＜へき地教育＞多様な考え方にふれる算数科の合同学習の工夫 ·...

- 21 -

＜へき地教育＞多様な考え方にふれる算数科の合同学習の工夫－－同一課題の作成と自力解決を促す支援を通して

豊見城村立伊良波小学校教諭平良淳

Ⅰ テーマ設定の理由へき地の小規模校における課題として，学習が単

調になりやすい，練り合いがしにくく思考が深めに，。くい発表力や表現力が弱いことなどがあげられる

特に一人学びで学習することが多い極小規模校の複式学級では，これらの課題が顕著に現れている。このような課題を解決するために，交流学習，集

合学習，合同学習などを通して集団化を図り，社会性の発達を促している。算数科において異学年が同時に学習する合同学習

を行うことは，系統性や順次性が強いため，困難だといわれている。それでも，この学習を実践したことによって，児童は算数に関心を持ち始めたこと，

自分の考え方を順序立てて発表できるようになったことなどの変容がみられた。しかし，それぞれの学年や特性を考慮した課題設

定になりにくかったこと，多様な考えを出す課題作成が困難であったこと，また，個人差に応じた自力解決の支援が必要であったことなど，様々な問題点も出てきた。そこで本研究では，児童の実態を把握し，同一課

題を作成することによって，合同学習ができ，問題解決的学習の過程の中で，①多様な考え方にふれ，考え方のよさに気づくのではないか，②意欲をもって算数科の学習に取り組もうとするのではないかと考え，本テーマを設定した。

Ⅱ 研究内容１研究の全体構想図教育主要施策より小規模校の努力点として社会的な事情●へき地教育の充実 ●社会性の促進 ●過疎化，高齢化，少子化の傾向・合同学習の推進・表現力，発表力を育てる・青年人口の都市部流出・学習指導の実践研究・集団思考を育てる・児童数の減少

極小規模校での授業の特徴算数科の学習

集団化●集団で取り組みにくい ●授業を通しての願い（合同学習）・一人学び中心・多様な考え方を引き出したい

・個人内での多様性極小規模校の算数科学習・数学的な見方や考え方を育てたい・練り合いの場の少なさ

多様な考え方にふれる算数科の合同学習の工夫多様な考え方にふれる算数科の合同学習の工夫多様な考え方にふれる算数科の合同学習の工夫多様な考え方にふれる算数科の合同学習の工夫テーマテーマテーマテーマ－－同一課題の作成と自力解決を促す支援を通して同一課題の作成と自力解決を促す支援を通して同一課題の作成と自力解決を促す支援を通して同一課題の作成と自力解決を促す支援を通して

研究仮説研究仮説研究仮説研究仮説① 極小規模校において，学年差や個人差に考慮した算数科の同一課題を作成すれば，合同学習が成立し，問題解決的学習の過程の中で，発表を通して多様な考え方にふれ，考え方のよさに気づくことができるであろう。

② 極小規模校において，児童の実態を把握し，個人差に応じた支援をしていけば，一人一人が意欲的に取り組み，自力解決することができるであろう。

研究内容研究内容研究内容研究内容理１多様な考え方指１学習指導の工夫資算数科における合同学習論２同一課題による合同学習導２同一課題による検証授業料 ① １～３年生用同一課題資料研３問題解決的学習の指導過程実３仮説の考察作 ② ４～６年生用同一課題資料究４個人差について際成

授業仮説授業仮説授業仮説授業仮説○ 同一課題を作成すれば，合同学習が展開でき，学年の枠 ○ 発達段階の大きい児童の実態を把握し，個人差に応じを越えた話し合い活動の中から多様な考え方が出せお互いた支援をすれば，意欲的に取り組み，自力解決するであ,の考え方のよさに気づくであろう｡ろう。

学習指導の工夫学習指導の工夫学習指導の工夫学習指導の工夫○ 同一課題の作成 ○ 話型表の作成 ○ 児童の実態を把握 ○ 同一課題提示の工夫○ 問題解決的学習 ○ 練り合いの場の設定 ○ 支援案の作成 ○ 教具の工夫

検証方法検証方法検証方法検証方法① 自力解決の分析 ① 発表の観察 ① ﾚﾃﾞｨﾈｽﾃｽﾄ･ｱﾝｹｰﾄ･自己評価 ① 教具の効果② 自己評価による分析 ② ｱﾝｹｰﾄ調査･自己評価分析 ② 学習過程での支援 ② 児童の感想

- 22 -

２多様な考え方について(1) 基本的な捉え方算数科において，集団化を図り，極小規模校の課

題に対応できるようにするためには，問題解決的学習を取り入れた同一課題による合同学習がよいと考える。異学年が協同して学習できるこの方法で，同じ問題を解き，その解き方をみんなの前で発表することによって，多様な考え方が表出する。この考えをもとに練り合い，思考を深めていくことが大切である。このように，極小規模校では，多様な考え方が出

し合える授業形態を工夫していき，集団で学習をすることが必要である。(2) 多様な考え方の意義

，，相馬一彦氏は多様な考え方をすることによって次のような意義を見いだせると述べている。① 児童の学習意欲を高めることにつながる。

② 思考力を養うことにつながる。③ 個性を生かすことにつながる。(3) 多様な考えを深める議論の必要性加藤友廣氏は議論の必要性として，次の４点をあ

げている。① 思考の過程を明確にする。② 他人の考え方と自分の考え方を関係づける。③ 新しい考え方の発想に刺激を与える。④ 主体的・自発的な取り組みが促進される。(4) 多様な考え方の分類とその指導古藤怜氏らの理論をもとに，算数科の概念形成や

問題解決などの授業においてみられる児童の多様な考えを，多様性の意味や話し合いでの検討の仕方に着目して，４つに分類した。また，それぞれについての意味，検討の仕方を整理し，表１のようにまとめた。

表１多様性のモデル多様性のモデル多様性の意味話し合いでの検討の仕方

＜独立的な多様性＞ ○多様な考えが数学的なアイディア話し合いでは，それぞれの数学的なアイとして妥当であり，かつそれぞれディアのよさや着眼点のよさに気づかせるが互いに独立したアイディアであことが大切であり，妥当性の検討に重点がる場合。おかれる。

＜序列化可能な多様性＞ ○多様な考えが，数学的に見て一番話し合いでは，それぞれのアイディアのよい考え，次によい考え，という長所や短所について比較検討させることがように，それぞれのアイディアを大切であり，有効性の検討に重点がおかれ効率性という見地から序列化するる。ことができる場合。

＜統合化可能な多様性＞ ○多様な考えが，方法や結果に着目一つ一つの考えを理解し合った後，分類して一つにまとめられることがでしたり，共通性を見いだしたり，または新きる場合。しい観点を導入したりするなど，有効性・

関連性の検討に重点がおかれる。＜構造化可能な多様性＞ ○多様な考えが，ある観点からいく共通性の発見や新しい関連を導入するこ

つかのグループにまとめることがとによって，グループわけしたり，相互のでき，さらにそれぞれのグループ関連を明らかにしたりするなど関連性の検の間に関連性が認められ，全体と討に重点がおかれる。して一つの体系にまとめられる場合。

独立

序

列

統合

��

構造

３同一課題による合同学習について(1) 合同学習の定義とねらい一つの学校内で学級の枠を越えて，３個学年以上

を一緒にして授業を行う教育方法を合同学習とよんでいる。この方法を用いることで，集団の中で考えを練り合わせ，思考力をのばすことができる。

(2) 合同学習のよさ奈須正裕氏の理論をもとに，算数科における合同

，。学習と学年別指導を比較し図１のようにまとめた

学年別指導では･･･①個人レベルで課題解決の多様性に気づかせた。（量的には限界がある）。

。課 ②同学年による相互交流によって多様性を補った（練り合える効果がある）題。

③学年間の系統性を見つけにくい。を④一度きりの学習になることが多い。解

決合同学習では･･･す

①学年の枠を越え，人数が増えれば多様な考え方るがさらに増え，練り合い（討論）も深まる。際

，。②異なる立場から学べ異なる視点で深め合える。③異学年間で共通する思考に気づくことができる

④普段の学習と関連づけて繰り返し学習できる。図１学年別指導と合同学習の比較

- 23 -

3) 合同学習で活用する同一課題とは(「同一時間と同一場面で，複数学年の児童が同じ

教材を用いて同じような学習活動を行う」ために必要な課題を，同一課題と捉えている。この課題は，年間指導計画に基づく学習指導やト

ピック的な学習指導時において活用することが可能である。(4) 同一課題による学習のよさ同単元同内容指導に基づく同一課題による学習の

長所は，次の４点があると考える。第１に，同一課題で３個学年以上の全児童を直接

指導することにより，学習の深化・効率化が期待できる。第２に，３個学年以上の交流によって，話し合い

，，学習の活発化が見込まれ相互の思考が刺激されて問題解決的な思考力や態度が育てられる。第３に，同一の教材教具などの準備とその操作に

より，共通的な学習の徹底を図ることができる。

第４に，１学年あたりの児童数が減少している実態から複数学年の学級という構成を生かし，コミュニケーションを豊かにすることができる。(5) 合同学習を実践するための学級・環境づくり意義やよさだけでは合同学習は成立しにくい。合

同学習を実践するためには，普段から学習環境を整える必要がある。

，。まず新鮮味のある授業展開の仕方を考えること次に，できなくても，間違えても，励まし合えるような雰囲気をつくること。そして，話し合いに慣れさせること。さらに，友達のよさを認め，生かす雰囲気をつくることなどである。以上の点に留意し，環境を整え，授業に臨むこと

が大切である。４合同学習における問題解決的な指導過程合同学習の形式を問題解決的学習の流れをもと

に，低学年，高学年に大別した。表２は高学年の例である。

表２教師用高学年（４～６年）の場合学習過程

問題の理解（つかむ）計画の実行（しらべる）解決の検討（まとめる）学習の深化（ふかめる）(1) 問題場面の様子がわかる。 (4) 生活経験や既習の内容で立て (7) 自分のやったことを相手に (10) 他の問題でも適用でき①興味を手がかりにやってみたた見通しをもとに問題を解決わかってもらえるように考えるか確認する。い，という気持ちをもつ。する。ながら発表する。 ①友達の考えを取り入れ

(2) 問題をつかむ。 ①図や表などを利用したり，公 (8) 多様な考え方をまとめる。たり，新しく考えたや①類似問題や過去の問題との違式を用いるなど，手際よくで ①それぞれのよさを見つける。り方などを使う。いに気づいたりする。きる方法を用いる。 ②一番いいやり方を見つける。

②どのような解決方法をしてき ②具体的な操作を通して考える ③類似的なものをまとめたり， (11) 次時の予告を聞く。。たか思い起こす。 (5) 他の方法も考え，試みる。分類したりできる。

(3) 解き方を考える。 (6) 自分のやり方でよい解き方と (9) 振り返る。①仮説を立て見通しをもつ。思うものや教師に薦められた・わかったことをまとめる。②複数の解き方を想起する。解き方を発表する準備に取り

かかる。

５個人差について(1) 個人差とは人間は一人一人がいろいろな点において異なって

いる。そういう差異が個人差であるが，これを捉える観点として，個人と個人の間の差を問題とする場合と，一人の個人の内部の諸特性の差を問題とする場合がある（表３。ふつうに「個人差」と言うと）きには，個人間差異を対象としていることが多い。また，個人差は，量的差異と質的差異という２つ

の方向を区別することができる。具体的には表４のような場合がある。

表３個人間差異と個人内差異個人間差異個人内差異

多数の人を対象とし，個人内の（総合的，多個人間に見られるばらつ角的な）特徴を問題とすきのこと。るときの差のこと。

表４量的差異と質的差異量的差異質的差異

心身の機能，形態，大興味・関心の違いや，きさ，速さ，力量などに認知のスタイル，ものの差が見られるという場考え方のような場合。合。

(2) 授業において考慮すべき個人差の諸側面① 学習到達度の差ある学習が成立するための準備的・前提的な状態

（レディネス）の一つとして，個々の学習者がもつ学力差のようなもの。② 学習速度の差学習者がある学習内容を理解（習熟）するまでに

要する時間の違いというべきもの。③ 学習スタイル（認知スタイル）の差一般的にいえば，情報を処理する方策にあらわれ

- 24 -

る個人の特徴。例えば，思考には思索型・試行型があり，学習の理解の仕方には，言葉で表す，式で表す，絵や図で表すなどがある。④ 学習の仕方の差課題の受け止め方や考え方には個人による差異が

ある。⑤ 興味・関心の差学習者が学習の課題や内容に対してもつ興味・関

心の程度や方向にある個人差。⑥ 学習態度の差学習者が自主的・主体的に取り組む態度の差のこ

と。

⑦ 生活経験からくる背景差個人の成育過程から生じる自然的・社会的生活能

力の違いのようなもの。

指導の実際Ⅲ１検証授業

与那城町立伊計小学校( )(1) 対象 4年2名 5年4名 6年2名「広さはどのくらい？」(2) 教材名

「図形の面積」(3) 中心教材及び発展教材４年生「面積」５年生「図形の面積」６年生「立体の表面積」

共通目標（省略）／学年目標（省略）(4) 目標(5) 教材観（省略）

(6) 展開計画（抜粋）(共通)：期待できる数学的な力

領域時数第４～６学年の同一課題 <○○>：多様性の分類学年の表示：④４年生 ⑤５年生 ⑥６年生

Ｂ 1／5 一辺が４c㎡の正方形があります。この正方 (共通)○図形の中には，四角や三角など形形の広さを半分にした模様を作りましょう。 <独立> はちがうが広さは同じものがある<四角形を使った模様> <三角形を使った模様> ことがわかる。

○ある部分を囲んだ場所を広さといい，面積ともいうことがわかる。

④ 形は異なるが広さは等しいことに気づく｡,円や扇形を使った模様図形を組み合わせた模様 ⑤ 形を変えても広さは変わらないことに気づく。< > < >

⑥ ある部分で囲まれた図形を半分にする時，広さを変えなければさまざまな形に変えられることがわかる。

中略4／5 八角形の面積はどのくらいになるか，考えま (共通)○八角形は面積が求めにくいので，

しょう。 <統合> 測りやすい形に直して求積すれば＜変形方式＞＜分割方式＞＜移動方式＞よいことがわかる。

④ 八角形は面積が求めにくいので，図形を本時移動して，四角形の面積の求め方を使うとよい。⑤ 八角形の面積は求めにくいので，三角形や四角形にわけたり，よけいな部分を取り６×６＝36 ４×４=16 ４×６=24除いたりして求めればよい。２×２÷２×４=８ (2+4)×1÷2×4=12 ２×２＝４⑥ 八角形の面積は求めにくいので，広さを36-8=28 16+12=28 24+4=28変えないで，求めやすい形に直せばよい。28c㎡ 28c㎡ 28c㎡

以下省略

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

Ａ１Ａ２

Ａ３Ａ４

��

��

��

��Ｄ

��

��

��

��Ｃ

ＡＢ

��

��

��

��Ａ��

��Ｂ

��

��

��

��

��

(7) 児童の実態（省略） (8) 指導観（省略）(4/5) 共通・学年目標（省略）(9) 本時の指導

① 授業仮説○ 同一課題を作成すれば，合同学習が成立し，多様な考えにふれられるであろう。

○ 話し合い学習の手順や話型を示せば，自分の考えが発表でき，お互いの考え方のよさを見つけることができるで

あろう。

○ 児童の実態を把握し，個人差に応じた指導を行えば，進んで学習し，自力解決することができるであろう。

② 展開（略案）過学習活動と教師の活動・発言教師の支援・個人差に応じた支援と声かけ評価

支援…◎進んだ児童へ ○普通の児童へ △指導を要する児童へ程学習活動 ○教師活動 ●発言授 ○学習用具の確認をする。検証③学習意欲の喚起と不安解消業学習用具の準備 ◎「今日はどんな ○「今日はいくつ △「今までの勉強・教師の支援前 ○図形クイズをする。解答が出るのか楽ぐらいの考え方が通り，じっくり取は適切であっ

図形への想起しみだよ」出せるかな」り組んでみよう」たか。。。。

- 25 -

過学習活動と教師の活動・発言教師の支援・個人差に応じた支援と声かけ評価支援…◎進んだ児童へ ○普通の児童へ △指導を要する児童へ程学習活動 ○教師活動 ●発言

●これまでがんばったことを ★前時までにやった学習を掲示し，まとめていったことを紹介検証①前時の復習思い出そうする。・同一課題は。

つ ○ で問題を提示する。 ★過去のいい考え方を紹介し，児童に自信をもたせる。適切であったPowerPointか問題を確認するか。問題把握の確認(意欲向上・不安解消)む ◎「(特に声かけは ○「今日のめあて △「何を聞いてい検証③八角形の広さはどのくらいでしょう

なし。)」はわかりましたるのかわかりまし・教師の支援かいろいろな方法で求めてみましょう。。５ ○ワークシートを配布する。か」たか」は適切であっ。。分ﾜｰｸｼｰﾄへの書き込み ★そのまま活動に ★いったん声をか ★そばへ行き，再たか。

●めあての意味がわかりましたか。入らせる。け，問題解決をさ度問題把握に努め学習課題をつかむせる。る。

検証①-1自力解決の確認(解決の有無・心理的効果)解き方を考える ◎｢２つもできてい ○「このやり方は △「ここは…した・児童は自力

●たくさんの考え方が出せるようにるよ。他のやり方とてもいいと思いらどうだろう」で解決できて。がんばって下さいもﾁｬﾚﾝｼﾞしよう」ます」いるか。。。。

予想される児童の解答 ★新しい考え方も ★安心して学習が ★励まし，操作活しできるように自信継続できるように動などのヒントを＜変形方式＞ら大きな四角形として見た場合を与える。声をかける｡与える。べ × ２×２÷２×４検証③6 6 －自力解決の確認(解決の力）る＝２８ ◎｢他にも変わった ○「ﾋﾝﾄｺｰﾅｰの道具 △「一緒に考えて・教師の支援c ㎡

やり方を,ﾊﾟｿｺﾝをを使ってみたらどみようか」は適切であっ＜分割方式＞。図形を分割した場合使って見つけてうだろう」たか。。

ね｡｣４×４＋(２＋４)×１÷２×４

15 ＝２８ ★考えが行き詰ま ★具体物やﾊﾟｿｺﾝを ★具体物を活用さc ㎡分ったら，掲示用の活用させる。せて，ともに考え＜移動方式＞

図形の一部を指導した場合図やﾊﾟｿｺﾝを活用さる。自力解決の確認(解決の内容）2×２＋４×６せる。

＝２８ ◎｢移動，変形，分 ○「どこかを動か △「方眼紙を使っc ㎡割方式でも様々なして見るとできなてマス目を数えて＜その他の方式＞

１単位(c㎡)ずつ数えた場合考え方があるよ｡｣いかな」みよう」。。★いろいろなやり ★偏ったやり方を ★できない児童方を使った児童使った児童

発表の確認（心理的効果）発表の準備●自分の考えをワークシートに ◎｢最初に発表して ○「いい考え方を △｢話型表を見なが

まとめましょうくれると先生はうしてるから発表しらやってね｡｣。れしいな｡｣てね」。★発表に意欲的な ★発表ができる児 ★発表への抵抗の児童童ある児童

●司会さんお願いします。検証②ガイド役（司会）への賞賛解き方を発表・話し合いの

ま ●考え方をまとめよう。手順表は適切多様な考え方への気づき(統合化)と多様な考え方の整理 ★一つの考え方に ★グループわけが ★グループわけのであったか。め ●グループわけをしよう。整理できる児童できる児童 →○ 意味がわからない・話型表は適るグループわけをする →◎ 児童 →△ 切であった

●みんなに共通したやり方は？か。20 みんなの考え方を分一つにまとめる

）八角形は，広さは変えないで，測り共通理解（まとめ方の理解度やすい図形に変えて，求めればよい。○問題用紙を配布する。）検証①-2自力解決の確認（解決の有無と心理的効果

ふ ●この問題でもできるか，いろいろ ◎「他にもいいや ○「友達のよい考 △「自分が一番い・友達の意見か他の問題を解くな方法でやってみようり方だと思う考ええを生かそうとしいやり方だと思うを参考にでき。め方をいくつも使っていますね」やり方を使ってごたか。。るてみてね」らん」。。

★新しい考え方も ★安心して学習が ★励まし，操作活検証③５ ●今日の考え方は使えましたか。できるように自信できるように声を動などのヒントを・教師の支援分適用の確認を与える。かける。与える。は適切であっ

○次時予告をする。たか。共通理解（学習の理解度）次時予告を聞く

��

��

Ａ１Ａ２

Ａ３Ａ４

��Ｄ

��

��Ｃ

ＡＢ

��

��

��

��

��

��

��

��

１２

３４５６

７８９ 10111213 1415 1617 18

1920 212223 24

��

��

��

��

2526

2728

- 26 -

２学習指導の工夫(1) 同一課題の作成の工夫① 系統性の洗い出し合同学習が取り上げられにくいのは，３個学年で

ともに学習可能な課題が少ないことに起因している。同一課題を作成するために，まず，系統性を洗

。，，い出したこのことによって類似内容が発見でき同一課題作成の足がかりとなる。

表５同一課題の可能性を秘めた単元一覧４年５年６年

①文章題による計算問題から数小数×整数小数×小数分数×分数と小数÷整数小数÷小数分数÷分数計 ②計算法則に伴う問題から算整数における小数における分数における

除法の性質除法の性質除法の性質量 ①面積による求積問題からと長方形・正方形多角形の面積立体の表面積測の面積定

①作図による問題から基本図形の合同な図形の対称・拡大縮図

図かき方かき方のかき方②展開図による問題から

形直方体・立方体柱体・錐体ののかき方かき方①倍数の概念による問題から

整数倍小数倍分数倍②関数の概念による問題から

数変化の決まり比例の意味量 ③式表示による問題から関 □，△を χを用いた式係用いた式

④ｸﾞﾗﾌの概念による問題から折れ線グラフ帯・円グラフ柱状グラフ

⑤資料整理による問題から表の作成並べ方･組合せ方

② 同一課題の作成方針系統性のある内容をくわしく考察し，具体的な指

導計画として位置づけるには，下記の方針が必要となってくる。

表６課題作成の方針○個人差，学年差を感じさせないこと。○知的好奇心に訴え，意欲をもたせること。○既習事項が使えること。○適度な困難性をもたせること。○どの児童でも解決可能な問題にすること。○論理的な思考などをのばす可能性があること。○多様な考え方で解決できる問題にすること。

，。○話し合い活動を通して表現力・発表力を育成できること○算数科における共通目標，学年目標へと転化できること。○回を重ねるごとに学習目標に広がりをもたせること。○算数・数学的な価値があること。③ 領域ごとの同一課題の作成以上の条件を整え，課題を作成した（表７。）

表７作成した同一課題（一部領域）1 ・１辺が4c㎡の正方形の広さを半分にした模様を作り

ましょう。量 2 ・１辺が1c㎡の正方形12個分と同じ広さの形をたくさとん作りましょう。測 3 ・○○さんが考えた形は12c㎡でしょうか。いろいろ定な方法で確かめてみましょう。4 ・八角形の面積はどのくらいでしょうか。いろいろな

方法で求めましょう。B5 ・箱を広げた時の広さはどのくらいでしょうか。いろ

いろな方法で求めましょう。1 ・正方形が6つつながった形をいろいろ作りましょう｡

図 2 ・正方形を６つつなげた形からサイコロのような形になる図形をたくさん見つけましょう。

3 ・面を切り，いろいろな形の展開図をたくさん作って形みましょう。4 ・跳び箱のような形の展開図を書きましょう。5 ・自分のお気に入りの立体の展開図をかき，実際に組C

み立ててみましょう。検証授業校の児童の実態をふまえ，課題の難易度

に考慮し，今回はＢ領域（量と測定）の「面積」について取り上げることにした。(2) 実態把握の方法「島根式算数・数学の情意特性検査」を用い，児

童の算数科における意欲面，不安面を調査した。また，レディネステストで学力及び，思考パターンを把握した（表８。その結果をもとに，個人差に応）じた支援を計画する資料とした。

表８児童の個人差の把握児達成動機不安意学解答傾向童自内外活志成失緊発欲力4a ２２２３２３４３３２Ｈ移動4b ４４４４４４５５５３Ｌ単位量5c ４４４４５１１２３４Ｈ公式5d ５５５５５４５５５３Ｍ移動5e ５５３５５３３１２５Ｍ変形公式5f ５５４５５５５５５３Ｍ移動6g ３３３３４３４４３３Ｍ単位量6h ２３４３３２３２２３Ｍ公式＊情意特性検査の略号解説(自) 自主性 (内) 内的成功 (外) 外的成功(活) 達成活動 (志) 達成志向 (成)成功重要性(失) 失敗回避 (緊) 緊張感 (発) 発表不安(3) 問題解決的学習の流れの確認問題解決的学習を取り入れた合同学習を理解しや

すくするため，黒板に学習の流れを掲示し，授業の進行状況を明確にした（表９。）

表９合同学習の流れつかむしらべるまとめるふかめる

1 問題を知る 4 問題を解く 7 発表をする 10 新問題を解く2 めあてをかく 5 他の方法でも解く 8 みんなでまとめる 11 次時予告を聞く3 めあてを確認 6 発表の準備 9 先生とまとめる(4) 同一課題提示の工夫同一課題は「Power Point」ソフトで，アニメー

- 27 -

ション効果を用いて毎時間提示し，児童に課題を把，（）。握させ興味・関心を持って取り組ませた図２

図２第３時の例(5) 教師の支援① 個人差に応じた支援児童の情意，学力を把握し，情意面，学力面をそ

れぞれ３段階にわけ，個人差に応じた支援を表10，表11のように行った。

表10 個人差に応じた指導例（情意面）問題把握の確認（意欲の向上と不安解消）

◎すぐ理解できた児童・そのまま問題解決をさせる。○理解できた児童・声をかけ，問題解決をさせる。△理解できない児童・そばで，再度問題把握に努める。表11 個人差に応じた指導例（学力面）

自力解決の確認（解決の内容）◎どのやり方も使った・同じ方式でもやり方の異なるも

児童のがあることを知らせる。○１～２つのやり方を・異なる方式を使うように指示す

使った児童る。。△自力解決ができない・単位量あたりの量で数えさせる

児童② コンピュータを用いたヒントカード児童の考えを広げるための支援となるように「P，

」，ower Point ソフトでアニメーション効果を活用しマウスだけで操作できるように作成した。

まず，メニュー画面で多様な考え方を大別し，その考え方ごとに解き方を整理し，表示した（図３。）

図３考え方の大別画面次に，いろいろな解

き方を，操作用画面通りに全て提示し，選択しやすいように配列した（図４。）

図４考え方の項目画面

見たいものにスイッチオン！動かし方の方法

��

��

��

もどる

��

��

もどる

��

��

もどる

��

��

もどる

��

��

��

��

��

��

��

��

○○○さんの形は12c㎡？

いろいろな方法でたしかめよう！

○○○○○○○○○○○○

たくさんのやり方をたくさんのやり方をたくさんのやり方をたくさんのやり方を見つけてね！見つけてね！見つけてね！見つけてね！

��

��

��

��

��

どんな考え方が　　　　あるのかなあ？

ボタンをおしてね。ボタンをおしてね。ボタンをおしてね。ボタンをおしてね。

動かせないか動かせないか動かせないか動かせないか

くっつけられないかくっつけられないかくっつけられないかくっつけられないか

切れないか切れないか切れないか切れないか

ほかにはないかほかにはないかほかにはないかほかにはないか

解き方の画面では，アニメーション効果を最大限に活用し，図形の操作を視覚的にイメージ化できるようにした（図５。）

図５解き方の画面③ 具体物の使用操作活動が行いやすいように，方眼の工作用紙を

使って，授業で用いる図形を作成した。また，パズル的に組み合わせて解決できる厚紙の模型も準備した。(6) 「練り合い」時の話し合いの仕方多様な考え方は古藤怜氏らによって４つに分類さ

れている（理論の部参照。これをもとに，合同学）習でも段階を踏んで「練り合い」を経験させるよう

。「」，に配慮した効果的な練り合いができるように発達段階を考慮し，低学年・高学年に大別して表１の多様性のモデルごとに話型を作成した（表12 。）また，話し合いを自分たちの力で進める場面を設，（）。，定し手順表も作成した表13 この表によって

司会は話し合いを進めやすく，参加者も学習の流れがつかみやすくなると思われる。さらに，解き方の発表も論理的にできるように，

発表への不安・抵抗感も軽減できるように，発表コーナーを第３，４時のワークシートに設けた（表14 。）

表12 話型表（一部）みんなで話し合う時高学年用

○自分の解き＜できた時＞方を発表す ○ぼくは□□をするためには，○○なら

。（）る時できるだろうと考えました以下省略○友達のよさ ○△△君，△△さんの考えが○○なので

。。に目を向けいいと思います理由は～だからです（）る時以下省略

○質問をする ○…ということがわからないので，もう時一度お願いします。

表13 話し合いの手順表（一部）司会（ガイド的な役）の進め方高学年用

○自分の解き ①これから，自分で考えたやり方を発表方を発表すしてもらいます。る時 ②発表して下さい。

③○○さん，お願いします（以下省略）。表14 ワークシート内での発表コーナー

①ぼく・わたしは，八角形の面積を求めるために，

すればよいだろうと考えました。②まず（）をしました。，③次にをしました (となりました )，（。。）④そして（となりました。，）⑤だから，答は（）となりました。，

。。みなさんわかりましたか何か質問はありませんか

��

��

��

��

��

��

��

��

もどる

台形を動かす

三角形を　　動かす

��

��

�

- 28 -

３．研究仮説の検証(1) 研究仮説１の検証極小規模校において，学年差や個人差に考慮し

た算数科の同一課題を作成すれば，合同学習ができ，問題解決的学習の過程の中で，発表を通して多様な考え方にふれ，考え方のよさに気づくことができるであろう。① 多様な解決ができたか児童の実態に即した同一課題を作成し，いろいろ

な解き方で答を導き出させるような指示，支援を行うことによって，表15のような自力解決の数が得られた。児童はいろいろな見方・考え方で自力解決をすることができるようになってきた。また，児童は，発表を通して，友達の考え方を知

り，その考えと自分の考えを組み合わせて，解答を再構築していった。さらに，自分の考え方に修正を加え，より効率的なもの，汎用性があるものを追求する様子がうかがえた。

表15 個人内多様性での自力解決の数

時多様性４年５年６年数の種類ａｂｃｄｅｆｇｈ

３+１３+０２+０４+０１+０３+０３+０第四角形１+１５+３１+１２+２５+０３+０１+０１三角形欠

１+２０+１０+１０+２時組合せ７+１１+０３+０１+０１+１３+０２+０第四角形

１+０１+１１+０１+１２三角形６+１０+１１+１２+１０+３時組合せ０+１０+１１+１０+１１+０１+１１+１第変形１+２０+２１+０１+０２+１１+３０+２１+１３移動

０+２１+３０+１時分割１+０１+０１+０１+０その他

１+１０+１０+１１+１第変形２+２０+２１+２１+２１+０２+３１+０２+２４移動０+１０+１１+０１+２０+１時分割

１+０その他＊自力解決数の解説

自力解決：個人での自力解決新たな考えでの自力解決+

② 多様な考えにふれられたか多様性の分類モデルを授業で活用すると，児童の

学習に深まりが出た。また，多様性について考え方を整理することができた。図６は，本時の思考の流れを表したものである。まず，個人内での多様性を見いだした自力解決の

中から，適切だと思う考え方を一人ずつ発表した。この時に児童は「自分の考え方を詳しく説明でき，た」と自信をつけるとともに「こんな考え方も。，あるんだなと思った「すごいと思った」など，。」。友達の考え方のよさを知ることができた。次に，個々の求積方法を整理し，児童は自分たち

のわかりやすい言葉を用いて「正方形でしょう（変形方式「長方形でしょう（移動方式「切れて）」）」る（分割方式「瞬間移動（移動方式」の４つの）」）グループに分類した。前時の繰り返しではあるが，この時「独立的な多様性」として，整理する活動，を行った。その後，共通する考え方を発見するための話し合

いをし今まで習ったやり方を使って解くこと既，「（習学習の利用「わかりやすい図形にしたこと（基）」になる考え方「八角形の面積は全て同じである）」こと（基になる考え方」という３つの結論を導き）出した。これらの考え方は，一つのまとまりになっている

こと，つまり「統合化可能な多様性」であること，にふれることができた。このように，合同学習での発表によって，多様な

考え方が表出し，それらを分類・整理することで，思考を深めていくことができたと考える。

それぞれの発表統合化グループわけ

全てに共通すること↓

○今まで習ったやり方を使ったこと。｢正方形でしょう｣｢長方形でしょう｣｢切れてる｣

○わかりやすい図形に直したこと。○面積は等しいこと。

｢瞬間移動｣

図６本時「統合化可能な多様性」のまとめ方

��

��Ａ��Ｂ

��

��

��

��

��

��

��

Ｄ

��

��

��Ｃ

ＡＢ

��

��

１２

３４５６

７８９ 10111213 1415 1617 18

1920 212223 24

��

��

��

��

2526

2728

��

��

��

��

��

��

��

Ａ１Ａ２

Ａ３Ａ４

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

Ａ１Ａ２

Ａ３Ａ４

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��Ａ��

��Ｂ

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

１２

３４５６

７８９ 10111213 1415 1617 18

1920 212223 24

��

��

��

2526

2728

��

��

��

Ｄ

��

��

��

Ｃ

ＡＢ

- 29 -

③ 考え方のよさに気づくことができたか合同学習をすることによって，いろいろな考え方

で問題を解こうとする態度が育ってきたことを図７から見ることができる。また「自分の番で質問が出たとき，Aさんが『式を３つから２つにしたらもっと簡単にできるよ』と言われて，あそうか，と勉。強になった」という感想などから，友達の意見を。参考にし，受け入れていることが図８からわかる。

図７いろいろな考え方への意欲

図８友達の考えに対しての思い

(2) 研究仮説２の検証極小規模校において，児童の実態を把握し，個

人差に応じた支援をしていけば，一人一人が意欲的に取り組み，自力解決することができるであろう。① 学習意欲が向上したか「島根式算数・数学の情意特性検査」を用いた児

童の学習意欲の把握は，学習のレディネス以外にも有効であることが表16からわかる。特に，学習指導の中で，個人差に対応して細かく指導助言を行ったことが学習不安を軽減し，自力解決を促し，学習意欲を向上させたように思われる。

表16 検査結果単位：点判定達成動機不安面意欲面総合評価

実施前→後４→４４→３３→４② 意欲的に発表ができたか児童は，合同学習で話型表や話し合い手順表をも

とに考え方を述べることによって，算数科での発表の仕方を知った。そのため，発表への抵抗がある程度軽減され，発表への意欲も高まってきたことが，

表17,18からうかがえる。表17 発表への意欲単位：人

発表したいぜひしたいしたいあまりいやだ３→６４→２１→００→０実施前→後

表18 授業中の発表回数単位：人４回以上３回１～２回０回

第１時０１４１第２時００６１第３時２３３０第４時１４３０

③ 教具は自力解決に役立ったかコンピュータを用いたヒントカードは使用頻度が

，，少なかったが休み時間などを通して紹介したので活用への欲求が高まってきたといえる（表19 。）また，具体物や掲示物などは頻繁に活用し，自力

解決に役立てていた。コンピュータのヒントカードの感想単位：人表19

勉強に役立つかかなり役立つあまりだめ人数５２００

使わない授業中に使うか必ず使うあまり人数６１００

＊回収７人：調査日に一人欠席のため④ 合同学習への意欲が高まったか自力解決ができ，自信をつけていった児童は，実

施前に比べ，実施後には意欲的に学習していこうとする姿が見られるようになった（図９。）

図９合同学習への意欲

⑤ 自力解決を促せたか八角形の面積を求める問題を４～６学年に提示す

ると，各学年ともそれぞれの能力に応じて自力解決して学習することができた。表20は，児童の自力解決の結果を示したものであ

る。児童の実態把握をもとに，コンピュータによるヒントカード，ヒントコーナーの掲示資料，厚紙の模型，方眼図，助言などを準備し，それらを個人差に応じて使いわけ，児童の思考を大切にするように支援した。この結果，児童は心理的な安定感の中で，自分の

能力にあった解決の仕方を見つけることが可能となり，生き生きと学習する姿が見られ，それぞれの能力に応じて自力解決することができた。

0

2

4

6

8人

ぜひやりたいやりたいあまりやりたくないやりたくない

多様なやり方をしたいか？実施前

実施後

0

2

4

6

8人

とてもなった　なったあまりならないならない　

友達の考えは参考になりましたか？

第１時

第２時

第３時

第４時

0

2

4

6

8人

ぜひやりたいやりたいあまりやりたくないやりたくない

合同学習をやりたいですか？

実施前

実施後

- 30 -

表20 本時自力解決の結果変形方式移動方式１移動方式２移動方式３移動方式４移動方式５移動方式６移動方式７分割方式その他の方式

児童考えた方式操作の仕方自力解決の方法教師の支援と回数ａ移動方式１ﾜｰｸｼｰﾄ図 ○長方形・台形に分割台形をさらに再分割し，移動･解決方法の確認３回４回

４移動方式２厚紙切断 ○長方形の公式を利用し，１c㎡で数えて確認･２つ目の解き方指示○三角形を移動し，四角形へ･問題把握の確認と見通しの確認

年ｂその他の方式ﾜｰｸｼｰﾄ図 ○１c㎡を数える･解決方法の確認３回６回･間違いの指摘

○厚紙を切り，四角形への操作中で時間切れ･２つ目の解き方指示ｃ変形方式ﾜｰｸｼｰﾄ図 ○６×６＝36 ４×２＝８ 36－８＝28 ･解決方法の確認１回１回移動方式３厚紙切断 ○２×２＝４４×６＝24 ４＋24＝28 ･２枚目厚紙を配布移動方式４厚紙切断 ○厚紙を切り，組み合わせる･解決方法の確認２回

５ｄﾜｰｸｼｰﾄ図 ○１c㎡を数える２回移動方式３ﾜｰｸｼｰﾄ図 ○４×６＝24 ２×２＝４ 24＋４＝28

厚紙切断年移動方式４ﾜｰｸｼｰﾄ図 ○４×6＝24 ２＋２＝４ 24＋４＝28 ･解決方法の確認２回ｅ分割方式ﾜｰｸｼｰﾄ図 ○正方形，台形の公式を利用･声かけ｢絶好調｣２回

○4×4=16 (2+4)×1÷2=３ 3×4=12 16＋12=28移動方式５厚紙切断 ○台形を移動し，長方形へ･問題把握の確認と見通しの確認

ｆ ○４×２＋４×２=16 ６×２=12 ８＋８＋12=28 ･解決方法の確認３回６回移動方式６厚紙切断 ○６×２＝12 ８×２＝16 16+12＝28 ･声かけ｢面白いね｣｢いい方法｣

６ｇ移動方式３厚紙切断 ○１c㎡を数える･解決方法の確認２回３回変形方式厚紙切断 ○６×６＝36 ４×２＝８ 36－８＝28 ･面積の確認

年ｈ移動方式４ﾜｰｸｼｰﾄ図 ○６×６＝36 １×２＝２２×４＝８ 36－８＝28 ･解決方法の確認２回２回移動方式７ﾜｰｸｼｰﾄ図 ○４×２＝８６×２＝12 ４×２=８８＋12＋８＝28

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

１２

３４５６

７８９ 10111213 1415 1617 18

1920 212223 24

��

��

��

��

2526

2728

��

��

Ｄ

��

��

��Ｃ

ＡＢ

��

��

��

��

��

Ａ１Ａ２

Ａ３Ａ４

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��Ａ��

��Ｂ

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

��

Ⅳ まとめと今後の課題１成果(1) 同一課題によって多様な考え方にふれる同一課題を作成し，合同学習で多人数化を図り，

練り合いの場で集団思考を促したことによって，多様性にふれ，個人や集団の思考に深まりがでたと考える。(2) 同一課題によってお互いに磨き合える話し合いの場では，６年生が５年生の建設的な意

見を素直に受容する場面や，上級生が下級生に指摘する場面などがみられた。これらの経験によって，児童に内在していた合同学習のイメージが「下位学年に合わせる学習」から「協同する学習」へと変容していったようである。(3) 解決への自信と意欲の高まりどの時間でも自力解決できたことによって，確実

に自信をつけ「みんなの前で自分の考えを発表し，たい「合同学習をもっとやってみたい」という」，意欲の喚起につながったと思われる。(4) 個人差への支援諸調査を用い，児童の実態を把握することで，学

習環境を整えることができ，児童の意欲的な取り組みを可能にするとともに，自力解決を促す支援に役立つことがわかった。２今後の課題(1) 集団思考の深め方児童は，合同学習を通して考え方を発表できるよ

うになってきた。しかし，相手の考えを引き出す質問・応答などの表現力を伸ばす必要がある。今後，発表の仕方を改善し，集団思考をより高めたい。(2) 多様な考え方をより広げるための時間確保自力解決の時間は，１単位時間で最大15分の確保

にとどまった。個人内での多様性をより深め，集団思考を通して，多様な考え方を広げるためにも，十分な自力解決の時間を確保したい。(3) 総合的学習の時間での活用山極氏は「総合的な学習の時間」を，学習の基，

礎となる「読み，書き，算数」の定着を図るために活用できると述べている。極小規模校の努力点である「発表力・表現力の向上，集団思考の育成」を学校課題として捉えれば「総合的な学習の時間」で，の合同学習の活用も可能ではないかと考える。

＜主な参考文献＞古藤怜他編『算数科多様な考え方の生かし方まとめ方』東洋館 1992伊藤説朗監修『子供の考えが生きる算数学習』明治図書 1996ー個人差への対応と解決の練り上げー

- 31 -

��

��

��

��

��

��







��

��

��

��

��







＜へき地教育＞ 多様な考え方にふれる算数科の合同学習の工夫 ·...

Documents

＜へき地教育＞多様な考え方にふれる算数科の合同学習の工夫 ·...