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東日本大震災における

製油所の被害と復旧

３年月日２０１３年２月２０日JX日鉱日石エネルギー㈱仙台製油所永井裕久仙台製油所永井裕久

1

本日の内容

１．石油業界（全体）の震災影響と

当社仙台製油所の概要

２．仙台製油所の被災状況と復旧状況

３．安定供給に向けた対応

４．おわりに

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1-1.国内製油所の配置と原油処理能力

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1-1.石油業界（全体）としての被災状況

3月12日の状況

東日本地区で６製油所が震災で停止

油槽所は１６箇所が出荷停止油槽所は１６箇所が出荷停止

東日本地区の拠点の殆どが出荷不可能

凡例

：製油所（停止）

：製油所（稼動）：製油所（稼動）

：油槽所（停止）


：油槽所（稼動）

製油所（千BD) 震災前震災直後

1-1.全国製油所・油槽所への影響

約３０％の製油所

製油所（千BD) 震災前震災直後極東・千葉 175 0東燃ゼネ・川崎 335 0

根岸能力を喪失ＪＸ根岸 270 0ＪＸ仙台 145 0鹿島・鹿島 253 0コスモ・千葉 220 0その他製油所 3,118 3,118合　　　計 4,516 3,118

岩手宮城福島茨城

合計 , ,

油槽所（箇所）震災前震災直後青森県 7 3

岩手、宮城、福島、茨城各県の製品配送拠点を

青森県 7 3岩手県 2 0宮城県 5 0福島県 3 0

喪失福島県 3 0茨城県 2 0秋田・山形県 5 5新潟県 5 5


新潟県 5 5合　　　計 29 13

1-1.ＪＸグループ製油所への影響

JXグループ室蘭 180 千BD 180 千BD仙台震災停

震災前震災直後

仙台 145 0 震災停止根岸 270 0 震災停止大阪 115 0 定期修理大阪 115 0 定期修理水島 400 400麻里布 127 127麻里布 127 127大分 136 136鹿島 253 0 震災停止鹿島 253 0 震災停止合計 1,626 843

精製能力 100% 52 ％精製能力 100% 52 ％

国内合計 4,516 千BD 3,118 千BD


精製能力 100% 69 ％

1-2.仙台製油所の全景


1-3.仙台製油所敷地

仙台製油所構内仙台港略図

仙台製油所構内図仙台港略図

砂押川貞山掘

西地区

東地区東地区

北

東北電力（株)新仙台火力発電所

仙台市ガス局港工場

北航路

全農

総敷地約１．５ｋ㎡(仙台多賀城七浜）


仙台港中央航路(仙台、多賀城、七ヶ浜）

1-4. 貯油・入出荷設備

・原油タンク

・製品・半製品タンク

：９基（約７０万ｋℓ）

：８４基（約１９０万ｋℓ）製品半製品タンク

・桟橋

：８４基（約１９０万ｋℓ）

：７バース

外航（原油、LPG）：１

燃料油：３、ＬＰＧ：１

積場

燃料油：３、ＬＰＧ：１

硫黄・アスファルト：１、物揚げ：１

５２積場・ローリー積場：５２積場

燃料油：３６、ＬＰＧ：１２

タンク車（鉄道）積場

アスファルト：４

：１７積場


・タンク車（鉄道）積場：１７積場

1-5. 主要精製装置能力

・常圧蒸留装置（TOP）

・連続触媒再生式接触改質装置（PLAT）

：１４５千バレル/日

：３０連続触媒再生式接触改質装置（PLAT）

・ベンゼン抽出装置（SU）

灯油脱硫装置（２基）（KERO）

：３０

：１０

：３４・灯油脱硫装置（２基）（KERO）

・減圧蒸留装置（VAC）

減圧軽油脱硫装置（）

：３４

：６０

４０・減圧軽油脱硫装置（MHC）

・残油流動接触分解装置（RFCC）

：４０

：４３

・プロピレン精留装置（PSU）

・残油（重油直接）脱硫装置（RDS）

：５

：５２装

・ガソリン脱硫装置（ROK-Finer）

・ガスタービン複合発電装置（GTCC）

：３１

：１００，０００kW


ガスタビン複合発電装置（GTCC），

1-6. 精製工程図

LPG洗浄回収装置 LPGLPG

常

LPG洗浄・回収装置

軽質ナフサ洗浄装置

水素製造装置

LPG

ナフサ

LPG

軽質ナフサ

水素

常

圧

蒸

質装

アルキレーション装置

連続触媒再生式接触改質装置

ガソリン調合設備

ガソリン

ナサ重質

ナフサ水素 LPG

蒸

留

接触改質装置

ベンゼン

粗キシレン

純ベンゼン

輸入ナフサ

硫黄回収装置

装

置

灯油脱硫装置

減プロピレン

抽出装置灯油

純ベンゼン

高純度

灯油

軽油

硫装

硫黄

置減圧軽油脱硫装置

残油流動接触分解装置

ガソリン脱硫装置

精留装置軽油プロピレン軽油

残油脱硫装置

減圧蒸留装置

分解装置重油

アスファルト原油残油


ガスタービン複合発電設備電気燃料ガス・LPG

1-7．仙台製油所の製品出荷割合

製品出荷割合(2010年度)

その他 4%

化学品, 2%

ガソリン 31%

ＬＰＧ, 12%その他, 4%

ガソリン, 31%

灯油, 13%軽油, 16%A重油, 11%

C重油, 10%


１-８．石油製品の供給、配送

製油所ＳＳタンクローリー

油槽所タンカータンクローリー

タンク車（鉄道)


１-９．石油製品の配送エリア

製油所

油槽所油槽所

タンクローリー

タンク車（鉄道）タンク車（鉄道）

タンカー


１-１０．仙台製油所の出荷実績

輸送機関別、エリア別出荷実績（２０１０年度）

輸送機関別配送エリア別

単位：ＫＬ

輸送機関別配送エリア別

陸上タンク車パイプライン

（万）

その他９％（６７万）陸上タンク車

８％（５９万）２％（１１万）９％（６７万）

関東５％（３９万）

海上船舶）

５％（３９万）

北海道

陸上ローリー５６％（４０４万）

海上(船舶）３４％（２４５万）

８％（５５万）

５６％（４０４万）東北

７８％（５５９万）


●2011年3月11日14時46分頃地震発生

２-1.地震発生と津波襲来

●2011年3月11日14時46分頃、地震発生・M9.0（最大加速度2,933Gal＠宮城県栗原市）・製油所内地震計は400Gal以上（振り切れ）・製油所内地震計は400Gal以上（振り切れ）・全面停電、全設備停止

●同日15時15分頃、大津波警報更新を受信●同日15時15分頃、大津波警報更新を受信・仙台港の津波高さ10m以上、到達予想時間15時40分頃

●同日15時50分頃、津波襲来襲・津波高さ6～7m、構内は地上2.5～3.5mまで冠水

●同日２１時２５分頃、西地区にて火災発生

●火災状況調査と消火活動・地上での調査進まず 13日に自衛隊ヘリコプタにて調査・地上での調査進まず、13日に自衛隊ヘリコプタにて調査・14日東地区タンク元弁閉止→火炎小規模化・15日14時30分鎮火


・15日14時30分鎮火

２-２．緊急出荷

18日からドラム缶出荷（15日朝、村井知事から要請あり）① 東地区への進入道路整備② 製油所構内道路の土砂・散乱した自動車を路肩へ③ 灯油の識別剤未添加出荷の許可④④ ドラム缶の自衛隊による需要地への運搬

・宮城・福島・岩手各県、近隣自治体へ灯油、軽油を約1,000本出荷（＝200kℓ）21日から仮設足場ローリーラック出荷

軽ガも荷約・灯油、軽油に加えガソリンも出荷、合計約600kℓ東地区に仮設ローリー積場建設、5月3日から出荷朝油槽本油槽車時積・朝霞油槽所、松本油槽所から移設（9車同時積込み可）

・更地化後着工～完成まで約2週間ガ灯油軽油を大荷


・ガソリン、灯油、軽油を最大3,300kℓ/日出荷

２-３．震災後の供給体制

震災直後製油所油槽所機能停・製油所、油槽所機能停止

・交通網（道路、鉄道）マヒ・ローリーの不足・ＳＳ被災、停電

仙台５月３日より仙台製油所仙台月日より仙台製油所は油槽所として機能


年月状況

２-４．復興の流れ

年月状況

2011年 3月 3/11 東日本大震災発生

3/18～ドラム缶による緊急出荷開始3/18～ドラム缶による緊急出荷開始

4月工業用水受水再開

5月仮設ローリー出荷開始5月仮設ロリ出荷開始燃料油海上受入開始低圧電力受電開始

月高圧電力受電開始10月高圧電力受電開始

11月本設ローリー出荷を一部再開

2012年 1月精製設備の試運転開始2012年 1月精製設備の試運転開始

2月原油受入開始海上出荷再開出荷開

3月生産再開宣言（3月9日)

9月タンク貨車出荷再開


10月ローリー出荷完全復旧

２-６．主な設備の補修数量

設備項目（復旧方法）補修数量

配管（取替・新設） 65,000 m（概算）

ポンプ・圧縮機（整備・新設） 1287 基

電動機（整備・新設） 1300 基

配電盤など（更新） 723 面

DCS（更新） 217 面


２-７.被災状況と現状


３．安定供給に向けた対応

＜基本的な考え方＞

●減災●減災→被害を最小化し、長期操業停止を回避

●緊急出荷対応●緊急出荷対応→タンクに保有している石油製品を速やかに供給製


３-1．減災対策

・ローリー出荷設備を東地区へ移設→海抜が高く、奥まったエリアへ

・電気設備・制御システム等の高床化、建屋水密性向上建屋水密性向上

防潮堤設置（県による対応）・防潮堤設置（県による対応）→100年に1度の津波から設備を守る


３-2．緊急出荷設備

・緊急ドラム缶出荷設備常備、発電機常備緊急ラ缶出荷設備常備、発電機常備

・新設本館にソーラー・燃料電池・蓄電池設置新設本館にソラ燃料電池蓄電池設置、通信設備整備

（その他）・新・震災対応SS

→震災対応＋地域貢献震災対域貢献・メガソーラー発電

→西地区（旧ローリー積場）に完成


→西地区（旧ロリ積場）に完成

４．おわりに

2012年9月タク貨車出荷設備復旧2012年9月タンク貨車出荷設備復旧

2012年10月本設ローリー出荷設備完成2012年10月本設ロリ出荷設備完成

製油所機能（製造出荷）の全面復旧製油所機能（製造、出荷）の全面復旧

◆被災後約１年半後に、日量１４万５千バレルの原油を処理し、日量２３，０００ＫＬを越える石油製品を生産・供給する製油所に復旧する事ができた。

◆震災直後には完全復旧までに数年を要するとも考えら◆震災直後には完全復旧までに数年を要するとも考えられたが、多くの皆様のご協力により、わずか1年で東北地方の石油製品の供給拠点として甦える事ができた


方の石油製品の供給拠点として甦える事ができた。

４．おわりに

東日本大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈東日本大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げ、被災地の復興を心より祈念いたします災地の復興を心より祈念いたします

震災で被害にあった当社の製油所・油槽所・サービスステーションなどの復旧に際してご協力頂きました皆様に心テションなどの復旧に際してご協力頂きました皆様に心より感謝致しますとともに御礼申し上げます


終わり

ご清聴ありがとうございました。ご清聴ありがとうございました。


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