iso9001:2015規格 効果的な内部監査 効果的な内部...by nsweb 3-3 iso/iaf tc176...
TRANSCRIPT
by nsweb 3-1
効果的な内部監査
目 次
1. ISO9001:2015規格の内部監査の目的
2. 監査プログラム
3. QMSの適合性の監査
4. QMSの有効性の監査
ISO9001:2015規格
by nsweb 3-2
1. ISO9001:2015規格の内部の目的
9.2.1 一般
組織は,品質マネジメントシステムが次の状況にあるか否かに関する情報を(経営者に)提供するために,あらかじ定めた間隔で内部監査を実施しなければならない。
a) 次の事項に適合している。
1) 品質マネジメントシステムに関して組織自体が規定した要求事項2) この規格の要求事項
b) 有効に実施され,維持されている。
適合性
有効性
by nsweb 3-3
ISO/IAF TC176
審査実施研究グループ(APG)からの報告
企業にとって役に立つ審査とは
適合
不適合
QMSの成熟度
ゾーン3
ゾーン1 ゾーン2
ゾーン4
「品質文化」の成熟度低い 高い
(品質文化:組織の品質に対する認識、コミットメント、組織全体の態度、及び習慣)
by nsweb 3-4
ISO/IAF TC176
審査実施研究グループ(APG)からの報告
ゾーン1:成熟度の低い「品質文化」ISO9001に適合しておらず、QMSの成熟度も低い企業
組織に「どのように」品質マネジメントシステムを実施したら良いか及び/又は「どのように」不適合を是正したら良いかというアドバイスを提供する。
重要なのは、特定された全ての不適合を組織に報告すること。
ISO9001の要求事項に適合するためには何をする必要があるのかを組織は明確に理解する
組織が不適合を解決することについて認識できれば、それがパフォーマンスの改善につながる。
by nsweb 3-5
ISO/IAF TC176
審査実施研究グループ(APG)からの報告
ゾーン2:成熟した「品質文化」ISO9001に適合しておらず、QMSの成熟度が低い企業
組織はビジネスのエクセレンス・モデルや、方針管理、品質機能展開、FM
EA、5S、系統的問題解決、QCサークルなどの総合的品質管理のためのツールをベースにマネジメントシステムを構築している
組織のプロセスをISO9001に照らして理解することに努めるべきで、プロセスの見直しや、規格の構成に忠実に沿った文書化を要求したりしない。
組織のやり方を認識し、それがISO9001の要求事項を満たす上でどの程度効果的であるかを判断する。
組織はこれらのツールを全体的な品質理念の一部として利用しているのかもしれませんが、ツールが導入されている中にも未だギャップが存在する可能性はあります。構造的な問題があるならばそれを明らかにし、適切な不適合を挙げる。
by nsweb 3-6
ISO/IAF TC176
審査実施研究グループ(APG)からの報告
ゾーン3:長期間にわたり認証を維持しており、ISO9001に対するハイレベルな適合性を実証することができるにもかかわらず、組織全体において本当の意味で「品質文化」を実施していない企業
QMSを組織自体のニーズや期待からというよりは、顧客からのプレッシャ
ーによって実施しており、システムを規格の要求事項そのままに構築しているようなケース。
ISO9001を基礎とした品質マネジメントシステムを構築し、そのシステムを日々の業務と統合するための手助けをすることを第一の目標とする。
組織にとって、どのようにしたらQMSをより効果的で役に立つものにできるかについて質問する。
「改善の機会」を明確にすることにより、QMSの有効性を高めるための手段を示す。
適合性監査から有効性監査に移行する!
by nsweb 3-7
ISO/IAF TC176
審査実施研究グループ(APG)からの報告
ゾーン4:成熟した「品質文化」ISO9001に適合した成熟度の高いQMS
このような組織に対して付加価値を与えるのは、審査員にとっては最も至難の業で、高い力量が必要である。
審査員は組織の戦略的目標を明確に理解し、QMS審査が組織の目標達成に貢献できるような形で実施する。
審査員はトップマネジメントと詳細な議論を行うための時間を確保し、組織のQMSに対する期待を明確にし、そしてその期待を審査基準の中に組み込む。
by nsweb 3-8
2. 監査プログラム
9.2.2 内部監査プログラム
内部監査プログラムを確立するとき,組織は
• 関連するプロセスの重要性
• 組織に影響を及ぼす変更
• 前回までの監査の結果
を考慮に入れなければならない。
by nsweb 3-9
ISO19011:2011 監査プログラム
トップマネジメントは、監査目的が設定されていることを確実にし、監査プログラムを管理する力量を有する管理者を任命する。
• マネジメント規格に対する要求事項を満たす
• 契約上の要求事項への適合を検証する(二者監査の場合)
• マネジメントシステム及びそのパフォーマンスの改善に寄与する
• マネジメントシステムの有効性を判定する
• マネジメントシステムの目的が、その方針及び全体的な組織の目的と両立し、整合しているかを評価する
監査プログラムの目的の例 (ISO9011:2011 5.2項)
適合性
有効性
適切性
by nsweb 3-10
3. QMSの適合性の監査
• ISO9001:2015 規格との適合性
添付のサンプル
ISO9001:2015移行内部監査チェックリスト参照
by nsweb 3-11
4 QMSの有効性の監査
「マネジメントシステムの有効性」を検証するため、アウトプットに着目し,“結果”または“実施された程度(パフォーマンス)” が目標又は期待された結果を生み出すようになっているかどうかを判定し、改善の機会を提供する監査。」
「規格適合性だけでなく、規格がシステムとして有効に機能しているかどうかを、パフォーマンスが向上しているかどうかで判断する監査。」
ISO9001研究会の定義(第15回 JAB/ISO9001公開討論会より)
経済産業省の定義(認証制度の信頼性確保のためのガイドラインより)
by nsweb 3-12
「マネジメントシステム(MS)の有効性」
MSの有効性とは
MSの意図した成果を達成していること
• 適切な目標が設定されていること。
• 目標が達成できなかった場合は、その不適合について、システムに起因する原因を究明し、是正処置及び予防処置を行い、システムが効果的に機能するように継続的に改善すること。
QMSの意図した成果とは
- 製品及びサービスの品質保証- 顧客満足の向上
(ISO9001:2015 1 適用範囲)
MSの有効性の継続的改善とは
by nsweb 3-13
「品質マネジメントシステム(QMS)のパフォーマンス及び有効性の改善」
(ISO9001:2015 5.1.1)• トップマネジメントは、QMSの有効性に説明責任を負う。
• リスク及び機会への取り組み (ISO9001:2015 6.1)
a) QMSが,その意図した成果を達成のできるという確認を与える。
• 運用 (ISO9001:2015 8.1)箇条6で決定した取組を実施するために必要なプロセスを計画
し、実施し、管理する。
• 組織はQMSのパフォーマンス及び有効性を評価しなければならない。 (ISO9001:2015 9.1.1)
• 組織は,顧客要求事項を満たし,顧客満足を向上させるために,改善の機会を明確にし,選択しなければならず,また,必要な取組みを実施しなければならない。 (ISO9001:2015 10.1)
c) QMSのパフォーマンス及び有効性の改善。
内部監査の主たる位置づけ
P
D
C
A
2015年版の
by nsweb 3-14
QMSの有効性監査の着眼点(被監査者:経営者)① 組織の目的/使命は何ですか。
② 組織の内部・外部の課題/利害関係者の要求事項は何ですか。
③ 目的/使命を達成するためにどのような方針を確立しましたか。
④ これらの方針が理解されていることをどのように確認していますか。
⑤ リスク及び機会は何ですか。
⑥ リスク及び機会の取組みで改善が可能なものは、品質目標に織り込んでいますか。
⑦ 品質方針と整合して、リスク及び機会を考慮し、組織の全体又は部門ごとに品質パフォーマンス指標が設定されていますか。
⑧ 組織内に法規制等の要求事項が伝達され、理解され、順守さていますか。
⑨ 目標を達成するための活動が実施され、目標を達成できそうにない場合は、その原因が分析されしくみの是正処置が行われていますか。
⑩ 結果として、品質パフォーマンスが向上していますか。
⑪ 内部監査をどのように実施していますか。
⑫ マネジメントレビューをどのように実施していますか。
⑬ パフォーマンス評価の結果から、改善の機会を決定し必要な取組みを実施していますか。どのような取組みがありますか。
by nsweb 3-15
例 建設コンサル業営業プロセス、調査プロセス、測量プロセス、設計プロセス、補償査定プロセス
運用プロセスの有効性の監査
• QMSにおいての運用プロセスは、事業プロセスのコアプロセスとなる。
例 製造業営業プロセス、設計プロセス、購買プロセス、製造プロセス、出荷・輸送プロセス
by nsweb 3-16
• ISO9001:2008規格では規定しているマネジメントシステムは“手順”を定めることが中心であった。
ISO9001:2015年版では、
"プロセス"の概念を基本とすることで, 計画どおりの結果を達成する組織の能力が向上する。
QMSの有効性の向上につながる。
インプット、アウトプット手順・方法・ 運用基準
監視・測定(パフォーマンス指標)資源(人材、インフラ、技術)
「プロセスの有効性」 QMS
by nsweb 3-17
• 組織は,この規格の要求事項に従って,必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む,品質マネジメントシステムを確立し,実施し,維持し,かつ,継続的に改善しなければならない。
c) これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするため
に必要な判断基準及び方法(監視,測定及び関連するパフォーマンス指標を含む。)を決定し,適用する。
g) これらのプロセスを評価し,これらのプロセスの意図した結果の達成を確実にするために必要な変更 を実施する。
h) これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。
(ISO9001:2015 4.4.1)
• 組織は,品質マネジメントシステムに必要な,関連する機能(部門),階層及びプロセスにおいて,品質目標を確立しなければならない。
(ISO9001:2015 6.2.1)
「プロセスの有効性」 の要求条項
by nsweb 3-18
運用プロセス(部門)の有効性監査
• プロセスの有効性と、継続的改善に関する部分の確認
• 運用プロセスに一貫性があるか
• 効果的(効率的)であるか
• 要求事項に適合しているか
1 部門責任者への質問
2 プロセスの流れの沿った質問/現場観察(具体的事例で監査)
(パフォーマンス指標等の目標や計画を達成しているか)
by nsweb 3-19
事前に監査ストーリーを作る
A) 会社
の業績が上がらない
B) 達成状況
が目標から遠い。
C) 数年間に
わたって継続的に改善が実施されている。
リーダーシップ(2015 箇条4,5章) × △ 〇
マネジメントのプロセス(2015 箇条6,9,10章) × × 〇
運用プロセス(2015 箇条8)
△ △ ×
支援プロセス(2015 箇条7) △ △ ×
• 事前に監査する部門の継続的改善のデータを確認し、仮説を設定して監査のポイントを絞る 【☓(△)を監査のポイントとする】。
by nsweb 3-20
(1) 部門責任者への質問事項のポイント• そのプロセス(業務)の目的は何ですか。
• プロセスのリスク及び機会には、どのようなものが あリますか。(そのプロセス重要度はどの程度か)。
• インプット、アウトプット及び付加価値は何ですか。
• 部門目標(改善の目標)は何ですか
• 設定した目標のメトリックス(評価指標・特性値)が適切か。
• 目標は期待された結果を生み出すようになっているか。
• 必要な資源や手順にはどんなものがありますか。
• プロセスのパフォーマンス指標及び監視項目は何ですか。
• 目標の達成見込みをどのような方法で確認していますか。
• 前期と比較して結果が継続的に改善(又は維持)されているか。
• (改善されていない場合)その原因は何ですか。 インプット、プロセス(手順、方法、資源)のどこに問題がありましたか。
• アウトプットレベルの改善に向けて、プロセスの運用により得られた知見が活用されていますか。
by nsweb 3-21
インプットは正しい
プロセスの運用はは正しい
アウトプットは正しい(適合)
正しくないインプット
プロセスの正しい運用
正しくないアウトプット
プロセスの運用が正しくない
正しいインプット
プロセスの正しい 運用状況
プロセスの正しくない運用状況
正しくないインプット
正しくないアウトプット
正しくないアウトプット
プロセスの運用が正しくない
A)
B)
C)
プロセスの有効性の確認
by nsweb 3-22
(2)プロセスの流れに従った質問/現場観察
運⽤プロセス間の⼀貫性の確認
外
部
の
顧
客
外
部
の
顧
客
営業受注
設計
購買
製造保管出荷
インプット インプットインプットインプット
インプット
インプット
アウトプット アウトプットアウトプット アウトプット
アウトプット
アウトプット
P
DC
A
プロセスが効果的であるかを測定する(パフォーマンス指標)
製品のインプット・アウトプットを測定する(レビュー・検証・妥当性確認)
(プロセス間のインプットーアウトプットのつながりを確認する)
顧客満足