innovation for the earth...1株あたり配当金・配当性向 10 13 15 18 23 27 30 46 35 40 44...
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I n n o v a t i o n f o r t h e E a r t h
統合報告書 202 02 0 2 0 年3月 期
多種多様な技術が生み出すソリューションとステークホルダーとの信頼関係をもとに、積水化学グループは社会環境の変化をもビジネスチャンスと捉え、社会課題の解決に寄与するイノベーションを起こし続けます。そして、地球とひとびとのくらしに貢献することで、社会の持続可能性向上とともに、企業としての持続的成長も図ります。
サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、“未来につづく安心”を創造します。
積水化学グループの理念体系は、「社是」「グループビジョン」「経営戦略」の3層
で構成されています。
1947年の創立からこれまで、決して順風満帆とは言えなかった私たちが困難
を克服するうえで支えとなったのが、社是“3S精神”でした。未来においても勝ち、
100年経っても存在感のある企業グループであり続けるためには、これからも常に、
この社是の原点に立ち返る必要があると考えています。
社是にあり、また社名でもある「積水」には、「勝者の戦いは満々とたたえた水を
深い谷底に切って落とすような勢いで行われる。戦う前には勝てる態勢を作り上
げておかねばならない。」という意味があります。不確実性が増した世界で、当社
グループが持続的に成長するためには、市場の変化に、より迅速に対応するだけ
でなく、来るべきメガトレンドを見据え、勝てる態勢を整えていくことが肝要です。
私たちは、今後も長期的展望を持ち、コアの強みの蓄積に努めてまいります。
理念体系Service企業活動を通じて 社会※的価値を創造する
Speed積水を千仞の谿に決する スピードをもって市場を変革する
Superiority際立つ技術と品質で 社会※からの信頼を獲得する
※社会:「5つのステークホルダー」(「お客様」「株主」「従業員」「取引先」「地域社会・地球環境」)をはじめとした社会全体
理念体系の「社是」「グループビジョン」など、個々の詳しい内容については、下記のWebサイトをご覧ください。https://www.sekisui.co.jp/company/message_vision/philosophy/index.html
I n n o v a t i o n f o r t h e E a r t h
社是
3S精神
[5つのステークホルダー]お客様/株主/従業員/取引先/地域社会・地球環境
積水化学グループは、際立つ技術と品質により、 「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の フロンティアを開拓し続け、 世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。
グループビジョン
経営戦略・ 長期ビジョン ・ 中期経営計画 など
Service Speed Superiority
WHO/どんな会社か HOW/どう持続するのか データ集WHERE/何を目指すのか
SEKISUI CHEMICAL Integrated Report 2020 7
予測できない経営環境
新型コロナウイルスのパンデミック米中貿易摩擦頻発する自然災害
さまざまな社会課題やニーズ
少子高齢化・人口減少インフラの老朽化気候変動対応
社会からの要請
創出する価値ドメイン(事業領域)
価値の源泉
長期ビジョン: VISION 2030
価値創造プロセスサステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、"未来につづく安心"を創造します
中期経営計画
D r i v e2 0 2 2
ビジネスモデル
ESG経営
社是“3S精神”
グループビジョン社
会・顧客の
ニーズの見極め 最適な技術の創出・選
択
イノベーションの創出加工によ
る付加価
値の実現
製品・事業の革新新事業基盤の創造・獲得
組織能力
ステークホルダーへの貢献
盤石な財務体質
ステークホルダーとのパートナーシップ
▶お客様/株主/従業員/取引先/地域社会・地球環境
1 成長と改革事業の成長加速と構造改革前倒し
2 長期への仕込み新たな事業・領域の創造・獲得
3 ESG基盤強化長期持続的成長のための経営基盤革新 ネクストフロンティア
(新しい事業ドメインの創出)大きなパラダイムシフトを見据えた新しい事業ドメインの創出
Innovation for the Earth
安心・安全・快適なくらし
レジリエントな社会基盤
スマートな移動とコミュニケーション
健康・長寿
生物多様性が保全された地球
未来につづく安心レジデンシャル(住まい)街への広がりを意識した高性能住宅・住関連サービスの提供で、ひとびとの安心・安全・快適なくらしを支える
住宅カンパニー
アドバンストライフライン (社会インフラ)多様な機能材料で、グローバルにインフラ課題を解決し、社会基盤を支える
環境・ライフラインカンパニー
イノベーティブモビリティ (エレクトロニクス/移動体)高付加価値材料で、社会・くらしを進化させるさまざまな機器の発展を支える
高機能プラスチックスカンパニー
ライフサイエンス(健康・医療)進化する医療に貢献する製品・システム・サービスでグローバルにひとびとの健康・長寿社会を支える
メディカル事業
研究開発力▶「住社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」に強みを持つ28の技術プラットフォーム
▶特許保有件数:9,220件(2019年度末)
モノづくり力▶お客様満足(CS)と「品質」を結び付ける仕組み
▶人、仕組み、モノ(製品とサービス)の品質の磨き上げ
人材▶ダイバーシティマネジメント(年齢・性別・グローバル)▶自ら手を挙げて挑戦する風土
WHO/どんな会社か HOW/どう持続するのか データ集WHERE/何を目指すのか
SEKISUI CHEMICAL Integrated Report 2020 8
積水化学グループの軌跡当社は、1947年に、その当時は夢の新素材であったプラスチックの総合的事業化を目指して設立されました。
以来、プラスチックに関連する技術・製品を中心に、3S精神で新事業・フロンティア開拓に果敢に挑戦して、
新時代を切り開いてきました。
そして長い歴史の中で、事業ポートフォリオを変え、利益を伸ばしてきました。
営業損益(右軸)
(億円)
1947 1962 1965 1968 1971 1974 1977 1980 1983 1986 1989 1992 1995 1998 2001 2004 20102007 2013 2016 20191950 1953 1956 1959
売上高(左軸)
1,200
1,000
800
600
400
200
01 2 3 4 5
6
7
89
101211
(億円)12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
11,293 億円
878 億円
※注:1976年以前は単体、1977年以降は連結営業損益(右軸)
1 1947年プラスチックの総合事業化を目的とし、積水産業株式会社として発足
4 1962年プラスチック製ごみ容器
「ポリペール」を全国的に展開し、ごみ問題の解決に貢献
7 1979年製造から販売・サービスにわたる品質管理の最高栄誉賞「デミング賞実施賞」受賞
10 2016年大久保相談役(当時)がデミング賞本賞受賞。会社として日本品質奨励賞品質革新賞を受賞
2 1952年塩化ビニル管「エスロンパイプ」の本格製造開始
5 1963年日本の製造業として米国進出第1号SEKISUI PLASTICSCORPORATION
8 2001年社内カンパニー制を導入
11 2017年“ごみ”をまるごと“エタノール”に変換する生産技術の開発に、世界で初めて成功
12 2019年AIM Aerospace Corporation
(現:SEKISUI AEROSPACE CORPORATION)を買収
3 1958年合わせガラス用中間膜
「S-LECフィルム」の事業を開始
6 1971年鉄骨系ユニット住宅「セキスイハイム」の販売を開始、住宅事業に本格進出
9 2006年第一化学薬品株式会社
(現:積水メディカル株式会社)を買収し、新会社を設立
WHO/どんな会社か HOW/どう持続するのか データ集WHERE/何を目指すのか
SEKISUI CHEMICAL Integrated Report 2020 9
事業ポートフォリオ「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の事業領域において、住宅カンパニー、環境・
ライフラインカンパニー、高機能プラスチックスカンパニーの3カンパニーと、メディカル事業で展開
しています。メディカル事業は、これまで高機能プラスチックスカンパニーの中で展開していたライフ
サイエンス分野の成長を加速させるために、新たなカンパニー候補として2019年度より独立しました。
長期ビジョンでは、これら4事業領域を軸に成長を図っていきます。
メディカル事業
検査 / 医療
高性能住宅・住関連サービス
の提供で、ひとびとの安心・
安全・快適なくらしを支える
事業・製品・技術の「変
革」による付加価値創出
を通じて、ひとびとのく
らしを進化させ社会課
題を解決する
多様な機能材料で、イン
フラ課題を解決し、社会
基盤を支える
優れた技術で高品質な製品
を提供し、ひとびとの健康
と豊かな生活の実現に貢献
P.36
高機能プラスチックスカンパニー
エレクトロニクス / モビリティ住インフラ材 / 産業
積水化学グループ
環境・ライフラインカンパニー
配管・インフラ / 建築・住環境機能材料
P.31
P.21
住宅カンパニー
住宅 / ストック / まちづくり住生活 / 海外
P.26
売上高内訳
営業利益内訳
726億円
5,129億円
372億円
378億円
2,374億円
155億円
92億円
その他 ▲119億円
3,224億円
その他 ▲161億円
11,293億円
(2019年度)
878億円
(2019年度)
WHO/どんな会社か HOW/どう持続するのか データ集WHERE/何を目指すのか
SEKISUI CHEMICAL Integrated Report 2020 10
売上高
8,5859,155
9,65110,324
11,109 11,127 10,963 10,658 11,07411,427 11,293
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09 ※
(億円)
2019年度
11,293億円
親会社株主に帰属する当期純利益
116
236281 302
412
530567 589609 635 661
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
(億円)
2019年度
589億円
※2012年度に実施した海外子会社の決算期変更による影響を含む
フリーキャッシュ・フロー
151 126
-123
307249
588
334
481
23 20 -303
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
(億円)
フリーキャッシュ・フロー=営業活動CF+投資活動CF-配当支払
EBITDA
736866
931 977
1,199 1,1931,267
1,334 1,377 1,373 1,332
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
(億円)
2019年度
1,332億円
EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
財務ハイライト
営業利益・営業利益率 2019年度営業利益
878億円2019年度営業利益率
7.8%
※2012年度に実施した海外子会社の決算期変更による影響を含む
海外売上高比率
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
19.7
16.4
19.6
23.0 23.424.9 25.8
23.6 24.8 25.4 24.3
(%)
2019年度
24.3%
2019年度
-303億円
360493 546 596
825 858 898 965 992 957 878
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09 ※
5.44.2
5.7 5.8
7.4 7.78.2
9.1 9.08.4
7.8
営業利益(億円)営業利益率(%)
WHO/どんな会社か HOW/どう持続するのか データ集WHERE/何を目指すのか
SEKISUI CHEMICAL Integrated Report 2020 11
財務ハイライト
有利子負債
1,2451,331
1,2721,153
940
631523
437 463538
1,177
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
(億円)
2019年度
1,177億円
総還元性向
45.238.2
43.7
52.9 54.0 55.558.4
54.5 55.1 53.0
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
30.830.8
(%)
2019年度
58.4%
自己資本当期純利益率(ROE)
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
6.9
3.53.5
8.1 7.8
9.4
10.9 10.9 11.3 11.2 11.1
9.7
(%)
2019年度
9.7%
自己資本当期純利益率=親会社株主に帰属する当期純利益/期中平均自己資本
総還元性向=(自己株式取得額+配当総額)÷当期純利益
投下資本利益率(ROIC)
7.7
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
(%)
2019年度
7.7%
ROIC (投下資本利益率)=税引後営業利益/期中平均投下資本(固定資産+運転資本)
総資産・純資産・自己資本比率
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
3,5003,517 3,633 4,332 4,736 5,353 5,442 5,705 6,128 6,327 6,343
7,9017,873 8,2719,016 9,610 9,680 9,360 9,436 9,941 10,237 11,024
43.4 42.546.4 47.5
53.355.9 58.2 59.1 59.3
55.3
43.0
総資産(億円)
純資産(億円)自己資本比率(%)
※「税効果会計に係る会計基準」の一部改正(企業会計基準第28号2018年2月16日)を 2018年度期首から適用しており、2017年度数値に遡って適用しています。自己資本比率=自己資本/総資産
2019年度総資産
11,024億円2019年度純資産
6,343億円2019年度自己資本比率
55.3%
1株あたり配当金・配当性向
10 13 15 1823 27 30
46
3540
44
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
28.9
45.2
27.830.8
28.725.8 26.1 27.7
29.9 31.0
35.9
28.9
1株あたり配当金(円)配当性向(%)
2019年度1株あたり配当金
46円2019年度配当性向
35.9%
WHO/どんな会社か HOW/どう持続するのか データ集WHERE/何を目指すのか
SEKISUI CHEMICAL Integrated Report 2020 12
非財務ハイライト
従業員数
環境貢献製品売上高 サプライチェーン全体での温室効果ガス(GHG)排出量
グローバル人材
事業活動による温室効果ガス(GHG)排出量の推移
損失コスト
19,761 19,770 20,85522,20223,017
23,88623,90123,006
26,08026,486 27,003
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
149
220
271294 300
325 329 341 340 326 335
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
グローバル人材(人)
922 892 928 932 921 884
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13
942
100.0 97.8 94.798.5 98.9 97.7
93.9
温室効果ガス(GHG)排出量(千トン-CO2)GHG排出量比※
4,384
5,2725,831
5,3174,968
FY19FY18FY17FY16FY15FY14
3,5314,400
4,937 4,433 4,119
680 686 706 694 654174
4,340
3,461
698 181 187 189 190 195
Scope3
Scope2
Scope1
274326
384
775
445511
394 375
478 469 469
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
(人) (人)
(Scope1、Scope2、Scope3別で表示)(千トン-CO2)
(百万円)
2019年度
27,003人
2019年度
6,583億円2019年度
4,968千トン-CO2
2019年度
335人
2019年度
884千トン-CO2
2019年度
469百万円
グローバル人材: 日本人従業員の海外赴任経験者(グローバルトレーニーを含む)。
(注)精度向上のため過去に遡り数値を見直しています。※2013年度を100としています。
環境貢献製品: 社内認定制度によって、高いレベルの環境貢献効果を有し、かつ、お客様の使用段階において、その効果を発揮することを認められた製品。2017年度より、自然環境に加え、社会環境も対象とし、貢献対象範囲を拡張しています。
(注)2016年度以降のSCOPE3に関しては、輸送エネルギーの精度向上と購入した製品・サービスの集計範囲を拡大した結果、把握している排出量が前年度より大きく増加しています。2018年度からは、ZEH仕様の住宅において、使用エネルギーが削減される効果を算入したことにより、“販売した製品の使用”に関わる排出量が減少しました。
損失コスト: 国内生産事業所・研究所、コーポレート各部署、カンパニー間接部署の労働災害、設備災害、通勤災害、疾病長欠関連費用
FY19FY18FY17FY16FY15FY14FY13FY12FY11FY10FY09
1,786
3,0263,592 3,925
4,668 4,951 4,858 4,8125,559
5,1574,716
6,438 6,583
5,1574,716
8431,280
8431,280
5,2155,215
1,3681,36833.1
20.820.8
37.2 38.042.0
44.5 44.3 45.250.2
56.3 58.3
自然環境貢献製品売上高(億円)社会環境貢献製品売上高(億円)環境貢献製品売上高比率(%)