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1 BALKAN NEWS BALKAN NEWS BALKAN NEWS JAPAN INTERNATIONAL COOPERATION AGENCY JAPAN INTERNATIONAL COOPERATION AGENCY JAPAN INTERNATIONAL COOPERATION AGENCY No. 16/ 2017 No. 16/ 2017 No. 16/ 2017CONTENTS CONTENTS CONTENTS 地域の動き 地域の動き 地域の動き バルカン地域 バルカン地域 バルカン地域 ボスニア・ ボスニア・ ボスニア・ ヘルツェゴビナ ヘルツェゴビナ ヘルツェゴビナ マケドニア マケドニア マケドニア アルバニア アルバニア アルバニア コソボ コソボ コソボ セルビア セルビア セルビア その他のトピック その他のトピック その他のトピック P1 P2 P3 P3 P4 P4,5 P5 P6 地域の動き 地域の動き 地域の動き For more information, please contact: [email protected] or visit: www.jica.go.jp/balkan/office/ For previous issues: http://www.jica.go.jp/balkan/office/ others/newsletter/index.html www.youtube.com/user/JICABalkan トルコ・エルドアン大統領がセルビアを訪問 1010日から11日にかけて、トルコのエルドアン大統領がセルビアを訪 問、セルビア政府要人と面談し、セルビア・トルコビジネスフォーラムに参 加しました。エルドアン大統領の訪問目的は、二国間の経済協力強化に あり、大統領には、大型ビジネスミッションとして、185人ものトルコ民間企 業関係者が同行しました。 今回の訪問中に、セルビア・トルコ政府間では、経済、貿易、投資、観 光、農業、インフラ、交通関係などの各分野において、12の二国間合意 が署名されました。 対セルビア円借款「ニコラ・テスラ火力発電所排煙脱硫装置建設計画」工事契約署名式 98日、ベオグラード市において、対セル ビア円借款「ニコラ・テスラ火力発電所排 煙脱硫装置建設計画」(供与限度額 282.52億円)の工事契約署名式が開催さ れました。この事業の目的は、セルビア最 大の火力発電所であるニコラ・テスラ火力 発電所に排煙脱硫装置を設置することに より、大気汚染物質(SO 2 )の削減を図るこ とです。本件事業により、セルビアの環境 改善や持続可能な発展に貢献するもので す。 工事契約書への署名は、グルチッチ・セル ビア電力公社総裁代行と藤谷・三菱日立 パワーシステムズ副社長執行役員の間で 行われ、式典には、セルビアの政府から、アンテイッチ鉱業・エネルギー大臣、日本政府から、中根外務副 大臣が出席しました。 中根外務副大臣は、このプロジェクトにより、日本の環境保全についての知識や技術がセルビアで活用され、 生活環境が大いに改善することを期待していると述べました。 アンテイッチ鉱業・エネルギー大臣は、本プロジェクトが大気汚染物質の排出量をEU基準に適合するレベル に抑えられることが期待される、と述べ、日本国民及び日本政府対する感謝の言葉が伝えられました。 契約署名式の様子 (Photo: mofa.go.jp) セルビア大統領とトルコ大統領(photo: blic.rs)

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    BALKAN NEWSBALKAN NEWSBALKAN NEWS JAPAN INTERNATIONAL COOPERATION AGENCY JAPAN INTERNATIONAL COOPERATION AGENCY JAPAN INTERNATIONAL COOPERATION AGENCY

    No. 16/ 2017No. 16/ 2017No. 16/ 2017秋秋秋号号号

    CONTENTSCONTENTSCONTENTS

    地域の動き地域の動き地域の動き

    バルカン地域バルカン地域バルカン地域

    ボスニア・ボスニア・ボスニア・

    ヘルツェゴビナヘルツェゴビナヘルツェゴビナ

    マケドニア マケドニア マケドニア

    アルバニア アルバニア アルバニア

    コソボコソボコソボ

    セルビアセルビアセルビア

    その他のトピックその他のトピックその他のトピック

    P1

    P2

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    P3

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    P4,5

    P5

    P6

    地域の動き地域の動き地域の動き

    For more information, please contact:

    [email protected]

    or visit:

    www.jica.go.jp/balkan/office/

    For previous issues:

    http://www.jica.go.jp/balkan/office/

    others/newsletter/index.html

    www.youtube.com/user/JICABalkan

    トルコ・エルドアン大統領がセルビアを訪問

    10月10日から11日にかけて、トルコのエルドアン大統領がセルビアを訪

    問、セルビア政府要人と面談し、セルビア・トルコビジネスフォーラムに参

    加しました。エルドアン大統領の訪問目的は、二国間の経済協力強化に

    あり、大統領には、大型ビジネスミッションとして、185人ものトルコ民間企

    業関係者が同行しました。

    今回の訪問中に、セルビア・トルコ政府間では、経済、貿易、投資、観

    光、農業、インフラ、交通関係などの各分野において、12の二国間合意

    が署名されました。

    対セルビア円借款「ニコラ・テスラ火力発電所排煙脱硫装置建設計画」工事契約署名式

    9月8日、ベオグラード市において、対セル

    ビア円借款「ニコラ・テスラ火力発電所排

    煙脱硫 装置 建設 計画」( 供与限 度額

    282.52億円)の工事契約署名式が開催さ

    れました。この事業の目的は、セルビア最

    大の火力発電所であるニコラ・テスラ火力

    発電所に排煙脱硫装置を設置することに

    より、大気汚染物質(SO2)の削減を図るこ

    とです。本件事業により、セルビアの環境

    改善や持続可能な発展に貢献するもので

    す。

    工事契約書への署名は、グルチッチ・セル

    ビア電力公社総裁代行と藤谷・三菱日立

    パワーシステムズ副社長執行役員の間で

    行われ、式典には、セルビアの政府から、アンテイッチ鉱業・エネルギー大臣、日本政府から、中根外務副

    大臣が出席しました。

    中根外務副大臣は、このプロジェクトにより、日本の環境保全についての知識や技術がセルビアで活用され、

    生活環境が大いに改善することを期待していると述べました。

    アンテイッチ鉱業・エネルギー大臣は、本プロジェクトが大気汚染物質の排出量をEU基準に適合するレベル

    に抑えられることが期待される、と述べ、日本国民及び日本政府対する感謝の言葉が伝えられました。

    契約署名式の様子 (Photo: mofa.go.jp)

    セルビア大統領とトルコ大統領(photo: blic.rs)

    mailto:[email protected]://www.jica.go.jp/balkan/office/http://www.jica.go.jp/balkan/office/others/newsletter/index.htmlhttp://www.jica.go.jp/balkan/office/others/newsletter/index.htmlhttp://www.youtube.com/user/JICABalkan

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    セルビア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアセルビア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアセルビア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア

    「西バルカン地域における中小企業メンターサ-ビス構築・普及促進プロジェクト「西バルカン地域における中小企業メンターサ-ビス構築・普及促進プロジェクト「西バルカン地域における中小企業メンターサ-ビス構築・普及促進プロジェクト フェーズフェーズフェーズ222」が開始 」が開始 」が開始

    2017年9月より“西バルカン地域における中小企業メンターサ-

    ビス構築・普及促進プロジェクト フェーズ2”が開始し、9月20日

    に合同調整会議が実施されました。

    同会議には、各国カウンターパート、日本大使館の須賀公使、

    JICA産業開発・公共政策部の中村部長、JICA専門家など総勢

    40名以上が出席し、前フェーズでの協力の成果を振り返るととも

    に、今後の協力の計画について議論が行われました。今回の協

    力では、新たに“カイゼン”を導入していくための活動も予定され

    ており、各国からは高い関心が示されました。

    中村部長からは、過去10年に渡る協力に対しての謝辞とともに、

    本協力を通じて西バルカン地域の中小企業支援セクターにもた

    らされる成果への期待が述べられました。

    プロジェクトは2020年の9月までの3年間を予定しており、今後

    JICA専門家による本格的な活動がスタートします。

    セルビア、モンテネグロ、アルバニアセルビア、モンテネグロ、アルバニアセルビア、モンテネグロ、アルバニア

    JICAJICAJICAによるバルカン地域の観光ポテンシャル強化支援によるバルカン地域の観光ポテンシャル強化支援によるバルカン地域の観光ポテンシャル強化支援

    JICAは、2016年5月より広域観光アドバイザーをバルカン地域に派遣中です。アドバイ

    ザーの活動の一環として、観光地としてのバルカン地域をアピールし存在力を高める

    機会の提供のため、9月21日~24日にかけて東京で開催されたツーリズムEXPOジャ

    パンへの出展、10月9日~16日にかけてアルバニア、セルビア、モンテネグロで実施さ

    れたターキッシュ・エアラインズとの第2回目となる協同事業のファム・ツアー(現地視

    察ツアー)に係る支援をそれぞれ実施しました。

    9月21日から24日に開催されたツーリズムEXPOジャパンへの共同出展は、成功裡に

    終えました。19万人以上の来客となった今年は、バルカン地域共同ブースにボスニ

    ア・ヘルツェゴビナとマケドニアも参加しました。バルカン地域各国のPR資料(日本語)

    の提供やクイズ・ショーなどの様々なサイド・イベントも開催し、バルカン地域に対する認

    識や人気が高まりつつあることを再確認しました。

    8日間のファム・ツアーには日本の旅行業界関係者が参加しました。アルバニア、セル

    ビア、モンテネグロ各国における主要観光地やワイナリー巡りに加え、B2Bワークショッ

    プの開催を通じての現地の観光民間業者との面談の実施は、参加各社がこの地域に

    おける観光ポテンシャルを見出しただけではなく、直接的なビジネス機会を効率よく開

    拓することができました。

    このように、様々な観光プロモーション活動の結果として、日本観光市場においてバル

    カン地域のポジショニングが確実に高まることが確認できました。このような取り組みに

    なり、近い将来日本人観光客の増加が期待されています。

    JICA舟橋専門員へのインタビュー OCMの様子

    日本のEXPOでのバルカンブース

    ファム・ツアーの参加者

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    ボスニア・ヘルツェゴビナでのボスニア・ヘルツェゴビナでのボスニア・ヘルツェゴビナでのJICAJICAJICA事業事業事業

    保健体育コモン・コアカリキュラム策定セミナー保健体育コモン・コアカリキュラム策定セミナー保健体育コモン・コアカリキュラム策定セミナー

    マケドニアでの防災協力の必要性についてマケドニアでの防災協力の必要性についてマケドニアでの防災協力の必要性について

    2017年9月から3回にわたり、保健体育コモン・

    コアカリキュラム(以下、CCC)策定セミナーが

    モスタル市にて開催されました。CCCはこれまでの

    民族別のカリキュラムを、より近代的で、調和の

    とれた統一カリキュラムとするために政府が取り組

    む教育改革の一環です。

    カウンターパートの『就学前・初等・中等教育庁

    (APOSO)』主導により、全国から教育専門家たち

    約20名が集い、運動技能の習徔のみではなく、他

    を尊重し協力する態度や、誯題解決のために、

    生徒が考えて取り組む姿勢などを身につけることが

    できるよう配慮されたCCC案が完成しました。

    第1回セミナーでは、日本体育大学から岡出美則教授と荒木達雄教授にお越しいただき、岡出教授に

    は、『日本の体育教育システムについて』、荒木教授には、スポーツの苦手な子どもでも気軽に取り組む

    ことができ、体を動かすことの気持ちよさを味わうことができる『体操』の効果を紹介いただき、熱心に講義

    に聞き入る参加者の姿が見られました。

    バルカン半島の内陸に位置するマケドニア共和国は、国土の80%が山岳、丘陵地

    帯という自然豊かなところです。マケドニアの南西部にあるゴスティバル自治体にある

    Vrutok村を源流としているVardar川は、首都スコピエを流れエーゲ海にそそぐ全長3

    88キロメートルのマケドニア最長の川で、その流域に指定されている地域は国土の

    80%と言われています。こうした山岳地帯に位置するため山地の維持管理が必要と

    なっていますが、近年では、山地での土壌侵食が進んだことにより、地すべり、洪水、

    鉄砲水などが発生し、地域の人々に深刻な影響を与えています。土壌侵食を進め

    てしまう要因の一つとして、森林火災に起因する生態系の务化があります。

    2007年には年間620件の森林火災が発生し、国家緊急事態宣言が発令され、近隣

    諸国からの消火活動の支援を受けるなど、国内だけの問題ではなくっています。

    危機管理センターでは、森林火災の被害に対応するために、JICAによる技術的支援

    を受けながら、マケドニア森林火災情報システム(MKFFIS)を開発・整備し、森林火災に対応する防災・減災を実現しました。そして、その

    活動の成果(経験)を近隣諸国とも共有する研修事業を実施しました。

    このような背景から2017年11月、これまで培ってきた森林火災対策に加えて、森林生態系が有している多様な便益を活用する防災・減災

    (Eco-DRR)のプロジェクトが開始されました。(プロジェクトの詳細は、次号以降ご紹介します)

    マケドニアでのマケドニアでのマケドニアでのJICAJICAJICA事業事業事業

    荒木教授は体操について発表をしています

    岡出教授による『日本の体育教育シ

    ステムについて』

    RD署名式

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    アルバニアでのアルバニアでのアルバニアでのJICAJICAJICA事業事業事業

    デジタル地図作成能力向上プロジェクトのデジタル地図作成能力向上プロジェクトのデジタル地図作成能力向上プロジェクトのJCCJCCJCC

    10月24日、「アルバニア国ティラナ・デュラス地域デジタル地図作成能力向上

    プロジェクト」のJCCを開催しました。アルバニアでは、近年急速に都市化が進む

    一方で、ティラナとデュラスの二つの都市で、1980年代以降、1/2000の地形

    図の更新がなされていない状況にあります。1/2000の地形図は、都市計画に

    沿ったインフラ開発の基盤となるため、本プロジェクトでは、アルバニア政府が自

    ら地形図を作成し、品質管理できる能力を強化することを目指しています。ま

    た、作成された地形図は、ジオポータルとしてオンライン上で公開され、誮でも

    自由にアクセスが可能になります。

    また、JICAがバルカン地域全土で展開してきた地形図作成にかかる協力は、ア

    ルバニアでの技プロが最後になることから、JCCと合わせてアルバニア、コソボ、

    マケドニアのカウンターパートが一堂に会し、各国におけるこれまでのJICAの協

    力の成果が共有されました。

    11月2日、「コソボ大気汚染対策能力向上プロジェクト」のJCCを開催し、案件が

    開始されました。JCCでは、環境空間計画省のチタク次官はじめ、各関係機関

    から広く参加があり、コソボ政府内における本案件への期待が強調されました。

    コソボは、旧ユーゴスラヴィア時代に建設された褐炭(水を含んだ低質な石炭)

    を燃料とする火力発電所(コソボA、コソボB)の排煙が原因で大気汚染が深刻

    化しており、本案件の協力を通じ、汚染物質や汚染源の特定が進み、政策レベ

    ルでの具体的な対応策を策定するための客観的裏付けとなること、また、住民

    レベルでの意識向上が進むことが期待されます。

    コソボでのコソボでのコソボでのJICAJICAJICA事業事業事業

    コソボ大気汚染対策能力向上プロジェクトのコソボ大気汚染対策能力向上プロジェクトのコソボ大気汚染対策能力向上プロジェクトのJCCJCCJCC

    JCCの様子

    JCCの様子 JICAバルカン事務所長による発表

    コソボ大気汚染対策能力向上プロジェクトのJCC

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    セルビアでのセルビアでのセルビアでのJICAJICAJICA事業事業事業

    JICAJICAJICA専門家は乳がん早期発見プログラムについて専門家は乳がん早期発見プログラムについて専門家は乳がん早期発見プログラムについて

    コソボでの事業コソボでの事業コソボでの事業

    フォローアップ協力「フォローアップ協力「フォローアップ協力「SATOYAMASATOYAMASATOYAMAイニシアチブの推進(イニシアチブの推進(イニシアチブの推進(201420142014年度)」を通じた日本人とイスラエル人専門家による現地セミ年度)」を通じた日本人とイスラエル人専門家による現地セミ年度)」を通じた日本人とイスラエル人専門家による現地セミ

    ナーが 開催ナーが 開催ナーが 開催

    10月から11月にかけて、自然環境保護と地域振興の両立に係る、日本人とイスラエル

    人専門家によるセミナーが、シャール国立公園に隣接するコソボ中南部のスハレカ市で

    開催されました。本取組は、日本のSATOYAMAイニシアチブの事例を学んだJICA研修

    員とイスラエルのエコツーリズムを学んだMASHAV研修員の発案によるもので、スハレカ

    市が地域振興に取組む地域を対象にJICAによるSATOYAMAプログラムの形成に係る

    提言と、MASHAVによるエコルーリズム展開に向けた事例紹介を目的として実施されま

    した。

    印象的だったのは、現地関係者が地域の自然や文化、豊富な農産物などの魅力を多く

    語る一方で、隣接する国立公園保護区は地域の活性化に結びつかずその領域を狭め

    たいとまで考えていたことです。これに対し、日本からは兵庫県豊岡市のコウノトリの復活

    とこれに伴うSATOYAMA振興事例、イスラエルからはWHOOFと称されるボランティア

    の活動による地域振興の例などが示され、自然と社会の共生による地域の発展可能性

    について、現地関係者が主体となった取組に係る関係者間の意見交換を促しました。

    乳がんは、早期発見・治療により9割以上の患者が治癒するといわれて

    います。しかしセルビアでは、発見が遅く、乳がん患者の約3分の1は数

    年以内に死亡していると報告されています。本現状を受けて、保健省は

    2013年に乳がん早期発見プログラム(NPEDBC)を策定し、組織型検

    診(日本では対策型検診)の全国普及に取り組んでいます。本プロジェ

    クトは、NPEDBCのマネジメント能力の強化を目的に、2015年11月から

    約3年間の予定で開始されました。

    プロジェクトでは、1)国のプログラムマネジメント能力の強化、2)組織型

    検診の標準化手順の導入、3)資源(機材・人材)の有効利用の3点に

    焦点をおいてセルビア側と活動を実施し、プログラム実施機関の能力向

    上を目指しています。

    セルビアでは、十分な医療従事者が配置されていない、また、検診に必

    要な予算や資源が十分に提供されていない、というプログラムの実現に

    おける根幹的な問題を抱えています。これらの問題は容易に解決できる

    ものではなく、時に現場の医療従事者のモチベーションを損なうケースも

    みられます。しかし、こういった難しい状況の中でも、尐しでもいいサービスを提供するための努力や熱意をもち、現状改善のために惜しみなく

    プロジェクトの活動に貢献して下さる医療専門家と活動する機会を徔ています。こういった熱意が現場にある限り、組織型検診の普及と改善に

    向けて前に進んでいけると思います。プロジェクトの活動を通じて、現場の熱意や努力を尊重し支援できるよう、国の体制を強化し、「乳がんの

    早期発見数の増加と死亡率低下」という大きな目標につなげていければと思います。

    日本の事例を説明している日本からの専門家

    事業活動

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    JICAバルカン事務所職員から皆様へ

    セルビア語に悪戦苦闘セルビア語に悪戦苦闘セルビア語に悪戦苦闘 【日比野・崇職員】【日比野・崇職員】【日比野・崇職員】

    職員の挨拶職員の挨拶職員の挨拶

    世界には難しい言葉がいくつもありますが、セルビア語もその一つに加えてい

    いのではないかと思います。特に、日本人にとっては馴染みのないキリル文

    字(ラテン文字と同じ標記でも発音が異なり、とっても混乱します。例えば

    「Не」と書いて、「ネ」と読みます(Noという意味)。そして、男性形、女性形、

    中性があり、そこでも躓きます。さらに、格変化によって形容詞や名詞の語尾

    が変化しますので、ここでも四苦八苦します。習いたての頃は新鮮さもあり「意

    外に楽しいかも」と思いましたが、学習が進んでいくと、文法の難しさが身にし

    みるようになり、「知らないほうが幸せだったかも・・・」と思う日々です。

    なかなか苦労は絶えませんが、尐しでも出来るようになれば、街中でのやり取

    りに苦労することもなくなり、仕事上の関係者とも距離が縮まります。赴任して

    2年、超スローペースですが、尐しずつ上達している(?)ような気がします。

    離任のご挨拶 平島淳

    2017年11月をもちまして、合計6年間に渡るJICAバルカン事務所での企画調査員としての業務を終了することとなりました。これまでご支援

    いただきました関係者の皆様に、この場を借りて感謝申し上げます。この間、ボスニア・ヘルツェゴビナとマケドニアへの協力を担当いたしまし

    たが、どちらの国も政治や行政に左右されることが多く、悩まされたこともありました。個々人は親日的でフレンドリーな人が多い国々ですので、

    今後も支援を通じて日本のイメージアップにつながることを祈っております。

    今後は、セルビア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアの4か国を対象とした、「西バルカン地域における中小企業メンター

    サービス構築・普及促進プロジェクト フェーズ2」の業務調整員として、セルビアを拠点としつつ4か国を対象とする業務に従事いたします。引

    き続きご支援ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

    セルビア語の教科書

    着任のご挨拶 西田基行

    「カコ・ステ!!」 ベオグラードに赴任して最初に覚えた言葉です。2017年8月にJICAバルカン事務所に

    企画調査員として赴任しました、西田基行です。担当分野は、「環境」「民間セクター開発」「平和構築」と

    たくさんですが、実際にお手伝いさせて頂くのは、ボスニア・ヘルツェゴビナとマケドニア共和国で実施して

    いるJICA事業の側面支援です。赤道を中心にマレイシア、インドネシア、アフガニスタン、東ティモールなど

    で活動してきました。ここ最近は、なぜか紛争や独立後したばかりという国での活動が増えてきました。まっ

    たく21世紀になっても戦争しているとは・・・「過去・捨て!!」明日への一歩をみなさんと分かち合いたいと

    思っています。

    これからもよろしくお願いします。

    好きなこと: 日本のお祭り、日本のサッカー(Jリーグ)

    着任のご挨拶 宇那木 智子

    10月下旬に着任しました宇那木智子です。アルバニアとコソボの技プロを担当しています。バルカン地域への赴任は今回で三度目になります

    が、最後に訪れた2014年から既に大きく変わったなと思うことばかりです。バルカンは知れば知るほど難しく、面白い地域だと改めて実感して

    います。この地域の平和、開発、安定のために微力を尽くしたいと思います。

    サッカー試合で西田さん