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JIS B 1071 本体 締結用部品の精度測定方法 改正検討用資料 B 10710000 目 次 ページ 1 適用範囲····································································································································································· 1 2 引用規格····································································································································································· 1 3 測定項目····································································································································································· 2 4 測定方法····································································································································································· 3 4.1 ねじ·········································································································································································· 3 4.2 寸法公差付き形体 ················································································································································· 5 4.3 幾何公差付き形体 ················································································································································ 13 附属書 A参考JIS B 1021:1985 に基づく公差方式による締結用部品の寸法及び幾何形体の測定方法 ·· 23 附属書 B(参考)トリロールジグ(一例) ············································································································· 40 1

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JIS B 1071 本体締結用部品の精度測定方法

改正検討用資料

B 1071:0000

目 次

ページ

1 適用範囲····································································································································································· 1

2 引用規格····································································································································································· 1

3 測定項目····································································································································································· 2

4 測定方法····································································································································································· 3

4.1 ねじ ·········································································································································································· 3

4.2 寸法公差付き形体 ················································································································································· 5

4.3 幾何公差付き形体 ················································································································································13

附属書 A(参考)JIS B 1021:1985 に基づく公差方式による締結用部品の寸法及び幾何形体の測定方法 ··23

附属書 B(参考)トリロールジグ(一例) ·············································································································40

(1)

B 1071:0000

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本ねじ研究協会

(JFRI)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出が

あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 1071:1985 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

(2)

日本工業規格(案) JIS B 1071:0000

締結用部品―精度測定方法 Fasteners-Methods of verification for size and geometry

1 適用範囲

この規格は,締結用部品に与えられたJIS B 1021 に基づく寸法公差及び幾何公差に関する特性値が,許

容域内にあるかどうかを調べる推奨方法(以下,測定方法という。)について規定する。

保留

測定方法は,実測による方法,ゲージによる方法又は比較による方法とする。

なお,一つの測定項目について,二つ以上の測定方法を示している場合には,その選択は任意とする。

2 引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS B 0251 メートルねじ用限界ゲージ

JIS B 1012 ねじ用十字穴

JIS B 1013 皿頭ねじ─頭部の形状及びゲージによる検査

JIS B 1015 おねじ部品用ヘクサロビュラ穴

JIS B 1016 六角穴のゲージ検査

JIS B 1021 締結用部品の公差─第 1 部:ボルト,ねじ,植込みボルト及びナット─部品等級A,B及

びC

JIS B 1123 六角タッピンねじ

JIS B 1127 フランジ付き六角タッピンねじ

JIS B 1189 フランジ付き六角ボルト

JIS B 1190 フランジ付き六角ナット

JIS B 1194 六角穴付き皿ボルト

JIS B 1199-3 プリべリングトルク形ナット─第 3 部:非金属インサート付きフランジ付き六角ナット

JIS B 1199-4 プリべリングトルク形ナット─第 4 部:全金属製フランジ付き六角ナット

JIS B 1256 平座金

JIS B 7153 測定顕微鏡

JIS B 7184 測定投影機

JIS B 7420 限界プレーンゲージ

JIS B 7502 マイクロメータ

JIS B 7503 ダイヤルゲージ

JIS B 7507 ノギス

JIS B 7515 シリンダゲージ

JIS B 7516 金属製直尺

2

B 1071:0000

JIS B 7520 指示マイクロメータ

JIS B 7524 すきまゲージ

JIS B 7533 てこ式ダイヤルゲージ

JIS B 7540 Vブロック

JIS B 7544 デプスマイクロメータ

3 測定項目

締結用部品の特性値に対する測定方法で対象とする項目(以下,測定項目という。)は,表 1 による。

表 1-測定項目

測定項目 JIS B 1021 の箇条 測定方法 a) 有効径 4.1.1 a) による。1.1

め ね じ

b) 内径

4.1.2

4.1.1 b) による。

a) 有効径 4.1.2 a) による。1.2 お ね じ

b) 外径

3.1.2

4.1.2 b) による。

a) 外径 4.1.3 a) による。

b) 谷の径 4.1.3 b) による。

c) 山頂切取りの幅 4.1.3 c) による。

1 ね じ

1.3 タ ッ ピ ン ね じ d) ねじ先の形状

5.1.1

4.1.3 d) による。

a) ねじ部長さ 3.1.4.5 4.2.1 a) による。

b) 長さ 3.1.4.4,5.1.3.3 4.2.1 b) による。

c) 二面幅 3.1.3.1.1,4.1.3.1,5.1.2.1.1 4.2.1 c) による。

d) 対角距離 3.1.3.1.2,4.1.3.2,5.1.2.1.2 4.2.1 d) による。

e) 頭部の高さ 3.1.3.1.3,3.1.4.2,5.1.2.1.3,5.1.3.2 4.2.1 e) による。

f) ナットの高さ 4.1.4.1,4.1.5.1 4.2.1 f) による。

g) 頭部及びナットの有効高さ 3.1.3.1.4,4.1.4.2,4.1.5.1,5.1.2.1.4 4.2.1 g) による。

h) 頭部の直径 3.1.4.1,5.1.3.1 4.2.1 h) による。

i) 円筒部径 3.1.4.6 4.2.1 i) による。

j) 座面の径 3.1.4.3,4.1.4.3 4.2.1 j) による。

k) 座の高さ 3.1.4.3,4.1.4.3 4.2.1 k) による。

l) 首下移行円の径 3.1.4.3 4.2.1 l) による。

m) 溝付きナットのキャッスル部の径 4.2.1 m) による。

2.1 外 側 寸 法

n) 溝付きナットの溝底から座面までの距離 4.1.5.1

4.2.1 n) による。

a) 六角穴の二面幅 4.2.2 a) による。

b) 六角穴の対角距離 3.1.3.2.1

4.2.2 b) による。

c) すりわりの幅 4.2.2 c) による。

d) すりわりの側面の傾き 3.1.3.2.2,5.1.2.2.1

4.2.2 d) による。

e) 十字穴 3.1.3.2.4,5.1.2.2.3 4.2.2 e) による。

f) ヘクサロビュラ穴 3.1.3.2.5,5.1.2.2.4 4.2.2 f) による。

g) 六角穴の深さ 3.1.3.2.3 4.2.2 g) による。

h) すりわりの深さ 3.1.3.2.3,5.1.2.2.2 4.2.2 h) による。

i) ナットのねじ部の面取り 4.1.4.3 4.2.2 i) による。

2 寸 法 公 差 付 き 形 体

2.2 内 側 寸 法

j) 溝付きナットの溝の幅 4.1.5.1 4.2.2 j) による。

3

B 1071:0000

表 1-測定項目(続き)

測定項目 JIS B 1021 の箇条 測定方法 a) 外側形体(締付け部の形体) 3.2.1.1.1,5.2.1.1 4.3.1 a) による。

b) 内側形体(締付け部の形体) 3.2.1.1.2 4.3.1 b) による。

c) 軸部に対する外側形体の位置度 4.3.1 c) による。

d) 軸部に対するすりわりの位置度 4.3.1 d) による。

e) 軸部に対する十字穴の位置度

3.2.1.2,5.2.1.2

4.3.1 e) による。

f) 軸部に対する内側形体の位置度 3.2.1.2 4.3.1 f) による。

g) 軸部に対する円形の頭部の位置度 3.2.2.1,5.2.2.1 4.3.1 g) による。

h) ねじ部に対する割りピン穴の位置度 4.3.1 h) による。

i) ねじ部に対する(半)棒先の位置度 4.3.1 i) による。

j) ねじ部に対する円筒部の位置度

3.2.2.1

4.3.1 j) による。

k) 軸部の真直度 3.2.2.2,5.2.2.3 4.3.1 k) による。

l) 軸部に対する座面の軸方向全振れ 3.2.2.3,5.2.2.2 4.3.1 l) による。

m) 軸部に対するねじ先端面の全振れ 3.2.2.3 4.3.1 m) による。

n) ねじ部に対するねじ先円すい面の円周振れ 3.2.2.1 4.3.1 n) による。

3.1 お ね じ 部 品

o) 座面の形状からの偏差 3.2.2.4 4.3.1 o) による。

a) 外側形体(締付け部の形体) 4.2.1.1 4.3.2 a) による。

b) ねじ部に対する六角側面の位置度 4.3.2 b) による。

c) ねじ部に対する四角側面の位置度 4.2.1.2

4.3.2 c) による。

d) ねじ部に対する円形外周部の位置度 4.3.2 d) による。

e) ねじ部に対する割りピン溝の位置度 4.2.2.1

4.3.2 e) による。

f) ねじ部に対する座面の軸方向全振れ 4.2.2.2 4.3.2 f) による。

3 幾 何 公 差 付 き 形 体

3.2 め ね じ 部 品

g) 座面の形状からの偏差 4.2.2.3 4.3.2 g) による。

4 測定方法

4.1 ねじ

4.1.1 めねじ 測定項目 測定方法 測定器具の例

a) 有効径 めねじの有効径(D2)は,その公差域クラスに対応する通り・

止りのねじプラグゲージを用い,JIS B 0251 に規定する方法に

よって調べる。

・JIS B 0251 による

通り・止りのねじプ

ラグゲージ

b) 内径

方法 1:ゲージによる方法 めねじ内径(D1)は,その公差域クラスに対応する通り・止り

のプレーンプラグゲージを用い,JIS B 0251 に規定する方法に

よって調べる。

ナットの有効内径部1) の長さ(y)は,止り側プレーンプラグゲ

ージがナットの両面から入った長さの和(z1+z2)をナットの実

測高さ(m)から差し引いた値とする。

なお,プリベリングトルク形ナットにおける不完全内径部2)

の長さ(x)は,止り側プレーンプラグゲージがナットの座面か

ら入った長さとする。 注1) めねじ内径が,規定された許容域内にある部分。

2) めねじ内径が,規定された最大許容寸法を超えてい

る部分。

・JIS B 0251 による

通り・止りのプレー

ンプラグゲージ

a) 有効内径部

b) 不完全内径部 図 1

4

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 b) 内径(続き) 方法 2:実測による方法

めねじ内径(D1)は,その公差域クラスに対応した内径の許容

限界に見合う測定器(例えば,ノギス)を用い,直交する二方

向について測定する。

なお,有効内径部の長さ(y)及び不完全内径部の長さ(x)につ

いては,実測によって得られた内径変化の状態図(図12 参照)

から求める。

・JIS B 7507 による

ノギス

注記 D1′ 及びD1″ は,実測による内径の最小及び

最大寸法。D1 maxは,めねじの公差域クラス

ごとに規定された内径の最大許容寸法。 図12-内径変化の状態図

4.1.2 おねじ 測定項目 測定方法 測定器具の例

a) 有効径 おねじの有効径(d2)は,その公差域クラスに対応する通り・

止りのねじリングゲージ又はこれに代わるねじ用限界ゲージ

を用い,JIS B 0251 に規定する方法によって調べる。

・JIS B 0251 による

通り・止りのねじリ

ングゲージ b) 外径

方法 1:ゲージによる方法

おねじ外径(d)は,その公差域クラスに対応する通り・止り

のプレーンリングゲージ又は通り・止りのプレーン挟みゲージ

を用い,JIS B 0251 に規定する方法によって調べる。 方法 2:実測による方法

おねじ外径(d)は,外側マイクロメータ若しくは指示マイク

ロメータ又はこれらに代わる測定器を用い,直交する二方向に

ついて測定する。 なお,おねじ外径の測定位置は,ねじ部の中央付近とするが,

ねじ部が長い場合は,先及び元の 2 箇所について測定するのが

よい。ただし,ねじ先端からの 2 ピッチ分及び不完全ねじ部を

除く。

・JIS B 0251 による

通り・止りのプレー

ンリングゲージ又

は通り・止りのプレ

ーン挟みゲージ ・JIS B 7502 による

外側マイクロメータ

・JIS B 7520 による

指示マイクロメータ

4.1.3 タッピンねじ 測定項目 測定方法 測定器具の例

a) 外径 ねじ外径(d1)は,外側マイクロメータ,指示マイクロメータ,

測定顕微鏡,測定投影機又はこれらに代わる測定器で測定す

る。

・JIS B 7502 による

外側マイクロメータ

・JIS B 7520 による

指示マイクロメータ

・JIS B 7153 による

測定顕微鏡 ・JIS B 7184 による

測定投影機

b) 谷の径 タッピンねじの谷の径(d2)は,測定顕微鏡,測定投影機又は

これらに代わる測定器で測定する。 c) 山頂切取りの幅 タッピンねじの山頂切取りの幅(c)は,測定顕微鏡,測定投影

機又はこれらに代わる測定器で測定する。

・JIS B 7153 による

測定顕微鏡 ・JIS B 7184 による

測定投影機

5

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 d) ねじ先の形状 タッピンねじのねじ先の形状(角度又はd3)は,測定顕微鏡,

測定投影機又はこれらに代わる測定器で測定する。 ・JIS B 7153 による

測定顕微鏡 ・JIS B 7184 による

測定投影機

4.2 寸法公差付き形体

4.2.1 外側寸法 測定項目 測定方法 測定器具の例

a) ねじ部長さ (図 3 のb,bm,ls及びlg)

ねじ部の長さ(b)は,ねじ先端から不完全ねじ部までの寸法

を金属製直尺,ノギス又はこれらに代わる測定器で測定する。

この場合,ねじ先の端面が斜めになっているものは,端部の起

点を最長点とする(図24 参照)。 なお,完全ねじ部と不完全ねじ部との境界は,通りねじリン

グゲージが止まった点(図35 参照)又はこれに相当する点とす

る。 植込みボルトの植込み側ねじ部の長さ(bm)は,bの測定に用

いた測定器で,ねじ端面から不完全ねじ部の終りまでの寸法を

測定する。 ねじのない円筒部の長さ(ls及びlg)は,bの測定に用いた測定

器で,ボルトの座面から測定する。

・JIS B 7516 による

金属製直尺 ・JIS B 7507 による

ノギス

a)

a)

注a) ねじ部面取りがある通りねじリングゲージを

用いる場合は,その寸法がb寸法に含まれな

いようにする。 図35-完全ねじ部と不完全ねじ部との境界

b)

c)

図24-ねじ先の端部の起点

注a) bmは,植込みボルト

の植込み側ねじ部

の長さ。 b) lsは,ねじのない円

筒部の長さ。 c) lgは,ねじのない円

筒部(ねじの切終り部

を含む。)の長さ。 図 3

b) 長さ(図 6 の l)

長さ(l)は,ねじ部長さ(b)に準じて測定する(4.2.1 a) 参照)。

なお,ねじ先の端面が斜めになっているものは,端部の起点

を最長点とする(図24 参照)。

図 6

6

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 c) 二面幅(図 7 の s)

方法 1:実測による方法

二面幅(s)は,ノギス,外側マイクロメータ,指示マイクロ

メータ又はこれらに代わる測定器で測定する。

方法 2:ゲージによる方法

二面幅(s) は,その許容限界寸法に対応した通り・止りの挟

みゲージ6) で調べる。

なお,通りの挟みゲージの代わりに,JIS B 1021 の附属書Cの図C.1 又は図C.3 に基づく通りゲージ6) を用いてもよい。

注6) 限界ゲージの寸法許容差及び摩耗代は,JIS B 7420による軸用限界ゲージによるのがよい。

・JIS B 7507 による

ノギス

・JIS B 7502 による

外側マイクロメータ

・JIS B 7520 による

指示マイクロメータ

・挟みゲージ

・総形の通りゲージ

図 7

d) 対角距離(図 8 の e)

方法 1:実測による方法

対角距離(e)は,二面幅(s)に準じて測定する(4.2.1 c) 参照)。 方法 2:ゲージによる方法[e(最小)を調べる場合]

対角距離(e)は,その最小許容寸法に対応した止りの挟みゲ

ージ6) で調べる。

注6) 4.2.1 c) の注6) 参照。

・挟みゲージ

図 8

e) 頭部の高さ(図 9 の k)

方法 1:ゲージによる方法

皿頭,丸皿頭及び頂面に丸みがある頭以外の頭部の高さ(k)は,その許容限界に対応した通り・止りの挟みゲージ6) で調べ

る。

注6) 4.2.1 c) の注6) 参照。 皿頭及び丸皿頭の高さ(k)は,JIS B 1013 に規定するゲージで

調べる。ただし,六角穴付き皿ボルトの場合は,JIS B 1194 に

規定する皿ゲージで調べる。

方法 2:実測による方法

皿頭,丸皿頭及び頂面に丸みがある頭以外の頭部の高さ(k)は,二面幅(s)に準じて測定する(4.2.1 c) の方法 1 参照)。

二面幅(s)に準じた測定ができない場合には,図410 に示す例

によって,座面から頂面までの寸法をダイヤルゲージ又はこれ

に代わる測定器で測定する。頭部の頂面に丸みがある場合に

は,ダイヤルゲージの測定子は,平板状のもの(図1333 参照)

又は平面状のものとする。

・挟みゲージ ・JIS B 1013 に規定

する皿ゲージ

・JIS B 1194 に規定

する皿ゲージ ・JIS B 7503 による

ダイヤルゲージ

図 9

a)

注a) 穴又は溝の角部は,首下丸み部と干渉しないように面取りを施す。

図410-頭部の高さの測定例

7

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 f) ナットの高さ

(図 11 の m 及び h)

方法 1:実測による方法

ナットの高さ(m及びh)は,二面幅(s)に準じて測定する(4.2.1 c) の方法 1 参照)。 方法 2:ゲージによる方法

ナットの高さ(m及びh)の許容限界寸法に対応した通り・止り

の挟みゲージ 6) で調べる。

注6) 4.2.1 c) の注6) 参照。

・挟みゲージ

図 11

g) 頭部及びナットの有効

高さ

(図 12 のkw及びmw)

方法 1:実測による方法 六角ボルト及び六角ナットの有効高さ(kw及びmw)は,ノギ

ス,マイクロメータ,測定投影機などで対角距離の最小許容値

(e min)が存在する点を検出して,その点から座面までの寸法を

ノギス,マイクロメータ又はこれらに代わる測定器で測定する

(図 5 参照)。 方法 2:実測にゲージを併用する方法

六角ボルト及び六角ナットの有効高さ(kw及びmw)は,リング

ゲージ 73) で対角距離の最小許容値(e min)が存在する点を検出

して,そのゲージの下面から座面までの寸法をノギス,ダイヤ

ルゲージ又はこれらに代わる測定器で測定する(図 6 参照)。

この場合,リングゲージは,軸線に対して傾かないように入れ

る。

注73) JIS B 1123 の附属書,JIS B 1189 の附属書 1 及び

JIS B 1190 の附属書 1 では,リングゲージの内径を

e min とし,内径の角は直角であって丸み及び面

取りがあってはならないとしている。

方法 3:専用ゲージよる方法

フランジ付き六角ボルト及びフランジ付き六角ナットの有

効高さ(kw及びmw)は,フランジの厚さ(cmin)と共に,当該規格

の附属書84) に規定する方法によって総合的に検証する。

注84) 次の規格を参照。

JIS B 1127 の 附属書 A(規定)

JIS B 1189 の 附属書 A(規定)

JIS B 1190 の 附属書 A(規定)

JIS B 1199-3 の 附属書 1(規定)

JIS B 1199-4 の 附属書 1(規定)

・JIS B 7507 による

ノギス

・JIS B 7502 による

外側マイクロメータ

・JIS B 7520 による

指示マイクロメータ

・JIS B 7184 による

測定投影機

・JIS B 7503 による

ダイヤルゲージ

・リングゲージ

当該規格の附属書84)

に規定するリング

ゲージ

図 12

図513-実測による有効高さの測定例

+0.008 0

図614-有効高さの測定にゲージを併用する

8

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 h) 頭部の直径

(図 15 のdk)

方法 1:実測による方法

頭部の直径(dk)は,二面幅(s)の測定方法に準じて測定する

(4.2.1 c) の方法 1 参照)。

方法 2:ゲージによる方法

頭部の直径(dk) は,その許容限界寸法に対応する通り・止り

の挟みゲージ又はリングゲージ6) を用いて調べる。

注6) 4.2.1 c) の注6) 参照。

なお,皿頭及び丸皿頭の直径(dk)の最小寸法については,JIS B 1013 に規定するリングゲージを用いて調べる。

・挟みゲージ又は リングゲージ ・JIS B 1013 による

リングゲージ

図 15

i) 円筒部径(図 16 のds)

方法 1:実測による方法

円筒部の直径(ds)は,二面幅(s)の測定方法に準じて測定する

(4.2.1 c) の方法 1 参照)。

なお,dsの測定位置は,その中央付近とするが,円筒部が長

い場合には,ねじ部側と頭部側の 2 箇所について測定するのが

よい。

方法 2:ゲージによる方法

円筒部の直径(ds) は,その許容限界寸法に対応する通り・止

りの挟みゲージ6) を用いて調べる。 注6) 4.2.1 c) の注6) 参照。

・挟みゲージ

図 16

方法 1:実測による方法(1)座面の径(dw)は,測定投影機で次によって測定する。 基準線に,座面の影を合わせる。基準線が被測定物の内側に

なるよう軸線方向に 0.1 mm移動させた後,基準線と座面外周の

影との交点から座面の径(dw)を測定する。 方法 2:実測による方法(2)

座面の径(dw)は,輪郭形状測定機で次によって測定する。 おねじ部品の場合には,前もって軸部を切除する。また,先

端の丸み半径が 0.025 mm の測定子を準備する。

実際の座面の径(dw)を超える範囲の,座面の軸線を通る直径

方向の輪郭形状線を得る。おねじ部品の場合には,可能な限り

首下丸み部を含ませるのがよい。また,めねじ部品の場合には,

ねじ部の面取り部を含ませる。

座面から内側に 0.1 mm入った直線と,輪郭形状線との交点か

ら,座面の直径(dw)を測定する。

注記 座面の輪郭形状線は,首下移行円の径(4.2.1 l) 参照),

ナットのねじ部の面取り(4.2.2 i) 参照)及び座面の形

状からの偏差(4.3.1 o) 参照)の測定にも用いる。

方法 3:ゲージによる方法

座面の径(dw)は,直径又は幅がdwで,0.1 mmの段差をもつ機

能ゲージ(図 7 参照)で検証する。座面が機能ゲージのエッジ

部で接触し,段差の底面と接触してはならない。

・JIS B 7184 による

測定投影機

・輪郭形状測定機 ・機能ゲージ

j) 座面の径(図 17 のdw)

9a)

9a)

注9a) dwに対する基準位置

図 17

図718-機能ゲージによる座面の径の検証例

9

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 k) 座の高さ(図 19 の c)

方法 1:実測による方法

座の高さ(c)は,ノギス又はこれに代わる測定器を用いて測

定する。

なお,座の高さ(c)は,ダイヤルゲージを用い,図820 に示す

方法によって測定してもよい。

方法 2:ゲージによる方法

座の高さ(c)は,次によって検証する。六角部の対角距離よ

りも外径の大きい平座金105) 又はこれに代わる平板を座面に密

着させる。その上面から六角部下面までの寸法を,座の高さ(c)の許容限界寸法に対応した通り・止りの厚みゲージ116) と比較す

る(図921 参照)。

注105) 平座金は,JIS B 1256 によるのがよい。 116) 厚みゲージの寸法許容差は,JIS B 7524 のすきまゲ

ージに準じるのがよい。

なお,JIS B 7524 のすきまゲージを厚みゲージに準

用してもよい。

・JIS B 7507 による

ノギス

・JIS B 7503 による

ダイヤルゲージ

・平座金又は平板

・厚みゲージ

・JIS B 7524 による

すきまゲージ

図 19

注記 測定上の基準は,A面又はB面のいずれでもよい。た

だし,B面を基準にした場合は,ダイヤルゲージの読

みからm0を差し引いた値をcとする。

図820-実測による座の高さの測定例

図921-ゲージによる座の高さの測定例

l) 首下移行円の径

(図 22 のda)

方法 1:実測による方法

首下移行円の径(da)の測定には,4.2.1 j) の方法 2 で得た輪郭

形状線を用いる。 首下移行円の径(da)は,輪郭形状線の座面を表す直線と首下

丸みを表す円弧との交点から求める。

方法 2:ゲージ又はノギスによる方法[da maxを調べる場合]

首下移行円の径(da max) は,その最大許容寸法に対応した通り

挟みゲージ6) を用い,被測定物のdaと比較する。又は,最大許

容寸法に目盛りを合わせたノギスを用い,被測定物のdaと比較

する。 なお,ゲージの口には,丸み又は面取りがあってはならない。 注6) 4.2.1 c) の注6) 参照。

・輪郭形状測定機

・挟みゲージ

・JIS B 7507 による

ノギス

図 22

10

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 m) 溝付きナットのキャッ

スル部の径(図 23 のde)

方法 1:実測による方法

キャッスル部の直径(de)は,二面幅(s)に準じて測定する

(4.2.1 c) の方法 1 参照)。

方法 2:ゲージによる方法

キャッスル部の直径(de)は,その許容限界寸法に対応する通

り・止りの挟みゲージ6) を用いて調べる。 注6) 4.2.1 c) の注6) 参照。

・JIS B 7507 による

ノギス ・JIS B 7502 による

外側マイクロメー

タ ・JIS B 7520 による

指示マイクロメー

タ ・挟みゲージ

図 23

n) 溝付きナットの溝底か

ら座面までの距離

(図 24 の w)

方法 1:実測による方法(1)溝底から座面までの距離(w)は,ノギスを用いて測定する。

この場合,溝底と接触する外側用ジョーの断面は,溝底と接触

するように丸めるか又は角ばらせる127)。また,外側用ジョーが

溝の幅より厚い場合には,ジョーの厚さを修正する。

注127) 測定結果に影響しない程度の細い幅をもつ平面は,

許容される。

方法 21:実測による方法(2)溝底から座面までの距離(w)は,先端に溝の幅より小さい丸

みの球面をもつ測定子をダイヤルゲージに取り付け,それを用

いて測定する。座面を下にしてナットを定盤に置き,定盤(基

準面)から溝底までの高さを測定する。

なお,溝底から座面までの距離(w)がダイヤルゲージの測定

範囲を超える場合には,高さ寸法が既知のブロック(ゲージ)

との比較測定をする。

・JIS B 7507 による

ノギス

・JIS B 7503 による

ダイヤルゲージ

・JIS B 7533 による

てこ式ダイヤルゲ

ージ

図 24

4.2.2 内側寸法

測定項目 測定方法 測定器具の例 a) 六角穴の二面幅

(図 25 の s)

方法 1:実測による方法

六角穴の二面幅(s)は,ノギス,シリンダゲージ又はこれら

に代わる測定器を用いて測定する。

方法 2:板ゲージによる方法

六角穴の二面幅(s) は,その許容限界寸法に対応した通り・

止りの板ゲージ138) を用いて調べる。

注138) 板ゲージの寸法許容差及び摩耗代は,JIS B 7420 に

よる穴用限界ゲージに準じるのがよい。

方法 3:六角穴用ゲージによる方法

六角穴の二面幅(s) は,それに対応する六角穴用ゲージを用

いて調べる。

・JIS B 7507 による

ノギス

・JIS B 7515 による

シリンダゲージ

・板ゲージ

・JIS B 1016 による

六角穴用ゲージ

図 25

b) 六角穴の対角距離 (図 26 の e)

方法 1:実測による方法

六角穴の対角距離(e)は,六角穴の二面幅(s)の測定方法に準

じて測定する(4.2.2 a) 参照)。ただし,測定器の接触測定子は,

六角穴のすみに当たるような形状とする。

なお,e の測定には,測定顕微鏡,測定投影機などを用いて

もよい。

方法 2:六角穴用ゲージによる方法(e minを調べる場合) 六角穴の対角距離(e)は,4.2.2 a) の方法 3 に示す六角穴用ゲ

ージを用いて調べる。

・JIS B 7153 による

測定顕微鏡

・JIS B 7184 による

測定投影機

・JIS B 1016 による

六角穴用ゲージ

図 26

11

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 b) 六角穴の対角距離 方法 3:ゲージによる方法(e minを調べる場合)

六角穴の対角距離(e) は,その最小許容寸法(e min)に対応

した通りの板ゲージ138) を用いて調べる。ただし,板ゲージの

両側面は,六角穴の辺と干渉しないように面取りをする(図

1027 参照)。

注138) 4.2.2 a) の注13) 参照。

・板ゲージ (続き)

4.2.2 g) 関連

図1027-板ゲージの例

c) すりわりの幅

(図 28 の n)

方法 1:実測による方法

すりわりの幅(n)は,ノギス,すきまゲージ又はこれらに代

わる測定器を用いて測定する。

方法 2:ゲージによる方法

すりわりの幅(n) は,その許容限界寸法に対応した通り・止

りの形状ゲージ138) を用いて調べる(図1129 参照)。 通り側ゲージは,A 面が製品と接触しなければならない。 止り側ゲージは,B 面が製品と接触してはならない。 注138) 4.2.2 a) の注13) 参照。

・JIS B 7507 による

ノギス

・JIS B 7524 による

すきまゲージ

・形状ゲージ

図 28

a)

a)

a) 通り側 b) 止り側

注a) tmin:すりわりの深さの最小許容寸法

図1129-形状ゲージの例

d) すりわりの側面の傾き

(4.2.2 c) の図の≦7°)

すりわりの側面の傾き(≦7° 以下) は,図1129 に示す通り側

の形状ゲージを用い,すりわりの側面の傾きをゲージとのすき

まで比較する(図1230 参照)。

・形状ゲージ

図1230-形状ゲージによる比較測定の例

十字穴の測定は,JIS B 1012 に規定する方法によって行う。 e) 十字穴

ヘクサロビュラ穴の測定は,JIS B 1015 に規定する方法によ

って行う。 f) ヘクサロビュラ穴

12

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 g) 六角穴の深さ

(図 31 の t 及び w)

[六角穴の深さ(t )の測定方法] 方法 1:実測による方法(1)

六角穴の深さ(t) は,デプスバー付きのノギス,デプスマイ

クロメータ又はこれらに代わる測定器を用いて測定する。ただ

し,この場合における測定器の測定子は,六角穴のすみ部に当

たるようにする。 方法 2:実測による方法(2)

六角穴の深さ(t) は,十字穴の深さ又はヘクサロビュラ穴の

深さの測定方法に準じて,ダイヤルゲージで測定する(4.2.2 e) 及び 4.2.2 f) 参照)。ただし,測定子の形状は,被測定品の二面

幅の最小許容値をもつ六角形状とする。また,測定子の先端部

には,面取りを施さない。 方法 3:ゲージによる方法(t minを調べる場合)

六角穴の最小深さ(t min) は,図1027 に示す板ゲージの差し込

み部長さを,六角穴の深さ(t)の最小許容寸法に対応した寸法と

し,それを深さの通りゲージにして調べる。

[六角穴の底から座面までの距離(w)の測定方法] 六角穴の底から座面までの距離(w)は,4.2.1 e) によって実測

した頭部の高さ(k)から,実測した六角穴の深さ(t)を差し引い

て求める。 なお,六角穴の底部がきり底の場合には,ドリル加工穴の深

さ(t′ )を六角穴の深さの測定方法に準じて測定し,この値を実

測した頭部の高さ(k)から差し引いて求める。

・JIS B 7507 による

デプスバー付きの

ノギス ・JIS B 7544 による

デプスマイクロメ

ータ ・JIS B 7503 による

ダイヤルゲージ

図 31

h) すりわりの深さ

(図 32 の t 及び w)

[すりわりの深さ(t )の測定方法]

方法 1:実測による方法 すりわりの深さ(t)は,ダイヤルゲージに平板状の測定子を取

り付け,それを用いて測定する。この場合,平板状測定子の幅

は,すりわりの全長にわたるものとする(図1333 参照)。 なお,すりわりが大きい場合は,デプスバー付きのノギス,

デプスマイクロメータなどを用いて測定してもよいが,この場

合,測定子はすりわり深さの最も浅い部分に当たるようにす

る。

方法 2:ゲージによる方法 すりわりの深さ(t)は,その最小許容寸法(t min)及び最大許容

寸法(t max)に対応した寸法をもつ板ゲージ138)(図1434 参照)を

深さの通り・止りゲージにして調べる。 注138) 4.2.2 a) の注13) 参照。

・JIS B 7503 による

ダイヤルゲージ ・JIS B 7507 による

デプスバー付きの

ノギス ・JIS B 7544 による

デプスマイクロメ

ータ ・板ゲージ

凹形の底

凸形の底 図 32

図1333-実測によるすりわりの深さの測定例

13

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 h) すりわりの深さ

[すりわりの底から座面までの距離(w)の測定方法]

すりわりの底から座面までの距離(w)は,溝付きナットの溝底

から座面までの距離の測定方法に準じて,測定する(4.2.1 n) 参照)。ただし,すりわりの底から座面までの距離(w)は,すりわ

り深さの最も深い部分から座面までとする。

・JIS B 7507 による

ノギス ・JIS B 7503 による

ダイヤルゲージ ・JIS B 7533 による

てこ式ダイヤルゲ

ージ

(続き)

図1434-板ゲージによるすりわりの深さの測定例

i) ナットのねじ部の面取

り(図 35 のα及びda)

方法 1:実測による方法 ナットのねじ部の面取りの測定には,4.2.1 j) の方法 2 で得

た輪郭形状線を用いる。 ねじ部の面取り角度(α)は,面取り部を表す直線から求める。 面取りの直径(da)は,座面を表す直線と面取り部を表す直線

との交点から求める。 方法 2:ゲージ又はノギスによる方法[da maxを調べる場合]

面取り円の径(da max) は,それに対応した止りの挟みゲージ138)

を用い,被測定物のdaと比較する。又は,最大許容寸法に目盛

りを合わせたノギスを用い,被測定物のdaと比較する。

なお,ゲージの口には,丸み及び面取りがあってはならない。 注138) 4.2.2 a) の注13) 参照。

・輪郭形状測定機 ・挟みゲージ ・JIS B 7507 による

ノギス

図 35

j) 溝付きナットの

溝の幅(図 36 の n)

方法 1:実測による方法 溝付きナットの溝の幅(n)は,六角穴の二面幅(s)の測定方法

に準じて測定する(4.2.2 a) の方法 1 参照)。 方法 2:板ゲージによる方法

溝付きナットの溝の幅(n)は,その許容限界寸法に対応した通

り・止りの板ゲージ138) を用いて調べる。 注138) 4.2.2 a) の注13) 参照。

・JIS B 7507 による

ノギス ・板ゲージ

図 36

4.3 幾何公差付き形体

4.3.1 おねじ部品 測定項目 測定方法 測定器具の例

a) 外側形体 (締付け部の形体)

外側形体(締付け部の形体)は,総形の通りゲージ6) で検証

する。 注6) 4.2.1 c) の注6) 参照。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.1 又は図 C.3 に基づく

総形の通りゲージ

図 37

14

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 b) 内側形体

(締付け部の形体)

内側形体(締付け部の形体)は,六角穴用ゲージで検証する。 ・4.2.2 a) 及び 4.2.2 b) に示す六角穴用ゲー

図 38

c) 軸部に対する外側形体

の位置度(図 39 の t)

軸部に対する外側形体の位置度(t)は,機能ゲージで検証する。 フランジ付き六角ボルトの六角頭の位置度の検証例を,図1540

に示す。

・JIS B 1021 の 附属書Cの図C.4に基づく機能ゲージ

図1540-機能ゲージによるフランジ付き六角ボルトの

六角頭の位置度の検証例

a)

注14 a) 座面からデータムA

までの距離は,0.5 d以下とする。ただし,

タッピンねじの場合

は,1 d以下とする。 また,データム A は,すべて円筒部にあるか,すべてねじ部にあるようにし,ねじ部の切終わり部及び首下丸み部を含ませない。

図 39

d) 軸部に対するすりわり

の位置度 (図 41 の t)

軸部に対するすりわりの位置度(t)は,機能ゲージで検証す

る。 六角ボルトのすりわりの位置度の検証例を,図1642 に示す。

・JIS B 1021 の 附属書Cの図C.6に基づく機能ゲージ

図 41

図1642-機能ゲージによる六角ボルトの

すりわりの位置度の検証例

15

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 e) 軸部に対する十字穴の

位置度(図 43 の t)

軸部に対する十字穴の位置度(t)は,機能ゲージで検証する。 丸チーズ小ねじの十字穴の位置度の検証例を,図1744 に示

す。十字穴の食い付き用ゲージは,十字穴に食い付かなければ

ならない。

・機能ゲージ ・JIS B 1012 に基づ

く十字穴の食い付

き用ゲージ

a)

1 十字穴の食い付き用ゲージ 注a) 通りゲージは,ねじ外径の最大実体寸法を内径と

する円筒径穴である。

図1744-機能ゲージによる丸チーズ小ねじの 十字穴の位置度の検証例

14 a)

注14 a) 4.3.1 c) 図 39 の注14) 参照。

図 43

f) 軸部に対する内側形体

の位置度(図 45 の t)

軸部に対する内側形体の位置度(t)は,機能ゲージで検証す

る。 六角穴付き止めねじの六角穴の位置度の検証例を,図1846 に

示す。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.5 に

基づく機能ゲージ

図1846-機能ゲージによる六角穴付き止めねじの

六角穴の位置度の検証例

14 a)

注14 a) 4.3.1 c) 図 39 の 注14) 参照。

図 45 g) 軸部に対する円形の頭

部の位置度(図 47 の t)

軸部に対する円形の頭部の位置度(t)は,機能ゲージで検証す

る。 フランジ付き六角ボルトのフランジ外径の位置度の検証例

を,図1948 に示す。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.8 に

基づく機能ゲージ

図1948-機能ゲージによるフランジ付き六角ボルトの

フランジ外径の位置度の検証例

14 a)

注14 a) 4.3.1 c) 図 39 の 注14) 参照。

図 47

h) ねじ部に対する割りピ

ン穴の位置度 (図 49 の t)

ねじ部に対する割りピン穴の位置度(t)は,位置度測定用溝と,

及び通りねじリングゲージのねじに等しいねじをもつ専用ゲ

ージに被測定物をねじ込み,ピンを用いて検証する(図2050 参

照)。

・専用ゲージ及び ピン

16

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 h) ねじ部に対する割りピ

ン穴の位置度

(続き)

a)

b)

図 49

i) ねじ部に対する(半)棒先の位置度

ねじ部に対する(半)棒先の位置度は(t),機能ゲージで検証す

る。 (図 51 の t) すりわり付き止めねじの棒先の位置度の検証例を,図2152

に示す。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.10に基づく機能ゲージ

注a) 割りピン穴径の最大実体寸法

b) dl′+t

図2050-専用ゲージ及びピンによる ピ

図 51

図2152-機能ゲージによるすりわり付き止めねじの

棒先の位置度の検証例

j) ねじ部に対する円筒部

の位置度(図 53 の t)

ねじ部に対する円筒部の位置度(t)は,機能ゲージで検証す

る。 六角ボルトの円筒部の位置度の検証例を,図2254 に示す。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.13に基づく機能ゲージ

図2254-機能ゲージによる六角ボルトの

円筒部の位置度の検証例

15 a)

注15 a) データムAは,で

きるだけ円筒部近

くにとる。 図 53

k) 軸部の真直度 軸部の真直度(t)は,機能ゲージで検証する。 全ねじのボルト及び呼び径ボルトの場合には,円筒形のゲー

ジ穴に被測定物を通して調べる。全ねじの六角ボルトの軸部の

真直度の検証例を,図2356 に示す。 段付きボルト及び有効径ボルトの場合には,対向させた二枚

の平行板の間で被測定物を回転させて調べる。平行板の形状及

び間隔は,測定をするボルトの軸部の形状及び幾何公差に従う

ものとする。二枚の平行板を用いたフランジ付き六角ボルトの

軸部の真直度の検証例を,図2457 に示す。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.24に基づく機能ゲージ

(図 55 の t)

図 55

17

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 k) 軸部の真直度

(続き)

a)

注a) dは,おねじ外径の最大許容寸法。 図2356-機能ゲージによる全ねじの六角ボルトの

軸部の真直度の検証例

a)

b)

c)

注a) dsは,円筒部の最大許容寸法。 b) dbは,ねじ転造ブランク径の最大許容寸法。 c) dは,おねじ外径の最大許容寸法。

図2457-機能ゲージ(平行板)による フランジ付き六角ボルトの 軸部の真直度の検証例

l) 軸部に対する座面の軸

方向全振れ(図 58 の t)軸部に対する座面の軸方向全振れ(t)は,次によって測定す

る。三つめチャック,コレットチャック,Vブロック,トリロ

ールジグ169)又はこれらに代わるジグでデータムを保持する。被

測定物の座面にダイヤルゲージをセットして,被測定物を回

す。このとき,被測定物が軸線方向に移動しないようにする1710)。

測定範囲は,直径 0.8 dkの円内とする。ただし,フランジ付き

ボルトの場合は,半径方向の直線上の最高点を連ねた線上とす

る。 六角ボルトの座面の全振れの測定例を,図2559 に示す。 フランジ付き六角ボルトの座面の全振れの測定例を,図2660

に示す。 座面のダイヤルゲージの振れを測定値とする。

注 169) 附属書B参照。 1710) 頭部の頂面側又はねじ先の端面側に,軸線と直角

な平面が得られるようにVブロックなどを置き,こ

れに被測定物を当てて回すとよい。

・JIS B 1021 の 附属書Cの図C.14に基づく三つめチャッ

ク又はコレットチャ

ック ・JIS B 7540 による

V ブロック ・トリロールジグ ・JIS B 7503 による

ダイヤルゲージ ・JIS B 7533 による

てこ式ダイヤルゲー

14 a)

注14 a) 4.3.1 c) 図 39 の 注14) 参照。

図 58

図2559-六角ボルトの座面の全振れの測定例

18

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 l) 軸部に対する座面の軸

方向全振れ (続き)

a)

注a) 直定規アンビル

図2660-フランジ付き六角ボルトの座面の全振れの測定例 m) 軸部に対するねじ先端

面の全振れ(図 61 の t)軸部に対するねじ先端面の全振れ(t)は,次によって測定す

る。Vブロック,トリロールジグ16 9) 又はこれらに代わるジグで

データムを保持する。棒先端面にダイヤルゲージをセットし

て,被測定物を回す(図2762 参照)。このとき,被測定物が軸

線方向に移動しないようにする1710)。

直径 0.8 dpの円内におけるダイヤルゲージの振れを測定値と

する。 注 16 9) 4.3.1 l) の注16) 参照。

17 10) 4.3.1 l) の注17) 参照。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.12に基づくジグ ・JIS B 7540 による

V ブロック ・JIS B 7503 による

ダイヤルゲージ ・JIS B 7533 による

てこ式ダイヤルゲ

ージ ・トリロールジグ

図 61

図2762-ねじ先端面の全振れの測定例

n) ねじ部に対するねじ先

円すい面の円周振れ (図 63 の t)

ねじ部に対するねじ先円すい面の円周振れ(t)は,次によって

測定する。通りねじリングゲージのねじに等しいねじ及びその

軸線と同軸の外径円筒をもつ専用ジグにデータムをねじ込ん

だ後,データムを専用ジグに固定する。この場合,データムの

固定には,皿ばね座金及び止めナットを用いるのがよい。 被測定物を固定した専用ジグを,Vブロック又はこれに代わ

るジグで保持する。ねじ先部の円すい面に対して垂直にダイヤ

ルゲージをセットして,専用ジグを被測定物と共に回す(図

2864 参照)。このとき,被測定物が軸線方向に移動しないよう

にする17 10)。 円すい面のダイヤルゲージの振れを測定値とする。 注 17 10) 4.3.1 l) の注17) 参照。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.11に基づくジグ ・JIS B 7540 による

V ブロック ・JIS B 7503 による

ダイヤルゲージ ・JIS B 7533 による

てこ式ダイヤルゲ

ージ

図 63

a)b)

注a) 皿ばね座金

b) 止めナット

図2864-ねじ先円すい面の円周振れの測定例

19

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 o) 座面の形状からの偏差 1) 座面の角度(φ)の測定

座面の角度(φ)の測定には,4.2.1 j) の方法 2 で得た輪郭形状

線を用いる。 座面の角度(φ)は,da maxと 0.8×dw minとの間の輪郭形状線の最

小二乗法による直線から求める。 2) 座面の真直度(t)の測定

座面の真直度(t)の測定には,4.2.1 j) の方法 2 で得た輪郭形

状線を用いる。 輪郭形状線の波の高さを求めて,座面の真直度(t)の測定値と

する。ただし,波の高さの測定は,上記 1)で求めた最小二乗法

による直線に垂直な方向とする。 測定範囲は,da maxから 0.8×dw minの間とするが,0.8×dw minの

外側が凸形状になっている場合には,その高さも測定値に含め

る。

(図 65 の φ及び t)

18 a)

注18 a) da maxとdw minとの間

の半径方向の線。 図 65

4.3.2 めねじ部品 測定項目 測定方法 測定器具の例

a) 外側形体 (締付け部の形体)

外側形体(締付け部の形体)は,総形の通りゲージ6) で検証

する。 注6) 4.2.1 c) の注6) 参照。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.1 又

は図 C.3 に基づく総

形の通りゲージ

図 66

b) ねじ部に対する六角側

面の位置度(図 67 の t)ねじ部に対する六角側面の位置度(t)は,機能ゲージで検証す

る。 六角ナットの六角側面の位置度の検証例を,図2968 に示す。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.17に基づく機能ゲージ

図 67

図2968-機能ゲージによる六角側面の位置度の検証例

c) ねじ部に対する四角側

面の位置度(図 69 の t)ねじ部に対する四角側面の位置度(t)は,機能ゲージで検証す

る。 四角ナットの四角側面の位置度の検証例を,図3070 に示す。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.18に基づく機能ゲージ

図 69

図3070-機能ゲージによる四角側面の位置度の検証例

20

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 d) ねじ部に対する円形外

周部の位置度 ねじ部に対する円形外周部の位置度(t)は,機能ゲージで検証

する。 (図 71 の t) フランジ付き六角ナットのフランジ外周部の位置度の検証

例を,図3172 に示す。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.19に基づく機能ゲージ

図 71

図3172-機能ゲージによる円形外周部の位置度の検証例

e) ねじ部に対する割りピ

ン溝の位置度 (図 73 の t)

ねじ部に対する割りピン溝の位置度(t)は,機能ゲージで検証

する。 溝付き六角ナットの割りピン溝の位置度の検証例を,図3274

に示す。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.20に基づく機能ゲージ

図 73

図3274-機能ゲージによる割りピン溝の位置度の検証例

f) ねじ部に対する座面の

軸方向全振れ (図 75 の t)

ねじ部に対する座面の軸方向全振れ(t) は,次によって測定

する。通りねじプラグゲージのねじに等しいねじ及びその軸線

と直角な座面をもつ専用ジグにデータムをねじ込んだ後,デー

タムを専用ジグに固定する。この場合,データムの固定には,

専用ジグの座面と被測定物との間に,皿ばね座金を入れるのが

よい。 被測定物を固定した上記の専用ジグを,両センターで保持す

る。被測定物の座面にダイヤルゲージをセットして,専用ジグ

を被測定物と共に回す。 測定範囲は,直径 0.8 s又は 0.8 dkの円内とする。ただし,フ

ランジ付きボルトの場合は,半径方向の直線上の最高点を連ね

た線上とする。 ナットの座面の軸方向全振れの測定例を,図3376 に示す。 フランジ付きナットの座面の軸方向全振れの測定例を,図

3477 に示す。 座面のダイヤルゲージの振れを測定値とする。

・JIS B 1021 の 附属書 C の図 C.22に基づく専用ジグ ・JIS B 7503 による

ダイヤルゲージ

図 75

1 皿ばね座金 2 被測定部品

図3376-ナットの座面の軸方向全振れの測定例

21

B 1071:0000

測定項目 測定方法 測定器具の例 f) ねじ部に対する座面の

軸方向全振れ (続き)

1 皿ばね座金 2 直定規アンビル

図3477-フランジ付きナットの座面の軸方向全振れの測定例 g) 座面の形状からの偏差 1) 座面の角度(φ)の測定

座面の角度(φ)の測定には,4.2.1 j) の方法 2 で得た輪郭形状

線を用いる。 座面の角度(φ)は,da maxと 0.8×dw minとの間の輪郭形状線の最

小二乗法による直線から求める。 2) 座面の真直度(t)の測定

座面の真直度(t)の測定には,4.2.1 j) の方法 2 で得た輪郭形

状線を用いる。 輪郭形状線の波の高さを求めて,座面の真直度(t)の測定値と

する。ただし,波の高さの測定は,上記 1)で求めた最小二乗法

による直線に垂直な方向とする。 測定範囲は,da maxから 0.8×dw minの間とするが,0.8×dw minの

外側が凸形状になっている場合には,その高さも測定値に含め

る。

(図 78 の φ及び t)

19 a)

注19 a) da maxとdw minとの

間の半径方向の線。 図 78