iv. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 iv....

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50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要 (1) 調査の実施方針 意識と知識の定着状況の実態把握 交通安全教育・啓発において今後重視すべき点や効果的な対策のあり方の検討に活用する ため、「安全利用の意識」や「交通ルールの認知・遵守状況」の実態、「自転車利用に係る 交通安全教育や啓発事業の経験や評価」、「利用者が自転車や走行環境のどのような面を危 険と認識しているか」などを把握する。 歩行者・自動車利用者から見た自転車の安全利用に係る意識や実態の把握 他の道路利用者との関係において配慮すべき視点や具体的な対策の検討に活用するため、 自転車利用者の視点だけでなく、歩行者、自動車利用者の視点から自転車の安全利用に関す る意識や事故経験、ヒヤリ・ハット経験の実態を把握する。 被害者、加害者双方の視点から見た事故経験の実態把握 実態に即した具体的な対策の検討に活用するため、国民全般の自転車利用に際しての事故 経験の内容について、警察への届け出が行われていない事故も含め、その実態を把握する。 この際、自転車が歩行者や自転車に対して加害者となる事故にも配慮した対策を検討する ため、被害者、加害者双方の視点から見た事故経験の実態を把握する。 ヒヤリ・ハット経験の実態把握 ヒヤリ・ハット経験には事故と同様のリスク要因が介在しており、実際に事故となったケ ースよりも高頻度で発生していることから、より多くの事例情報を確保することが可能であ る。そこで、リスク要因の分析の充実を図るため、実際に事故になった経験と併せて、この 統計に現れないヒヤリ・ハット経験を把握する。

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Page 1: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

50

IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向

1 国民アンケート調査の概要

(1) 調査の実施方針

① 意識と知識の定着状況の実態把握

交通安全教育・啓発において今後重視すべき点や効果的な対策のあり方の検討に活用する

ため、「安全利用の意識」や「交通ルールの認知・遵守状況」の実態、「自転車利用に係る

交通安全教育や啓発事業の経験や評価」、「利用者が自転車や走行環境のどのような面を危

険と認識しているか」などを把握する。

② 歩行者・自動車利用者から見た自転車の安全利用に係る意識や実態の把握

他の道路利用者との関係において配慮すべき視点や具体的な対策の検討に活用するため、

自転車利用者の視点だけでなく、歩行者、自動車利用者の視点から自転車の安全利用に関す

る意識や事故経験、ヒヤリ・ハット経験の実態を把握する。

③ 被害者、加害者双方の視点から見た事故経験の実態把握

実態に即した具体的な対策の検討に活用するため、国民全般の自転車利用に際しての事故

経験の内容について、警察への届け出が行われていない事故も含め、その実態を把握する。

この際、自転車が歩行者や自転車に対して加害者となる事故にも配慮した対策を検討する

ため、被害者、加害者双方の視点から見た事故経験の実態を把握する。

④ ヒヤリ・ハット経験の実態把握

ヒヤリ・ハット経験には事故と同様のリスク要因が介在しており、実際に事故となったケ

ースよりも高頻度で発生していることから、より多くの事例情報を確保することが可能であ

る。そこで、リスク要因の分析の充実を図るため、実際に事故になった経験と併せて、この

統計に現れないヒヤリ・ハット経験を把握する。

Page 2: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

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(2) 調査実施概要

① 調査方法

・インターネットアンケート

② 調査対象の設定

*全国の地域別、年齢別構成に即したサンプル構成

全国の 18歳以上の男女2,000 サンプルとし、全国の年齢区分別人口分布、地方ブロック別分

布を踏まえて実施した。

*自転車利用者にウエイトを置いたサンプル構成

自転車利用者を重点的に抽出するため、全体 2,000 のサンプルのうち、1、500 を自転車利用者、

500を歩行者兼自動車利用者として抽出した。

③ 調査実施時期

平成 22年 11月 12日(金)~11月 16日(火)

Page 3: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

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図表 IV-1 母集団の構成とサンプルの割付 性別・年齢階層 北海道・東北 首都圏 北陸・中部 近畿 中四国 九州・沖縄 合計男性 6,942,305 17,361,346 8,001,085 8,078,446 2,971,715 7,134,699 50,489,59618~19 189,796 472,585 209,670 236,683 80,857 206,214 1,395,80520~29 996,641 2,864,814 1,187,550 1,250,878 420,293 1,048,189 7,768,36530~39 1,106,953 3,461,746 1,477,705 1,494,980 488,991 1,136,232 9,166,60740~49 1,099,478 2,732,957 1,236,732 1,197,208 437,918 1,117,134 7,821,42750~59 1,358,911 3,094,476 1,476,901 1,475,169 575,907 1,402,274 9,383,63860~69 1,029,296 2,592,509 1,233,669 1,303,548 460,616 1,036,157 7,655,79570~ 1,161,230 2,142,259 1,178,858 1,119,980 507,133 1,188,499 7,297,959女性 7,716,588 17,513,495 8,411,900 8,895,803 3,323,187 8,217,173 54,078,14618~19 179,458 435,735 194,486 229,461 76,026 200,812 1,315,97820~29 965,966 2,616,842 1,113,349 1,273,632 413,062 1,076,553 7,459,40430~39 1,110,269 3,201,456 1,397,295 1,539,721 493,835 1,201,271 8,943,84740~49 1,121,438 2,537,273 1,205,076 1,241,412 449,087 1,183,523 7,737,80950~59 1,394,119 3,051,016 1,483,376 1,553,017 584,186 1,448,899 9,514,61360~69 1,172,299 2,662,134 1,293,944 1,395,657 511,380 1,198,512 8,233,92670~ 1,773,039 3,009,039 1,724,374 1,662,903 795,611 1,907,603 10,872,569総計 14,658,893 34,874,841 16,412,985 16,974,249 6,294,902 15,351,872 104,567,742【総人口(2005年国勢調査)(割合:%)】性別・年齢階層 北海道・東北 首都圏 北陸・中部 近畿 中四国 九州・沖縄 合計男性 6.64% 16.60% 7.65% 7.73% 2.84% 6.82% 48.28%18~19 0.18% 0.45% 0.20% 0.23% 0.08% 0.20% 1.33%20~29 0.95% 2.74% 1.14% 1.20% 0.40% 1.00% 7.43%30~39 1.06% 3.31% 1.41% 1.43% 0.47% 1.09% 8.77%40~49 1.05% 2.61% 1.18% 1.14% 0.42% 1.07% 7.48%50~59 1.30% 2.96% 1.41% 1.41% 0.55% 1.34% 8.97%60~69 0.98% 2.48% 1.18% 1.25% 0.44% 0.99% 7.32%70~ 1.11% 2.05% 1.13% 1.07% 0.48% 1.14% 6.98%女性 7.38% 16.75% 8.04% 8.51% 3.18% 7.86% 51.72%18~19 0.17% 0.42% 0.19% 0.22% 0.07% 0.19% 1.26%20~29 0.92% 2.50% 1.06% 1.22% 0.40% 1.03% 7.13%30~39 1.06% 3.06% 1.34% 1.47% 0.47% 1.15% 8.55%40~49 1.07% 2.43% 1.15% 1.19% 0.43% 1.13% 7.40%50~59 1.33% 2.92% 1.42% 1.49% 0.56% 1.39% 9.10%60~69 1.12% 2.55% 1.24% 1.33% 0.49% 1.15% 7.87%70~ 1.70% 2.88% 1.65% 1.59% 0.76% 1.82% 10.40%総計 14.02% 33.35% 15.70% 16.23% 6.02% 14.68% 100.00%【アンケート調査サンプル割付(自転車利用者)】性別・年齢階層 北海道・東北 首都圏 北陸・中部 近畿 中四国 九州・沖縄 合計男性 101 250 115 116 42 102 72618~19 3 7 3 3 1 3 2020~29 14 41 17 18 6 15 11130~39 16 50 21 22 7 16 13240~49 16 39 18 17 6 16 11250~59 20 45 21 21 8 20 13560~69 15 37 18 19 7 15 11170~ 17 31 17 16 7 17 105女性 112 252 121 127 46 117 77518~19 3 6 3 3 1 3 1920~29 14 38 16 18 6 15 10730~39 16 46 20 22 7 17 12840~49 16 37 17 18 6 17 11150~59 20 44 21 22 8 21 13660~69 17 38 19 20 7 17 11870~ 26 43 25 24 11 27 156総計 213 502 236 243 88 219 1,501【アンケート調査サンプル割付(歩行者・自動車利用者)】性別・年齢階層 北海道・東北 首都圏 北陸・中部 近畿 中四国 九州・沖縄 合計男性 34 83 39 38 13 34 24118~19 1 2 1 1 0 1 620~29 5 14 6 6 2 5 3830~39 5 17 7 7 2 5 4340~49 5 13 6 6 2 5 3750~59 7 15 7 7 3 7 4660~69 5 12 6 6 2 5 3670~ 6 10 6 5 2 6 35女性 38 84 40 42 15 40 25918~19 1 2 1 1 0 1 620~29 5 13 5 6 2 5 3630~39 5 15 7 7 2 6 4240~49 5 12 6 6 2 6 3750~59 7 15 7 7 3 7 4660~69 6 13 6 7 2 6 4070~ 9 14 8 8 4 9 52総計 72 167 79 80 28 74 500 注)地域ブロックは以下の通り 北海道・東北:北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟 首都圏 :茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨 北陸・中部 :富山、石川、福井、長野、静岡、岐阜、愛知、三重 近畿 :京都、大阪、兵庫、滋賀、奈良、和歌山 中四国 :鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知 九州・沖縄 :福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

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(3) 調査項目

図表 IV-2 国民アンケート調査項目

全国の年齢別地域ブロック別人口構成に即した母集団

<回答者全体への設問>

■基本属性

・性別、年齢、居住地、運転免許の有無、同居家族数、保有自転車の種類、車両数、保有車両数、

近隣の鉄道駅の数

■過去1週間の自動車の実態

・過去1週間の自動車利用の有無

■過去1週間の自転車利用の実態

・過去1週間の目的別自転車利用頻度、移動距離等

<自転車利用者への設問>

<自転車利用者(週1回以上自転車を利用する者)への設問>

■自転車利用実態の詳細

・自転車を利用する理由

・自転車利用に際しての主な通行場所(歩道・車道の別、及びそれぞれの具体的場所、走

行に向き)とその選択理由

■自転車利用環境整備の方向性(自転車優先の是非)に対する認識

■自転車の安全利用の意識

・歩行者・自動車に対する要望

・安全対策として必要だと感じていること、参加・協力できること

■自転車に関するルールの認知・遵守状況

・自転車に関するルールのうち、既に知っていた事、常に守っている事・守らない事

■自転車利用に係る交通安全教育や啓発事業の経験と改善点

■どのようなライフステージで交通安全を強く意識したか

■事故経験、ヒヤリ・ハット経験の有無とその内容

・過去10年間の事故経験の有無とその内容(加害・被害別)

(総件数及び発生場所ごとの件数、相手の状態、当時の年齢(自分・相手)、事故類型、

道路形状、走行場所、走行の向き(自分・相手(自転車の場合))、移動目的、怪我

の程度、違反・過失の有無(自分・相手)、届け出の有無、賠償の有無、保険加入の

有無等)

・過去1年間のヒヤリ・ハット経験(同上)

■どこを通行している時に事故が発生しやすいと思うか

(道路形状、走行場所、事故類型)

週1回以上自転車を利用(回収数 1,501) 徒歩移動者、自動車利用者(回収数 500)

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<歩行者・自動車利用者への設問>

■自転車利用者に対する認識

・道路を歩いている際に自転車を危険だと感じることとその内容

・自動車を運転していて自転車を危険だと感じることとその内容

■自転車利用環境整備の方向性(自転車優先の是非)に対する認識

■自転車の安全利用の意識

・自転車の安全対策として必要だと感じていること、参加・協力できること

■自転車に関するルールの認知・遵守状況

・自転車に関するルールのうち、既に知っていた事、常に守っている事・守らない事

■自転車利用に係る交通安全教育や啓発事業の経験と改善点

■どのようなライフステージで交通安全を強く意識したか

■事故経験、ヒヤリ・ハット経験の有無とその内容

・過去10年間の事故経験の有無とその内容(加害・被害別)

(総件数及び発生場所ごとの件数、自分の状態、当時の年齢(自分・相手)、事故類型、道路

形状、走行場所、走行の向き(相手(自転車))、怪我の程度、違反・過失の有無(自分・

相手)、届け出の有無、賠償の有無、自転車利用者の保険加入の有無等)

・過去1年間のヒヤリ・ハット経験

(同上)

■どこを通行している時に事故が発生しやすいと思うか

(道路形状、走行場所、事故類型)

(4) 調査結果

国民アンケート調査の結果(各設問の回答状況一覧)については、報告書参考資料編に示

している。

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2 国民の実態と意向を踏まえた安全性向上策の論点

2-1.自転車の通行の実態と安全性向上策に対する意識

(1) 自転車の通行場所と認識

調査結果概要

・歩道がある道路で歩道を通行する自転車利用者の割合は、72.6%に上る(図表 IV-3)。

・車道を通行する者では通行するべき場所を守っている者が大部分を占めるものの、特に気

にしていない者も 10%存在している(図表 IV-4)。一方で、歩道を通行する者については、

30.4%がどこを通行するか特に気にしていない(図表 IV-6)。

・また、年齢別に分析すると、10~20 歳代において、車道・歩道ともに正しい位置・方向を通行

する者の割合は低い傾向がある(図表 IV-5、図表 IV-7)。

総括

・通行するべき場所に関する認識が希薄な利用者が一部存在していることが示された。特に

歩道において通行するべき場所を守っている者は 4 割弱にとどまっており、歩道上で自転車

が気ままに走行していることが示されている。

図表 IV-3 歩道のある道路での通行場所(単一回答、回答数1,501)

27.4 72.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

車道 歩道

図表 IV-4 車道の通行場所(単一回答、回答数412)

4.910.0 84.0

0.0

1.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

車道のどの部分を通行するか、特に気にしていない

車道の進行方向に向かって左寄りの部分(クルマと同じ向き)を通行することが多い

車道の真ん中の部分を通行することが多い

車道の進行方向に向かって右寄りの部分(クルマと逆の向き)を通行することが多い

わからない

Page 7: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

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図表 IV-5 年齢別車道の通行場所(単一回答、回答数412)

6.3%

20.0%

7.1%

8.8%

13.2%

3.8%

9.6%

75.0%

76.0%

88.2%

83.8%

85.3%

94.2%

78.1%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

6.3%0.0%

0.0%

1.5%

1.9%

9.6%

5.9%

6.3%

4.0%

4.7%

2.7%

0.0%

0.0%

12.5%

0.0%

0.0%

1.5%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

18-19歳n=16

20-29歳n=50

30-39歳n=85

40-49歳n=68

50-59歳n=68

60-69歳n=52

70歳以上n=73

車道のどの部分を通行するか、特に気にしていない

車道の進行方向に向かって左寄りの部分(クルマと同じ向き)を通行することが多い

車道の真ん中の部分を通行することが多い

車道の進行方向に向かって右寄りの部分(クルマと逆の向き)を通行することが多い

わからない

図表 IV-6 歩道の通行場所(単一回答、回答数1,089)

10.0 15.530.4 38.9 5.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

歩道のどの部分を通行するか、特に気にしていない

車道寄りを通行することが多い

真ん中辺りを通行することが多い

車道寄りでない方(建物側等)を通行することが多い

わからない

Page 8: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

57

図表 IV-7 年齢別歩道の通行場所(単一回答、回答数412)

52.2%

38.1%

26.3%

32.9%

24.6%

25.4%

33.5%

30.4%

31.5%

42.9%

37.4%

42.4%

42.9%

36.7%

7.4%

9.5%8.7%

11.0%

9.0%

10.7%

12.3%

19.4%

11.9%

4.3%

12.9%

16.0%

16.9%

16.7%

5.8%

4.0%

8.9%

4.3%

3.9%

4.0%

4.8%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

18-19歳n=23

20-29歳n=168

30-39歳n=178

40-49歳n=155

50-59歳n=203

60-69歳n=177

70歳以上n=188

歩道のどの部分を通行するか、特に気にしていない

車道寄りを通行することが多い

真ん中辺りを通行することが多い

車道寄りでない方(建物側等)を通行することが多い

わからない

Page 9: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

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(2) 自転車、歩行者・クルマ利用者相互の認識や要望

調査結果概要

*自転車利用者から歩行者やクルマ利用者に対する要望

・クルマ利用者に対しては「路上駐車をしない」、「追い抜く際の十分な間隔の確保」が多く、歩行

者に対しては「道路の左側や歩道の通行」が多い(図表 IV-8)。

・また、自転車の利用頻度が高い層では、「交差点における自転車への注意及び徐行」の割合が

高くなっている(図表 IV-9)。

*クルマ利用者、歩行者が自転車を迷惑、危険と感じた点

・クルマ利用者からは、「車道の左側に十分に寄っていない」のほか、「無灯火」、「信号無

視」、「携帯電話の使用」などの危険な運転に対する問題意識が高い。歩行者では「すぐそば

を通り過ぎていった」、「歩道を危険な速度で通り過ぎていった」のほか、「無灯火」、「携帯電

話の使用」などの危険な運転に対する問題意識が高い(図表 IV-10、図表 IV-11)。

・クルマ利用者・歩行者が自転車利用者に遵守してもらいたいルール・マナーには、いずれも

高い期待度が示されているが、特に「無灯火」、「携帯電話の使用」、「飲酒運転」を行わない

ことや、「車道の左側に寄って通行」などへの期待が高い(図表 IV-12)。

総括

・自転車利用者からクルマ利用者に対しては、「路上駐車」や「危険な追い抜き」、「歩行者の

車道通行」について、歩行者・クルマ利用者から自転車利用者に対しては、「左側に寄らない

車道通行」、「歩行者に対する危険な追い抜き」など、互いの安全な通行空間を阻害する行

動に対し、問題意識や改善要望がある。

・また、歩行者やクルマ利用者は、自転車利用者の「信号無視」、「無灯火」、「携帯電話の使

用」などを特に危険と認識している。

① 自転車利用者から歩行者やクルマ利用者への要望

図表 IV-8 歩行者やクルマ利用者の行動の改善(複数回答、回答数1,501)

42.1

18.3

31.2

53.3

49.6

58.8

4.1

7.5

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0

歩行者は、道路の左側や歩道のある場所では歩道を通行して欲しい

歩行者は、歩道の車道と反対側に沿って歩く、自転車がベル(警報機)を鳴らしたらすぐに車道の反対側に寄るなど、歩道を歩く際に自転車に

注意して通行して欲しい

クルマは、歩行者に対するのと同様に自転車を優先して通行して欲しい

クルマは、自転車を追い抜く際には十分な間隔を確保して通行して欲しい

クルマは、交差点では歩行者だけでなく自転車にも注意して、すぐに止まれる速度で通行して欲しい

クルマの利用者は自転車の安全な通行を妨げる路上駐車をしないようにして欲しい

その他

特になし

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59

図表 IV-9 自転車利用頻度別歩行者やクルマ利用者の行動の改善(複数回答、回答数1,501)

43.9

18.6

32.6

54.8

54.5

60.7

5.0

6.5

40.1

17.9

29.5

51.6

44.2

56.5

3.1

8.7

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0

歩行者は、道路の左側や歩道のある場所では歩道を通行

して欲しい

歩行者は、歩道の車道と反対側に沿って歩く、自転車が

ベル(警報機)を鳴らしたらすぐに車道の反対側に寄る

など、歩道を歩く際に自転車に注意して通行して欲しい

クルマは、歩行者に対するのと同様に自転車を優先して

通行して欲しい

クルマは、自転車を追い抜く際には十分な間隔を確保し

て通行して欲しい

クルマは、交差点では歩行者だけでなく自転車にも注意

して、すぐに止まれる速度で通行して欲しい

クルマの利用者は自転車の安全な通行を妨げる路上駐車

をしないようにして欲しい

その他

特になし

(合計)4回以上(N=797)

(合計)4回未満(N=704)

② 歩行者やクルマ利用者の自転車利用者への認識と要望

・自転車を迷惑・危険と感じた経験

図表 IV-10 クルマ利用者として自転車を迷惑・危険と感じた内容(複数回答、回答数477)

50.1

73.8

32.9

25.8

49.5

42.6

50.5

28.5

40.5

6.5

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0

自転車が信号を守らずに交差点に進入してきた

自転車が車道の左側に十分に寄っておらず、追い抜く際に間隔をとりづらかった

自転車が道路の右側の車道や路側帯を通行しており、正面衝突しそうな不安を感じた

車道上に自転車が違法駐車してあり、通行しづらかった

自転車が2人乗りや傘差し、携帯電話の使用など不適切な乗り方をしており、追い抜く際に不安を感じた

優先道路を通行しているときに、わき道から自転車が一時停止せずに飛び出してきた

自転車が無灯火で運転しており、近くに来るまで分からなかった

自転車がヘッドホンステレオを使用しており、近くに来るまでこちらに気付かなかった

自転車が車道を通行している事自体に迷惑や危険を感じた

その他

Page 11: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

60

図表 IV-11 歩行者として自転車を迷惑・危険と感じた内容(複数回答、回答数461)

39.0

43.4

65.9

59.7

44.0

43.8

47.5

45.1

49.5

11.3

29.5

5.4

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0

横断歩道を歩いている際に、自転車が信号を守らずに交差してきた

横断歩道で自転車通行帯を通行せず歩行者の中を通り過ぎていった

歩道を歩いている際にすぐそばを通り過ぎていった

歩道を歩いている際に危険な速度で通り過ぎていった

歩道を歩いている際にベル(警報機)をならされ、よけさせられた

歩道上に自転車が違法駐車してあり、歩きにくかった

自転車が2人乗りや傘差し、携帯電話の使用など不適切な乗り方をしており、通り過ぎる際に不安を感じた

交差点で自転車が一時停止せずに飛び出してきた

自転車が無灯火で運転しており、近くに来るまで分からなかった

自転車のブレーキの音が大きく不快だった

自転車が歩道を通行している事自体に迷惑や危険を感じた

その他

図表 IV-12 自転車利用のルール・マナー遵守期待(歩行者・クルマ利用者、単数回答、回答数500)

93.6

75.8

78.4

84.4

6.4

23.2

20.0

14.8 0.8

1.6

1.0

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

夜間、無灯火で自転車に乗ってはいけない

車道を通行する際には左側に寄って通行しなければならない

飲酒をした時には自転車を運転していけない

携帯電話を使用しながら運転しないようにすべきである

必ず守ってほしい なるべく守ってほしい 守ってほしいとは思わない

Page 12: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

61

(3) 自転車の安全利用対策

調査結果概要

*必要な対策

・自転車利用者が必要と考える対策としては、「自転車利用のルール・マナーの周知・徹底」、

「放置自転車の撤去強化」、「自転車走行空間の整備」、「路上駐車の取締り強化」との回答

が特に多い。歩行者・クルマ利用者が必要と考える対策としては、「自転車に関する交通安

全教育を行う講習会などの開催」、「自転車利用のルール・マナーの周知・徹底」、「自転車走

行空間の整備」、「放置自転車の撤去強化」との回答が特に多い(図表 II-13)。

*参加・協力して良いもの

・自転車利用者では「利用のルール・マナーの周知・徹底」、「自転車に関する交通安全教育を

行う講習会の開催」との回答が多く、歩行者・クルマ利用者も同様の傾向だが、やや回答が

少ない(図表 IV-14、図表 IV-15、図表 IV-16)。

総括

・交通安全教育、ルール・マナーの周知・徹底が必要性の認識、参加・協力意向ともに高い。

・交通安全教育、取り締まり・罰則強化については歩行者、クルマ利用者が強く求めているが

自転車利用者の意識が低い。

Page 13: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

62

図表 IV-13 自転車の安全利用対策 必要だと思うもの(複数回答)

49.3

66.8

33.2

32.8

28.6

69.6

41.6

34.6

66.8

51.8

1.7

5.2

77.8

69.4

38.8

36.4

30.6

79

67.4

28.4

69.4

48

3.4

2.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

自転車に関する交通安全教育を行う講習会などを開催する

放置自転車の撤去を強化する

地域における交通安全パトロールを推進・強化する

自転車が常に良好な状態となるように所有者に自転車の整備を徹底させる

自転車の安全利用のためにTSマーク(注)を普及させる

自転車利用のルール・マナーを周知・徹底する

自転車利用のルール・マナー違反の取り締まりや罰則を強化する

車道を自転車とクルマが共有する雰囲気を醸成する

自転車道や自転車レーンといった自転車走行空間の整備を進める

自転車通行空間の確保のために、路上駐車の取締りを強化する

その他

特になし

自転車利用者(n=1501)

歩行者・クルマ利用者(n=500)

図表 IV-14 自転車の安全利用対策 参加、協力してもよいと思うもの(複数回答)

29.4

22.1

12.2

18.6

15

35.6

0.7

35.6

26.2

19.6

13.4

13.4

11.4

25.8

1.6

47.2

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

自転車に関する交通安全教育を行う講習会などを開催する

放置自転車の撤去を強化する

地域における交通安全パトロールを推進・強化する

自転車が常に良好な状態となるように所有者に自転車の整備を徹底させる

自転車の安全利用のためにTSマーク(注)を普及させる

自転車利用のルール・マナーを周知・徹底する

その他

特になし

自転車利用者(n=1501)

歩行者・クルマ利用者(n=500)

Page 14: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

63

図表 IV-15 自転車の安全利用対策と参加協力意向(自転車利用者)(複数回答)

49.3

66.8

33.2

32.8

28.6

69.6

1.7

5.2

29.4

22.1

12.2

18.6

15

35.6

0.7

35.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80

自転車に関する交通安全教育を行う講習会などを開催する

放置自転車の撤去を強化する

地域における交通安全パトロールを推進・強化する

自転車が常に良好な状態となるように所有者に自転車の整備を徹底させる

自転車の安全利用のためにTSマーク(注)を普及させる

自転車利用のルール・マナーを周知・徹底する

その他

特になし

%必要である 参加、協力してもよい

図表 IV-16 自転車の安全利用対策と参加協力意向(歩行者・クルマ利用者)(複数回答)

77.8

69.4

38.8

36.4

30.6

79

3.4

2.6

26.2

19.6

13.4

13.4

11.4

25.8

1.6

47.2

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

自転車に関する交通安全教育を行う講習会などを開催する

放置自転車の撤去を強化する

地域における交通安全パトロールを推進・強化する

自転車が常に良好な状態となるように所有者に自転車の整備を徹底させる

自転車の安全利用のためにTSマーク(注)を普及させる

自転車利用のルール・マナーを周知・徹底する

その他

特になし

%必要である 参加、協力してもよい

Page 15: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

64

2-2.自転車利用のルール・マナーに係る実態と交通安全教育

(1) 自転車利用のルール・マナーの認知と遵守の状況

調査結果概要

*認知度

・自転車利用者のルール・マナー認知度が低い項目は、「「交差点進入禁止」の標識がある場

合の自転車横断帯の通行」、「許可されていない場所での道路の横断や反対側への移動の

禁止」、「原則「自転車歩道通行可」の標識のない歩道の通行禁止」、「警報機の適正な使用」

となっている(図表 IV-17)。

・普段通行する場所別に見ると、車道を通行する者に比べ、歩道を通行する者の方が、認知

度の低い項目において認知度がより低い傾向がある(図表 IV-18)。

*遵守状況

・自転車利用者が守らない割合の高い項目は、「夜間の反射材装着」、「原則「自転車歩道通

行可」の標識のない歩道の通行不可」、「許可されていない場所での道路の横断や反対側へ

の移動不可」となっており、認知度が低いことに伴って遵守度も低くなっている傾向が示され

ている(図表 IV-19)。

・普段通行している場所別に見ると、車道を通行する者に比べ、歩道を通行する者の方は、総

じて各項目の遵守度が低い傾向にある(図表 IV-20)。

・歩行者・クルマ利用者が最も守って欲しいと考える「無灯火」の遵守状況に関して、年齢層別

や通行場所別に遵守度を分析すると、年齢が若いほど、また通行場所を気にしていないほ

ど遵守度が低い傾向となっている(図表 IV-21、図表 IV-22)。

総括

・認知度が低いことにより概ね遵守状況も低くなっている傾向がみられる。また、普段通行場

所を気にしないなど知識と意識が乏しい者ほど遵守度も低い。

① ルール・マナー全般の認知と遵守の状況

図表 IV-17 自転車利用のルール・マナーの認知度(自転車利用者、単数回答、回答数1,501)

59.7

59.8

51.2

56.2

40.3

40.2

48.8

43.8

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%100%

原則として「自転車歩道通行可」の標識のない歩道を通行してはいけない

歩道で歩行者によけてもらうためにベル(警報機)を鳴らしてはいけない

「交差点進入禁止」の標識がある場合、自転車横断帯を通って横断しなければならない

許可されている場所を除いて、道路を横断したり、道路の反対側に移動してはならない

知っている 知らなかった

Page 16: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

65

図表 IV-18 普段の通行場所別自転車利用のルール・マナーの認知度(自転車利用者、単数回答、回答数1,501)

■普段車道を通行している自転車利用者

74.5

67.7

60.4

66.0

25.5

32.3

39.6

34

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%100%

原則として「自転車歩道通行可」の標識のない歩道を通行してはいけない

歩道で歩行者によけてもらうためにベル(警報機)を鳴らしてはいけない

「交差点進入禁止」の標識がある場合、自転車横断帯を通って横断しなければならない

許可されている場所を除いて、道路を横断したり、道路の反対側に移動してはならない

知っている 知らなかった

■普段歩道を通行している自転車利用者

54.1

56.7

47.7

52.5

45.9

43.3

52.3

47.5

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

原則として「自転車歩道通行可」の標識のない歩道を通行してはいけない

歩道で歩行者によけてもらうためにベル(警報機)を鳴らしてはいけない

「交差点進入禁止」の標識がある場合、自転車横断帯を通って横断しなければならない

許可されている場所を除いて、道路を横断したり、道路の反対側に移動してはならない

知っている 知らなかった

図表 IV-19 自転車利用のルール・マナー遵守(自転車利用者、単数回答、回答数1501)

36.8

32.9

23.1

25.5

15.3

32.2

36.4

43.7

47.9

34.9

40.4

30.8

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%100%

夜間は車両や自らの体に反射材を装着すべき

原則として「自転車歩道通行可」の標識のない歩道を通行してはいけない

「交差点進入禁止」の標識がある場合、自転車横断帯を通って横断しなければならない

許可されている場所を除いて、道路を横断したり、道路の反対側に移動してはならない

しばしば守らないことがある たまに守らないことがある 常に守っている

Page 17: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

66

図表 IV-20 普段の通行場所別自転車利用のルール・マナー遵守(自転車利用者、単数回答、回答数1,501)

■普段車道を通行している自転車利用者

32.5

16.0

19.7

14.8

31.3

42.7

52.7

52.7

37.6

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%100%

夜間は車両や自らの体に反射材を装着すべき

原則として「自転車歩道通行可」の標識のない歩道を通行してはいけない

許可されている場所を除いて、道路を横断したり、道路の反対側に移動してはならない

しばしば守らないことがある たまに守らないことがある 常に守っている

■普段歩道を通行している自転車利用者

38.5

39.3

27.7

15.4

32.5

44.1

46.1

28.2

28.2

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

夜間は車両や自らの体に反射材を装着すべき

原則として「自転車歩道通行可」の標識のない歩道を通行してはいけない

許可されている場所を除いて、道路を横断したり、道路の反対側に移動してはならない

しばしば守らないことがある たまに守らないことがある 常に守っている

注釈)図表 IV-17~図表 IV-20は傾向が明確に見られる項目を抜粋している。すべての項目に関する調査結

果に関しては報告書参考資料編を参照。

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67

② 代表的な違反項目(無灯火)の属性別遵守傾向

図表 IV-21 夜間の灯火の遵守状況(年齢階層別、単数回答、回答数1501)

7.7%

16.1%

15.0%

13.5%

6.3%

5.7%

3.8%

30.8%

19.7%

20.8%

17.0%

18.8%

15.3%

13.0%

61.5%

64.2%

64.2%

69.5%

74.9%

79.0%

83.1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

18-19歳

20-29歳

30-39歳

40-49歳

50-59歳

60-69歳

70歳以上

しばしば守らないことがある たまに守らないことがある 常に守っている

図表 IV-22 夜間の灯火の遵守状況(自転車通行場所別、単数回答、回答数1501)

合計

しばしば

守らない

ことがあ

る たまに守

らないこ

とがある

常に守っ

ている

1501 147 267 1087

100.0 9.8 17.8 72.441 8 9 24

100.0 19.5 22.0 58.5346 30 56 260100.0 8.7 16.2 75.1

- - - -- - - -

20 2 7 11100.0 10.0 35.0 55.05 3 - 2

100.0 60.0 - 40.0331 51 69 211100.0 15.4 20.8 63.7424 29 74 321100.0 6.8 17.5 75.7109 9 18 82100.0 8.3 16.5 75.2169 14 23 132100.0 8.3 13.6 78.156 1 11 44

100.0 1.8 19.6 78.6

車道寄りを通行することが多い

真ん中辺りを通行することが多い

車道寄りでない方(建物側等)を通行することが多い

わからない

上段:度数下段:%

合計

車道を通行

歩道を通行

車道のどの部分を通行するか、特に気にしていない

車道の進行方向に向かって左寄りの部分(クルマと同じ向き)を通行することが多い

車道の真ん中の部分を通行することが多い

車道の進行方向に向かって右寄りの部分(クルマと逆の向き)を通行することが多い

わからない

歩道のどの部分を通行するか、特に気にしていない

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68

(2) 自転車安全利用に関する交通安全教育経験と改善意見

調査結果概要

*教育を受けた経験

・自転車に関する交通安全教育の経験については、「受けたことがない」、「小学校に通ってい

た際に受けたことがある」との回答が多くなっている(図表 IV-23)。

・年齢が高いほど受けたことがないとする回答が多く、近年、小学校における教育機会が普

及・定着してきている、またはその記憶が年齢とともに薄れていると推察される(図表

IV-24)。

・認知度の低いルール・マナーの項目における認知度は、教育経験を有する層において、経

験の無い層よりも高い傾向が示されている(図表 IV-25)。

*交通安全教育の改善すべき点

・交通安全教育の改善すべき点については、自転車利用者、歩行者・クルマ利用者のいずれ

も「小学校教育において」、次いで「保護者が責任を持って」取り組むことを充実・強化すべき

との回答が特に多い(図表 IV-26)。

*交通安全に意識が高まった時期

・自転車利用者、歩行者・クルマ利用者ともに、「子どもが小学校に進学した時期」並びに「子

どもが生まれた時期」との回答が多い(図表 IV-27)。

総括

・小学校での交通安全教育が定着している(記憶に残っている)一方で、更なる充実・強化を求

める意見も多い。また、現状では保護者による教育を経験した人が少ない一方で、今後は、

充実・強化が必要とする意見が多い。

・また、子どもが生まれた時や子どもが小学校に進学した時期に交通安全に対する意識が高

まる傾向があるため、こうした世代の保護者向けの教育、啓発が有効と考えられる。

① 自転車安全利用に関する交通安全教育経験

図表 IV-23 自転車安全利用に関する交通安全教育(自転車利用者、複数回答、回答数1,501)

11.2

42.4

9.9

4.3

10.2

3.1

1.9

3.0

44.2

0.9

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 50.0

両親から自転車の安全利用に関する教育を受けた経験がある

小学校に通っていた際に受けたことがある

中学校に通っていた際に受けたことがある

高等学校に通っていた際に受けたことがある

運転免許取得時及び更新時に受けたことがある

町内会・自治会など地域で行われた講習を受けたことがある

勤務先で社員向けの講習を受けたことがある

子どもが通っている学校で、保護者向けの講習を受けたことがある

受けたことがない

その他

Page 20: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

69

図表 IV-24 自転車安全利用に関する交通安全教育(年齢階層別、複数回答、回答数 1,501)

両親から自転車の

安全利用に関する

教育を受けた経験

がある

小学校に通っ

てい

た際に受けたこと

がある

中学校に通っ

てい

た際に受けたこと

がある

高等学校に通っ

いた際に受けたこ

とがある

運転免許取得時及

び更新時に受けた

ことがある

町内会・自治会な

ど地域で行われた

講習を受けたこと

がある

勤務先で社員向け

の講習を受けたこ

とがある

子どもが通っ

てい

る学校で、

保護者

向けの講習を受け

たことがある

受けたことがない

その他

18-19歳 25.6% 71.8% 30.8% 25.6% 15.4% 0.0% 0.0% 2.6% 12.8% 0.0%20-29歳 19.7% 67.9% 17.9% 6.4% 11.9% 0.9% 0.9% 0.0% 21.6% 0.5%30-39歳 19.2% 63.1% 13.1% 5.4% 11.2% 0.8% 0.4% 0.8% 29.6% 0.8%40-49歳 11.7% 57.0% 9.4% 5.4% 7.2% 2.2% 2.7% 3.1% 33.6% 1.3%50-59歳 8.5% 40.6% 10.0% 2.6% 11.4% 2.2% 3.7% 7.0% 43.5% 1.1%60-69歳 3.5% 12.7% 4.8% 2.2% 10.0% 3.1% 2.2% 3.5% 69.0% 0.9%70歳以上 3.1% 11.5% 1.9% 1.1% 8.4% 9.6% 1.5% 3.1% 70.1% 0.8%

図表 IV-25 自転車交通安全教育の経験とルール・マナーの認知状況の例

(複数回答、回答数1,501)

合計

知っ

いた

知らな

かっ

合計

知っ

いた

知らな

かっ

合計

知っ

いた

知らな

かっ

1501 1103 398 1501 844 657 1501 896 605100.0 73.5 26.5 100.0 56.2 43.8 100.0 59.7 40.3168 133 35 168 113 55 168 104 64100.0 79.2 20.8 100.0 67.3 32.7 100.0 61.9 38.1636 485 151 636 379 257 636 380 256100.0 76.3 23.7 100.0 59.6 40.4 100.0 59.7 40.3149 114 35 149 100 49 149 101 48100.0 76.5 23.5 100.0 67.1 32.9 100.0 67.8 32.265 50 15 65 44 21 65 46 19

100.0 76.9 23.1 100.0 67.7 32.3 100.0 70.8 29.2153 123 30 153 94 59 153 110 43100.0 80.4 19.6 100.0 61.4 38.6 100.0 71.9 28.147 37 10 47 31 16 47 35 12

100.0 78.7 21.3 100.0 66.0 34.0 100.0 74.5 25.528 23 5 28 20 8 28 21 7

100.0 82.1 17.9 100.0 71.4 28.6 100.0 75.0 25.045 40 5 45 21 24 45 29 16

100.0 88.9 11.1 100.0 46.7 53.3 100.0 64.4 35.6663 452 211 663 340 323 663 369 294100.0 68.2 31.8 100.0 51.3 48.7 100.0 55.7 44.313 12 1 13 9 4 13 6 7

100.0 92.3 7.7 100.0 69.2 30.8 100.0 46.2 53.8

許可されている場所を除いて、道路を横断したり、道路の反対側に移動してはならない

原則として、「自転車歩道通行可」の標識のない歩道を通行してはいけない

両親から自転車の安全利用に関する教育を受けた経験がある

合計

★自転車-安全教育経験

上段:度数下段:%

小学校に通っていた際に受けたことがある

中学校に通っていた際に受けたことがある

高等学校に通っていた際に受けたことがある

運転免許取得時及び更新時に受けたことがある

子どもが通っている学校で、保護者向けの講習を受けたことがある

受けたことがない

その他

夜間は車両や自らの体に反射材を装着すべきである

町内会・自治会など地域で行われた講習を受けたことがある

勤務先で社員向けの講習を受けたことがある

<参考>

自転車交通安全教育の経験別のルール・マナーの認知状況各設問の回答結果に対しカイ二乗検

定を行った結果、以下の通り差異の有意性が確認された。

・夜間は車両や自らの体に反射材を装着すべきである:P値 0.0007(1%有意)

・原則として「自転車歩道通行可」の標識のない歩道を通行してはいけない:P値 0.0497(5%

有意)

・許可されている場所を除いて、道路を横断したり、道路の反対側に移動してはならない:

P値 0.0148(5%有意)

Page 21: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

70

② 自転車安全利用に関する交通安全教育についての改善すべき点

図表 IV-26 自転車安全利用に関する交通安全教育についての改善すべき点(複数回答)

57.4

64.0

44.4

33.5

12.5

31.8

32.6

28.4

38.0

20.1

19.3

19.3

34.5

1.5

10.9

60.6

70.4

50.6

38.2

11.8

35.8

32.6

23.4

37.6

22.8

24.2

19.4

35.4

2.4

8.4

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0

保護者が、責任を持って子どもへの自転車の乗り方を教育するべきである。

小学校教育において児童向けに自転車に関する交通安全教育を充実、強化すべきである

中学校教育において生徒向けに自転車に関する交通安全教育を充実、強化すべきである

高校教育において生徒向けに自転車に関する交通安全教育を充実、強化すべきである

大学において学生向けに自転車に関する交通安全教育を充実、強化すべきである

子どもの保護者向けに自転車に関する交通安全教育を充実、強化すべきである

保護者に対し、子どもへの自転車に関する交通安全教育を促進する啓発を充実、強化すべきである

運転免許更新時の交通安全教育において自転車に関する内容を充実、強化すべきである

高齢者向けの自転車に関する交通安全教育の機会や内容を充実、強化すべきである

町内会や自治体など地域での自転車に関する交通安全教育の機会を増やすべきである

児童・生徒以外の自転車購入者向けに講習を行うべきである

講習の内容をもっと分かりやすいものにすべきである

自転車購入者に自転車のルール・マナーに関する資料を配布すべきである

その他

特にない

自転車利用者(n=1501)

歩行者・クルマ利用者(n=500)

Page 22: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

71

図表 IV-27 交通安全に対する意識(複数回答)

5.9

9.3

4.8

20.9

24.5

6.7

4.5

1.1

3.6

19.1

10.2

23.2

4.4

9.6

3.4

18.8

26.0

9.0

6.0

1.2

4.6

17.8

17.0

17.0

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0

大学・専門学校等に進学した時期

就職した時期

結婚した時期

子どもが生まれた時期

子どもが小学校に進学した時期

子どもが中学校に進学した時期

子どもが高等学校に進学した時期

子どもが大学・専門学校等に進学した時期

初孫が生まれた時期

交通安全に対する意識が高まった時期は特にない

その他

わからない

自転車利用者(n=1501)

歩行者・クルマ利用者(n=500)

Page 23: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

72

2-3.自転車利用に伴う交通事故の詳細分析

(1) 交通事故及びヒヤリ・ハットの経験の有無

調査結果概要

・自転車利用者の過去10年間の事故経験者率は12.3%(ヒヤリ・ハットは26.8%)である(図表

IV-28、図表 IV-29)。

・歩行者・クルマ利用者の過去 10 年間の対自転車事故の経験者率は 5.8%(ヒヤリ・ハットは

25.5%)である(図表 IV-30、図表 IV-31)。

・自転車利用者の被害事故では、男女とも 18~29 歳までの若年層と 60~69 歳、加害事故で

は男性の 18~29 歳と 60~69 歳、女性の 50~59 歳で経験率が高い(図表 IV-32)。

・運転免許の非保有者は、保有者と比較して被害事故の経験者率が高い(図表 IV-33)。

・自転車利用頻度の高い人ほど事故の経験率が高い(図表 IV-34)。

総括

・自転車利用者のうち、若年層と高齢層、運転免許非保有者などの事故経験者率が高い傾向

が示された。

① 事故等の経験の有無

<自転車利用者>

図表 IV-28 交通事故の経験の有無(自転車利用者)(単一回答、回答数1,501)

12.3 87.7

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

過去10年間に自転車を利用していて交通事故にあったことがある

過去10年間に自転車を利用していて交通事故にあったことはない

図表 IV-29 自転車利用時のヒヤリ・ハット経験の有無(単一回答、回答数1317)

26.8 73.2

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

過去1年間に自転車を利用していて交通事故になりそうになったことがある

過去1年間に自転車を利用していて交通事故になりそうになったことはない

Page 24: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

73

<歩行者・クルマ利用者>

図表 IV-30 交通事故の経験の有無(歩行者・クルマ利用者)(単一回答、回答数500)

5.8 94.2

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

過去10年間に相手方が自転車で交通事故にあったり、起こしたことがある

過去10年間に相手方が自転車で交通事故にあったり、起こしたことはない

図表 IV-31 歩行者・クルマ利用者のヒヤリ・ハットの経験(対自転車)の有無(単一回答、回答数471)

28.9 71.1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

過去1年間に相手方が自転車というケースで交通事故になりそうになったことがある

過去1年間に相手方が自転車というケースで交通事故になりそうになったことはない

cC

② 事故経験の属性別傾向

図表 IV-32 性年齢別、加害、被害別事故経験の有無(自転車利用者)(単一回答、回答数1,501)

*被害事故 *加害事故

12.0%

20.0%

18.0%

10.6%

12.5%

10.4%

13.5%

6.7%

15.8%

20.6%

6.3%

7.2%

10.3%

14.4%

12.8%

0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0%

全体平均

男性:18~19歳(20)

男性:20~29歳(111)

男性:30~39歳(132)

男性:40~49歳(112)

男性:50~59歳(135)

男性:60~69歳(111)

男性:70歳以上(105)

女性:18~19歳(19)

女性:20~29歳(107)

女性:30~39歳(128)

女性:40~49歳(111)

女性:50~59歳(136)

女性:60~69歳(118)

女性:70歳以上(156)

2.0%

5.0%

4.5%

0.0%

3.6%

1.5%

5.4%

1.0%

0.0%

2.8%

0.0%

0.9%

3.7%

0.8%

0.6%

0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0%

全体平均

男性:18~19歳(20)

男性:20~29歳(111)

男性:30~39歳(132)

男性:40~49歳(112)

男性:50~59歳(135)

男性:60~69歳(111)

男性:70歳以上(105)

女性:18~19歳(19)

女性:20~29歳(107)

女性:30~39歳(128)

女性:40~49歳(111)

女性:50~59歳(136)

女性:60~69歳(118)

女性:70歳以上(156)

注)かっこ内の数値は回答者数

Page 25: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

74

図表 IV-33 運転免許の有無別、加害、被害別事故経験の有無(自転車利用者)(単一回答、回答数1,501)

*被害事故 *加害事故

12.0%

11.1%

16.1%

0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0%

全体平均

持っている

(N=1247)

持っていない

(N=254)

2.0%

2.1%

1.6%

0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0%

全体平均

持っている

(N=1247)

持っていない

(N=254)

図表 IV-34 自転車利用頻度別、加害、被害別事故経験の有無(自転車利用者)(単一回答、回答数1,501)

*被害事故 *加害事故

12.0%

15.2%

8.4%

0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0%

全体平均

(合計)4回以上

(N=797)

(合計)4回未満

(N=704)

2.0%

2.9%

1.0%

0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0%

全体平均

(合計)4回以上

(N=797)

(合計)4回未満

(N=704)

Page 26: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

75

【以下の分析についての留意点】

■回答者の事故等の経験全体から見た分析対象とする事故等の位置づけについて

本項目以降は、過去 10 年に事故経験、ヒヤリ・ハット経験を有する回答者が、それぞ

れ最も被害・加害(リスク)が大きかった事故についてそれぞれ1件のみ回答した結果を

集計したものであり、複数回の事故経験等を有する回答者の2つ目以降の事故等は分析対

象となっていない。

下記の通り、本調査の回答者における事故経験は、例えば自転車利用者の被害事故では

事故総数は 254件であるが、そのうち 180件(補足率 70.9%)を対象とした分析結果とな

っている。

そのため、事故経験者(ヒヤリ・ハット経験者)の事故経験(ヒヤリ・ハット経験)の

全数を対象としたものでないことに留意が必要である。

図表 IV-35 回答者の事故経験総数と事故等の内容について回答を得た件数

a.回答件数 b.事故総数 比率(a/b) a.回答件数 b.事故総数 比率(a/b)

自転車利用者 180 254 70.9% 30 42 71.4%

歩行者・クルマ利用者 22 25 88.0% 14 15 93.3%

被害事故 加害事故

■ヒヤリ・ハット経験の位置づけについて

本調査では、自転車事故の経験回答数が想定を下回り、分析に耐えうるサンプルが収集で

きなかった場合に備え、事故には至らなかったが、今後、同様のことがあった場合に事故に

至る可能性があるケースとして「ヒヤリ・ハット」経験を収集した。

集計結果として「ヒヤリ・ハット」経験をみると、同種の事故経験とは異なる傾向を示し

ていることが多く、両者に明確な関係性を見いだすのは困難な結果となっている。

ヒヤリ・ハット経験の捉え方として、以下の二通りの仮説が考えられるが、仮説1と仮説

2のどちらがより実態に近いかは、本調査の結果からでは明確にすることができない。

このため、ヒヤリ・ハット経験を事故経験と同様の位置づけで分析することは適切ではな

いため行わず、参考データとして扱うこととする。

仮説1:事故に至るか、至らないかは偶発的な要因によって分かれているに過ぎず、事故

もヒヤリ・ハットも同じ傾向を有している。

仮説2:ヒヤリ・ハットには、被害事故においては事故にまで至ることの少ない「迷惑行

為」とでもいうべきケースが一定割合を占めている可能性、また、加害事故にお

いては、危険だったと記憶しているケースが必ずしも事故に直結するものだけに

限定されている訳ではないことなどから、事故経験とヒヤリ・ハット経験では異

なった傾向を有している。

Page 27: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

76

(2) 交通事故等の相手の属性

調査結果概要

・自転車利用者の事故の相手として、被害事故ではクルマ、加害事故では自転車の占める割

合が最も高い。ただし、ヒヤリ・ハット(加害)の相手では、歩行者の占める割合が高くなる(図

表 IV-36)。

・事故発生時の自転車利用者の年齢の分布は、加害事故において10~19歳、40~49歳の割

合が高く、この2世代で全体の過半を占めている(図表 IV-37)。

・事故発生時の自転車利用者の事故の相手としては、人口構成比と比較して、高校生の占め

る割合が大幅に高くなっている。また、歩行者・クルマ利用者の事故の相手としての自転車

利用者では、人口構成比と比較して、加害事故、被害事故の両方で高校生の占める割合が

高い(図表 IV-38)。

総括

・自転車利用者の加害事故の相手や、歩行者・クルマ利用者の事故相手となった自転車利用

者においては、人口構成比と比較して、若年層(10~19 歳、高校生)の占める割合が高い。

図表 IV-36 自転車利用者の事故等の相手の状態(単一回答)

<自転車 対 すべて>

10.0

24.4

22.2

53.3

28.2

33.9

68.3

36.7

63.3

38.6

5.7

3.3 6.1

0.0

2.8

3.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

事故(被害)(N=180)

事故(加害)(N=30)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=316)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=127)

歩行者 自転車 クルマ 原付・自動二輪車

図表 IV-37 事故当時の自分の年齢(単一回答)

<自転車 対 すべて>

18.3

26.7

16.1

14.6

20.5

15.6

26.7

14.6

12.6

19.4

16.7

19.9

18.9

15.6

20.0

20.6

21.3

4.4

0.0

8.9

3.9

0.0

0.0

0.0

0.6

6.3

3.5

3.3

10.0

6.7

18.0

16.5

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

事故(被害)(N=180)

事故(加害)(N=30)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=316)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=127)

0~9歳 10~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳以上

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77

図表 IV-38 事故当時の相手の年齢(概ねの年齢)(単一回答)

<自転車 対 すべて>(加害、被害別)

11.9

3.3

3.3

5.0

6.0

12.6

62.0

10.0

16.7

18.0

24.4

20.2

2.8

0.6

7.1

0.0

2.9

2.8

2.4

3.1

16.7

53.5

72.5

63.3

78.9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

事故(被害)(N=180)

事故(加害)(N=30)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=316)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=127)

2005年国勢調査人口(参考)

小学生以下 中学生 高校生 大学生・成人 高齢者(概ね65歳以上)

<歩行者・クルマ 対 自転車>(加害、被害別)

11.9

9.1 31.8

33.3

19.6

62.0

9.1

7.1

12.0

12.5

20.2

14.3

3.6

11.1

9.1

2.9

0.0

23.2

13.0

3.1

28.6

40.9

50.0

30.6

41.1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

事故(被害)(N=22)

事故(加害)(N=14)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=108)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=56)

2005年国勢調査人口(参考)

小学生以下 中学生 高校生 大学生・成人 高齢者(概ね65歳以上)

注釈)2005年国勢調査人口に関しては、12歳以下を「小学生以下」、15歳以下を「中学生」、18歳以下を「高校生」、19~64歳を「大学生・成人」、65歳以上を「高齢者」に分類

【人口あたり事故当事者件数の比較】

自転車 徒歩・クルマ

単位:人・回/百万人 被害事故(n=180)

加害事故(n=30)

被害事故(n=22)

加害事故(n=14)

小学生以下 0.33 0.00 0.13 0.13中学生 1.64 0.27 0.55 0.00高校生 2.28 1.27 1.78 1.01大学生・成人 1.80 0.24 0.11 0.09高齢者(概ね65歳以上) 0.70 0.19 0.08 0.04

注釈)母数となる人口は 2005年国勢調査人口を用い、12歳以下を「小学生以下」、15歳以下を「中学生」、18歳以下を「高校生」、19~64歳を「大学生・成人」、65歳以上を「高齢者」に分類

<参考>

<参考>

<参考>

Page 29: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

78

(3) 事故等の類型

調査結果概要

・自転車利用者の被害事故では、追突される、出会い頭(交差点)、相手の右左折時に接触、

加害事故で出会い頭(交差点)、自分の右左折時に接触などが多い(図表 IV-39)。

・自転車利用者の被害事故を相手の状態別に分析すると、自転車同士の事故では出会い頭

(交差点)、相手に追い越される際の接触、正面衝突の比率が高く、対クルマの被害事故で

は、追突される、クルマの右左折時に接触、自転車の道路横断時の接触の比率が高くなって

いる(図表 IV-40)。

総括

・自転車対車両の事故類型としては、大別して、交差点での出会い頭、自転車同士の正面衝

突、右左折時に接触するケースが多い。

図表 IV-39 自転車利用者の対車両の事故等の類型(被害、加害別)(単一回答)

<自転車 対 車両>

項目事故(被害)(N=174)

事故(加害)(N=27)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=298)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=96)

正面衝突 3.4 11.1 2.0 6.3

相手があなたに追突 17.8 0.0 11.1 7.3

あなたが相手に追突 1.7 3.7 0.3 3.1

あなたが追い越す際に接触 0.6 0.0 1.0 1.0

相手が追い越す際に接触 6.9 7.4 5.7 5.2

すれ違い時に接触 2.9 11.1 7.4 9.4

あなたの右左折時に接触 4.6 18.5 5.0 2.1

相手の右左折時に接触 14.9 7.4 12.4 5.2

自転車が道路を横断する際に接触 13.8 7.4 10.1 9.4

出会い頭(駐輪場出口付近で) 1.7 3.7 6.7 5.2

出会い頭(交差点で) 16.1 25.9 20.5 31.3

出会い頭(店舗敷地出口付近で) 5.7 3.7 11.1 9.4

その他 9.8 0.0 6.7 5.2

合計 100.0 100.0 100.0 100.0

Page 30: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

79

図表 IV-40 自転車利用者の被害事故における相手の状態別事故等の類型(単一回答)

<自転車 対 自転車、クルマ>

12.5

10.0

0.0

2.5

15.0

2.5

7.5

7.5

7.5

5.0

17.5

2.5

10.0

0.8

19.5

2.4

0.0

4.1

3.3

3.3

17.9

16.3

0.8

15.4

6.5

9.8

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0

正面衝突

相手があなたに追突

あなたが相手に追突

あなたが追い越す際に接触

相手が追い越す際に接触

すれ違い時に接触

あなたの右左折時に接触

相手の右左折時に接触

自転車が道路を横断する際に接触

出会い頭(駐輪場出口付近で)

出会い頭(交差点で)

出会い頭(店舗敷地出口付近で)

その他

%相手の状態-自転車(N=40)

相手の状態-クルマ(N=123)

Page 31: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

80

(4) 事故等の発生場所(道路の種類等)

調査結果概要

*道路形状

・自転車利用者の加害事故、被害事故とも交差点及び交差点付近の合計が全体の約6割を

占め、交通統計と同様の傾向が表れている(図表 IV-41)。

・自転車同士の被害事故では交差点付近の比率が高く、対クルマの被害事故では、交差点の

比率が高い。ヒヤリハット経験と比較すると、対クルマでは同様の傾向であるが、対自転車で

は直線の割合が高くなる傾向にある。(図表 IV-42、図表 IV-43)。

*走行場所

・自転車利用者の被害事故は、その4割が歩道又は横断歩道で発生しており、加害事故は5

割以上が車道で発生している(図表 IV-44)。また、歩道内の自転車専用通行ゾーンでは自

転車対自転車の事故の割合が高く、横断歩道、歩道では、自転車対クルマの事故の占める

割合が高い(図表 IV-45)。

・また、自転車利用者のヒヤリハット事例(被害)が道路内のどの場所で発生しているか分析

すると、相手の状態別では、対自転車、対クルマのいずれにおいても、事故経験と比較して

歩道の占める割合が高い特徴がある(図表 IV-46)。

・交差点での事故が道路内のどの場所で発生しているか分析すると、車道通行時と横断歩道

通行時が4割ずつを占める。また、直線部分での事故を分析すると、車道通行時と歩道通行

時が3割ずつ占める(図表 IV-47)。

・自転車利用者の普段の通行場所別の事故発生場所を分析すると、車道での事故は、普段

車道を通行している人だけでなく、普段歩道を通行している人にも多く、この傾向は被害、加

害のいずれにおいても共通している(図表 IV-48、図表 IV-49)。

・ヒヤリハット事例(被害、対車両)について、事故類型別に自転車利用者の走行場所を分析

すると、交差点での出会い頭の事故は車道及び横断歩道の走行時の占める割合が高く、相

手の右左折時の接触や自転車の道路横断時の接触は、横断歩道走行時の占める割合が高

い特徴がある(図表 IV-51)。

総括

・自転車利用者の事故経験によると、道路形状では交差点及びその付近や、走行場所では歩

道、横断歩道において多く事故が発生していることが示された。歩道がある道路において歩

道を通行する者は7割以上に上る一方で、歩道や横断歩道が整備されておらず車道や路側

帯等を通行せざるを得ない道路も多く存在しており、一概に、車道と歩道の事故リスクを比較

することは困難であるが、車道と歩道のいずれにおいても事故が発生していると考えられ

る。

・事故の6割を占める交差点における事故については、そのうち横断歩道通行中と車道通行

中がそれぞれ4割を占めるが、上記の通り、そもそも横断歩道の設置されていない道路も存

在している。このため、横断歩道の設置されている道路のみで比較すると、横断歩道通行中

の占める割合は、更に高くなるものと考えられる。

Page 32: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

81

① 道路形状

図表 IV-41 自転車利用者の事故が発生した場所(道路の種類等)-道路形状(単一回答、回答数180)

<自転車 対 すべて>

24.4

40.0

28.3

34.2

40.2

6.7

10.0

3.9

20.0

26.0

29.4

36.7

24.4

26.3

26.7

3.9

3.3

7.9

5.5

2.2

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

事故(被害)(N=180)

事故(加害)(N=30)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=316)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=127)

交差点 交差点付近 直線部分 カーブ その他車道

図表 IV-42 自転車利用者の被害事故における相手の状態別道路形状(単一回答)

<自転車 対 自転車、クルマ>

20.0

43.1

37.5

20.3

30.0

28.5

7.5

6.5

5.0

1.6

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

相手の状態-自転車(N=40)

相手の状態-クルマ(N=123)

交差点 交差点付近 直線部分 カーブ その他車道

図表 IV-43 自転車利用者のヒヤリハット経験(被害)における相手の状態別道路形状(単一回答)(参考)

<自転車 対 自転車、クルマ>

15.7

36.0

28.1

22.5

44.9

30.5

1.1

3.08.0

10.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

相手の状態-自転車(N=89)

相手の状態-クルマ(N=200)

交差点 交差点付近 直線部分 カーブ その他車道

<参考>

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82

② 走行場所

図表 IV-44 自転車利用者の事故が発生した場所(道路の種類等)-走行場所(単一回答)

<自転車 対 すべて>

項目事故(被害)(N=180)

事故(加害)(N=30)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=316)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=127)

1.車道(2を除く車道) 33.9 50.0 32.6 39.4

2.車道内の自転車専用通行帯(自転車レーン) 5.0 3.3 4.1 3.1

車道合計(1~2) 38.9 53.3 36.7 42.5

3.路側帯[注] 4.4 3.3 9.8 11.8

4.横断歩道 21.7 13.3 18.0 14.2

5.歩道(6、7を除く歩道) 21.7 26.7 25.9 26.0

6.その他歩道等 3.3 0.0 1.9 1.6

7.歩道内の自転車用通行ゾーン 6.7 0.0 4.1 2.4

歩道合計(5~7) 31.7 26.7 31.9 30.0

8.自転車道 1.7 0.0 1.6 0.0

9.駐車場 1.1 0.0 1.6 1.6

10.駐輪場 0.6 3.3 0.3 0.0

合計 100.0 100.0 100.0 100.0

図表 IV-45 自転車利用者の被害事故における相手の状態別走行場所(単一回答)

<自転車 対 自転車、クルマ>

32.5

2.5

7.5

15.0

17.5

7.5

15.0

0.0

0.0

2.5

34.1

4.9

4.1

25.2

22.8

1.6

3.3

2.4

1.6

0.0

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0

1 車道(2を除く車道)

2 車道内の自転車専用通行帯

(自転車レーン)

3 路側帯

4 横断歩道

5 歩道(6、7を除く歩道)

6 その他歩道等

7 歩道内の自転車用通行ゾーン

8 自転車道

9 駐車場

10 駐輪場

%相手の状態-自転車(N=40)

相手の状態-クルマ(N=123)

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83

図表 IV-46 自転車利用者のヒヤリハット経験(被害)における相手の状態別走行場所(単一回答)(参考)

<自転車 対 自転車、クルマ>

29.2

5.6

9.0

14.6

29.2

3.4

3.4

4.5

0.0

1.1

34.5

3.0

8.0

20.5

24.5

1.5

5.0

0.5

2.5

0.0

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0

1 車道(2を除く車道)

2 車道内の自転車専用通行帯

(自転車レーン)

3 路側帯

4 横断歩道

5 歩道(6、7を除く歩道)

6 その他歩道等

7 歩道内の自転車用通行ゾーン

8 自転車道

9 駐車場

10 駐輪場

%相手の状態-自転車

(N=89)

相手の状態-クルマ

(N=200)

車道

歩道

図表 IV-47 道路形状別自転車利用者の被害事故が発生した場所(単一回答)

<自転車 対 すべて>

39.4%

1.5%

0.0%

39.4%

9.1%

0.0%

7.6%

3.0%

0.0%

0.0%

34.1%

6.8%

6.8%

22.7%

20.5%

2.3%

6.8%

0.0%

0.0%

0.0%

31.4%

7.8%

9.8%

3.9%

29.4%

5.9%

7.8%

2.0%

2.0%

0.0%

0.0

%

5.0

%

10.

0%

15.

0%

20.

0%

25.

0%

30.

0%

35.

0%

40.

0%

45.

0%

1 車道(2を除く車道)

2 車道内の自転車専用通行帯

(自転車レーン)

3 路側帯

4 横断歩道

5 歩道(6、7を除く歩道)

6 その他歩道等

7 歩道内の自転車用通行ゾーン

8 自転車道

9 駐車場

10 駐輪場

交差点n=66

交差点付近n=44

直線部分n=51

車道

歩道

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84

図表 IV-48 普段の通行場所別自転車利用者の被害事故における走行場所(単一回答)

<自転車 対 すべて>

31.1

4.4

3.0

23.7

25.2

1.5

6.7

2.2

1.5

0.7

42.2

6.7

8.9

15.6

11.1

8.9

6.7

0.0

0.0

0.0

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0

1 車道(2を除く車道)

2 車道内の自転車専用通行帯

(自転車レーン)

3 路側帯

4 横断歩道

5 歩道(6、7を除く歩道)

6 その他歩道等

7 歩道内の自転車用通行ゾーン

8 自転車道

9 駐車場

10 駐輪場

歩道n=135

車道n=45

車道

歩道

図表 IV-49 普段の通行場所別自転車利用者の加害事故における走行場所(単一回答)

<自転車 対 すべて>

52.2

4.3

4.3

13.0

21.7

0.0

0.0

0.0

0.0

4.3

42.9

0.0

0.0

14.3

42.9

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

1 車道(2を除く車道)

2 車道内の自転車専用通行帯

(自転車レーン)

3 路側帯

4 横断歩道

5 歩道(6、7を除く歩道)

6 その他歩道等

7 歩道内の自転車用通行ゾーン

8 自転車道

9 駐車場

10 駐輪場

歩道n=23

車道n=7

車道

歩道

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85

図表 IV-50 過去10年の事故経験【歩道がある道路で普段通行している場所別】(単一回答)

<自転車 対 すべて>

11.2

12.7

88.8

87.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

車道(N=412)

歩道(N=1089)

過去10年間に自転車を利用していて交通事故にあったことがある

過去10年間に自転車を利用していて交通事故にあったことはない

図表 IV-51 自転車利用者のヒヤリ・ハット経験(被害)における事故類型別走行場所(単一回答)(参考)

<自転車 対 すべて>

合計

車道(

2を除く車道)

車道内の自転車専用通行

帯(

自転車レー

ン)

路側帯

[

]

横断歩道

歩道(

6、

7を除く歩

道)

その他歩道等

歩道内の自転車用通行

ゾー

自転車道

駐車場

駐輪場

316 103 13 31 57 82 6 13 5 5 1

100.0 32.6 4.1 9.8 18.0 25.9 1.9 4.1 1.6 1.6 0.3対車両-正面衝突 6 - 1 - 1 1 - 2 1 - -

100.0 - 16.7 - 16.7 16.7 - 33.3 16.7 - -対車両-相手があなたに追突 33 11 2 7 3 9 - - 1 - -

100.0 33.3 6.1 21.2 9.1 27.3 - - 3.0 - -対車両-あなたが相手に追突 1 1 - - - - - - - - -

100.0 100.0 - - - - - - - - -対車両-あなたが追い越す際に接触 3 - - - - 1 - - 2 - -

100.0 - - - - 33.3 - - 66.7 - -対車両-相手が追い越す際に接触 17 11 - 1 2 3 - - - - -

100.0 64.7 - 5.9 11.8 17.6 - - - - -対車両-すれ違い時に接触 22 7 - 4 1 10 - - - - -

100.0 31.8 - 18.2 4.5 45.5 - - - - -対車両-あなたの右左折時に接触 15 6 - 5 - 2 1 1 - - -

100.0 40.0 - 33.3 - 13.3 6.7 6.7 - - -対車両-相手の右左折時に接触 37 9 2 1 14 9 - 1 - 1 -

100.0 24.3 5.4 2.7 37.8 24.3 - 2.7 - 2.7 -対車両-自転車が道路を横断する際に接触 30 5 2 1 12 5 2 3 - - -

100.0 16.7 6.7 3.3 40.0 16.7 6.7 10.0 - - -対車両-出会い頭(駐輪場出口付近で) 20 6 1 - - 9 - 1 - 2 1

100.0 30.0 5.0 - - 45.0 - 5.0 - 10.0 5.0対車両-出会い頭(交差点で) 61 28 1 3 18 7 2 2 - - -

100.0 45.9 1.6 4.9 29.5 11.5 3.3 3.3 - - -対車両-出会い頭(店舗敷地出口付近で) 33 8 - 4 1 16 - 1 1 2 -

100.0 24.2 - 12.1 3.0 48.5 - 3.0 3.0 6.1 -対車両-その他 20 5 2 2 4 4 1 2 - - -

100.0 25.0 10.0 10.0 20.0 20.0 5.0 10.0 - - -

ヒヤリハット・被害全ケース

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86

(5) 事故等の発生時の自転車の走行していた向き

調査結果概要

*自転車利用者の事故

・事故発生時の自転車利用者が車道を逆走していた割合は、被害事故においては 22.2%、加

害事故においては23.3%である。また、対クルマの被害事故においては、自転車が車道を逆

走していた割合が高い。そのほか、事故相手の年齢別に分析すると、年齢が高いほど、自転

車が車道を逆走していた割合が高くなる。

・また、自転車の被害事故について道路形状別に自転車が車道を逆走していた割合を分析す

ると、交差点、交差点付近、直線部分の全てにおいて 20%以上に達している(図表 IV-52)。

・自転車同士の事故において、相手当事者が車道を逆走している割合が被害事故の 37.5%、

加害事故の50.0%である(図表 IV-53)。また、自転車利用者の被害事故で相手が自転車の

ケースでは、全体の4割強が車道または歩道上で同じ側で向き合う形で走行していたケース

である(図表 IV-54)。

*歩行者・クルマ利用者の事故(相手は自転車)

・歩行者、クルマ利用者の対自転車事故において、自転車側が車道を逆走していた割合は、

被害事故の 40.9%、加害事故の 50.0%に上っている。

総括

・自転車の車道の逆走が事故の少なからぬ割合で見られ、相手がクルマの場合や高齢者の

場合、自転車相互の場合などにはより高い割合で見られる。

・逆走は交差点のみならず、どのような道路形状でも同程度の割合でみられ、総じて危険な走

行方法であるといえる。

図表 IV-52 自転車(自分)が走行していた向き

<自転車 対 すべて>(被害、加害別)

22.8

13.3

22.2

16.5

11.8

53.3

62.2

56.6

43.9

18.9

18.7

23.3

11.1

10.0

8.2

7.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

事故(被害)(N=180)

事故(加害)(N=30)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=316)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=127)

車道の進行方向に向かって左寄りの部分(クルマと同じ向き)

進行方向に向かって道路の左側の歩道上(クルマと同じ向き)

車道の進行方向に向かって右寄りの部分(クルマと逆の向き)

進行方向に向かって道路の右側の歩道上(クルマと逆の向き)

<参考>

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87

<自転車 対 自転車、クルマ>(被害事故、相手の状態別)

52.5

38.2

22.5

22.8

17.5

25.2 13.8

7.5

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

相手の状態-自転車

(N=40)

相手の状態-クルマ(N=123)

車道の進行方向に向かって左寄りの部分(クルマと同じ向き)

進行方向に向かって道路の左側の歩道上(クルマと同じ向き)

車道の進行方向に向かって右寄りの部分(クルマと逆の向き)

進行方向に向かって道路の右側の歩道上(クルマと逆の向き)

<自転車 対 すべて>(被害事故、相手の年齢別)

52.4%

40.7%

36.1%

20.6%

24.7%

22.2%

12.7%

27.2%

27.8%

14.3%

7.4%

13.9%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

29歳以下(N=61)

30~59歳(N=78)

60歳以上(N=35)

車道の進行方向に向かって左寄りの部分(クルマと同じ向き)

進行方向に向かって道路の左側の歩道上(クルマと同じ向き)

車道の進行方向に向かって右寄りの部分(クルマと逆の向き)

進行方向に向かって道路の右側の歩道上(クルマと逆の向き)

<自転車 対 すべて>(被害事故、道路形状別)

34.8%

47.7%

52.9%

71.4%

25.0%

30.3%

18.2%

15.7%

0.0%

33.3%

21.2%

22.7%

23.5%

14.3%

33.3%

13.6%

11.4%

7.8%

14.3%

8.3%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

交差点n=66

交差点付近n=44

直線部分n=51

カーブn=7

その他車道n=12

車道の進行方向に向かって左寄りの部分(クルマと同じ向き)進行方向に向かって道路の左側の歩道上(クルマと同じ向き)車道の進行方向に向かって右寄りの部分(クルマと逆の向き)進行方向に向かって道路の右側の歩道上(クルマと逆の向き)

Page 39: IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全 …50 IV. 国民の自転車利用の安全性に関する実態と安全利用に対する意向 1 国民アンケート調査の概要

88

図表 IV-53 自転車の事故で自転車(相手)が走行していた向き

<自転車 対 自転車>(加害、被害別)

10.0

12.5

37.5

38.2

39.5

32.5

32.6

37.2

31.3

14.6

16.3

50.0

7.0

14.6

6.320.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

事故(被害)(N=40)

事故(加害)(N=16)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=89)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=43)

車道の進行方向に向かって左寄りの部分(クルマと同じ向き)

進行方向に向かって道路の左側の歩道上(クルマと同じ向き)

車道の進行方向に向かって右寄りの部分(クルマと逆の向き)

進行方向に向かって道路の右側の歩道上(クルマと逆の向き)

図表 IV-54 自転車利用者の被害事故で相手が自転車のケースのお互いの走行していた向き

車道の進行方向に向かっ

左寄りの部分(

クルマと同

じ向き)

車道の進行方向に向かっ

右寄りの部分(

クルマと逆

の向き)

進行方向に向かっ

て道路の

左側の歩道上(

クルマと同

じ向き)

進行方向に向かっ

て道路の

右側の歩道上(

クルマと逆

の向き)

40 13 15 4 8

100.0 32.5 37.5 10.0 20.0

車道の進行方向に向かって左寄りの部分(クルマと同じ向き) 21 7 10 1 3

100.0 33.3 47.6 4.8 14.3

車道の進行方向に向かって右寄りの部分(クルマと逆の向き) 7 3 3 - 1

100.0 42.9 42.9 - 14.3

進行方向に向かって道路の左側の歩道上(クルマと同じ向き) 9 2 1 3 3

100.0 22.2 11.1 33.3 33.3

進行方向に向かって道路の右側の歩道上(クルマと逆の向き) 3 1 1 - 1

100.0 33.3 33.3 - 33.3

合計

相手が走っていた向き

合計

自分が走っていた向き

上段:度数下段:%

図表 IV-55 歩行者・クルマの事故で自転車(相手)が走行していた向き

<歩行者・クルマ 対 自転車>(加害、被害別)

18.2

7.1

40.9

17.6

19.6

42.9

44.6

48.1

31.8

23.2

20.4

50.0

9.1

0.0

13.9

12.5

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

事故(被害)(N=22)

事故(加害)(N=14)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=108)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=56)

車道の進行方向に向かって左寄りの部分(クルマと同じ向き)

進行方向に向かって道路の左側の歩道上(クルマと同じ向き)

車道の進行方向に向かって右寄りの部分(クルマと逆の向き)

進行方向に向かって道路の右側の歩道上(クルマと逆の向き)

<参考>

<参考>

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89

2-4.事故の処理

(1) 事故の際の怪我の状態や違反・過失の有無と届け出の状況

調査結果概要

*自転車利用者の事故における怪我の状況

・自転車利用者は、被害事故の28.9%、加害事故の16.7%で通院、被害事故の5.0%、加害事

故の 6.7%で入院が必要となっている(図表 IV-56)。自転車対クルマの事故で自転車が被

害を受けた場合は、通院者の占める割合がさらに高くなっている(図表 IV-57、図表 IV-58)。

*自転車利用者の事故における双方の違反・過失の有無

・自転車利用者が被害を受けた事故において、相手当事者の違反・過失は「安全確認を怠っ

た」、「一時停止違反」が多く、自転車利用者の違反・過失は「無かった」、「安全確認を怠っ

た」が多い(図表 IV-59)。

・自転車利用者が加害した事故の場合、自転車利用者の違反・過失は「安全確認を怠った」、

「わからない」が多く、相手当事者の違反・過失は「安全確認を怠った」、「分からない」が多く

なっている(図表 IV-59)。

*警察への届け出の有無

・警察への届け出を行っていない割合は、自転車利用者の被害事故では 56.7%、加害事故で

は 60.0%に上っている。また、歩行者・クルマ利用者の対自転車事故では、被害事故の

45.5%、加害事故の 28.6%に上っている(図表 IV-60)。

・自転車利用者の怪我の状態別に警察への届け出の有無を分析すると、怪我が重くなるに伴

って警察へ届け出た割合が高くなり、入院、通院したケースでは全体平均よりも届け出た割

合が高い。しかしながら、通院したケースでも届け出を行わない割合も 21.2%に上っている(図

表 IV-61)。

総括

・自転車利用者の対クルマの被害事故において怪我の程度が重い傾向がある。

・事故発生時の違反・過失として、事故当事者の両方において、「安全確認を怠った」の割合

が高い。

・自転車利用者の事故でにおいては、全般的に警察への届け出がなされていない割合が高く

なっており、特に、通院を要する怪我を負ったケースでも届け出をしなかった事故が2割以上

ある。

・今回の調査では、回答者の経験の中で最も被害・加害が深刻な事故についてのみ集計対象

としており、そうした事故に偏ったサンプルとなっている可能性があるため、届け出がなされ

た割合はさらに低い可能性がある。

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90

① 自転車利用者の事故における怪我の状況

図表 IV-56 自転車利用者の事故における被害者の怪我の状態(加害、被害別)(単一回答)

<自転車 対 すべて>

28.9

16.7

13.3

6.7

5.0

13.3

52.8

63.3

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

事故(被害)(N=180)

事故(加害)(N=30)

病院に入院した

病院に行って診察を受け、通院した

病院で診察を受けたが入院、通院はしていない

病院には行っていない

図表 IV-57 歩行者・クルマ利用者の事故(対自転車)における被害者の怪我の状態(加害、被害別)

(単一回答)

<歩行者・クルマ 対 自転車>

50.0

9.10.0

0.0

4.5

7.1 42.9

86.4

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

事故(被害)(N=22)

事故(加害)(N=14)

病院に入院した

病院に行って診察を受け、通院した

病院で診察を受けたが入院、通院はしていない

病院には行っていない

図表 IV-58 自転車利用者の被害事故における相手の状態別被害者の怪我の状態(被害事故)(単一回答)

<自転車 対 自転車、クルマ>

0.0

4.9

25.0

31.7

7.5

13.8 49.6

67.5

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

相手の状態-自転車

(N=40)

相手の状態-クルマ(N=123)

病院に入院した

病院に行って診察を受け、通院した

病院で診察を受けたが入院、通院はしていない病院には行っていない

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91

② 双方の法令違反や過失の有無

図表 IV-59 双方の法令違反や過失の有無-あなたの法令違反や過失の有無(複数回答)

<自転車 対 すべて>

・自分の違反・過失(加害、被害別)

項目事故(被害)(N=180)

事故(加害)(N=30)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=316)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=127)

自分には法令違反や過失はなかった 69.4 13.3 69.0 33.9

自分が飲酒運転をしてしまった 0.0 3.3 0.0 0.0

自分が信号無視をしてしまった 1.7 0.0 0.6 4.7

自分が一時停止すべき場所でしなかった 4.4 10.0 2.8 8.7

自分が無灯火で自転車を運転してしまった 1.7 3.3 0.3 0.0

自分が傘を差しながら自転車を運転してしまった 0.6 0.0 1.3 0.8

自分が携帯を使用しながら自転車を運転してしまった 1.1 3.3 0.0 0.8

自分がヘッドフォン・イアホンをしながら自転車を運転してしまった。 1.1 0.0 0.9 1.6

自分が安全確認を怠った 15.0 53.3 12.7 30.7

自分がその他の法令違反・過失をしてしまった 1.7 3.3 0.6 3.1

わからない 9.4 20.0 17.4 23.6

・相手の違反・過失(加害、被害別)

項目事故(被害)(N=180)

事故(加害)(N=30)

ヒヤリ・ハット(被害)(N=316)

ヒヤリ・ハット(加害)(N=127)

相手には法令違反や過失はなかった 6.7 16.7 7.0 21.3

相手が飲酒運転をしてしまった 0.6 0.0 0.3 0.8

相手が信号無視をしてしまった 6.7 3.3 5.1 2.4

相手が一時停止すべき場所でしなかった 36.1 13.3 30.1 12.6

相手が無灯火で自転車を運転してしまった 0.6 0.0 2.2 0.8

相手が傘を差しながら自転車を運転してしまった 1.1 0.0 0.6 0.8

相手が携帯を使用しながら自転車を運転してしまった 2.2 3.3 2.8 3.9相手がヘッドフォン・イアホンをしながら自転車を運転してし

まった。 0.6 0.0 1.3 2.4相手が安全確認を怠った 66.1 40.0 53.8 34.6

相手がその他の法令違反・過失をしてしまった 3.9 0.0 2.8 0.8わからない 9.4 36.7 15.2 29.9

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92

図表 IV-60 事故の処理-届け出について(単一回答)

<自転車 対 すべて>(加害、被害別)

56.7

60.0

43.3

40.0

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

事故(被害)(N=180)

事故(加害)(N=30)

警察に届け出た 警察に届け出はしなかった

<歩行者・クルマ 対 自転車>(加害、被害別)

45.5

28.6

54.5

71.4

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

事故(被害)(N=22)

事故(加害)(N=14)

警察に届け出た 警察に届け出はしなかった

図表 IV-61 自転車利用者の被害事故における怪我の状態別届け出の有無(単一回答)

<自転車 対 すべて>

100.0

78.8

54.2

15.8

0.0

21.2

45.8

84.2

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100

%

病院に入院した(N=9)

病院に行って診察を受け、通院した(N=52)

病院で診察を受けたが入院、通院はしていない

(N=24)

病院には行っていない(N=95)

警察に届け出た 警察に届け出はしなかった

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93

(2) 事故の賠償の状況と保険加入の有無

調査結果概要

*賠償の状況

・自転車利用者の被害事故の 45.6%、加害事故の 43.3%、歩行者・クルマ利用者の被害事故

の 27.3%、加害事故の 71.4%で、何らかの賠償が生じている(図表 IV-62)。

*保険加入の有無

・自転車利用者が何らかの賠償を行った場合において、自転車利用者の 61.5%は損害賠償責

任保険に加入していた(図表 IV-63)。

総括

・自転車利用者の加害事故の4割以上において、実際に賠償を行っていることが明らかとなっ

た。自転車利用者に高額の賠償責任が生じた事例の発生等も併せて考えると、自転車利用

者においても、賠償保険に加入することの必要性が高まっているものと考えられる。

・賠償を行った自転車利用者が損害賠償保険に加入していた割合は、過年度アンケート結果1

と比較してかなり高い割合となっており、実態をより詳細に把握するためには、更なる調査を

要するものと考えられる。

1 財団法人全日本交通安全協会が平成 17年度に実施した調査では、自転車の保険に加入している割合は

16.5%にとどまっている。

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94

図表 IV-62 事故の処理-賠償の有無について(単一回答、回答数180)

<自転車 対 すべて>(加害、被害別)

12.8

13.3

12.8 54.4

56.723.3

20.0

3.3

0.0

3.3

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

事故(被害)(N=180)

事故(加害)(N=30)

医療費など身体的損害について賠償させた(した) 車両の修理費など物的損害について賠償させた(した)

身体的、物的の両方の損害について賠償させた(した) その他の損害について賠償させた(した)

賠償はさせなかった(しなかった)

<歩行者・クルマ 対 自転車>(加害、被害別)

18.2

28.6

0.0 72.7

28.628.6

4.5

14.3

4.5

0.0

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

事故(被害)(N=22)

事故(加害)(N=14)

医療費など身体的損害について賠償させた 車両の修理費など物的損害について賠償させた

身体的、物的の両方の損害について賠償させた その他の損害について賠償させた

賠償はさせなかった

図表 IV-63 加害者となった自転車利用者が損害賠償保険に加入していたか否か(単一回答)

61.5% 23.1% 15.4%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

n=26

加入していた 加入していなかった わからない

注釈)上記の数値は「①自転車利用者が被害事故(相手:自転車)にあい、賠償が発生したケース9人(加

入していた7名、わからない2名)」「②自転車利用者が加害事故を起こし、賠償が発生したケース

11人(加入していた7名、加入していなかった4名)」「③徒歩・クルマ利用者が被害事故(相手:

自転車)にあい、賠償が発生したケース6人(加入していた2名、加入していなかった2名、わから

ない2名)」の合計値である。なお、①と②の重複者2名は②より重複削除処理済である。

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95

図表 IV-64 損害賠償が発生したケースで加害者となった自転車利用者の年齢(単一回答)

賠償があった自転車利用者の被害事故(相手が自転車)

相手の年齢 保険加入 保険未加入 わからない 合計

小学生

中学生 1 1

高校生 1 1

大学・成人 2 2 4

高齢者 3 3

合計 7 0 2 9

賠償があった自転車利用者の加害事故

保険加入 保険未加入 わからない 合計

18才まで

20~29才 2 2

30~39才

40~49才 2 2

50~59才 5 5

60~69才 1 2 3

70才以上 1 1

合計 9 0 4 13

賠償があった歩行者・クルマ利用者の被害事故(相手が自転車)

相手の年齢 保険加入 保険未加入 わからない 合計

小学生 1

中学生 0

高校生 1 1 2

大学・成人 1 1 2

高齢者 1 1

合計 2 2 2 5