~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7...

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研究主題 自ら気づき 考え 表現する児童の育成~コンピテンシーの育成を目指した「学び合う」授業づくりを通して単元観 児童観 指導観 本単元では,第3学年及び第4学年「B書く こと」の指導事項「ウ書こうとすることの中心 を明確にし,目的や必要に応じて理由や事例を 挙げて書くこと」と「C読むこと」の指導事項 「イ目的に応じて,中心となる語や文をとらえ て段落相互の関係や事実と意見との関係を考 文章を読むこと」とを関連づけることによ り,効果的な指導を行うことをねらいとしてい る。 本教材「アップとルーズで伝える」では,テ レビや新聞などを通して私たちに届けられる映 像や写真が送り手の目的や意図によって取捨選 択されたものであることを,映像の基本である アップとルーズを通して考えさせることができ る。写真と文章が対応していること,対比など を用いた文章構成により段落相互の関係が明確 であることから,中心となる語や文,筆者の主 張がとらえやすく,目的に応じた写真を選びな がら文章と対応させ,伝えたいことの中心を明 確にして作成するリーフレット作りにつなげて いくのに適した教材であると言える。 本学級の児童は,5月に「大きな力を出す」 「動いて,考えて,また動く」において,は じめ,中,終わりという説明的な文章の構成 を理解し,段落相互の関係について考えなが ら読み取りを行った。単元末テストの結果, 90 点以上の児童は 65.2%であった。誤答の 状況から,文章を大まかにとらえ,筆者が自 分の考えを伝えるために,それぞれの段落で 何を書いているのか,どのような書きぶりを しているのか,段落相互の関係について考え ながら読み取っていく力の定着が十分ではな いという課題が見られた。 本単元の指導内容に関わるレディネステス トを行った結果,「説明を分かりやすくするた めにふさわしい絵を選択する」問題は全員が 正答した。しかし,メモに書かれている情報 を選択し,見出しに合った文章を書く問題の 正答は4割程度にとどまった。資料に書かれ ていることを読み取り,条件に合わせて適切 な文章を記述する力には課題が見られる。 本単元を貫く言語活動は,資料を効果的に使い,写真と文章で説明するリーフレットを作ることである。 自分たちの住む美土里町で身近な存在である神楽を,親しみがあまりない地域の方に紹介する「神楽紹介リ ーフレットを作ろう」という言語活動を通して,対比に着目した教材文の文章構成や写真の使い方を活用し, 分かりやすく説明する力をつけることを目指す。 学習の中で,ペアやグループの活動を意図的に仕組み,その中で,関わりのよさを肯定的に認めていくこ とで,友達と学び合いながら課題に取り組む力を育む。また,学び合いを通して,新たな気付きや発見が生 まれるような授業づくりを意識する。 これまでに学んできた説明的な文章の学習と関連させ,小見出しをつけたり,段落構成図を書いたりする 活動を通して段落の構成を読み取らせる。また,それぞれの段落の内容を正しく読むための手立てとして, 大事な箇所にサイドラインを引かせ,確認する時間を設けるようにする。 第三次のリーフレット作成にあたっては,載せる写真を目的に応じて選ばせ,その理由を説明するなどの 言語活動を通して,自分の考えを明確にして,説明を工夫することが必要であることに気づかせる。教材文 の説明の仕方の工夫に気づき,それを自分の文章に生かし,伝えたいことを調べて積極的に分かりやすく表 現しようとする態度を育てる。 学習を通して見つけた分かりやすい文章の書き方のこつを,他教科の学習や実生活でも生かしていけるよ う,“とらの巻”にまとめ,振り返ることができるようにすることで汎用性をもたせる。 国語 第4学年 安芸高田市立美土里小学校 指導者 末永 裕子 本単元で育成する資質・能力 コミュニケーション能力,知識・情報活用能力,自己肯定感 「神楽紹介リーフレットを作ろう」 ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動リーフレット』を作ろう」~

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Page 1: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

研究主題 自ら気づき 考え 表現する児童の育成~コンピテンシーの育成を目指した「学び合う」授業づくりを通して~

1 単元観 2 児童観

3 指導観

○ 本単元では,第3学年及び第4学年「B書く

こと」の指導事項「ウ書こうとすることの中心

を明確にし,目的や必要に応じて理由や事例を

挙げて書くこと。」と「C読むこと」の指導事項

「イ目的に応じて,中心となる語や文をとらえ

て段落相互の関係や事実と意見との関係を考

え,文章を読むこと。」とを関連づけることによ

り,効果的な指導を行うことをねらいとしてい

る。

○ 本教材「アップとルーズで伝える」では,テ

レビや新聞などを通して私たちに届けられる映

像や写真が送り手の目的や意図によって取捨選

択されたものであることを,映像の基本である

アップとルーズを通して考えさせることができ

る。写真と文章が対応していること,対比など

を用いた文章構成により段落相互の関係が明確

であることから,中心となる語や文,筆者の主

張がとらえやすく,目的に応じた写真を選びな

がら文章と対応させ,伝えたいことの中心を明

確にして作成するリーフレット作りにつなげて

いくのに適した教材であると言える。

○ 本学級の児童は,5月に「大きな力を出す」

「動いて,考えて,また動く」において,は

じめ,中,終わりという説明的な文章の構成

を理解し,段落相互の関係について考えなが

ら読み取りを行った。単元末テストの結果,

90点以上の児童は 65.2%であった。誤答の

状況から,文章を大まかにとらえ,筆者が自

分の考えを伝えるために,それぞれの段落で

何を書いているのか,どのような書きぶりを

しているのか,段落相互の関係について考え

ながら読み取っていく力の定着が十分ではな

いという課題が見られた。

○ 本単元の指導内容に関わるレディネステス

トを行った結果,「説明を分かりやすくするた

めにふさわしい絵を選択する」問題は全員が

正答した。しかし,メモに書かれている情報

を選択し,見出しに合った文章を書く問題の

正答は4割程度にとどまった。資料に書かれ

ていることを読み取り,条件に合わせて適切

な文章を記述する力には課題が見られる。

○ 本単元を貫く言語活動は,資料を効果的に使い,写真と文章で説明するリーフレットを作ることである。

自分たちの住む美土里町で身近な存在である神楽を,親しみがあまりない地域の方に紹介する「神楽紹介リ

ーフレットを作ろう」という言語活動を通して,対比に着目した教材文の文章構成や写真の使い方を活用し,

分かりやすく説明する力をつけることを目指す。

○ 学習の中で,ペアやグループの活動を意図的に仕組み,その中で,関わりのよさを肯定的に認めていくこ

とで,友達と学び合いながら課題に取り組む力を育む。また,学び合いを通して,新たな気付きや発見が生

まれるような授業づくりを意識する。

○ これまでに学んできた説明的な文章の学習と関連させ,小見出しをつけたり,段落構成図を書いたりする

活動を通して段落の構成を読み取らせる。また,それぞれの段落の内容を正しく読むための手立てとして,

大事な箇所にサイドラインを引かせ,確認する時間を設けるようにする。

○ 第三次のリーフレット作成にあたっては,載せる写真を目的に応じて選ばせ,その理由を説明するなどの

言語活動を通して,自分の考えを明確にして,説明を工夫することが必要であることに気づかせる。教材文

の説明の仕方の工夫に気づき,それを自分の文章に生かし,伝えたいことを調べて積極的に分かりやすく表

現しようとする態度を育てる。

○ 学習を通して見つけた分かりやすい文章の書き方のこつを,他教科の学習や実生活でも生かしていけるよ

う,“とらの巻”にまとめ,振り返ることができるようにすることで汎用性をもたせる。

国語 第4学年 安芸高田市立美土里小学校 指導者 末永 裕子

単元名

本単元で育成する資質・能力

コミュニケーション能力,知識・情報活用能力,自己肯定感

「神楽紹介リーフレットを作ろう」 ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動リーフレット』を作ろう」~

Page 2: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

4 単元の目標 【学習指導要領との関連】

○写真と文章を対応させて説明的な文章を読んだり,取材したことを写真と文章で分かりやすくまとめて書い

たりしようとする。 【国語への関心・意欲・態度】

○写真と文章を対比させながら中心となる語や文をとらえ,段落相互の関係を考えながら読むことができる。

【読むことイ】

◎相手と目的に応じて材料を選び,書こうとすることの中心を明確にし,写真と文章を関連させながら書くこ

とができる。 【書くことウ】

○指示語や接続語が文と文との意味のつながりに果たす役割を理解し,文章の中で正しく使うことができる。

【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項イ(ク)】

5 単元の評価規準

国語への関心・意欲・態度 読む能力 書く能力 言語についての知識・理解・技能

「神楽紹介リーフレットを作る言語活動」を通した指導

①写真と文章を対応させ

て,説明的な文章を興

味をもって読もうとし

ている。

②自分の考えたことが伝

わるように,写真と文

章で分かりやすくまと

めようとしている。

①写真と文章を対応させ

ながら中心となる語や

文をとらえている。

②段落相互の関係を考

え,事実や意見との関

係を考えながら読んで

いる。

①取材した事柄から,相

手と目的に応じてより

効果的なものを選んで

いる。

②書こうとすることの中

心を明確にし,写真と

文章を関連させながら

書いている。

①指示語や接続語は,文

相互の関係,段落相互

の関係を端的に示す手

掛かりになることを理

解し,文章を読んでい

る。

②文と文との意味のつな

がりを考えながら,指

示語や接続語を使って

いる。

6 本単元において育成しようとする資質・能力とのかかわり

本校で育成したい資質・能力は,①コミュニケーション能力 ②知識・情報活用能力 ③主体性 ④協働

性 ⑤自己肯定感 ⑥よりよく生きようとする力 の6つである。

そのうち,本単元で重点的に指導したい資質・能力は以下の3つである。

育成したい

資質・能力 本単元の学習を通して目指す姿(◇)と育成するための支援・工夫(・)

スキル

①コミュニケー

ション能力

◇進んで話し合いに参加し,自分の考えを相手に分かりやすく伝えている。

◇友達の意見や考えのよいところを自分の学習に取り入れている。

・児童に,交流に対する必要感をもたせるために,「迷っていることに対して助言を

もらうため」「新しい視点を得るため」「情報交換のため」といった視点を明確に

もたせるようにする。また,お互いの話の返し方(「それは~ということ?」「ど

こに書いてあったの?」など)を日々の交流の中で蓄積していく。

②知識・情報活用

能力

◇自分が伝えたいことについて知識や情報を収集したり,目的や必要に応じて選択

したりしている。

・実際のリーフレットや教材文から見つけた「分かりやすく説明する技」を整理し

た“とらの巻”を作り,リーフレット作成に生かす。

・収集した情報を効果的に整理・分析するために「思考ツール」を活用する。

価値観・倫理観

⑤自己肯定感

◇新たな気付きや身に付いた力を意識し,自分や友だちの成長,よさに気付く。

・作成したリーフレットを実際に配布する活動につなげることで,自分たちの活動

に対する充実感,有用感を感じさせる。

・友達の考えを聞いて変容したり,心が動いたりしたことを,名前を挙げて伝え合

う機会をもつ。

Page 3: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

7 指導と評価の計画(全15時間)

次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ ◇評価規準(評価方法)

★資質・能力の評価(評価方法)

第一次

・地域の方からの「神楽のことをよく

知らない人に神楽を紹介するものを

作ってほしい」という依頼を想起し,

リーフレット作りの相手意識,目的

意識をもつ。

・教材文から,説明の仕方の工夫を見

つけてリーフレット作りに生かそう

とする見通しをもつ。

・どうしたら神楽を分かり

やすく伝えることができ

るかな。

・写真と文章を使って説明

したらいいね。

・部分だけでなく,全体も

伝えたほうがいいね。

・「アップとルーズで伝え

る」が活用できそうだ。

◇教材文の説明の仕方に関心

をもち,単元の見通しをも

っている。(発言・ノート)

【関①②】

★コミュニケーション能力

(発言・行動観察)

第二次

・段落分けをし,文章の大体をとら

える。

・写真と文章の関係に注意し,①②

③段落相互の関係を考えながら筆

者が伝えたいことを読み取る。

・説明の工夫を見付けてい

くぞ。

・アップとルーズの説明を

してから,問いを提示し

ているので分かりやすい

な。

◇段落相互の関係に気を付け

ながら,アップとルーズの

意味や,どのような問題が

提示されているかを読み取

っている。(ノート)【読②】

・写真と文章の関係に注意し,④⑤

⑥段落相互の関係を考えながら筆

者が伝えたいことを読み取る。

・「しかし」「でも」で,分

かることと分からないこ

との両方を書いている。

・まとめるときに「このよ

うに」という言葉を使っ

ていると分かりやすい。

・①②③段落と同じ組み立

てになっているな。

◇写真と文章を対応させなが

ら,アップとルーズの長所

や短所を読み取っている。

(ノート)【読①】

◇接続語や対比的な書き方に

気付いている。(ノート)【言

①】

4 ・⑦⑧段落相互の関係を考えながら

筆者が伝えたいことを読み取る。

・テレビの画像も新聞の写

真も,目的に合ったもの

を選ぶことが大切だと伝

えたかったんだな。

◇段落相互の関係に気をつけ

ながら,新聞とテレビの場

合を比較して読み深め,筆

者の伝えたいことを読み取

っている。(ノート)【読②】

・それぞれの段落の役割を確認しな

がら読み,文章全体の構成を考え

る。

・段落と段落がつながり合

って文章ができているん

だな。

◇中心となる語や文をとらえ

て,段落相互の関係を考え

ながら文章全体の構成をつ

かんでいる。(ノート・発言)

【読②】

・筆者の説明の仕方の工夫を確かめ,

リーフレット作りに生かしたいこ

とをまとめる。

・写真について,文章でく

わしく説明するという工

夫は,リーフレット作り

に使えそうだ。(写真と文

章の対応)

・写真や文章で,二つのこ

とを比べることで違いが

はっきりする。(対比)

◇写真と文章の対応関係や段

落相互の関係,全体構成な

どを見直し,筆者の説明の

仕方の工夫点をまとめてい

る。(ノート・発言)【読①

②】

★知識・情報活用能力(ノー

ト・発言)

第三次

・リーフレットにのせたい内容を選

び,取材する。

・取材したことを取材カードにまと

める。

・神楽の衣装について,紹

介したいな。

・道具の紹介もおもしろそ

うだ。

・家でも神楽について調べ

てみよう。

・「全体(ルーズ)」と「部

分(アップ)」が両方ある

と伝わりやすいな。

◇進んで材料を集めたり,分

かりやすくまとめて書いた

りしようとしている。(ノー

ト・発言)【関②】

◇自分の伝えたいことに合わ

せてアップとルーズの視点

をもって取材している。(ノ

ート・発言)【書①】

★知識・情報活用能力(ノー

課題の設定

情報の収集 整理・分析

まとめ・創造・表現

情報の収集

説明の工夫をみつけよう

説明の工夫を生かそう

Page 4: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

8 本時の学習

【第1時】 課題の設定

(3)学習の展開 本時(1/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

10

1 道徳の学習を振り返り,久保さんか

ら受けた依頼について考える。

・神楽のことをよく知らない人に伝える

んだね。

・自分たちが作ったものを配るんだね。

がんばろう。

○ビデオ映像を基に,「神楽のことをよく知ら

ない人に安芸高田の神楽を紹介するものを

作って配ってほしい」という久保さんの思い

や願いを想起させ,それに応えたいという意

欲をもたせる。

○単元の導入で学びの必然性をもたせる。

ト・発言)

★コミュニケーション能力

(発言・行動観察)

10

・集めた情報から載せる内容と写真

を選ぶ。

・リーフレットの内容の構成を考え

る。

・アップとルーズの写真を

効果的に使って,分かり

やすいリーフレットにし

たいな。

・伝えたい内容に合う写真

を選ぼう。

◇アップとルーズの特徴を生

かして,写真と対応させな

がら組み立て表を書いてい

る。(組み立て表)【書①】

★知識・情報活用能力(行動

観察・組み立て表)

11

12

13

・取材メモをもとに,「分かりやすく

説明する技」を生かして文章を考

える。

・作ったリーフレットを見直し,文

章の間違いを正したり,よりよい

表現に書き直したりする。

・“とらの巻”にまとめたこ

とが使えそうだ。

・接続語が正しく使えてい

るかな。

◇アップとルーズの特徴を生

かして,写真と対応させな

がら文章を書いている。(リ

ーフレット)【書②】

◇指示語や接続語,文末表現

などに着目して,進んで推

敲している。(発言・リーフ

レット)【言②】

14

・友達と読み合い,感想を交流する。

・○○君は,写真と文章を

対応させながら書けてい

るな。

・内容のまとまりごとに段

落に分けて書けている。

◇視点に沿った感想を述べて

いる。(ノート・発言)【関

①】

★自己肯定感(振り返りの記

述)

作成したリーフレットを配布する。

15

・分かりやすい文の書き方や,この単

元で身に付けた力について振り返

る。

・喜んでもらえて,作った

かいがあった。

・分かりやすく説明する技

を,ほかの場面でも使っ

ていきたい。

◇リーフレット作りについて

の学習の意義を理解し,身

についた力(写真と文章の

対応など)についてまとめ

ている。(振り返りの記述)

【書②】

★自己肯定感(振り返り)

【めあて】久保さんの願いにこたえる方法を考えよう。

(1)第1時の目標

・教材文の説明の仕方に関心をもち,単元の見通

しをもつことができる。

(2)観点別評価規準

・単元を通してどんな活動をするかの見通しをも

ち,学習計画を立てようとしている。

・説明文の書き方に関心をもち,教材文を進んで

読み取ろうとしている。

実行

整理・分析

まとめ・創造・表現

振り返り

振り返り

説明の工夫を生かそう

Page 5: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

30 ・衣装のことや早変わりのことを伝えた

いよ。

・どんなものを配ったらいいかな。

・文章だけでは読みにくいかもしれない

ね。写真がいるよ。

・手に取りやすい方がいいよね。

・リーフレットがいいかな。

・知らない人に渡すんだから,神楽につ

いての全体の説明がいるよ。

・部分と全体を伝えるんだったらどんな

説明がいるのかな。

・「アップとルーズで伝える」が使えるよ。

2 これからの学習の見通しをもつ。

<学習計画案>

①単元全体の見通しや,学習の仕方,進

め方について計画を立てよう。

②「アップとルーズで伝える」を読み分

かりやすく説明する技を見つけよう。

③リーフレット作りに生かしたい工夫を

まとめよう。

④伝えたい内容を決めて取材しよう。

⑤取材メモや写真から,リーフレットに

使う資料を選ぼう。

⑥リーフレットで伝えたいことが伝わる

ように,写真を解説する文章を書こう。

⑦下書きをもとにリーフレットを完成さ

せよう。

⑧リーフレットを発表し合おう。

⑨リーフレットを配ろう。

⑩分かりやすく説明する技や,この単元

で身に付けた力について振り返ろう。

○神楽について伝えたいことを自由に出させ,

意欲をもたせる。

○どんな媒体を使って配布するかを考える際

に役立つよう,事前にリーフレット類を教室

に配置しておき,考えを引き出す。

○神楽の写真を見せ,「部分(アップ)」だけで

なく,「全体(ルーズ)」を伝えることの必要

性に気付かせ,教材文の活用につなげる。

○単元を通してどんな活動をするか,個人やグ

ループで考えさせる。

○思考ツール(ボックスチャート)を用いて視

覚化することで,多様な考えが出せるように

する。

○グループの考えを見合う時間をとり,全体で

の発表につなげる。

○リーフレットを配布するというゴールに向

けて,「必要だと思う活動」「その理由」を考

えさせることで,自分たちで学習のデザイン

をするという意識をもたせる。

◆自分の考えがうかばない児童には,ペアやグ

ループと相談したり,友達の考えに学んだり

するよう促す。

○分かりやすいリーフレットを作成するため

に,「アップとルーズで伝える」で見つけた

説明文の書き方の工夫を生かすことの必要

性に気付かせる。

◇単元を通してど

んな活動をする

かの見通しをも

ち,学習計画を

立てようとして

いる。

(発言・ノート)

★グループ学習で

考えを伝え合っ

たり共に考えた

りしている。

【コミュニケーシ

ョン能力】

(発言・行動観察)

3 本時を振り返り,次時の見通しをも

つ。

○発表することで,学習して分かったことの共

有化を図る。

【予想される児童の反応】

・「アップとルーズで伝える」を読んで説明

の仕方の工夫を見つける。

・見つけた工夫を使ってリーフレットを作

る。

・神楽のことを調べる。

・取材メモをつくる。

・写真を集める。

・文章の組み立てを考える。

・何を書くかを決める。

・お互いに見合って,直しをする。

・学習の振り返りをする。

【振り返り例】…B の例

・「アップとルーズで伝える」を勉強して見つけ

た説明の仕方の工夫を使えば,神楽の魅力を

伝えることができそうだ。

・いいリーフレットを作るために,分かりやす

い説明文の書き方をしっかり勉強したい。

・分かりやすいリーフレットを作るというゴー

ルに向けて,どんなことをしていけばいいの

かが分かった。

Page 6: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

【第2時】 情報の収集 整理・分析

(3)学習の展開 本時(2/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

1 前時を振り返る。

・分かりやすいリーフレットを作るため

に,これから「アップとルーズで伝え

る」を読んでいくんだな。

20

10

2 めあてを確認する。

3 第1~3段落の小見出しを考えるこ

とを通して,段落に書かれているこ

とをつかむ。

<第1段落>

ルーズでとった写真の描写と説明

<第2段落>

アップでとった写真の描写と説明

<第3段落>

アップとルーズの意味と問いかけ

4 筆者は,「何を」「どのように」説明

していたか,まとめる。

・写真を文章で詳しく説明している。

・初めに「アップ」と「ルーズ」の具体

例を示して,その後,「どんなちがいが

あるのでしょう」と問いかけている。

○「小見出し」とは何か,共通確認をする。

○2枚の写真と本文に書かれていることを比

べさせ,写真と文章が対応していることをと

らえさせる。

○サイドラインを引かせる活動を通して,第1

段落と第2段落には,共通する言葉がたくさ

ん使われていることに気付かせる。

○「とらの巻」に,分かりやすく説明する技を

集めることを想定して,出た意見をまとめ

る。

◇段落相互の関係

に気を付けなが

ら,アップとルー

ズの意味や,どの

ような問題が提

示されているか

を読み取ってい

る。(ノート)

5 本時の振り返りをする。

次時の見通しをもつ。

○発表することで,学習して分かったことの共

有化を図る。

【めあて】第1段落から第3段落までを読み,筆者が,何を,どのように説明

しているのか考えよう。

(1)第2時の目標

・写真と文章の関係に注意し,①②③段落相互の

関係を考えながら筆者が伝えたいことを読み

取る。

(2)観点別評価規準

・段落相互の関係に気を付けながら,アップとル

ーズの意味や,どのような問題が提示されてい

るかを読み取っている。

Page 7: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

【第3時】 情報の収集 整理・分析

(3)学習の展開 本時(3/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

1 前時を振り返る。

・第3段落では「アップとルーズでは,

どんなちがいがあるのでしょう。」とい

う問いかけで終わっていたな。

・次はその答えが書いてあるのかな。

20

10

2 めあてを確認する。

3 第4~6段落の小見出しを考えるこ

とを通して,段落に書かれているこ

とをつかむ。

<第4段落>

アップで分かることと分からないこと

<第5段落>

ルーズで分かることと分からないこと

<第6段落>

アップとルーズのまとめ(テレビの動画)

(伝えられることと伝えられないことが

ある)

4 筆者は,「何を」「どのように」説明

していたか,まとめる。

・写真と文章で,二つのことを比べて違

いがはっきり分かるようにしている。

・まとめるときは「このように」という

言葉を使っていて分かりやすい。

・「しかし」「でも」などの接続詞を使っ

て,分かることと分からないことを説

明している。

○2枚の写真と本文に書かれていることを比

べさせ,写真と文章が対応していることをと

らえさせる。

◆サイドラインを引かせる活動を通して,第4

段落と第5段落には,共通する言葉がたくさ

ん使われていることに気付かせる。

○「とらの巻」に,分かりやすく説明する技を

集めることを想定して,出た意見をまとめ

る。

◇段落相互の関係

に気を付けなが

ら,アップとルー

ズの長所や短所

を読み取ってい

る。(ノート)

◇接続語や対比的

な書き方に気付

いている。

(ノート)

5 本時の振り返りをする。

次時の見通しをもつ。

○発表することで,学習して分かったことの共

有化を図る。

(1)第3時の目標

・写真と文章の関係に注意し,④⑤⑥段落相互の

関係を考えながら筆者が伝えたいことを読み

取る。

(2)観点別評価規準

・段落相互の関係に気を付けながら,アップとル

ーズの長所や短所を読み取っている。

・接続語や対比的な書き方に気付いている。

【めあて】第4段落から第6段落までを読み,筆者が,何を,どのように説明

しているのか考えよう。

Page 8: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

【第4時】 情報の収集 整理・分析

(3)学習の展開 本時(4/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

1 前時を振り返る。

◆本時までに学習してきた,説明文の書き方の

工夫や段落の要点を掲示しておき,振り返

る。

10

15

10

2 学習した段落(1~6)を,役割分

担しながら音読する。

・6段落は「このように」と書いてある

ので,全体のまとめになっていると思

う。

・それなら7・8段落はいらないのでは。

・7・8段落は,何のことが書かれてい

るのかな。

3 めあてを確認する。

4 第7・8段落を音読し,筆者が第7・

8段落の説明を取り入れることで,

何を伝えたかったのか考える。

【個人】→【グループ】→【全体】

5 考えを整理する。

<第7段落>

写真の場合のアップとルーズの使い分け

<第8段落>

相手や意図に応じて使い分ける(全体の

まとめ)

○次のような役割分担で音読を行う。

A:アップに関わる内容を読むグループ

B:ルーズに関わる内容を読むグループ

全員:全体に関わる内容を読む

○筆者の考えは,リーフレットづくりにも生か

されることに気付かせる。

○実際に新聞を用意し,目的に応じて写真を選

んでいることを確かめさせる。

◇段落相互の関係

に気を付けなが

ら,新聞とテレビ

の場合を比較し

て読み深め,筆者

の伝えたいこと

を読み取ってい

る。(ノート)

6 本時の振り返りをする。

次時の見通しをもつ。

○リーフレットづくりに生かせることを取り

入れながら,振り返りを書かせる。

○次時では,これまでに学習した段落の役割を

まとめることを伝える。

(1)第4時の目標

・⑦⑧段落相互の関係を考えながら筆者が伝えた

いことを読み取る。

(2)観点別評価規準

・段落相互の関係に気を付けながら,新聞とテレ

ビの場合を比較して読み深め,筆者の伝えたい

ことを読み取っている。

【めあて】第7・8段落の内容と役割について考えよう。

【予想される児童の反応】

・アップとルーズは,テレビの映像だけでなく,

新聞の写真もあることを伝えたかった。

・テレビでも新聞でも,目的に合ったものを選ぶ

ことが大切だと伝えたかった。

【期待する児童の反応】

・テレビの映像でも新聞の写真でも,目的に合っ

たものを選ぶことが大切だと伝えたかった。

・テレビや写真だけではなく,リーフレットでも,

写真や画像で相手に伝える場合は,目的に合っ

たものを選ぶことが大切だと伝えたかった。

Page 9: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

【第5時】 まとめ・創造・表現

(3)学習の展開 本時(5/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

1 前時を振り返る。 ○前時までに学習してきた段落ごとの小見出

しを確認する。

20

10

2 めあてを確認する。

3 前文の音読を通して,段落相互の関

係を考える。

4 段落の組み立てを整理する。

2 1 対比

3 問い

5 4 答え

類比

8 まとめ

○役割分担をしながら音読をする。

A:アップに関わる内容を読むグループ

B:ルーズに関わる内容を読むグループ

全員:全体に関わる内容を読む

○音読を通して気付いたことはないか,話し合

わせる。

◆ペアで考える時間を取り入れる。

○段落と段落がつながり合って文章ができて

いることをつかませる。

○リーフレットで効果的に伝えるために,取り

出す情報と情報の組み合わせが明確になる

よう,段落構成をつかませる。

◇中心となる語や

文をとらえて,段

落相互の関係を

考えながら文章

全体の構成をつ

かんでいる。

(ノート・発言)

5 本時の学習を振り返り,次時の見通

しをもつ。

○文章全体を振り返り,どのような組み立てで

書かれていたか確認したこと,次時は,説明

の仕方の工夫についてまとめることを知ら

せる。

(1)第5時の目標

・それぞれの段落の役割を確認しながら読み,文

章全体の構成を考える。

(2)観点別評価規準

・中心となる語や文をとらえて,段落相互の関係

を考えながら文章全体の構成をつかんでいる。

【めあて】それぞれの段落の役割を考えよう。

【予想される児童の反応】

・1段落はルーズのこと,第2段落はアッ

プのこと,3段落はまとめになってい

る。

・4段落はアップ,5段落はルーズ,6段

落はまとめになっている。

・段落の組み立てが繰り返しになってい

る。

・この文章は3つのまとまりになってい

る。

Page 10: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

【第6時】 まとめ・創造・表現

(3)学習の展開 本時(6/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

1 「アップとルーズで伝える」で学習

してきたことを生かしてリーフレッ

トを作成することを確認する。

・これまでに学習してきたことをまとめ

て,リーフレットに生かしたいな。

30

2 めあてを確認する。

3 これまでに学習してきた「写真と文

章の対応関係」や「段落の組み立て」

などを見直し,リーフレットに生かし

たい説明の仕方の工夫点をまとめる。

【個人】→【グループ】→【全体】

◆掲示した教材文や写真を振り返らせ,これま

での学習から工夫点を想起させる。

◆思考ツール(ボックスチャート)を用いてグ

ループで考える時間を確保する。

○グループ同士でホワイトボードを見合う時

間を取り,よいと感じた意見に丸磁石をつけ

て評価し合う。

○実際のリーフレットからの気付きも含め,多

様な考えを出させ,学び合いを通して工夫点

を観点別に分けさせる。

◇写真と文章の対

応関係や段落相

互の関係,全体構

成などを見直し,

筆者の説明の仕

方の工夫点をま

とめている。

(ノート・発言)

★教材文や実際の

リーフレットか

ら見つけた「分か

りやすく説明す

る技」を整理し,

リーフレット作

成に生かそうと

している。

【知識・情報活用能力】

(ノート・発言)

4 本時の学習を振り返り,次時の見通

しをもつ。

・つなぎ言葉や問いを入れていきたい。

・初め・中・終わりの組み立ても大事。

○まとめた「とらの巻」をもとに,リーフレッ

トを作成していくことを確認する。

(1)第6時の目標

・筆者の説明の仕方の工夫を確かめ,リーフレッ

ト作りに生かしたいことをまとめる。

(2)観点別評価規準

・写真と文章の対応関係や段落相互の関係,全体

構成などを見直し,筆者の説明の仕方の工夫点

をまとめている。

【めあて】筆者の説明のしかたの工夫を「とらの巻」にまとめよう。

【期待する児童の反応】

<文の組み立てや,段落と段落の関係から>

・はじめ,中,終わりで組み立てられている。

・問いかけを入れる。

・具体的な例を出して説明している。

・段落ごとにまとめて書いている。

・つなぎ言葉をうまく使っている。

・対比や類比を使って説明している。

<写真と文章の関係から>

・伝えたい内容に合わせて,アップとルーズの写真をえらぶ。

・写真と文章を対応させて書いている。

・「~の写真を見て下さい。」「上の写真は~しているところです。」などの説明がある。

<その他>

・読みたくなるような見出しを工夫する。

・写真と文章の配置(レイアウト)を工夫する。

・表や図を利用したり,大事な言葉をこく書いたりする。

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【第7・8時】 情報の収集

(3)学習の展開 本時(7・8/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

10

1 リーフレット作成に向けて,神楽に

ついて自分が伝えたい内容を決める。

・神楽の衣装について紹介したいな。

・神楽の面のことを紹介しよう。

・道具の紹介もおもしろそうだ。

2 ルーズの写真とともに紹介する内

容について確認する。

・「神楽のことをよく知らない人」に紹

介するんだから,まず,ルーズで神楽

全体のことを知らせる必要があるね。

○自分が伝えたい内容をアップの写真ととも

に紹介することを確認する。

○ルーズの写真とともに,神楽とはどういった

ものか知らせる必要があることを確認する。

○アップとルーズの視点で取材をすることを

確認する。

70

3 めあてを確認する。

4 取材を行う。

◆何を知るためにインタビューするのか,目的

を明確にさせる。

○安芸高田神楽協議会会長の久保さんへのイ

ンタビューや,神楽門前湯治村の「かむくら

座」(神楽資料館)の見学を行い,自分の伝

えたい内容について取材する。

○見たり聞いたりして分かったことは,取材カ

ードに記入していくようにさせる。

◇進んで材料を集

めたり,分かりや

すくまとめて書

いたりしようと

している。

(ノート・発言)

◇自分の伝えたい

ことに合わせて

アップとルーズ

の視点をもって

取材している。

(ノート・発言)

★自分が伝えたい

内容について,知

識や情報を進ん

で収集している。

【知識・情報活用

能力】(ノート・

発言)

5 学習を振り返り,次時の見通しをも

つ。

・まだ分からないことがあるので,もっ

と調べていきたい。

・家の人にも聞いてこよう。

○自分の伝えたい内容に合う写真を探す必要

があることを確認し,主体的に取り組めるよ

う声をかける。

(1)第7・8時の目標

・リーフレットにのせたい内容を選び,取材する。

・取材したことを取材カードにまとめる。

(2)観点別評価規準

・進んで材料を集めたり,分かりやすくまとめて

書いたりしようとしている。

・自分の伝えたいことに合わせてアップとルーズ

の視点をもって取材している。

【めあて】 自分の伝えたい内容について取材しよう。

【予想される児童の反応】

・安芸高田の神楽の特徴は何だろう。

・衣装を早変わりするときは,どんなふう

にしているんだろう。

・お面はどのくらいの歴史があるのかな。

・女の人が鬼に変身するときのことをくわ

しく聞きたいな。

【期待する児童の反応】

・安芸高田の神楽は新舞で有名なんだな。

・新舞は,セリフが現代語に近いのでスト

ーリーが分かりやすいということが分

かった。

・早変わりする時の衣装は「肩切り」と言

うんだって。

Page 12: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

【第9時】 情報の収集

(3)学習の展開 本時(9/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

1 本時の学習内容を確認する。

・昨日分からなかったことをもっと調べ

てみよう。

・家の人にも話を聞いてきたよ。

・神楽団の練習についていって,写真を

撮って来たよ。

2 さらに調べる方法を確認する。

・神楽ガイドブック

・パンフレット

・インターネット

○自分の欲しい情報がない場合にどうすれば

よいのか,一つの情報だけを抽出してよいの

か等考えさせる。

○アップの写真では,表情や細かいところが分

かること,ルーズの写真では,全体の様子や

雰囲気がよく分かることを教材文に返って

押さえ,写真の収集につなげる。

15

20

3 めあてを確認する。

4 取材を行う。

5 グループをつくり,情報交換のため

の交流を行う。

【伝えたい内容が同一の児童同士】

【異なる内容を選んだ児童同士】

○取材の方法を選び,自分で,または友達と協

働して調べ活動を進めさせる。

○必要感の高い場を設定することで,情報交換

の必要性を実感させる。

○友達にとって必要な情報を知ることで,自分

が情報を得るだけでなく,情報を提供するこ

との意義を感じさせる。

◆交流がうまくいっていないグループがあれ

ば,適宜支援に入る。

◇進んで材料を集

めたり,分かりや

すくまとめて書

いたりしようと

している。(ノー

ト・発言)

◇自分の伝えたい

ことに合わせて

アップとルーズ

の視点をもって

取材している。

(ノート・発言)

★自他の取材内容

について進んで

情報交換してい

る。【コミュニケ

ーション能力】

(発言・観察)

6 取材カードを振り返る。

次時の見通しをもつ。

○自分の伝えたい内容について情報が十分に

集まっているか振り返らせる。

○十分でない場合は,必要に応じて継続的な調

べ活動を行うよう助言する。

(1)第9時の目標

・リーフレットにのせたい内容を選び,取材する。

・取材したことを取材カードにまとめる。

(2)観点別評価規準

・進んで材料を集めたり,分かりやすくまとめて

書いたりしようとしている。

・自分の伝えたいことに合わせてアップとルーズ

の視点をもって取材している。

【めあて】 自分の伝えたい内容について取材しよう。

Page 13: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

【第 10 時】 整理・分析

(3)学習の展開 本時(10/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

1 新聞記事を紹介する。

・安芸高田の神楽ってすごい。

・安芸高田の神楽のすごさをもっと知ら

せたいな。

・自分たちのリーフレットを見て,「神楽

を見てみたい」「安芸高田市に行ってみ

よう」と思ってもらえたらいいな。

○「神楽のことをよく知らない人に」「安芸高

田の神楽の魅力を伝えるリーフレットを作

る」という相手意識,目的意識を再確認させ

る。

10

20

2 めあてを確認する。

3 取材メモの中から伝えたい内容を

絞り,写真や資料を選ぶ。

・神楽はどんなものかが分かるような「ル

ーズ」の情報を入れよう。

・特に伝えたい早変わりのことは「アッ

プ」で伝えるぞ。

・自分の伝えたい内容が伝わるような写

真を選ぼう。

【個人】→【ペア】

4 選んだ情報を基に,文章の組み立て

表を作成する。

○文章,写真など,収集した資料から説明の目

的に応じて,より効果的なものを選ぶよう,

声かけをする。

○選んだ情報を丸で囲ませる。

○自分の選んだ写真や,載せたい情報について

伝えたいことや意図をペアで交流し,意見を

伝え合う。必要に応じて修正を行わせる。

○「初め・中・終わり」の組み立てを意識して

情報を整理していく。

○書く順序も吟味させる。

◆自分の考えがうかばない児童には,ペアやグ

ループと相談したり,友達の考えに学んだり

するよう促す。

○友達との交流を適宜入れさせ,必要であれば

修正を行うよう促す。

◇アップとルーズ

の特徴を生かし

て,写真と対応さ

せながら組み立

て表を書いてい

る。(組み立て表)

★文章,写真など,

収集した資料か

ら説明の目的に

応じて,より効果

的なものを選ん

でいる。

【知識・情報活用能

力】(行動観察・

組み立て表)

5 本時の振り返りを行い,次時の見通

しをもつ。

○発表することで,学習して分かったことの共

有化を図る。

(1)第 10時の目標

・取材して集めた資料の中からリーフレットに

使用するものを選ぶ。

・写真に写っている活動を説明するための段落

構成を考える。

(2)観点別評価規準

・伝えたい内容に合わせて,アップとルーズの視点

で選材している。

・アップとルーズの特徴を生かして,写真と対応

させながら組み立て表を書いている。

【めあて】リーフレットで伝えたいことが伝わるように,文章の組み立て表を

つくろう。

【振り返り例】

・自分が伝えたい内容に合わせて写真を選ぶことができた。

・使う写真を迷っていたけど,友達がアドバイスをしてくれたので,内容に合わせて決めるこ

とができた。

Page 14: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

【第 11 時】 まとめ・創造・表現

(3)学習の展開 本時(11/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

1 本時の学習内容を確認する。

・文章の組み立て表をもとに,下書きを

書いていくんだな。

10

25

2 めあてを確認する。

3 全体で,分かりやすい説明の書き方

について確認する。

4 写真に写っている活動を説明する文

章の下書きをする。

○「アップとルーズ」で学習した説明の仕方の

工夫を振り返り,確認する。

○「分かりやすく説明するための技」をまとめ

た「とらの巻」を基に,自分が使おうと思う

技を考えさせる。

○「とらの巻」で選んだ技がうまく使えている

かどうか,振り返らせるようにする。

○ペアで文章を見合い,お互いに助言する時間

を取る。

○友達の考えを聞いて,自分の文章を見直すよ

うに促す。

◆自分の考えがうかばない児童には,ペアやグ

ループと相談したり,友達の考えに学んだり

するよう促す。

◇アップとルーズ

の特徴を生かし

て,写真と対応さ

せながら文章を

書いている。

(リーフレット)

5 本時の振り返りをする。

次時の見通しをもつ。

(1)第 11時の目標

・取材メモをもとに,「分かりやすく説明する技」

を生かして文章を考える。

(2)観点別評価規準

・アップとルーズの特徴を生かして,写真と対応

させながら文章を書いている。

【めあて】リーフレットで伝えたいことが伝わるように,下書きを書こう。

Page 15: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

【第 12・13時】 まとめ・創造・表現

(3)学習の展開 本時(12・13/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

1 本時の学習内容を確認する。

○前時に引き続き,組み立て表を基に,下書き

を作成していくことを確認する。

75

2 めあてを確認する。

3 「とらの巻」を生かしながら,下書

きを作成する。

【個人】【ペア】

4 下書きをグループで読み合い,推敲

する。

【グループ】

5 下書きが出来上がった児童から,清

書の記述を行う。

○「とらの巻」で選んだ技がうまく使えている

かどうか,振り返らせるようにする。

○適宜時間をとってペアで文章を見合い,お互

いに誤字脱字をチェックしたり助言したり

する時間を取るよう促す。

◆途中で,工夫して書けているものをいくつか

紹介し,それを参考にしながら書けるように

する。

○次のような視点で作品を読み合う。

「初め・中・終わりの組み立てや,写真と文章

の対応関係はどうか」

「指示語や接続語,文末表現等が適切に使えて

いるか」

「神楽のことをよく知らない人に,伝えたい内

容が分かりやすく説明されているか」

○相互評価の結果を付箋に書かせることで,よ

い点や改善点を伝え合う。

○付箋を基に推敲を行い,必要に応じて修正す

る。

○相手意識をもち,丁寧に清書することを確認

する。

◇アップとルーズ

の特徴を生かし

て,写真と対応さ

せながら文章を

書いている。(リ

ーフレット)

◇指示語や接続語,

文末表現などに

着目して,進んで

推敲している。

(発言・リーフレ

ット)

6 振り返りを行い,次時の見通しをも

つ。

(1)第 12・13時の目標

・取材メモをもとに,「分かりやすく説明する技」

を生かして文章を考える。

・作ったリーフレットを見直し,文章の間違いを

正したり,よりよい表現に書き直したりする。

(2)観点別評価規準

・アップとルーズの特徴を生かして,写真と対応

させながら文章を書いている。

・指示語や接続語,文末表現などに着目して,進

んで推敲している。

【めあて】伝えたいことが伝わるように,リーフレットを作ろう。

【振り返り例】

・友達にアドバイスをもらって,文章を直すことができ,読みやすくなった。

・友達にほめてもらえて自信がついた。

・「とらの巻」にまとめていることを振り返りながら書いたので,勉強したことが行かせ

た。

Page 16: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

【第 14 時】 振り返り

(3)学習の展開 本時(14/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

1 本時の学習内容を知る。 ○作成したリーフレットを友達同士で読み,感

想を伝え合うことを確認する。

30

2 めあてを確認する。

3 学級全体でお互いのリーフレットを

読み合う。

4 読み合った感想を伝え合う。

5 本時の学習を振り返る。

○前時と同様に,「初め・中・終わりの組み立

てや,写真と文章の対応関係はどうか」「伝

えたい内容が分かりやすく説明されている

か」等の視点をもたせる。

○感想カード(付箋)に気付きや感想を書き入

れながら,作品を読むようにする。

○グループで読み合っている間に,グループの

様子や感想がよく書けている児童を確認し

ておく。温かい交流ができているグループ

や,視点が優れている感想を,適宜全員に伝

え,さらによい感想交流になるようにする。

○作品を交流しての感想や,めあてを意識した

友達の書きぶり,アドバイスについて感想を

交流させる。

○互いのよさを話し合わせることで,達成感を

味わわせ,自己肯定感を高めることにつなげ

る。

◇視点に沿った感

想を述べている。

(ノート・発言)

★各自の作品のよ

さや努力に応じ

た感想交流を通

して,自身の成長

に気付いている。

【自己肯定感】

(振り返りの記述)

5

6 リーフレットの配布に向けて,見通

しをもつ。

(1)第 14時の目標

・友達と読み合い,感想を交流する。

(2)観点別評価規準

・視点に沿った感想を述べている。

【めあて】リーフレットを読み合い,感想を伝えよう。

【振り返り例】

・○○君は,アップの視点とルーズの視点で,写真と文章とを対応させながら書いていたので,

内容が分かりやすくなっていたな。

・○○さんは,呼びかけの文を効果的に使っていたので,読む人が引きこまれると思う。

・「とらの巻」で目指していたことがきちんと達成できていたので,○○君のリーフレットは

読みやすい。

Page 17: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

【第 15 時】 振り返り

(3)学習の展開 本時(15/15)

分 学 習 活 動

・予想される児童の反応

○指導上の留意点

◆配慮を要する児童への支援

評価規準(方法)

◇教科の指導事項

★資質・能力

10

1 単元の学習を振り返る。

・リーフレットを気持ちよく受け取って

もらえたのでうれしかった。

・久保さんに喜んでもらえたので,役に

立った気がしてうれしい。

・リーフレットの作り方が分かった。

○神楽協議会会長の久保さんの依頼を受け,

「神楽のことをよく知らない人に,神楽の魅

力を伝えるリーフレットを作る」というゴー

ルに向かって学習してきたことを振り返ら

せる。

25

2 めあてを確認する。

3 単元を通して身に付けたことについ

て振り返る。

【個人】→【グループ】→【全体】

○これまでの学習をノートやファイル,掲示物

で振り返らせ,自己評価,相互評価に生かす。

○振り返りをノートに記述させ,グループ,全

体で,自分の学びを伝え合う。

◇リーフレット作

りについての学

習の意義を理解

し,身についた力

(写真と文章の

対応など)につい

てまとめている。

(振り返りの記述)

★新たに身に付い

た力を意識し,自

分や友達の成長,

よさに気付いて

いる。

【自己肯定感】

(振り返りの記述)

4 本時を振り返る。 ○単元を通して身に付けた力を今後に生かし

ていこうという意欲をもたせる。

(1)第 15時の目標

・分かりやすい文の書き方や,この単元で身に付

けた力について振り返る。

(2)観点別評価規準

・新たに身に付いた力を意識し,自分や友だちの

成長,よさに気付いている。

【めあて】この単元で身に付けた力について振り返ろう。

【振り返り例】

・学習計画を自分たちで考えたので,どんな勉強をするのか分かりやすかった。

・リーフレット完成まで長くかかったけど,神楽の魅力を伝えたいという気持ち

を強くもって自分も友だちも頑張ることができた。

・ボックスチャートなどの思考ツールを使って,グループで相談しながら勉強を

進めることができたので,学び合いが上手になってきた。

・テレビや新聞の写真が,目的や文章に対応しているか,意識して見るようにな

ってきた。これからも注意して見たり,考えたりしていきたい。

・分かりやすく説明する技をまとめた「とらの巻」が役に立ったので,他の勉強

でも使っていきたい。

1ページ目 3ページ目 2ページ目 4ページ目

Page 18: ~教材「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動 ......7 指導と評価の計画(全15時間) 次 時 学 習 内 容 児童の思考の流れ 評価規準(評価方法)

<ワークシート資料「とらの巻」>

「 神 楽 の み り ょ く を 伝 え る リ ー フ レ ッ ト 」 を 作 ろ う !

『 ア ッ プ と ル ー ズ で 伝 え る 』 で 見 つ け た 「 分 か り や す く 説 明 す る た め の 技 」 と ら の 巻 !

四 年 文 の 組 み 立 て や 、 段 落 と 段 落 の 関 係 か ら

○ は じ め 、 中 、 終 わ り で 組 み 立 て ら れ て い る 。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

○ 問 い か け を 入 れ る 。 「 ~ で し ょ う か 。 」 「 ~ あ り ま す か 。 」 な ど

○ 具 体 的 な 例 を 出 し て 説 明 し て い る 。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

○ 段 落 ご と に ま と め て 書 い て い る 。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

○ つ な ぎ 言 葉 を う ま く 使 っ て い る 。

「 で も 」 「 し か し 」 「 こ の よ う に 」 「 た と え ば 」 な ど ・ ・ ・ ・

○ 対 比 や 類 比 を 使 っ て 説 明 し て い る 。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

写 真 と 文 章 の 関 係 か ら

○ 伝 え た い 内 容 に 合 わ せ て 、 ア ッ プ と ル ー ズ の 写 真 を え ら ぶ 。 ・

○ 写 真 と 文 章 を 対 応 さ せ て 書 い て い る 。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

○ 「 ~ の 写 真 を 見 て く だ さ い 。 」 「 上 の 写 真 は ~ し て い る と こ ろ で す 。 」

な ど の 説 明 が あ る 。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

そ の 他

○ 読 み た く な る よ う な 見 出 し を 工 夫 す る 。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

○ 写 真 と 文 章 の 配 置 ( レ イ ア ウ ト ) を 工 夫 す る 。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

○ 表 や 図 を 利 用 し た り 、 大 事 な 言 葉 を こ く 書 い た り す る 。 ・ ・ ・

自分がリーフレット作りに使う技の

○に色をぬろう!

リーフレットを書き終えたら,読み返して,使えた技のマークに色をぬろう!