが有効か。 ・重点分野の検証・見直しを行う際の鍵となるステージゲートはどのような考え方の下設定すべきか。 ・あらゆる研究開発活動から得られる研究成果・データを有効活用するためにはどうすればよいか。
3.産業界の研究開発投資を誘発
・産業界の何らかの関与を得るためには、政府としてどのような方策を実施していくことが必要か。 ・官民や産学の間でどのような連携が必要か。産業界自らが本戦略の分野に関心を持ち、技術研究組合 の設立等、自主的な取組を促すために必要な方策はないか。 ・技術開発の途中で切り出せる成果の見える化やその活用促進のために必要な方策は何か。
4.国際連携・国際共同研究の推進
・我が国として、国際共同研究を特に進めていくべき分野はどういう分野か。 ・技術流出等に配慮はしつつも、海外の大学・研究機関等の英知を如何に活用・取り込みを図り、 それら機関と連携すべきか。
エネルギー・環境イノベーション戦略(NESTI 2050) 推進WGの論点
16
エネルギー・環境イノベーション戦略(NESTI 2050) 推進WG 第1回(12/14) 委員からの主なコメント
研究開発予算の拡充を含め、エネ環イノベ戦略で掲げられた有望技術を強力に進める仕組みを構築していく必要がある。
かつて国プロとしてスタートした太陽光発電でも次世代半導体でも研究開発から実用化まで40年程度はかかっている。2050年をターゲットにおいた場合、今始めないと実用化までたどり着けない恐れがある。
2050年という長期を見据えた革新技術の開発というだけでは、産業界として関与することは困難。まずは政府として、エネルギー・環境分野の革新技術の開発に継続的に研究開発投資を行うといったコミットメントが必要。
長期を見据えた研究開発に産業界からの関与を促すためには、研究開発の最終ターゲットだけではなく、比較的短期で企業が活用可能な派生技術(サブテーマ)の設定も必要。
企業のCSRの観点もうまく活用できないか。
2050年といった長期をターゲットにおいた場合、将来の研究開発を担う人材の教育が重要。
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今後検討すべき対策
超長期のイノベーションを推進していくためには施策の継続性が重要。安倍総理の指示の下、今春に策定したエネルギー・環境イノベーション戦略に基づき、取組を強化・実行していく。今後以下のような対策を検討。 内閣府をはじめ関係省庁と連携しつつ、エネルギー・環境イノベーション戦略に特化し
た事業推進体制の構築(国プロの創設・推進等)。
民間投資も含め今後の研究開発活動に対する予見性を高めるため、長期を見据えた有望技術にかかる研究開発ロードマップを政府一体として作成。
有望技術に関する様々な研究成果・データ、技術のボトルネック、国内外の研究開発動向、比較的短期で実用可能な派生技術の可能性等に関して、省庁の垣根を越えて全体を俯瞰できるよう情報を集約し、発信するための環境整備の検討。
⇒これらの取組などを通じて、異分野からの参入を含め産業界の積極的な関与を促すとともに、人材育成も含めた長期的視点を持ち、有望技術の推進の機運を醸成・維持する。