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海洋科学技術センター試験研究報告 第32号 JAMSTECR, 32 (August 1995) フィリピン南東方海域の亜表層・中層 における水塊の分布について 1994年 2月 「かいようJ WOCE観測結果 よりー 柏野 祐 二*1 青山 道夫*1 河野 健*l 安藤 健太郎*I 宗山 敬*3 Syaefudin*2 Yudi Anantasena*2 渡辺 秀俊*3 1994年2月海洋科学技術センターの海洋調査船「‾かいよう」によりフィリピン南東 方海域 においてWOCEリピート観測を行 った。 その観測結果を もとに水塊分析を行 い, この海域にどのような水塊が存 在するかを調べた。それによると,亜表層 には塩 分極大を特徴とする北太平洋熱帯高塩分水と南太平洋熱帯高塩分水が存在し,その境 界は東経130度線上で北緯5度,モルッカ海峡の入口においては北緯3 ~4 度のタラウ ド諸島とモロタイ島の中間にあることが示された。中層においては南に南極中層水 が,北東域には赤道太平洋起源の低酸素水及びその低酸素水と北太平洋の水との混合 水が,北西域には北太平洋中層氷と南極中層氷が重なり合って複雑な海洋構造を示し ている。亜表層・中層とも,観測海域の北西部にはN/P比が1割以上高い海水が存在 している。 キーワード:WOCE, インドネシア通過流,熱帯高塩分水,北太平洋中層水,南極 中層水 The Water Masses at the Subsurface and Intermediate Layers in the Southernmost Philippine Sea :KAIYO- WOCE Observation in February 1994 Yuji KASHINO*4 Michio AOYAMA*4 Takeshi KAWANO*4 Kentaro ANDO*4 Kei MUNEYAMA*4 Syaefudin*5 Yudi Anantasena*5 Hidetoshi WATANABE*6 133 海洋科学技術 センター海洋観測研究部 インドネシア科学技術評価応用庁 三注テクノマリン Ocean Research Department, JAMSTEC Badan Pengkajian Dan Penerapan Teknoiogi; (BPPT, Indonesia) Sanyo Techno Marine Inc.

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Page 1: Japan Agency for Marine-Earth Science and …...at the entrance of the Molluca Strait. At the intermediate layer, there are three intermedi-ate waters ; the Antarctic Intermediate

海洋科学技術センター試験研究報告 第32号 JAMSTECR, 32 (August 1995)

フィリピン南東方海域の亜表層・中層

における水塊の分布について

1994年2月「かいようJWOCE観測結果よりー

柏野 祐二*1 青山 道夫*1 河野 健*l

安藤 健太郎*I 宗山 敬*3 Syaefudin*2

Yudi Anantasena*2  渡辺 秀俊*3

1994年2月海洋科学技術センターの海洋調査船「‾かいよう」によりフィリピン南東

方海域においてWOCEリピート観測を行った。その観測結果をもとに水塊分析を行

い,この海域にどのような水塊が存在するかを調べた。それによると,亜表層には塩

分極大を特徴とする北太平洋熱帯高塩分水と南太平洋熱帯高塩分水が存在し,その境

界は東経130度線上で北緯5度,モルッカ海峡の入口においては北緯3 ~4 度のタラウ

ド諸島とモロタイ島の中間にあることが示された。中層においては南に南極中層水

が,北東域には赤道太平洋起源の低酸素水及びその低酸素水と北太平洋の水との混合

水が,北西域には北太平洋中層氷と南極中層氷が重なり合って複雑な海洋構造を示し

ている。亜表層・中層とも,観測海域の北西部にはN/P比が1割以上高い海水が存在

している。

キーワード:WOCE, インドネシア通過流,熱帯高塩分水,北太平洋中層水,南極

中層水

The Water Masses at the Subsurface and Intermediate

Layers in the Southernmost Philippine Sea : KAIYO-

WOCE Observation in February 1994

Yuji KASHINO*4 Michio AOYAMA*4

Takeshi KAWANO*4 Kentaro ANDO*4

Kei MUNEYAMA*4 Syaefudin*5

Yudi Anantasena*5 Hidetoshi WATANABE*6

133

海洋科学技術センター海洋観測研究部

インドネシア科学技術評価応用庁

三注テクノマリン

Ocean Research Department, JAMSTEC

Badan Pengkajian Dan Penerapan Teknoiogi; (BPPT, Indonesia)

Sanyo Techno Marine Inc.

Page 2: Japan Agency for Marine-Earth Science and …...at the entrance of the Molluca Strait. At the intermediate layer, there are three intermedi-ate waters ; the Antarctic Intermediate

Water masses in the southernmost Philippine Sea have been investigated from the result

of hydrographic measurements during KAIYO-WOCE cruise in February 1994. The anal-

ysis of this data indicates that there are the Tropical Waters with the salinity maximum

from the North and South Pacific. Its boundary is located at 5°N along 130° E and 3 ―4°N

at the entrance of the Molluca Strait. At the intermediate layer, there are three intermedi-

ate waters ; the Antarctic Intermediate Water in the south and western area, the North

Pacific Intermediate Water in the northwestern area, and mixture of the North Pacific

Water and the low oxygen water from the equatorial Pacific in the northeastern area,

respectively. In the northwestern area, higher N/'P ratio water than the sorroundings is

found at the subsurface and intermediate layers.

Key words : WOCE, Indonesian throughflow, Tropical Water, North Pacific Intermediate

Water, Antarctic Intermediate Water

1 【まじめに

西部熱帯太平洋,特にフィリピン南東方海域は,いろ

いろな意味で研究対象として重要な海域である。例え

ば,インドネシア通過流は地球規模の熱塩循環において

重 要 な役 割 を 持 っ て い る か(Gordon (1986) °,

Broecker (1991)2)),この海域はインドネシア通過流の

太平洋側の口になっている。特にミンダナオ海流がイン

ドネシア通過流のソースとして最も大きな役割を持って

いると考えられていることから( 例:Miyama et al.,

(1995)3)),その通り道であるミンダナオ島とハルマヘラ

島の間の海峡部を調べることが必要である。ところがそ

の部分における流量や海洋構造および変動の様子につい

ては, Wajsowicz (1993)4)のように理論や数値実験に

よる研究がいくつかなされているか,観測例が少ないた

めに現状の把握がなされていない。 構造については

Lukas et al. (1991)6)は漂流ブイによる観測から, ミン

ダナオ海流がセレベス海に入った後その一部は反転して

太平洋に戻っていることを示しているか,なぜ戻って来

るのか,どれだけ戻って来るのかといったことは不明の

ままである。さらに,インドネシア通過流のソースとし

てどの海水がなっているかもよく分かっていない。例え

ばFfield and Gordon (1992)6)は,インドネシア多島海

(以後単に多島海と略す) 内の塩分の分布や見積られた

鉛直拡散係数の値から,インドネシア通過流のソースと

して北太平洋の海水がまであることを示唆しているoと

ころが南赤道海流により南太平洋から運ばれてきた海水

が北赤道反流・北赤道海流に乗って流されているうちに

その性質を失って多島海に入り込んでいるという可能性

が示されていることから(Godfrey et al. (1993)7)),

南太平洋の海水がインドネシア通過流のソースになって

134

いることも否定できない。

また, Lukas et a1. (1991)5) によれば,この海域では

さまざまな海流が交差していて複雑な様相を呈してお

り, まさに太平洋における特異点とも呼べるものであ

る。これは,この海域が赤道に近いこと,南北から西岸

境界流( ミンダナオ海流・南赤道海流) が流れ込んでく

ること,海岸・海底地形が複雑で島が多くインド洋に抜

ける抜け穴が存在していることなどの特殊性に起因して

いるものと考えられる(Wajsowicz, (1993)4))。 その

ためミンダナオ渦・ハルマヘラ渦や北赤道海流の分岐,

ミンダナオ海流・南赤道海流の反転などの海洋力学的に

興味深い海洋構造も多く存在しているo これらの海洋構

造はまわりの循環,さらには地球規模の気候変動に影響

を与えると考えられているインドネシア通過流やウォー

ムプールに影響を与えることからさまざまな研究が行わ

れている( 例:Masumoto and Yamagata (1991)8)) 。

特にエルニーニョとこれらの海流の関係を調べるために

1985年から1988年にかけて行われたWEPOCS (West-

ern Equatorial Pacific Ocean Circulation Study) にお

いて, 3 回 の観測 が西部 熱帯 太平 洋 にて行 われた

(Lukas et al. (1991)5))。その最 も大きな成果として,

海面から水深100m にかけての循環 のパターンが明らか

になったことが挙げられる。 しかしながら, WEPOCS

で観測が行われなかったインドネシア経済水域内につい

ては100m 以深の循環像がまだ確立されておらず,特に

ニューギニア沿岸に沿って北西に流れるニューギニア沿

岸潜流がどこまで達しているかについては全く分かって

いない。

さらにBingham and Lukas (1994)9) によれば,この

海域は3つの中層水( 北太平洋中層水・南極中層水・赤

JAMSTECR, 32 (1995)

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道太平洋起源の低酸素水)が出会う海域である。北太平

洋中層水に関しては,その生成のメカニズムや生成域に

ついて現時点で、盛んに議論されておりまだ結論は出てい

ないが,オホーツク海を起源としているようであり(安

田ほか, (1995)10)),それが亜熱帯循環をめぐってミン

ダナオ海流に取り込まれてこの海域に到達していると考

えられている (Reid, (1965)1l¥ Talley (1993)12),

Bingham and Lukas (1994)9))。南極中層水は,南太

平洋熱帯高塩分水とともにソロモン海からビチアス海峡

を抜けてニューギニア沿岸潜流によりこの海域に達して

いるようである (Tsuchiya (1991) 13), Fine et al.

(1994)14)。亜表層水については,北からはミンダナオ海

流 により北太平洋熱帯高塩分水が (Fine et al.

(1994)14)),南からはニューギニア沿岸潜流により南太

平洋熱帯高塩分水が (Tsuchiyaet al. (1989)同)この

海域に到達している O しかしながら,観測データのすく

ないフィリピン南東方海域においてはその境界がいまだ

に不明瞭になっているo インドネシア通過流のソースを

明らかにし,不明瞭なこの海域の循環像を確立する意味

でも,この海域における水塊の分布を調べることはたい

へん重要な意義を持っている。

本報は,インドネシア通過流のソースとなる水塊を調

べる意味で,亜表層から中層までフィリピン南東方海域

にどのような水塊が存在しているか,どの範囲に存在し

ているかを, 1994年 2月に行われた「かいよう」

WOCE (World Ocean Circulation Experiment,世界

海洋循環実験)観測結果より調べたものである。構成は

次のようになっているo まず,データの元となった1994

年 2月の「かいようJ¥VOCE観測の概要を第 2章に記

す。次に第 3章に「かいようJWOCE観測海域に存在し

た個々の水塊についてその性質と存在範囲について記述

する。第 4章では,第 3章で示した水塊の分布から多島

海にどの様な水が入っているか,またその水塊分布を形

成するためにこの海域の循環パターンがどうなっている

かを考察する。第 5章で第4章までの結果をまとめるo

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Longitude

図 1 1994年 2月から 3月にかけて行った「かいよう」

WOCE観測のCTD・採水観測点。 X.0・ム印は

それぞれの観測点で亜表層・中層に北太平洋/赤道

起源・南太平洋起源・両方起源の水塊が存在してい

た点を意味している(図6を参照)。

Fig.l CTD station map on the KAIYO-WOCE cruise conducted from 12 February 1994 to 3 March

1994. X' 0・ム denotestations where water

masses at the subsurface and intermediate layers come from ther North Paciticj

Equatorial Pacific, the South Pacific, both area, respectively (see Fig. 6).

2 観測

観測は1994年 2月12日から 3月 3日までの間,海洋科

学技術センターの 「かいよう」により行われた。図 lに

CTD観測測点図を示す。観測はWOCE損IJ線観測プログ

ラム (WOCEHydrographic Programme,以降WHP

と略す)で規定されたリピート測線であるPR24とPR1S

(SはSouthの意味), 北緯 6度を中心とする6N,PR24

の補助浪,IJ線としてタラウドーモロタイ島間で行ったTM

の4つの測線上で,合計57測点において行った。その中

でTMを除く 3測線のデータに対して精度管理を行い

WHP事務局にそれを提出している。

観測は主にインドネシア経済水域内において行った。

残念なことにフィリピンの経済水域内においては観測を

行うことができなかったので, ミンダナオ島近傍で観測

することができず,よってミンダナオ島にトラップされ

て流れているとされる (Wijffelset al. (1995)附)ミン

ダナオ海流はほとんど捉えていないと考えられる。

観測は, CTD観測および採水観測を行った。 CTDは

Sea-Bird社のSBE911plusを用い,フィリピン海溝付近

を除いて海底直上10---50mまで降ろして観測を行った。

採水は12リットルのニスキンボトル36本を取り付けた

ロゼッタ採水器をCTDに取り付けて行った。採水層は,

1,000m以浅では, 10, 20, 30, 50, 75, 100, 125,

150, 200, 250, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900,

1,000mで, 1,000m以深では, 250mおきとした。ただ

し最深層では精度チェックのため 2本採水を行った。

採水した海水については,塩分・溶存酸素・栄養塩(珪

酸塩・リン酸塩・硝酸塩・亜硝酸塩)について分析を

行った。塩分測定はオートサル8400Bにより,溶存酸素

測定はメトローム社の716DMS Tririnoにより,栄養塩

測定はプランルーペ社のTRACCS800により行った。

JAMSTECR. 32 (1995) 135

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表 1 rかいようJWOCE観測におけるCTD観測及び採水分析の精度

Table 1 Accuray and precision of parameters by CTD and water sampling analysis.

方 法 項 目 確 度 精密さ

CTD 力

ldb

O.0020C

O.OOIPPS

O.5db

0.0020C

O.OOlPPS

採水分析 塩分

溶存酸素

珪 酸塩

硝 酸塩

リン酸塩

0.0005PSS

0.1%

1.3%

2%

3%

O.OOIPSS

0.5%

1.4%

0.6%

1.2%

河野ほか(1994)17)により示された本観測の各パラメ

タの精度を表 lに示す。 CTDについてはWOCEリピー

ト観測で規定されている基準を満たしているが,それ以

外については満たすことが出来なかった。

本報で使用する図は,塩分・加速度ポテ ンシャ ルにつ

いてはCTDの結果から,それ以外のものについては採

水分析の結果をもとに作成した。図の作成には,

WOCEで規定された品質フラグが 2(品質に問題ない

デー タ)及び 6 (補間されたデータ〉のデータ を用い

Tこo

イヤグラムを図6に示す。図6の×・ム .0印は図 1に

示されている印に対応した測点における海水のもので,

これは北太平洋系・ 南太平洋系の水塊の分布をもとに分

類したものである O

3 各水塊の性質とその分布

測線 6N, PR24, PR1Sにおいてどのような水塊が存

在するかを調べる ために圧力(単位がdbarであるので

水深mとほぼ一致する〉を縦軸としたポテンシャル密度

の断面図を図 2に, ポテ ンシャル密度(以降σ0と略す)

を縦軸にした塩分 ・溶存酸素・栄養塩及びN/P比(硝酸

塩/リン酸塩の比〉の断面図を図 3・図 4・図 5に示す。

但 しN/P比の図を作成する際にはリン酸塩の値が0.3

μmol/kg以下の点のデータを除いてプロットした。 N/

P比は鷺 (1975)附及び鷺ほか (1982)19)によると,海面近

くを除けば13"""'14の値を取ると されている。本研究では

この比が人間活動等による富栄養化により上昇すること

を利用して,外洋の富栄養化されていない海水とそうで

ない海水を区別する目的でN/P比の分布を調べた。さら

に,この海域に存在する水塊の性質をより良く理解する

ためにポテンシャル温度 (θ)一塩分(S),ポテンシャル

温度 (θ)一溶存酸素(02),境分(S)一溶存酸素(02) ダ

136 JAMSTECR. 32 (1995)

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2000

a)6 N, b)PR24, c)PRlSの各測線におけるポテンシャル密度の分布

Vertical sections of potential density along a) 6n, b) PR24 and c) PRlS.

図2

Fig.2

ω吋

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(μmoljkg) (PSS-78) Salinity a)

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(μmoljkg) Silicate Oxygen b) →E

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128.0 126.0 D.3.0・E129.0・E 1.31.0・ELongitude

127.0・E

縦軸にポテンシャル密度をとった測線6Nにおける,a)塩分,

分布

Fig. 3 Vertical

f)N/P比のe)リン酸塩,d)硝酸塩,c)珪酸塩,b)溶存酸素,図3

b) dissolved a) salinl ty, abscissa: the as along 6 N with potential density

e) phosphate, and f) N/P ratio. sections of parameters

c) silicate, d) nitrate, oxygen,

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図3 (続き)Fig. 3 (Continued)

戸山富

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(μmOI/kg) Silicote c) (μmoljkg) Oxygen 、、,ノLU

(PSS-78) Salinity a)

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0凶 once(km) 200. o. 600 400

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f)N/P比ン酸塩,e)リd)硝酸塩,c)珪酸塩,b)溶存酸素,a)塩分,

Distonce

縦軸にポテンシャル密度をとった測線PR24における,

の分布

Fig.4 As in Fig. 3 but along PR24.

図4

L〉豆ω↓mn戸ωM(ヱ沼町)

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図4(続き)

Fig. 4 (Continued)

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(μmol/kg) Silicate c) (μmol/kg) Oxygen b) (PSS-78) Solinity a)

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一O二Cω}oa

、2一的

Cω℃

f)N/P ン酸塩,e)リd)硝酸塩,c)珪酸塩,b)溶存酸素,a)塩分,縦軸にポテンシャル密度をとった測線PRlSにおける,

比の分布

Fig.5 As in Fig. 3 but along PRlS.

図 5

L〉豆

ω↓mnFωM(コ呂町)

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図5(続き)

Fig. 5 (Continued)

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,.,....、ι2 0、邸、コ、、_,

30.

を20.コ

】。‘-U a. ε 申

ギ 10.

0 -OJ

c cu M

o a..

官 35.0ト、

ザ、ぴ3

己 34.5〉、

4炉'

C

O vl 34.0

50

33.5 50.

Oxygen (μmoljkg) 150.

150. Oxygen (μmoljkg)

Solinity (PSS-78) 34.00 34.50 35.00

-02

S-02

250.

35.50 30.

,.,..司、

ιJ o、申てヨ、-'

20. ~ コ4匝,o ‘ー也a. ε cu

10. ....

O.

o 喝剛,

c ・04回,o a

関6 TM測線を除いた「かいよ うJWOCE観測の全採水点におけるポテンシャル温度一塩

分 (θ-S),ポテンシャル温度一溶存酸素 (θ-02),塩分一溶存酸素 (S-02)ダイヤ

グラム。 X .0・ム印はそれぞれ図 lの印にあたる観測点で採水した海水のものを意味

する。

Fig. 6 Potential temperature vs salinity. potential temperature vs dissolved oxygen

and salinity vs dissolved oxygen at a11 water sampling point except along TM line. Symbols used are same as ones in Fig. 1.

3. 1 亜表層 (23.0< o(J < 26.5)

図 2より,この層は水深100m,._,300mの範囲を指す。

図 6からσ0く26.5においてO印の点の水塊の8-S,。-02, S-02曲線と× ・ム印のそれとの聞に明瞭な違い

が見られることが分かる O すなわち図 1のO点の亜表層

の水塊と× ・ム点のそれとは異なっているo

0印の点の水塊は塩分極大層を08=25.0付近で持つ。

その塩分の最大値は35.3PSSに達し,観測海域において

は最も塩分が高い水塊であるo 塩分が35.0PSSを越える

部分の密度は図 6から23.5<σe<26.5の範囲であり, 図

2からその深さは水深100m""300mに存在している。。

一O2図で、見る と,0印においては120C<θく21

0Cの問

で, 溶存酸素の値が144+9μmol/kgの範囲で均質な層

がみられるo

O印の栴分栂大を持つ高塩分水の境界を35.0PSSと定

義すれば, PR24では北西端から200kmより南東に(図 4

a), PR1Sでは北緯5度より南に存在し(図 5a), 6N上に

は見られな い (関 3a)。 図 4a・5aからその境界は

シャープな塩分フロン トを形成しており,この図の水平

スケールではPR24においてそれは北西方向に傾いてい

144

PR1Sにおいては鉛直になっているように見え

図4・5からこの水塊の溶存酸素濃度は130.......150

μmol/kg,珪酸塩濃度はく25.μmol/kg,硝酸塩濃度は8

.......25μmol!kg, リン酸塩濃度は0.6--1.6.μmol/kgとなっ

るが,

る。

ている。

この高塩分水はMasuzawa(1968)20)によると東経137

度に, Tsuchiya et al. (1989)附によると東経143度・東

経155度において同様な深さに観測されているO また

Tsuchiya e al. (1989) 15)で示されているθ一O2図におい

ても,同様な溶存酸素均質層が見られることから「かい

ようJWOCE観測で見られるこの高塩分水は東経137

度 ・143度 ・155度 のものと続いていると言える。

Tsuchiya et al. (1989) 15)によるとこの水は Tropical

Water (南太平洋熱帯高塩分水,以降TWと略す)で,

ソロモン海からピチアズ海峡を通ってニューギニア沿岸

潜流によりニュ ーギニア沿岸に沿って北上する南半球起

源の水であ る (Wyrtki (1961)21)で は,Southern

Subsurface Lower Water とな っている。本報では

Northern Subtropical Lower Waterと特に分けて考え

るためTsuchiyaet al. (1989)15)によ る名称である

JAMSTECR,32 (1995)

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a)

8・N

6・N

84・Nコ・d喝d

o _J

2・N

0・

Soli州 y(PSS-78)

124・E 126・E 128・E 130・E 132・E 134・E 136・E

b)

8・N

6・N

84・Nコ

吋ト・'

喝圃,

o _J

2・N

0・

Longitude

Acceleration Pote耐 01(Jjkg)

124・E 126・E 128・E 130・E 132・E 134・E 136・Eしongitude

図 7 01θ=25.5の等密度面上における, a)塩分, b) 1500 db面を基準とした加速度ポテンシャルの分布

Fig. 7 Distributions of a) salinity and b) acce-leration potential relative to 1500db on the surface 08= 25.5

Tropial Waterを採用する)。

TWの水平分布及びTWの動向を見るために08=25.5

の等密度面上における塩分及び1500db面を基準とした

加速度ポテンシャルの分布を図7に示す。ただし,加速

度ポテンシャルの分布を図 7に示す。ただし加速度ポ

テンシャルの計算はTsuchiya(1968)22)の方法を用い

た。図 7aより35PSSを越える高塩分水はモロタイ島よ

り北にまで分布していることが分かる。図 7bから,モ

ロタイ島の近辺には西向きの流れが予想されるので,こ

の高塩分水はマルク海の中に入り込んでいる可能性があ

るO 興味深いのはタラウド諸島近辺にみられる北東向き

の流れで,この流れは北緯5度付近の東向きの流れにつ

ながっていることであるo この東向きの流れはKawano

et al. (1994)23)によれば北赤道反流で, TWがその流軸

JAMSTECR, 32 (1995)

にまで達していることからそれが北赤道反流のソースに

なっていることが言える。また図 7a . 7 bの比較から

TWはこの北東流及び北赤道反流を越えて北には存在し

ていない。

図 1のム・×叩の点においては,図6よりO印の点と

同様に塩分極大層を持つ水塊が存在するが,その塩分の

値はO印のものに比べ低く,極大になる密度の値もやや

小さい (08=24.0)08-02関係においては溶存酸素均質

層を持たず,温度の低下とともに溶存酸素が減る傾向に

ある。この水は図 3・4・5からTWが存在しない領域の

ほぼ全測点で見られる。この水はWyrtki(1961)21)によ

れば,北太平洋熱構高塩分水 (Northern Subtropical

Lower Water, 以降NSLWと略す)で, Tsuchiya

(1968) 16)によれば, この水塊はハワイの西の35PSSを越

える所に起源を持ち,さらにFineet al. (1994)附}こよれ

ば北赤道海流にのってフィリピンに達し, ミンダナオ海

流によりミンダナオ島の岸沿いに南に南下してこの海域

に達しているO 本観測結果(図 5)は, この水がPR1S

上においてTWと北赤道反流の流軸を挟んで接している

ことから, TWとともに北赤道反流のソースになってい

ることを示しているO

図 4・5からNSLWはTWに比べ同一密度で比較した

場合,溶存酸素は高く栄養塩はほぼ同じ濃度となってい

るO また図 2からNSLWに当たる部分の等密度線の間

隔が, TWの部分のそれに比べ狭くなっている。これは

NSLWの方がTWに比べてポテンシャル渦度が高いこと

を意味しているoGouriou and Toole (1993)24)は北赤

道反流や赤道潜流のような東向き流においてはそれを横

切る方向でポテンシャル渦度の勾配が大きいことを示し

ており,本観測結果もこれを支持している。

図 3f・4fから, NSLWの観測海域の北西部に存在す

る部分についてはN/P比が高くなっていることが興味深

し、。

PR24 (図 4)において, NSLWとTWの間(北西端

から250"-'400kmの所)にσ0く25の低塩分・高栄養塩の

水塊が襖のように存在しているO この水塊は8-Sダイ

ヤグラム上(図 6)ではa8= 22"" 25.5にかけて塩分が

34.2PSSから34.6PSSの間で塩分極大層を持たずに温度

の変化に対してi直線的に変化する部分にあたり,その形

からFfieldand Gordon (1992)のより,マルク海の水塊

と考えられる。

PR1S (図5)の北緯1.5度~北緯2.5度のTWの下 (08

= 26.2) には塩分が34.8PSSより小さく珪酸塩が20

μmol/kgを越えるコア状の水塊が見られる。このTWの

145

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下の低塩分水のコアは東経 137度 線 (Masuzawa

(1968)20),及び東経143度線 (Tsuchiyaet al. (1989)附〉

においても観測されており,さらにPR24線上(図4)に

は明確には存在しないことからTWと共に東の方角から

来ているものと推測される。

3.2 中層 (26.0<σ8<27.5)

図 2より, この層は水深200m ,....._ 1,250 mの範囲を指

す。

図 3a.4aからミンダナオ島に近い測点(東経129度

以西)には26.0くσ8く26.5に塩分が34.5PSSを下回る塩

分極小層が存在している。この水塊は図3から,同一密

度の東側の水塊に比べ溶存酸素が高く栄養塩が低い性質

を持っている。 Bingham and Lukas (1994)9)によれ

ば, ミンダナオ島沿岸にそってa()=26.55面を中心とし

て34.4PSS以下の低塩分水が北からセレベス海の中にま

で伸びており,この水塊は北太平洋中緯度を起源とする

北太平洋中層水 (NorthPacific Intermediate Water,

以降NPIWと略す)であるとしている。さらにこの海域

において観測されたNPIWの特性としてσ()=26.55面上

の溶存酸素一塩分ダイヤグラム (Binghamand Lukas

(1994)9)のFig.7)及び珪酸塩一塩分ダイヤグラム(同,

Fig. 8) から溶存酸素の値は2.5--2.7 ml /1 (110,....._ 120 〆

μmol/kg),珪酸塩の値は38"""'42μmol/lとなっている。

Bingham and Lukas (1994)めにより示されたNPIWと

比較するために,a()= 26.55面における溶存酸素一塩分,

珪酸塩一塩分ダイヤグラムをBinghamand Lukas

(1994)9)と同じ方法により図8にプロットした。この図

のム印の塩分が34.5PSSより低い水塊の溶存酸素・珪酸

塩はBinghamand Lukas (1994)9)により観測された

NPIWのそれに比べやや低めの値とはいえ,近い値を示

している。よって観測域の北西部に見られた低塩分水

は, Bingham and Lukas (1994)9)が観測したNPIWの

片鱗であると思われる。

測線 6Nの128度以西〈図 3b)及び測線PR1Sの 4N

以北(図 5b)には, σ'()=26.9付近で、に溶存酸素極小層

を持つ水塊が見られる。この水塊は図 6のかO2図上で

は,()= 90C付近溶存酸素が最小 (x印)になるところ

に当たっている。塩分で見るとこの水が存在する領域に

はσ()= 27.2において塩分極小層が見られており(図 3

a・5a),後述する南極中層水と塩分においては区別が

難しくなっているo この水塊はBinghamand Lukas

(1994)9)によると,赤道太平洋を起源としている水塊

(赤道太平洋の水=EquatorialPacific Waterという意

味で以降EPWと呼ぶ)とミンダナオ海流によって北か

146

a) 160.

. ト

140.ー 。~Còト4 f4

A 島40 _0 、U トgou。

ミ120.-

3

品 。 。ト

x トa

A XA c

‘B

史100.-1 x o

品ト

x

x

X

I

X

M膏

X

M向

トー

ー.

80.ー

60. 34.50 34'.60 34.70

Solinity (PSS-78) 34.80 34.40 34.90

b)

40.0 よ

4X

i X f殺到後

者際

戸、 30.0-。、.:,t. ¥ 。ε 3 ・

a 。。。

O A 。。。 ト

也司...

o ()

vl 20.0-。 品。令、

。10.0

34.40 1 ・ 1 ・ I • ~一一一了

34却 34.60 34.70 34.80 . 34.90 Solinity (PSS-78)

図8 0<θ=26.55の等密度面におけるa)溶存酸素一塩分,

b)珪酸塩ーダイヤグラム

Fig. 8 a) Dissolved oxygen vs. salinity, and b) silicate vs salinity at the 26.55 insopycnal.

ら運ばれる北太平洋の水との混合で説明できるとされて

いる。

Bingham and Lukas (1994)9)によればEPWは北赤道

海流により東からフィリピン沿岸にまで到達し,そこで

北太平洋の水と混ぜられて赤道潜流 (Equatorial Un-

dercurrent) 及び北赤道亜表層反流 (Subsurface

North Equatorial Countercurrent, Tsuchiya (1975)25))

のソースになっていることを示唆している。本観測にお

いてはADCPにより直接測流をしていないため北赤道亜

表層反流を捉えておらずその点についてはコメントでき

ない。しかしながら, Kawano et al. (1994)22)より,地

衝流計算からEPWが存在する場所に北赤道反流を明確

JAMSTECR, 32 (1995)

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に捉えており,北赤道反流のソースになっていることは

言える。

この08=27.2における塩分極小層は観測領域のほぼ全

測点、において見られる(図 3a・4a・5a . 6)。しかし

ながら,溶存酸素の分布を同じ08=27.2の等密度面上に

プロットすると(図 9a), 6 Nの西部, PR24及びPR1S

の南部において溶存酸素がそれ以外の領域に比べ高く

なっていることが分かる。図6のθ一O2図においては溶

存酸素が100,.....,110μmol/kgを境にして溶存酸素極小層,

極大層をそれぞれ26.5く08く27.2の間で、持つ 2つの水塊

を見ることが出来るo極小層を持つ水塊がEPWまたは

それと北太平洋の水との混合水であり,極大層を持つも

のが南極中層水 (AntarcticIntermediate Water,以

後AAIWと略す)である。 AAIWはTsuchiya(1991) 13)

a) Oxygen (μmoljkg)

8・N

6・N 泌総1拠調測Q.~ .tJ、ぐ d'‘ 、ι

84・Nコ+i 4田,o _I

2・N

0・

124・E 126・E 128・E 130・E . 132・E 134・E 136・Eしongitude

b) Accelerotion Pote州 01(Jjkg)

8・N

6・N

84・Nコ

司併'

吋砂d

o _I

2・N

0・

124・E 126・E 128・E 130・E 132・E 134・E 136・Eしongitude

図9 a(j=27.2の等密度面におけるa)溶存酸素, b) 1500 db面を基準とした加速度ポテンシャルの分布

Fig. 9 Distributions of a) dissolved oxygen and b) acceleration potential relative to 1500db on the surface σθ=27.2

JAMSTECR. 32 (1995)

によると, TWと同様にビチアズ海峡を通ってニューギ

ニア沿岸に沿ってニューギニア沿岸潜流により運ばれて

おり, Fine et al. (1994) 14)はそれがフィリピン海に達し

て一部はセレベス海に入り一部はミンダナオ潜流として

さらに北進していることを示唆している。「かいよう」

WOCE観測の結果は少なくともAAIWがフィリピン沿

岸にまで達していることを示しており, Fine et al.

(1994)14)の示唆と矛盾しない。興味深いことはTWも

AAIW同様にニューギニア沿岸潜流によりニューギニ

ア沿岸に沿ってこの海域に運ばれてくると考えられる

が, TWの分布(図 7a)とAAIWのそれ(図 9a)とが

異なっていることである。特に図 1のム点においては

NPIWとAAIWが重なり合って存在しており Wyrtki

(1961)21)によってその存在が示された二重塩分極小層が

この領域にみられる。

このAAIWが本観測海域においてどの様に流れてい

るかを見るために,図 9bにoθ=27.2における1500db面

を基準とした加速度ポテンシャルの分布図を示す。注目

すべきことはPR24上において測線の北西端を除けば流

れが太平洋→多島海に向かっていることが予想されるこ

とである O すなわち, これはAAIWが多島海に入り込

んでいる可能性を示している。

図 3aより,東経128度以西において,。θ=26.5付近で

塩分極小層を持つNPIWとσ8=27.2において同じく塩分

極小層を持つAAIWの聞に,塩分が34.6PSSを越える塩

分極大層が見られる。この水塊は2つの極小層により挟

まれた結果として極大層となっているのではなく,図 4

aより, TWの続きとして南東からつながっているよう

に見える。すなわち, この塩分極大層はAAIWととも

にニューギニア沿岸潜流にのってミンダナオ島近くまで

運ばれてきた水で, ミンダナオ潜流としてAAIWとと

もに北進しているものと考えられる。

4 考察

本観測で捉えた水塊がインドネシア通過流によりどの

様にはこばれているか考える。本観測の結果のみから言

えることは, ミンダナオ島とニューギニアの間 (PR24)

には北太平洋系の水塊であるNSLW• NPIWと南太平

洋系の海水で・あるTWとAAIWが存在していること,及

び加速度ポテンシャルの分布からこれらの水塊の全てが

多島海に入り込んでいる可能性があることである。実際

これらの水塊の中で何が多島海の中に通過流として入り

込んでいるかを, Ffield and Gordon (1992)6)の結果を

参考にして考察する(多島海の地図を図10に示す)。

147

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Ffield and Gordon (1992)6)の結果によると, NSLWの

塩分極大層及び、NPIWの塩分極小層がフローレス海まで

追跡できる。フローレス海にはTW.AAIWと思われる

水塊は存在していないことから,結果としてロンボク海

峡からインド洋に抜けていると考えられる水塊はこれら

北太平洋系の海水が多島海において鉛直混合過程などに

より変質していったものがほとんどであることが推測で

きる。

興味深いことは本観測においてまわりに比べN/P比の

高い海水が図 1のム点において観測されたことである

(図 3f・4f参照)。図 3・4からこの高N/P比水は深さ

1,OOOm ~こまで及んでいる。この高N/P比水が作られる

原因には人間活動によるものであるとすればインドネシ

アの多島海から,あるいはフィリピン沿岸から通ばれて

くることになる。 6N線の北の測線であるWOCEワンタ

(北緯 8度,図11),及び

WEPOCSの北緯 7度線(図12) にはこのような高N/P

比の水は見られない。よって,

(1992)6)では栄養塩のデータが示されていないが,

リピン沿岸から直接流れてム印の領域まで拡がるより

140・E135・E

130・E

。パンダ海

125・ELongitude

120・E115・E

。0・N

10・S110・E

5・N

0・

5.S

ω司コ一ZMロ」

ラインイム観測のP4

インドネシア多島海の地図。太線の矢印はFfieldand Gordon (1992)で示唆されたインドネシア通

過流のパスである。

Fig. 10 Map of the lndonesian seas. Solid arrow denote the main route of the lndonesian throughflow suggested by F白eldand Gordon (1992).

図 10

Ffield and Gordon

T WについてはFfieldand Gordon (1992)めの結果に フィ

-+E

N/P ratio

W+-

22.00

はマルク海・ハルマへラ海においては塩分極大層は見ら

れるもののOーO2曲線の形がかなり歪んでいるので,多

島海に入り込んでいたとしてもその量は多くないと考え

られる。パンダ海・フローレス海に至っては塩分極大層

が消えているのでTWがここまで到達していないように

見える。しかしながら, Miyama et al. (1995)3)の数値実

23.00

(

主24∞、、01 a 、句〆

h ・4ω E -"IJ 25.∞ 0 -E @ # 。a

験によれば太平洋の水がマルク海・ハルマヘラ海からセ

ラム海を抜けてパンダ海に到達するまでに数年かかると

実際にはTWは入り込んでいるものの多

島海を通過している聞に拡散によりその性質を失ってい

ることが考えられるO また, Gordon et al. (1994)26)は南

太平洋起源の高塩分水がパンダ海に入り込んでいる可能

性を示唆しており,多島海の中を観測しない限りTWが

多島海の中に入り込んでいることを否定することはでき

のことなので,

134.0

図 11 縦軸にポテンシャル密度をとった WOCEワンタ

イム測線P4(北緯8"'9度)の西部における N/P比の分布

Fig. 11 Vertical section of N/P ratio along the western part of WOCE P4 line (80N-90N).

JAMSTECR, 32 (1995)

132.0 130.0 Longitude

128.0

26.00

27.00

なし、。

次にAAIWについてはFfieldand Gordon (1992)6)で

は,マルク・ハルマへラ海の両方において塩分極小層

(温度が 50C付近),及び塩分極小層の上の溶存酸素極大

層が追跡できるため多島海に入っていることは間違いな

いと思われる。しかしながらセレベス海・セラム海・パ

ンダ海・マッカサル海峡ではこの塩分極小層がはっきり

していないため, TW同様通過流として多島海の中に入

り込んでいたとしてもその性質を失っていることが考え

られる。

北太平洋系の海水 (NSLW • NPIW)については,

148

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。で込

d

:lt赤道反波

期赤iII海演

ニューギニア沿単調書IJI!

抽肌

副市オ

ンナ

ミグ+''

:l

、札11岨叩

10・N→E

N/P ratio

W←

22.00 8・N

6・N

Q> 官

主 4・NM 。--'

2・N

0・

138・E136・E134・E128・E 130・E lJ2・ELongitude

126・E124・E2・S122・E

「かいようJWOCE観測海域における主な海流の

模式図。納い実線が観測j視.11線を示す。太い実線の

矢印は海面から 300""""400mまでの流れ,太い破線

の矢印はそれ以深の流れを意味する。

Fig. 13 Map of currents in the KAIYO-WOCE region. . Thin lines denote the observation

lines dyring KAIYO-WOCE. Tick solid and broken arrows denote the currents between suface and 300-400m depth, and bellow 300-400m depth, respectively.

図 13

23.00

,向、壬24.00、、、。ぷ

)

〉、

“ 帥c ・0司 25.000 ・dc 申・do Q..

134.0

Z

司令

132.0 130.0 Longitude

128.0

26.00

27.00

126.0

流流軸における塩分等のシャープなフロントは説明でき

一方AAIWを運ぶものについてはその深さにおい

縦軸にポテンシャル密度をとった WEPOCSIIIの

北緯7度線における N/P比の分布

Fig. 12 Vertical section of NjP ratio along 70N for

WEPOCS 111.

図 12

多島海の中から流れてくると考えた方が考えやす

この海水が多島海に起源を発しているか否かを確か

多島海の中において栄養塩の高精度観測

(N/P比で 5%の精度を持つ)を行うことが必要であるO

次にフィリピン海における循環のバターンについて考

える。第3章の結果を元に描いたこの海域の循環の模式

図を図13に示す。第 3章でTWとAAIWの分布が異なっ

ていることを示したが, これはこれらの海水を運ぶ

ニューギニア沿岸潜流がこの海域でTWを運ぷものと

AAIWを運ぶものに分岐していることを示唆しているO

まずTWを運ぶものについては, TWの北限がPR24に

おける北東流(図 7b)およびPR1Sにおける東向き流

(北赤道反流)の流軸にほぼ一致していることからTW

るO

てPR24に見られた北東流が存在しないため(図 9b),

のまま北進できる。 Huet a1. (1991)28)によりその存在

が示されたミンダナオ潜流はそのニューギニア沿岸潜流

も,

が北進してきたものと考えることができる。例えば,図

6のム印の水に注目すると亜表層・中層上部 (σ6く26.7)

では×印の水の性質を持っているが,それより下ではO

印の水の性質を持っていることがわかる。すなわち,図

1のム印の点には亜表層及び中層の上部にはNSLW.

NPIWといった北半球起源の水が見られるが,中層下部

(0,θ> 26.7) には南半球起源の水であるAAIWやTWの

一部と思われる高塩分水が見られるO このうち南半球起

源の水はニューギニア沿岸潜流の下部がミンダナオ潜流

につながることにより運ばれてきたものであろう。

PR24における北東流がTWの北進を妨げるの

ではなし、かということを述べたが,第3章で述べたよう

また,

~'o

めるためには,

にTWとそれと接するNSLWとの聞のポテンシャル渦度

の差が大きいためポテンシャノレ渦度保存則によりT Wが

北進できないという考え方もできる。その考えを応用す

ニューギニア沿岸潜流の下部についてはその深さ

において北進を妨げるほどのポテンシャル渦度の差がな

いためそのまま北進してミンダナオ潜流に接続できると

いずれにしろ,この海域の循環のパター

れば,

149

も説明できるo

がこれらの流れにじゃまされて北に流れていけずに北赤

道反流に合流していることが考えられるo PR24におけ

る北東流は北太平洋起源の水を運ぶミンダナオ海流がセ

レベス海の中で反転して戻ってきたものであるので

(Kashino et a1. (1995)27)),この流れと南太平洋起源の

水を運ぶニューギニア沿岸潜流が合流することにより,

and Toole (1993)24),こより示された北赤道反Gouriou

JAMSTECR. 32 (1995)

Page 18: Japan Agency for Marine-Earth Science and …...at the entrance of the Molluca Strait. At the intermediate layer, there are three intermedi-ate waters ; the Antarctic Intermediate

ンにミンダナオ海流の反転が影響を与えていることは言

える。

5 まとめ

1994年 2月にフィリピン南東方海域においてWOCE

リピート観測 (PR24,PR1S及びPR23の代わりとして

の 6N)を行った。その観測結果に対して水塊分析を行

いこの海域にどのような水塊が存在するかを調べた。結

果をまとめると次のようになるo

(1) 亜表層 (σθ=23.0""'-'26.5, 100---300m)では,南

には南太平洋熱帯高塩分水 (TW)が,北には北太平洋

熱帯高塩分水 (NSLW)が存在している。両者の境界

は,東経130度線上では北緯 5度に, PR24上では北緯 3

---4度のタラウド諸島とモロタイ島の中間にある。両水

塊とも塩分極大層を持つことが特徴であるが, TWの方

が塩分が高く厚さも厚い。またe-02ダイヤグラムで明

らかに両者を区別できる。

(2) 中層 (oe= 26.0---27.5, 200---1,200m)では,南

には南極中層水 (AAIW)が,北東域には赤道太平洋

起源の低酸素水 (EPW)及びそれと北太平洋の水の混

合水が,北西域には北太平洋中層水 (NPIW)とAAIW

が重なりあって存在しているo これら中層水はすべて塩

分極小層を持つことを特徴としているが, NPIWは浅い

ところで (oe=26.4)極小となり, AAIWとEPWはσθ

=27.2付近で、極小となるo EPWとAAIWの違いは溶存

酸素量が異なることから区別できるO

(3) 亜表層・中層とも,観測海域の北西部には,周り

の海水に比べN/P比が l割以上高い海水が存在してい

るo リン酸塩・硝酸塩の分析精度からN/P比については

5%以上の差があれば有意であり,この高N/P比水の存

在は無視できないものである。

(4) 南太平洋起源のTW.AAIWを運んでいるニュー

ギニア沿岸潜流は,フィリピン南東方海域において少な

くとも北赤道反流につながる部分と, ミンダナオ潜流に

つながる部分の 2つに分かれる。前者はTWを,後者は

TWの下層部とAAIWをそれぞれ運んでいる。

謝辞

1994年 2月のWOCE観測に参加された他の研究者及

び「かいよう」の田中船長以下乗組員の皆様に深く感謝致

します。なお, この観測はインドネイア科学技術評価応

用庁との共同研究協定に基づ、いて行った。さらに,本研

究は科学技術庁の平成 5年度科学技術振興調整費「海洋

大循環の実態解明と総合観測システムに関する国際共同

150

研究Jの一環として行った。

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