jaccard係数の計算式と特徴(1)
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Jaccard係数の計算式(1)
KH CoderではJaccard係数を多用しています。たとえば語Aと語Bの共起の程度をJaccard係数で測る計算式は以下のようになります。
「語Aを含み」なおかつ「語Bを含む」文書の数
「語Aを含む」か「語Bを含む」か1方でも当てはまる文書の数
図解にするとより分かりやすく→
語Aを含む文書 語Bを含む文書
(a) 「語Aを含み」なおかつ「語Bを含む」文書
語Aを含む文書 語Bを含む文書
(b) 「語Aを含む」か「語Bを含む」か1方でも当てはまる文書
(a) 「語Aを含み」なおかつ「語Bを含む」文書
語Aを含む文書 語Bを含む文書
(b) 「語Aを含む」か「語Bを含む」か1方でも当てはまる文書
(a) 「語Aを含み」なおかつ「語Bを含む」文書
語Aを含む文書 語Bを含む文書
(b)の中での(a)の割合 = (a)÷(b) がJaccard係数!
もし単純に数をかぞえると?
語Cを含む文書
• 単純に共起する数をかぞえると、語Aの有無に関係なくどこにでも多く出現する語Cが上位に。
• Jaccard係数では割合を見るので、語Cは下位になり、語Aがある時に特によく出てくる共起語が上位に
語Aを含む文書
それでも、ある程度は数も必要
語Dを含む文書
• 語Dはほぼすべて語Aと共起しているが、数が少ないので「語Aが出てくるときには語Dもよく出てくる」とは言えない
• Jaccard係数では割合を見るので語Dも下位に→ 語CやDを取り除きつつ共起語を探すのがJaccard係数
語Aを含む文書
どちらも含まない文書は無視
• 一部の係数は、(c) 語Aも語Bも含まない文書がたくさんあると、語Aと語Bの類似度が高いと見なす
• 計量テキスト分析では、(c)の文書は常に大量に存在するので、(c)を無視するJaccard係数を採用
語Aを含む文書 語Bを含む文書
すべての文書
(c) 語Aも語Bも含まない文書
ところで「文書」ってなに?
• 設定を変えなければ(デフォルトでは)– Excel・CSVデータの場合は、1つのセルが1つの「文書」– テキストデータの場合は、1つの段落(改行で区切れられた部分)が1つの「文書」
• 分析時に「集計単位」の設定を「文」に変更すれば、1つの文を1つの「文書」と見なせる
• KH CoderではH1からH5による見出しを加えることで、節・章・部など様々な単位での分析が可能