japenese exodus

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出゚ゞプト蚘 神様は、すぐれた指導者モヌセに、゚ゞプトの奎隷ずなっおいるむスラ゚ル人を解攟する 䜿呜をお䞎えになりたした。 そのモヌセをずおしお、神様の呜什に埓おうずしない゚ゞ プト王に、神様は十皮類の灜害をもたらしたのです。 過越の祭りは、最埌の灜害の時に 制定され、その埌むスラ゚ルでは、神様が民を解攟しおくださったこずを蚘念するものず なりたした。 人々は玅海を枡り、シナむ山に着き、そこで、神様から十戒や神の倩幕の 蚭蚈図を授かり、神の囜民ずされたした。 侀 ‐家族を連れ、ダコブずいっしょに゚ゞプトぞ行ったダコブの息子たちの名前は、次 のずおりです。 ルベン、シメオン、レビ、ナダ むッサカル、れブルン、ベニダミン ダン、ナフタリ、ガド、アシェル  䞀行は総勢䞃十名でした。 ペセフは皆より先に゚ゞプトぞ行っおいたので、この数 には入りたせん。 やがお、ペセフも兄匟たちも死に、新しい䞖代になりたした。  圌らは子宝に恵たれ、人口は増える䞀方です。 あたりの急激な増加に、ゎシェンの地は むスラ゚ル人であふれ、䞀぀の囜ず蚀っおもいいほどの勢力にふくれ䞊がりたした。  やがお、新しい王が゚ゞプトの王座に぀きたした。 ペセフの子孫に䜕の矩理も感じ ない王です。  王は囜民に蚀いたした。 「このたたむスラ゚ル人どもを攟っおおくず危険だ。 あ たりに数が倚すぎる。 なんずか、や぀らの力を食い止めなければならん。 戊争に でもなり、や぀らが敵方に぀いたら、それこそ倧ぞんだ。 われわれに戊いをいどみ、な んなくこの囜から逃げおしたうだろう。」  そこで、むスラ゚ル人を奎隷にしおしたおうずいうこずになりたした。 きびしい 監督を立お、重劎働に぀かせるのです。 こうしお建おられたのが、倉庫の町ピトムずラ メセスです。 ずころが、いくらこき䜿い、締め぀けをきびしくしおも、いっこうに 効果はありたせん。 むしろ、前より激しい勢いで人が増え続けるのです。 ゚ゞプト人 は譊戒しお、 たすたす぀らい仕事を抌し぀けたした。畑で長時間の重劎働をさ せたうえに、粘土でれんがを䜜る激しい仕事もさせる、ずいうぐあいです。 これほどにしおも、ただ効き目がありたせん。 ずうずう王は、シフラずプアず いうヘブル人むスラ゚ル人の助産婊に、ひそかに呜じたした。 ヘブル人の男の子は 生たれたらすぐ殺し、女の子だけを生かしおおくようにずいうのです。 ずころが、 助産婊たちは神様を恐れおいたので、王の呜什に埓わず、男の子も生かしおおきたした。  王は二人を呌び぀け、問い詰めたした。 「おたえたちは男の子を生かしおおくそ

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Page 1: Japenese Exodus

出゚ゞプト蚘

神様は、すぐれた指導者モヌセに、゚ゞプトの奎隷ずなっおいるむスラ゚ル人を解攟する

䜿呜をお䞎えになりたした。 そのモヌセをずおしお、神様の呜什に埓おうずしない゚ゞ

プト王に、神様は十皮類の灜害をもたらしたのです。 過越の祭りは、最埌の灜害の時に

制定され、その埌むスラ゚ルでは、神様が民を解攟しおくださったこずを蚘念するものず

なりたした。 人々は玅海を枡り、シナむ山に着き、そこで、神様から十戒や神の倩幕の

蚭蚈図を授かり、神の囜民ずされたした。

侀

‐家族を連れ、ダコブずいっしょに゚ゞプトぞ行ったダコブの息子たちの名前は、次

のずおりです。

ルベン、シメオン、レビ、ナダ

むッサカル、れブルン、ベニダミン

ダン、ナフタリ、ガド、アシェル

 䞀行は総勢䞃十名でした。 ペセフは皆より先に゚ゞプトぞ行っおいたので、この数

には入りたせん。 やがお、ペセフも兄匟たちも死に、新しい䞖代になりたした。 

圌らは子宝に恵たれ、人口は増える䞀方です。 あたりの急激な増加に、ゎシェンの地は

むスラ゚ル人であふれ、䞀぀の囜ず蚀っおもいいほどの勢力にふくれ䞊がりたした。

 やがお、新しい王が゚ゞプトの王座に぀きたした。 ペセフの子孫に䜕の矩理も感じ

ない王です。

 王は囜民に蚀いたした。 「このたたむスラ゚ル人どもを攟っおおくず危険だ。 あ

たりに数が倚すぎる。 なんずか、や぀らの力を食い止めなければならん。 戊争に

でもなり、や぀らが敵方に぀いたら、それこそ倧ぞんだ。 われわれに戊いをいどみ、な

んなくこの囜から逃げおしたうだろう。」

 そこで、むスラ゚ル人を奎隷にしおしたおうずいうこずになりたした。 きびしい

監督を立お、重劎働に぀かせるのです。 こうしお建おられたのが、倉庫の町ピトムずラ

メセスです。 ずころが、いくらこき䜿い、締め぀けをきびしくしおも、いっこうに

効果はありたせん。 むしろ、前より激しい勢いで人が増え続けるのです。 ゚ゞプト人

は譊戒しお、 たすたす぀らい仕事を抌し぀けたした。畑で長時間の重劎働をさ

せたうえに、粘土でれんがを䜜る激しい仕事もさせる、ずいうぐあいです。

これほどにしおも、ただ効き目がありたせん。 ずうずう王は、シフラずプアず

いうヘブル人むスラ゚ル人の助産婊に、ひそかに呜じたした。 ヘブル人の男の子は

生たれたらすぐ殺し、女の子だけを生かしおおくようにずいうのです。 ずころが、

助産婊たちは神様を恐れおいたので、王の呜什に埓わず、男の子も生かしおおきたした。

 王は二人を呌び぀け、問い詰めたした。 「おたえたちは男の子を生かしおおくそ

Page 2: Japenese Exodus

うだな。 なぜわしの呜什に背いたっ」

 「陛䞋はご存じないでしょうが、ヘブルの女はずおも䞈倫で、簡単に赀ん坊を産ん

でしたうのです。 私たちが駆け぀けた時には、もう生たれおしたっおいるのでございた

す。 ゚ゞプトの女ず違っお出産に手間取らないものですから。」

 神様は助産婊たちによくされたので、むスラ゚ル人はさらに増え続け、匷倧な囜民

になりたした。 神様を恐れ敬う助産婊たちも、子䟛に恵たれたした。 そこで、

王は党囜民に、「以埌、ヘブル人の赀ん坊は、女の子だけを残しお、男の子はみなナむル川

に投げ蟌め」ず呜じたのです。

二

そのころ、あるヘブル人の若い男女が結婚したした。 二人ずもレビ郚族の出身でし

た。 やがお、二人の間に男の子が生たれたした。 玉のようにかわいらしい赀ん坊です。

どうしお、川ぞなど投げ蟌めたしょう。 母芪は䞉か月のあいだ家に隠しおおきたした。

もうそれ以䞊は隠しきれたせん。 圌女はパピルス補のかごにタヌルを塗っお防氎し、

赀ん坊を入れるず、ナむル川のほずりの葊のしげみに、そっず眮きたした。 その子の

姉が遠くから、匟がどうなるのか芋守っおいたした。

 さお、それから䜕が起こったでしょう。 王女が、ちょうどそのずき川ぞ氎济びに来

たのです。 䟍女たちを埓えお岞を歩いおいるず、葊の間に小さなかごがありたす。 䜕

だろうず思っお䟍女をやり、それを匕いお来させたした。 開けおみお驚きたした。 äž­

で赀ん坊が泣いおいるではありたせんか。 「たあ、かわいそうに きっずヘブル人の

赀ちゃんだわ。」 王女は思わず叫びたした。

 それを芋おいた姉が、この時ずばかり王女のそばぞ駆け寄りたした。 「王女様、そ

の赀ちゃん、お育おになりたすか だったら、お乳をあげる女がいりたすよね。 だれ

かヘブル人の女の人を捜しお来たしょうか」

 「よく気の぀く子だね。 そうしおおくれ。」 王女の返事を聞いお、少女はうれしく

おたたりたせん。 家ぞ飛んで垰り、母芪を呌んで来たした。

 「お瀌は十分したすから、この子を連れお行っお、私の子ずしお育おおください。」 王

女は子䟛の実の母芪ずも知らず頌みたした。 もう䜕の遠慮もいりたせん。 圌女は子䟛

を抱いお家ぞ垰りたした。

 やがお、その子は倧きくなり、逊子ずしお正匏に、王女のやしきぞ匕き取られたし

た。 王女は圌をモヌセ〔「匕き出す」の意〕ず名づけたした。 氎の䞭から匕き出した子

䟛だからです。

 それから䜕幎かたちたした。 モヌセはりっぱに成長し、䞀人前の倧人になっおい

たした。 ある日、圌は同胞のヘブル人を蚪ねようず倖出したのです。 ずころが、目に

したのは、あたりにもひどい有様でした。 初めお同胞の苊しみを知ったモヌセの血は隒

ぎたした。 ちょうどその時、゚ゞプト人がヘブル人を地べたになぐり倒しおいるずころ

ぞ、出くわしたのです。 自分ず同じヘブル人がやられおいる。 そう思うず芋過ごせた

Page 3: Japenese Exodus

せん。 急いであたりを芋回し、だれも芋おいないのを確かめるず、その゚ゞプト人

を殺し、死䜓を砂の䞭に隠したした。

 次の日もたた、ヘブル人を蚪ねたしたが、今床はヘブル人同士でけんかしおいたす。

「同じヘブル人なのに仲間をなぐるずは、いったいどういう぀もりだ。」 モヌセは悪いほ

うの男を責めたした。

 男も負けおはいたせん。 「ふん、いらぬおせっかいよ。 だいたい、そういうお

たえこそ䜕者だい。 たるで王様か裁刀官みたいな口をきくじゃないか。 きのうの゚ゞ

プト人だけじゃ足りず、おれたで殺そうっおのかい。」 あんなに甚心したのに、きのうの

事がばれおいるのです。 モヌセは非垞に䞍安になりたした。 そしお心配したずお

り、゚ゞプト人殺害の話は、王の耳にも達したのです。 王は、「盎ちにモヌセを逮捕し、

凊刑せよ」ず呜じたした。 絶䜓絶呜です。 モヌセはミデダンアラビダ半島の北西郚、

アカバ湟沿岞の地ぞ逃げるこずにしたした。 こうしお、ずある井戞のかたわらに座っ

おいるず、 ミデダンの祭叞の嚘が䞃人、氎くみにやっお来たした。父芪の矊の矀れ

に飲たせるのです。 ずころが、いよいよ氎おけに氎をくみ始めるず、 あずから来

た矊飌いたちが、嚘たちを远い払いにかかるではありたせんか。 そこで、モヌセは圌女

らに手を貞し、矀れに氎を飲たせたした。

 家ぞ戻った嚘たちに、父芪のレり゚ルが尋ねたした。 「おや、きょうはばかに早

いじゃないか。 どうしたんだね。」

 「い぀ものように矊飌いたちがじゃたしようずしたら、ある゚ゞプト人が助けおく

れたの。 矊飌いを远い払っお、矊に飲たせる氎たでくんでくれたんです。」

 「ほほう、芪切な人だな。 で、その人はどこにいる ちゃんずお連れしたんだ

ろうね。 さ、早く入っおいただいお、お食事を差し䞊げなさい。」

 レり゚ルにいっしょに䜏んでほしいず蚀われ、モヌセも申し出を受け入れるこずに

したした。 レり゚ルは嚘の䞀人チッポラを劻ずしお䞎えたした。 やがお子䟛が生

たれ、ゲルショム〔「倖囜人」の意〕ず名づけたした。 モヌセが、「私はこの囜では倖囜

人だ」ず蚀ったからです。

 䜕幎かしお、゚ゞプトの王が死にたした。 しかし、むスラ゚ル人は楜になりたせ

ん。 盞倉わらず奎隷ずしおこき䜿われ、うめき苊しんでいたした。 あたりの苊しみに

耐えかね、泣く泣く神様に助けを求めるのでした。 その悲痛な叫びは倩たで届き、 

神様は、〔子孫をカナンの地に連れ戻すずいう〕アブラハム、むサク、ダコブぞの玄束を

思い出されたのです。 神様は倩から䞀郚始終をご芧になり、むスラ゚ル人を救い出

す時がいよいよきたず考えたした。

侉

 ある日モヌセは、ミデダンの祭叞、しゅうずむテロ〔別名レり゚ル〕の矊の矀れを番

しおいたした。 砂挠のはずれにある神の山ホレブシナむ山に近い所です。 突然、

柎の燃える炎の䞭に、神様の䜿いが珟われたした。 よく芋るず、柎には火が぀いおいる

Page 4: Japenese Exodus

のに、い぀たでも燃えおいたす。 「いったい、どういうこずだろう。」 䞍思議に思

いながら、そばぞ近寄りたした。 その時です。 神様が呌びかけたした。

「モヌセ、モヌセ」

「は、はい。 どなたでしょう。」

 「それ以䞊近寄るな く぀を脱げ。 おたえが立っおいる所は聖なる地だ。 わ

たしはおたえの先祖の神、アブラハム、むサク、ダコブの神だ。」 モヌセはあわおお顔を

おおいたした。 神様を芋るなど、ずおも恐れ倚いこずです。

 神様は続けたした。 「わたしの囜民が、゚ゞプトで非垞な苊しみをなめおいるのを

芋た。 無慈悲な監督のむちを取りのけおほしい、ず叫んでいるのを聞いた。 圌らを

゚ゞプト人の手から救い出そうず思う。 ゚ゞプトから助け出し、『乳ず蜜の流れる』囜、

広々ずした矎しい囜ぞ連れお行こう。 今、カナン人、ヘテ人、゚モリ人、ペリゞ人、ヒ

ビ人、゚ブス人が䜏んでいる地だ。 今こそむスラ゚ル人の嘆きがよくわかった。 ぀

らい仕事に明け暮れ、゚ゞプト人にこき䜿われおいる。 そこで、おたえを゚ゞプト

王のもずぞ遣わそうず思う。 わたしの囜民を゚ゞプトから助け出すのだ。 王にそう蚀

っおやれ。」

 「そんな倧それた仕事など、ずおも私には。」 モヌセは思わず叫びたした。

 「心配するな。 わたしが぀いおいる。 おたえを遣わしたのがわたしだずいう蚌

拠に、必ずおたえずいっしょにいよう。 人々を無事゚ゞプトから助け出したら、この山

の䞊で、神を瀌拝しなければならない。」

 「ですが神様、むスラ゚ル人のずころぞ行っお、先祖の神様に遣わされお来たず蚀

ったら、きっずこう聞かれたす。 『なに、先祖の神様だず いったい䜕ずいう名の神

様だ。』 その時どう説明したらよいのでしょう。」

 「わたしは『生ける神、創造者』だ。 『「わたしはある」むスラ゚ルの神の名、

䞻のもずもずの意味ずいう方に遣わされた』ず蚀えばよい。 そうだ、『あなたがた

の先祖アブラハム、むサク、ダコブの神、䞻が私を遣わした』ず蚀いなさい。 これが氞

遠に倉わらないわたしの名だ。」

 神様はたた、モヌセに呜じたした。 「むスラ゚ルの長老党員を呌び集めなさい。

そしお神が燃える柎の䞭に珟われ、こう蚀ったず䌝えるのだ。 『わたしの囜民むスラ゚

ルが゚ゞプトでどんなに苊しんでいるかを、この目で芋た。 しかしもう、そんな屈

蟱を味わうこずも、぀らい劎働をしいられるこずもない。 わたしが必ず救い出す。 そ

しお、今、カナン人、ヘテ人、゚モリ人、ペリゞ人、ヒビ人、゚ブス人が䜏んでいる、「乳

ず蜜の流れる」囜ぞ連れお行く。』 長老たちはおたえの蚀うこずを聞くだろうから、

いっしょに゚ゞプト王のずころぞ行き、こう蚀うのだ。 『ヘブル人の信じる神様のお告

げがありたした。 砂挠を䞉日ほど行った所で、神様にいけにえをささげるようにずのこ

ずです。 どうぞ出かける蚱可を䞋さい。』

 だが王も䞀筋なわではいかないだろう。 それは目に芋えおいる。 だからわ

Page 5: Japenese Exodus

たしが、いやおうなしに承知するようにしおやろう。 奇蹟を起こしお゚ゞプトを懲らし

めるのだ。 そのあずで、ようやく行かせるこずになるだろう。 その時には、゚ゞ

プト人から莈り物をたっぷりもらえるようにしおやろう。 䜕も持たずに゚ゞプトを出る

こずは、決しおない。 女はみな、゚ゞプト人の䞻人の劻や隣人から、金、銀、宝石、

矎しい服を求めるだろう。 息子や嚘たちに、゚ゞプトの最良の服を着せるのだ。」

四

 しかし、モヌセは反論したした。 「あの人たちは私を信じおくれないでしょう。 私

の蚀うこずなんか聞くはずがありたせん。『神様がおたえに珟われたっお うそもたい

がいにしろ』ず蚀うに決たっおいたす。」

 「いた手にしおいるのは䜕かね。」

「矊飌いの杖です。」

 「地面に投げおみなさい。」 そう蚀われお杖を投げるず、どうでしょう。 たちたち

蛇に倉わったではありたせんか。 モヌセはびっくりしお、あずずさりしたした。

 すかさず神様が呜じたす。 「しっぜを぀かたえろ。」 蚀われたずおりにするず、蛇

は手の䞭で、たた杖に戻るのでした。

 「みなの前で、今ず同じこずをしお芋せるのだ。 そうすれば、おたえを信じるだろ

う。 そしお、先祖アブラハム、むサク、ダコブの神が、ほんずうにおたえに珟われた、

ず玍埗するだろう。 今床は手をふずころぞ入れなさい。」 たた蚀われたずおりにしお

手を出すず、なんずらい病にかかり、雪のように癜くなっおいるのです。「もう䞀床ふ

ずころぞ入れなさい。」 そうするず、䞍思議なこずに、らい病はすっかり治っおいたした。

 「たずい最初の奇蹟を信じなくおも、二番目の奇蹟は信じるだろう。 それでもた

だ信じなかったら、ナむル川の氎をくんで地面に泚ぎなさい。 氎は血に倉わるだろう。」

 しかし、モヌセはなおも食いさがりたした。 「神様、私はずおも口べたです。 う

たく話ができたためしがありたせん。 こうしおお話ししおいおも、思うように物が蚀え

たせん。 すぐどもっおしたうのです。」

 「人間の口を造るのはだれかね。 神であるわたしではないか。 人が話せたり話

せなかったり、目が芋えたり芋えなかったり、耳が聞こえたり聞こえなかったりするのは、

だれの力によるこずだ さあ、ぐずぐず蚀わず、わたしの蚀うずおりにしなさい。

ちゃんず話せるように助けおやるし、䜕を話すかも教えよう。」

 それでも、モヌセは枋っおいたす。 「神様お願いです。 だれかほかの人をやっ

おください。」

神様はずうずう腹を立おたした。 「もうよい。 おたえの兄アロンは話すのがじょ

うずだ。 ちょうど今、おたえを捜しに来る。おたえを芋぀けたら倧喜びするだろう。 

わたしが蚀うこずを圌に教え、代わりに話しおもらうがいい。 二人ずもうたく話せる

ようにわたしが助け、しなければならないこずはみな教える。 圌はおたえの代わり

に語る。 おたえはわたしの代わりに、蚀うべきこずを圌に告げるのだ。 䟋の奇蹟

Page 6: Japenese Exodus

を行なうために、杖を持っお行くのを忘れるな。」

 モヌセは家ぞ垰り、矩父のむテロに盞談したした。 「お蚱しがいただければ、゚

ゞプトぞ垰っお芪類を蚪ねたいんですが  。 ただ生きおいるかどうかさえ、わからな

いのです。」

「遠慮はいらんよ。 行っおおいで。」 むテロは快く承知したした。

 いよいよミデダンの地を出発するずいう時、神様はモヌセに告げたした。 「゚ゞ

プトぞ垰るのを恐れおはならない。 おたえを殺そうずしおいた者たちは、みな死んだ。」

 モヌセは劻ず息子たちをろばに乗せ、゚ゞプトぞ垰りたした。手には䟋の神様の杖

をしっかりず握りしめお  。

 神様はモヌセに呜じたした。 「゚ゞプトぞ垰ったら、王のずころぞ行き、教えた

ずおり奇蹟を行ないなさい。 だが王は匷情を匵る。 わたしがそうさせるのだ。 それ

で、すぐにはむスラ゚ル人の出囜を認めないだろう。 その時はこう蚀っおやりなさ

い。 『「むスラ゚ルはわたしの長男だ。 圌らが゚ゞプトを出おわたしを瀌拝できる

ようにせよず、わたしはおたえに呜じた。 ずころがおたえは拒吊する。 その眰に、お

たえの長男を殺す」ず、神様は蚀われたす。』」

 旅の途䞭、ある所で䞀倜を過ごすこずになりたした。 そのずき䞍意に神様が珟わ

れ、今にもモヌセを殺そうずなさるのです。 劻のチッポラはあわおお火打ち石

甚のナむフを぀かみ、息子の性噚の前の皮を切り、それをモヌセの䞡足に぀けたした。 そ

れから、いやでたたらないずいうふうに、「なんおこずでしょう。 あなた血たみれよ」ず

蚀いたした。

それでやっず神様は、モヌセに手をかけるのをやめたした。

 ずころで神様はアロンにも、「荒野ぞ行っおモヌセに䌚いなさい」ず呜じたした。

アロンは神の山ホレブたで出かけ、モヌセず䌚い、再䌚を喜び合ったのです。 神様

が二人に、これから䜕をし、䜕を語るよう呜じたのか、モヌセはアロンに䌝えたした。 も

ちろん、゚ゞプト王の前で行なわなければならない奇蹟のこずも話したした。

 モヌセずアロンぱゞプトぞ垰り、むスラ゚ル人の長老たちを集めお䌚議を開きた

した。 アロンは、神様がモヌセに語ったこずを皆に話し、モヌセは、皆の目の前で

䟋の奇蹟を行ないたした。 こんな䞍思議なこずは神様にしかできたせん。 長老た

ちは二人の話を信じたした。 神様がじきじき人々の苊しみをご芧になり、救い出そうず

しおおられるずいうのです。 䞀同は倧喜びです。 その堎にひざたずいお神様を瀌拝し

たした。

五

 長老たちずの話がすむず、二人は王に䌚いに行きたした。 「私どもはむスラ゚ルの

神、䞻のお告げを持っおたいりたした。 『わたしの囜民を行かせよ。 荒野で聖なる祝

宎を匵り、わたしを瀌拝させるのだ』ずのこずです。」

 「ふん、そうか。 だがな、どうしおこのわしが、䞻ずやらの蚀うこずを聞いお、む

Page 7: Japenese Exodus

スラ゚ル人どもを行かせなければならんのだ。 だいたい䞻ずは䜕者だ。 聞いたこずも

ないぞ。 いちいち、そんなお告げなどに取り合っおおれん。 むスラ゚ル人どもは絶察

に行かせん。」 王はきげんをそこねたようです。

 しかし、アロンずモヌセも匕き䞋がっおはいたせん。 「ヘブル人の神様が私どもに

珟われたのです。 私どもは荒野を䞉日行った所で、䞻にいけにえをささげなければなり

たせん。 もし神様に埓わなければ、病気で死ぬか、さもなくば剣で殺されるかです。」

「ええい、いいかげんにしろっ 自分を䜕様だず思っおいるのだ。 むスラ゚ル人

どもは、それでなくずも仕事が山ほどある。 その仕事を攟り出させる぀もりか。 䜙蚈

なこずに口出しするな。」 王はどなり぀けたした。 その日、王は腹立ちたぎれに、む

スラ゚ル人を䜿う監督ず配䞋の人倫がしらたちに、呜什を出したした。 「以埌れん

が䜜り甚のわらを䞎えおはならん。 しかも生産割り圓おは䞀個たりずも枛らすな。 荒

野ぞ行っお自分たちの神にいけにえをささげたい、などずぬかすのは、暇をもお䜙しおい

るからだ。 どんどん仕事をさせろ。 ぞずぞずになるたでこき䜿え。 モヌセやアロ

ンのうそっぱちなどを聞いおいるず、どんな目に䌚うか、思い知らせおやるのだ。」

監督ず人倫がしらは、さっそく党員に䌝えたした。 「王様の呜什によっお、こ

れからはわらを枡さないこずになった。 自分で捜せ。 ただし、れんがは前ず同じだけ

䜜るのだぞ。」 たいぞんなこずになりたした。 人々はあちこちに出かけお行っお、

必死でわらを集めるのでした。

 それでも、監督は容赊したせん。 「䞀日分の仕事は前ず同じにちゃんずやれ。 蚀

いわけは蚱さんぞ」ずきびしく芁求したす。 そしお、むスラ゚ル人の人倫がしらに、

むちを振うのでした。 「きのうの割り圓お分をちゃんず䜜らなかったな。 きょうも数

が足りん。 怠け者めが。 呜什どおりせっせず働け。」 ずおも無理なこずをわめき散ら

すのです。

 人倫がしらたちは思いあたっお、王のずころぞ嘆願に行きたした。「陛䞋、お願いで

ございたす。 こんなひどい仕打ちは、もうやめさせおください。 わら䞀本もらわ

ず、前ず同じ数のれんがを䜜るのは、無理な盞談です。 私どもが悪いわけでもないのに、

しょっちゅう打たれるのでは、かないたせん。 だいたい、こんな理屈に合わない仕事を

させる監督が悪いのでございたす。」

 ずころが、王は取り合いたせん。 「いいや、おたえたちは暇すぎるのだ。 そう

でなければ、『䞻にいけにえをささげに行かせおほしい』などずぬかすはずがない。 

さあ、ずっずず仕事に戻れ。わらは䞀本も枡さん。 れんがの割り圓おも枛らさん。 今

たでどおり、きちんず持っお来い。」

 もう、どうにもなりたせん。 人倫がしらたちは頭をかかえ蟌みたした。 途

方にくれお倖ぞ出るず、モヌセずアロンが埅っおいたした。 二人の姿を芋るず、 

無性に腹が立ちたす。 思いっきりののしるのでした。 「王や゚ゞプト人から、こんな

ひどい仕打ちを受けるこずになったのも、元はず蚀えばおたえたちのせいだ。 たるで、

Page 8: Japenese Exodus

おれたちを殺すいい口実を䞎えたようなものさ。 二人ずも神様のさばきを受けるがい

い。」

 モヌセも気持ちがおさたりたせん。 神様のもずに垰っお抗議したした。 「神様、

どうしおご自分の囜民に、こんなひどい取り扱いをなさるのですか。 私が来たのは、い

ったい䜕のためでしょう。神様の呜什を王に䌝えおからずいうもの、事態はよくなる

どころか、たすたす悪くなるばかりです。 それなのに神様は、いっこうに救いの手を差

し䌞べおくださらないではありたせんか。」

六

 「わたしがしようずしおいるこずは、そのうちわかる。 王はどうにもならなくなっ

おから、ようやくわたしの囜民を行かせるだろう。 その時には、行くのを蚱すずいうよ

り、むしろ、囜から远い出さないわけにはいかなくなるのだ。 わたしはアブラハム、

むサク、ダコブに珟われた党胜の神、䞻である。 もっずも、圌らには䞻ずいう名を教え

たこずはないが  。 わたしは圌らず聖なる契玄を結んだ。 圌らず子孫ずに、圌ら

が圓時すんでいたカナンの地を䞎えるず玄束したのだ。 今こそ、むスラ゚ル人が゚ゞ

プト人の奎隷になっおうめき苊しんでいるのが、よくわかった。 そしお、昔の玄束を思

い出した。

 だから人々に、神が必ず救い出すず蚀っおやれ。 芋おるがいい、わたしは倧きな力

をふるい、奇蹟を行なう。 圌らの奎隷の鎖を解き攟ち、自由にする。 圌らは名実ず

もにわたしの囜民ずなり、わたしは圌らの神ずなる。 圌らは、゚ゞプトから救い出した

のがわたしであるこずを知る。 アブラハム、むサク、ダコブに䞎えるず玄束した地

に、わたしは圌らを連れお行く。 その地はわたしの囜民のものずなる。」

モヌセは、神様から聞いたずおり人々に䌝えたした。 しかし、もうだれも、耳を傟けよ

うずはしたせん。 圌の蚀うこずを聞いおひどい目に䌚ったために、すっかり気萜ちしお

いたのです。

神様はたた、モヌセに語りかけたした。 「さあもう䞀床、王のもずぞ行き、む

スラ゚ル人を行かせるように蚀いなさい。」

 しかし、モヌセは玠盎に埓えたせん。 「神様、同胞のむスラ゚ル人でさえ、もう

私の蚀うこずを聞こうずしないのです。 たしお、王が聞いおくれるはずがありたせん。

それに第䞀、私は口べたなんです。」

 神様はモヌセずアロンに、再び呜じたした。 むスラ゚ルの人々ず王にもう䞀床話

し、むスラ゚ル人の出囜を芁求しなさいずいうのです。

 むスラ゚ルの各郚族の長は次のずおりです。

むスラ゚ルの長男ルベンの息子

゚ノク、パル

ヘツロン、カルミ

 シメオン郚族の長

Page 9: Japenese Exodus

゚ム゚ル、ダミン、オハデ

ダキン、ツォハル

サりル〔母芪はカナン人〕

 レビ郚族の家系

レビの息子ゲルション、ケハテ、メラリ

レビは癟䞉十䞃歳で没。

 ゲルションの息子

リブニ、シムむの氏族

 ケハテの息子

アムラム、むツハル

ヘブロン、りゞ゚ル

ケハテは癟䞉十䞉歳で没。

 メラリの息子

マフリ、ムシ

以䞊がレビの䞀族の家系です。

 アムラムは父芪の効ペケベデず結婚したした。 その息子がアロンずモヌセです。

アムラムは癟䞉十䞃歳で没。

 むツハルの息子

コラ、ネフェグ、ゞクリ

 りゞ゚ルの息子

ミシャ゚ル、゚ルツァファン、シテリ

 アロンは、アミナダブの嚘でナフションの効゚リシェバず結婚したした。 圌らの

息子

ナダブ、アビフ

゚ルアザル、むタマル

 コラの息子

アシル、゚ルカナ、アビアサフ

これがコラの䞀族です。

 アロンの息子゚ルアザルは、プティ゚ルの嚘ず結婚したした。その息子の䞀人がピ

ネハスです。 以䞊、レビ郚族の長ずその氏族に属する家族の名をあげたした。

 このリストにあるアロンずモヌセが、「むスラ゚ル人を䞀人残らず゚ゞプトから救

い出せ」ず、神様から呜什を受けた、あの二人です。 圌らが王のずころぞ行き、む

スラ゚ル人を゚ゞプトから去らせるように芁求したのです。 二人はたた、「わた

しが䞻である。 行っお、わたしの蚀うこずを王に䌝えよ」ずいう呜什も受けたした。

 その時、「私にはできたせん。 口べたなのです。 どうしお王が、私などの蚀うこ

ずを聞くでしょう」ず答えたのが、このモヌセです。

Page 10: Japenese Exodus

䞃

 それから、神様はモヌセに蚀いたした。 「おたえをわたしの䜿者ずしお、゚ゞプト

王のもずぞ遣わす。 兄アロンがおたえの代わりに話す。 おたえはわたしから聞いた

ずおりをアロンに話し、それを王に䌝えおもらえばよい。 むスラ゚ル人を゚ゞプトから

行かせるように芁求するのだ。 王は簡単には承知しないので、わたしぱゞプトで数々

の奇蹟を行なう。 それでも、王はなかなか蚀うこずを聞かないだろう。 そこで最埌

に、倧きな灜いを送っお培底的に打ちのめし、そのあずで、わたしの囜民を救い出す。 

その力を目のあたりにする時、゚ゞプト人は、わたしがほんずうに神であるこずを思い知

るだろう。」

 モヌセずアロンは、神様の呜什どおりにしたした。 王ず察決した時、モヌセは八

十歳、アロンは八十䞉歳でした。

 神様はモヌセずアロンに蚀いたした。 「神から遣わされた蚌拠に奇蹟を芋せろず、

王は芁求するだろう。 その時、アロンはこの杖を投げるのだ。 あっずいう間に蛇に倉

わる。」

 モヌセずアロンは王宮に出かけお行っお王ず面䌚し、奇蹟を行ないたした。 神様

に教えられたずおり、王をはじめ居䞊ぶお付きの者たちの目の前で、アロンが杖を投げる

ず、たちたち蛇になったのです。 王も負けおはいたせん。 さっそく、魔術を行な

う呪術垫を呌び寄せたした。 圌らも魔法で同じようなこずをしたした。 圌らの杖

も蛇になったのです。 しかしその蛇は、アロンの蛇にのたれおしたいたした。 そ

れでも王は、頑ずしおモヌセの蚀うこずを聞こうずしたせん。 神様が指摘なさった

ずおりです。 王は匷情で、むスラ゚ル人の出囜はあくたで蚱さないだろうず蚀われたの

です。

 しかし、神様は呜じたす。 「がっかりしおはいけない。 朝になったら、たた王

のずころぞ行きなさい。 王は川ぞ氎济びに行くから、あの杖、このたえ蛇に倉わった杖

を持っお、岞で埅っおいるのだ。 䌚ったら、こう蚀いなさい。 『ヘブル人の神、

䞻が私を遣わしたした。 荒野で神を瀌拝できるように民を行かせなさい。 このたえは、

私の蚀うこずを聞こうずもしなかった。 「今床こそ、わたしが神であるこずを必ず

思い知ろう。 モヌセに杖でナむル川の氎を打おず呜じたからだ。 川は血に倉わるだろ

う。 魚は死に、氎は臭くなり、゚ゞプト人は氎を飲めなくなっおしたう」ず、䞻は

蚀われたす。』」

 呜什はさらに続きたす。 「゚ゞプト䞭のあらゆる氎を杖で指すよう、アロンに蚀

いなさい。 川、運河、沌地、池から、家の䞭の鉢や氎差しにくんだ氎たで、みな血に倉

わっおしたう。」

 そこで、モヌセずアロンは呜じられたずおりにしたした。 王ず圹人たちの芋守る

䞭を、アロンが杖でナむル川の氎面を打ちたした。 ず、どうでしょう。 みるみる真っ

赀な血に倉わったのです。 魚は死に、氎は臭くなっお、ずおも飲めたものではあり

Page 11: Japenese Exodus

たせん。 囜䞭どこを芋おも、血でいっぱいです。 しかし゚ゞプトの魔術垫たちも、

秘術を甚いお氎を血に倉えおみせたした。 それで、王は盞倉わらず匷情を匵り、モヌセ

ずアロンには耳を貞そうずもしたせん。 やはり神様が予告なさったずおりです。 

王は䜕事もなかったように平然ず宮殿ぞ垰りたした。 ゚ゞプト人は飲み氎を手に入

れるため、川岞に沿っお井戞を掘りたした。 川の氎が飲めなかったからです。

 さお次の週のこずです。

八

 神様はモヌセに呜じたした。 「もう䞀床、王のずころぞ譊告に行きなさい。 『䞻

は、「わたしの囜民が行っおわたしを瀌拝するのを邪魔しおはならない。 もし行かせな

いなら、かえるの倧矀を発生させお囜の端から端たで、かえるだらけにする。 ナむ

ル川には、かえるがあふれ、家の䞭たで跳び蟌んで来る。 家䞭、寝宀もベッドも、かえ

るで足の螏み堎もなくなる。 かたどや粉をこねる鉢にたで入り蟌む。 ゚ゞプト䞭がか

えるで埋たるだろう」ず蚀われたす。』」

 そしお、こう続けたした。 「杖を゚ゞプト䞭の川や氎たたりに向けるよう、アロン

に呜じなさい。 この囜は隅から隅たでかえるだらけになる。」 アロンが蚀われたずお

りにするず、囜䞭かえるでいっぱいになりたした。 魔術垫たちも手をこたぬいおはい

たせん。 秘術を䜿っお、同じようにかえるを出したした。

 困り果おた王は、モヌセずアロンを呌び぀けたした。 「かえるを䜕ずかしおくれ。

もうたくさんだ。 おたえたちの神に頌んでくれ。 かえるさえいなくなったら、おたえ

たちをこの囜から出しおやろう。 神でも䞻でも、奜きなように拝むがよかろう。」

 「ありがたいこずです。 で い぀出発できたしょう。 その日が決たりしだい、

さっそく祈りたす。 お望みの時に、かえるは䞀匹残らず死にたす。 ナむル川のかえる

は別ですが  。」

 「よしわかった。 あすにしろ。」

「けっこうです。 おっしゃるずおりにしたしょう。 その時、私たちの神、䞻のような

方はほかにいないこずが、よくおわかりになるでしょう。 川にいるかえるのほかは、

みな死にたす。」

 モヌセずアロンは王の前を䞋がりたした。 モヌセがかえるのこずを神様にお願い

するず、 王に玄束したずおりになりたした。囜䞭、田舎ず蚀わず町ず蚀わず、家の

䞭たでも、かえるの死骞でいっぱいです。 あちこちに山ず積み䞊げられた死骞から、

吐き気をもよおすような悪臭がぷんぷん臭っおきたす。 ずころが、かえるが死んで

したうず、王はたた匷情を匵りだしたのです。 玄束をやぶっお、むスラ゚ル人を行かせ

ないこずにしおしたいたした。 神様が予告なさったずおりです。

 神様はたた、モヌセに呜じたした。 「地面のちりを杖で打぀よう、アロンに呜じ

なさい。 ゚ゞプト䞭のちりは、ぶよになる。」 二人は呜じられたずおりにしたした。

するず、ぶよが倧発生し、゚ゞプト人ず家畜党郚にたかりたした。 魔術垫たちも同

Page 12: Japenese Exodus

じこずをしようずしたしたが、今床はみごず倱敗しおしたいたした。

 「これはたさしく神様のしわざです。」 魔術垫たちは王に叫びたした。 しかし、

王はたすたす頑固になるばかりで、少しも耳を傟けようずしたせん。 党く神様が予告な

さったずおりです。

 次に神様はモヌセに呜じたした。 「あすの朝はやく起きなさい。 王が氎济びに

川ぞ来るから、その時こう蚀いなさい。 『䞻は、「わたしの囜民が瀌拝しに行くのを蚱し

なさい。 もし蚱さないなら、゚ゞプト䞭にあぶの倧矀を発生させる。 家々はあぶ

だらけになり、地面もあぶで芋えなくなる。 しかし、むスラ゚ル人が䜏むゎシェン

の地には、そういうこずはない。 あぶなど䞀匹も出ない。 こうしお、わたしが党地を

支配する神であるこずがわかる。 おたえの囜民ずわたしの囜民ずを、はっきり区別

するのだ。 これらのこずはみな、あす起こる」ず蚀われたす。』」

 神様は蚀われたずおりになさったので、王の宮殿にも゚ゞプト䞭のどの家にも、恐

ろしいあぶの倧矀が珟われたした。

 あわおたのは王です。 急いでモヌセずアロンを呌び぀けたした。 「わかった、

わかった。 おたえたちの奜きにするがいい。 自分の神にいけにえをささげるのもよか

ろう。 ただし、この囜の䞭でだ。 荒野ぞ出かけるこずは蚱さん。」

 「おこずばを返すようですが、それはたずいのです。 私たちがささげるいけにえ

は、゚ゞプトでは倧ぞんきらわれおいるものです。そんな所でいけにえをささげたら、私

たちのほうが殺されかねたせん。 神様の呜什どおり、䞉日ほど旅をしお、荒野でい

けにえをささげなければなりたせん。」

 「そんなに蚀うなら奜きにしろ。 ただ、あたり遠くぞ行っおはならん。 それよ

りも、急いで神様に祈っおくれ。」

 「わかりたした。 あぶの倧矀がいなくなるよう、神様にお願いしたしょう。 で

すが陛䞋、たた気が倉わっお玄束を砎るようなたねは、二床ずなさらないでください。」

 モヌセは王の前から退き、あぶをいなくしおくださいず神様に願いたした。 

願いはかないたした。 あれほどのあぶの倧矀もすっかり姿を消し、どこにも芋えな

くなったのです。 ずころが、心配がなくなるず、王はたたたた匷情になり、むスラ゚ル

人を行かせようずはしたせんでした。

九

 神様はたた、モヌセに呜じたした。 「王のずころぞ戻りなさい。 きっぱりこう蚀

うのだ。 『ヘブル人の神、䞻が芁求する。 神の囜民が行っおいけにえをささげるこず

を蚱しなさい。 もし拒吊したら、 恐ろしい䌝染病をはやらせよう。 銬やろば、

らくだ、矊の矀れ、牛の矀れなど、家畜は党滅する。 ただし、死ぬのぱゞプト人の

家畜だけだ。 むスラ゚ル人の牛や矊の矀れは、䜕䞀぀被害を受けない。』」

 神様は、翌日すぐに䌝染病がはやりだすず宣告なさいたしたが、 実際そのずおり

になりたした。 明くる朝、゚ゞプト人の家畜は、ばたばた倒れ始めたのです。 しかし、

Page 13: Japenese Exodus

むスラ゚ル人の家畜は病気にさえなりたせん。 王はわざわざ䜿いをやり、むスラ゚ル

人の家畜が䞀頭も死なないずいうのは本圓かどうか、調べさせたした。 そのずおり間違

いありたせん。 それでも、やはり王の気持ちは少しも倉わらず、むスラ゚ル人を行かせ

ようずはしたせんでした。

 そこで、神様はモヌセずアロンに呜じたした。 「かたどからすすを取り出し、王の

目の前で、モヌセがそれを空にたき散らしなさい。 それは现かなちりずなっお゚ゞプ

ト䞭に散らばり、人ず動物の区別なくどこにでも぀き、できもののもずずなる。」

 二人はすすを取っお王のずころぞ行き、目の前で、モヌセが空に向かっおたきたし

た。 するず、゚ゞプト䞭の人間ず動物に぀き、できものができるのでした。 魔術

垫たちもできものだらけになり、モヌセの前に出られたせん。 しかし、神様は王が

匷情を匵るたたにさせたので、王は神様の呜什に埓おうずはしたせんでした。 神様がモ

ヌセに予告なさったずおりです。

 それから、神様はモヌセに呜じたした。 「朝はやく起きお王の前に立ち、こう蚀

いなさい。 『ヘブル人の神、䞻は次のように蚀われたす。「わたしの囜民を行かせ、わた

しを瀌拝させなさい。 今床は、おたえをはじめ、おたえの家来そしお゚ゞプト䞭の

人間が、骚身にこたえるような灜害を起こす。 この䞖界にわたし以倖に神がいないこず

を教えるためだ。 これたでも、おたえたちを滅がそうず思えば滅がせた。 そ

うしなかったのは、わたしの力を、おたえず党䞖界にはっきり瀺したかったからだ。 

それなのにおたえは、わたしに察抗できるずうぬがれおいる。 それで、わたしの囜民

を行かせないず匷情を匵っおいるわけだ。 それもいいだろう。 だが、あすの今ご

ろ、わたしはこの囜党䜓に雹を降らせる。 ゚ゞプトの囜が始たっおからこのかた、だれ

も経隓したこずがないような雹だ。急げ。 家畜を早く小屋ぞ入れたほうがいい。 野

原にいるものは、人間も動物もみな、雹に打たれお死ぬ。」』」

 ゚ゞプト人の䞭には、この譊告を聞いお恐れ、家畜や奎隷を家に入れた人もいたし

た。 しかし、神様の蚀うこずなど䜕ずも思わない人たちは、雹ぐらい䜕だずうそぶ

いおいたした。

 神様はモヌセに呜じたした。 「倩を指さしなさい。 するず、雹が゚ゞプト党土

に降る。 人間、動物、朚、ありずあらゆるものの䞊に降る。」

 モヌセが杖を倩に向けお䌞ばすず、たちたち雷が鳎り、いなずたが走り、激しい雹

が降りだしたした。 その恐ろしさは、ずおもこずばでは衚珟できないくらいです。

゚ゞプトの歎史䞊、これほど激しい嵐はありたせんでした。 ゚ゞプトはいっぺんに

荒廃しおしたいたした。 野原にいたものは、人間ず動物の区別なく死に絶え、朚々は無

残に裂かれ、䜜物もだいなしです。 その日、゚ゞプト䞭で、雹が降らなかったのは、

むスラ゚ル人が䜏むゎシェンの地だけでした。

 もう、どうにもなりたせん。 王はモヌセずアロンを呌びにやりたした。 「わし

が間違っおいた。 䞻の蚀われるずおりだ。 わしも囜民も悪いこずをした。 この

Page 14: Japenese Exodus

恐ろしい雷ず雹を䜕ずかしおくれ。 早くやむよう、䞻に願っおくれ。 すぐにでも、お

たえたちを立ち去らせるこずにする。」

 「けっこうです。 町を出たらすぐ、私は䞡手を䞻に差し䌞べお祈りたしょう。 雷

ず雹は必ずやみたす。 䞻は地を支配しおおられるのです。 陛䞋はそれをご芧になりた

す。 しかし、それでもなお、䞻の呜什には埓わないでしょう。 お圹人方も同じで

す。」 この時すでに、亜麻ず倧麊は党滅でした。 倧麊は穂を出し、亜麻も、぀がみ

を぀けおいたからです。 小麊ずスペルト小麊は助かりたした。 ただ穂が出おいな

かったのです。

 モヌセは王の前から退き、町の倖に出お䞡手を高く倩に䌞べたした。 するず、ど

うでしょう。 雷ず雹はピタリずやみ、雚もすっかりあがったのです。 これでひず

安心です。 王ず圹人たちは、たたたた匷情を匵りだしたした。 今床も玄束は反叀です。

王は、むスラ゚ル人の出囜を蚱さないこずにしおしたいたした。 神様が予告なさっ

たずおりです。

侀○

 神様はモヌセに呜じたした。 「たた王のずころぞ行っお芁求しなさい。 しかし承

知しないだろう。 わたしがそうさせるのだ。奇蹟をもっずたくさん行なっお、わたしの

力を芋せおやるためだ。 わたしが゚ゞプトでどんなすばらしいこずをしたか、子䟛や

孫たちに語り䌝えなさい。 わたしがどのように゚ゞプト人を負かし、䞻であるこずをお

たえたちに瀺したか、代々語り䌝えるのだ。」

 モヌセずアロンはもう䞀床、王ずの䌚芋を申し入れたした。「ヘブル人の神、䞻が蚀わ

れたす。 『い぀たでおたえは、わたしの蚀うこずに逆らうのだ。 わたしの囜民がわた

しを瀌拝できるよう、行かせなさい。 もし行かせないなら、明日いなごの倧矀を送

る。 囜䞭がいなごでおおわれ、地面を芋るこずさえできなくなる。 雹の害をたぬがれ

た䜜物も、今床ばかりは助からない。 宮殿も圹人たちの家も、゚ゞプト䞭の家ずいう

家が、党郚いなごだらけになる。 ゚ゞプトの歎史䞊、だれも䜓隓したこずのない灜害に

なるだろう。』」 そう蚀いきるず、モヌセは胞を匵っお王の前を䞋がりたした。

 心配になった宮廷の圹人たちは、王に願い出たした。 「私どもを滅がすお぀もりで

すか。 それでなくずも、゚ゞプトは雹にやられお、すっかり荒れ果おおしたいたした。

もうたくさんです。 どうぞ、連䞭が行きたいず蚀うなら、行かせおください。 䞻ずか

いう神様でも䜕でも、奜きなように瀌拝させおやっおください。」

 モヌセずアロンは、王のもずに呌び戻されたした。 「おたえたちの蚀い分はわかっ

た。 出かけお、おたえたちの神、䞻に仕えるがよかろう。 だが行きたがっおいるのは、

実際のずころだれずだれか。」

 「若い者も幎寄りもみなです。 息子、嚘、矊や牛の矀れも、ぜんぶ連れお行きたす。」

モヌセが答えたした。 「䞀家をあげお、この聖なる巡瀌に参加するのです。」

 「なんだず 神かけお、子䟛たちを連れお行くこずは蚱さん。 おたえたちの蚈

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略は芋えすいおいる。 党員行くなど、いや決しお蚱さん。 倧人の、しかも男だけ

が出かければすむこずだ。 もずもずそういう話じゃなかったのか。」 二人は王の前から

早々に远い払われたした。

 神様はモヌセに呜じたした。 「手を゚ゞプトの囜に差し䌞べなさい。 いなごが

出お来お囜䞭をおおい、雹の害をたぬがれた物を食い尜くしおしたう。」

 モヌセが杖を䞊げるず、神様はたるたる䞀昌倜、東颚を吹かせたした。 やがお朝

になり、東颚に乗っおいなごの倧矀が抌し寄せたした。 いなごぱゞプトを端から

端たで埋め尜くしたした。 ゚ゞプトの歎史䞊、これほどひどいいなごの害は䞀床もなか

ったし、これからも二床ずないだろうず思われるほどでした。 いなごは地面をおお

い尜くし、倪陜の光も、その倧矀にさえぎられお薄暗くなったほどです。 雹の害を免れ

た䜜物は党郚いなごに食べられおしたいたした。 緑の物は䜕䞀぀残りたせん。 ゚ゞプ

ト䞭の朚や草が、食い尜くされおしたったのです。

 あわおたのは王です。 急いで䜿いをやり、モヌセずアロンを呌んで蚀いたした。

「おたえたちの神、䞻ずおたえたちずに悪いこずをした。 すたなかった。 もう䞀

床だけ、わしの眪を赊しおほしい。 䞻に祈っおくれ。 このたたでは死んでしたう。 今

床こそ玄束を守るから。」

 モヌセは王のもずを蟞し、神様に願いたした。 するず、匷い西颚が吹きだし、

いなごを玅海たで運び去ったのです。 ゚ゞプトには、いなごは䞀匹もいなくなりたした。

しかし神様は、たた王を匷情にしたので、今床もやはり、むスラ゚ル人を行かせよう

ずはしたせん。

 神様はモヌセに呜じたした。 「䞡手を倩に向けお䌞ばしなさい。 暗やみが゚ゞ

プトをおおい、光は䞀筋もささなくなる。」 モヌセは蚀われたずおりにしたした。 す

るず、゚ゞプトは䞉日間、墚を流したような暗やみにおおわれおしたいたした。 あ

たりの暗さに、身動きさえできたせん。 ただ䞀個所だけ光のさしおいる所がありたした。

むスラ゚ル人がいた所です。

 王はたたたたモヌセを呌び぀けたした。 「早く出お行っおくれ。 行っお䞻を瀌

拝するがいい。 ただし、矊ず牛の矀れは眮いお行け。 こうなったら、子䟛たちは連れ

お行っおかたわん。」

 「おこずばを返すようですが、それでは承知いたしかねたす。 私たちの神、䞻に

いけにえず完党に焌き尜くすいけにえをささげるために、矊や牛の矀れを連れお行かなけ

ればならないのです。 䞀頭でも残しお行くわけにはたいりたせん。 神様には動物

のいけにえをささげなければならず、向こうぞ着くたでは、神様がどの動物をお遞びにな

るかわかりたせん。 ですから、ぜんぶ連れお行きたす。」

 これを聞いお、王はたた意地を匵りだしたした。 神様がそうなさったのです。 「そ

んな勝手を蚀うなら、行かせおやるものか」ず王は思いたした。

 「ええい、䞋がれっ おたえの顔など二床ず芋たくもない。」王はモヌセをどなり

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぀けたした。 「よヌく芚えおおけ。 今床わしの前に姿を珟わしたら死刑だ。」

 「けっこうです。 私も二床ずお目にはかかりたすたい。」 モヌセは答えたした。

侀侀

ずうずう神様はモヌセに呜じたした。 「いよいよ、これが最埌だ。 王ず゚ゞプト人

どもを培底的に打ちのめすのだ。 そのあず、王はようやく、おたえたちの出発を認める

だろう。 いや、むしろ早く出お行かせたくお远い立おる、ず蚀ったほうが正確だ。 

その時は遠慮はいらない。 ゚ゞプト人の隣人に、金や銀の高䟡な食り物を芁求するのだ。

今からその心備えをしおおくよう、むスラ゚ル人党員に蚀いなさい。」

 これは、゚ゞプト人がむスラ゚ル人に奜意を瀺すよう、神様が蚈らっおくださるから

です。 モヌセも、゚ゞプトでは偉倧な人物ずしお知られ、王の圹人や゚ゞプト囜民に尊

敬されおいたした。

 さお、モヌセは王に宣蚀したした。 「䞻はこう蚀われたす。『真倜䞭ごろ、わたしは

゚ゞプトを通り過ぎる。 その時、䞊は王䜍を継承する王子から䞋は奎隷の長男に至る

たで、゚ゞプト䞭の家々の長男はみな死ぬ。 家畜の初子も同じだ。 死を嘆く声が囜

䞭に響き枡るだろう。 いただか぀おなかったような、たた、これからも二床ずないよう

な苊悩に満ちた嘆きだ。

 しかしむスラ゚ル人には、犬がきばをむくこずさえない。 家畜も䞀頭たりずも死な

ない。 こうしお、゚ゞプト人ずむスラ゚ル人ずは、はっきり区別されるのだ。』 ここ

におられるお圹人方は、そのずき私のずころぞ駆け぀け、拝むようにしお、『どうか、どう

か、今すぐ出お行っおください。 むスラ゚ル人は䞀人残らず連れお、出お行っおくださ

い』ず頌むでしょう。 そうなったら出お行きたしょう。」 モヌセの顔は怒りで真っ赀で

す。 蚀うだけ蚀うず、モヌセはさっさず宮殿を出たした。

 モヌセは、前もっお神様にこう蚀われおいたのです。 「王は蚀うこずを聞かないだ

ろう。 おかげで、倧きな奇蹟を行ない、わたしの力を十分瀺すこずができる。」 モ

ヌセずアロンが、数々の奇蹟を王の目の前で行なったにもかかわらず、そういうわけで、

神様は王が匷情を匵るたたにしおおかれたのです。 それで、王はむスラ゚ル人の出囜を、

なかなか蚱そうずはしなかったのです。

䞀二

 さお、神様はモヌセずアロンに呜じたした。 「これからは今月がナダダの䞀月倪

陜暊の䞉月䞭旬から四月䞭旬、暊の䞭で䞀番たいせ぀な月ずなる。 そこで、むスラ

゚ル人党員にこう垃告しなさい。 毎幎この月の十日に、家族ごずに子矊を䞀頭甚意しな

ければならない。 家族が小人数の時は、近所の小人数の家族ず分け合っおもよい。 家

族の人数によっおどうするか決めるのだ。 甚意するのは矊か山矊の䞀歳の雄で、傷の

ないものでなければならない。

 たず、この月の十四日の倕方に子矊を殺す。 次に、その血を家々の戞口の䞡わき

の柱ずかもいに塗る。 血は、その家で食べる子矊のものを䜿うこず。 その倜は家族

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党員で、䞞焌きにした子矊の肉を、むヌスト菌抜きのパン、苊味のある野草ずいっしょに

食べなければならない。 肉は生で食べたり煮たりするのではなく、必ず焌くこず。 頭、

足、心臓、肝臓も぀けたたた䞞焌きにするのだ。 どの郚分でも、翌日たで残しおお

いおはならない。 倜のうちに食べきれなかったら、残りは焌いおしたえ。

 長い旅に備えお旅仕床のたた食べるように。 靎をはき、杖を持ったたた急いで食

べる。 以埌これを『䞻の過越の祭り』ず呌ぶのだ。 今倜わたしが゚ゞプトを通り

過ぎ、囜䞭の家々の長男ず家畜の初子ずを殺し、゚ゞプトの神々にさばきを䞋すからだ。

わたしは䞻である。 戞口の柱に塗った血は、わたしに埓うずいう蚌拠だ。 ゚ゞプ

トの地を打぀時も、血が塗っおある家は過ぎ越す。 その家の子䟛は安党だ。

 この倜の重倧な出来事を忘れないために、毎幎、蚘念の祭りを祝わなければならな

い。 これは氞遠に倉わらない決たりだ。 祭りの期間は䞃日間、その間はむヌスト

菌抜きのパンしか食べおはならない。 この芏則を砎る者は、だれであろうずむスラ゚ル

から陀名される。 祭りの䞀日目ず䞃日目に、党むスラ゚ル人のために特別な集䌚を

開く。 その日は、食事の準備以倖はどんな劎働もしおはならない。

 この『皮なしパンの祭り』を毎幎行ない、い぀も今日ずいう日を、わたしがおたえ

たちを゚ゞプトから救い出した日ずしお蚘念せよ。子々孫々、この日を䟋祭ずしなければ

ならない。 これは法埋だ。この月の十四日の倕方から二十䞀日の倕方たで、むヌス

ト菌抜きのパンしか食べおはならない。 この䞃日間、むヌストの䞀かけらも家にあ

っおはならない。 その間にむヌスト菌の入ったものを食べた者はだれでも、むスラ゚ル

人の瀟䌚から远攟される。 同じ芏則は、いっしょに䜏んでいる倖囜人にも適甚される。

むスラ゚ルに生たれた者ず党く同じである。 もう䞀床くり返す。 この期間䞭はむ

ヌスト菌を䜿ったものを食べおはならない。 どこにいおも、むヌスト菌を入れないパン

だけを食事に出しなさい。」

 モヌセは、むスラ゚ルの長老党員を呌び集めお蚀いたした。 「さあ、矀れの䞭か

ら子矊を取っお来なさい。 䞀家族に䞀頭、小人数の堎合は数家族に䞀頭ず぀だ。 そし

お、神様があなたがたを手にかけないで過ぎ越しおくださるように、その矊を殺しなさい。

その血を鉢に入れ、ヒ゜プの枝を取っお血に浞し、かもいず䞡偎の柱に塗りなさい。

倜の間はだれも倖に出おはならない。

 神様は、゚ゞプトの囜䞭を巡っお゚ゞプト人を打たれる。 けれども、かもいず䞡

偎の柱ずに血が぀いおいる家は過ぎ越し、『死の䜿い』が入っお長男を殺さないよう、守っ

おくださる。 これは、あなたがたばかりか、子々孫々に至るたで、氞遠に倉わらな

い法埋だずいうこずを忘れるな。 神様の玄束の囜に入ったら、この過越の祭りを祝

いなさい。 そのずき子䟛たちが、『なんでこの祭りをするの。 どういう意味なの』

ず尋ねるだろう。 そうしたらこう答えなさい。 『神様が私たちを過ぎ越しおくだ

さったこずを蚘念する祭りだよ。 ゚ゞプト人は殺されたが、むスラ゚ル人は無事だった。

神様は私たちを滅がしに、家ぞ入ったりはなさらなかったのだよ。』」 人々はみな深々ず

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頭を䞋げ、神様を瀌拝したした。

 むスラ゚ル人は、モヌセずアロンの指瀺どおりにしたした。 その倜です。 真

倜䞭ごろ、王の䞖継ぎから地䞋牢に閉じ蟌められおいる捕虜の長男に至るたで、゚ゞプト

人の家の長男は䞀人残らず、神様の手にかかっお死にたした。 家畜の初子もです。 

王や圹人たちをはじめ、゚ゞプト䞭の人々が、倜䞭だずいうのに起きだし、囜䞭に悲鳎

が響き枡りたした。 死人の出ない家は䞀軒もなかったからです。

 王は、その倜のうちに、モヌセずアロンを呌び぀けたした。「もうたくさんだ。 早

く出お行っおくれ。 䞀人残らず、今すぐ出お行けっ 䞻だろうが䜕だろうが、奜きな

ように瀌拝しろ。 矊も牛もみんな連れお、早く行っおしたえ だが、出かける前

にわしを祝犏しお行けよ。」 ゚ゞプト人は、「このたたじゃ、われわれたで死んでし

たう」ず蚀い、できるだけ早く囜から出おもらおうず、むスラ゚ル人をせかせたした。

 ぐずぐずできたせん。 むスラ゚ル人はみな、むヌスト菌の入っおいないパン生地

を鉢に入れ、衣類で包んでか぀ぎたした。 それから、モヌセに蚀われたずおり、゚

ゞプト人から金や銀の食り物ず衣服を求めたのです。 神様のおかげで、゚ゞプト人

は芪切にしおくれたした。 欲しい物は䜕でも、財産をはたいおたで譲っおくれるほどで

した。

 その倜のうちにラメセスを出発し、スコテに向かいたした。 女、子䟛は別ずしお、

六十䞇もの人が旅に出たのです。 䞀行の䞭には、いろいろな囜の人たちがいたした。

矊や牛の矀れもいっしょです。 たさに家畜の倧脱出です。 食事には、持っお来た

むヌスト菌抜きのパン生地で、パンを焌きたした。 あたりあわただしくお、パンがふく

れるたで埅っおいる暇がなかったからです。

ダコブの息子たちずその子孫は、結局゚ゞプトに四癟䞉十幎のあいだ滞圚したこ

ずになりたす。 ゚ゞプトを出発したのは、四癟䞉十幎目のちょうど最埌の日でした。 

この倜は、神様がむスラ゚ル人を゚ゞプトから連れ出すために、特に遞ばれた倜です。

毎幎その日が、神様の救いを蚘念する祭りの日ずなったのは、そういう事情があるのです。

 ずころで、神様はモヌセずアロンに呜じたした。 「過越の祭りに぀いお次のよう

に定める。 倖囜人は過越の子矊を食べおはならない。 しかし買い取られた奎隷は、

割瀌男子が生たれお八日目にその生殖噚の包皮を切り取る儀匏を受けおさえいれば、

食べおかたわない。 雇い人や、たたたた蚪問䞭の倖囜人は、食べおはならない。 

子矊を食べる者はみな、家に集たっおいっしょに食べる。 決しお家の倖ぞ持ち出しお

はならない。 骚䞀本も折っおはならない。 むスラ゚ル人は党員、この蚘念行事を

守らなければならないのだ。

 いっしょに䜏む倖囜人で、過越の祭りを共に祝いたいず願う者は、男ならみな割瀌

を受けさせなさい。 そのうえでなら、いっしょに祭りをしおもよい。 その時は、むス

ラ゚ルに生たれた者ず同じに扱いなさい。 だが割瀌を受けおいない者は、決しお子矊を

食べおはならない。 むスラ゚ルに生たれた者にも、いっしょに䜏む倖囜人にも、同

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じ法埋が適甚される。」

 むスラ゚ル人は、神様がモヌセずアロンに呜じたこずはみな守りたした。 そ

の日、神様ぱゞプトからむスラ゚ル人を救い出したのです。 幟぀ものグルヌプが、続々

ず囜境を越えお行きたした。

侀侉

さお、神様がモヌセに䞎えた指瀺はこうです。 「むスラ゚ル人の長男ず家畜の初子

ずは、みなわたしにささげなさい。 わたしのものなのだから。」

 モヌセは人々に蚀いたした。 「この日こそ、氞遠に蚘念すべき日、゚ゞプトの奎隷

の鎖から解攟された日だ。 神様がすばらしい奇蹟を起こしお救い出しおくださったのを、

忘れないようにしよう。だから、毎幎この出来事を蚘念しお祭りを祝う時には、むヌスト

菌を䜿っおはならない。 毎幎、䞀月半ば倪陜暊の䞉月末のこの日を、゚ゞプト

脱出の蚘念日ずしよう。 きょうから、神様があなたがたを、カナン人、ヘテ人、゚モリ

人、ヒビ人、゚ブス人の囜、぀たり先祖たちに玄束された、『乳ず蜜の流れる』囜ぞ導いお

くださるのだ。 䞃日間は、むヌスト菌抜きのパンしか食べおはならない。 むスラ

゚ル囜内ではどこでも、家の䞭にむヌストがあっおはならない。 そしお、䞃日目に神様

のための祭りを盛倧に祝う。

 毎幎その祭りのたびに、子䟛たちに祝いの意味を説明しなさい。 ゚ゞプトを脱出す

る時、神様がどんなすばらしいこずをしおくださったかを蚘念する祭りだからだ。 毎

幎この䞀週間を蚘念するこずによっお、自分たちが神様の特別な囜民であるこずを確認す

る。 蚀っおみれば、神様のものだずいうしるしに、神様があなたがたの手や額に焌き印

を抌すようなものだ。

 それで、この出来事を毎幎䞀月半ばに祝わなければならない。 神様がずっず

昔、先祖たちに玄束した地、今カナン人が䜏んでいる地に導いおくださったあか぀きには、

どの家の長男も、どの家畜の初子も、それが雄であれば、みな神様のものだずいうこ

ずを忘れおはならない。 みな神様にささげなさい。 ろばの初子の堎合は、身代わ

りに子矊や子やぎをささげるこずができる。 ぀たり、神様から買い戻すのだ。 そうし

ない堎合は、ろばは殺す。 しかし人間の堎合、長男は必ず買い戻さなければならない。

 子䟛たちが、『これはどういう意味』ず聞いたら、こう教えなさい。 『神様がす

ばらしい奇蹟を行なっお、私たちを奎隷生掻から救い出しおくださったのだよ。 ゚

ゞプト王はなかなか行かせおくれなかった。 それで神様ぱゞプト䞭の家の長男ず家畜

の初子をみな殺した。 だから私たちもこうしお、最初の男の子は家畜も含めお、すべお

神様にささげるのだよ。 ただ人間の堎合は、いけにえにするわけにいかないので、必ず

買い戻すがね。』 もう䞀床蚀う。 この祭りを守るこずによっお、あなたがたが神様

の囜民であるこずがはっきりする。 神様の焌き印が額に抌されるのず党く同じこずだ。

祭りを守るこずによっお、神様の偉倧な力で゚ゞプトから救い出された思い出を、新たに

するのだ。」

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こうしお぀いに、王はむスラ゚ル人を行かせるこずになったのです。

さお、゚ゞプトから玄束の地ぞ行くには、ペリシテ人の地を通るのがいちばん近道でした

が、神様は別の道を通るようになさいたした。 道䞭ずっずペリシテ人ず戊うのは、぀ら

いこずです。 ゚ゞプトを出るずき䞀応歊装はしおいたしたが、人々はがっかりしお、た

た゚ゞプトぞ垰っおしたうかもしれたせん。 そこで玅海を通る荒野の道ぞ行かせたので

す。

 モヌセはペセフの遺骚を持っお出たした。 神様のお力によっお゚ゞプトから救い

出される時には必ず持っお行くようにず、ペセフが神様の前で、むスラ゚ルダコブの

息子たちに玄束させたからです。 この日がくるこずを、ペセフは確信しおいたのです。

 䞀行はスコテを出たあず、荒野のはずれにある゚タムに野営したした。 神様

の蚈らいで、昌間は雲の柱、倜は火の柱が珟われ、進む道をはっきり瀺しおくれたす。 お

かげで、昌でも倜でも旅を続けるこずができたした。 この雲ず火は、その埌ずっず、

芋えなくなるこずはありたせんでした。

䞀四

 神様はモヌセに呜じたした。 「匕き返しお、ミグドルず海ずの間、バアル・ツェ

フォンに面したピ・ハヒロテぞ向かいなさい。 そこの岞蟺にテントを匵るのだ。 ゚

ゞプト王はきっず、『むスラ゚ル人どもは砂挠ず海の間で立ち埀生しおいるに違いない』ず

考えるだろう。 そしお、たたもや片意地を匵り、あずを远いかけお来る。 すべおわ

たしの思う぀がだ。 王ずその軍隊に、いやず蚀うほどわたしの力ず栄光を芋せおやろう。

゚ゞプト人も今床こそ、わたしが神であるこずを認めないわけにはいくたい。」

䞀行は神様から呜じられた堎所に野営したした。

 䞉日たっおもむスラ゚ル人ぱゞプトぞは戻らず、そのたた逃げ出す぀もりらしい、

ずいう知らせが届くず、王ず家来たちはたた気が倧きくなりたした。 「あの奎隷どもを

みな逃がすずは、なんずいうばかなこずをしおしたったのだ。」 このたた攟っおおく手

はありたせん。 王は戊車に跳び乗り、先頭に立っお远跡隊の指揮をずりたした。 あ

ずには、゚ゞプト戊車隊の粟鋭六癟ず将校の戊車が続きたす。 こうしお远跡が始たり

たした。 みすみす゚ゞプトの富を持っお行かせるのは、なんずしおもしゃくにさわりた

す。 銬、戊車、階手ず、王の党機動郚隊が远跡䜜戊に駆り出されたした。 ゚ゞプト

軍は、むスラ゚ル人がバアル・ツェフォンの手前、ピ・ハヒロテの岞蟺に野営しおいたず

き远い぀きたした。

 むスラ゚ル人が芋おいるず、はるかかなたから゚ゞプト軍がやっお来たす。 それ

がだんだんスピヌドを増しお近づいお来るのです。 人々はすっかり震え䞊がり、神様に

助けを求めたした。

 そしお、モヌセには泣き事を蚀うのでした。 「゚ゞプトには墓が足りないから、

こんな砂挠たで連れ出しお、死なせようずいうんですか。 これじゃ、䜕のために゚ゞプ

トから逃げ出したかわかりたせんよ。 だいたい初めからおかしいず思った。 だか

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らあの時も、このたた攟っおおいおくれっお蚀ったんだ。 荒野で死ぬくらいなら、゚ゞ

プトで奎隷になっおたほうがただたしだ。」

 しかし、モヌセは蚀いたした。 「みんな、こわがっおはいけない。 今いる堎所

にしっかり腰をすえお、きょう神様がすばらしい方法で救っおくださるのを、よく芋よう

じゃないか。 あの゚ゞプト人を芋るのも、きょうが最埌だ。 神様が代わりに戊っ

おくださる。 だから、みんなは指䞀本、動かす必芁がないのだ。」

 神様はモヌセに呜じたした。 「さあ祈るのはそれくらいにしお、人々を前進させ

なさい。 杖を海の䞊に差し䌞べるず、氎が分かれお道ができる。 そのかわいた土

の䞊を歩いお枡りなさい。 わたしぱゞプト人に意地を匵らせ、圌らにあずを远わ

せる。 だがその時、王ず党軍勢、戊車や階手たちをわたしは滅がす。 わたしは倧いに

たたえられるだろう。 そしお党゚ゞプトは、わたしが神であるこずを知る。」

 その時、い぀も人々の前を進んでいた神様の䜿いがうしろに移ったので、雲の柱も

うしろになりたした。 ちょうど、むスラ゚ル人ず゚ゞプト軍の間に立ちふさがるよ

うな栌奜です。 真っ黒な雲が垂れこめたからたたりたせん。 あたりは倜のように暗く

なり、゚ゞプト人には、むスラ゚ル人が芋えなくなっおしたったのです。

 モヌセが杖を海に差し䌞べるず、神様は海の䞭に道をお぀くりになりたした。 äž¡

偎には氎の壁がそそり立ち、匷い東颚が䞀晩じゅう吹き぀けお、海の底にかわいた地が珟

われたのです。 むスラ゚ル人は、そのかわいた道を進みたした。 ゚ゞプト軍

もあずを远い、どっず海の底ぞなだれ蟌みたした。 王の銬、戊車、階手ぜんぶです。 

明け方、神様は火ず雲の柱の間から゚ゞプトの軍勢をご芧になり、攪乱戊術に出たした。

車茪がはずれお、戊車は海の真ん䞭で、動きが取れなくなっおしたったのです。 「逃

げろっ ぐずぐずするなっ。 ずおもかなわん。 や぀らには神様が぀いおるぞ。」 あ

ちこちから叫び声があがりたす。

 むスラ゚ル人がみな無事に枡り終えたのを確かめるず、神様はモヌセに呜じたした。

「もう䞀床、手を海の䞊に差し䌞べなさい。 そうすれば氎が戻っお、゚ゞプト軍の戊車

ず階手におおいかぶさるだろう。」 モヌセはそのずおりにしたした。 たちたち氎の

壁はくずれ、海は元どおりになりたした。 䜕事もなかったように、朝日を受けお波がき

らきら茝いおいたす。 ゚ゞプト軍は逃げようずしたしたが、神様がおがれさせおしたい

たした。 ぀いさっきたで道だった所も、゚ゞプト軍の戊車も階手も、みな海の底に

沈みたした。 あずを远っお海に入った゚ゞプト軍の䞭で、いのちが助かった者は、ただ

の䞀人もありたせんでした。

 実にむスラ゚ル人は、䞡偎に氎の壁がそそり立぀䞭を歩いお、海の底のかわいた地

を枡ったのです。 こうしお神様は、その日、むスラ゚ル人を゚ゞプト軍の手から救

い出されたした。 むスラ゚ル人は岞に流れ぀いた゚ゞプト人の死䜓を芋たした。 

神様はなんずいう倧きな奇蹟を起こし、助けおくださったのでしょう。 人々はあたりの

恐ろしさに、身の匕きしたる思いでした。 そしお、神様ずそのしもべモヌセずを信じた

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した。

䞀五

 その時モヌセずむスラ゚ル人は、神様をたたえる歌をうたいたした。

「䞻の勝利をたたえ、心から喜び歌おう。

䞻は銬も人も、海に投げ蟌んだ。

 䞻は私の力、私の歌、私の救いだ。

私は、私の神、䞻をたたえよう。

先祖の神、䞻をあがめよう。

 䞻は兵。

たこずに䞻ず呌ぶにふさわしい。

 䞻ぱゞプト王の戊車ず軍勢を滅がした。

えり抜きの将校もおがれ死んだ。

 氎にのたれ

石のように海の底ぞ沈んだ。

 おお、䞻の右手は力ず栄光に満ち

敵をみじんに打ち砕く。

 その茝かしい埡力によっお

䞻は立ち向かう敵をすべお滅がした。

䞻の怒りの火は激しく、

圌らはわらのように燃え尜きた。

 䞻が息を吹きかけるず、

氎は真っ二぀に分かれた

氎は壁ずなっおそそり立ち

海を二぀に分けた。

 敵は蚀った。

『あずを远え。 や぀らを滅がせ。

剣のえじきにし、戊利品を分け合おう。』

 だが、それも぀かの間、

颚が巻き䞊がり、海が圌らをのんだ。

圌らは倧海に沈んだ、たるで鉛のように。

 䞻のような神がほかにいるだろうか。

䞻のようにすばらしく、聖なる方がほかにいるだろうか。

奇蹟を行なわれる䞻のように

たたえられ、恐れられる神がほかにいるだろうか。

 䞻が手を䌞ばすず、倧地は圌らをのみ蟌んだ。

 自ら買い取った囜民を、䞻は導いおくださった。

Page 23: Japenese Exodus

聖なる地にやさしく導いおくださった。

 囜々はこの話を聞いおおののく。

ペリシテ人は恐れ、

 ゚ドムの王たちは驚きたどい、

モアブの君たちは震え䞊がり、

カナン人は恐怖のずりこずなった。

 だれもが驚き恐れた。

䞻の倧きな力を恐れ、

敵もわれわれを襲わない。

䞻が買い取った囜民は

䜕の心配もなく倖囜人の間を通る。

 䞻はその囜民を導き、神の山に怍えおくださる。

恐れ倚くも、䞻ご自身の地

われわれのために備えおくださった聖なる地に。

 䞻は氞遠に䞖界を治める。」

 ゚ゞプト王の銬ず階手ず戊車は、海の䞭を進もうずしたした。 しかしその時、氎

の壁はくずれ、圌らの頭䞊におおいかぶさったのです。 そしおむスラ゚ル人は、かわい

た地を枡りたした。

 この時、アロンの姉で女預蚀者のミリダムが、タンバリンを手に、女たちの先頭に

立っお螊り始めたした。

 ミリダムは歌いたした。

「䞻の勝利をたたえ、心から喜び歌おう。

䞻は銬も人も海に投げ蟌んだ。」

 このあずモヌセは人々を率いお、玅海からさらにシュルの荒野ぞ出たした。 䞉日

間、氎のない日が続きたした。 やっずマラに着きたしたが、氎はあるものの、苊く

おずおも飲めたせん。 それで、マラ〔「苊い」の意〕ずいう名が぀いたのです。

 人々はモヌセに䞍平を蚀いたした。 「䜕ずかしおくれ。 のどが枇いお死にそう

だ。 このたたじゃ、いよいよ最期だな。」

 モヌセは神様に助けを求めたした。 するず、神様は䞀本の朚を瀺し、それを氎に

投げ入れなさいず呜じるのです。 そのずおりにするず、氎は甘くなりたした。

このマラで、神様は、人々がどれだけ献身的にご自分に仕えるかを詊そうず、次のような

条件を出したした。 「もしもおたえたちがわたしに埓い、正しいこずを行なうなら、

゚ゞプト人を悩たせた病気で苊したなくおすむようにしよう。 わたしはおたえたちの病

を治す䞻だ。」 䞀行は、やがお゚リムに着きたした。 そこには泉が十二ず、な぀め

やしの朚が䞃十本ありたした。 その泉のそばで、人人は野営したした。

䞀六

Page 24: Japenese Exodus

 さお、䞀行ぱリムを発ち、゚リムずシナむ山ずの間に広がるシンの荒野ぞ向かいた

した。 荒野に着いたのは、゚ゞプトを出た翌月の十五日ナダダ暊によるでした。 

そこでも人々は、モヌセずアロンに非難をあびせたした。

 「あヌあ、゚ゞプトにいればよかったなあ。 あのたた神様に殺されたほうがただた

しだった。 少なくずも食べ物はたっぷりあったんだ。 なのに、あんたがたはこんな荒

野ぞ連れ出した。 きっず、ここでみんなを飢え死にさせる぀もりなんだ。」

 神様はモヌセに呜じたした。 「倩から食べ物を雚のように降らせよう。 毎日みん

な倖ぞ出お、必芁なだけ集めればよい。 これは、わたしの蚀い぀けを守るかどうかを芋

るテストにもなる。 ただ六日目だけは、ふだんの二倍集めさせなさい。」

 モヌセずアロンは、人々を党員呌び集めお蚀いたした。 「あなたがたを゚ゞプトか

ら救い出したのは神様だったずいうこずが、きょうの倕方にはわかる。 ‐そしお朝

になったら、神様のすばらしさをもっずよく芋るこずになるだろう。 神様に䞍平を蚀っ

たのを、神様はちゃんず聞いおおられたのだ。 われわれに文句を蚀っおいた぀もりだろ

うが、ほんずうはそうじゃない。 われわれなど、党く取るに足りない人間だからな。 神

様は倕方には肉を、朝にはパンを䞋さるず玄束なさった。 さあ神様の前ぞ出お、どうお

答えになるか聞くがいい。」

 そしお、アロンが䞀同を呌び集めるず、今たで人々を先導しおきた雲の間から、突

然、神様の恐るべき栄光が荒野に茝き枡りたした。

神様はモヌセに呜じたした。 「皆の䞍平は確かに聞いた。 わたしの返事はこ

うだ。 『倕方には肉を、朝にはパンを欲しいだけ食べさせよう。 これによっお、わた

しがおたえたちの神、䞻であるこずを知れ。』」

 その倕方、おびただしい数のうずらが飛んで来お、野営地䞭うずらだらけになりた

した。 明くる朝、テントの回りの砂挠に露が降り、 露が消えるず、あずには霜の

ような小さな薄片が残りたした。 人人はそれを芋お、「いったいこれは䜕だ」ず

口々に蚀い合うのでした。

そこで、モヌセが説明したした。 「これが神様の䞋さった食べ物だ。 みんな䞀人

に぀き䞉・六リットルの割で、家族に必芁なだけ集めなさい。」

 人々は倖ぞ出おそれを集めたした。 集めたものを䞉・六リットルたすで量る

ず、ちょうど䞀人圓たり䞉・六リットルず぀あっお、皆に十分行き枡りたした。 たくさ

ん集めた者も䜙さず、少ししか集めなかった者も足りないこずはないのです。 どの家族

にも、ちょうど必芁なだけありたした。

 「翌日たで残しおおいおはいけない。」 モヌセはき぀く泚意したした。

 ずころが䞭には、やはり蚀うこずを聞かない者もいお、明くる朝たで残しおおくの

でした。 けれどもそういうパンは朝になるず、虫が぀いお、ひどいにおいがしおいたす。

モヌセは、蚀い぀けを守らない者をしかり぀けたした。 こうしお人々は毎朝、それ

ぞれ家族の人数に応じお必芁なだけ集めたした。 日がのがっお日ざしがだんだん匷くな

Page 25: Japenese Exodus

るず、それは溶けお消えおしたうのです。 六日目には、ふだんの二倍集めたした。

䞃・二リットルず぀です。 どうしお、六日目だけ二倍なのでしょう。 指導者たちは䞍

思議に思い、モヌセにわけを尋ねたした。

 モヌセはこう説明したした。 「神様が、その翌日を特別な䌑息の日ず定められた

からだ。 その日は䞀日、神様のこずだけを考えお過ごし、日垞の仕事はいっさい䌑たな

ければならない。 だから、きょうのうちに、あすの分たで料理しおおきなさい。」 

今床は、次の朝になっおも、虫も぀かず、悪いにおいもなく、少しもいたんでいたせんで

した。 モヌセは蚀いたした。 「きょうは、きのうの残りを食べなさい。 神様の

安息日だから、きょう倖に出おも䜕もない。 集められるのは六日間だけだ。 䞃日

目は安息日で、䜕も芋぀けるこずはできない。」

 ある人はそう蚀われたにもかかわらず、安息日に食べ物を集めに出かけたした。 し

かし、やはり䜕も芋぀かりたせんでした。

神様はあきれおモヌセに告げたした。 「い぀になったら、この民は蚀うこずを

聞くのか。 六日目にい぀もの二倍を䞎えるのは、二日分の量が十分あるようにずいうこ

ずなのが、わからないのか。 䞃日目は䌑息の日ずしおわたしが䞎えたのだから、テント

の䞭にいお、食べ物を取りになど倖ぞ出たりしないようにしなさい。」 そこで、人々

は䞃日目に䌑みたした。

 この食べ物はのちに、「マナ」〔「これはいったい䜕だろう」の意〕ず呌ばれるよう

になりたした。 コ゚ンドロの皮のように癜く、平べったくお、はち蜜入りのパンのよう

な味がしたす。

 モヌセはさらに、次のような神様からの指瀺をみなに䌝えたした。 蚘念ずしおマ

ナを䞉・六リットル取っおおき、神様が゚ゞプト脱出の時、荒野でどういうパンを䞎えお

くださったか、のちの時代の人たちが芋れるようにするのです。 モヌセはアロンに、

容噚を持っお来お䞉・六リットル分のマナを入れ、それを神様の前の聖なる堎所に玍めお、

䜕代も保存するよう呜じたした。 アロンはそのずおりにしたした。 すべお神様が

呜じたずおりです。 やがおそれは、神の倩幕のあかしの箱契玄の箱に玍められるこ

ずになりたす。

 こうしおむスラ゚ル人は、カナンの地に着くたで四十幎間、ずっずマナを食べ続け

たした。 カナンに入っおからは、その地の䜜物がありたした。 マナを量るのに䜿

ったのは、だいたい䞉・六リットル入りのたすです。

侀侃

 さお、神様の呜什に埓っお、人々はシンの荒野をあずにし、無事レフィディムぞ旅を

続けたした。 ずころが着いおみるず、たた氎がありたせん。

 たたもや、人々の䞍満が爆発したした。 「氎はどこだ 氎をくれヌっ」 人々

はわめきたす。

「静かにっ。 いいかげんにしろ。 いったいどこたで神様が忍耐しおくださるず思っお

Page 26: Japenese Exodus

るんだ。」 モヌセはしかり぀けたした。

 しかし、のどの枇きに苊しむ人々には、いっこうに効き目がありたせん。 「なんだ

ず おたえこそ、なぜおれたちを゚ゞプトから連れ出したんだ 子䟛たちや家畜もい

っしょにこんな所たで連れお来お、あげくの果おに殺そうなんお、ひどいじゃないか。」

 モヌセは神様に願いたした。 「どうしたらよろしいのでしょう。 今にも私に石を

投げ぀けお殺しかねない有様です。」

「長老たちを匕き連れ、おたえが先頭に立っおホレブ山シナむ山たで人々を導き

なさい。 わたしはそこの岩のずころでおたえに䌚う。 岩をおたえの杖、ナむル川を打

ったあの杖で打ちなさい。 するず氎があふれ出お、みなに十分行き枡るだろう。」 蚀わ

れたずおりにするず、氎が吹き出したした。 モヌセはその堎所を、マサ〔「神様を詊み

る」の意〕ず名づけたした。 時には、メリバ〔「議論」あるいは「争い」の意〕ず呌ぶこ

ずもありたす。 ずいうのは、この堎所で人々が、「神様はわれわれを助けおくれるのか、

どうなのか」ず神様ず蚀い争い、神様が自分たちを殺すかどうか詊みたからです。

 ずころで、アマレクの戊士たちがむスラ゚ル人に戊いをいどもうず、レフィディムぞ

やっお来たした。 モヌセはペシュアに、アマレク軍ず戊うために人々を召集するよう

呜じたした。

「私はあした、神様の杖を持っお䞘に立぀。」 モヌセはきっぱり蚀いたした。

 ペシュアずその郚䞋は、アマレク軍ず戊うために出お行きたした。 䞀方、モヌセ

ずアロンずフルは䞘に登りたした。 モヌセが手に持った杖を差し䌞べおいる間は、

むスラ゚ル軍が勝ち続けるのですが、腕を䞋げるずアマレク軍が優勢になりたす。 

モヌセの腕はしびれお、ずうずう棒のようになっおしたいたした。 もうこれ以䞊、杖を

持っおいるこずができたせん。 アロンずフルは、石を転がしお来おモヌセを座らせ、䞡

偎に立っお、日が暮れるたで二人がかりで腕を支え続けたした。 こうしお、ペシュ

アの率いるむスラ゚ル軍は、アマレク軍をみごず打ち砎ったのです。

 神様はモヌセに呜じたした。 「このこずを曞き蚘しお氞遠に残る蚘録ずしなさい。

い぀たでも忘れないようにするのだ。 たたペシュアに、アマレク人はわたしが完党に滅

がし、蚘憶にさえ残らないようにする、ず䌝えなさい。」 モヌセは祭壇を築き、

それをアドナむ・ニシ〔「神様は私の旗」の意〕ず呌びたした。

モヌセは蚀いたした。 「神様の旗を掲げなさい。 こののち䜕代にもわたり、神様がア

マレク人ず戊っおくださる。」

䞀八

 やがお、モヌセのしゅうず、ミデダンの祭叞むテロのもずに知らせが届きたした。 神

様がご自分の囜民ずモヌセのために、どんなにすばらしいこずをなさったか、どのように

しおむスラ゚ル人を゚ゞプトから助け出されたか、知らされたのです。

 むテロはモヌセの劻チッポラを連れ、モヌセのずころぞ来たした。 劻は実家に垰し

おあったのです。 二人の息子もいっしょでした。 ゲルショム〔「倖囜人」の意〕ず

Page 27: Japenese Exodus

゚リ゚れル〔「神様は私の助け」の意〕です。 こういう名が぀いたのは、䞊の子が生たれ

た時、モヌセは、「私は倖囜をさたよう攟浪者だ」ず蚀い、次の子の時は、「ご先祖の神様

は私を、゚ゞプト王の剣から助け出しおくださった」ず蚀ったからです。 䞀行が来

たのは、ちょうど人々がシナむ山のふもずで野営しおいた時でした。

「わしだ、むテロだよ。 チッポラず孫たちを連れお、䌚いに来たぞ。」

 むテロがそう䌝えさせるず、モヌセは倧喜びで迎えに出、心からのあいさ぀を亀わし

たした。 さっそくその埌の消息を尋ね合い、それからモヌセのテントに入っお、心ゆく

たで語り合うのでした。 積もる話に、時のた぀のも忘れるほどです。 モヌセはむテ

ロに、今たでのこずをくわしく話したした。 むスラ゚ル人を救うために、゚ゞプトの王

ず囜民に神様が䜕をしおくださったか、ここたで来る途䞭どんな問題が起こり、神様がそ

れをどのように解決しおくださったか、くわしく話したのです。 むテロは、神様がむ

スラ゚ル人を心にかけ、゚ゞプトから助け出しおくださったこずで倧喜びです。

 「神様はすばらしい。 ほんずうにあなたがたを゚ゞプトず王の圧制から救っおく

ださったんだ。 むスラ゚ル人を助けおくださったんだ。 わしらの信じる神様のよ

うに偉倧な方は、ほかにいない。 今床こそ、それがよくわかったよ。 なにしろ、あの

傲慢で残忍な゚ゞプト人から、ご自分の囜民を救い出したんだからな。」

 むテロは神様にいけにえをささげたした。 そのあず、アロンやむスラ゚ルの指導

者たちも䌚いに来お、みんなでいっしょに食事をし、神様の恵みを感謝し合いたした。

 翌日、モヌセはい぀ものように座っお、朝から倕方たで人々の䞍平を聞き、蚎えを

裁いおいたした。

 党く息぀く暇もありたせん。 あたりの忙しさに驚いたむテロが聞きたした。 「䞀

日䞭こんなに倧ぜいの人が、助蚀しおもらおうずここにやっお来るんだろう どうしお、

この山のような仕事を䞀人きりで片づけようずするのかね。」

「それはですね、難しい問題があるず、みな私のずころぞ来お神様の刀断を仰ぐ

んです。 刀事は私です。 どちらが正しいか、どちらが間違っおいるかを決めたり、神

様が求める生き方はどういうものかを教えたりしたす。 私がみんなのために神様の法埋

を実際の情況に圓おはめお適甚するわけです。」

 「うヌん、よくないな。 こんなやり方を続けおいたら、おたえのほうがたい

っおしたうよ。 もしおたえが倒れたら、みんなはどうなるかね 䜕もかも䞀人で片づ

けるには、少し荷が勝ちすぎるんじゃないか。 䜙蚈なおせっかいかもしれんが、

わしの意芋を聞いおもらえたいか。 神様のお助けがなければどうにもならんが  。 お

たえはこの人たちの、顧問匁護士になったらいいず思うが、どうだろう。 人々を代衚し

お神様の前に立぀ずいうこずだな。 圌らの問題を神様のもずぞ持っお行っお決定しおい

ただき、その決定を䌝える。 人々に神の法埋を教え、正しい生掻を送る原則を瀺すずい

うわけだ。

 ほかに有胜な、信心深い、わいろなど取らない正盎な人物を捜し、問題の凊理にあ

Page 28: Japenese Exodus

たらせたらどうだ。 千人に぀き䞀人そういう指導者を遞び、その䞋に十人の責任者を眮

く。 それぞれが癟人のめんどうを芋るずいうわけだ。 さらにその䞋に、五十人の問題

を凊理する者を二人ず぀眮き、その二人がたた、十人の盞談盞手になる者を五人ず぀受け

持぀。 これらの人たちがい぀でも問題の凊理にあたっお、正しく職務を果たせるよ

うにする。 特に重芁な問題ずか難しい問題は、おたえのずころぞ盎接持っお来させるが、

小さな問題は圌らに任せる。 こうやっお、少しず぀責任を分担すれば、おたえも少しは

楜になれるずいうものだ。 どうだ、わしの蚀うずおりにしおみんか。 神様も、き

っず賛成しおくださるず思うがな。 こうすれば、どんな倧ぞんな仕事もやり抜けるだろ

う。 野営地の䞭も平穏無事になるしな。」

 モヌセは、むテロの提案を受け入れるこずにしたした。 すべおのむスラ゚ル

人の䞭から有胜な人物を遞び、人々の指導者に任呜したした。 千人、癟人、五十人、十

人、それぞれのグルヌプごずに指導者を眮いたのです。 この人たちは、問題が起こ

ればすぐ解決しお、正しい刀決を䞋すこずができるようになっおいたした。 難しい問題

はモヌセのずころぞ持っお来たすが、小さな問題は自分たちだけで裁きたした。

 それから間もなく、しゅうずのむテロはモヌセに別れを告げ、囜ぞ垰りたした。

䞀九

 ゚ゞプトを出おから䞉か月埌、むスラ゚ル人はシナむ半島に入りたした。 レフ

ィディムの野営地をたたみ、シナむ山のふもずに来お、そこにテントを匵ったのです。 モ

ヌセは神様に䌚うため、ご぀ご぀した岩山に登りたした。 するず、どこからずもなく、

神様の呌ぶ声が聞こえたした。

「モヌセ、人々にこう蚀いなさい。 『おたえたちはわたしが゚ゞプト人に䜕をしたか

芋た。 わしの翌に乗せるようにしお、おたえたちをわたしのずころぞ連れお来たのを芋

た。 もしわたしに埓い、契玄を守るなら、おたえたちは地䞊のあらゆる囜々の䞭にあ

っお、わたしの倧切な囜民ずなる。 党䞖界はわたしのものだからだ。 おたえたちは

神に仕える祭叞の囜、聖なる囜民ずなる。』」

 モヌセは山から垰るず指導者たちを呌び集め、神様のおこずばを䌝えたした。

 「神様がせよず蚀われるこずは、必ずそのずおり行ないたす。」 䞀同は口をそろえお

答えたした。

 モヌセがそのこずばを䌝えるず、神様はモヌセに呜じたした。「わたしは厚い雲の䞭か

らおたえず䌚おう。 おたえず話す時、皆もわたしの声を自分の耳で聞けるようにしよう。

そうすれば、圌らはい぀もおたえを信じるだろう。 さあ、山を降りなさい。 わた

しが行っおもいいように、人々に準備をさせなさい。 今日ず明日、特別に身をきよめ、

衣服を掗うように蚀いなさい。 あさっお、わたしは人々がみな芋守る䞭で、シナむ

山に降りる。 たちがっおそこぞ足を入れたりしないよう、呚囲に境界線を匕きなさ

い。 そしおこう蚀うのだ。 『気を぀けなさい。 山ぞ登っおはならない。 境界線に

觊れるだけでもいけない。 䞇䞀そんなこずをしたら呜はないものず思え。 いいか、

Page 29: Japenese Exodus

決しお手を觊れるな。 さもないず、人であろうず動物であろうず、石で打ち殺されるか、

刺し殺されるかだ。』 雄矊の角笛が長く響き枡るのを聞くたで、山ぞは絶察近づかないよ

うに。 角笛が鳎ったら山ぞ登っおかたわない。」

 モヌセは山を降り、人々のずころぞ垰るず、さっそく身をきよめ、衣服を掗うよう

に蚀いたした。

 「二日埌に神様がおいでになるから、準備をしなさい。 倫婊生掻も慎むように。」

 いよいよ䞉日目です。 朝から恐ろしい嵐になりたした。 雷は耳を぀んざき、い

なずたは宙を走りたす。 厚い雲が重く山に垂れこめ、雄矊の角笛のような倧きな音が長

く響き枡りたした。 あたりの恐ろしさに、人々はみな震え䞊がりたした。 神様を

お迎えしなければなりたせん。 モヌセは人々をうながしお野営地を出、党員が山のふも

ずに立ちたした。 芋るず、シナむ山党䜓が煙に包たれおいたす。 神様が山の䞊に、

火ずなっお䞋られたのです。 煙は、たるで炉に燃えさかる火のように空に枊を巻き、山

党䜓が匷い地震で揺れ動きたした。 ラッパのような響きがたすたす倧きくなる䞭で、

モヌセが語り、神様の答える声は倩地にずどろき枡るのでした。 こうしお、神様は

シナむ山の頂䞊に䞋り、モヌセをお召しになりたした。 モヌセは神様のみもずぞ登っお

行きたした。

 しかし、神様はモヌセに泚意なさいたした。 「今すぐ降りお、決しお境界線を越

えないようにず譊告しお来なさい。 神を芋ようなどずいう気を起こしお、ここぞ来るず

いけないから。 そんなこずをしたら呜はない。 祭叞でさえ、務めをする時は神に

滅がされないよう身をきよめるのだ。」

 「だれ䞀人、山ぞ登っお来る者はありたせん。 神様のきびしいご呜什を、みな聞

いおおりたす。 神様は山の回りに境界線を匕けずおっしゃいたした。 神様の堎所だか

ら人が入っおはならないず宣蚀するよう、お呜じになったではありたせんか。」

 「ずにかく、今は山を降りなさい。 今床はアロンを連れお来るのだ。 だが、た

ずい祭叞であろうずだれであろうず、境界線を越すこずは断じお蚱さん。 そんな䞍届き

者はわたしが滅がす。」

 モヌセは山を降りお人々のずころぞ行き、神様のお語りになったこずを告げたした。

二○

 さお、神様は次のような戒めを公垃したした。

 「わたしは、あなたを゚ゞプトでの奎隷生掻から救い出した、あなたの神、䞻だ。

 わたしのほかは、どんな神も拝んではならない。

 決しお偶像を䜜っおはならない。 鳥だろうが、動物だろうが、魚だろうが、どんな

像も䜜っおはならない。 拝んでもいけない。 どんな方法で瀌拝しおもいけない。 あ

なたの神はこのわたしだけだ。 わたしは嫉劬深いから、わたしずほかの『神』を同時に

愛するこずは蚱さない。

わたしの眰は、わたしを憎む者の子䟛、孫、曟孫たでも及ぶ。しかし、わたしを愛し、

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わたしの呜什を守る者には、千代のちたでも恵みを䞎えよう。

 果たす぀もりもないのに、やたらにわたしの名を䜿っお誓っおはならない。 そんな

こずをしたら必ず眰せられる。

 安息日を特別の日ずしお守りなさい。 仕事はみな六日のうちにすたせなさい。 

䞃日目は神の䌑息の日だから、その日は䞀日、人も家畜も仕事をしおはならない。 倖

囜人も、あなたずいっしょに䜏んでいる限り、この法埋を守る矩務がある。 わたし

が六日の間に倩ず地ず海ず、その䞭のいっさいのものを造り、䞃日目に䌑んだからだ。 わ

たしは安息日を祝犏し、特別な日ず定めた。

 䞡芪を尊敬しなさい。 そうすれば、䞻であるわたしが䞎える囜で、しあわせな䞀

生を送るこずができる。

 人を殺しおはならない。

 姊淫しおはならない。

 盗んではならない。

 うそを぀いおはならない。

 人の家をうらやんではならない。 人の劻に欲情を燃やしたり、䜿甚人、牛、ろば、

そのほか䜕でも、人の持ち物を欲しがったり、持ち䞻をねたんだりしおはならない。」

 人々はみな、山にいなずたがひらめき、煙が立ちこめるのを芋たした。 たた、雷

ず恐ろしいラッパの音が鳎り続けるのも聞きたした。 だれもが遠く離れお立ち、恐ろし

さに身を震わすばかりです。

 人々はモヌセに蚀いたした。 「神様がどんなこずをおっしゃったか教えおくださ

い。 蚀われたずおり埓いたす。 ただ、神様が盎接お話しにならないようにしおくださ

い。 そんなこずになったら呜はありたせん。」

 「心配はいらない。 神様がおいでになったのは、恐るべきお力をあなたがたに瀺

すためだ。 神様の力を知れば、これからは眪を犯すこずを恐れるようになるだろう。」

 民が遠く離れお立ち尜くしおいる䞭を、モヌセは神様のおられる濃い暗やみの䞭に

入っお行きたした。

 神様はモヌセに、神の代匁者ずしお人々に語るよう呜じたした。 「わたしは倩か

らおたえに呌びかけ、わたしの気持ちを知らせた。 おたえはその蚌人である。 金

や銀、そのほかの偶像を䜜ったり拝んだりしおはならないこずを忘れるな。

 わたしの祭壇は簡玠な土の祭壇でなければならない。 矊ず牛の完党に焌き尜くす

いけにえずか和解のいけにえなどを、その䞊でささげなさい。 祭壇はわたしが呜じる堎

所にだけ築けばよい。 そこで、わたしはおたえたちを祝犏する。 石を䜿うのはさ

し぀かえないが、切り石はいけない。 道具を䜿っお、石をけずったり刻んだりしないよ

うにしなさい。 そんな石はわたしの祭壇にふさわしくない。 祭壇には階段を぀け

ない。 服の間からおたえの裞が芋えたりするずいけないからだ。

二䞀

Page 31: Japenese Exodus

 ほかに守らなければならない法埋には、次のようなものがある。

 ヘブル人むスラ゚ル人の奎隷を買った時は、六幎のあいだ仕事をさせたあず、䞃

幎目には無償で自由にしなければならない。

 奎隷になったずき独身で、のちに結婚した男の堎合は、男だけが自由にされる。 奎

隷になる前に結婚しおいたなら、劻もいっしょに自由にされる。 しかし、䞻人が劻を

䞎え、息子や嚘が生たれたのであれば、劻ず子䟛たちは䞻人のものだから、自由の身にな

るのは倫だけだ。

 しかし、もし圌が、『自由になるより、ご䞻人様や劻子ずいっしょにいたいのです』ず

はっきり宣蚀するなら、 䞻人は圌を裁刀官のもずぞ連れお行き、公に圌の耳をきりで

刺し通さなければならない。 そのあず圌は䞀生奎隷ずなる。

 嚘を奎隷に売る堎合は、六幎たっおも、男奎隷のように自由を䞎えおはならない。 

䞻人は、その女が気に入らなくなったら、必ず圌女を買い戻せるようにしおやらなければ

ならない。 しかし、倖囜人に売り飛ばす暩利はない。 いったんは結婚しおおきながら、

甚ずみだずいうこずで圌女を傷぀けたからである。 ヘブル人の女奎隷ず息子を婚玄さ

せたなら、もはやその女を奎隷ずしお扱っおはならない。 嚘ず同じに考えるべきである。

自分が女奎隷ず結婚し、そののち別の劻を迎えた時は、圌女ぞの食べ物や衣類の割り

圓おを枛らしおはならないし、倫婊の営みをおろそかにしおもいけない。 この䞉぀

の点で少しでも䞻人に萜床があれば、女は䞀円も支払わず自由に家を出おかたわない。

 人を匷く打っお死なせた時は、打った者は死刑だ。 しかし、殺意がなく、た

たたた事故でそうなった時は、むしろ、わたしがそうしたず蚀っおもいいくらいなのだか

ら、わたしが安党な逃げ堎所を指定する。 そこぞ逃げ蟌めばいのちは助かる。 し

かし殺意を持っお蚈画的に人を殺した者は、たずいわたしの祭壇から匕きずり降ろしおで

も、死刑にしなさい。

 䞡芪を打぀者は死刑だ。

 誘拐犯は死刑だ。 人質を手もずに眮いおいる時に逮捕された堎合でも、すでに奎

隷ずしお売り飛ばした堎合でも同じだ。

 䞡芪に悪口を蚀ったりのろったりする者は死刑だ。

 二人の男がけんかをし、䞀人が石か拳で盞手を打っお傷぀け、そのために、䞀呜は

ずりずめたものの床に぀かなければならないずいう堎合、 たずい、少々䞍自由であ

っおも歩けるたでに回埩した時は、打った男は無眪ずなる。 ただし、完党に傷が治るた

で、いっさいの損害の匁償をし、治療費は党額払わなければならない。

 人が、男奎隷であろうず女奎隷であろうず、奎隷を打っお死なせたなら、必ず眰せ

られる。 ただし、奎隷が䞀日、二日の間に死ななければ、その時は眰せられない。

奎隷はその人の所有物だからである。

 二人の男が争っおいた時に劊嚠䞭の女性を傷぀け、そのために、母芪は助かったも

のの流産をした堎合、圌女を傷぀けた男は、裁刀官が認める範囲内で、女の倫が芁求する

Page 32: Japenese Exodus

だけの眰金を支払わなければならない。 しかし、傷のために母芪たで死ぬようなこ

ずにでもなれば、男は死刑だ。

 もし女の目が傷぀いたら、償いずしお男の目を傷぀け、歯が折れたら歯を折る。 手

には手を、足には足を、 やけどにはやけどを、傷には傷を、むちにはむちを、であ

る。

 人が、男奎隷であれ女奎隷であれ、奎隷の目を打ち、そのために目が芋えなくなっ

おしたったら、奎隷は目の償いずしお自由にされる。 人が奎隷の歯を折ったら、そ

の歯の償いずしお圌を自由にしなければならない。

 牛が男たたは女を突いお死なせたなら、牛は石で打ち殺す。 その肉は食べおはな

らない。 しかし、牛の持ち䞻は眰せられない。ただし、その牛が人間を突くくせが

あるずわかっおいた堎合、そしお、持ち䞻がそのこずを知っおいながら、なお管理を十分

にしおいなかったのであれば、その時は牛は石で殺され、持ち䞻も死刑ずなる。 し

かし、被害者の身内の者が願うなら、補償金を取っお釈攟するこずもできる。 金額は裁

刀官が決める。

 牛が少幎あるいは少女を突いた堎合も、同じ法埋が適甚される。 しかし、男

であれ女であれ奎隷を突いた堎合は、奎隷の䞻人に銀貚䞉十枚を支払い、牛は石で打ち殺

す。

 人が井戞を掘り、ふたをしなかったために、牛やろばが萜ちた時は、 井戞の

持ち䞻は家畜の持ち䞻に、損害の党額を匁償しなければならない。 ただし、死んだ家畜

は井戞の持ち䞻のものになる。

 牛がほかの人の牛を傷぀けお死なせた時は、生きおいるほうの牛を売り、その代金

ず死んだ牛を、双方の持ち䞻が半分ず぀分ける。 しかし、もずもず突くくせがある

ずわかっおいたのに、牛の所有者が管理を十分しおいなかったのであれば、代金を分け合

うこずはしない。 生きおいる牛の所有者が党額を匁償しなければならない。 ただし、

死んだ牛は圌のものになる。

二二

 人が牛か矊を盗み、それを殺したり売り飛ばしたりしたなら、五倍の眰金を払わなけ

ればならない。 盗んだ牛䞀頭に぀き五頭分を匁償する。 矊の堎合は四倍にし、盗んだ

矊䞀頭に぀き四頭分を返す。

 どろがうが家に抌し蟌むずころを捕たえお殺しおも、殺した者は無眪である。 た

だし、昌間であれば殺人ず芋なされ、有眪ずなる。

どろがうをしお捕たった時は、損害を党額匁償しなければならない。 できなければ、奎

隷に身を売っおでも匁償する。

 牛、ろば、矊、そのほか䜕でも盗みの珟行犯ずしお捕たったなら、賠償金は二倍にな

る。

 攟した家畜が人のぶどう畑に䟵入したり、わざず人の畑に家畜を攟しお䜜物を食べさ

Page 33: Japenese Exodus

せたりした堎合は、損害の党額を匁償しなければならない。 畑の持ち䞻に、最良の収穫

に芋合う分を支払う。

 野焌きの最䞭に火が燃え広がっお人の畑に燃え移り、刈り穂や穀物を焌いた時は、火

を぀けた者は損害の党額を匁償しなければならない。

 人にあずけた金や物が盗たれた堎合、どろがうが捕たれば、犯人が損害の倍額を支払

う。 犯人が捕たらない時は、貎重品をあずかった者は神の前で裁刀を受け、自分が盗

んだのでないこずをはっきりさせなければならない。

 牛、ろば、矊、衣類、そのほか䜕でも玛倱した堎合、持ち䞻がほかの人に疑いをかけ、

しかも、盞手がそれを吊認する時は、双方が神の前で裁刀を受ける。 神に有眪ず宣告さ

れた者は、損害の倍額を支払わなければならない。

 ろば、牛、矊、そのほかどんな動物でも、人にあずけ、死ぬか傷぀くか盗たれるか

した堎合、そしお、実際にどうであったかを報告する目撃者がいない時は、 あずか

った者は、自分が盗んだのではないこずを神に誓わなければならない。 持ち䞻がその蚀

い分を受け入れれば、匁償の必芁はない。 しかし、その家畜が確かに盗たれたので

あれば、あずかっおいた者は持ち䞻に匁償しなければならない。 たた、野獣に襲わ

れたのであれば、蚌拠ずしお、食い荒らされた死䜓を持っお来なければならない。 この

堎合は匁償の必芁はない。

 人から家畜を借り、それが傷぀くか死ぬかしお、しかも、持ち䞻がその堎に居合わ

せなかった時は、借りた者が匁償しなければならない。 しかし、持ち䞻が居合わせ

た堎合は匁償の必芁はない。 ただし、賃借りの物に぀いおは、借り賃はきちんず払わな

ければならない。

 だれずも婚玄しおいない女性を誘惑し、圌女ず関係を結んだ者は、しきたりどおり

の結玍金を支払っお、圌女を劻にしなければならない。 しかし、父芪が結婚に反察

の堎合は慰謝料を払う。

 女呪術垫は死刑だ。

 動物ず性的関係を持぀者は死刑だ。

 䞻以倖の神々にいけにえをささげる者は死刑だ。

 倖囜人を迫害しおはならない。 自分自身が゚ゞプトで倖囜人だったこずを忘れる

な。

 未亡人や孀児に぀らく圓たっおはならない。 少しでもそんなこずがあれば、

圌らはわたしに助けを求めるだろうし、わたしは必ず圌らを助ける。 わたしの怒り

は燃え䞊がり、剣でおたえたちを殺す。 おたえたちの劻が未亡人に、子䟛が孀児になる。

 困っおいる仲間のヘブル人むスラ゚ル人に金を貞す堎合、利息を取る普通の取

り匕きをしおはならない。 服を借金のかたに取ったら、倕方には返さなければなら

ない。 おそらくそれが、圌の䜓を暖める唯䞀の物だからである。 着る物もなくお、

どうしお眠るこずができるだろう。 もし返さなければ、圌はわたしに助けを求めるだろ

Page 34: Japenese Exodus

う。 わたしは願いを聞き、圌を助ける。 わたしは情け深いからである。

 神を冒涜しおはならない。 囜の指導者である裁刀官や支配者をのろっおはならな

い。

 収穫物やぶどう酒のささげ物、たた長男を買い戻す金をささげるのに、ぐずぐずし

おはならない。

 牛ず矊の初子は䞃日のあいだ母芪ずいっしょにおき、八日目にささげなさい。

 おたえたち自身が聖なるもの、わたしの特別な囜民だから、野獣に殺された動物は

食べおはならない。 死䜓はそのたたにしお、犬に食べさせなさい。

二䞉

 根も葉もないうわさを流しおはならない。 蚌蚀台で停蚌をし、悪人を助けるこずが

ないようにしなさい。

倚数の力に抌し流されお、悪事に加担しおはならない。 蚌蚀台に立぀時、その堎の

ふんい気に巊右され、䞍圓な蚌蚀をしおはならない。 たた、ただ貧しいずいうだけで人

に同情し、蚌蚀をゆがめたりしおもいけない。

 敵の牛やろばが道に迷っおいるのを芋たら、敵のもずぞ送り返しなさい。 もし敵

のろばが重荷に抌し぀ぶされおうめいおいたら、そのたた芋過ごしにしおはならない。 力

を貞しおろばを立たせおやりなさい。

 正矩を曲げ、貧しい人に䞍利になる裁刀をしおはならない。

 絶察に、うその非難をあびせおはならない。 無実の者が死刑になるようなこずがあ

っおはならない。 そんなこずは決しお蚱さない。

 わいろを取っおはならない。 わいろは人の目をくらたせ、刀断を誀らせるからであ

る。 わいろは正しい人の申し立おをゆがめる。

 倖囜人を迫害しおはならない。 倖囜に䜏む心现さはよく知っおいるはずだ。 ã‚šã‚ž

プトでの䜓隓を思い出すがいい。

 六幎のあいだ皮をたき、収穫をあげなさい。 䞃幎目は土地を䌑たせ、貧しい

者が自然に生えた物を刈り取れるようにする。 あずは、野獣が自由に食べられるように

残しおおきなさい。 この芏則はぶどう畑ずオリヌブ畑にも圓おはたる。

 六日間だけ働いお䞃日目は䌑みなさい。 牛やろばを䌑たせ、奎隷や客も含め、家

族党員に䌑息をずらせるためである。

 これらの戒めを必ずぜんぶ守らなければならない。 特に忘れおならないこずは、

ほかの神々の名を決しお唱えおはならないこずだ。

 毎幎守る祭りが䞉぀ある。

 最初は皮なしパンの祭りである。 すでに呜じおおいたように、䞃日間むヌスト菌

抜きのパンを食べる。 この祭りは䞉月ナダダ暊では䞀月、぀たり、゚ゞプト脱出の時

期に毎幎行なう。 この時はささげ物を持っお来る。 次に、刈り入れの祭りがある。

この時は最初の収穫物を持っお来なければならない。 最埌に、収穫期の終わりに収穫の

Page 35: Japenese Exodus

祭りがくる。 毎幎この䞉回、むスラ゚ル人はみな神の前に出なければならない。

 いけにえの血は、むヌスト菌を入れたパンずいっしょに䟛えおはならない。 いけ

にえの脂肪を翌朝たでそのたた残しおおいおはならない。

 刈り入れの時、最初の収穫の最良の物を持っお来なさい。 それはあなたの神、䞻

にささげなければならない。

子やぎを母芪の乳で煮おはならない。

 わたしは玄束の地ぞ無事おたえたちを連れお行くため、䜿いを送る。 圌を敬

い、その教えにはすべお埓いなさい。 反逆しおはならない。 おたえたちの眪を、圌は

赊さないからだ。 この䜿いはわたしの名においお行動する。 しかし、泚意深く圌

に埓い、あらゆる戒めを守るならば、おたえたちの敵はわたしの敵ずなる。 わたし

の䜿いが先立っお、おたえたちを゚モリ人、ヘテ人、ペリゞ人、カナン人、ヒビ人、゚ブ

ス人の囜ぞ導き、そこに䜏たわせる。 その囜囜を、わたしはおたえたちの目の前で滅が

す。

 こういった囜々の偶像を拝んではならない。 どんなこずがあっおも、そんな神々

にいけにえをささげおはならない。 異教埒の悪い習慣に染たらず、むしろ、完党に圌ら

を埁服し、その汚れた偶像を砎壊しなければならない。

 おたえたちの神、䞻にだけ仕えなければならない。 そうすれば、わたしはおたえ

たちを祝犏しお食べ物ず氎を䞎え、あらゆる病気をなくす。 流産もなくなるし、子

䟛を産めない女性もいなくなる。 おのおのが充実した人生を送るこずができるようにす

る。

 わたしは、これから埁服する地の人々に恐れをいだかせる。 圌らはおたえたちの

前から逃げ去る。 わたしはたた、ヒビ人、カナン人、ヘテ人を远い払うために、く

たばちを送る。 ただ、䞀幎のうちに党土を占領させるこずはしない。 そんなこず

をしたら、土地が荒れほうだいになり、野獣が増えすぎお手に負えなくなっおしたう。 

だから、人口が増え、囜䞭に䜏み぀くようになるたで、少しず぀远い払う。 囜の

境界線も広げよう。 玅海からペリシテの海岞たで、南の砂挠からナヌフラテス川たでず

する。 おたえたちをその地の䜏民に勝たせるので、圌らを远い出すこずになる。

 圌らずいっさい契玄を結んではならない。 圌らの神々ずかかわり合っおはならな

い。 圌らをむスラ゚ルに䜏たせおはならない。 さもないず、停りの神々を拝む圌

らの眪に染たっおしたう。 それは、おたえたちにずっお灜い以倖の䜕ものでもない。」

二四

 神様はモヌセに呜じたした。 「アロン、ナダブ、アビフをはじめ、むスラ゚ルの長

老たち䞃十人ずいっしょに、ここぞ登っお来なさい。 ただしほかの者は、みな遠くから

瀌拝するように。 おたえはそばに来おかたわない。 忘れるな。 䞀般の民はだれも

山に登るこずは蚱されない。」

 モヌセが、神様から䞎えられた法埋ず戒めを䌝えるず、人々は声を合わせお答えたし

Page 36: Japenese Exodus

た。 「すべお蚀われたずおりにいたしたす。」

 モヌセは法埋を曞き蚘したした。 明くる朝はやく、山のふもずに祭壇を築き、その

回りに十二本の柱を立おたした。 むスラ゚ルの十二郚族を衚わすためです。 それか

ら数名の青幎を送り、完党に焌き尜くすいけにえず和解のいけにえを、神様にささげさせ

たした。 モヌセはいけにえの血を半分取っお鉢に入れ、残りの半分は祭壇に泚ぎたし

た。

 圌は自分が曞いた契玄曞を読みあげたした。 それには、神様の指瀺や法埋が曞いお

ありたす。 「この戒めを䞀぀残らず守るこずを玄束したす。」 人々はたた誓いたした。

 モヌセは人々に鉢の血を振りかけたした。 「神様はこの法埋を䞎えるこずによっお、

あなたがたず契玄を結ばれた。 この血が契玄の蚌印だ。」

 モヌセ、アロン、ナダブ、アビフ、それにむスラ゚ルの長老䞃十人の䞀行は、山ぞ登

りたした。 圌らはむスラ゚ルの神様を芋たのです。 その足もずは、サファむダを

敷き぀めたように青く茝き、柄みきった空を思わせたした。

 長老たちは神様を芋たのに死にたせん。 そればかりか、䞻の前でいっしょに食事

をしたのです。

 神様はモヌセに呜じたした。 「山ぞ登り、わたしのずころぞ来なさい。 わたし

が石に蚘した法埋ず戒めをおたえに䞎えよう。 山で埅ちなさい。 おたえはその法埋か

ら人々を教えるこずができる。」 モヌセず助手のペシュアは、神の山ぞ登りたした。

 モヌセは長老たちに蚀いたした。 「われわれが戻るたで、ここで埅ちなさい。 留

守䞭に䜕か問題が起こったら、アロンずフルに盞談すればいい。」

 そう蚀うず、モヌセは山ぞ登り、頂䞊をおおう雲の䞭に姿を消したした。 神

様の栄光がシナむ山を包み、雲は六日のあいだ山をすっぜり隠したした。 䞃日目に神様

は雲の間からモヌセに呌びかけたした。 䞀方、ふもずにいた人々は恐ろしい光景を

芋たした。 山の頂䞊に神様の栄光が珟われたのです。 たるで燃えさかる火のようでし

た。 モヌセは雲に包たれた山頂に姿を消し、四十日四十倜そこにこもりたした。

二五

‐神様はモヌセに呜じたした。 「人々に垃告を出しなさい。 だれでも望むたたに

ささげ物をわたしのずころぞ持っお来およろしい。 ささげ物は次のリストから遞びなさ

い。

金、銀、青銅、青のより糞、玫のより糞、深玅のより糞

䞊質のリンネル、山矊の毛、赀く染めた雄矊のなめし皮

じゅごん海に䜏む哺乳動物の皮、アカシダ材

ずもしび甚のオリヌブ油、泚ぎの油ず銙に䜿う銙料

しためのう、゚ポデず胞圓おにはめる宝石類

わたしがむスラ゚ルに䜏めるよう、聖なる䜏たいを䜜っおほしい。

 䜏たいは倩幕にするこず。 その蚭蚈図ず必芁な噚具の现かい寞法は、次のずおりだ。

Page 37: Japenese Exodus

 アカシダ材を䜿っお長さ癟二十五センチ、幅䞃十五センチ、高さ䞃十五センチの箱

を䜜りなさい。 内偎にも倖偎にも玔金を匵り、呚囲に金の瞁食りを぀ける。 

金の環を四぀䜜り、箱の䞋の四すみに぀ける。 片偎に二個ず぀だ。 アカシダ

材で棒を䜜っお金をかぶせ、箱の䞡偎に぀けた金の環に通しおか぀げるようにする。 

棒は取りはずさず、差し蟌んだたたにしおおかなければならない。 わたしが䞎え

る十戒を蚘した石板を、その箱に玍めなさい。

 たた、玔金のふたを䜜りなさい。 長さ癟二十五センチ、幅䞃十五センチにする。

これは眪を赊す神の恵みの座である。 次にふたの䞡端に、倩䜿の像を぀ちで打ち出

しお䜜る。 それは恵みの座の䞀郚分で、その䞡端になる。 ケルビム、぀たり

その倩䜿は、互いに向かい合っお恵みの座を芋䞋ろし、翌が金のふたをおおうようにしな

ければならない。 ふたができたら箱にかぶせる。 箱には十戒の石板を玍めなさい。

わたしはそこでおたえに䌚い、ケルビムにはさたれた恵みの座からおたえず語る。 ç®±

にはわたしの契玄の法埋を玍める。 わたしはそこから、むスラ゚ルの人々ぞの呜什をお

たえに䌝える。

 次に、長さ䞀メヌトル、幅五十センチ、高さ䞃十五センチのテヌブルをアカシダ材

で䜜りなさい。 それに玔金を匵り、呚囲に金の瞁食りを぀ける。 テヌブルの

䞊郚に八センチ幅のわくを぀け、その呚囲にぐるりず金の瞁食りを぀ける。 金

の環を四぀䜜り、それを四本の足の䞊郚に、倖偎ぞ向けお぀ける。 テヌブルを運ぶ棒を

通すためだ。 棒はアカシダ材で䜜り、金をかぶせる。 金で皿、スプヌン、氎

差し、现口びんなどを䜜り、 テヌブルの䞊には、わたしのために特別なパンをい぀

も䟛えなさい。

 玔金のかたたりを぀ちで打っお燭台を䜜りなさい。 燭台は台座ず支柱からなり、

ずもしび皿ず食りの花びらを぀ける。 真ん䞭の支柱の䞡偎から䞉本ず぀枝を出

し、それぞれの枝は䞉぀のアヌモンドの花で食る。 真ん䞭の支柱は四぀の花で

食る。 䞉察になっおいる枝の間に䞀぀ず぀、その䞊に䞀぀、その䞋に䞀぀、蚈四぀の花

を぀ける。 食りず枝ず支柱はみな、䞀かたたりの玔金を打っお䜜る。 それに

䞃぀のずもしび皿を䜜り、あかりが前を照らすように眮く。 芯切りばさみず芯取り

皿も玔金で䜜る。 燭台ずその付属品のために、およそ五十キログラムの玔金が必芁

であろう。

 䜜る物はみな、この山の䞊でわたしが指瀺する型どおりに、きちんず䜜らなければ

ならない。

二六

䞊等のより糞で織ったリンネル十枚を぀なぎ合わせ、神の倩幕を䜜りなさい。 垃は

それぞれ長さ十四メヌトル、幅二メヌトルずする。 青ず玫ず深玅のより糞を䜿い、党䜓

にケルビム倩䜿の像を織り出す。 五枚ず぀ぞりずぞりを぀なぎ合わせお、倧きな

垃を二枚䜜り、倩幕の䞡偎面ずする。 この二枚の端ず端を぀なぎ合わせるために、

Page 38: Japenese Exodus

ぞりにルヌプを぀ける。 それぞれのぞりに察になるよう五十ず぀のルヌプを䜜る。 

ほかにルヌプを぀なぐ五十個の留め金を金で䜜る。 こうしお神の䜏たいである倩幕を䞀

぀に組み立おる。

屋根の郚分には山矊の毛皮の防氎垃をかぶせる。 それぞれ長さ十五メヌトル、幅二

メヌトルのものを十䞀枚甚意する。 このうち五枚を぀なぎ合わせお幅広の幕にし、残

りの六枚も、぀ないで䞀枚の幕にする。 長いほうの六枚目にあたる郚分は、䞊から垂ら

しお、聖なる倩幕の正面で折り重ねる。 この二枚の幕を぀なぎ合わせるために、

それぞれのぞりに五十個のルヌプを䜜り、五十個の青銅の留め金を䜿っお䞀枚にする。 

倩幕のうしろは、屋根をおおう幕が五十センチ垂れ䞋がり、 たた、正面にも五十

センチ垂れ䞋がる。 この防氎垃の䞊に、赀く染めた雄矊のなめし皮を敷き、その䞊

にじゅごん海に䜏む哺乳動物の皮をかける。 これで屋根が完成する。

聖なる倩幕のわく組みをアカシダ材で䜜りなさい。 それぞれ長さ五メヌトル、

幅䞃十五センチの板を、たっすぐ立おお組み合わせる。 偎面にほぞを二぀䜜り、隣

の板をはめ蟌む。 こうしお二十枚぀なぎ合わせたものが、聖なる倩幕の南偎に

なる。 それぞれの板は銀の土台二個にはめ蟌む。 板䞀枚に぀き二個ず぀、蚈四十個の

銀の土台が必芁ずなる。 北偎にも同じような板が二十枚、 それぞれに二個ず

぀、蚈四十個の銀の土台を䜿う。 西偎には六枚の板、 そしお䞡すみに二枚の

板を䜿う。 すみの板は䞋を重ね、䞊を環で぀なぎ合わせる。 それで結局、西

偎には板が八枚、銀の土台がそれぞれに二個ず぀で、蚈十六個あるこずになる。

アカシダ材で暪朚を䜜り、わく組み党䜓に匵り枡しなさい。 䞡偎面に五本ず぀、

さらに西に面するうしろ偎に五本、 わくの真ん䞭になる䞭倮の暪朚は、端から端た

で通す。 板に金をかぶせ、暪朚を通すために金の環を䜜る。 暪朚にも金をかぶせ

る。 この倩幕を、わたしが山で指瀺したずおりに建おなさい。

 〔倩幕の内偎には〕、青ず玫ず深玅の䞊等のより糞ずリンネルで垂れ幕を䜜り、それ

にケルビムを織り出しなさい。 これをアカシダ材の四本の柱の䞊から、金のかぎ四

぀を䜿っお垂らす。 柱には金をかぶせ、それぞれ銀の土台に立おる。 幕はかぎか

ら垂らし、その奥に箱を眮きなさい。 箱には神の法埋を蚘した石板が玍めおある。この

幕が聖所ず最も神聖な至聖所ずを分ける。

 至聖所の箱には金のふたをし、『恵みの座』をし぀らえなさい。 幕の倖の聖所

に、テヌブルず燭台を向かい合わせに眮く。 燭台は南偎、テヌブルは北偎である。

 聖なる倩幕の入口にかける垂れ幕を、もう䞀枚䜜りなさい。 青ず玫ず深玅の䞊等

のより糞ずリンネルで䜜り、粟巧な刺しゅうを斜す。 その幕を五本のアカシダ材の

柱から、金のかぎを䜿っお垂らす。 柱には金をかぶせ、青銅の土台に立おる。

二䞃

 アカシダ材で祭壇を䜜りなさい。 䞀蟺が二メヌトル半の正方圢で、高さは䞀メヌト

ル半にする。 四すみに角をしっかり取り぀け、党䜓に青銅をかぶせる。 灰を取る

Page 39: Japenese Exodus

぀が、十胜、鉢、肉刺し、火皿も、みな青銅で䜜る。 青銅の栌子を䜜り、四すみに青

銅の環を぀ける。 炉の半ばほどの高さの所に棧を䜜り、そこに栌子を取り぀ける。 

祭壇を移動させるために、青銅をかぶせたアカシダ材の棒を䜜る。 祭壇の䞡偎面に環

を぀け、その䞭に棒を通しお運ぶのだ。 祭壇は板で䜜り、䞭をがらんどうにする。 䜕

から䜕たで、山の䞊で指瀺したずおりに䜜りなさい。

次に倩幕の庭を造る。 䞊等のより糞で織ったリンネルで幕を䜜り、庭を囲む。 南

偎には五十メヌトルにわたっお幕を匵り、二十個の青銅の土台にはめ蟌んだ二十本の柱で

支える。 柱に取り぀けた銀のかぎに銀の環をかけ、幕を垂らすのだ。 北偎も同じ

ようにする。 青銅の土台に二十本の柱をはめ蟌み、銀のかぎず環で五十メヌトルの幕を

匵る。 西偎は土台十個に柱十本、幕は幅二十五メヌトルずする。 東偎も同じ

く二十五メヌトルである。 ただし、䞭倮に入口があり、その䞡偎に䞃メヌトル

半ず぀幕を匵る。 䞉個の土台にはめ蟌んだ䞉本の柱が、それを支える。

 庭の入口は幅十メヌトルの幕をかける。 青ず玫ず深玅の䞊等のより糞ずリンネル

で䜜った、矎しい刺しゅう入りの幕である。 幕は、四個の土台にはめ蟌んだ四本の柱に

取り぀ける。 庭の回りの柱はぜんぶ銀の環を぀け、銀のかぎを䜿う。 柱は青銅の

土台にしっかりはめ蟌んでおく。 こうしお庭党䜓は長さ五十メヌトル、幅二十五メ

ヌトルになる。 呚囲の幕は䞊等のより糞で織ったリンネル補で、高さ二メヌトル半の仕

切りずなる。

 倩幕での仕事に䜿う道具類、それを壁から぀るすための釘や庭のくいなど、すべお

青銅で䜜る。

 人々に呜じお、倩幕のずもしび甚の玔粋なオリヌブ油を持っお来させなさい。 倩

幕の䞭では、四六時䞭ずもしびを燃やし続けなければならない。 アロンずその息子

たちは、この氞遠の炎を聖なる倩幕の䞭、垂れ幕の倖偎に眮き、昌も倜も消えるこずがな

いように、神の前で番をする。 これはむスラ゚ルの氞遠のおきおである。

二八

 おたえの兄アロンずその息子ナダブ、アビフ、゚ルアザル、むタマルを特別に遞び出

しお祭叞に任呜し、わたしに仕えさせなさい。 そしお神のために特別にきよくされた

者だずいうしるしに、アロンのために特補の服を䜜りなさい。 芋た目にも矎しく、祭叞

ずしおの嚁厳を瀺す服を䜜るのだ。 そのための特別な才胜を、わたしはある者たちに

䞎えた。 圌らに、アロンがほかの者ずは違うこずを瀺す服を䜜らせなさい。 祭叞ずし

おわたしに仕えるこずができるようにするのだ。 祭叞が着る服は、胞圓お、゚ポデひ

ざ䞋たでの、そでなし䞊着、青い䞊着、垂束もようの長服、タヌバン、食り垯である。こ

のほかアロンの息子たちのためにも、特補の服を䜜る。

゚ポデは、最も優秀な技術者に、金ず青ず玫ず深玅の䞊等のより糞で織ったリンネル

で䜜らせなさい。 これに二枚の肩圓おを぀け、䞡端を留める。 同じ生地、金ず青

ず玫ず深玅の䞊等のより糞で織ったリンネルで、あや織りの垯を䜜る。 二個のしため

Page 40: Japenese Exodus

のうに、むスラ゚ルの十二郚族の名を圫りなさい。 それぞれに六぀ず぀の名を圫り、

党郚族の名が誕生順になるようにする。 名前を圫る時は、印を䜜る技術を甚いる。

その二぀の石を金の台にはめ、 ゚ポデの肩に瞫い぀けお、むスラ゚ル囜民を蚘念す

る石ずする。 アロンは神の前に出る時、い぀も党郚族の名を身に぀け、絶えずそのこず

が頭から離れないようにする。 たた、玔金をよっお二本の鎖を䜜り、゚ポデの

肩のずころで金の留め金に぀ける。

 次に、最もすぐれた技術を甚いお、神の蚗宣を聞くために甚いる胞圓おを䜜りなさ

い。 ゚ポデず同じく、金ず青ず玫ず深玅の䞊等のより糞で織ったリンネルを䜿う。 

倧きさは二十五センチ四方で、二぀に折っお袋状にする。 それに石を四列に取り

぀ける。 最初の列はルビヌ、トパヌズ、゚メラルド。 二列目はトルコ玉、サファ

むダ、ダむダモンド。 䞉列目はヒダシンス石、めのう、玫氎晶。 四列目は緑

柱石、しためのう、碧玉。 これらはみな金の台にはめる。 それぞれの石はむスラ

゚ルの郚族を衚わし、その郚族の名を、印ず同じように圫り぀けなければならない。

‐二本の玔金をよっお鎖を䜜り、胞圓おの瞁を゚ポデに぀なぎ合わせなさい。 そ

れぞれの鎖の䞀端は、胞圓おの䞊蟺の倖偎に぀けた金の環に結び぀ける。 もう䞀端

は、゚ポデの䞡肩に取り぀けたしためのうの台に、倖向きに結び぀ける。 次に金の

環をもう二個䜜り、胞圓おの䞋のぞり、内偎の二個所に取り぀ける。 たた、もう二

぀金の環を䜜り、゚ポデの肩圓おのすその倖偎、垯を締める䜍眮に぀ける。 胞圓お

の䞋ず゚ポデのすそにある環ずを青いひもで結び、胞圓おず゚ポデを、ずれないようにし

っかり぀なぐ。 こうしおアロンは、聖所ぞ入る時はい぀でも、胞圓おに十二郚族の

名を぀けおいるこずになる。 神がむスラ゚ルのこずを絶えず心にかけ、蚗宣を䞋すよう

にするのである。 胞圓おのポケットにりリムずトンミム〔神意をうかがう䞀皮

のくじ〕を入れ、アロンが神の前に出る時はい぀も、胞の䞊にあるようにしなさい。 ア

ロンは神の前にいる時、い぀でも神蚗を胞に入れおいるこずになる。

゚ポデの䞋に着る服は、青い垃で䜜らなければならない。 それに頭を通す口をあけ

る。 口の回りには織った瞁を぀け、ほ぀れないようにする。 ちょうど、よろいの銖回

りのようにする。 青服のすそのぞりには、青ず玫ず深玅のより糞でざくろを䜜

っお぀け、ざくろずざくろの間に金の鈎を぀ける。 アロンは務めのために神の前に

出る時はい぀でも、これを身に぀けなければならない。 聖所の神の前に出入りするたび

に、鈎が鳎るようにする。 そうすれば死ななくおすむだろう。

 次に、玔金のプレヌトを䜜り、ちょうど刻印を圫るように、『神のために特別に遞ば

れた者』ず圫りなさい。 このプレヌトは、青いひもでアロンのタヌバンの正面

に぀ける。 アロンはそれを額に぀け、むスラ゚ル囜民のささげ物のこずで䜕か過ちがあ

れば、その眪を負う。 神の前に出る時い぀も、それを額に぀けなければならない。 こ

うしお、人々は神に受け入れられ、眪を赊される。

 䞊等のより糞で垂束もように織ったリンネルを䜿っお、アロンの長服を䜜りなさい。

Page 41: Japenese Exodus

タヌバンも同じ垃で䜜る。 そのほかに刺しゅうをした垯も䜜る。

 アロンの息子たちには、䞊着ず垯を䜜り、たた、名誉ず嚁厳を䞎えるためのタヌバ

ンを䜜りなさい。 アロンず息子たちにこれらの服を着せ、頭にオリヌブ油を塗っお、

祭叞に任呜しなさい。 わたしに仕える者ずしお特別に遞び、きよめるのだ。 たた

䜓にじかに぀ける䞋着を、リンネルで䜜りなさい。 これは腰からももたでをおおう。 

アロンず息子たちが倩幕に入ったり、聖所の祭壇に近づいたりする時はい぀でも、この

䞋着を぀けなければならない。 さもなければ有眪ずされ、死ぬこずになるだろう。 こ

れは、アロンず息子たちが守る氞遠のおきおである。

二九

 アロンず息子たちを祭叞に任呜するために、次の儀匏を行ないなさい。 若い雄牛䞀

頭ず傷のない雄矊二頭を甚意する。 たた、むヌスト菌抜きのパン、油を混ぜた茪型の

パン、むヌスト菌抜きのせんべい状のパンに油を塗ったものを準備する。 パンは粟補し

た小麊粉で䜜らなければならない。 パンをかごに入れ、若い雄牛䞀頭、雄矊二頭ず

いっしょに、神の倩幕の入口に持っお来る。

入口のずころでアロンず息子たちに沐济させる。 次に、アロンに䞊着をきせ、長服、

゚ポデ、胞圓お、垯を぀けさせ、 頭には金のプレヌト぀きのタヌバンをかぶせる。 

次に、泚ぎの油を頭に泚ぐ。 さらに、圌の息子たちにも䞊着をきせ、 織っお䜜っ

た垯を぀けさせ、頭に垜子をかぶせる。 この儀匏がすめば、圌らは氞遠に祭叞ずなる。

こうしお、アロンず息子たちを特別に遞び、きよめなければならない。

 たず、おたえが若い雄牛を倩幕に匕いお来る。 アロンず息子たちは手を牛の頭に

眮き、 おたえが倩幕の入口、神の前でそれを殺す。 血は指で祭壇の角に塗り、

残りは祭壇の土台に泚ぐ。 内臓をおおう脂肪ぜんぶ、胆のうず二぀の腎臓ず、それ

らを包む脂肪を、祭壇の䞊で焌きなさい。 死䜓は皮や汚物ごず野営地の倖ぞ持っお

行き、眪が赊されるためのいけにえずしお焌かなければならない。

次に、雄矊の䞀頭を匕いお来る。 アロンず息子たちがその頭に手を眮いたら、

おたえがこれを殺し、その血を集めお祭壇に振りかける。 死䜓を切り開いお内臓を

取り出し、足を切り取る。 それらをきれいに掗い、頭や䜓のほかの郚分ずいっしょに眮

きなさい。 こうしお、矊をぜんぶ祭壇の䞊で焌く。 それは神にささげる完党に焌

き尜くすいけにえで、倧いに神に喜ばれるものである。

もう䞀頭の雄矊も殺す。 その前に、アロンず息子たちは手を矊の頭に眮かなけ

ればならない。 おたえは血を集めお、その䞀郚分を、アロンず息子たちの右の耳たぶず

手足の右芪指に぀け、残りは祭壇に振りかける。 続いお祭壇の䞊の血を取り、泚ぎ

の油ずいっしょに、アロンず息子たち、たた圌らの服に振りかける。 このようにしお圌

らずその服を、神のために特別に遞ばれたものずしおきよめなければならない。

 次に、雄矊の脂肪を取る。 あぶら尟、内臓をおおう脂肪、さらに胆のうず二぀の

腎臓、それらの回りの脂肪、右のももである。 これは、アロンず息子たちを祭叞に任呜

Page 42: Japenese Exodus

する雄矊だからである。 さらにパン䞀個、油を混ぜた茪型のパン䞀個、せんべい䞀

枚を、神の前に眮かれたむヌスト菌抜きのパンのかごから取る。 これらをアロンず

息子たちの手に茉せる。 圌らは神にささげ物をする手぀きをする。 そのあず、も

う䞀床それらを受け取り、神ぞの銙ばしい完党に焌き尜くすいけにえずしお、祭壇の䞊で

焌く。 それから、アロンの任職の雄矊の胞を取り、ささげ物をする手぀きで神の前

に揺り動かす。 それは自分のものにしおかたわない。

雄矊の胞ずももは、アロンず息子たちに䞎えなさい。 むスラ゚ル人はい぀でも、

和解のための感謝のいけにえのうち、胞ずももは神ぞのささげ物ずしお、アロンず息子た

ちに䞎えなければならない。

 アロンの神聖な服は、跡を継ぐ息子たちのために取っおおかなければならない。 こ

ののち䜕代にもわたり、倧祭叞の油泚ぎの儀匏に甚いるのだ。 アロンの次の倧祭叞

がだれであろうず、その者は倩幕ず聖所で務めを始める前に、䞃日間この服を着なければ

ならない。

 祭叞の任呜匏にささげた雄矊の肉を、神聖な堎所で煮なさい。 アロンず息子

たちはその肉ずかごの䞭のパンずを、倩幕の入口で食べなければならない。 圌らだ

けが、圌らの眪を赊し、祭叞ずしお特別に遞び任呜する儀匏に甚いた、これらのものを食

べる。 䞀般の人たちは食べおはならない。 これらは特別にきよめられたものだからで

ある。 肉やパンが翌日たで残ったら焌き捚おなさい。 食べおはならない。 それ

は聖なるものである。

 このようにしお、アロンず息子たちを祭叞に任じなさい。 任呜匏は䞃日間぀づく。

毎日、眪が赊されるためのいけにえずしお、若い雄牛を䞀頭ささげなければならない。

祭壇の汚れを払うためにも、眪が赊されるためのいけにえをささげなさい。 さらに、そ

の䞊にオリヌブ油を泚いできよめる。 䞃日のあいだ毎日それを続け、神のための祭

壇ずしお特別にきよめなさい。 そのあず、祭壇は最も神聖なものずなり、それに觊れる

ものは䜕でも、神のために遞び分かたれ、きよめられたものずなる。

 毎日、祭壇に䞀歳の雄矊を二頭ささげなさい。 朝に䞀頭、倕方に䞀頭である。

朝の雄矊をささげる時には、䞊等の小麊粉䞉・六リットルずオリヌブ油䞀リットル半

を混ぜたものを、いっしょにささげ、たた、䞀リットル半のぶどう酒を泚ぎの䟛え物にし

なさい。 もう䞀頭の雄矊は倕方、朝ず同じ小麊粉のささげ物ずぶどう酒の泚ぎの䟛

え物ずいっしょにささげる。 これは神ぞの銙ばしい完党に焌き尜くすいけにえである。

 このささげ物は、䞀日でも絶やしおはならない。 毎日、倩幕の入口、神の前でさ

さげる。 そこでわたしはおたえに䌚い、おたえず語る。 たた、そこでむスラ゚ル

囜民ず䌚う。 倩幕はわたしの栄光によっおきよめられる。 倩幕ず祭壇、たた、わ

たしに仕える祭叞、アロンずその息子たちは、わたしがきよめる。 わたしはむスラ

゚ル囜民ずずもに䜏み、圌らの神ずなる。 圌らは、わたしが圌らの神、䞻であるこ

ずを知らなければならない。 圌らずいっしょに䜏めるようにず、わたしは圌らを゚ゞプ

Page 43: Japenese Exodus

トから助け出したのだ。 わたしは圌らの神、䞻である。

侉○

 銙をたく小さな祭壇をアカシダ材で䜜りなさい。 䞀蟺が五十センチの正方圢で、

高さは䞀メヌトルずする。 祭壇には角を圫り぀けなさい。 別に䜜っおあずから接着す

るのではなく、初めから祭壇の䞀郚ずしお䜜る。 銙の祭壇の䞊ず偎面ず角は玔金をか

ぶせ、呚囲はぐるりず金の瞁食りを぀ける。 䞡偎面の瞁食りの䞋に金の環を二぀぀け、

祭壇を運ぶ棒を通すようにする。 棒はアカシダ材で䜜り、金をかぶせる。 この銙

の祭壇は聖所の垂れ幕のすぐ倖偎に眮きなさい。 十戒を玍めおある箱のふた、぀たり恵

みの座の近くに眮くのだ。 わたしはおたえずそこで䌚う。

 アロンは毎朝ずもしびの芯を切る時、銙の祭壇の䞊で、銙りの高い銙をたかなければ

ならない。 たた倕方、明かりをずもす時にも、神の前で銙をたかなければならない。

これは代々守るべきこずである。 この祭壇の䞊では、公に認められおいない銙をたい

おはならない。 完党に焌き尜くすいけにえ、穀物のささげ物、飲み物のささげ物をささ

げおはならない。

 幎に䞀床、アロンは眪が赊されるため、いけにえの血を銙の祭壇の角に塗り、壇を

きよめなさい。 これは毎幎必ず行ない、代々続けなければならない。 神の最も神聖な

銙の祭壇だからである。」

神様はさらにモヌセに呜じたした。 「むスラ゚ル囜民の人口調査をする時はい

぀でも、登録される成幎男子はみな、金を玍めお自分自身を買い取らなければならない。

人口調査によっお、囜民に灜いが起きないようにするためである。 金額は癟五十円

ずする。 満二十歳以䞊の者はみな、このささげ物をしなければならない。 金

持ちもそれ以䞊ささげおはならないし、貧しい者もそれ以䞋であっおはならない。 自分

自身を買い取るために神にささげるものだからである。 この献金は神の倩幕の甚に

あおる。 それは、むスラ゚ル囜民をわたしが心にかけ、買い取るためである。」

神様はたた、モヌセに呜じたした。 「青銅の掗い鉢を䜜り、青銅の台を぀けな

さい。 それを倩幕ず祭壇の間に眮き、氎をいっぱいにする。 アロンず息子たちは

手ず足をそこで掗う。 倩幕に入り、わたしの前に立぀時、あるいは、わたしの前で

いけにえを焌くために祭壇ぞ近づく時、その前に、い぀も手足を掗わなければならない。

さもなければ死ぬ。 これは、アロンずその子孫に代々䌝えなければならないおきお

である。」

神様はモヌセに呜じお、最䞊の銙料を集めさせたした。 玔粋な没薬八キログラ

ム、シナモンずにおいしょうぶが、それぞれ半分の量、 桂枝が没薬ず同じ量、オリ

ヌブ油が六リットル集たりたした。 そこで神様は、熟緎した銙料䜜りに、これらの

材料を䜿っお聖なる泚ぎ油を䜜らせるよう呜じたした。

たた、次のように蚀いたした。 「倩幕ず、十戒の箱ず、䟛えのパンのテヌブル

およびその付属品すべおず、燭台およびその付属品ず、銙の祭壇ずに、この油を泚ぎなさ

Page 44: Japenese Exodus

い。 完党に焌き尜くすいけにえをささげる祭壇ずその噚具ぜんぶ、たた、掗い鉢ず

その台にも同じようにしなさい。 それらを、特別に遞ばれたものずしおきよめるた

めである。 それらに觊れるものは䜕でもきよくなる。 アロンず息子たちにもこの

油を塗り、祭叞ずしおわたしに奉仕できるようにきよめなさい。 人々にはこう蚀う

のだ。 『これは神の聖なる泚ぎ油ずしなければならない。 決しお䞀般の者に泚い

ではならない。 自分でかっおに䜜っおはならない。 聖なるものだから厳重に取り扱わ

なければならない。 このような銙料を䜜ったりする者、たた、それを祭叞でない者

に泚ぐ者はだれであれ、みな共同䜓から陀名されなければならない。』」

 銙に぀いお神様がモヌセに䞎えた指瀺は、次のずおりです。「銙料ずしお、ナタフ銙、

シェヘレテ銙、ヘルベナ銙、玔粋な乳銙を同量ず぀甚意し、 銙料䜜りの普通の技術

で、それに塩を混ぜ、玔粋で聖なる銙にしなければならない。 その䞀郚分は现かく

砕き、倩幕の䞭の、わたしがおたえに䌚う箱の前に眮きなさい。 この銙は最も神聖なも

のである。 自分のためにそれを䜜っおはならない。 特別に神のためのものだから

である。 神聖なものずしお取り扱わなければならない。 自分のためにそれを䜜る

者は、陀名されなければならない。」

侉侀

神様はたた、モヌセに告げたした。 「わたしはナダ郚族のりリの息子で、フルの孫

にあたるベツァル゚ルを遞んだ。 圌に神の霊を満たし、神の倩幕ずその䞭にある物い

っさいを䜜るのに必芁な、知恵ず才胜ず技術を䞎えた。 圌は、金、銀、青銅の现工を

矎しくデザむンするこずができる。 たた宝石の现工にも、朚の圫刻にも熟緎した腕を

持っおいる。

 助手には、ダン郚族のアヒサマクの息子オホリアブを任呜した。 さらにたた、優秀

な技術者たちにも特別な力を䞎え、わたしの指瀺どおりの物を䜜れるようにした。 倩

幕、十戒の箱ずそのふたの恵みの座、倩幕の䞭のあらゆる造䜜、 䟛えのパンのテヌブ

ルずその付属品、玔金の燭台ずその付属品、銙の祭壇、 完党に焌き尜くすいけにえの

祭壇ずその噚具類、掗い鉢ずその台、 祭叞アロンの神聖な服、圌の息子たちが祭叞

ずしお奉仕するずき着る服、 泚ぎの油、聖所でたく銙りのよい銙である。 圌らは

䜕もかも、わたしがおたえに䞎えた指瀺どおりに䜜らなければならない。」

神様はさらに、次の呜什も䞎えたした。 「人々に、安息日は䌑むよう蚀いなさ

い。 安息日は、おたえずわたしの間の契玄を氞遠に思い出させるものである。 わたし

が神であり、おたえたちを聖なる囜民ずする者であるこずを、安息日は思い出させおくれ

る。 だから、神聖な日ずしお安息日には䌑みなさい。 この呜什に埓わない者

はだれであれ死刑だ。 この日仕事をする者はみな死刑だ。 六日の間だけ働きなさい。

䞃日目は神の聖なる日、特別な䌑息の日である。 この法埋は、むスラ゚ル囜民が氞

遠に守るべき契玄であり矩務である。 安息日はわたしずむスラ゚ルずの契玄の、氞

遠のシンボルである。 六日の間わたしは倩ず地を造り、䞃日目に䌑んだからである。」

Page 45: Japenese Exodus

 こうしお神様は、シナむ山でモヌセず話し終え、二枚の石板を䞎えたした。 その

板には、神の指で曞かれた十戒が蚘されおいたした。

䞉二

 モヌセがなかなか降りお来ないので、人々は気がかりになり、アロンのずころぞ文句

を蚀いに行きたした。 「おれたちのために神様を䜜っおくれ。 その神様のお告げに埓

おう。 ゚ゞプトからここたでおれたちを連れお来たモヌセは、姿を消しおしたったじゃ

ないか。 きっず䜕かあったに違いないんだ。」

「それなら、金のむダリングをよこしなさい。」 アロンは答えたした。

そこで、男も女も子䟛たちたで、みな蚀われたずおりにしたした。 アロンはその金を

火で溶かし、鋳型に入れ、道具を䜿っお子牛の圢に䜜りたした。 「むスラ゚ルばんざヌ

いっ。 これこそ、われわれを゚ゞプトから連れ出した神様だ。」 人々は倧喜びで叫びた

した。

アロンは民が有頂倩になっおいるのを芋るず、子牛の前に祭壇を築いお垃告したした。

「あすは神様のために盛倧な祝いをしよう。」

 人々は明くる朝はやく起き、子牛の像に、完党に焌き尜くすいけにえず和解のいけに

えずをささげたした。 そのあずが倧ぞんです。 あたりに座り蟌んで食べたり飲んだり

するかず思えば、立っお螊りだす者も出るした぀です。 ずんだ乱痎気さわぎになっおし

たいたした。

 それを知った神様は、モヌセに呜じたした。 「倧急ぎで山を降りなさい。 おたえ

が゚ゞプトから連れ出した連䞭が、かっおなこずを始めた。 ひどくお目もあおられん。

わたしのおきおをもう捚おおしたった。 子牛の像を䜜っお瀌拝し、いけにえたでささ

げ、『これこそ、むスラ゚ル人を゚ゞプトから連れ出した神だ』などず蚀っおいる。」

 神様はさらに続けたす。 「むスラ゚ル人がどんなに匷情で恩知らずの囜民か、よく

わかった。 もう容赊はできん。 こうなったら皆殺しだ。 邪魔だおはするな。 モ

ヌセよ、連䞭の代わりに、おたえを倧きな囜にしよう。」

 しかし、モヌセは必死でお願いしたした。 「神様、埡みずからあれほど倧きなお

力を瀺し、すばらしい奇蹟をもっお、ご自分の囜民を゚ゞプトから救い出されたのではあ

りたせんか。 その囜民に、なぜそのようにお怒りになるのでしょう。 そんなこず

をなさったら、゚ゞプト人は䜕ず蚀うでしょう。 『ふん、むスラ゚ルの神は連䞭をだた

しお山ぞ連れ出したんだ。 その蚌拠に、芋ろよ、や぀らは䞀人残らず殺されちたった』

ずあざけるかもしれたせん。 どうぞ怒りをおさめおください。 そんな恐ろしいさばき

は、思いずどたっおください。 神のしもべアブラハム、むサク、むスラ゚ルダコ

ブに玄束されたこずを、思い出しおいただきたいのです。 『おたえの子孫を空の星の

ようにふやそう。 玄束の地をすべおおたえの子孫に䞎え、氞遠に受け継がせよう。』 こ

う誓われたではありたせんか。」

 そこで、神様も思い盎し、人々のいのちを助けるこずにしたした。 モヌセは

Page 46: Japenese Exodus

山を降りたした。 手には、十戒を䞡面に蚘した二枚の石板を持っおいたす。 神様

がみずから戒めをその板に蚘したのです。

 やがお、ふもずの方から人々の叫び声が聞こえおきたす。 ペシュアはモヌセに蚀

いたした。 「たるで戊争でもしおいるような隒ぎですね。」

 「いや、あれは勝利の叫びでもないし、敗北のうめきでもない。 歌っお隒いでい

るのだ。」

 野営地に近づくず、子牛の偶像ず螊り狂っおいる人々の姿が目にはいりたした。 そ

れを芋たモヌセは、むらむらず怒りがこみ䞊げ、思わず石板を地面に投げ぀けたした。 そ

れは山のふもずで、朚端埮塵に砕けたした。 圌はやにわに子牛の像を぀かみ、火に

くべお溶かし、冷えるず、今床は粉にしお氎にたき散らし、人々にむりやり飲たせたした。

 それからアロンに向き盎り、きびしく問い詰めたした。 「いったい䜕があったん

です ただ事じゃありたせんよ。 兄さんも兄さんだ。 いっしょになっおこんな恐ろ

しい眪を犯すなんお、どういう぀もりなんです」

 「たあ、そんなに興奮しないでくれ。 おたえも知っおるだろう。 あい぀らずき

たら、ひどいや぀ばかりだ。 『おれたちを導く神様を䜜っおくれ。 ゚ゞプトから

おれたちを連れ出したモヌセのや぀は、きっずどうかなっちたったんだ』ず詰め寄っおな。

それで、『金のむダリングを持っお来い』ず蚀っおやったんだ。 するずどうだ。 み

んな持っお来るじゃないか。 それを火に投げ蟌んだらこの子牛が出お来た、ずいうわけ

だ。」

 アロンにはたるで反省の色がありたせん。 人々がみだらな行為にふけるのを、黙

っお芋おいるばかりです。 これでは敵の物笑いもいいずころです。 堪忍袋の緒が

切れたモヌセは、野営地の入口に立っお叫びたした。 「神様に぀く者、私ず行動を共に

する者は、ここに集たれっ。」 するず、レビ郚族が党員集たりたした。

 モヌセはその面々に呜じたした。 「むスラ゚ルの神、䞻が蚀われる。 『剣を持

っお野営地䞭を駆け巡り、兄匟だろうが、友だちだろうが、知り合いだろうが、皆殺しに

しろ。』」 圌らは呜什どおりにしたした。 その日、玄䞉千人の男が死にたした。

 モヌセはレビ郚族に蚀いたした。 「きょう、あなたがたはりっぱに神様に仕えた。

息子や兄匟を殺しおでも、神様に埓った。 きっずすばらしい祝犏があるだろう。」

翌日、モヌセは人々に蚀いたした。 「おたえたちは倧きな眪を犯した。 それで、

もう䞀床山ぞ登り、神様にお願いしようず思う。 おたえたちの眪を赊しおいただけるか

もしれない。」

 モヌセは神様のずころぞ垰っお蚀いたした。 「神様、あの連䞭は倧きな眪を犯し

たした。 金で偶像を䜜ったのです。 けれども、あえおお願いしたす。 どうか眪

を赊しおやっおください。 もし、どうしおもだめだず蚀われるのなら、神様が蚘しおお

られる曞物から、私の名前を消しおください。」

 「わたしに眪を犯した者はみな、わたしの曞物から名前を消される。 今は黙

Page 47: Japenese Exodus

っお行きなさい。 わたしが話しおおいた地に人々を導くのだ。 わたしの䜿いが必ずお

たえの前を行くようにする。 だが、今床のこずは芋のがすわけにはいかない。 人々の

眪は眰する。」

 おこずばどおり神様は、人々がアロンの子牛を瀌拝した眰ずしお、倧きな灜いを䞋

されたした。

侉侉

 神様はモヌセに呜じたした。 「おたえはこの囜民を゚ゞプトから連れ出した。 圌

らを、わたしがアブラハム、むサク、ダコブに玄束した地ぞ導きなさい。 『この地をお

たえの子孫に䞎えよう』ず玄束したからだ。 ひず足先に神の䜿いをやり、カナン人、

゚モリ人、ヘテ人、ペリゞ人、ヒビ人、゚ブス人を远い払わせよう。 その地は『乳ず

蜜の流れる』囜だ。 しかしわたしは、いっしょに行かない。 おたえたちが手に負えな

い匷情者だからだ。 いっしょに行けば、途䞭でおたえたちを滅がしたくなるかもしれな

い。」

 人々はきびしいこずばに、胞も぀ぶれる思いでした。 あたり悲しくお、身に぀けお

いた宝石や食りを、ぜんぶ取っおしたったほどです。

 それは、圌らにこう䌝えるよう、神様がモヌセに呜じおおいたからです。 「おたえ

たちは、わがたたで匷情な囜民だ。 たずい䞀瞬でもわたしがいっしょにいたら、おたえ

たちを地䞊から消し去っおしたうだろう。 おたえたちの凊分がはっきり決たるたでは、

宝石や食りはぜんぶ取っおしたえ。」 それ以埌、人々は宝石を身に぀けなくなりたした。

 モヌセはい぀も、神様ずお䌚いする聖なる倩幕を、野営地から遠く離れた所に匵りた

した。 神様に䜕かうかがいを立おたいず思う人は、みなそこたで行くのです。

 モヌセが倩幕ぞ行く時はい぀でも、人々はみなそれぞれのテントの入口に立ち、圌が

䞭ぞ入るたで芋送るのでした。 䞭ぞ入るず雲の柱が降りお来お、神様がモヌセず話し

おいる間䞭、入口に雲がかかるのです。 人々はみなそれぞれのテントの入口で、雲

の柱に向かっお深くおじぎをし、瀌拝したす。 倩幕の䞭では、たるで友だち同士の

ように、神様が芪しくモヌセずお語りになりたす。 そのあず、モヌセは野営地に垰るの

ですが、圌の助手、ヌンの子ペシュアはそのたた倩幕に残りたす。

 モヌセは倩幕の䞭で、神様に蚀いたした。 「神様は私に、『人々

を玄束の地ぞ連れお行け』ず、い぀もおっしゃいたす。 けれども、どなたが私ずいっし

ょに行っおくださるのか、ただ教えおくださいたせん。 神様は、もったいなくも私を友

だちのように扱っおくださいたす。 たた、おこころにかなった者だずも蚀っおください

たした。 もしそれが本圓なら、どうぞ私の歩むべき道をはっきり瀺しおください。

そうすれば神様を理解できるようになり、おこころにかなった生掻が送れるでしょう。 こ

の囜民が神様ご自身のものであるこずを、忘れないでください。」

 「わかった。 安心しなさい。 わたしがいっしょに行く。 倱敗のないようにお

たえを守ろう。」

Page 48: Japenese Exodus

 「神様がごいっしょでなければ、この堎所から䞀歩でも動くのを蚱さないでくださ

い。 神様が共にいおくださらなければ、私ずこの囜民がおこころにかなっおいるこ

ず、たた、地䞊の他の囜民ずは違うこずが、どうしおわかりたしょう。」

 「いいだろう。 おたえの蚀うずおりにしよう。 確かにわたしはおたえに目をか

けおいる。 おたえは友だちも同然だからな。」

 それからモヌセは、神様の栄光を芋せおほしいず願いたした。

 神様は答えたした。 「わたしが䞎えるあらゆる良いものを、おたえに芋せよう。

たた、わたしの名によっおはっきり宣蚀しよう。 わたしは、自分がそうしようず思った

者に心から同情し、恵みを䞎える。 しかし、おたえはわたしの顔の栄光を芋おはな

らない。 わたしを芋た者はいのちがない。 だから、そばの岩の䞊に立ちなさい。

わたしの栄光がいた通り過ぎる。 おたえを岩の裂け目に入れ、わたしが通り過ぎる

たで、手でおたえをおおう。 わたしが手を取るず、おたえはわたしの背を芋る。 し

かし顔を芋るこずは決しおできない。」

䞉四

 神様はモヌセに呜じたした。 「最初のず同じような石板を二枚甚意しなさい。 お

たえが割った板に曞いたのず同じ戒めを、もう䞀床その板に曞こう。 朝になったら、

準備を敎えシナむ山に登りなさい。 頂䞊でわたしず䌚うのだ。 だれもいっしょに来

おはならない。 山のどこにも人がいおはならない。 矊や牛の矀れも、山の近くでは攟

牧しないようにしなさい。」

 モヌセは最初のず同じような石板を二枚甚意し、東の空が癜むころ、神様の呜什どお

りシナむ山に登りたした。 二枚の石板を䞡手にかかえおいたす。

神様は雲の柱ずなっお倩から䞋り、モヌセのそばに立ちたした。 それから圌の前を

通り過ぎ、ご自分の名によっお宣蚀したした。「わたしは䞻である。 思いやりにあふれた

恵み深い神である。 だから簡単には怒らない。 愛ず真実こそ、わたしの身䞊なのだ。

わたしは人々の眪を赊し、千代にもわたっお圌らを愛し通す。 しかしたた、はっきり

有眪ず決たった者を甘やかすこずもしない。 父芪の犯した眪のために、息子や孫ばかり

か、さらにのちの䞖代の者をも眰する。」

それを聞いお、モヌセは思わず神様の前にひざたずき、瀌拝したした。 「神様、ほ

んずうに私がおこころにかなっおいるのでしたら、どうぞ私どもずいっしょに、玄束の囜

たで行っおください。 圌らは確かに頑固でわがたたな囜民には違いありたせん。 けれ

どもお願いです。 どうぞその眪をお赊しください。 神様の囜民ずしお受け入れおくだ

さい。」

 「いいだろう。 おたえず契玄を結がう。 叀今東西、芋たこずも聞いたこずもな

い奇蹟を行なおう。 むスラ゚ル人はみな、神の力を目のあたりにするのだ。 おたえに

よっお、わたしは恐るべき力を瀺す。 契玄の盞手ずしおのおたえの矩務は、わたし

の戒めをすべお守るこずだ。 そうすれば、おたえの前から゚モリ人、カナン人、ヘテ人、

Page 49: Japenese Exodus

ペリゞ人、ヒビ人、゚ブス人を远い払う。

 目ざす玄束の囜ぞ着いたら、そこの䜏民ず決しお劥協しないよう、くれぐれも気を

぀けなさい。 いったん劥協すれば、知らず知らずのうちに、圌らの悪習に染たっおした

うからだ。 むしろ、異教の祭壇や瀌拝甚の石柱などはこわしおしたいなさい。 汚

らわしい偶像も切り倒しなさい。 わたし以倖には、どんな神々も拝んではならない。

わたしは絶察の忠誠ず、心からの献身を求める神である。

 その地の䜏民ず、どんな条玄も結んではならない。 圌らは、信仰の面では売春婊

ず同じだ。 偶像の神々にいけにえをささげるこずによっお姊淫を行ない、わたしに反逆

する。 䞇䞀圌らず芪しくなり、いっしょに行っお偶像を拝もうず蚀われたら、その誘惑

に負けおしたうだろう。 そしお、他の神々を拝む嚘たちを、息子の嫁に迎えるだろ

う。 するず、息子たちは劻の信じる神々を拝み、姊淫を行ない、わたしに反逆するこず

になる。 だから、偶像ずはいっさい関係を持たないようにしなければならないのだ。

 皮なしパンの祭りを䞃日間、必ず祝わなければならない。 毎幎䞉月ナダダ暊で

は䞀月の決たった時に、教えおおいたずおりに祭りを守りなさい。 それは、おたえた

ちが゚ゞプトを出た月だ。

 牛、矊、䜕でも最初に生たれた雄は、わたしのものだ。 ろばの初子は代わり

に矊をささげお買い戻せる。 買い戻さないず決めたら、銖を折る。 しかし人間の堎合、

長男はみな買い戻さなければならない。 ささげ物を持たずにわたしの前に出おはならな

い。

 忙しい耕䜜期や収穫期でも、六日間だけ働いお䞃日目は䌑みなさい。

 次の祭りを毎幎祝うこずを忘れおはならない。 小麊の最初の収穫を祝う䞃週の祭

り、それに収穫の祭りである。 幎に䞉床、祭りの時にはむスラ゚ルの男子はみな、

わたしの前に出なければならない。 男子党員が神の前に出るこの時は、だれもむス

ラ゚ルに攻撃をしかけない。 そのような囜はわたしが远い払い、むスラ゚ルの囜境を広

げる。

 わたしぞのささげ物ずいっしょに、むヌスト菌を入れたパンを䜿っおはならない。

過越の子矊の肉は、どの郚分でも翌朝たで取っおおいおはならない。 毎幎の最初の

収穫から、いちばん良い物を神の倩幕に持っお来なければならない。 子やぎを母芪の乳

で煮おはならない。」

 たた、神様はモヌセに呜じたした。 「わたしが瀺した法埋を曞き蚘しなさい。 こ

の法埋が、おたえずむスラ゚ルに察するわたしの契玄の条件だ。」

 モヌセは山で四十日四十倜、神様ずずもにいたした。 その間は、食べるこずも飲

むこずもしたせんでした。 この時、契玄の十戒を石板に蚘したのです。 モヌセは

二枚の石板をかかえお山を降りたした。 それたで神様ずいっしょだったために、モヌセ

の顔は茝いおいたしたが、自分では気が぀きたせんでした。 圌の顔の茝きを芋お、

アロンをはじめ人々は、そばに来るのを恐れたした。

Page 50: Japenese Exodus

 モヌセに呌ばれ、やっずアロンず指導者たちは来お、圌ず話したした。 その

あず、今床は人々が党員集たったので、モヌセは山で神様から䞎えられた戒めを䌝えたし

た。 話し終わるず、モヌセは顔にベヌルをかけたした。 しかし、神様ず話す

ために倩幕ぞ入る時はい぀でもベヌルを取り、倖ぞ出るたでそのたたにしおいたした。 そ

しお、神様から瀺されたこずは䜕でも人々に䌝えたした。 倖に出お来る圌の顔を芋

るず光り茝いおいたす。 そこでたた、圌は神様ず語るために倩幕ぞ入るたで、ベヌルを

぀けるのでした。

䞉五

 さおモヌセは、党囜民を呌び集めお蚀いたした。 「あなたがたが守らなければなら

ない神のおきおは、次のずおりだ。

 六日間だけ働きなさい。 䞃日目は神様を瀌拝する神聖な日、䌑息の日である。 こ

の日に働く者はだれでも死刑だ。 家の䞭で火をおこすこずさえ蚱されない。」

 モヌセはたた、䞀同に蚀いたした。 「神様は次のこずをお呜じになった。 ‐

ささげ物をしたい者はだれでも、これらのささげ物を神様のもずぞ持っお来およろしい。

金、銀、青銅

青のより糞、玫のより糞、深玅のより糞、䞊質のリンネル、山矊の毛

赀く染めた雄矊のなめし皮、特別な凊理を斜したじゅごん海に䜏む哺乳動物の皮

アカシダ材

ずもしび甚のオリヌブ油

泚ぎの油ず銙に䜿う銙料

゚ポデや胞圓おにはめる、しためのうず宝石類

‐特別な才胜に恵たれた熟緎した技術者は、みな集たりなさい。 そしお、神様

が呜じたずおりの物を䜜りなさい。

倩幕ずおおい、留め金、わく組み、暪朚、柱、土台

十戒の箱ずか぀ぎ棒

恵みの座

聖所を囲む幕

テヌブルずか぀ぎ棒ず噚具類いっさい

䟛えのパン

燭台、ずもしび皿ず灯油

銙の祭壇ずか぀ぎ棒

泚ぎの油ず銙りの高い銙

倩幕の入口甚の垂れ幕

完党に焌き尜くすいけにえをささげる祭壇

祭壇の青銅補の栌子ずか぀ぎ棒、噚具類

掗い鉢ずその台

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庭の呚囲を仕切る匕き幕

柱ず土台

庭の入口甚の幕

倩幕甚の釘、庭甚の釘ずひも

祭叞が聖所で務めをする時に着る服

祭叞アロンず息子たちが着る聖なる服。」

 人々はみな、ささげ物を甚意するため各自のテントぞ戻りたした。 心に感じ

た人たちは、倩幕や必芁な噚具類、聖なる服を䜜るための材料を、ささげ物ずしお持っお

来たした。 男も女もです。 みな喜んでささげる人ばかりです。 ある者は金や宝

石でできたむダリング、指茪、ネックレスなど、あらゆる皮類の金補品を持っお来たした。

ほかの者は青、玫、深玅のより糞、䞊質のリンネル、山矊の毛、赀く染めた雄矊のな

めし皮、特別に凊理したじゅごんの皮などを持っお来たした。 銀や青銅を持っお来

た者もいたす。 ある人は建築に必芁なアカシダ材をささげたした。

 瞫うこずず玡ぐこずがじょうずな婊人たちは、青、玫、深玅のより糞や、䞊質のリ

ンネルを持っお来たした。 ほかの婊人たちは、腕によりをかけお山矊の毛を玡ぎ、

垃を織りたした。 指導者たちはたた、゚ポデや胞圓おに䜿うしためのうずか、 

ずもしび甚や、泚ぎの油や銙り高い銙を調合するための、銙料やオリヌブ油を持っお来

たした。 こうしお、神様がモヌセに呜じた仕事に少しでも圹に立ちたいず願った人

たちはみな、心からのささげ物をモヌセのずころぞ持っお来たのです。

モヌセは圌らに蚀いたした。 「神様はナダ郚族のりリの息子で、フルの孫にあ

たるベツァル゚ルを、特別にこの仕事の総監督に任じられた。 圌は金や銀や青銅の

现工にたけ、 宝石を切ったり磚いたりするこずもうたい。 矎しい圫刻もお手のも

のだ。 党く必芁な技術はぜんぶ身に぀けおいる。 たた、ほかの人に教えるのもじ

ょうずだ。 ダン郚族のアヒサマクの息子オホリアブも、同じような才胜に恵たれおいる。

神様はこの二人に特別な才胜を䞎え、宝石现工人、建築垫にしおくださった。 それ

ばかりか、リンネルに青、玫、深玅の糞で矎しい刺しゅうもできるし、織物もじょうずだ。

これからの仕事に必芁なあらゆる技術にひいでおいる。

䞉六

ほかにも、才胜に恵たれた技術者がたくさんいる。 二人を䞭心にみんなで力を合わ

せ、調床品を䜜り䞊げおくれ。」 ベツァル゚ルずオホリアブをはじめ、この仕事に参加す

べきだず自分で思った人たち党員に、モヌセは仕事を始めるよう呜じたした。 そしお、

人々がささげた材料を枡したした。 ずころがそのあずも、新しい材料が毎朝ずどけられ

たす。

‐もうずおも、珟堎ではさばききれたせん。 みな仕事を䞭断し、モヌセにじきじき

実情を報告したした。 「材料があんたりたくさん集たりすぎお、䜿いきれないくらいで

す。」 それではず、モヌセは野営地䞭に、これ以䞊ささげ物をする必芁はないず䌝えさせ

Page 52: Japenese Exodus

たした。 おかげでようやく、人々は持っお来るのをやめたのです。

腕のいい織物垫たちが、たず䞊等の现いより糞で織ったリンネルで幕を十枚䜜り、青、

玫、深玅のより糞でケルビム倩䜿の像を織り出したした。 幕の倧きさは長さが十四

メヌトル、幅が二メヌトルです。 これを五枚ず぀぀なぎ合わせ、長い垃を二枚䜜り

たした。次に、それぞれの端に青いひもでルヌプを五十ず぀䜜り、察になるよう

にしたした。 ルヌプを぀なぎ合わせる留め金を五十個䜜り、二枚の長い垃を䞀枚に

しお、倩幕ができあがりたした。

垃の䞊には、二番目のおおいずしお、山矊の毛皮で䜜った十䞀枚の幕を䜿いたし

た。 それぞれ長さ十五メヌトル、幅二メヌトルのものです。 ベツァル゚ルはこの

五枚を぀なぎ合わせお䞀枚の長い幕ずし、残りの六枚も別の長い幕ずしたした。 次

に、それぞれのぞりに沿っおルヌプを五十ず぀䜜り、 五十個の小さな青銅の留め金

で぀なぎ、二枚の幕をぎったり぀なぎ合わせたした。

 屋根の倖偎にかぶせるおおいは、赀く染めた雄矊のなめし皮ずじゅごん海に䜏む

哺乳動物の皮で䜜りたした。

 倩幕の偎面にするために、たっすぐ立ったわく組みをアカシダ材で䜜りたした。 

䞀枚の板は高さ五メヌトル、幅䞃十五センチです。 それぞれの板には二個のほぞ

を぀けお、隣の板にはめ蟌みたす。  南偎に板が二十枚、 䞋の郚分は銀の土

台四十個にさし蟌みたす。 䞀枚の板に二個ず぀の土台ずほぞを䜿っお、しっかり固定し

たのです。 北偎にも板が二十枚、それぞれに二個ず぀、党郚で四十個の銀の土

台を䜜りたした。 西偎、぀たり倩幕のうしろ偎は板六枚ず、 䞡すみに䞀枚ず

぀の板を眮きたした。 この二枚はそれぞれ䞋を重ね、䞊を環で぀なぎたす。 

ですから西偎には、党郚で板が八枚、それぞれの䞋に二個ず぀、蚈十六個の銀の土台があ

ったこずになりたす。

次にベツァル゚ルは、わく組みの板をしっかり぀なぎ合わせるために、アカシダ

材で暪朚を䜜りたした。 倩幕の䞉方に五本ず぀の暪朚です。 五本のうち真ん䞭の

暪朚は、板のほが䞭倮を端から端たで通っおいたす。 板ず暪朚にはすべお金をかぶ

せ、朚を通す環は玔金でした。

 倩幕内を仕切る垂れ幕は、青、玫、深玅のより糞でリンネルを織り、ケルビムを織

り出したした。 幕は、アカシダ材の四本の柱に金のかぎを四぀取り぀け、そこから

垂らしたした。 柱には金をかぶせ、四個の銀の土台にはめ蟌んでありたす。

 次に倩幕の入口甚のカヌテンを䜜りたした。 目の぀んだリンネルに青、玫、深玅

の刺しゅうをしたものです。 カヌテンは五個のかぎで取り぀け、柱の頭郚ず環に金

をかぶせたした。 土台は青銅で五個䜜りたした。

侉侃

 次に、ベツァル゚ルは十戒の箱を䜜りたした。 アカシダ材で䜜り、長さ癟二十五セ

ンチ、幅䞃十五センチ、高さ䞃十五センチに仕䞊げたした。 内偎にも倖偎にも玔金を

Page 53: Japenese Exodus

匵り、呚囲に金の瞁食りを巡らしたした。 片偎に二぀ず぀䞊ぶよう、四すみに金の環

を四個぀けたした。 アカシダ材でか぀ぎ棒を䜜っお金をかぶせ、 箱の偎面の環に

通したす。 その棒をか぀いで箱を運ぶのです。

 それから、玔金で箱のふたを䜜りたした。 これは『恵みの座』ず呌ばれたす。 長

さ癟二十五センチ、幅䞃十五センチです。 䞡端に、金でケルビム倩䜿の像を二぀

打ち出したした。 ケルビムはふたの䞀郚分で、切り離すこずはできたせん。 ケル

ビムは互いに顔を芋合わせ、䌞ばした翌が恵みの座におおいかぶさっお、それを芋䞋ろす

圢にしたした。

 次はテヌブルです。 やはりアカシダ材で、長さ䞀メヌトル、幅五十センチ、高さ

䞃十五センチです。 それに玔金を匵り、ぐるりず金の瞁食りを぀けたした。 

呚囲に八センチ幅のわくを぀け、それに沿っお金の瞁食りを぀けたのです。 次に金

の環を四぀䜜り、四本の足の、 瞁食りに近いずころぞ぀け、アカシダ材に金を

かぶせたか぀ぎ棒を通すようにしたした。 たた、玔金で鉢、氎差し、皿、びんを䜜

り、テヌブルの䞊に眮きたした。

 玔金を打ち出しお燭台を䜜りたした。 台座、支柱、ずもしび皿、アヌモンドの花

食りが、ぜんぶ䞀䜓ずなるようにしたのです。 燭台の支柱には、䞡偎から䞉本ず぀、

蚈六本の枝が出るようにしたした。 それぞれの枝は䞉぀の花で食りたした。 

支柱にも同じようにアヌモンドの花食りを぀けたした。 䞉察の枝の間に二぀、䞋ず

䞊に二぀、合蚈四぀です。 食りず枝はみな、䞀かたたりの玔金を打ち出しお䜜りた

した。 枝の先に䞃぀のずもしび皿を぀け、芯切りばさみず灰皿ずを玔金で䜜り

たした。 燭台党䜓は五十キログラムの重さがあり、すべお玔金です。

 銙の祭壇はアカシダ材で䜜りたした。 五十センチ四方の正方圢で、高さは䞀メヌ

トルです。 すみに、壇の䞀郚ずしお角を圫り぀けたした。 党䜓に玔金をかぶせ、

ぞりには金の瞁食りを぀けたした。 壇の䞡偎面、瞁食りの少し䞋に金の環を二個぀

け、か぀ぎ棒を通したした。 か぀ぎ棒はアカシダ材で、金をかぶせおありたす。

 次に、銙りのよい銙料を䜿っお、聖なる油を調合したした。 祭叞に泚ぐ油や、玔

粋な銙ずしお甚いる油です。 調合には高床の技術がいりたした。

䞉八

 完党に焌き尜くすいけにえの祭壇も、アカシダ材で䜜りたした。 䞊郚は二・五メヌ

トル四方の正方圢、高さは䞀・五メヌトルです。 四すみに、他の郚分ず切れ目なく続

くよう、四本の角を぀けたした。 祭壇には青銅を匵り、 祭壇で䜿う぀が、十胜、鉢、

肉刺し、火皿などの噚具類も青銅で䜜りたした。 次に、炉の半ばあたりに棧を匵り、

そこに青銅の栌子を眮きたした。 環を四぀䜜り、栌子の四すみのずころでか぀ぎ棒を

通せるようにしたした。 か぀ぎ棒はアカシダ材で、青銅をかぶせおありたす。 祭

壇の偎面に぀けた環に、その棒を通したす。 祭壇の偎面は板で、䞭はがらんどうでした。

 倩幕の入口で奉仕しおいた女たちが、青銅の鏡を寄付したので、それを䜿っお青銅の

Page 54: Japenese Exodus

掗い鉢ずその台を䜜りたした。

 次は庭です。 南偎は五十メヌトルで、现い䞊等のより糞を織っお幕を䜜り、それを

匵り巡らしたのです。 幕を垂らす柱を二十本立おたした。 土台は青銅で、柱には

銀のかぎず環を぀けたした。 北偎にも五十メヌトルの幕を匵り、青銅の柱二十本ず

その土台、銀のかぎず環がありたす。 西偎は二十五メヌトルで、十本の柱ず土台で

幕を支えたした。 柱には、やはり銀のかぎず環が぀いおいたす。 東偎も二十五メ

ヌトルです。

入口の䞡偎には、幅䞃メヌトル半の幕を垂らし、それぞれ䞉個の土台に立おた䞉

本の柱で支えたした。 庭の仕切りずしお巡らした幕は、どれも现い䞊等のより糞で

織ったものです。 柱はみな青銅の土台にはめ蟌み、かぎず環は銀です。 柱の頭郚

には銀をかぶせ、幕を垂らす環は玔銀でした。

 庭の入口に垂らすカヌテンは䞊質のリンネルで䜜り、青、玫、深玅のより糞で矎し

い刺しゅうをしたした。

幕の幅は十メヌトル、高さは二メヌトル半で、庭の仕切りずした他の幕ず同じ高さです。

幕は四本の柱ず四個の青銅の土台、銀のかぎず環で支えたした。 柱の頭郚も銀でし

た。

 倩幕ず庭を䜜るのに甚いた釘は、すべお青銅です。

 これが、箱を玍める倩幕の建蚭工事の諞工皋です。 倩幕ができ䞊がり、ようやく

レビ郚族が仕事に぀けるようになりたした。 いっさいの工事は、モヌセが立おた蚈画ど

おり行なわれ、祭叞アロンの息子むタマルが監督したした。 ナダ郚族のりリの息子

で、フルの孫にあたるベツァル゚ルが、技術面での責任者ずなり、 ダン郚族のアヒ

サマクの息子オホリアブが、助手を務めたした。 圌も熟緎した職人で、圫刻、蚭蚈、色

ずりどりの刺しゅうをするのに、すばらしい腕を発揮したした。

 人々がささげ、倩幕建蚭に䜿った金は千四癟キログラムに達したした。

銀は四千二癟五十キログラム䜿われたした。 これは、人口調査の時に登録する

二十歳以䞊の人から取り立おた、癟五十円の人頭皎でたかなわれたした。 登録したのは、

蚈六十䞇䞉千五癟五十人です。 聖所の壁ずなるわく組みの土台ず、垂れ幕を支える

柱の土台には、䞀個に぀き四十二キログラム、蚈四千二癟キログラムの銀が必芁でした。

残った銀は柱頭にかぶせたり、環やかぎを䜜るために䜿いたした。

 青銅は䞉千䞉癟六十五キログラムささげられ、 次のような物を䜜るのに

䜿われたした。 倩幕の入口に立おる柱の土台、祭壇、栌子、祭壇に付属する噚具類、庭

を仕切る匕き幕を支える柱の土台、倩幕ず庭の釘などです。

䞉九

 次に、青、玫、深玅のより糞で、祭叞甚の矎しい服を䜜りたした。 聖所で務めをす

る時に着る服です。 同じ生地で、アロンの聖なる服も䜜りたした。 すべお、神様がモ

ヌセに呜じたずおりです。 ゚ポデひざ䞋たでの、そでなし䞊着も、同じ䞊質のリ

Page 55: Japenese Exodus

ンネルず、金、青、玫、深玅のより糞で䜜りたした。 ベツァル゚ルは金の板を薄く延

ばし、现く切っお金糞を䜜りたした。 それを青、玫、深玅の糞により蟌み、垃に織るず、

実に粟巧な矎しい垃ができ䞊がりたした。

゚ポデには肩圓おを぀け、䞡端を留めるようにしたした。 䞊に締める垯も織りたし

た。 生地ぱポデず同じく、金、青、玫、深玅の现いより糞を織り蟌んだリンネルで、

たいぞん矎しいものでした。 神様がモヌセに指瀺したずおりです。 二個のしため

のうを金の台にはめ、゚ポデの肩圓おに瞫い぀けたしたが、石の䞊には、むニシアルのよ

うにむスラ゚ルの党郚族の名を圫りたした。 この石を芋お、神様がむスラ゚ル囜民を絶

えず思い起こせるようにしたのです。 すべお神様がモヌセに指瀺したずおりです。

 胞圓おも゚ポデず同じように、金、青、玫、深玅のより糞で織った䞊質のリンネルで、

矎しく䜜りたした。 これは二十五センチ四方の垃で、二぀に折っお袋状にしたした。

そこには宝石を四列に䞊べたした。 最初の列はルビヌ、トパヌズ、゚メラルド。 

二列目はトルコ玉、サファむダ、ダむダモンド。 䞉列目はヒダシンス石、めのう、

玫氎晶。 四列目は緑柱石、しためのう、碧玉。 これらはみな金の台にはめたした。

石には、むスラ゚ルの十二郚族の名を、印ず同じように圫り぀けたした。

‐胞圓おを゚ポデに結び぀けるために、゚ポデの肩圓おに金の環を぀けたした。

この環ず、胞圓おの䞊すみの金の留め金ずを金の鎖で぀なぐのです。 たた、胞圓お

の䞋のぞり、ちょうど゚ポデず接する所の内偎にも、金の環を二個぀けたした。 別

の金の環を、゚ポデの肩圓おの䞋郚に぀けたした。 ゚ポデの䞊から、矎しく織った垯を

締めるあたりです。 胞圓おの環ず゚ポデの環ずを青いひもでしばり、胞圓おを、垯

の䞊にしっかり結び぀けたした。

䜕もかも神様の呜什どおりです。

 ゚ポデの䞋に着る服は青糞で織りたした。 真ん䞭に、ちょうどよろいの銖の

郚分のように頭を通す穎をあけ、ほ぀れないようにかがりたした。 長服のすそには、

ざくろを぀けたした。 これは、青ず玫ず深玅のより糞で䜜ったものです。 ざ

くろずざくろの間には、玔金の鈎も぀けたした。 服のすそに鈎ずざくろが亀互に䞊ぶわ

けです。 この長服は、アロンが祭叞の務めをする時に着たす。 神様がモヌセにそう呜

じたのです。

 现いより糞で織ったリンネルで、アロンず息子たちのために䞊着を䜜りたした。 

矎しいタヌバン、垜子、䞋着もみな、同じ垃で䜜り、垯には青、玫、深玅の糞で矎

しい刺しゅうをしたした。 神様がモヌセに呜じたずおりです。 最埌に、タヌバン

の正面に぀ける聖なるプレヌトを玔金で䜜りたした。 その䞊には、「神のために特別に遞

ばれた者」ずいうこずばを圫り、 青いひもでタヌバンに結び぀けたした。 神様が

教えたずおりです。

 こうしお぀いに、神様がモヌセに指瀺したいっさいの工事が終わり、神の倩幕が完

成したした。

Page 56: Japenese Exodus

‐そこで工事担圓者は、でき䞊がった倩幕ず付属品を党郚、モヌセのずころぞ運

んで来たした。

調床品、留め金、わく組みの板、暪朚

柱、土台、屋根ず偎面甚の赀く染めた雄矊のなめし皮、特別になめしたじゅごん海に䜏

む哺乳動物の皮、仕切りの垂れ幕、十戒を玍めた箱

か぀ぎ棒

恵みの座

䟛えのパンのテヌブルず付属品

䟛えのパン

玔金の燭台ずずもしび皿、付属品、油

金の銙の祭壇

泚ぎの油

銙りの高い銙

倩幕の入口甚のカヌテン

青銅の祭壇

青銅の栌子

か぀ぎ棒ず付属品

掗い鉢ずその台

庭を仕切る匕き幕ずそれを支える柱

柱の土台ず庭の入口に䞋げる幕

ひも類ず釘

倩幕で䜿うあらゆる甚具類

 そのほか矎しく仕立おた祭叞甚の服も、モヌセに点怜しおもらいたした。 祭叞が

聖所で務めをする時に着る服、぀たり倧祭叞アロンの聖なる服ず、圌の息子たちが公匏に

着る衣装などです。

 このようにしおむスラ゚ル囜民は、神様がモヌセに指瀺したこずを、党郚、そのず

おり行ないたした。 モヌセはでき䞊がった物を䞀぀残らず点怜し、祝犏したした。

䜕もかも神様の指瀺どおりにできおいたからです。

四○

 さお、神様はモヌセに呜じたした。 「䞀月䞀日ナダダ暊による。 倪陜暊では

䞉月䞭旬に、神の倩幕を組み立おなさい。 十戒を玍めた箱を倩幕に安眮する。 至

聖所に箱を眮き、その前には仕切りの垂れ幕をし぀らえるのだ。 次に、䟛えのパンの

テヌブルを運び入れ、その䞊に甚具類を䞊べる。 燭台を持っお来お、ずもしび皿を茉せ

る。

 箱の前には金の銙の祭壇を眮き、倩幕の入口にカヌテンを垂らす。 入口の前に、

完党に焌き尜くすいけにえ甚の祭壇を眮く。 倩幕ず祭壇ずの間に掗い鉢を眮き、氎を

Page 57: Japenese Exodus

満たす。 それがすんだら、倩幕の回りに庭を造り、庭の入口にはカヌテンを垂らす。

 組み立おが終わったら、泚ぎの油を倩幕ずその䞭にある物ぜんぶに泚ぎなさい。 い

ろいろな甚具類、すべおの調床品にも泚いで、それらをきよめる。 完党に焌き尜く

すいけにえ甚の祭壇ずその甚具類も、同じようにする。 これで、祭壇は最も神聖なもの

ずなる。掗い鉢ずその台も同様だ。

 次に、アロンず息子たちを倩幕の入口に連れお来お沐济させ、アロンに聖なる

服を着せお油を泚ぎなさい。 祭叞ずしおわたしに仕えるこずができるように、圌をきよ

めるのだ。 次に、圌の息子たちを連れお来お祭叞の服を着せ、 父芪ず同じよ

うに圌らにも油を泚ぎ、祭叞ずする。 その油泚ぎは䜕代にもわたり、氞遠に続く。 息

子たちも、たたその息子たちも、氞遠にわたしの祭叞ずなるからだ。」

 そこでモヌセは、神様に呜じられたこずをすべお実行に移したした。 二幎目

の正月の䞀日に、倩幕が組み立おられたした。 モヌセはたず、わく組みの板を土台

にはめ蟌み、暪朚を぀けたした。 それから、屋根のおおいをかけ、さらに幕を重ね

たした。 すべお神様に呜じられたずおりです。

 箱の䞭に十戒を刻んだ二枚の石板を入れ、環にか぀ぎ棒を通したした。 箱の䞊に

は、恵みの座ず呌ばれる金のふたを茉せたした。それから、箱を倩幕に入れ、仕切り

の垂れ幕をかけたした。 すべお神様に呜じられたずおりです。

 次に、䟛えのパンのテヌブルを垂れ幕の倖の北偎に眮き、 䟛えのパンを神様

に䟛えたした。 すべお神様に呜じられたずおりです。

 倩幕の南偎、テヌブルの反察偎に燭台を眮きたした。 次に、指瀺されたずお

り、神様の前にずもしび皿を敎えたした。 それから、垂れ幕のすぐ前に金の銙の祭

壇を眮き、 銙りの高い銙料で䜜った銙をたきたした。 すべお神様に呜じられたず

おりです。

 倩幕の入口にはカヌテンを取り぀けたした。 そしお、倖ぞ出た所に完党に焌

き尜くすいけにえ甚の祭壇を眮き、その䞊でいけにえず穀物のささげ物をささげたした。

すべお神様に呜じられたずおりです。

 次は掗い鉢です。 倩幕ず祭壇の間に眮き、氎を満たしたした。 祭叞たちがその

氎で手足を掗えるようにしたのです。 モヌセずアロンずアロンの息子たちは、そこ

で手足を掗いたした。 倩幕ぞ入るために祭壇のずころを通っお行く時はい぀も、そ

こで立ち止たり、手足を掗うのです。 すべお神様に呜じられたずおりです。

 それから、倩幕ず祭壇を囲む庭を造りたした。 庭の入口にもカヌテンを垂らした

した。 こうしお぀いに、モヌセはいっさいの仕事を終わったのです。

 するず、雲が倩幕にかかり、神様の栄光が茝きわたりたした。あたりの神々し

さに、モヌセは䞭ぞ入れたせんでした。 雲が倩幕から離れお動きだした時、むスラ

゚ル人はそのあずに埓っお旅をしたした。 雲が動くのをやめるず䞀行もそこに止た

り、雲が動きだすたでじっず埅぀のです。 昌間は雲が倩幕にかかり、倜は雲の䞭に

Page 58: Japenese Exodus

赀々ず火が茝き、人々はみなその有様を芋たした。

これは旅の間ずっず絶えるこずがありたせんでした。

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