ir data coming soon…. - 徳島大学工学部化学応用工学 …‹•数 åraman l å0 åvib...
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分子振動の振動数 赤外吸収分光、ラマン散乱分光で直接検出できる。
<赤外吸収>
極性分子(電気双極子を持つ分子)の振動により、分子振動と同じ振動数の赤外線が吸収
される。(ラジオやスマホのアンテナが電波を吸収するのと同じ原理です。)
<ラマン散乱>
光が分子振動によって散乱される過程。量子力学的には、光の量子(光子、フォトン)が
分子振動の量子(量子化された調和振動子)を作り出す、あるいは吸収する過程。励起光
として用いる単色レーザー光の振動数 0に対して、分子振動の振動数 vib だけずれた振
動数 Raman 0 vib をもつ微弱な散乱光を検出する。通常は-の過程(ストークス過
程)の信号が、+の過程(アンチストークス過程)よりもずっと強い。
様々な分子はそれぞれに固有の分子振動数を持っているため、赤外、ラマンのデータを文
献と比べることにより、分子や化学結合などの同定を行うことができる。このため、分子
振動の振動数は「指紋振動数」とも呼ばれ、赤外やラマンは化学分析における強力な手法
となっている。
例として下図に、空気中の CO2および H2O による赤外吸収スペクトルの実例を示す。
(なぜ N2や O2の分子振動は赤外吸収で観測されないのでしょう??考えてください)
IR data coming soon….
<調和振動子1個の平均エネルギーの温度依存>
(a) 調和振動子1個の平均エネルギー(期待値):⟨ ⟩ exp 1 、
ただしエネルギーの単位は 。
(b) 高温極限での漸近線:
(c) ⟨ ⟩と漸近線の差:⟨ ⟩
(d) 比熱 ⟨ ⟩⁄ 、比熱の単位は 。
-2
0
2
4
6
8
10
0 2 4 6 8 10-0.1
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0
1
0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
(a)
(b)
(c)
(c)
(a)
(b)
(d)
En
ergy/
ω
Ene
rgy/
ω ,
(比熱
)/k
d
No.16
<上図>
CO2分子の変角振動・回転結合モードによる赤外線吸収。横軸は波数(cm-1)。
(岡村による未出版データ)
(a) スペクトルにおける鋭い吸収は、いずれも CO2分子の変角振動と回転運動が結
合した状態の間の光吸収に起因する。いずれも振動準位 0から 1への励起に
伴う吸収であり、結合している回転準位に関しては、630 cm-1から 710 cm-1にかけ
てほぼ等間隔で分布する吸収が選択則∆J 1を満たす回転準位間の遷移に対応す
る。また 668 cm-1付近の吸収は、(b)で拡大表示するように狭い間隔の吸収の集まり
である。これら吸収はいずれも∆ 0の吸収であるが、の値によって慣性モーメン
トがわずかに異なることを反映して数多くの吸収が観測される。詳細は次のページ
および授業中に説明する。
0
0.01
0.02
0.03
0.04
620 640 660 680 700 720
CO2
Inte
nsi
ty (
au
)
0.01
0.02
0.03
664 665 666 667 668 669 670 671 672 673
2012/8Ge/KBr/MCT
CO2
Wavenumber (cm-1)
Inte
nsi
ty (
au
)
(a)
(b)
3 4 5 6 7 3 4 5 6 7
回転準位(J)
0 1 振動準位(変角振動)
667.4 cm-1
回転準位(J)
12
光吸収:∆ 0, 1でおきる(選択則)
2 2
∆ 0
0
0.01
0.02
0.03
0.04
620 640 660 680 700 720
CO2
Inte
nsity
(au
)
0.01
0.02
0.03
664 665 666 667 668 669 670 671 672 673
2012/8Ge/KBr/MCT
CO2
Wavenumber (cm-1)
Inte
nsi
ty (
au
)
∆ 1
∆ 0
∆ 1 0
1
∆ 1
1 → 0
2 → 1
1 → 2
2 → 3
3 → 4
( H はフェルミ粒子)
( N はボーズ
粒子)