<株式会社鈴木製作所> no.1 基本情報...- 135 - <株式会社鈴木製作所> no.1...
TRANSCRIPT
- 135 -
<株式会社鈴木製作所> No.1 基本情報
本社所在地:山形県山形市嶋南一丁目 12-7
主要生産品:家庭用ロックミシン(縁かがりミシン)baby lock、横型ピロー包装機
設立:昭和 28 年 6 月
資本金:6,500 万円
従業員数:115 名
学生の皆様へのメッセージ:お客様のニーズに合わせ、世の中に無いものを生み出し、お
客様に喜んで使って頂くことをモットーに、最高品質のものをこの山形の地から世界に発
信している開発型の企業です。
ホームページ:http://www.suzuki-ss.co.jp
- 136 -
<株式会社鈴木製作所> No.2 ロックミシンに起きた革命
皆さんは「ベビーロック」と聞くと、どのようなものを思い浮かべるでしょうか?赤ちゃ
ん、鍵?といった言葉から想像するのは容易ではないと思いますが、これはミシンの名前
なのです。
実はミシンには様々な種類があるのですが、ロックミシンというタイプのミシンは「かが
り縫い」を得意とします。簡単にいうと、布の端がほつれないように縁かがり(ロックす
る)ための特殊な縫い方ができるのがロックミシンです。また、伸縮性のあるニット生地
を縫い合わせるのにも適しています。
山形市にある鈴木製作所は、「ベビーロック」と呼ばれるロックミシンで、日本、そして世
界の縫製に革命を起こしました。それまでの工業用ロックミシンと比べて赤ちゃんのよう
に小さいベビーロックは、世界初の家庭でも簡単に扱えるロックミシンなのです。
他社のロックミシンと比較して、ベビーロックの大きな特徴としてあげられるのは、細か
なソーイングを、より手軽に、わずらわしさを最小限に縫製できることです。それは鈴木
製作所の独自技術によって可能になりました。
(人文社会科学部 2 年 庄司)
- 138 -
<株式会社鈴木製作所> No.3 最高のロックミシン
世界の大手ミシンメーカーも、ロックミシンに関する技術では鈴木製作所にかないません。
「ロックミシンの最高峰は山形の鈴木」というユーザーからの高い信頼があります。この
ような評価を受ける鈴木製作所の独自技術とはどのようなものなのでしょうか。
ミシンといえば糸通しがやりにくく、使う前に苦労した記憶がありますが、鈴木製作所の
ロックミシンは空気の力を利用することで、ボタンをポチッと一押しするだけで糸を通せ
ます。とても画期的!このエアスルー機能を世界で初めて開発したのが鈴木製作所です。
また、生地の種類や厚さによる糸の張り具合の違いを自動で調節してくれるジャストフィ
ットシステムも鈴木製作所の独自技術です。デニム生地を縫っているところにティッシュ
も一緒に入れてしまったら、普通はティッシュが針にグチャッと巻き込まれて大変なこと
になります。しかし、鈴木製作所のロックミシンは、自動で布の厚さを判断して糸の調子
を調整してくれるので、スウーッとそのままティッシュごと綺麗に縫えてしまうのです。
凄い!
このエアスルー機能とジャストフィットシステムを実現したのは、職人技です。これらの
技の積み重ねによって、家庭でもロックミシンを使って楽に綺麗に縫うことができるよう
になりました。
(人文社会科学部 3 年 西埜、2 年 庄司)
- 140 -
<株式会社鈴木製作所> No.4 海外市場を開拓するために
鈴木製作所のロックミシンは日本だけでなくアメリカ、ヨーロッパでも広く販売されてお
り、売上は海外販売の方が多いほどです。洋服を作るなど趣味のための道具として使われ
ることの多いミシンですが、ミシンに対するニーズは国によって異なります。
日本やヨーロッパではミシンの機能は多すぎない方が好まれますが、アメリカでは 1 台に
多くの機能が付いている方が好まれるそうです。そのため、販売地域の国民性や生活スタ
イルなどをふまえたうえで、製品開発戦略がたてられます。アメリカに対しては多くの機
能を付けた高級ミシンを、国内向けには少ない機能の中でも使いやすいミシンを、といっ
たように工夫が凝らされています。
特にアメリカの家庭用ミシン市場は大きいので、日本のミシンが入り込める余地はまだま
だあると鈴木製作所はみています。現在も、あっと驚くような機能の開発を進めており、
海外市場への進出を積極的に行っています。
(人文社会科学部 3 年 西埜、2 年 庄司)
- 142 -
<株式会社鈴木製作所> No.5 様々なものを、優しく包む
皆さんが食べている総菜パンやお菓子などの身近な食料品や、いざという時に必要な医
薬品など、日常の中で当たり前のように目にしているものの多くは、しっかりと包装され
ています。それは、安心・安全のためには当然のことだと思い、「包む」ことそのものにつ
いては深く考える機会は少ないと思います。
鈴木製作所はそのような当たり前の「包む」ことに目を向け、私たちの日常に安心・安全
を届けています。「横型ピロー包装機」という包装機の開発・製造によって、様々な食材、
医薬品、日用品を「包み」、私たちに安全・安心を届ける手助けをしています。
包装機の製造は、ミシンに並ぶ鈴木製作所のもう一つの柱です。包装機はユーザーに合わ
せてオーダーメードで作りますが、特に野菜の包装が得意で、ごぼうやかぼちゃのような
形が特徴的なものにも対応しています。鈴木製作所の小回りが利くという強みを生かして、
他企業では断られるような要望にも対応しています。
今回の見学では、実際にパンが包装されるところを見学しましたが、包装機の精密な動き
にただただ感動してしまいました。改めて、日常の至る所で「包まれて」存在しているも
のに目を向けてみてはいかがでしょうか。
(人文社会科学部 2 年 庄司、3 年 西埜)
- 144 -
<株式会社鈴木製作所> No.6 希少な Made in Japan のミシン
鈴木製作所は山形市の再開発地域にあり、建物は一見すると工場ではなく雑貨屋のように
も見えます。なぜこのような街中に工場が?というのが正直な感想でした。
一般にミシンの大手企業は国外に工場を持っているため、工場が日本にあるというのはと
ても珍しいということがわかりました。
しかし、鈴木製作所は国内で製造しています。それは、生産の管理が行き届くことにより
国内外で認められる品質を提供することができ、また、日本製は希少であるため日本に工
場があることは大きなアピールポイントになるためです。鈴木製作所はここ山形から世界
へ製品を届けることに誇りを持っています。
鈴木製作所はミシンだけではなく、さらなる事業に取り組んでいく積極的な企業です。世
界で新たな活躍の場を創造しているという点で、グローバル化が進む中でも山形で生き残
っていく企業だと強く思いました。
ちなみに、鈴木製作所が現在地に立地したとき周りは田んぼでした。その後、大型施設が
周りに立地し始めたため、結果として街中に建っていることになったそうです。
(人文社会科学部 3 年 西埜、4 年 西塚)