～富士ゼロックスにおけるクラウド活用と企業イノベーション～ ·...

JSS Spring Forum 2017

ソリューション開発部クラウド統括黒須義一

拡大し続けるクラウドサービス～富士ゼロックスにおけるクラウド活用と企業イノベーション～

自己紹介

黒須義一（Yoshikazu Kurosu）

Facebook：https://www.facebook.com/yoshikazu.kurosu

Twitter：@ykurosuyo

富士ゼロックス株式会社

ソリューション開発本部クラウド統括（CCoE）

【役割】

商用サービス向けクラウドの改善と利活用推進

© 2017 Fuji Xerox Co., Ltd. All rights reserved.

つい先日の話。


・パブリックとプライベートクラウドの違いはなんでしょうか？

・ハイブリットクラウドとはどのようなものでしょうか？

・どのようなシステムがクラウドに馴染むのでしょうか？

・コストメリットはどのくらいあるのでしょうか？

・セキュリティリスクについて考慮ポイントは？

先月いただいた質問


みんな考えている。

今から始めても遅くはない。

だが、これから確実に拡大する。


０．INTRODUCTION


会社概要


名称富士ゼロックス株式会社

(Fuji Xerox Co., Ltd.)

創立 1962(昭和37)年2月20日

資本金 200億円

株主富士フイルムホールディングス 75%

ゼロックス・リミテッド 25%

本社〒107-0052

東京都港区赤坂9-7-3

社員数 45,397人（2016年3月期連結）

8,282人（2016年3月期単独）

財務データ


ソリューションサービス事業拡大生産性向上

富士ゼロックスの経営課題は・・・


１．クラウドのお話


クラウドってどんな“コト”なのか？



オンプレとクラウドの違い

オンプレクラウド


クラウド化する世界は気付かないうちに


証券取引システムで流れる6億レコード/日（1Tバイト）の解析環境を移行；4ヶ月かかっていた取引を数秒に

米国証券取引委員会

業務システムの一部を移行；維持運用費を5年で約37%のコスト削減；拡張性、非稼動時コスト低減

ソニー銀行

社外向けコーポレートウェブサイト（ブランドサイト80以上）とコンテンツ管理を全移行；年間コストを80%削減

花王

業務用仮想デスクトップを移行；災害時シンガポールまたは米国西部に復旧；DRサイト非稼動（通常）時の維持費は月額1万円

キリン

100以上の連結子会社の財務会計基幹を支えるSAPを移行；約2ヶ月で移行＆DRサイト構築；約80～90%のコスト削減

HOYA

ICタグによる「すし」の鮮度管理にトライアル導入；15億件のデータ分析環境を2日で構築（費用10万円）；「すし」の廃棄量を75%削減

あきんどスシロー

その世界を堪能する企業も気付かないうちに


富士ゼロックスのそのひとつ

https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies-jp/

富士ゼロックスのビジネスとクラウド


つなげる機能そのものから

つながる先まで

クラウド

働くフィールドの変化・多様化

とうとう銀行も本腰。


プライベートパブリック（ハイブリッド）

グローバル


富士ゼロックスは様々なクラウドを使っています

2010年プライベートクラウド運用開始2014年 AWSを接続し、ハイブリッドクラウド化2016年グローバル閉域接続、マルチパブリッククラウド化

マルチパブリック


プライベートクラウド＝オンプレに近い（違いは資産所有していないこと）

・わたし達のワガママを聞いてくれる・企業固有のポリシーや仕様を反映しやすい・クラウドだけど何処にあるか分かる・共通的な最低限のサービスメニュー・自社専用クラウドなのでスケールメリットはほぼなし・リソースが余っていてもパンパンでも月額固定課金

すべてのサービスをプライベートクラウドで開発、運用しお客さまへ提供

採算悪化。顧客満足度低下。

弊社拠点

プライベートクラウド


高価なNW

個別対応

過剰設計

お客様 Internet

（あるある）

リスク対応を優先し、サイジングのムダが多くのプロジェクトで発生。

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1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月 10ヶ月11ヶ月12ヶ月

リソース量

プラン実績


ムダリソース

ムダリソース

必要なリソース

お客様獲得計画数

実際は…

ダウンサイドリスク

＜固定費率高＞

High

Low

＜変動費率高＞

目指すべき構造© 2017 Fuji Xerox Co., Ltd. All rights reserved.

（あるべき）

『コストデザイン力』強化とそれを許容できるクラウド基盤が必要。

グローバル


2014年 AWS接続－ハイブリッドクラウド化

2016年グローバル展開、GCP接続－マルチクラウド化

マルチパブリック

パブリック（ハイブリッド）

東京東京

SG

東京

SG

東京

プライベート（日本）

AWS（東京）

AWS（シンガポール）


GCP

・トラフィックが一定・ブラックボックス嫌・コントロールしたい・企業ポリシを反映要

・トラフィック大きい・トラフィック読めない・新規ビジネス・開発検証だけでつかう・期間限定でつかう

・APACのお客様向け・オフショアとの連携・アジア拠点からつかう

＜AWS＞・細かくいじくりたい・日本語サポートを手厚く

＜GCP＞・突然のスパイクがある・BQをつかいたい

クラウドの種類、用途で使い分けを模索


クラウド推進後、システムあたりのコストは30％以上ダウン


トータルコストの抑制＝最適な量を使うということ。抑制！


そのままだったら…。抑制できない～！

２．変化のお話


機能

パブリッククラウドの導入プロセス

体制

コスト運用

マインド


（導入にあたり）

社内のクラウドに対する不満要望を分類して、

打ち手となる改善施策へ紐付けしました。


勝手に良い方向に変わってくれそう

変えないとだめそう

パブリッククラウドの導入プロセス

体制

マインド

色々と変えないとクラウドのメリットが激減してしまうことに気づく…。


プロセス

体制

マインド

継続的な改善がまわせる関係性をつくろう。

利用者から見て近い存在になろう。

パートナー様（SIer）情シス／システム子会社

問合せ応答

障害対応見積対応

構築運用システム審査

契約対応

© 2017 Fuji Xerox Co., Ltd. All rights reserved.クラウド利用したいひとたち（富士ゼロックス内）

つかいにくい！誰に言えばいい

の？

どうすれば使い始めることができるの？

プライベートクラウドだけの時代（2010～2014まで）

パートナー様（SIer）情シス／システム子会社

問合せ応答

障害対応見積対応

利用ナビゲート

構築運用継続的な改善企画システム審査

契約対応

不満要求の取得

© 2017 Fuji Xerox Co., Ltd. All rights reserved.クラウド利用したいひとたち（富士ゼロックス内）

パブリッククラウド導入（現在）

自分たちの使うクラウドは自分たちで企画しよう！

クラウド統括（CCoE）

CCoE設置へCloud Center of Excellence


プロセス

体制

仕組み

クラウドらしく、申込みと利用が体感できる業務プロセスに。

システム審査の手続きIT調達についての事務処理


事務処理フローの見直しで、関係部門のプロセスを“変え”、

Fuji Xerox Cloud Design Pattern（FXCDP）による開発者の工数削減

で、審議プロセスを“変えた”。導入が社内“変革”のきっかけに。

3～6ヶ月→10営業日 3～6ヶ月→最短で即日


購買経理

総務法務

知財

経営

情シス＆情報子会社

広報

関連部門との調整は、常に発生する。

COEが中心となり、合意を得ながら進めていく。

従量課金の必然性とメリット

セキュリティへの準拠方針

リスク対応方針社内プロモーション各種メディア協力

契約・利用規約の留意点の明確化とガイド化

既存の購買ルールとの融合

意義／ビジネス拡大

基幹系へのノウハウ提供


プロセス

体制

マインド

オ◯プレ思考からクラウド思考に変えよう。

かかわる人は社内外。うまく巻き込もう。

学習ってコストです

「」

従量課金が心配すぎる

「」


本当にあった話（社内）。

学習ってコストです

「」



自腹ですからね。時間もお金も。


自腹で受ける人は“ほぼ”いない。

会社が負担して、業務時間として、業績評価にしてあげないとやらない。

社の予算をとるため、アーキテクト（クラウド設計者）養成プランを企画。

関心度を高めることがスキル向上を促し、うねりを生む。

楽しそうに取り組む。クラウドは楽しく、楽になるもの。


関心度

熟練度

関心高

関心低

成長早い

成長遅い

「」

従量課金が心配すぎる




示しているデータ（イメージ）

「」あなた達がパブリッククラウドを導入するなんて５年早い！考え直すべき


本当にあった話（社外）。

相手の立場を理解すれば味方になってくれるかも。

クラウド導入は手段であって目的じゃない。

目的があれば意思を強く持っていていい。

明日につながるのはどちらの技術選択？？？


感じたこと。

３．己(私)が変えていく中で変わった(解った)話


シーン毎に、いかに適切に使い分けるか、その幅を確保している。

様々なPFを入れて運用負荷が高まらない工夫ができるかどうか。

・要件に応じてカスタマイズ可能・すべてを管理可能・データの保管場所を特定可能

Private Hybrid

・すぐに利用可能・従量課金・簡単かつ柔軟な環境構築を実現

✔従来のIT投資に対するリターンを最大化

✔ワークロードを最適なインフラに配置

✔リスク管理とスピードのバランス

✔ピークに応じたキャパシティ調整

✔新たなBusiness Capabilityを実現

＆Legacy Systems Public


オンプレとクラウドはどっちがいいのか？


Cloud Storage BigQuery

ビッグデータ解析結果

適したクラウドを都度選べば良い。

2つでも3つでも組み合わせて良いが、初期コストと運用煩雑化を最小に。

APIGateway IoT

S3

どこのクラウドがいいのか？

アイデア

セキュリティ…

OS…

ネットワーク…

認証…

アイデア

設計しないといけない範囲＝アイデア＝将来の利益の源泉


私たちはなにに注力すべきなのか？

クラウドは時期尚早と出入りのSIerさんに言われたよ。それって、ほんとう？


いったい何が真実なのか？


サーバーベンダーに試算してもらったら、クラウドは結局高くなると言われたよ。

それって、ほんとう？

いったい何が真実なのか？

保険とかありますよ

第3者認証たくさんですよ

同業他社がこんなに使ってますよ

社内の説得には使えるけど、心底納得して、安心とは思えないなぁ

大体３つくらいの説明を受けられます。が。。

クラウドはセキュリティ大丈夫？？？


そもそも何で心配なんだっけ？

何が心配なんだっけ。そもそも、システムのセキュリティってなんだっけ

脆弱性を狙うさまざまな脅威から大切なデータをまもること。

それに何が最適なのか選ぶ。

それにクラウドは適していないのかという視点。


「脅威」と「脆弱性」の観点で考えてみた。


「脅威」


不正侵入やコンピュータウイルスなどの外部からの攻撃と、社員によるデータの持ち出しや破壊行為などの内部からの攻撃


システムの弱点であり、脅威はこの脆弱性に対する攻撃

「脆弱性」

比較


１．ハードウェアからカスタム製造し、全て同一構成２．複数のデータセンターで冗長化３．600人以上のセキュリティ専任エンジニア４．160を超えるセキュリティに関する学術論文５．脆弱性発見プログラムを実行中

１．自分（たち）で対処する

On-premises

「むしろクラウドの方が安心」

納得してクラウドを勧められ、説明できるようになった。


https://youtu.be/XZmGGAbHqa0https://youtu.be/8P_-JRi-6Fo

４．事例を紹介します。


クラウド画像解析によるテクニカルサポートサービス

経験の浅い保守担当者でも、モバイル1つでエキスパートに！

問題の画像改善方法


14国・地域11言語


Googleパワーでスケールアウト。

R&D拠点（横浜）

テクニカルサポート拠点

数行のコードで多言語間翻訳／言語認識


Translate APIで翻訳。

Original Text

Translated Text goes here!

Memcache

App Engine Datastore

App EngineMobile Backend ¦ Multiple

Instances

Logs API

Task Queues Search API

Scheduled TasksImages Service

Cloud Storage

Translate API

Cloud Messaging

Clients

Cloud MLCompute Engine

Experimental!


設計も運用もカンタン。

ここまでは、

弊社自身がクラウドを“利活用してきた”事例です。


ここからは、

弊社が“お客様のクラウド利活用を支援した”

際の事例です。


富士ゼロックス熊本からお客さまへ。


サーバは社内。ラックはパンパン。

バックアップ機器設置は✕。遠隔地バックアップも✕。

データ消失がこわい・・・

クラウドで簡単にバックアップ


Windows 2008R2・AD・File

1

Windows Server 2008 R2

TeraStation

beat

SaaS

Internet

Microsoft Azure Backup

① 情報資産のBCP対策を実現

1リージョン = 3重バックアップコスト1TB = ¥5,600 /月運用 = 富士ゼロックス

安心･安い･手間いらず

②劇的な生産性･顧客対応時間の向上

どこからでもセキュアに接続出来る環境を構築。

1h × 5人 × 20日 = 100h / 月の削減。

効果


５．まとめ


・クラウドが“是”ではない。目的が合えばオンプレでも全然OK。

・クラウド導入とは「クラウドを使う時のための道づくり」

・クラウド導入では変わらない。導入を契機に自社を変えることが大切。

・クラウドはこれからのビジネスの“少なくとも”土台となる。

・富士ゼロックスからクラウドもオンプレもワンストップで“買える”。



富士ゼロックスは、クラウド構築、運用サービスを提供しています。

クラウドでお困りの際は、お気軽に最寄りの富士ゼロックスまで。

背すじ伸ばしてご対応！

Xerox、Xeroxロゴ、およびFuji Xeroxロゴは、米国ゼロックス社の登録商標または商標です。

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