jst産学連携事業...2020/07/31  · jst産学連携事業 よもやま話 齊藤仁志...

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JST産学連携事業 よもやま話 齊藤 仁志 2020年7月31日(金) 資料1 科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会 10期地域科学技術イノベーション推進委員会 (第5回) R2.7.31

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  • JST産学連携事業

    よもやま話

    齊藤 仁志

    2020年7月31日(金)

    資料1科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会第10期地域科学技術イノベーション推進委員会

    (第5回)R2.7.31

  • 1996 1997 1998 1999 2000 2006 2007 2008 2009 20102001 2002 2003 2004 2005

    科学技術基本計画

    大学の教員等の任期に関する法律等

    大学等技術移転促進法

    産業活力再生特別措置法

    産業技術力強化法

    第二期科学技術基本計画

    遠山プラン、平沼プラン

    第一回京都会議

    知的財産基本法

    知的財産推進計画

    国立大学法人化

    第三期科学技術基本計画

    教育基本法改正

    イノベーション25

    事業仕分け

    第四期科学技術基本計画

    2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

    日本の産学官連携政策

    事業仕分け

    第四期科学技術基本計画

    科学技術イノベーション総合戦略

    研究開発力強化法改正

    まち・ひと・しごと創生総合戦略

    日本再興戦略2016

    第五期科学技術基本計画

    イノベーション促進産学官対話会議

    オープンイノベーション共創会議

    総合イノベーション戦略

    科技イノベ活性化法

    科学技術・イノベーション基本法改正

    法人格の取得研究成果の利用促進TLOへの出資特許等の機関帰属へ

    知的財産立国実現大学等体制整備推進計画の策定

    TLOの国有施設の無償使用

    国の委託研究成果を実施機関へ移転(日本版バイドール)

    承認TLO制度の創設

    大学発ベンチャー1000社計画

    大学の役割=社会貢献

    大学発ベンチャー等支援会社等への出資

    「大学、国立研究開発法人等への民間投資3倍増」

    国研の出資可能方針の拡大、出資先の拡大、国研、大学の株式等取得・保有の可能化

  • 3

    JSTの産学官連携施策

    第1期科技計画 第2期科技計画 第3期科技計画 第4期科技計画 第5期科技計画1993 1996 2001 2006 2011 2016 2021

    科学技術特別研究員(1993-2004)

    RSP地域研究開発促進拠点支援事業(1996-2005)

    地域結集型共同研究事業(1997-2013)

    重点研究支援協力員制度(1997-2007)

    育成研究(2001-2013)

    シーズ発掘試験(2005-2013)

    研究開発資源活用型(2006-2013)

    地域ニーズ即応型(2008-2013)

    イノベーションコーディネーター表彰(2009-2014)

    地域卓越研究者戦略的結集プログラム(2009-2013)

    地域産学官共同研究拠点整備事業(2010-2011)

    復興促進センター(2012-2016)

    COIプログラム(2013-2022)

    スーパークラスタープログラム(2013-2018)

    リサーチコンプレックス推進プログラム(2016-2019)

    イノベーションハブ構築支援事業(2015-2019)

    共創の場形成支援プログラム(2020-)

    ■旧地域事業■拠点事業■マッチングプランナー

    1990年より科学技術庁が開始した制度。1993年にJSTへ移管。国立試験研究所機関における基礎研究を推進した。研究者が自らの研究課題を国立試験研究機関を実施場所として自主的に推進する。35歳未満博士号取得(及び取得見込)者が対象。3年を限度に1年ごとに更新。

    拠点整備事業。都道府県が地域の科学技術活動の活発化を図るために設立した財団等をコーディネート活動の拠点として整備するにあたり、JSTが科学技術コーディネーターを委嘱し支援した。・ネットワーク構築型・研究成果育成型

    地域で企業化の必要制が高い分野の個別的研究開発課題を集中的に実施する産学官共同研究事業。研究の継続・発展および成果の利活用をおこなう地域COE(Centerof Excellence)の整備を行い支援先16年で39地域にのぼった。

    重点地域地域研究開発プログラム。各種コーディネーター(府省、大学、地方自治体、独立行政法人、TLO等)が発掘した大学等の研究シーズを実用化を促し、イノベーション創出に貢献し、コーディネーター等の活動を支援。コーディネーターと共に実用化試験研究を必要とする研究課題が対象。重点地域研究開発推進プログラム。

    イノベーションプラザ・サテライトにおける成果(研究成果、人材、研究設備等の資源)を有効活用し、企業化へ向けた研究開発を支援、地域企業への円滑かつ効果的な技術移転を図る。実機レベルプロトタイプ開発途上など、数年以内に企業化を前提とした開発移行が見込まれるものの後押しをおこなう。

    地域の大学において卓越した研究を実施している研究者を中核にしたドリームチームにより、特定分野の産業創出を目指す。卓越研究者の研究開発に基づく研究開発テーマで、自治体において振興施策があり、プロジェクト終了後5年以内の企業化が見込まれるものを支援

    東日本大震災の被災地が震災から復旧するだけではなく、科学技術を利用して大きく復興、発展することを後押しするため、2012年4月に「JST復興促進センター」を開設。岩手県盛岡市、宮城県仙台市、福島県郡山市の3カ所に事務所を設置した。

    重点地域研究開発推進プログラム。地域の中堅企業のニーズに対し、大学・公設試・高専等のシーズを活用し、新産業の創出および地域活性化を目標とする。公設試が調整役で地域企業ニーズに大学・公設試・高専等のシーズをマッチングさせた課題を支援。

  • 4

    RSP地域研究開発促進拠点支援事業

    1996年~2005年の拠点整備事業。都道府県が地域の科学技術活動の活発化を図るために設立した財団等をコーディネート活動の拠点として整備するにあたり、JSTが科学技術コーディネーターを委嘱し支援した。

    ・ネットワーク構築型:計26都道府県を採択。各地域に科学技術コーディネーター1名を配置。

    ・研究成果育成型:計13都道府県を採択。各連携研究機関に科学技術コーディネーター4名を配置。

    ■地域研究開発促進拠点支援事業(RSP)採択地域

  • 新品種「夏なら菜」「冬なら菜」による大和マナの生産拡大に貢献、また、メタボリックプロファイリング技術を活用し、荒茶におい て、機器分析データから茶品評会ランキングと同等の品質予測を可能とする方法を開発、当時京都に出荷して「宇治茶」として売られていた品種の「大和茶」としてのブランディングに成功した。

    地域結集型共同研究事業1997年より実施2013年まで実施。 地域で企業化の必要制が高い分野の個別的研究開発課題を集中的に実施する産学官共同研究事業。研究の継続・発展および成果の利活用をおこなう地域COE(Center of Excellence)の整備を行い、16年で36地域を支援した。

    奈良県

    奈良県特産の植物素材を活用するために有用性の科学的根拠を明らかにし、メタボリックプロファイリング等の中核技術の創成を目指した。

    ◀簡易品質評価機器(当時)

    茨城県 環境フロンティア技術開発

    ネットワーク型地域COEの確立として、2005年茨城県霞ケ浦環境科学センターを開設。

    高度処理型浄化槽システム(当時)と霞ケ浦環境科学センター(外観)

    開設された同センターでは現在も、当時構築された水環境修復技術開発に係る人的・組織的ネットワークを有効に活用して、研究開発を継続している。

    茨城県霞ケ浦環境科学センター公式ホームページhttps://www.pref.ibaraki.jp/soshiki/seikatsukankyo/kasumigauraesc/

    古都奈良の新世紀植物機能活用技術の開発

    現在パークハイアットで好評販売中の「大和茶ショコラ」▶

    熊本県 次世代耐熱マグネシウム合金の基盤技術開発高強度、高耐熱性を有するKUMADAIマグネシウム合金技術を核に、高度な研究開発、合金設計、 溶解・鋳造・加工、材料解析・評価等を行う次世代耐熱マグネシウム合金実用化基盤技術プラットフォームの構築を支援。

    2019年12月、熊本大学先進マグネシウム国際研究センターの河村能人教授と井上晋一特任助教らは、KUMADAI耐熱マグネシウム合金の不燃化に成功、製造時と利用時の安全性が高まったことから、航空機や自動車など様々な輸送機器への応用に弾みが付くと期待されている。

    熊大先進マグネシウム国際研究センターセンター長 教授 河村能人氏

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  • 6

    イノベーションプラザ・サテライト

    『地域の産学官交流』の場イノベーションプラザ・イノベーションサテライト拠点図各プラザ・サテライトに科学技術コーディネーターを配置しセミナー・フォーラム・研究会の開催やニーズ・シーズ情報の収集とマッチングの取組を実施。■地域における大学技術シーズの実用化促進■地域の産学官ネットワークや地域COEの構築■人材育成や事業により産み出されたノウハウの継承■館長に地元関係者を充てることにより地元の大学、自治体等の全面的なサポートを構築し、館長の裁量による成果の最大化を生み出すことを可能とする

    イノベーションプラザ(研究成果活用プラザ) 8ヶ所地域イノベーション創出に向けた拠点として、産学官交流機能および研究室などを有する

    イノベーションサテライト 8ヶ所地域のニーズに応じたよりきめ細やかな産学連携活動を推進するための拠点となった

    2002年度①研究成果活用プラザ北海道②研究成果活用プラザ石川③研究成果活用プラザ大阪④研究成果活用プラザ広島⑤研究成果活用プラザ福岡

    2003~2005年度⑥研究成果活用プラザ宮城⑦研究成果活用プラザ東海⑧研究成果活用プラザ京都

    2006・2007年度~⑨JSTサテライト岩手⑩JSTサテライト茨城⑪JSTサテライト新潟⑫JSTサテライト静岡⑬JSTサテライト滋賀⑭JSTサテライト徳島⑮JSTサテライト高知⑯JSTサテライト宮崎

    ④⑤

    ⑭⑮

  • 7

    地域卓越研究者戦略的結集プログラム・2009年より2013年まで実施。・地域の大学において卓越した研究を実施している研究者を中核にしたドリームチームにより、特定分野の産業創出を目指す。

    ・卓越研究者の研究開発に基づく研究開発テーマで、自治体において振興施策があり、プロジェクト終了後5年以内の企業化が見込まれるものを支援。

    ・地域の大学において卓越した研究を実施している研究者(在籍卓越研究者)の研究状況について、事前にアンケート調査を実施。

    ・応募数:計12課題、採択数:計2課題・支援額:最大2.2億円/年(間接経費含む。初年度と最終年度は1.1億円/年)

    山形大学「先端有機エレクトロニクス国際研究拠点形成」

    研究責任者 城戸 淳二 教授

    信州大学「エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用」

    研究責任者 遠藤 守信 教授

    これまで山形大学で進めてきた有機ELの技術を核に、有機太陽電池、有機トランジスタなどの卓越研究者を招聘し、有機エレクトロニクス分野に関する国際的研究拠点を形成。塗布型有機EL白色照明、フレキシブル有機ELディスプレイ、有機薄膜太陽電池など、これらの生産プロセスまで含めての研究開発を実施。

    エキゾチック・ナノカーボンは、従来のナノカーボンに新たに異種原子を積極的に導入した、ナノカーボンを超えるナノカーボン、すなわち“エキゾチック・ナノカーボン”の研究を実施。エキゾチック・ナノカーボンの創成、物性・機能と構造解析、応用開拓の3テーマについてチームを結成し、密接な連携を行いつつ研究開発を推進。

    写真出典:https://oled.yz.yamagata-u.ac.jp/member.cgi?p=1 ,http://www.shinshu-u.ac.jp/project/encs/center/message02.html

  • 8

    イノベーションコーディネーター表彰2009年~2014年まで開催。産学官連携に関わるコーディネータの活動・実績に対して、その成果を客観的視点から表彰することにより、コーディネータのモチベーションを高めるとともに、コーディネート活動の重要性を社会にアピールすることで、コーディネータのより一層のステータス向上を目指し創設された。

    【賞の内容】イノベーションコーディネータ大賞・文部科学大臣賞大学などの持つ有効な技術シーズを発掘し、商品化実現に向け産と学の効果的な橋渡しを行うなど、科学技術に関わるイノベーションの創出において、総合的に極めて優れたコーディネート活動を行った方。

    イノベーションコーディネータ賞・科学技術振興機構理事長賞シーズ発掘・マッチングなどの産学連携活動や企業化支援などの活動に優れた成果を上げており、かつコーディネート活動の仕組み作り・人材育成などにも優れた成果を上げた方。

    イノベーションコーディネータ賞優れたコーディネート活動を行っており、今後のさらなる活動の発展が期待される方。

    イノベーションコーディネータ賞・若手賞優れたコーディネート活動を行っており、今後の活躍が大いに期待される45歳未満の若手のコーディネータ。

    功労者賞コーディネート活動・コーディネータ制度の整備・発展に関する活動において、特に優れた功績を上げた方。

  • 9

    地域産学官共同研究拠点整備事業

    平成21年度の補正予算において、独立行政法人科学技術振興機構施設整備費補助金263億円が予算化された。

    「地域の特色を活かした産学官共同研究を推進するための研究設備・装置を整備し、これまでの研究成果を中堅・中小企業や社会に展開・加速することにより、科学技術を活用した地域活性化を実現することを目的としている。

    整備地域構想支援地域:28地域地域構想の全体が優れており、産学官共同研究による成果が期待出来るための構想の実現を総合的に支援する必要があると評価された地域基盤形成支援地域:12地域地域構想の中で地域において実績があるテーマなどに限定して必要な研究設備を整備することが将来の基盤形成につながると評価された地域

    ぎふ技術革新センター会費制で拠点を運営

    ぎふ技術革新センター運営協議会年会費・正会員 一口100,000円・賛助会員 30,000円・準会員 無料

    富山県ものづくり研究開発センター県内企業の技術力向上に大きく寄与

  • 10

    復興促進センター

    科学技術振興機構(JST)は、東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地が震災から復旧するだけではなく、科学技術を利用して大きく復興、発展することを後押しするため、2012年4月に「JST復興促進センター」を開設。岩手県盛岡市、宮城県仙台市、福島県郡山市の3カ所に事務所を設置した。

    被災地の企業ニーズの掘り起こしや大学などの技術シーズとのマッチング、実用化・企業化支援などの活動を推進するためJSTのマッチングプランナーが活動を行った。

    ■被災地企業から相談を受けた件数:累計1,141件■採択課題数:累計 288件平成24年度 161件(うち、可能性試験 53件)平成25年度 84件平成26年度 43件

    ■研究開発費投入額:累計 64億円平成24年度15億円、平成25年度26億円、平成26年度22億円、平成27年度1億円

    ■被災地域で新規雇用を創出被災地域全体で308名(102社)雇用が増加

    (青森県10名、岩手県94名、宮城県149名、福島県35名、茨城県13名、千葉県7名(平成28年1月現在))

  • JST震災復興復興支援事業_①2011年3月に発生した東日本大震災、2016年4月の熊本地震、そして2018年西日本豪雨災害。その後も関東圏に大きな爪痕を残した台風19号など各地で大きな災害が発生しており、災害後の復旧・復興の対策がこれからの日本の喫緊の課題である。科学技術振興機構(JST)では、甚大な被害を被った被災地の復興を促進するための支援活動を続け、また、防災・減災の技術開発支援を行っている。

    被災地の企業・大学

    全国の研究者

    「マッチングプランナー」が仲介、申請支援

    被災地企業等のニーズを調査、発掘 全国でシーズを探索

    評価委員会

    ニーズの解決被災地の経済活性化・社会貢献

    採択

    科学技術イノベーションで復興を後押ししたJST「マッチングプランナー」の役割○様々な技術分野に精通したJSTマッチングプランナーが被災地企業のニーズを聞いて最適な大学のシーズとマッチング

    ○計画の立案・申請書の作成などを丁寧にサポート○盛岡・仙台・郡山の各事務所に地域に根ざしたプログラムオフィサーを配置○採択後の研究開発実施から研究開発終了後の事業化展開まで幅広くサポート

    11

  • 12

    JST震災復興復興支援事業_②

    見る、飾る伝統工芸を「使える」伝統工芸へ課題名:『無機有機ナノコンポジット高耐久表面処理技術の開発と宮城伝統工芸「玉虫塗」への展開』

    宮城県伝統的工芸品 「玉虫塗」は独自工法で玉虫の羽のように艶やかに照り返す 発色と光沢が特徴で人気の高い塗り製品である。東日本大震災で甚大な被害を受けた製作所が現代の日常に馴染む新製品の開発に着手。

    東日本大震災復興支援_宮城県

    マッチングプランナーの仲立ちを受けての産業技術総合研究所との共同研究により、粘土質材料クレーストを用いて、漆器製品でありながら日常品として求められる力学的要求特性を満たし、かつ長期間の使用にも耐え得るコーティング技術を開発し、美しさはそのまま「日常使い可能な食器洗浄機にも耐える塗り製品」として販売した。

    2016年G7伊勢志摩サミットでは総理から各国首脳への贈答品としても採用された。また、それを機に話題となり、宮城県知事から羽生弓絃選手への贈答品に採用、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」とのコラボで塗りの葉書を作成するなど様々な業態と連携、そして2020年には、本技術を応用し玉虫塗を屋外でも使用できるように透明性が高く、表面硬度も高い保護層用塗料を特定、十分な外観・性能を有するコーティングプロセスも開発し「東北楽天イーグルス」のヘルメットを作成している。

    調である。また、JSTが仲立ちとなり、JSTが2016年より福島県で開催しているサイエンスキャラバン初期よりの参加校であった「郡山女子大附属高等学校」と「会津天宝醸造」は地元の食材をつかった地域振興を目指し、2019年共同で商品の開発に着手、2020年1月には、商品化された味噌やあまざけを使用した菓子類が飲食店で提供されることとなった。その取組と商品は地元でも注目を集め、多くの媒体の取材を受け、経緯が紹介されている。

    復興支援事業×サイエンスキャラバン JST“つながる縁”の共同開発課題名:『玄米含有機能成分を活用したアンチメタボリック発酵食品の研究・商品開発』会津天宝醸造 × サイエンスキャラバン 郡山女子大附属高等学校

    東日本大震災後、福島県の老舗発酵食品企業「会津天宝醸造」が地元の研究機関と連携し、会津ひとめぼれ米でおいしく飲みやすい玄米あまざけを開発し、福島県の食品の安全性を保証しながら製品の拡販にチャレンジした。琉球大学の協力も得、医学的にメタボリック対策に効果があるとされた「玄米オリザーノあまざけ」の実証課程は科学誌ネイチャーに掲載され、販売も順

    東日本大震災復興支援_福島県

  • 熊本城の早期復興を目指して 石垣照合システムの開発課題名:『三次元画像認識・計測技術による熊本城の石垣復旧支援技術の開発』

    2016年4月の熊本地震により、熊本城の約3割の石垣が被害を受けた。崩落した石材は数万個に及び、甚大な被害を記録した。文化財の復旧作業においては「崩落した石材を元の位置に戻す」ことが求められるがしかし、石材の元所在を照合する作業は、石工職人等が一つ一つ目視し判定するという膨大な時間と労力を要する方法によってきた。

    そこで、本研究開発課題では、画像処理および画像照合などの情報処理技術によって、これらの照合行程を効率化し、石垣復旧工事の時間短縮に貢献する技術を目的とし、開発を進めている。現在、飯田丸五階櫓の石垣復旧工事に向けた石材の照合検証を進行している。

    熊本の精神的な支柱であり、年間約200万人が訪れる貴重な観光資源でもある熊本城。その復旧工事には約20年を要するとされている。本研究開発の成果が、早期の熊本城復旧に繋がること、そして自然災害リスクが高い我が国の文化財保全に貢献できるようになることを目指す。

    復興作業の負担軽減に資するシャベルの開発課題名:『人手による復興作業の負担軽減に資する作業用具の提案』

    豪雨災害では住宅街や建物内に流れ込んだ大量の土砂や流木は人手により撤去する必要があるが、現在使用されているシャベルは重く、前屈角度も深くなり身体への負荷が大きいため作業性が悪い。S字屈曲柄を採用し腰部モーメントを前屈方向10%、側屈方向へ20%低下させ、ユニバーサルデザイン雪シャベルを開発した知見をもとに機械工学、人間工学を活用して土砂用スコップの軽量化およびシャベル柄と頭部形状等を開発する。現在シャベルデザインを終え、部品の軽量化と強度維持、X線CTによる3D外形、試作品による酸素摂取量と作業量の計測を行っている。2019年8月、JST主催イノベーション・ジャパン2019で展示を行った際は台風被害が甚大な時期であったことからブース来訪者が多く、体験コーナーには行列ができた。

    熊本地震復興支援

    JST震災復興復興支援事業_③

    西日本豪雨復興支援

    13

  • ▲岩手県山田湾

    岩手県 東日本大震災から熊本地震、西日本豪雨の被災地へ~つながる復興支援震災で甚大な被害を受けた岩手県山田町の三陸やまだ漁業協同組合との共同研究は、

    2012年10月に山田湾で始まった。本課題で炭素材と鉄材を接触させ、その周囲に腐葉土を配置した鉄供給材を牡蠣養殖用イカダに吊り下げたところ、プランクトン濃度が3倍も増加し、牡蠣の成長が促進された。牡蠣の成長が顕著な時期に鉄供給材を設置することでより効果的に促進される。鉄供給

    材の構造や使用材料を最適化することで、生産期間を著しく短縮できる可能性が確かなものとなった。また、鉄分の供給によって、海藻の繁茂現象や、牡蠣に含まれる鉄分や亜鉛の含有量が増加することも確認されている。

    この成果は、現在、熊本地震の被災地や広島西日本豪雨の被災地でも活用されている。

    JST震災復興復興支援事業_④

    14

  • ■産学連携アドバイザー京都 3名大阪 2名広島 1名長崎 1名岩手 1名宮城 2名福島 3名鹿児島 1名岡山 2名熊本 1名徳島 1名石川 1名東京 1名沖縄 1名愛知 1名茨城 1名

    24名■マッチングプランナー東北・北海道 6名広域関東圏 4名近畿・中部 4名中国・四国 3名九州・沖縄 3名

    ■イノベーションプランナー千葉 1名愛媛 1名宮崎 1名福岡 1名

    15

    JSTマッチングプランナー等配置図

    20名

    4名

    ■JSTマッチングプランナー等が配置されている区域

  • 16

    現在につながる地域事業の成果

    シーズ発掘試験 育成研究 大学発ベンチャー支援

    シーズ発掘試験において、ダチョウの卵黄を利用し、従来より低コストで質的に優位性のあるウィルスに対する抗体の大量生産技術を確立した。現在、新型コロナウイルス感染症への効果が期待されるマスクの販売、抗体開発につながっている。

    COVID-19への効果も期待 ダチョウ抗体マスク

    可能性試験 シーズ発掘試験 地域ニーズ即応型

    生鮮食品、特に魚貝類を新鮮な状況で長期間保存する際に有効であるシャーベット状の氷(「スラリーアイス」)が得られる低塩分濃度の製氷装置を開発した。平成20年度から発売を開始している。果汁にも応用され、一次産業のさらなる付加価値化が期待される。

    高鮮度保持流通で一次産業の高付加価値化スラリーアイスシーズ発掘試験 育成研究

    シーズ発掘試験において開発したナノ中空シリカ薄膜製造技術を応用し、育成研究ではナノシリカ中空粒子をプラスチック樹脂に高分散させる技術を開発。ナノ中空シリカをボールの表面にコーティングすることにより、汗にぬれても滑らなくなることから、北京とロンドンオリンピックのバレーボール公式球に本技術が採用されたことも話題となった。

    五輪バレーボールの公式球に貢献 ナノシリカ超断熱材

    開発されたレーザ微細接合技術は、複数の異なる素材を適材適所で接合し、高い機能性を生み出せることから、より正確・快適に使用できる医療器具の製造技術として、眼科、脳外科用の手術器具などにも活用され、医療機器分野への参入を果たした。現在シャルマンは、チタン精密

    加工技術の集積地である地元福井県を牽引する企業となっている。

    眼鏡から医療器具まで美しく緻密な チタン合金加工技術

    眼科手術用器具(持針器)

    育成研究 地域結集型共同研究事業

  • 17

    地域事業契約当事者表

    JST地域事業における申請書の契約権者の変遷

    事業名 実施期間 契約権者

    RSP地域研究開発促進拠点支援事業

    1996-2005 都道府県

    地域結集型共同研究事業 1997-2013 都道府県または政令指定都市育成研究 2001-2013 大学および企業の連名シーズ発掘試験 2005-2013 コーディネータ等および研究者

    (連名の応募)

    研究開発資源活用型 2006-2013 大学および企業の連名地域ニーズ即応型 2008-2013 公設試および大学の連名地域卓越研究者戦略的結集プログラム

    2009-2013 大学および自治体の連名

    地域産学官共同拠点整備事業 2010-2011 企業・大学・自治体(産学官の連名)

  • 地域課題の解決(弘前大)健診データの解析結果に基づき、健診と同時に健康教育、啓発等を行う仕組みの開発や健康教育に関するプログラムの開発等により、青森県40市町村の「短命県返上」「寿命革命」という地域課題の解決に寄与

    弘前大学COI「真の社会イノベーションを実現する革新的「健やか力」創造拠点」

    疾患の予防・改善のための健康増進啓発アプリ・「健康物語」(マルマンコンピュータサー ビス)・通信教材「ファミリーヘルスラボ」(ベネッセHD)

    検査に基づき,リスク評価と行動変容アドバイスを提供・バイオマーカー (ライオン)・微生物叢 (テクノスルガ・ラボ)・嗅覚 (エーザイ) 等

    直接経済効果

    新たな健診(簡易型・包括人間ドック型)

    売上金額3.6億円/年雇用創出10人

    IoT健康啓発アプリ

    売上金額1.5億円/年雇用創出15人

    カロリー,塩分,抗酸化物質等に配慮した食を提供・健康弁当「まめしぃ弁当」 (栄研 )・高血圧対策減塩レシピコンテストと健康食ポータル(楽天)・健康惣菜・弁当(イオン)

    アンチエイジング関連商品開発

    売上金額6.6億円/年雇用創出30人

    その日のうちに結果を説明し,今日からの行動変容につながる啓発型健診・自治体や企業など集団向け(健やか力推進センター)

    啓発型健診受診者の増加(集団健診収入)

    売上金額1億円/年雇用創出35人

    学校,職域,地域においてリーダーを育成し,コミュニティ全体の健康教養を高める・健やか力推進センター等

    健康リーダー育成講習会の参加者増加(参加費収入)

    売上金額2億円/年雇用創出25人

    第1回 日本オープンイノベーション大賞『内閣総理大臣賞(最高賞)』(2019年)

    経済効果のみならず健康への価値観のシフトにも

    大きく貢献

    メタボ、歯科口腔、ロコモ、うつ病・認知症、三大生活習慣病、健診、運動・飲酒・喫煙などICT活用で後日もケア → いつでも、どこでも、だれでもできる

    健診データを使ってその場で“健康教育”を行う

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  • 岩木健康ビッグデータ(2000)

    基盤的ヘルスリテラシー

    健康意識・行動変容

    健康度向上/短命県返上健康度向上/短命県返上

    オープンイノベーション(OI2.0)を通じた社会環境の整備

    気づきと実践方法の理解

    BD解析チームで抽出した限定されたBD健康予測(疾患予兆)アルゴリズム

    健康予測アルゴリズムに基づいた健康教育と個別化された予防的ソリューションの提供

    啓発型健診での測定・啓発活動

    啓発型健診や他健診等データetc

    岩木健康PJをベースとした健康度向上(短命返上)実現デザイン

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  • http://coi.hirosaki-u.ac.jp/web/

    短命県返上に向けた全県・全領域的な健康推進体制を構築真の社会イノベーションを実現する革新的「健やか力」創造拠点(COI,弘前大)

    第1回 日本オープンイノベーション大賞 内閣総理大臣賞 受賞

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  • ・糖尿病・脳卒中などの生活習慣病予防による医療費適正化、生産性増加)・生活習慣病・認知症の医療・介護費の適正化・PG食品(青森県)

    ・Nrf2活性化健康機能食品(カゴメ)・健康レシピコンテスト(楽天、イオン)・スマート和食弁当(栄研、花王)・運動機能維持アミノ酸サプリメント(協和発酵バイオ)

    ・「健康物語」(マルマンコンピュータサービス)・通信教材「ファミリーヘルスラボ」 (ベネッセHD)

    疾患の予防・改善のための健康増進啓発アプリ・「健康物語」(マルマンコンピュータサービス)・通信教材「ファミリーヘルスラボ」(ベネッセHD)

    検査に基づき,リスク評価と行動変容アドバイスを提供・バイオマーカー (ライオン)・微生物叢 (テクノスルガ・ラボ)・嗅覚 (エーザイ) 等

    経済波及効果

    直接経済効果

    売上金額1.5億円/年雇用創出15人

    新たな健診(簡易型・包括人間ドック型)

    売上金額3.6億円/年雇用創出10人

    IoT健康啓発アプリ

    医療費の大規模減へ検査サービスビジネス創出

    売上金額13億円/年雇用創出124人

    健康IoT市場の拡大

    売上金額75億円/年雇用創出797人

    アンチエイジング関連市場の活性化

    ③新たな健診プログラム開発(新型健診)

    売上金額138億円/年雇用創出754人

    カロリー,塩分,抗酸化物質等に配慮した食を提供・健康弁当「まめしぃ弁当」 (栄研)・高血圧対策減塩レシピコンテストと健康食ポータル(楽天)・健康惣菜・弁当(イオン)

    アンチエイジング関連商品開発

    売上金額6.6億円/年雇用創出30人

    “寿命革命”実現へ

    その日のうちに結果を説明し,今日からの行動変容につながる啓発型健診・自治体や企業など集団向け(健やか力推進センター)

    啓発型健診受診者の増加(集団健診収入)

    効果額527億円/年糖尿病192億円/年・脳卒中254億円/年・認知症 81億円/年

    売上金額1億円/年雇用創出35人

    学校,職域,地域においてリーダーを育成し,コミュニティ全体の健康教養を高める・健やか力推進センター等

    健康リーダー育成講習会の参加者増加(参加費収入)

    売上金額2億円/年雇用創出25人

    経済効果242億円 + 雇用創出1,812人+医療費抑制527億円 =ヘルスケア産業を軸にした地域経済の活性化

    青森県発の『地方創生』イノベーションモデル実現

    健康BD

    で『寿命革命』を実現する『健康未来イノベーション拠点』

    ①健康ビッグデータを用いた

    疾患予兆法の開発

    ②予兆因子に基づいた

    予防法の開発

    革新的な3つの

    研究開発課題

    青森発、世界展開へ

    短命県から

    地方創生

    ボランティアに依存していた健康づくりが優勝のコミュニティビジネスとして浸透・健やか力推進センター等

    健康コミュニティビジネスの浸透

    売上金額1.2億円/年 雇用創出23人

    ・遺伝子検査ツール(東北化学薬品)・微生物叢解析(テクノスルガ・ラボ、北海道システムサイエンス)

    ・嗅覚検査(エーザイ)

    地域の課題解決を通じて、大きな社会的インパクト(波及効果)をもたらす

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  • 継続的、自発的に多種多様なイノベーションを生み出す『COI拠点』をめざす〈弘前COI:「認知症・生活習慣病研究とビッグデータ解析の融合による画期的な疾患予兆発見の仕組み構築と予防法の開発」〉

    産・学・官・民連携で、強固なオープンイノベ推進体制を構築

    ① ビッグデータを用いた疾患予兆法の開発② 予兆因子に基づいた予防法の開発③ 認知症サポートシステムの開発④ COI拠点間健康・医療データ連携推進

    《健康研究の総合的プラットフォーム》

    ●新事業・雇用創出●新事業創出支援●健康づくりの支援

    ●シーズの創出●学術的知見の提供

    ●健康づくりの普及・促進

    弘前大学九州大学/京都府立医科大学/名桜大学/和歌山県立医科大学/東京大学/京都大学/名古屋大学/

    中央大学/ 慶應義塾大学/京都府立大学/志學館大学/

    公立はこだて未来大学/ 徳島大学/同志社女子大学

    ※他参画調整中多数

    ※COIプロジェクトでの成果を最大限活かす(P2評価:S+)

    健康リーダー健康サポーター食生活改善推進員etc

    連携 連携

    連携 連携(注)弘前COI拠点全体の参画企業・機関すべて含む

    青森県弘前市久山町 / 京丹後市青森県の39市町村(健康宣言都市)/青森県産業技術センター/産業技術総合研究所/国立健康・栄養研究所

    マルマンCS/東北化学薬品/テクノスルガ・ラボ/栄研/イオンリテール/カゴメ/エーザイ/花王/協和発酵バイオ/ライオン/オムロンヘルスケア/ベネッセコーポレーション/シスメックス/北海道システム・サイエンス/生命科学インスティテュート/ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ/日本コープ共済/クラシエHD/ローソン/楽天/サントリー食品インターナショナル/アツギ/ハウス食品/ファミリークッキングスクール/大塚製薬/ミルテル/明治安田生命保険相互会社/産業技術総合研究所

    アールエフネットワーク/京都銀行/三昌商事/村田製作所/シスコシステムズ/ベネッセスタイルケア/ⅡJ /三井住友信託銀行/セコム/大日本印刷/住友電気工業/住友林業/みずほ情報総研

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    c

  • 弘前大学COIが 第1回 日本オープンイノベーション大賞内閣総理大臣賞(最高賞)を受賞!

    日本オープンイノベーション大賞“内閣総理大臣賞”を受賞!

    我が国のオープンイノベーションをさらに推進するために、今後のロールモデルとして期待される先導性や独創性の高い取組を表彰する。オープンイノベーション分野では規模と栄誉が極めて大きい表彰である。

    【内閣総理大臣賞】 <全11賞中 最高賞>極めて顕著な取組等が認められる個人または団体

    日本オープンイノベーション大賞Japan Open Innovation Prize(JOIP)

    経済効果のみならず健康への価値観のシフトにも大きく貢献 と評価

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  • QOL(啓発型)健診の全体概要とフロー図(イメージ)

    ①受付

    ⑩冷え症調査

    ⑧体水分調査

    ②聞き取り調査(新規)

    ③採血(血液検査)

    ⑨野菜摂取状況調査

    ⑥口腔環境検査(唾液検査)

    ④内臓脂肪測定

    ⑦認知症検査(嗅覚検査)

    ⑤体力測定

    ⑪その他の検査(腸内細菌叢検査等)

    ※海外ではフルバージョン、国内では既存の健診データを使用するため、血液検査、聞き取りの一部は割愛(その分時間短縮)

    ※企業の商品を導入する場合は岩木健康増進プロジェクトでエビデンスが得られることが必須

    啓発スペース《QOL重視型健診》

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  • ご清聴ありがとうございました。コロナに負けず幸せのクラスターを!

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