koniken先生の エレクトリック キャンパーlandctecの 実力は…...

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105 104 14 16 14 13 14 11 14 質問募集中!! 電気関係についての質問を募集中です。住所、氏名、年齢、電話番号、メールアドレス、聞きたいことを明記し下記までお送りください。 E-mail:[email protected] HP:http://www.campcar-mag.com koniken先生の エレクトリック キャンパーLAND 連載 第21回 「走行充電ではそれほど充電できない」って聞いたこと がある人は少なくないのでは? 特に200系のハイエー スに乗っているオーナーは大いに気になるところだ。 防災にも役立つ!! 完全保存版 PHOTO & TEXT 井田一徳 イラスト 吉田たつちか 走行充電の能力をチェック ●講師プロフィール:小西憲一(こにし けんいち) キャンピングワークス代表取締役。若い頃からテントでアウトドア、 トレーラーやキャンピングカーでサーフィンを楽しむ。平成11年、満 を持してキャンピングワークスを創設。 ☎:042-479-1338 URL:http://www.camping works.com バッテリーの電圧が 充電上昇するに従い 電圧を上げ満充電に CTEKブランドから リリースされた 画期的な走行充電器 13 14 48 14 14 13 32 14 16 12 62 20 49 20 80 13 69 13 71 14 14 55 30 20 14 16 27 Ah 12 63 12 63 25 63 13 15 一般的な充電器では 発電圧以下で充電し CTEKは超えた! 2種類のアイテムで メインとサブバッテリー の電圧をチェック 走行充電とは、走行中にメインバッテリーへ電力を供給するオルタネ ーター(発電機)から、サブバッテリーへも電力を供給して充電するシ ステムのこと。メインから直接サブへ電線をつなげば充電は可能だが、 サブの電気を使うとメインも減り、最悪のケースではエンジン始動がで きなくなる。そこで、メインの電力を維持しながらサブに電力供給をす るのが走行充電器なのだ。主なモノはダイオードやアイソレーターで、 停車中にサブからメインへの逆流を防止する方式と、メインが満充電に なるとサブに電力供給をする電圧検知型があるが、満充電は難しい。 走行充電にはいくつかの方法が あると聞いたことがあるのですが…… A Q 14 今回、実験したCTEKのベースシステム「D250S DUAL」 (左)は、最大20Aの充電能力があり、単独でソーラー発電 にも対応。比較実験で使用したニューエラー「SBC001B」 (右)は、最大30Aの充電能力がある高性能タイプ。 気になる CTEC の 実力は… 実証実験では、メインバッテリ ー(オルタネーターからの電力 供給)の電圧とサブバッテリ ーへの電圧、電流量に加え、 CTEKは充電器本体からの供給 電圧も測定してみた。 ポイント:80分後にオルタネーターの電圧より充電器からの供給電圧が上回った(昇圧していることを確認)。 コメント:メインバッテリーの電圧がバラ付くのは、充電制御時により約12V~14V程度で制御されているため(トヨタの見解)。 充電制御停止時は14V程度で発電する。充電制御は、メインバッテリーの+ターミナルに取り付けられたバッテリーカレントセンサーにて電圧・電流・バッテリー温度を測定し、エンジン状態(エンジン回転数など) を元にエンジンECUにて制御するため、具体的な数値は分からない。 CTEKのベースシステムに オプションのSMARTPASS 120を装着すると、昇圧した 電力を最大で100Aまで供給 充電可能。ソーラー発電シス テムとの併用も可能になる。 10分 14.16V 12.95V 20.75A 30分 14.18V 12.95V 19.46A 60分 14.15V 13.11V 15.98A メイン サブ ●ニューエラー(SBC001B 30A) 3分 14.18V 12.76V 23.10A スタート直後 14.48V 12.63V 25.63A スタート前 12.96V 12.00V 120分 13.96V 13.26V 9.39A 90分 14.11V 13.21V 12.99A 180分 13.85V 13.32V 5.87A 電圧 電圧 電流 実験日時:3月14日 実験場所:キャンピングワークス工場内 実験条件:新車の新型ハイエース200系 メインバッテリーは満充電状態 車両電装品OFF サブバッテリーの電圧は12Vに設定 実験結果はキャンピングワークスでの設定条件によるもので、メインバッテリーとサ ブバッテリーの状態や周辺環境により変わります。 10分 14.01V 12.81V 20.42A 30分 13.91V 13.01V 20.41A 60分 13.79V 13.26V 19.44A メイン サブ ●CTEK(D250S DUAL 20A) 3分 14.30V 12.74V 20.43A スタート直後 14.02V 12.62V 20.49A スタート前 12.96V 12.00V 90分 13.67V 13.53V 13.80V 18.58A 80分 13.69V 13.48V 13.71V 18.86A 105分 13.62V 13.71V 13.94V 18.41A 電圧 電圧 電流 120分 13.59V 13.80V 14.03V 18.25A 135分 13.37V 14.09V 14.32V 17.60A 150分 13.38V 14.30V 14.51V 16.41A 165分 13.42V 14.48V 14.67V 14.38A 180分 13.44V 14.55V 14.70V 11.23A ※充電器の充電電圧

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    走行充電ではサブバッテリー

    を満充電するのは困難と言われ

    ているが、その原因は充電圧の

    低さが主要因。さらに最近のク

    ルマは、メインバッテリーが満

    充電になるとオルタネーターの

    発電を抑制させる機能などがあ

    るので、走行充電器に供給され

    る電力が低下し、それらの要因

    が複合して、サブバッテリーが

    満充電にならないのだ。

     

    サブバッテリーとして、よく

    利用されるACデルコのディー

    プサイクルバッテリーの場合、

    メーカー推奨の充電圧は14・5

    〜16Vの定電圧充電となってい

    る。ところがハイエース200

    系などでは、オルタネーターの

    発電圧は14V程度なのだ。この

    電圧を走行充電器を介してサブ

    バッテリーに充電すると、13V

    程度での充電となり、メーカー

    推奨の電圧には届かず、結果的

    に満充電にならない。

     

    それなら電圧を上げて充電す

    れば良さそうだが、ある程度放

    電したサブバッテリーに、いき

    なり14V以上の電圧で充電する

    と、バッテリーが劣化する。

     

    電気を説明する時に、電圧は

    水圧に例えるが、サブバッテリ

    ーの電圧が11Vの状態になった

    ところに、14Vで充電すると、

    その電圧差は3Vとなる。この

    電圧は水圧に例えると、滝の落

    差に相当する。同じ量の水を高

    さ1mから落とすのと、3mの

    高さから落とすのでは衝撃が違

    う。これが電気的にバッテリー

    内で起こると、強い衝撃により

    破損が起きて劣化する。

     

    それを防止するために、高性

    能な走行充電器では、電圧差を

    低くして充電するのだが、充電

    の最終段階では推奨電圧に達せ

    ず、満充電にならない。

     

    その最終充電圧問題を解消し

    てくれそうなのが、4月に日本

    でも発売されるCTEKのバッ

    テリー充電システム。システム

    は従来の電圧差の少ない電気を

    充電するタイプだが、最終充電

    段階でオルタネーターの発電圧

    より高い昇圧した電気を供給す

    るので、満充電が可能になるこ

    と。しかも、オプション追加で

    ソーラー発電の充電コントロー

    ルを行い、最大で総計100A

    の充電が可能となる。

    質問募集中!! 電気関係についての質問を募集中です。住所、氏名、年齢、電話番号、メールアドレス、聞きたいことを明記し下記までお送りください。E-mail:[email protected] HP:http://www.campcar-mag.com

    koniken先生のエレクトリック

    キャンパーLAND 連載 第21回

    「走行充電ではそれほど充電できない」って聞いたことがある人は少なくないのでは? 特に200系のハイエースに乗っているオーナーは大いに気になるところだ。

    防災にも役立つ!!

    完全保存版

    PHOTO& TEXT井田一徳

    イラスト吉田たつちか

    走行充電の能力をチェック

    ●講師プロフィール:小西憲一(こにし けんいち)キャンピングワークス代表取締役。若い頃からテントでアウトドア、トレーラーやキャンピングカーでサーフィンを楽しむ。平成11年、満を持してキャンピングワークスを創設。☎:042-479-1338 URL:http://www.camping works.com

    バッテリーの電圧が充電上昇するに従い電圧を上げ満充電に

    CTEKブランドからリリースされた画期的な走行充電器

    A台に下がる。3時間後には13

    V台で電流は5A台に低下。充

    電中のメインバッテリーは、始

    動直後こそ14・48Vと高めの電

    圧だったが、その後は14V前後

    で推移。この電圧こそオルタネ

    ーターの発電圧で、14Vで制御

    していることが分かる。だが、

    サブバッテリーへの供給電圧は

    3時間経過後も13・32Vと低

    く、メーカー推奨の14・5〜16

    Vの定電圧充電には達していな

    い。つまり、3時間経っても満

    充電にはなっていないのだ。

     

    一方のCTEKは、始動直後

    はニューエラーと同等の12・62

    Vでサブバッテリーへの充電を

    開始。供給電流は、定格最大の

    20・49Aとニューエラーよりは

    少ないものの、1時間経過時に

    も20A近くの電流を供給し続け

    る。そして注目すべきは、80分

    経過時から測定を開始した充電

    器の充電圧。なんと、オルタネ

    ーターの発電圧が13・69Vなの

    に対し、13・71Vと上回ってし

    まった。

     

    しかも、その後も充電圧は上

    昇し続け、150分後にはメー

    カー推奨充電圧の14・5Vを突

    破し上昇し続けた。サブバッテ

    リーの電圧も105分後にはオ

    ルタネーターの発電圧を上回

    る。3時間後には、ほぼ満充電

    となる14・55Vとなり、満充電

    できることが実証できた。

     

    CTEKの充電システムは、

    データ上では素晴らしいことば

    かりが記載されていて、発売し

    たら実証実験を行おうと思って

    いたら、ラッキーなことに発売

    前に入手に成功。そこで、従来

    品の高性能充電器との比較実験

    を行うことにした。

     

    比較する充電器は、高性能充

    電器として定評のニューエラ

    ーのSBC001B(最大30

    A)。対するCTEKは、ベー

    スシステムのD250S 

    DU

    AL(最大20A)。

     

    これを、メインバッテリーの

    満充電制御機能で走行充電器に

    電力が供給されにくいハイエー

    ス200系のメインバッテリー

    が満充電状態になった時に装着

    して、メーカー推奨充電圧が

    14・5〜16Vと高いACデルコ

    のM27MF(105Ah)が12V

    状態で充電してみた。

     

    まずニューエラーは、エンジ

    ン始動時にサブバッテリーとの

    電圧差が0・63V高い12・63V

    で25・63Aの高電流で充電開

    始。1時間経過時には充電圧が

    13V以上になり、逆に電流は15

    一般的な充電器では発電圧以下で充電しCTEKは超えた!

    2種類のアイテムでメインとサブバッテリーの電圧をチェック

     走行充電とは、走行中にメインバッテリーへ電力を供給するオルタネーター(発電機)から、サブバッテリーへも電力を供給して充電するシステムのこと。メインから直接サブへ電線をつなげば充電は可能だが、サブの電気を使うとメインも減り、最悪のケースではエンジン始動ができなくなる。そこで、メインの電力を維持しながらサブに電力供給をするのが走行充電器なのだ。主なモノはダイオードやアイソレーターで、停車中にサブからメインへの逆流を防止する方式と、メインが満充電になるとサブに電力供給をする電圧検知型があるが、満充電は難しい。

    走行充電にはいくつかの方法があると聞いたことがあるのですが……

    A

    Q

    走行充電器にはさまざまな方式があるが、

    サブバッテリーの多くが、充電圧14V以上

    でないと満充電にならないことは知ってお

    こう。

    今回、実験したCTEKのベースシステム「D250S DUAL」(左)は、最大20Aの充電能力があり、単独でソーラー発電にも対応。比較実験で使用したニューエラー「SBC001B」(右)は、最大30Aの充電能力がある高性能タイプ。

    気になるCTECの実力は…

    実証実験では、メインバッテリー(オルタネーターからの電力供給)の電圧とサブバッテリーへの電圧、電流量に加え、CTEKは充電器本体からの供給電圧も測定してみた。

    ポイント:80分後にオルタネーターの電圧より充電器からの供給電圧が上回った(昇圧していることを確認)。コメント:メインバッテリーの電圧がバラ付くのは、充電制御時により約12V~14V程度で制御されているため(トヨタの見解)。充電制御停止時は14V程度で発電する。充電制御は、メインバッテリーの+ターミナルに取り付けられたバッテリーカレントセンサーにて電圧・電流・バッテリー温度を測定し、エンジン状態(エンジン回転数など)を元にエンジンECUにて制御するため、具体的な数値は分からない。

    CTEKのベースシステムにオプションのSMARTPASS 120を装着すると、昇圧した電力を最大で100Aまで供給充電可能。ソーラー発電システムとの併用も可能になる。

    10分

    14.16V

    12.95V

    20.75A

    30分

    14.18V

    12.95V

    19.46A

    60分

    14.15V

    13.11V

    15.98A

    メイン

    サブ

    ●ニューエラー(SBC001B 30A)

    3分

    14.18V

    12.76V

    23.10A

    スタート直後

    14.48V

    12.63V

    25.63A

    スタート前

    12.96V

    12.00V

    120分

    13.96V

    13.26V

    9.39A

    90分

    14.11V

    13.21V

    12.99A

    180分

    13.85V

    13.32V

    5.87A

    電圧

    電圧

    電流

    実験日時:3月14日実験場所:キャンピングワークス工場内実験条件:新車の新型ハイエース200系     メインバッテリーは満充電状態     車両電装品OFF     サブバッテリーの電圧は12Vに設定実験結果はキャンピングワークスでの設定条件によるもので、メインバッテリーとサブバッテリーの状態や周辺環境により変わります。

    10分

    14.01V

    12.81V

    20.42A

    30分

    13.91V

    13.01V

    20.41A

    60分

    13.79V

    13.26V

    19.44A

    メイン

    サブ

    ●CTEK(D250S DUAL 20A)

    3分

    14.30V

    12.74V

    20.43A

    スタート直後

    14.02V

    12.62V

    20.49A

    スタート前

    12.96V

    12.00V

    90分

    13.67V

    13.53V

    13.80V

    18.58A

    80分

    13.69V

    13.48V

    ※13.71V

    18.86A

    105分

    13.62V

    13.71V

    13.94V

    18.41A

    電圧

    電圧

    電流

    120分

    13.59V

    13.80V

    14.03V

    18.25A

    135分

    13.37V

    14.09V

    14.32V

    17.60A

    150分

    13.38V

    14.30V

    14.51V

    16.41A

    165分

    13.42V

    14.48V

    14.67V

    14.38A

    180分

    13.44V

    14.55V

    14.70V

    11.23A※充電器の充電電圧