光ファイバー、IT機器、エネルギー機器を利用するスマートハウスの課題

光ファイバー、IT機器、エネルギー機器を利用するスマートハウスの課題

IEC SC48D 国内委員会幹事島田章夫

2013年11月29日

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概 要

IEC SC48Dのタスクは、エレクトロニクスのための機構・構造について、標準化を進めることである。

一方、マーケットでは電力需給の問題からスマートグリッドに、

大きな関心が寄せられている。

スマートグリッドとスマートハウスについて概括し、現在、48D国内委員会の内部では検討を進めている19インチ・キャビネットのスマートハウスへの適用と課題を紹介する。

Smart Grid と Smart House

スマートグリッド（SG)の構築とは、エネルギー技術とICT技術の融合によって電力系統の再構築・アップグレードを図るものである。

スマートハウスとは、HEMS (home energy management system) と呼ばれる家庭のエネルギー管理システムで家電、太陽光発電、蓄電池、電気自動車等を一元的に管理することができる住宅である。

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Smart Gridを取りまく環境

1882年 電力交流系統システム

‐ 1951年 9電力会社 再編

‐ 2000年 沖縄電力 一部自由化

‐2018年から2020年頃？発送電分離と電気料金の全面自由化

1969年 ARPAインターネット‐ 1981年 TCP/IPの標準化‐1992年 国内でIIJが商用サービスの開始

2006年 クラウド（ GoogleのEric Schmidt ）2009年 スマートグリッド（NIST)2012年 oneM2M (7SDO)‐ 2011年東日本大震災

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標準化の動き

機関 時期 内容

NIST 2010.01 NIST Release 1.0

2012.02 NITS Release 2.0

SGIP 2011.12 SEP 2.0

2012.07 SGIP 2.0

総務省 2011.12 電波法改正 スマートメータ通信用に920MHz帯を開放

2012.07 TTC内にoneM2M専門委員会を設置

経産省 2011.12 JSCA内の「スマートハウス標準化検討会」がHEMS用の標準インターフェイスとしてECHONET Liteを承認

2012.06 JSCA内に「スマートハウス・ビル標準・事業促進検討会」を設置、「デマンドレスポンスシステム標準化」等の検討開始

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スマートグリッドの標準

• 通信インターフェイス– IEC 61968 共通情報モデル/配電管理規格 電力網間でデータ交換のためのCIM

• 通信プロトコル標準– ANSI C12.22-2008– IEC 62056-47

• データフォーマット標準– ANSI C12.19-2008– IEC 62056-53

• HEMS-スマートメータ接続標準インターフェイス– ECHONET Lite

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スマートグリッドの標準

• HEMS通信 ECHONET Lite / SEP2.0のネットワーク/データリンク/物理層– ネットワーク層： ZigBee IP– MAC層: IEEE 802.15.4e– 物理層: IEEE 802.15.4g (SUN)– 周波数: 920MHz / 2.4GHzSUN: Smart Utility Networks スマートメーター向けネットワーク規格

スマートグリッド

8（資料：早稲田大学大学院 先進グリッド技術研究所）

スマートメーター

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スマートメーターの通信ネットワーク

（資料：東京電力）

デマンドレスポンス

10（資料：スマートメータ制度研究会）

スマートハウスとHEMS

11（資料： H24 年経産省 商務情報政策局第2回マートハウス・ビル標準。事業促進検討会資料から）

スマートハウスとHEMS

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スマートハウス

スマートハウスのマーケットへの導入は、スマートグリッド/スマートメータ、そしてデマンドレスポンスの問題とともに検討して進めなければならない。

スマートグリッド/スマートメータおよびHEMSは世界標準/国際規格に基づいて設置・運用されるべきである。

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19インチ・キャビネットのスマートハウスへの適用

個別住宅内に構築される光ファイバーを用いた情報インフラ（In-premises optical fiber network in a residential building)用のアクセス機器（ONU)、ハブ・スイッチ、ホーム・サーバー、セキュリティ・サーバー、ガス・電気・水道のメータリング・インターフェイス機器（HEMS)、分電盤、UPS、バッテリーなどを統合して収納するキャビネット、産業用の19インチ・キャビネットの基本寸法を採用する。

IEC 60297-3-100規格に基づく住宅内設置用キャビネットとして標準化を行う（One application of IEC 60297-3-100 cabinetｓ）。 IEC 60297-3-10X： 19” residential cabinetとして標準化を目指す。

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国内および海外のスマートハウス標準

ISO/IEC JTC1/SC 25/WG1: Interconnection of information technology equipment (Home automation/home networking standards)CENELEC SHR (Smart House Roadmap)ProjectHEMS (Home energy management systems) standard by IEC TC 100: Audio, video and multimedia systems and equipment Echonet (Energy Conservation and Homecare NETwork, in Japan) is compatible with TC 100 International Standards.IGRS (Intelligent Grouping and Resource Sharing) developed a solution similar to Echonet by China, which was also accepted as an International Standard by IEC TC 100.

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Image of existing home IT and infra setup

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Image of intelligent house with a residential cabinet

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Residential cabinet

19in スマートハウス用キャビネットの概要

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スマートハウスとHEMSの再確認

スマートハウスは、スマートグリッドの最も一般消費者寄りのイン

フラとして、一般住宅内の情報通信ネットワークによって構築さ

れる。

HEMS(Home Energy Management System)はスマートハウス運用の中枢システムであり、IP網への接続用機器とHEMSゲートウエイ(ITアクセスポイント)の組み合わせで構成される。

これらの機器の設置において、現状の問題点を整理し、スマート

ハウス用19インチ・キャビネットの導入について検討する。

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IPアクセス機器とHEMS設置のプランと問題点

20（出典：NTT PR-400NE/東芝HEMSパック/日東ホーム分電盤/東芝東光メーターシステムズ）

機器設置の問題点：• AC 100V電源の停電、 ACアダプタの故障

• AC 100 Vからの雷サージ• バックアップ電源なし

• 外部からのアクセスや地震に対して無防備

ホームセキュリティ機器の設置

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「防犯」、「火災監視」、「非常通報」、「ガス漏れ監視」、「救急通報」他

電源：

分電盤からAC100V

火災報知器、レーザーセンサー監視カメラなどセンサー類。 電源はバッテリー、あるいはAC100Vが個別に必要。

無線通信（あるいは有線）

HEMSと同様に、ユーザー側のホーム・コントローラからONUを介してIP網に接続。

• ホームセキュリティのサービス（S社）

• 機器の設置

LANケーブルでONUへ接続

（出典： セコム ホームセキュリティ G-カスタム）

実用 スマートハウス用19インチ・キャビネット

目標

IPアクセス機器 HEMSゲートウエイの集約と保護（地震、不正アクセスからの保護）

機器用DC電源の信頼性確保とバックアップ（停電対策）

機器の保守と設置の拡張性（将来の新しいサービスへの対応）の確保

住環境にふさわしいデザイン

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スマートハウス用19インチ・キャビネットのモデル

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19inキャビネット サイズ D300，H>25Uに、現在製品化されている機器を搭載する。

搭載機器リスト

ま と め

一般の住宅内でもエネルギーの効率的な利用・消費を行うため、IT機器とのエネルギー機器の融合が行われる。 それはスマートグリッドのフロントエンドでM2Mシステムが導入されることに他ならない。

M2Mシステムの構築という視点でこれまでのIT機器、エネルギー機器、情報通信ネットワークのハードウエアが検討されなければならない。

48D規格の開発・利用をこの視点で行う必要がある。

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島田章夫 E-mail： wqxsb540@ybb.ne.jp