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JAXA長期ビジョン JAXA 2025 参考資料集 2005年3月31日 宇宙航空研究開発機構

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Page 1: JAXA長期ビジョン2005/04/06  · JAXA長期ビジョン-JAXA2025- 参考資料集目次 1.我が国の活動 (1) 1.1 我が国の宇宙開発活動の概要 1.2 我が国の航空機開発活動の概要

JAXA長期ビジョン

- JAXA 2025 -

参考資料集

2005年3月31日

宇宙航空研究開発機構

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JAXA長期ビジョン-JAXA 2025-

参考資料集 目次

1.我が国の活動 (1)

1.1 我が国の宇宙開発活動の概要1.2 我が国の航空機開発活動の概要1.3 JAXA予算及び人員の推移

2.宇宙航空分野を取り巻く国際的な状況 (7)

2.1 世界の宇宙開発の歴史2.2 海外の宇宙開発計画の動向2.3 各国の政府宇宙予算2.4 各国の状況(ロケット分野)2.5 各国の状況(有人宇宙活動分野)2.6 欧米の状況(航空分野)

3.宇宙航空産業の現状と課題 (23)

3.1 我が国宇宙産業の現状と市場動向3.2 我が国航空機産業の現状と市場動向

4.用語解説 (33)

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1.我が国の活動

(1)

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(3)

(1994~1999)

(1997~)

(1986~1992)(1966~1970)

(2001~)

ペンシルロケット

H-ⅠN-Ⅰ(1975~1982)

L-4S

M-V

【ロケット開発】【ロケット開発】

ロケット名称(運用期間)低軌道への打上げ能力 約1.2トン

ペンシルロケット(1955年)から始まった我が国ロケット開発は、全段自主技術で2トン級の静止衛星打ち上げ能力を有するH-Ⅱロケット開発に成功するにまで至った(1994年初打上げ)。

その後、更なる信頼性、性能向上及びコスト低減を目指したH-ⅡAロケット打上げに成功(2001年8月)し、技術、価格とも世界水準に比肩し得るところまで到達した。

他方、商業ベースでの国際競争力確保に向けて更なる信頼性の確保等が課題となっている。

約10トン

約1.8トン

約10トン

約3トンH-Ⅱ

実利用を目指した通信・放送・気象衛星は、社会に定着。技術試験衛星などの開発により、大型静止バス技術、ランデブードッキング技術などについて世界に比肩できる技術水準まで到達した。地球観測分野についても着実な開発の結果、地球環境監視や情報収集衛星の開発などにおいて国際社会や国家安全保障面での貢献を行っている。衛星システムや主要なコンポーネントの技術レベルで世界水準に達しているが、国際競争力の観点では、信頼性、納期、価格などの面で、十分に商業ベースに達しているとはいえない

【人工衛星の開発】【人工衛星の開発】

地球観測衛星地球観測プラットフォーム技術衛星気象衛星 通信衛星 放送衛星

技術試験衛星

データ中継技術衛星

通信放送技術衛星

1.1 1.1 我が国の宇宙開発活動の概要我が国の宇宙開発活動の概要

H-ⅡA固体燃料ロケット

液体燃料ロケット

M-3S

約26kg約300kg

(1980~1984)

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(4)

宇宙ステーション補給機(HTV)の開発

「きぼう」(日本実験棟)の開発

国際宇宙ステーション

有人宇宙活動技術の蓄積 生命科学実験施設の開発

【国際宇宙ステーション計画】【国際宇宙ステーション計画】

欧米と対等なパートナーとして国際宇宙ステーション計画に参加し、我が国の国際的地位の確保に貢献している。スペースシャトルでの日本人宇宙飛行士の宇宙飛行、「きぼう」(国際宇宙ステーションの日本実験棟)、生命科学実験施設、宇宙ステーション補給機の開発などを通じて基盤的な有人技術を習得中。ただし、有人輸送技術についての本格的な研究開発には着手していない。

0

50

100

150

200

250

300

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

論文等数(X線天文衛星「あすか」の例)

博士論文:102 (2003/3)、学術雑誌:1420(査読付き)

【宇宙科学】【宇宙科学】

X線天文衛星など、連続的かつ特徴的なミッションにより、宇宙科学の分野において

世界最高水準の成果を獲得している。

太陽物理学衛星

X線天文衛星

小惑星からのサンプルリターン

我が国最初の衛星「おおすみ」

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(5)

1960 1970 1980 1990 2000

航空機

エンジン

B767分担率15%

民間機用エンジン日英米独共同開発V2500 分担率23%

国産大型ターボファンエンジン FJR710

短距離離着陸技術実証機

STOL飛鳥

極超音速エンジン(HYPR)超音速エンジン(ESPR)

研究開発(JAXA)

2010

国産民間小型機 MU-2等

日本初の民間旅客機 YS11

SST開発調査・高速機研究

B777分担率21%

自 衛 隊 用 航 空 機

長期ビジョン

小型超音速実験機

極超音速機

超音速機

超音速エンジン

高効率エンジン

1.1.2 2 我が国の航空機開発活動の概要我が国の航空機開発活動の概要

航空機の潮流を踏まえJAXAは短距離離着陸技術、大型ターボファンエンジン等の先行技術研究開発を行って技術を蓄積。今後市場優位性等に着目した新たな取組みが求められている。

国際共同開発

国産小型旅客機開発約40年ぶりの国産旅客機

国産小型エンジン開発

民間機用エンジン国際共同開発米国GE社、米国P&W社

英国ロールスロイス社

B787分担率35%

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(6)

1,640

1,660

1,680

1,700

1,720

1,740

1,760

1,780

1,800

1,820

FY5 FY6 FY7 FY8 FY9 FY10 FY11 FY12 FY13 FY14 FY15

年度

職員数

1.3 1.3 JAXA予算及び人員の推移JAXA予算及び人員の推移

旧3機関の人員数推移

JAXAの予算規模は、平成11年度以降漸減傾向にある。人員規模も予算に連動して漸減傾向にある。

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16

年度

単位 億円

IGS JAXA受託以外

JAXA以外

IGS JAXA受託分JAXA/旧3機関

(JAXA/旧3機関以外の予算は参考掲載)

旧3機関/JAXAの予算推移

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2.宇宙航空分野を取り巻く国際的な状況

(7)

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(9)

年代

1950 NASA(米国航空宇宙局)設立(1958)

アポロ11号(1969)

インテルサット恒久協定発効(1973)

スペースシャトル初飛行(1981) チャレンジャー事故(1986)

GPS民生利用開始(1993)

宇宙ステーション組立て開始(1998)

スプートニク1号(1957)

ガガーリン少佐宇宙飛行(1961)

ミール打上げ(1986)

中国初のロケット打上げ(1970)ESA(欧州宇宙機関)発足(1975)ESA初のアリアンロケット打上げ(1979)

アリアンロケット初の商業打上げ(1984)

中国有人宇宙飛行成功(2003)

ペンシルロケット試験成功(1955)

NASDA(宇宙開発事業団)発足(1969)

東大が我が国初の人工衛星打上げ(1970)

NASDA初の人工衛星/N-Ⅰロケット初号機(1975)

N-Ⅱロケット初号機(1981)

H-Ⅰロケット初号機(1986)

H-ⅡAロケット初号機(2001)JAXA(宇宙航空研究開発機構)発足(2003)H-ⅡAロケット打上げ再開(2005)

衛星調達に関する日米合意(1990)により商業/実用衛星が公開調達に毛利宇宙飛行士初飛行(1992)

H-Ⅱロケット初号機(1994)

500日の宇宙滞在記録達成(1991) ISS計画への参加(1993)

1 9 6 0

1970

1980

1990

2000

米国 旧ソ連/ロシア 日本 その他の国

2.1 2.1 世界の宇宙開発の歴史世界の宇宙開発の歴史

コロンビア事故(2003)新米国宇宙政策発表(2004)

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(10)

2010▼

国際宇宙ステーション国際宇宙ステーション

新宇宙政策(月・惑星探査) 2014▼

・LEO有人飛行能力

・月無人探査能力

2020▼

・月有人探査・火星無人探査

・月有人滞在・CEV月軌道長期滞在

・火星無人探査

オーロラ計画オーロラ計画2024

・月有人探査 2033▼

・火星有人探査【【欧州欧州】】

【【米国米国】】

・月有人基地

・火星有人基地

・組立完成・スペースシャトル退役

2015▽

月月探査計画探査計画

【【中国中国】】

・LEO宇宙ステーション

・月無人サンプルリターン・月無人着陸・月無人周回

・再突入デモ ・有人技術デモ

▼は最長達成目標▽は最短達成目標

NPOESS(気象観測)

▲2011

▲2007準備衛星

打上げ衛星1機目打上げ

▲2008

衛星2機目打上げ

GMES(環境監視・安全保障)

実施フェーズ▲

2008 運用フェーズ

GALILEO(全地球的衛星測位システム:欧州版GPS)

配備フェーズ▲

2008 運用フェーズ▲

2005

試験衛星打上げ

2005年 2010年 2015年 2020年 2025年

▲2007

▲2014

2007▼

2012▼

2.2 2.2 海外の宇宙開発計画の動向海外の宇宙開発計画の動向

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(11)

我が国の政府全体の宇宙予算規模は平成13年度をピークに漸減が続いている一方、欧米の宇宙予算は増大の傾向にある。

米国軍事予算

米国非軍事予算

欧州非軍事予算

日本予算

欧州軍事予算

日・米・欧 政府宇宙予算の推移

2.3 2.3 各国の政府宇宙予算各国の政府宇宙予算

【各国の政府宇宙予算の推移】

単位:百万ドル

World Prospects for Government Space Markets, 2004 Edition, Euroconsultによる

約0.3%約0.06%約0.05%宇宙予算の対GDP比

約3兆8000億円約7000億円約2700億円政府予算(軍事予算含む)

(NASA)約8(ESA)約1.7(JAXA)1宇宙機関予算(受託費含む)

JAXAを1としたときの比率

約15約31日本を1としたとしたときの比率

米国米国欧州欧州日本日本

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(12)

National Accounts of OECD Countries(OECD)及びIndicators for OECD non-member countriesによる各国GDP、World Prospects for Government Space Markets 2004 Edition, Euroconsultによる各国政府宇宙予算を元にJAXAが作成。なお、仏、独、伊、英について「各国計画予算+ESA拠出金+EUMETSAT拠

出金」を政府宇宙予算としている。

0

0.05

0.1

0.15

0.2

0.25

0.3

アメリカ

ロシ

アフラン

スイン

ドイタリア

日本

イス

ラエ

ルドイツ

カナ

ダ韓

国イギ

リス

中国

ブラジ

【【政府宇宙予算対GDP比率の各国比較政府宇宙予算対GDP比率の各国比較】】

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(13)

米国及び欧州の宇宙予算の増加傾向、中国・インド等の躍進の中で日本の予算は削減の一途にあり、このままでは、世界の宇宙開発の発展の中で、大きく立ち遅れる恐れがある。また、JAXA人員数は、米国NASAの約1/13、欧州の約1/4にとどまっている。

(年度)9 10 11 12 13 14 15 16

3,094 3,315 3,393 3,466 3,645 3,6513,427 3,454

2,192 2,220 2,259 2,112 2,003 1,902 1,851 1,792

JAXA、NASA、ESA予算の推移(単位:億円)

JAXA ESA NASA

*1米ドル=110円、1ユーロ=128円で換算

15,080 15,002 15,032 14,961

15,679

16,27316,956

17,016

【【JAXAJAXA、、NASANASA、、ESAESAの予算動向と人員の比較の予算動向と人員の比較】】

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

35000

40000

45000

日本 米国 欧州

JAXA1,783人

※日本の人員数は2003年度。

※NASAの人員数は2003年4月時、DoDの人員数は2000年度。

※欧州の人員数については、2000~2002年度の公表値を基に推計。

日本JAXA:宇宙航空研究開発機構

米国NASA:航空宇宙局DoD :国防総省

欧州ESA :欧州宇宙機関CNES:仏国立宇宙研究センターDLR :独航空宇宙センターASI  :伊宇宙機関

BNSC:英国国立宇宙センター

欧州9,915人

DoD22,600人

NASA18,079人

単位:人

世界の宇宙機関の人員数の比較

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(14)

米国 日本

6.0

18.0

7465.4542

欧州

アリアン5G

ウクライナ 中国ロシア

4.03.56.04.91.45.04.2静止遷移軌道打上げ能力 (t)

108.4-19.86.912.58.1低軌道打上げ能力(t)

285464471692310333250全備質量(t)

4.03.43.97.43.03.84直径 (m)

53626057555863全長 (m)

2234222段数

国名

H-ⅡA(標準型202)

長征2F号(CZ-2F)

ゼニット3SL(シーロンチ)

プロトンKソユーズUアトラス5(Atlas5 401)

デルタ4(Delta 4M)

ロケット名

20m

40m

60m

【【大型ロケット能力一覧表大型ロケット能力一覧表】】

2.4 2.4 各国の状況(ロケット分野)各国の状況(ロケット分野)

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(15)

5,100

2322.4

38~393

米国

デルタ2(7925/7920)

1,497

1092.4322

コスモス(Cosmos-

3M)

4,400

2103.3482

日本

GX

1,500*

1363304

欧州

ベガ

日本ロシア

1,8001,8484401,3772,050低軌道打上げ能力 (kg)

1281072373120全備質量(t)

2.52.51.32.42.3直径 (m)

3129172828全長 (m)

33344段数

国名

M-Vロコットペガサス

XLトーラスアテナ

(Athena 2)ロケット名

10m

20m

30m

【【中小型ロケット能力一覧表中小型ロケット能力一覧表】】

*ベガの打上げ能力は「極軌道」への打上げ能力

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(16)

【【打上げ能力・コスト比較(大型)打上げ能力・コスト比較(大型)】】

※標準的費用を記載。実際の価格は競争の激化により低下

円ドル換算レート:120円/ドル

20

40

60

80

100

120

140

160

180

2 4 6 8 10 12 14静止遷移軌道(GTO)への打上げ能力 , ton

打上

げ価

格 

, 

M$

   :日本   :欧州   :米国   :ロシア

8M$/ton

16M$/ton

出典:・宇宙開発データブック付録7-1(2001)・Andrews Space & Technology Privacy Statement and Copyright Information(2001)・International Reference Guide to Space Launch Systems, 3rd Edition・AVIATION WEEK & SPACE TECHNOLOGY/JANUARY 14,2002 他(円ドル換算レート:120円/ドル)

H-IIA標準型(202)

デルタ4M

アトラス5(401)

アリアン5 アリアン5 ECA

ゼニット3SL

プロトンK

H-IIA能力向上型(開発中)

(日本)

(日本)

(欧州)

(欧州)

(米国)

(米国)(ロシア)

(ロシア)

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(17)

【【打上げ能力・コスト比較(中小型)打上げ能力・コスト比較(中小型)】】

0

10

20

30

40

50

60

0 1 2 3 4 5 6低軌道(LEO)の打上げ能力 , ton

打上

げ価

格 

, 

M$

出典:・Aerospace America FEBRUARY 2004・International Reference Guide to Space Launch Systems, 3rd Edition・各社ホームページ 他

(円ドル換算レート:120円/ドル)

トーラス

コスモス ロコット

アテナ2

ペガサス

ベガ(開発中)

M-V

   :日本   :欧州   :米国   :ロシア

デルタ2(7920)

GX(開発中)

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(18)

【各国のロケットの打上の成功率各国のロケットの打上の成功率】】(対象期間:1980年~2005年2月)

打上げ機数/失敗数

50%

60%

70%

80%

90%

100%

打上

1,470/61506/36 164/11

79/8

18/6

49/5

6/2

(注)多国籍企業(シーロンチ社、インターナショナルロンチサービシズ社等)による打上げは除く。

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(19)

1993年~2005年2月

デルタⅠ,Ⅱ,Ⅲ(米国)

アトラス(米国)

長征1,2,3,4(中国)

プロトン(ロシア)

アリアンⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ

(欧州)

タイタンⅡ,Ⅲ,Ⅳ(米国)

N-I,ⅡH-I,Ⅱ,ⅡA

(日本)

1993(H5)

1994(H6)

1995(H7)

1996(H8)

1997(H9)

1998(H10)

1999(H11)

×× × × ×

×××

× × ××

× ×

×

××

× ×

×

×

× ×

2000(H12)

2001(H13)

2002(H14)

2003(H15)

× ×

×

×

276 / 310 (89.0%)1965年~

75 / 83 (90.4%)1970年~

197 / 217 (90.8%)1964年~

293 / 311 (94.2%)1960年~

290 / 331 (87.6%)1960年~

154 / 165(93.3%)1968年~

34 / 38 (89.5%)1975年~

成功数 / 打上げ回数(成功率)

対象年~

××

1960(S35)

1961(S36)

1962(S37)

1963(S38)

1964(S39)

1965(S40)

1966(S41)

1967(S42)

1968(S43)

1969(S44)

1970(S45)

1971(S46)

1972(S47)

×× ×× ×

× × ××

×× × ××××××

× × × ×

× ×

× × × × × ×× ×××× ××××× × × × ×× ×× ×× ×

×

×

××× ×* * * *

*ESAの前身ELDO のロケット(Europa)

1973(S48)

1974(S49)

1975(S50)

1976(S51)

1977(S52)

1978(S53)

1979(S54)

1980(S55)

1981(S56)

1982(S57)

1983(S58)

1984(S59)

1985(S60)

1986(S61)

× × × ×

× × ×× ×

×× × × × ×

× ××××× ×

×

×× ××× × ×

×

×

1987(S62)

1988(S63)

1989(H1)

1990(H2)

1991(H3)

1992(H4)

×××××

× ×

× ×

×× ×

×

×

××打上げ失敗

2004(H16)

2005(H17)

【【各国ロケットの打上げ成功と失敗各国ロケットの打上げ成功と失敗】】

デルタⅠ,Ⅱ,Ⅲ(米国)

タイタンⅡ,Ⅲ,Ⅳ(米国)

アリアンⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ

(欧州)

アトラス(米国)

長征1,2,3,4(中国)

プロトン(ロシア)

N-I,ⅡH-I,Ⅱ,ⅡA

(日本)

1960年~1992年

×

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(20)

’70 ’80 ’90 ’00

NASA

ESA

ソ連/ロシア

中国

民間

日本

’60

弾道飛行

世界初の有人飛行

月ミッション

マーキュリー計画

スペースシャトル

神舟5号飛行

ミール

シャトルミッション利用

ウォストーク/ウォスホート

サリュート

アポロ‐ソユーズ計画

ソユーズ

ISS

チャレンジャー事故 コロンビア事故

ISS短期滞在XPrize弾道飛行

ソユーズTM

ジェミニ計画アポロ計画 スカイラブ

ISS

シャトルミッション利用

シャトル‐ミール計画

計画開始

ISS短期滞在

世界初の宇宙遊泳

宇宙遊泳

【【各国の有人各国の有人宇宙計画宇宙計画の歴史の歴史】】

2.5 2.5 各国の状況(有人宇宙活動分野)各国の状況(有人宇宙活動分野)

米国とロシアが圧倒的な経験と蓄積を米国とロシアが圧倒的な経験と蓄積を

有している。欧州はシャトルミッション等有している。欧州はシャトルミッション等により有人技術を蓄積。により有人技術を蓄積。

一方、近年になって中国及び民間有人一方、近年になって中国及び民間有人宇宙活動が急激に活発化してきている。宇宙活動が急激に活発化してきている。

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(21)

【【各国の各国の有人宇宙有人宇宙計画の方向性計画の方向性】】

’10 ’20 ’30 ’40 ’50

NASA(新宇宙ビジョン)

ESA(オーロラプログラム)

ロシア

中国

民間

日本

’00

ISS長期滞在

ISS長期滞在

LEO周回飛行

月ミッションCEV開発火星ミッション

クリッパー開発

LEO周回軌道

ISS短期滞在

神舟開発

ISS長期滞在

LEOでの技術実証 月面ミッション 火星ミッションISS長期滞在ISS短期滞在

月面基地火星ミッション

火星基地

LEO宇宙ステーション

弾道飛行

LEO宇宙ステーション

LEO周回軌道

地球低軌道から火星等、地球から遠い地球低軌道から火星等、地球から遠い場所に人類の生活圏を拡大場所に人類の生活圏を拡大

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(22)

Boeing

Air Bus

Boeing

Air Bus

米国の危機感ー欧州の成長

ソ連崩壊

(Ref. NASA Blueprint 2003)

(Ref. Vision 2020, 2001)

大型航空機の市場

市場

占有

率(受

注数

、%

特許

出願

2.2.6 6 欧米の状況(航空分野)欧米の状況(航空分野)

米国の戦略

“Anyone, Anything, Anywhere, Anytime ”

・国家航空宇宙政策と政府横断的枠組み・成長を妨げる法的措置・規制の排除・産業基盤、人的資源、長期的研究への国家投資

・3倍の容量の航空輸送能力 (2025年までに)・騒音・排出物の90%削減・大事故発生率の90%低減

・2点間移動時間の 50%短縮

米国の“Global Leadership”確保

2010年に向けた国家技術実証目標

欧州の戦略欧州の戦略 米国に比肩する存在として

・欧州レベルでの研究開発や防衛調達への共同投資の奨励・最先端の技術開発能力の重要性強調

・航空事故率 1/5以下・騒音レベル半減、 CO2排出半減、NOx排出80%低減・24時間空港、飛行1600万回/年、

飛行スケジュール 99%遵守

“More Affordable, Safer, Cleaner, and Quieter ”

Ref. NASA Blueprint

米国

“Anyone, Anything, Anywhere, Anytime ”

・国家航空宇宙政策と政府横断的枠組み・成長を妨げる法的措置・規制の排除・産業基盤、人的資源、長期的研究への国家投資

・3倍の容量の航空輸送能力 (2025年までに)・騒音・排出物の 90%削減

・大事故発生率の 90%低減

・2点間移動時間の 50%短縮

米国の “ Global Leadership ”確保

2010年に向けた国家技術実証目標

欧州 米国に比肩する存在として

・欧州レベルでの研究開発や防衛調達への共同投資の奨励・最先端の技術開発能力の重要性強調

・航空事故率 1/5以下・騒音レベル半減、 CO2排出半減、NOx排出80%低減・24時間空港、飛行1600万回/年、

飛行スケジュール 99%遵守

“ More Affordable, Safer, Cleaner, and Quieter ”

NASA Blueprint出典: NASA Blue Print(2000)

特許庁技術調査課資料(H14年度)より転載

航空技術に関する特許出願数

European Aeronautics: A Vision for 2020

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3.宇宙航空産業の現状と課題

(23)

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(25)

国内宇宙機器産業※の売上高 国内宇宙機器産業の従業員数

宇宙機器産業の売上高は4年間で37.7%減、従業員数は6年間で34.5%の減となっている。

5000

6000

7000

8000

9000

10000

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003

8,918

5,840

平成9年度 8,918人から▲3,078人(34.5%)の減

2000

2500

3000

3500

4000

1999 2000 2001 2002 2003 2004

3,699

2,305

平成12年度 3,699億円から▲1,394億円(37.7%)の減

※ロケットや衛星等の飛翔体や地上施設等の製造を行う産業

(億円) (人)

3.1 我が国宇宙産業の現状と市場動向

【【我が国宇宙産業の現状我が国宇宙産業の現状】】

2004年度は調査結果

に基づく予測値

日本航空宇宙工業会「平成15年度宇宙産業データブック」に基づきJAXA作成

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(26)

日本航空宇宙工業会「平成15年度宇宙産業データブック」

に基づきJAXA作成

【【宇宙機器産業売上高推移宇宙機器産業売上高推移】】

我が国における宇宙機器産業界の売上高は1998年をピークに右肩下がりとなっている。また、売上

のほとんどが官需・内需であり、他国と異なり軍需はほぼ皆無となっている。

我が国宇宙機器産業の売上高の推移

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

1985

1986

1987

1988

1989

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

飛翔体

地上施設

ソフトウェア

(単位:億円)

2004年度は調査結果に基づく予測値

(年度)

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(27)

【【世界の宇宙市場の推移と予測世界の宇宙市場の推移と予測】】

商業市場(打上げ、衛星製造等)

政府市場(軍事)

政府市場(民生)

ルーブル危機(ロシア)

軍事政府市場の拡大(米国)

低軌道商業通信衛星市場の拡大期待と頓挫

政府市場(民生・軍事)が宇宙市場を牽引、宇宙活動において政府の役割が依

然重要となっている。(単位:百万ドル)

World Prospects for Government Space Markets 2004 Edition, Euroconsultより抜粋

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(28) 0.17 0.3 0.3

0.81.2

2

4.8

0.6

0

1

2

3

4

5

1983 1993 2003 2015 2025

(兆円)

宇宙機器産業 宇宙利用サービ ス産業

1,300

300

年平均 約10% 成長

【【宇宙産業規模の発展予測(他産業成長率との比較)宇宙産業規模の発展予測(他産業成長率との比較)】】

他の主要産業並みの成長を達成した場合の宇宙産業規模

他の主要産業並みの成長を達成した場合の宇宙産業規模

宇宙機器産業について、年平均7%の成長を継続することにより、20年間で4倍増(0.3兆円⇒1.2兆円)が達成される

宇宙利用サービス産業について、年平均11%の成長を継続することにより、20年間で8倍増(0.6兆円⇒4.8兆円)が達成される

2,000

自動車生産台数20年間で4倍弱の飛躍的伸び

自動車生産台数20年間で4倍弱の飛躍的伸び

携帯端末の普及10年間で8,000万台の驚異的伸び

コンテンツ市場が携帯端末普及を牽引

携帯端末の普及10年間で8,000万台の驚異的伸び

コンテンツ市場が携帯端末普及を牽引

8,500

500

年平均 約40% 成長

1995 2005 携帯電話向けデジタルコンテンツの市場規模(出典:デジタルコンテンツ白書)

1,650

50

3年間で約30倍の伸び

着メロと携帯コンテンツ販売の市場規模(出典:インターネット生活研究所「携帯コンテンツビジネス調査報告書2004」)

2年間で50~60%

の伸び

2,232

1,000

180

Wikipedia HPから転載

日本政策投資銀行ホームページより転載

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(29)

我が国の特徴

防衛需要が主流で民間比率が低い(日本44%、米国60%、フランス55%)

防衛需要は横ばい

対GDP比率が低い(日本0.29%、他の航空先進国1.5%前後)

民間は部分分担の製造が中心でシステムとしての付加価値が出しにくい

(国際的には利益源は維持、修理、総点検活動(Maintenance, Repair, Overhaul))

規模は米国の1/15(2002年)

3.3.2 2 我が国航空機産業の現状我が国航空機産業の現状と市場動向と市場動向

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

1978

1982

1986

1990

1994

1998

2002

年度

売上

額(億

円)

民需

防需

2001年度売上10,301億円

56%(2001)

44%(2001)

V2500共同開発B767

共同開発

B777共同開発

各国航空宇宙工業売上高の対GDP比率(2002年)

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

1.8

2

アメリカ イギリス フランス カナダ ドイツ 日本

対G

DP比

率 (%

1.471.55 1.62

0.73

1.86

0.29

日本は他の航空主要先進国と比較して、対GDP比率が低い(主要先進国の約1/5)

我が国航空機産業の年間売上規模の推移 各国の航空機産業売上高の対GDP比率(2002年)

民需をいかに伸ばすかが今後の課題

日本航空宇宙工業会調べ日本航空宇宙工業会調べ

【【我が国航空我が国航空機産業の規模機産業の規模】】

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(30)

航空輸送需要は大幅増加の傾向が継続すると予測されている(明快な市場拡大分野)。特にアジア市場の拡大が予測されている。

2000年

2020年アジアの需要拡大

現状は北米が最大

2000年から2020年までに2.5倍

【【航空の市場動向航空の市場動向】】

出典:Boeing Market Forecast

青線:地域間輸送旅客数黄丸:地域内輸送旅客数

出典:JADC YGR5025

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(31)

超音速ビジネスジェット:

潜在需要機数は190~

570機(ガルフストリー

ム)、300~700機

(ボーイング)との予測

【【超音速機運航市場の拡大超音速機運航市場の拡大】】ビ

ジネ

スジ

ェッ

ト就

航機

数(年

間)

2277機

(36年間)

ビジネスジェット需要予測

超音速ビジネスジェット需要予測

出典:Gulfstream(AIAA2003-2555)

飛行時間5時間の圏内 青線:亜音速航空機橙色:超音速航空機

飛行時間短縮化の必要性の増大飛行時間短縮化の必要性の増大

・利用者最大の苦痛からの開放

(エコノミー症候群:6時間以上の飛行)

→環境に適合した経済的な超音速輸送機が必要

超音速ビジネスジェットの需要予測超音速ビジネスジェットの需要予測

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4.用語解説

(33)

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(35)

【ア行】

H-II Transfer Vehicleの略。H-IIA ロケット(能力向上型)で打ち上げる無人の軌道間輸

送機(現在、開発中)で、食糧や衣類、各種実験装置など最大 6 トンの補給物資を国際宇宙

ステーションに送り届ける能力を持つ。補給が済むと用途を終えた実験機器や使用後の衣

類などを積み込み、大気圏に再突入して燃やす。

永久影地帯(エイキュウカゲチタイ)

月の南極、北極のクレータ中央部付近には、1年中全く太陽光があたらない箇所があり永

久影地帯と呼ばれる。永久影地帯では表面温度が常に40K程度であり、氷状になった水

が真空中に蒸発せず保持されていると考えられている。

衛星間通信(エイセイカンツウシン)

衛星と衛星の間の通信。JAXAでは、こだま(2002年打上げ)により、継続的な衛星間通

信実験を実施している。光衛星間通信実験衛星(OICETS)を2005年度に打上げ予定。

越境大気汚染、越境海洋汚染の常時観測

(エッキョウタイキオセン、エッキョウカイヨウオセンノジョウジカンソク)

汚染の発生国だけでなく、大気や海水の動きによって拡散し周辺国にまで影響を及ぼす汚

染。日本付近の観測対象として黄砂、黄海の汚染等がある。特に大気汚染については時間

変化が大きいため静止観測衛星による常時観測が有効と考えられる。

エネルギー技術(エネルギーギジュツ)

宇宙空間においてエネルギーを確保するための技術のこと。エネルギーを生成する技術

(太陽光発電・燃料電池・原子力電池等)、伝送する技術(レーザ、マイクロ波伝送等)、蓄積

する技術(バッテリ等)等のこと。

大型回転体制御(オオガタカイテンタイセイギョ)

微小重力環境の有人モジュールの中で、大型の回転体を安全に回転させ、止めるための

技術。微小重力環境を乱さないよう、振動を伝えない技術や回転体の中の質量バランスを

制御する技術等も必要となる。セントリフュージでは、約1.2トンある大型回転体により人工

重力を発生させている。

大型システム統合技術(オオガタシステムトウゴウギジュツ)

機能的に複雑・大規模、かつ物理的に巨大なシステムを作り上げるための技術。全体を機

能・役割に応じて複数のサブシステムや機器に分割して設計・開発し、それらを全体として

統合し、確実に機能させるために必要な技術のこと。設計・検証基準や開発プロセスの標準

化、機能・性能配分、インターフェース管理等。

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(36)

【カ行】

回収(カイシュウ)

宇宙の軌道などから地上に「物資」や「人」を輸送すること。

可視赤外放射計(カシセキガイホウシャケイ)

海面及び地表面の可視光から近赤外光(波長0.4~3μm)までの反射及び中間赤外から

熱赤外領域(波長3~10数μm)までの放射を、各波長域に分けて海域・陸域の画像を撮

像するセンサ。

火星飛行機(カセイヒコウキ)

火星大気圏を飛行することにより火星の広い領域を観測する飛行機。

カプセル型回収システム(カプセルガタカイシュウシステム)

宇宙の軌道から地上に「物資」を輸送する簡便なシステム。軸対象形状を基本とするため構

造などが簡単であるが、機能的には多くの制約がある。

環境制御(カンキョウセイギョ)

有人宇宙機内の気圧・空気成分・温度・湿度等の環境を制御すること。日本実験棟「きぼう」

の船内実験室には、換気や温湿度調整を行う装置が搭載されている。

干渉型望遠鏡(カンショウガタボウエンキョウ)

複数の望遠鏡を組み合わせて、非常に細かな構造を見ることができる、超高精度の望遠

鏡。

帰還(キカン)

宇宙の軌道などから地上に「人」を輸送すること。

基幹ロケット(キカンロケット)

我が国が必要な時に、独自に宇宙空間に必要な人工衛星などを打ち上げる能力を維持す

ることに資するロケット。

軌道間輸送機(キドウカンユソウキ)

宇宙の異なる軌道と軌道の間の移動を担う輸送機。例えば、ロケットにより一旦軌道に投入

されてから宇宙ステーションの軌道に向かう輸送機などが該当。

極周回軌道(キョクシュウカイキドウ)

惑星の南北の極の上空を通過する周回軌道。

金星気球(キンセイキキュウ)

高温ガスの金星大気圏を浮遊することにより金星大気を観測する気球。

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(37)

結合機構(ケツゴウキコウ)

2つの宇宙機を物理的に結合し、両宇宙機の間で電力・通信・空気等の交換を可能にする

機構のこと。日本実験棟(JEM)の船内実験室と船外実験プラットフォーム間の結合機構は

日本独自で開発したもので、構造的な結合とあわせて、電力、通信、冷媒供給の各リソース

が接続される。

月面の高精度全球マッピング(ゲツメンノコウセイドゼンキュウマッピング)

SELENEの地形カメラにより1年間で月全面の地形図を撮影する。また、そのデ-タから月

高度図を全球に渡って作成し、今後の月利用の基礎デ-タとする。

月面への太陽エネルギー供給システム

(ゲツメンヘノタイヨウエネルギーキョウキュウシステム)

高度6000km程度の月極軌道から、極地域の永久影地帯の施設や探査車、及びそれら

の施設が夜間を過ごすためのエネルギーを大容量レーザーによって送る構想。

高解像度光学観測(コウカイゾウドコウガクカンソク)

JAXA では、2005年度打上げ予定の陸域観測技術衛星(ALOS)で、2万5千分の一地形

図の作成を目的として観測幅70km、地表分解能2.5m(パンクロ)、10m(多波長)を達

成予定。世界的には、商業地球観測衛星において観測幅10数km程度で地表分解能1m

程度が達成されている。これら観測幅と分解能の組み合わせは観測要求によって決められ

る。

高信頼性設計技術(コウシンライセイセッケイギジュツ)

宇宙機のライフサイクル(設計から運用まで)において、初期段階から様々なリスクを抽出・

共有し、解決しつつ設計を詳細化する技術全般。

合成開口レーダ(ゴウセイカイコウレーダ)

レーダと測定対象が相対的に動くことを利用して、高い分解能の二次元映像を作ることがで

きるレーダ。 宇宙用の合成開口レーダは、我が国では、ふよう 1 号(1992年打上げ)に始

めて搭載され、多くの観測データが取得された。2005年度打上げ予定の陸域観測技術衛

星(ALOS)にも搭載予定。

高精度測位技術(コウセイドソクイギジュツ)

ここでは、準天頂衛星を利用した高精度測位実験で獲得する測位技術を想定している。

高速衛星通信(コウソクエイセイツウシン)

ここでは、2007年度打上げ予定の超高速インターネット衛星(WINDS)により実証予定の

衛星と地上の固定局との間の超高速大容量通信を想定している。準ミリ波を用い、送受信

1.2Gbps の通信を行う。

高分解能・高頻度(コウブンカイノウ・コウヒンド)

ここでは、低高度の周回観測衛星群による高分解能、数時間毎の観測を想定している。

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(38)

高密度管制技術(コウミツドカンセイギジュツ)

航空機と地上局との情報共有や管制・通信・監視の信頼性向上により、航空機同士の

衝突を防止するために必要な最小間隔(水平間隔、高度間隔)を減少させ、より多く

の航空機の運航を可能にする技術。

小型アンテナに対する大容量伝送(HDTV級)

(コガタアンテナニタイスルダイヨウリョウデンソウ)

ここでは、小型アンテナは径45cm程度、伝送速度は数十Mbpsを想定している。

小型実験機(コガタジッケンキ)

実機開発の前段階として、技術課題の早期解決を目的とした、サブスケールの実験機。

国際宇宙ステーション(ISS)計画(コクサイウチュウステーション(アイエスエス)ケイカク)

International Space Station。日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ各国、ロシアの 15 カ国が協

力する国際プロジェクト。高度 400km の地球周回軌道上に有人実験施設を建設し、微小重

力等の特殊な環境と、有人の特徴を活かした様々な活動が行われる。日本は、この計画に

初の有人宇宙施設となる日本実験棟「きぼう」を提供し参加している。全体を 40 数個の要素

に分けて打上げ、宇宙空間で組み立てる。 完成時には、約 108.5m×約 72.8m、総重量 450

トンという人類史上最大の人工宇宙構造物となる。初めての要素は、1998 年 11 月 20 日に

打上げられた。

国際地球観測網(GEOSS)(コクサイチキュウカンソクモウ)

地球観測サミットで提唱された、人工衛星や地上、海上などの複数の観測システムにより構

成される全球規模の地球観測システム。

国際有人月面拠点(コクサイユウジンゲツメンキョテン)

米国新宇宙政策で2020-2025に目指している月面基地構想。2015-2020の有人月探査はア

ポロ同様月の昼間だけの月面滞在であったが、月面基地では60日程度の長期滞在を目指

している。

極超音速旅客機(ゴクチョウオンソクリョカクキ)

音速の4倍程度以上の速度で飛行する旅客機。

故障許容システム技術(コショウキョヨウシステムギジュツ)

故障の発生に対して、故障を検知し、故障部位を切り離し、または故障部位を補うために再

構成をして、故障の影響を排除することのできるシステムを実現する技術全般。

【サ行】

再使用化技術(サイシヨウカギジュツ)

機体システムを繰り返し使用できるようにする技術。単に耐久性を高めるだけではなく、整

備・点検技術など、機体システムの健全性を確認する技術も必要となる。

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(39)

再使用型宇宙輸送システム(サイシヨウガタウチュウユソウシステム)/再使用型宇宙輸送系(サイ

シヨウガタウチュウユソウケイ)

簡単な点検・整備を行うことにより、地上と宇宙との間を繰り返し往復する輸送機。スペース

シャトルは部分的に再使用する世界初の輸送機。使い切りロケットと相対する概念。

最初の星(サイショノホシ)

宇宙の始まりにあったガスが、重力によって集まり、中心で核融合反応が点火すると「最初

の星」が誕生する。星の中での核反応により、炭素、酸素など、我々に身近な重元素ができ、

今我々の回りにある星は、皆第2世代以降の星と考えられている。

最初の銀河、最初のブラックホール(サイショノギンガ、サイショノブラックホール)

宇宙には星、銀河、銀河団といった階層があり、また全ての銀河は中心に巨大ブラックホー

ルをもつと考えられている。「最初の銀河」がいつできたのか、ブラックホールと銀河のどち

らが先か、は宇宙が現在の姿へと成長する最初の一歩を知ることになる。

再突入(サイトツニュウ)

地球大気圏外に打上げられた宇宙機が、再度地球大気圏内に入ること。地上に帰還・回収

せず、大気中で燃え尽きる場合も含む。

磁気圏観測(ジキケンカンソク)

惑星磁場と太陽からの高速プラズマ流(太陽風)の干渉で現れるオーロラなど多様な宇宙

の電磁気現象の観測。

システム統合技術(システムトウゴウギジュツ)

空力、構造材料、制御、アビオニクス等の先進技術の集合体である航空機を、所用の

性能を満足する機体として完成させる技術。

自由飛行(ジユウヒコウ)

飛行経路の管理や誘導技術を向上させることにより、従来の航空路に沿った経路では

なく、管制の監視の下に自由な経路を飛行すること。航空路の混雑の解消、目的地へ

直行することによる飛行時間の短縮の効果がある。

重力波(ジュウリョクハ)

アインシュタインの一般性相対論から予言される波。超新星爆発でブラックホールが作られ

る時などに放出される。

小惑星(ショウワクセイ)

太陽のまわりを公転している小さな天体。知られているだけで 25 万個以上あり、主に火星と

木星の間に分布するが、地球軌道近傍にも存在する。

自律飛行(ジリツヒコウ)

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(40)

人間による操作を行わずに、自動で宇宙機が軌道の変更等の飛行を行うこと。宇宙ステー

ション補給機(HTV)では、自動で国際宇宙ステーションとのランデブを行う。

深宇宙港構想(シンウチュウコウコウソウ)

月や、地球と太陽の重力が釣り合うために長期滞在が可能なラグランジュ点を、太陽系か

ら深宇宙に広がる人類活動のための拠点として、宇宙観測、太陽系探査、宇宙開発利用を

展開していく構想。

新宇宙探査ビジョン(シンウチュウタンサビジョン)

2004年1月米国ブッシュ大統領により発表された、NASAの新しい宇宙政策。月をステッピ

ングストーンとして有人月探査、月面基地などにより技術開発と検証を行い、火星及びそれ

以遠への有人探査に必要な技術を獲得することなどを目標としている。

彗星(スイセイ)

太陽のまわりを公転している別名「ほうき星」ともよばれる天体。小惑星と異なり、周囲にガ

スが存在する。

スペースシャトル(スペースシャトル)

米国NASAが開発した部分再使用可能な有人の往還機。地上と宇宙の間を往復して運航す

る。宇宙飛行士が搭乗する航空機のような形状のオービター(軌道船)と液体燃料タンク、2

基の固体ロケットブースターで構成される。初飛行は、1981年4月12日。現在3機が運行中。

静粛高速研究機(セイシュクコウソクケンキュウキ)

ソニックブームの低減や離着陸時のエンジン騒音・空力騒音の低減を実証するための、

超音速飛行実証機

生命維持(技術)(セイメイイジ(ギジュツ))

宇宙空間で人間の生命を維持する技術。環境制御技術等を含む。

船外活動(EVA)(センガイカツドウ)

Extravehicular Activity。宇宙飛行士が宇宙船の外に出て活動すること。宇宙船の外での活

動であれば、月面や他の天体上であっても船外活動とよばれる。EVAを行う際には、厳しい

宇宙環境から宇宙飛行士を守るため、生命維持機能をもった宇宙服の着用が必要となる。

船外(実験)プラットフォーム(センガイ(ジッケン)プラットフォーム)

国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の一部。船外の宇宙環境を利用することがで

き、実験装置等を宇宙空間で交換することにより、科学観測、地球観測、通信、理工学実験

等の様々な研究を行うことができる。大きさは、およそ6m×5m×4m。

先進的機体設計技術(センシンテキキタイセッケイギジュツ)

忠実度の高い多分野統合解析ツール(空力・音響/空力・構造/空力・飛行制御)や

複数の項目を同時に最適化する技術により、機体諸元の策定の際に、従来経験則によ

り保守的に行われていた検討をより大胆に行うことができるようにする技術。また、

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(41)

設計初期段階における詳細検討が可能となるため、後半の設計フェーズにおける問題

発生を防ぐことができる。

全天候航法技術(ゼンテンコウコウホウギジュツ)

高精度な航法システムや乱流を検出する装置により、天候や時間帯によらず安全な飛

行を可能にする技術。

生命科学実験施設(セントリフュージ)(セイメイカガクジッケンシセツ(セントリフュージ))

Centrifuge。大型回転体を用いて宇宙で人工的に重力を発生させる施設で、重力環境が生

物に与える影響を研究することを目的としている。国際宇宙ステーションを構成する要素の

ひとつで、日本が開発し NASA に提供する。

船内実験室(センナイジッケンシツ)

国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の一部。宇宙飛行士が滞在し宇宙実験等の

様々な有人宇宙活動を行うことができる。大きさは、およそ長さ11.2m×直径4.4m(円柱

状)。

赤外線天文学(セキガイセンテンモンガク)

天体の発する赤外線を観測することにより、宇宙の基本構成要素である銀河、星、惑星の

誕生とその進化の過程を探る学問。

資源の現地調達・有効利用(ISRU)(シゲンノゲンチチョウタツ・ユウコウリヨウ)

月、小惑星、火星などの土壌から、水、酸素、鉱物などを抽出し、生命維持、ロケット燃料、

拠点構築資材などに用いる将来技術。これまでの宇宙開発では全ての資源(資材、物資

等)を地上から打上げていたが、その場(現地)で資源を調達し、有効利用により様々な宇

宙資源を用いた効率的宇宙探査が可能になる。

【タ行】

ダークマター(暗黒物質)(ダークマター(アンコクブッシツ))

銀河や、銀河団の重力的な構造を観測すると、目に見え る星達の 5 倍もの質量が隠れて

いることがわかるが、現在の素粒子物理学ではその正体を解明できていない。

第2の地球(ダイニノチキュウ)

地球が属している我が太陽系の外に存在する地球型惑星。

大容量データ中継技術(ダイヨウリョウデータチュウケイギジュツ)

宇宙利用により取得した観測データ、映像等の大容量データを適時地上に伝送するため、

データ中継衛星を介して宇宙機と地上との間のデータ伝送を行う技術。静止軌道以外の軌

道を飛行する宇宙機では、地球上の特定の基地局と直接通信できる時間が限られるため、

静止軌道上の中継衛星を介したデータ伝送が有効となる。

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(42)

弾道飛行(ダンドウヒコウ)

地球周回軌道に到達しない(=最高速度が軌道速度より低い)飛行。サブ・オービタル飛行

のこと。

地球型惑星(チキュウガタワクセイ)

地球と同様に岩石や金属でできた惑星。太陽の近くを周回する水星、金星、地球、火星をさ

す。

地球周回軌道(チキュウシュウカイキドウ)

高度300~1000km位の地球周回低軌道、赤道上36000kmの静止軌道、及び低軌道

から静止軌道へ至るまでの静止トランスファ軌道など、地球周辺の円、楕円軌道一般。

知識ベース(チシキベース)

ナレッジベースとも呼ばれる。事実や常識、経験などの知識をデータベース化したもの。

着陸探査機(チャクリクタンサキ)

月面に軟着陸し、着陸地点周辺の地質、土壌、地形などの探査及び環境調査を行い、科学

デ-タ収集と将来の利用可能性調査を行う。

超音速旅客機(チョウオンソクリョカクキ)

音速以上、音速4倍程度までの速度で飛行する旅客機。

長期宇宙滞在(チョウキウチュウタイザイ)

長期間にわたり連続的に宇宙空間に滞在すること。スペースシャトルによる宇宙滞在は2週

間程度であるが、国際宇宙ステーション(ISS)では数ヶ月程度以上の滞在が可能となってい

る。ここでは、ISS 計画における宇宙滞在期間を“長期”としている。

中小型ロケット(チュウコガタロケット)

通念的には、H-IIAロケットクラス以下(静止トランスファ軌道への投入能力として4トン程度

以下)の打上げロケット。デルタII(米)、ソユーズ(露)、M-V(日)、ベガ(欧)などがこれに相

当する。

超小型携帯端末(チョウコガタケイタイタンマツ)

技術試験衛星Ⅷ型(ETS-Ⅷ)との双方向通信を行う機能を手のひらサイズの個人用携帯

情報端末(PDA)に付加したもの。現在開発中であり、携帯電話並みの消費電力(0.2W)

を目指している。

使い切りロケット(ツカイキリロケット)

再利用しないロケット。一般的にロケットと言えば、日本のH-ⅡAロケットのような使い切り

型のロケットを指す。

月周回衛星(LRO)(ツキシュウカイエイセイ)

2008年打上を予定しているNASAの月周回探査機。SELENEと補完的なセンサ-を8種類

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(43)

搭載し、主に極地域での氷資源探査と着陸地点決定を目指している。

月周回衛星計画(SELENE)(ツキシュウカイエイセイケイカク)

2006年度打上を目指して開発中の我が国初の大型月探査衛星。月の地形、地質、重力分

布などを測定する14種の科学センサ-と、月周回での「地球の出」を撮影するためのHDTV

を搭載している。

テストベッド(テストベッド)

研究開発中の技術要素を、実際に利用する前に宇宙環境下で検証・実証実験する場のこ

と。

電気推進(デンキスイシン)

イオン化されたガスを電場や磁場により加速する燃料効率が高い推進エンジン。

ドッキング技術(ドッキングギジュツ)

ランデブした2つの宇宙機を結合させる技術。日本では、1997 年に打ち上げられた技術試

験衛星 VII 型(ETS-VII、おりひめ/ひこぼし)において、自動操縦によるドッキングを行った。

【ナ行】

二酸化炭素観測センサ(ニサンカタンソカンソクセンサ)

2007年度打上げ予定の温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)搭載のセンサ。地表から

反射される近赤外光(波長0.7~2μm)及び大気から放射される熱赤外光(波長5~14μ

m)を観測して二酸化炭素等の量を計測する。

日本実験棟(JEM)(ニホンジッケントウ(ジェム))

Japanese Experiment Module。国際宇宙ステーション計画において、日本が開発を担当する

実験棟で、船内実験室、船外実験プラットフォーム、船内保管室、船外パレット、ロボットア

ームから構成される。愛称「きぼう」。日本で初めての有人宇宙施設。船内は、地上の室内

環境と同等な気圧・温度・湿度が保たれ、宇宙飛行士は普通の服で作業することができる。

ここでは、材料実験、生命科学実験等、宇宙という特殊な環境・有人の特徴を活かした様々

な活動が行われる。

【ハ行】

バイオハザード隔離(バイオハザードカクリ)

感染等の災害が起こること(バイオハザード)を防止するために、生物試料・実験環境等を

隔離すること。セントリフュージの生命科学グローブボックス(LSG:Life Science Glove Box)

では、微小重力環境におけるバイオハザード隔離が可能。

飛行実証(ヒコウジッショウ)

地上での試験だけではなく、実際に飛行環境下で設計や技術を検証すること。

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(44)

複合材(フクゴウザイ)

2 種類以上の材料を組み合わせることにより、それぞれが持つ特性以上の特性を引き

出す材料のこと。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やガラス繊維強化プラスチック

(GFRP)などのように、繊維(ファイバー)を充填材(マトリックス)で固めた材料

が代表的。

編隊飛行/観測(ヘンタイヒコウ/カンソク)

2機以上の複数の衛星を、目的に応じて決められた位置・姿勢関係のもとで飛行させ観測

する技術。例えば、ミラー部分と検出器部分を2つの衛星で離して飛行させ、大きな望遠鏡

を実現することが可能である。

【マ行】

マイクロ波(走査)放射計(マイクロハ(ソウサ)ホウシャケイ)

海面及び地表面から放射されるマイクロ波を測定するセンサ。みどり2号(2002年打上げ)

搭載の高性能マイクロ波放射計(AMSR)及びNASAのAqua衛星(2002年打上げ)に搭

載された改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E)は、JAXAが開発した世界最高水準

のマイクロ波放射計。

マニピュレータ(マニピュレータ)

ロボットアームとも呼ばれる。人間の腕と同様な把持・運搬動作が可能である。宇宙用マニ

ピュレータの使用により、船内からの遠隔操作で船外における大規模構造物の組立や機器

の交換作業を行うことができ、宇宙飛行士が船外に出る負担とリスクを減らすことができる。

日本の実験棟「きぼう」にも日本製マニピュレータが取り付けられている。

マネジメント手法(マネジメントシュホウ)

技術仕様、資金、スケジュール、品質等を適切に調整・管理し、計画全体を進捗させる手法。

特に、大規模・複雑・高度なシステム開発等においては、目標の達成を確実なものとするた

めに、より体系だった管理手法が欠かせない。

無人回収機(ムジンカイシュウキ)

揚力飛行機能を付加するなど、カプセル型回収システムを高機能化し、飛行環境の緩和や

着陸点の精度を高めるなどした回収システム。

無人再使用型輸送機(ムジンサイシヨウガタユソウキ)

物資輸送を目的とした、宇宙との往還が繰返し可能な輸送機。高頻度の宇宙輸送を可能と

することにより、宇宙利用の革新をもたらす。

メインベルト小惑星(メインベルトショウワクセイ)

火星軌道と木星軌道の間に分布する小惑星群。

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(45)

木星型惑星(モクセイガタワクセイ)

木星と同様にガスを主成分とする大型の惑星で、 木星、土星、天王星、海王星を指す。

【ヤ行】

有人安全要求(ユウジンアンゼンヨウキュウ)

有人宇宙活動に利用するシステムには、無人のロケット・人工衛星に課せられる地上安全

要求・ミッション信頼性要求に加え、搭乗する宇宙飛行士の安全を確保するために、有人仕

様特有の安全要求が課せられる。厳密な機器故障への対応や、搭乗員の操作ミスへの対

応、空気汚染・火災・急減圧等生存環境喪失への対応等がある。

有人(宇宙)技術(ユウジン(ウチュウ)ギジュツ)

人間が宇宙空間に行き、宇宙空間で滞在し、種々の活動を行い、地上に帰還することを実

現する技術。有人安全技術、有人運用管制技術等がある。

有人運用管制技術(ユウジンウンヨウカンセイギジュツ)

有人宇宙機を地上から監視・制御し、機能を正常に維持するための技術。搭乗員の安全確

保のため、無人宇宙機に比べて、生命維持や宇宙医学等を含むより広範な分野で、即時・

確実な対応が必要。国際宇宙ステーションでは、NASA の全体統括のもと、各機関等が責

任を持ってそれぞれの提供要素の運用管制を行うこととなっており、日本の実験棟「きぼう」

は筑波宇宙センターで運用する。

有人化技術(ユウジンカギジュツ)

無人システムを有人システムにするための技術。輸送機の場合、高信頼性技術、緊急脱出

を含めた安全性技術、生命維持技術などがこれにあたる。

有人帰還機(ユウジンキカンキ)

無人回収機を人が乗れるようにしたもの。

有人輸送機(ユウジンユソウキ)

人間を宇宙空間に運び、滞在・活動させ、地上に帰還させられるよう生命維持等の機能を

備えた宇宙機のこと。米国のスペースシャトルやロシアのソユーズ宇宙船等がある。

揚力飛行(ヨウリョクヒコウ)

飛行機などのように機体の形状や姿勢などにより揚力(進行方向に直角な力)を発生させる

飛行。宇宙からの回収において、非揚力飛行に比べ、経路の変更や重力環境の緩和など

が可能となる。

【ラ行】

ラグランジュ点(ラグランジュテン)

地球と太陽の重力が釣り合う5つの点(L1~L5 点までの5つ)を指す。このうち、深宇宙港構

想で想定しているのは、太陽と地球を結ぶ直線上で、太陽と反対側にある、地球から 150 万

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(46)

km 離れた L2 点と呼ばれる点である。

ランデブ(ランデブ)

宇宙機の軌道を制御して、目標の宇宙機と同じ軌道に投入し、両宇宙機を接近・近接飛行

させること。HTV の国際宇宙ステーション近傍のランデブ技術は、1997 年に打上げられた技

術試験衛星Ⅶ型(おりひめ、ひこぼし)の成果を活用して開発されている。

ロケット(ロケット)

地上から宇宙の軌道までの輸送を担う輸送機。一般的には、日本のH-ⅡAロケットのよう

な使い切り型のものを指す。

ロバスト性(ロバストセイ)

製品の特性に影響する要因の変動・不確定性(誤差)に対し、それらに影響されにくい特性

をもっている状態。頑健性。

【ワ行】

惑星間航行技術(ワクセイカンコウコウギジュツ)

惑星間を自在に移動するための、推進技術、電源技術、姿勢軌道制御技術、通信技術、デ

ータ処理技術、温度制御技術の総称。

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(47)

【A】

ASTRO-EII 衛星

天体の発する X 線を観測することにより、宇宙で大規模に存在する高温ガスや高エネルギ

ー現象の精密観測を行い、宇宙の起源と進化を探る望遠鏡衛星。

ASTRO-F 衛星

全天の赤外線を発する天体を観測することにより、宇宙の基本構成要素である銀河、星、

惑星の誕生とその進化の過程を探る望遠鏡衛星。

【B】

BepiColombo 探査機

欧州宇宙機関(ESA)と JAXA の国際共同水星探査計画。ESA が担当する水星表面探査機

MPO と、JAXA が担当する水星磁気圏探査機 MMO の2機を同時に周回させ、謎の惑星「水

星」の全貌を明らかにする。

【H】

H-IIA(エイチ・ツー・エー)

21世紀における人工衛星の打上げ・宇宙ステーションへの補給等の多様な輸送需要に対

し、高い信頼性を確保しつつ低コストで対応するという要請に応えるために、H-IIロケットの

開発技術成果をもとに開発されたロケット。2001年の試験機1号機打上げ以降、現在まで

に7機の打上げを行い、6機の打上げに成功している。

HTV(エイチ・ティー・ヴィー)

→「宇宙ステーション補給機」を参照

【I】

IT飛行技術

情報技術、ネットワーク技術などの IT 技術を取り入れ、「必要な情報を必要な場所に」

提供し、パイロットの状況認識の向上や飛行制御の最適化を可能とすることにより、

航空機の事故、環境負荷などを低減させる技術。将来、航空機の自由飛行を可能にす

るためのキー技術。

【P】

PLANET-C 探査機

金星気象観測のための金星周回探査機。金星における自転速度の 60 倍もの高速大気循

環「超回転」のメカニズムを解明し、地球気候変動の謎の解明にも役立てる。

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(48)

【S】

SELENE 衛星

かつてないレベルで月を精査する月周回探査機。「月の科学」(表面組成、地形など)、「月

での科学」(月周辺の環境計測)、「月からの科学」(月からの地球・宇宙観測)を行う。

SOLAR-B 衛星

太陽表面の磁場と太陽大気を同時に精密測定し、太陽で起きている活発な現象の謎を解

明する望遠鏡衛星。

【X】

X 線天文学

天体の発する X 線を観測することにより、宇宙の起源と進化の過程を探る学問。