jean pierre wybauw recettes chinois
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Recipes created by Jean-Pierre Wybauw
Technical Advisor – Consultant Belgium
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カレボー100 周年記念 デモンストレーション
2012 年 2 月
チョコレートの巨匠による チョコレート デモンストレーション
講師:Jean-Pierre Wybauw
ジャン-ピエール・ウィバウ
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講師紹介
ジャン-ピエール・ウィバウ氏
Jean-Pierre Wybauw
学歴 - ベルギーにある料理学校 Culinary Institute CERIA-COOVI にて、製菓、チョコレー
ト、砂糖菓子を学ぶ
- アントワープの PIVA にてデコレーションテクニック、デザート、マジパンの専門学位
を取得
- チョコレート及び砂糖菓子の指導資格を取得
- 『International Richmont Club』会員
経歴
- アントワープの製菓・チョコレートショップ『L.Willems』にてショコラティエとして勤務
- アントワープの『Del Rey』にてショコラティエとして勤務、モールディングを担当
- 1965 年に初めての転写シートを製作。
- COOVI-PIVIT にて 7 年間、講師として勤務。
- 1972 年カレボーに入社、テクニカルアドバイザーとしてデモンストレーションを担当
- ベルギーの Wieze にあるカレボーのチョコレートアカデミーにて、4 ヶ国語でのチョコ
レートコースを指導
- 世界中のトレードショーや料理学校、エンドユーザーや卸業者向けにデモンストレー
ションを行う
- オランダ、ドイツ、日本、オーストラリア、フランス、アメリカ等の各国のプロフェッショナ
ル向けのスクールにてマスター試験準備コースを指導
- 世界各国の様々なコンクールの審査員を歴任
- 2009 年チョコレートと砂糖菓子における国際的なコンサルティングビジネスを開始
- プロフェッショナル向けの著書を多数出版
『Fine chocolates-Great Experience』(偉大なる体験)
『Chocolate without Borders』
『Chocolate Decoration Techniques』
『Fine Chocolates-Great Experience 2 ‘Ganache’』
『Foodie Chocolate』
『Fine Chocolates-Great Experience 3 ‘Shelflife’』
『All Basics about Chocolate (Spring 2011)』
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受賞歴
1971 年 “BI International competition” (ベルギー)にて銀賞、銅賞を受賞。
1980 年 ベルギー政府より名誉職人を授かる
2002 年 Culinary Institute of America(ニューヨーク、ハイドパーク)
にて、”シェフ・オブ・ザ・イヤー”に輝く
2005 年 著書『Fine Chocolates-Great Experience』 (偉大なる体験)が、世界のベスト
チョコレート技術本として"World Food Media Awards”で優勝
2005 年 著書『Fine Chocolates-Great Experience』 (偉大なる体験)が、“The
Gourmand Award” にて、世界のベストチョコレートブックとして優勝
2007 年 著書『Decoration en Chocolat』 のフランス語版が、“World
Food Media Awards” にて優勝
2008 年 “Gourmand Awards”にて、彼の最初の著書が、名誉賞にあたる 『ベスト・オ
ブ・ベスト』賞を受賞
2011 年 著書『Fine Chocolates-Great Experience 3-The shelflife』のオランダ語版が、
“Gourmand Award”にて優勝
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-レモン パレット- エンロービング
材料
生クリーム 150 g
ジャスミン茶 15 g
レモンゼスト(皮) 2 個分
ソルビトールパウダー 5 g
JOZO フレークソルト 1/2 g
転化糖 25 g
カレボー823NV ミルクチョコレート 200 g
カレボー3815NV ダークチョコレート 50 g
バター 50 g
手順
1. 生クリームにジャスミン茶、レモンゼスト、ソルビトール、フレークソルト、
転化糖を加え沸騰させる。
2. クリームの温度が室温まで下がるまで置いておき、その間に浸漬させる。
3. 濾して、テンパリングを取ったチョコレートに加えていく。
4. 柔らかくクリーム状にしたバターを加える。
5. 先に準備しておいたチョコレートのベースの上に半球状に絞り、クッキング
ペーパー等で上から押さえて平らにし8mmの厚さにする。
6. 冷蔵庫に入れ固める。
7. ペーパーを取り外し、室温に戻してからカレボー3815NV ダークチョコレー
トで上掛けをする。
8. 上掛けの後すぐに光沢のあるアセテートシートを上面にかぶせ、1時間以上置
いてからはがす。
9. ゴールドでデコレーションする。
※今回はカレボー100周年ロゴ入り転写シートで仕上げています。
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-ピスタチオ ガナッシュ- エンロービング
材料
生クリーム 350 g
カレボーW2NV ホワイトチョコレート 700 g
転化糖 45 g
ピスタチオピューレ(100%のもの) 130 g
バター 150 g
手順
1. 生クリームを沸騰させカレボーW2 ホワイトチョコレートに注ぎ入れる。
2. 転化糖とピスタチオピューレを加える。
3. 約 28℃になるまで冷まし、室温に戻したバターを混ぜ合わせる。
4. ガナッシュをフレームに流し入れ、固まってからチョコレートで表面を薄く
コーティングする。
5. 固まったら裏返して好みのサイズにカットし、カレボー3815NV ダークチョ
コレートでディップする。
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-酒のガナッシュ- 型抜き
材料
酒 150g
クローブ 2 個
シナモン 4 g
バニラ ½ g
ソルビトール 15g
水飴 50g
カレボー823NV ミルクチョコレート 300g
カカオバター 25g
バター 75g
カレボー3815NV ダークチョコレート 適量
手順
1. 酒にスパイスとソルビトール、水飴を加え沸騰させる。
2. 濾してカレボー823NVミルクチョコレートとカカオバターを合わせたものに
注ぎ入れる。
3. 約30℃になるまで冷ましてから、柔らかくクリーム状にしたバターを混ぜ
合わせる。
4. カレボー3815NVダークチョコレートを型に薄く指でのばし、そのあとカレ
ボー823NVミルクチョコレートを流し入れシェルをつくる。
5. ガナッシュをシェルに絞り入れ、しっかりと固まってからカレボー823NVミ
ルクチョコレートで型のふたをする。
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-チョコレートムース-
材料
カレボーチョコレートムース ダーク 800g
カレボーチョコレートムース ミルク 800g
カレボーチョコレートムース ホワイト 800g
牛乳 3L
コアントロー 適量
カレボークリスパール 適量
手順
1. カレボーチョコレートムース800g(1袋)につき牛乳1Lを入れる。
2. 3分間撹拌する。
3. 容器にアソートし、カレボークリスパールで飾る。
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-MEMO-
Lolipop
Decoration
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チョコレートのテンパリング理論と衛生理論
予備結晶化をきちんと行うことで数々の失敗を避けることができます
時間、温度そして攪拌が、仕上がりを決定づけるのです 正しい温度帯を注意深く守ることは不可欠ですが、
それだけではチョコレートを正しく結晶化された
状態にするには充分ではありません。この予備結
晶化のプロセスには最低でも”時間”と”攪拌”が温
度と同じくらいの必須条件となるのです。ですか
ら『テンパリング』という言葉は、実はその一つ
の要素しか示していないことになります。そして
それが読む人を混乱させ、数々の残念な状況や誤
解、何よりも欠陥商品につながっているのです。
ですから、ここでは是非この言葉をやめて、より
正確に定義づけられる『予備結晶化』という言葉
を使うことにしましょう。
筆者: ジャン-ピエール・ウィバウ
良いボンボンショコラと悪いボンボンショコラ
あなたが偶然にもボンボンショコラが大好きであったり、とても美味しいと思っているとし
てもそれはまずさておき、素晴らしいボンボンと他の一般的な商品との違いは何でしょう
か?光沢、固さや収縮、パリっとしたスナップ、そして口の中に入れた時の食感等が良い商
品を見分ける指標になります。ですので、良くない商品とは、灰色や白っぽい色をしていた
り、触れた途端に溶けてしまったり、ざらざらとした質感であったりします。もしそのボン
ボンを口に入れた時の食感が何だかチューイングガムのような感覚であったならば、明らか
に何か間違えた、おかしいところがあるのです。ではそれは何なのでしょうか。
それは、そのチョコレートが加工する際に適切な結晶の状態になっていなかったのです。こ
の予備結晶化のプロセスは商品を満足のいく出来にするためにとても重要です。
きちんと予備結晶化を行うことは良いチョコレート製品を造るための基礎なのです。
なぜ予備結晶化を行うのでしょうか?
予備結晶化とは、チョコレートの中に必要な分量の適切な結晶の種が作られている状態の事
を言い、このプロセスは必須です。チョコレートには多型結晶を持つ油脂であるカカオバタ
ーが含まれており、それはそれぞれが違う融点の 6 つの型の結晶を持っているとされていま
す。そしてその中で、β型の結晶1つのみが安定しているのです。チョコレートの中でこの
安定した結晶のみが結束していくとチョコレートが素早く固まり、出来上がった商品に美し
い光沢ができ、パリッとしたスナップそして充分な収縮が生まれます。予備結晶化とはチョ
コレートの中で増やしていく安定した結晶をつくるということなのです。
固形のチョコレート以上に安定した結晶がたくさん含まれ
ているものはありません。ですが残念ながらチョコレート
の製菓店等で固形のままのチョコレートで作業をすること
はほとんどありません。チョコレートの作業をしやすくす
るためには溶かす必要があり、そしてその時に結晶も一緒
に溶けていくのです。結果として、良い最終製品を造り上
げるためには溶かした後にもう一度その結晶をつくる必要
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があるのです。チョコレートを溶かすための推奨温度は 45℃です。この温度帯であればす
べての結晶の種は確実に溶けており、また焦げてしまうリスクもないからです。
3 つの条件と、5 つの方法 予備結晶化は色々な方法で行うことができます。下記に 5 つの方法をご紹介します。どの方
法で行うかは、様々な生産者における様々な条件によるところが大きいでしょう。特にその
ビジネスの規模であったり生産数、生産のどこまでを自動化するか等によります。ですがど
の方法で予備結晶化を行うにしろ、きちんと安定した結晶をつくるという目的を達成するた
めには 3 つの条件が同時に満たされている必要があります。:
- 適切な温度帯
- 安定した結晶が作られ、そして増加していくための適切な時間
- 攪拌
方法1: テーブルメソッド
テーブルメソッドは最も古くから行われているチョコレートの予備結晶化の方法です。現在
では広くは使われていません。この方法では 3 分の 2 の溶かしたチョコレートを大理石か
御影石等のテーブルの上に注ぎます。大理石や御影石はその周囲からエネルギー(特に熱)
を逃すという性質をもつ鉱物です。溶けたチョコレートはスパチュラと三角形のヘラを使っ
てこのテーブルの上で継続的に作業(攪拌)されます。時間とともにチョコレートの温度が
下がり(約 27℃)、少しずつ粘度を持ちだします。この時点ではコントロールされていな
い結晶化の状態です。つまり安定した型の結晶はできているのですが、それと同時に不確定
な数の安定型ではない結晶もできているのです。そこで残りの 3 分の 1 の溶けたチョコレ
ートと合わせるとチョコレートの温度が上がり、約 31~32℃になります。そして不安定な
型の結晶はまた溶けてしまい、結果として安定した結晶のみの状態へと変わるのです。安定
した型の結晶のみが残るとそれが自動的に増加していきます。この 31~32℃という温度は
ダークチョコレートにのみあてはまります。ミルクチョコレートには 2 種類の油脂つまりカ
カオバターと乳脂肪が含まれていますのでこの温度は約2℃低くなります(29~30℃)。
そしてホワイトチョコレートはさらに 2℃低くなります(27~28℃)。
このテーブルメソッドは現在ではほとんど使われていません。その理由は時間がかかるとい
うこと、あまり衛生的ではないこと、そしてチョコレートが臭気や光に影響を受けやすいも
のであるという理由があります。
方法 2: 時間をかけるが労力をかけない方法
2つ目の方法は受動的な方法ともいえます。とても長い時間がかかりますが、何もすること
はありません、ただ待つだけです。溶けたチョコレートは置いておくとだんだん冷めて表面
が固まりだします。チョコレートは完璧な絶縁体のためこれには長い時間がかかります。チ
ョコレートはいったん温まるとなかなか冷めないのです。
この受動的な方法は小規模のお店等で有用です。時間がかかりますが、常に注意をして見て
おく必要が無く、その間に他の作業を行うことができるからです。表面が固まりだしたチョ
コレートの中でたくさんの安定した結晶と、不安定な型の結晶が作られていきます(コント
ロールされていない結晶化)。その状態になるとチョコレートを攪拌しながらゆっくりと温
めます。それにより不安定な結晶はまた溶けて安定した結晶のみの状態になります。
この方法は小規模、少人数のお店等に有効です。時間はかかりますが、手がかからず同時に
他の作業も行うことができるからです。
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方法3: 固形チョコレートをメルターに入れる
ここまでで簡単に説明した、いったん冷やしたチョコレートを少し温めるという方法とは対
照的にこの方法は室温で固形の状態のチョコレートから始め、メルターで 31~32℃に温め
るという方法です。固形の状態のクーベルチュールチョコレートは完璧に安定した状態で結
晶化されています。それを約 32℃まで温めるとクーベルチュールはゆっくりと溶解してい
き、そして適切な安定した結晶が充分残っている状態になります。一つだけ問題なのは
32℃では良い結晶がまだ多すぎる状態であることです。ですのでチョコレートはまだ厚ぼ
ったく作業がしにくい状態です。この状態を結晶過多(オーバーテンパリング)と言います。
結晶の種が多すぎる状態です。このときに温度を少しずつ(0.5℃)、必要であれば数回上
げていきます。 段階的に温度を上げていくことは、温度を上げすぎて突如として結晶がす
べて溶けてしまうのを避けるために重要です。 言い方を変えると、多すぎる分の結晶だけ
を溶かし、同時に完璧な結晶化をもたらすための適切な数の結晶を残していきます。
この上げていく温度は、ダークチョコレートについては最高で 34.5℃まで、ミルクは
32.5℃、ホワイトは 30.5℃までです。
方法 4: 攪拌しながら冷却
この方法は工業的方法とも言われています。この方法では溶かしたチョコレートを攪拌しな
がら最適な温度まで冷ましていきます。この方法の特徴は、チョコレートの温度が下がりす
ぎないため、不安定な型の結晶ができない、ということです。
方法 5: シード(種)メソッド
最後の方法はシード法で、早くて簡単な方法です。この方法では溶けたチョコレートにチョ
コレートチップ(カレット)を加えます。このカレットのクーベルチュールチョコレートに
は安定した結晶がたくさん含まれています。ですのでまさに完璧なシード(結晶の種)にな
るのです。カレットを加えることにより、カレットは溶け、チョコレートの温度は下がりま
す。カレットが素早く溶けるとその安定した結晶も溶けていることが簡単に分かります。適
切な量のカレットが注がれていくとカレットの溶け方がゆっくりになってきます。そしてチ
ョコレートはいつもの作業をする状態の結晶の濃度になるのです。この時点からはチョコレ
ートの状態を保つために定期的によく攪拌する必要があります。
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テンパリング = 予備結晶化
---------------------------------------------------------
60°C これ以上は温度を上げない。
推奨の溶解温度
40°C 45°C
ダーク ミルク ホワイト
最高作業温度 34.5°C 32.5°C 30.5°C
作業開始温度
31-32°C 29-30°C 27-28°C
27°C
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作業条件ごとの理想的なチョコレートの作業温度
可能な温度差
工業生産 > 10°C 10°C
職人生産 > 20°C 10°C
--------10°C------
WARM
27°C-28°C
COLD
17°C-18°C
FRIDGE
7°C-8°C
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衛生状態
時間
分後
分後
時間後
時間後
時間後
時間後
時間後
時間後
時間後
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最終製品の保存
1. 様々な種類の劣化
-微生物学的劣化
チョコレート製品に含まれる水分による
-理化学的劣化
酸化による風味劣化 - 要因:不飽和脂肪酸
- 要因:光、金属、高温の環境、酵素等
水分による風味劣化 - 酸化劣化と類似しているが、化学的というより
微生物的な劣化
-物質的劣化
シュガーブルーム
ファットブルーム
ファットマイグレーション(油脂移行)
匂いの吸収
風味の喪失
2. 最終製品は下記の状況を避けて保存する
臭気
湿気
光
空気
温度変化