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Keysight E4729A SystemVueコンサルティングサービス DOCSIS 3.1ベースバンド検証ライブラリ システムアーキテクチャー、ベースバンドアルゴリズム、RFコンポーネントの検証用のDOCSIS 3.1 (Data-Over-Cable Service Interface Specification)SystemVueアルゴリズム・リファレンス・ライブラリ。 はじめに DOCSIS 3.1により、CATVプロバイダは大容量化と高速化を実現できます。DOCSIS 3.0に比べ て、同じスペクトラムで最大50 %データスループットが向上し、既存のHFC (光ファイバー/ 同軸ハイブリッド)ネットワークの上りで2.5 Gbps、下りで10 Gbpsのデータスループットを実 現できます。DOCSIS 3.1では、周波数分割多重化(OFDM)と低密度パリティチェック(LDPC)よるフォワードエラー訂正(FEC)テクノロジーを活用することにより、上り/下りの信号方向で 容量が50 %拡大しています。規格では、下りの24 192 MHzのチャネル帯域幅で最大 4096 QAM変調、上りの最高96 MHzの帯域幅で最大4096 QAM変調の採用が義務付けられてい ます。また、純粋なIPペイロードデータもサポートし、既存のHFCインフラのチャネルと共存 でき、広く普及している従来のDOCSIS装置との下位互換性があります。 Keysight DOCSIS 3.1ベースバンド検証ライブラリはSystemVueのアドオンライブラリ(オプ ション)で、 DOCSIS 3.1の下り/上り信号用にフルコード化された信号源/レシーバーのリファ レンスデザインを提供します(図1/2参照)。これにより、DOCSIS 3.1システムのエンドツー エンド・シミュレーション・モデリングが可能になります。 Technical Overview

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Keysight E4729ASystemVueコンサルティングサービスDOCSIS 3.1ベースバンド検証ライブラリシステムアーキテクチャー、ベースバンドアルゴリズム、RFコンポーネントの検証用のDOCSIS 3.1

(Data-Over-Cable Service Interface Specification)用SystemVueアルゴリズム・リファレンス・ライブラリ。

はじめに

DOCSIS 3.1により、CATVプロバイダは大容量化と高速化を実現できます。DOCSIS 3.0に比べて、同じスペクトラムで最大50 %データスループットが向上し、既存のHFC(光ファイバー/同軸ハイブリッド)ネットワークの上りで2.5 Gbps、下りで10 Gbpsのデータスループットを実現できます。DOCSIS 3.1では、周波数分割多重化(OFDM)と低密度パリティチェック(LDPC)によるフォワードエラー訂正(FEC)テクノロジーを活用することにより、上り/下りの信号方向で容量が50 %拡大しています。規格では、下りの24~ 192 MHzのチャネル帯域幅で最大

4096 QAM変調、上りの最高96 MHzの帯域幅で最大4096 QAM変調の採用が義務付けられています。また、純粋なIPペイロードデータもサポートし、既存のHFCインフラのチャネルと共存でき、広く普及している従来のDOCSIS装置との下位互換性があります。

Keysight DOCSIS 3.1ベースバンド検証ライブラリはSystemVueのアドオンライブラリ(オプション)で、DOCSIS 3.1の下り/上り信号用にフルコード化された信号源/レシーバーのリファレンスデザインを提供します(図1/図2参照)。これにより、DOCSIS 3.1システムのエンドツーエンド・シミュレーション・モデリングが可能になります。

Technical Overview

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02 | Keysight | E4729A SystemVueコンサルティングサービス - Technical Overview

DOCSISライブラリの対象ユーザー

DOCSIS 3.1ライブラリを使用すれば、システムレベルの設計者、ベースバンド・アルゴリズム・デザイナー、RFコンポーネントデザイナーは、ベースバンド/RFハードウェアの有無に関わらず、早い段階でシステムを検証できます。SystemVueは、スクリプト化、他のプラットフォームへのリンク、高性能テスト機器への接続も可能で、ライフサイクル全体を通して柔軟性と一貫性が得られます。

DOCSIS 3.1ライブラリは、研究開発の早い段階や学術研究システムで使用でき、アルゴリズムやシステムの信頼性を厳しいマージン/干渉条件で検討できます。

SystemVue DOCSIS 3.1ライブラリを使用して できること

SystemVue DOCSIS 3.1ライブラリを使用すれば、DOCSIS 3.1システムの性能(ベースバンドTx/RxアルゴリズムやRF信号の劣化など)をシミュレートできます。DOCSIS 3.0 SC-QAMシステムによる干渉を考慮することも可能です。

– ベースバンドモデリング:DOCSIS 3.1リファレンスデザインのアルゴリズムをC++/math .m/

HDLフォーマットのカスタムアルゴリズムに置き換えたり、グラフィカルに定義されたスケマティックを使用できます。SystemVueは、MATLABと容易に統合でき、知的財産(IP)

を保護しながら、アルゴリズムを活用できます。 – システムモデリング:ユーザー定義のフェージング、ノイズ、干渉を追加してアルゴリズムを評価できます(例:アナログテレビ、DOCSIS 3.0 SC-QAM、LTE)。RFの信号劣化も考慮できます。

– 研究および最新規格:ビデオシステムのLDPCやOFDMなど、高度なチャネルコード化手法を検討できます。プラットフォームでさまざまなウィンドウ機能、タイムインタリーブ長、連続パイロット数などを設定して、DOCSIS 3.1システムの性能を検討できます。

– RFコンポーネントの評価:シミュレート済みまたはテスト済みのアナログデザインに基づいて、システムレベルの性能を評価できます。SystemVueは、Keysight ADSおよびGoldenGate RF EDAシミュレータと統合して、Xパラメータ*などのデータを使用できます。

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図1. DOCSIS3.1コード化信号源の基本的なシミュレーションスケマティック(ユーザーが変更可能)。

図2. DOCSIS3.1コード化レシーバーの基本的なシミュレーションスケマティック(ユーザーが変更可能)。

16QAM変調PLCメッセージ

OFDM変調器/ ウィンドウ処理

PLCプリアンブル

連続パイロット/離散パイロット

NCP(新しいコードワードポインター)

時間/周波数 インタリーバ

OFDM同期/搬送波周波数同期

イコライザー

チャネルエスティメータ

CPの除去/OFDM復調器

周波数/時間デインタリーバ

FECデコード (LPDC+BCHデコーダ)

LDPCデコード用のLLRデマッパー/ソフトビット出力

FEC(BCH+LDPC)

離散パイロット発生器

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テストベンチ

DOCSIS 3.1のFECではLDPCとBCHが採用され、外コードがBCH、内コードがLDPCです。DOCSIS 3.1ライブラリに付属しているサンプルでは、ビット・エラー・レート(BER)をLDPCコードを用いてテストできます。このサンプルを図3に示します。16-QAM、64-QAM、128-QAM、256-QAM、512-QAM、1024-QAM、2048-QAM、4096-QAMのBER対Eb/N0曲線が表示されています。FECあり/ FECなしのBER対Eb/N0曲線もワークスペースに表示されます。

図3. 相加性白色ガウス雑音(AWGN)チャネルにおけるDOCSIS 3.1下りBERテストベンチのワークスペース。

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図4. 静的チャネルのDOCSIS3.1の上りBERテストベンチのワークスペース。

図5. DOCSIS 3.1の下りとDOCSIS 3.0のSC-QAMの広帯域波形を作成するワークスペース。 DOCSIS 3.1の下り信号の解析にはVSAソフトウェアを使用。

図5のサンプルを使用すれば、DOCSIS3.1の下り変調エラー比(MER)を、DOCSIS3.0 SC-QAM

の干渉がある状態で測定できます。図6は、フィルタリングされた波形をVSA 89600で解析した結果です。

図4は、DOCSIS 3.1の上りのコード化なしのBER(FECなし)をシミュレートするサンプルです。BER対Eb/N0曲線、RMSE対Eb/N0曲線、復調コンスタレーションがワークスペースに表示されます。

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図6. フィルタリングされたDOCSIS 3.1の下り波形のVSA解析結果。

図7. DOCSIS3.1ライブラリは、キーサイトの他のデザイン・ソフトウェア/測定器と組み合わせて使用できます。

DOCSIS ライブラリ

DOCSIS ライブラリ

MATLAB、C++、HDL、コーディング、

チャネル、ノイズ、MIMO、CFR、DPD

RF信号源‐N5182B MXG‐M9381A VSG

ベースバンドAWG‐M8190A AWG

RFアナライザ‐N9030A PXA‐M9391A VSA‐89600 VSA カスタムOFDMベースバンド デジタイザ‐M9703A‐U5303A

XパラメータFast Circuit Envelope“RF_LINK”

RF EDA協調シミュレーション

ベースバンド/DSP

RFモデル

Tx 変調信号源

RX 復調レシーバー

データ データ

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構成

DOCSIS 3.1ベースバンド検証ライブラリは、W146xシリーズ SystemVue環境/バンドルにオプションとして追加できます。DOCSIS 3.1ライブラリとSystemVueのW1902デジタル・モデム・ライブラリを組み合わせれば、192 MHz帯域幅のOFDMチャネル(DOCSIS 3.1の下り)と88個のSC-QAMチャネルなどの広帯域波形を作成できます。

SystemVueを、任意波形発生器(AWG)、デジタイザ、RF信号源、RFアナライザなどのキーサイトのテスト機器に接続するには、通常、他のキーサイトのソフトウェア(Keysight IOライブラリ、Command Expert、オプション300付き89600 VSAソフトウェアなど)が必要です。SystemVueが提供する使いやすいモデリング/検証プラットフォームは、研究開発環境やテストラボで使用でき、ネットワークで共有できます。

図8. DOCSIS3.1の下りの信号源/レシーバーのワークスペース(M8190A/M9703AでBERを測定)。

図8はM8190A/M9703Aを使用してBERを測定するワークスペースです。

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myKeysight

www.keysight.co.jp/find/mykeysightご使用製品の管理に必要な情報を即座に手に入れることができます。

www.keysight.co.jp/find/

必要なソフトウェア構成 – W1461BP SystemVue Communications Architect – E4729A コンサルティングサービス(見積もりが必要です) – 必要なソフトウェア・シミュレーション・ライブラリを以下より選択。

– DOCSIS 3.1 Downstream TX & RX – DOCSIS 3.1 Upstream TX & RX

この構成で一般的に使用される測定器 – M8190A 広帯域ベースバンドAWG – 89600 ベクトル信号解析ソフトウェア(OFDM復調にはオプションBHFを推奨)

DOCSIS 3.1 Application Brief(5991-4301JAJP)も参照してください。

オーダー情報

その他の情報

詳細なアプリケーション情報については、以下を参照してください。www.keysight.co.jp/find/eesof-systemvue-infowww.keysight.co.jp/find/eesof-systemvue-videoswww.keysight.co.jp/find/eesof-systemvue-evaluation

*Xパラメータは、米国、欧州、日本などにおけるキーサイト・テクノロジーの商標および登録商標です。Xパラメータのフォーマットと基礎となる式は公開され、文書化されています。詳細については、www.keysight.co.jp/find/eesof-x-parameters-info をご覧ください。

© Keysight Technologies, 2015Published in Japan, July 15, 20155992-0058JAJP0000-00DEPwww.keysight.co.jp