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「コーポレートガバナンス」 に関する意識調査 2017102017 ー上場企業向けアンケートー

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「コーポレートガバナンス」に関する意識調査

2017年10月

2017

ー上場企業向けアンケートー

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2© 2017 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

Page

調査の目的および概要 3

調査結果

A コーポレートガバナンス・コード導入による変化について 4

Q1 コーポレートガバナンス・コード導入による取組みの強化 5

B 取締役会運営について 6

Q2 監督機能強化の観点から効果を上げている取組み 7

Q3 審議の活性化に関する変化 8

Q4 審議時間が増加した項目 9

Q5 より充実したと考える議案資料や補足情報 10

Q6 社外取締役の意見が意思決定に与える影響 11

Q7 後継者計画(サクセッションプラン)についての議論 12

Q8 取締役会の実効性評価についての課題 13

Q9 子会社ガバナンスの課題 14

C 株主価値、資本生産性を意識した経営について 15

Q10 株価の企業価値反映状況 16

Q11 コーポレートガバナンス・コード導入後の取組み強化 18

D 投資家との対話 19

Q12 投資家との対話において意識している事項 20

Q13 投資家との対話における時間軸の変化 21

Q14 コーポレートガバナンス・コード導入後に重要性が高まった開示資料 22

Q15 コーポレートガバナンス改革後における統合報告書の位置付けの変化 23

Q16 開示の充実を図りたいと考える情報 24

Q17 ESGのうち、EおよびSに関して投資家との対話で意識している事項 25

Q18 任意開示の統合報告書等の非財務情報に対する信頼性の付与 26

Q19 義務的な四半期業績の報告要否 27

Q20 議決権行使結果の個別開示による対話や議案設計への寄与 29

目次

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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3© 2017 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

調査の目的および概要

調査対象: 東証一部・二部上場企業(2,023社)のコーポレートガバナンス担当役員

調査期間: 2017年8月-9月

調査方法: 書面・ウェブサイトによる回答

回答数: 257名(253社 回答率:12.5%)

※調査結果の各表で示している比率は、端数処理(小数点以下を切り捨て)しています。

調査の概要

調査の目的

2015年6月1日にコーポレートガバナンス・コード(以下「CGC」)が適用開始されて以来、企業においてはコーポレートガバナンス体制の強化や取締役会運営の充実化のみならず、投資家との対話や情報開示についての取組みを強化する動きが見られます。CGC導入前後で、企業のコーポレートガバナンスのあり方は大きく変わっているといえます。

KPMGジャパン コーポレートガバナンスCoEでは、こうしたCGC導入後の企業における変化に着目し、コーポレートガバナンス改革が企業に対してどのような取組みを促したのか、また、取組みを実施する中で感じている課題は何かについて、上場企業の皆様のご見解をお伺いするためのアンケート調査を実施いたしました。

具体的には「取締役会運営」「株主価値、資本生産性を意識した経営」「投資家との対話(情報開示等)」の各論点における主要なポイントについて調査を行いました。

本調査内容が、貴社の取締役会の実効性や投資家との対話の促進に向けて参考になれば幸いです。

KPMGジャパンコーポレートガバナンスセンター・オブ・エクセレンス

回答者の属性

5,000億円以上, 61 社, 24%

1,000億円以上、5,000億円未満,

74 社, 29%

500億円以上、1,000億円未満,

39 社, 16%

100億円以上、500億円未満, 69 社, 27%

100億円未満, 10 社, 4%

連結売上高

5,000億円以上

1,000億円以上、5,000億円未満

500億円以上、1,000億円未満

100億円以上、500億円未満

100億円未満

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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コーポレートガバナンス・コードの導入による企業側の変化について

A調査結果

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5© 2017 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80%

取締役会運営の充実

ガバナンス体制の強化

(ガバナンス体制の変更、社外取締役の増員等)

投資家との対話の強化

(情報開示の充実、投資家との面談数増加等)

株主価値、資本生産性を意識した経営

株主以外のステークホルダーに向けた活動の強化

その他

特になし

<その他の事項>

• 取締役会の実効性分析・評価• 社外取締役との関わり、社外取締役の位置付けの再評価• 業績連動型役員報酬制度の導入• 指名委員会によるCEOサクセッションプランの監督• 株主総会関連業務の充実(総会資料の早期開示と招集通知の英訳・Web 開示・早期発送・議決権電子行使プラットフォーム導入等)

• コードのオール・コンプライ化(順不同)

Q1.CGCの導入によって、最も取組みを強化した事項をお選びください。(複数回答可)

コーポレートガバナンス・コードの導入による企業側の変化についてA :

(n=254)(複数回答)

大多数の企業が何らかの取組みを強化したと回答する中、「取締役会運営の充実」や「ガバナンス体制の強化」といったコーポレートガバナンスの機構・組織面を強化したとする企業が多くなっています。一方で、投資家目線に立った取組み(株主価値を意識した経営等)を強化した企業は比較的少数に留まっています。

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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調査結果

取締役会運営について

B

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7© 2017 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

<その他の事項>

• 監査等委員会設置会社への移行に伴う社外取締役の増員• 社外取締役を主体とした委員会の設置• 社外取締役への積極的な情報提供と事前説明の充実• 社外取締役が活発に意見を述べられる雰囲気づくり• 社外取締役との意見交換の場の設定(非公式なものを含む)• 取締役会の実効性評価による課題の自己分析と認識の共有、対応策の検討と効果検証のプロセス確立

• 取締役会への報告の充実• 取締役会の付議基準の引上げ• 執行役員制度の導入• 執行と監督のバランスのとれた議論の深化

(順不同)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

社外者も含む取締役会における

知見のバランスについての検証・見直し

指名委員会・報酬委員会の設置・権限の見直し等

執行と監督の分離

(取締役会のモニタリングモデルへの移行)

業務執行者で構成される経営会議の位置付けの見直し

取締役会における「監督」の具体的な内容・

定義についての取締役会での共有

その他

特になし (n=254)(複数回答)

取締役会運営についてB :Q2.取締役会の監督機能強化の観点から、貴社で効果を上げていると考えられる取組み内容は以下のいずれでしょうか?(複数回答可)

「社外者も含む取締役会における知見のバランスについての検証・見直し」が効果を上げていると感じる企業が多く、単に社外取締役の数を増やすだけではなく、社内取締役との知見のバランスをとる中で、取締役会の実効性を上げようとする企業が多くみられます。

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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8© 2017 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30%

社外取締役に対する情報提供が充実した

(事業環境に関する情報提供や拠点視察等)

審議・議論の時間が相対的に増えた

(報告・説明の時間が減った、審議・議論の時間が増えた)

議題や議案資料の事前配布・事前説明が早期化した

付議事項がより重要な審議事項や、

より経営戦略に関連の強い事項に絞り込まれた

議案資料や議案説明の内容や論点が、

より絞り込まれ分かりやすくなった

社長以外の社内取締役の発言が増えた

その他

特になし

<その他の事項>

• 年間、中間での取締役会での審議事項の流れ、アウトラインの共有の強化• 社外取締役を2名体制とすることによる審議の活性化• 社外取締役の発言の増加• 独立委員会の毎月開催と社外取締役の参加• 各取締役の独立性

(順不同)

Q3.取締役会における審議の活性化に関し、過去1年での変化について、以下で該当するものを選択してください。(複数回答可)

(n=254)(複数回答)

「社外取締役に対する情報提供が充実した」「審議・議論の時間が相対的に増えた」「議題や議案資料の事前配布・事前説明が早期化した」との回答が多く、取締役会における審議の充実化に向けた取組みを行った企業が多くみられます。また、「審議・議論の時間が相対的に増えた」要因として、次のQ4の回答では77%の企業が「経営課題や事業リスクの共有化と対応策の審議」を挙げています。

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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9© 2017 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

<その他の事項>

• 環境変化に関する議論• 業績に関する議論• M&Aなどの事業戦略案件• 経営計画、個別事業、月次業績などに関する議論• 資本戦略• 業務執行状況に対する議論• 議決権行使結果の分析

(順不同)

Q4.取締役会議題について、前年度に比べ審議時間が増加した項目はどれですか?該当する項目のうち、上位3つを選択し、その順位をご記入ください。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1位

2位

3位

経営課題や事業リスクの共有化と対応策の審議

中期経営計画に関する議論

経営理念、ビジネスモデル、経営の基本方針等に関する議論

コーポレートガバナンスの考え方・基本方針等に関する議論

グループ会社管理に関する議論

株主・投資家との対話に関する議論(具体的な指摘事項・改善要望等)

CSR(企業の社会的責任)に関する議論

その他

特になし

(n=241)(複数回答)

41%

25%

11%

23%

16%

14%

11%

15%

20%

10%

12%

16%

7%

16%

14%

7%

1%

4%

2%

5%

5% 4%

0%

2%

0%

2%0%

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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Q5.取締役会における審議・意思決定のための議案資料や補足情報に関し、過去1年でより充実したと考えられるものについて、選択してください。(複数回答可)

<その他の事項>

• 決議事項の明確化• 取締役会の議案資料の早期配布• 議案の理解を深めるための説明と参考資料の提出• 情報のシンプル化(資料記載の情報の精査)• 資料の簡素化かつ明瞭化、業務執行状況報告の充実• 社外取締役向けの業界情報• 専門用語、社内用語を社外役員に分かりやすく解説した資料の作成• 任意の諮問機関の議事録配布• コンプライアンス・リスク管理に関する報告の増加• 経営戦略、財務・会計等の知識を取得するための社外研修実施

(順不同)

「議案に関するより詳細な事実を示した情報」が最も高く、次いで「議案に関し想定されるリスク情報」「執行部門における取締役会付議までの議論の過程に関する情報」となっており、取締役会における審議・意思決定に資する情報の詳細化および質的な拡充がみられます。

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50%

議案に関するより詳細な事実を示した情報

議案に関し想定されるリスク情報

執行部門における取締役会付議までの議論の過程に関する情報

過去に行った投資の採算や回収状況等の情報

議案に関し将来見込まれる環境変化等の予測情報

その他

特になし (n=253)(複数回答)

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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Q6.社外取締役の意見は取締役会の意思決定に影響を与えていると感じられますか?

大多数の企業では社外取締役の意見が取締役会の意思決定に何らかの影響を与えていると回答しており、社外取締役の存在感が高まっていることがみてとれます。「あまり影響を与えていない」と回答した企業が5%に留まっていることからも、CGC原則4-7において規定されている社外取締役の役割について一定の共通認識が得られていると考えられます。

非常に大きな影響を与えている

影響を与えている

あまり影響を与えていない

全く影響を与えていない

25%

70%

5%

0%

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

(n=254)

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Q7.次期社長の後継者計画(サクセッションプラン)について、どのように議論していますか?(複数回答可)

<その他の事項>

• 担当役員部門による議論• 任意の委員会による検討• 非公式な場での議論• 次世代への経営体制の変更を実施済• 今後議論予定• 社長が交替したばかりのため未検討

(順不同)

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45%

現社長(または/および現会長)が検討している

指名委員会(任意の委員会を含む)で議論している

議論していない

取締役会で議論している

その他

わからない (n=252)(複数回答)

CGCでは、取締役会に対し、経営理念等の会社の目指すところや具体的な経営戦略を踏まえ、最高経営責任者等の後継者計画(プランニング)について、適切に監督を行うことを求めています(CGC補充原則4-1③)。これに対し取締役会または指名委員会で後継者計画を議論している企業は多いとはいえません。任意の指名委員会等を設置する企業が増える中、後継者計画に対する監督のあり方は、今後の検討課題の1つといえます。

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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Q8.取締役会の実効性評価について、どのような課題があると考えられますか?該当する項目のうち、上位3つを選択してください。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

自己評価の場合、評価の客観性がない

評価基準がわからない/納得感がない

課題は特に認識していない

評価結果の活用ができていない

評価の目的がわからない/曖昧

費用・時間がかかりすぎる

取締役会の実効性評価は実施していない

その他

わからない

<その他の事項>

• 実施方法の方向性、具体的取組み• 課題が浮かび上がってこない• どの評価方法が良いかわからない(アンケート・インタビュー等)

• 評価基準項目の再整理• 課題を導き出すために必要な質問項目の選定• 実効性評価の質問事項のマンネリ化とその回避• 長期間実施し続けることで、新しい課題等が出づらくなり、形骸化する

• 取締役会構成員の本音を引き出すことができているかが疑問• アンケートでまとめる場合、取締役会の在り方についての認識が異なるものに関しては、スムーズにいかない

• 取締役・監査役の意見は主体性がやや欠ける• 各取締役間の認識の違い、評価のばらつき

• 資料の構成、内容、分量の適正化• 個々(主に独立社外役員)の評価への対応• 第三者(機関)による評価の検討と活用• 第三者機関の客観性評価が、自己評価より優れているという一部風潮に疑問

• 取締役会の実効性評価結果について十分に審議する時間を確保できない

• 評価結果に基づき、改善に取り組んでいるが、本質的な課題は改善が進みにくい

• 実効性評価に基づく継続的改善• 継続的なPDCAサイクルの構築• 指摘された課題への具体的アプローチの立案(が難しい)• 対外公表内容の透明性向上とリスクのバランス• 実効性評価に関する各従業員の認識不足 (順不同)

(n=254)(複数回答)

多くの企業が取締役会の実効性評価を実施する中、「自己評価の場合、評価の客観性がない」「評価基準がわからない/納得感がない」とする回答が多数ありました。実効性評価を企業価値の向上に資する取組みとするためには評価の客観性の担保等が課題であると考えられます。また、その他の事項についても様々な回答が寄せられており、取締役会の実効性評価の難しさを感じることができます。

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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<その他の事項>

• 子会社のマネジメントの標準化• 全子会社へのグループ標準の導入• 人材育成(子会社への出向者も含む)

(順不同)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

子会社のコンプライアンス状況のモニタリング等、

実効性ある内部統制システムの導入

子会社の業績や活動状況に関するモニタリングの実施

子会社における経営理念・目標の浸透

子会社毎のグループ内の位置付けを踏まえた適切なKPIの導入

子会社に対する権限移譲についての方針策定

子会社における財務・経理・人事・広報等の各種規定の策定

子会社における実務効率化に向けたシェアードサービスの導入

子会社における人事評価制度の導入

子会社におけるキャッシュマネジメントの導入

その他

わからない (n=252)(複数回答)

Q9.子会社のガバナンスについてお伺いします。買収子会社のPMIやシナジーの発揮、または、既存の子会社のガバナンスにおける課題は何であると考えますか?該当する項目のうち上位3つを選択してください。

子会社のガバナンスに関しては、「実効性ある内部統制システムの導入」や「子会社の業種や活動状況」に関するモニタリングの実施に重きを置いている企業が多くなっています。

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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調査結果

株主価値、資本生産性を意識した経営について

C

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株主価値、資本生産性を意識した経営についてC :Q10.中長期的にみて、株価は自社の企業価値を適切に反映していると考えますか?

過半数の企業が株価は自社の企業価値を「中長期にみて適切に反映している」と考えているのに対して、約3割の企業は「(適切に)反映していない」と考えています。その理由として、次のQ10-1では、パフォーマンスの過小評価と短期主義になっています。

中長期的にみて概ね適切に反映している

反映していない(株価は企業価値に対して割安である)

反映していない(株価は企業価値に対して割高である)

株価は意識していない

わからない

52%

31%

14%

2%

1%

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

(n=218)

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<その他の事項>

• 知名度が低い• 事業規模が小さく目立たない• 上場後1年未満の会社であるため、知名度・信用面が不十分• 複合経営という経営スタイルが分かりにくく投資対象になりにくい• 所属する業界全体に対する過小評価(全体評価で左右される)• 関連銘柄としての期待値が先行している• 当社事業の中味が一部投資家にしか理解されていない• 株式PBRが東証一部小型株および業界平均値に比して低位な水準である• 割引率のとらえ方、余剰キャッシュのとらえ方が外部者では計り知れない• 株主構成、需給バランス• 企業の将来性への疑問

(順不同)

Q10-1.株価が自社の企業価値を適切に反映していないと感じるのはなぜですか?

投資家は自社の経営パフォーマンスについて過小(過大)

評価している

自社と投資家とでは企業価値の定義が異なっている

投資家は総じて短期主義で自社の長期的な価値創造について

十分に理解していない

投資家との対話を積極的に行っていない

その他

わからない

30%

10%

26%

13%

2%

19%

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

(n=78)

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Q11.株主価値・資本生産性を意識した経営に関して、CGC導入後において、取組みを強化した/強化する予定のある内容についてお聞かせください。(複数回答可)

0% 10% 20% 30% 40% 50%

ROE、ROICなど資本生産性指標を活用した

KPI設定と社内での運用

政策保有株式の保有方針

株主還元

事業ポートフォリオの再構築・事業別採算管理

経営層における資本コストに対する意識の共有

最低限維持すべき自己資本比率に関する方針

その他

特になし

<その他の事項>

• 社外取締役への積極的な情報提供・情報発信• 取締役会の機能強化• 監査等委員会への移行• 取締役・監査役の意見交換会の実施、諮問委員会の設置• 投資家との対話内容に関するフィードバック• 決算説明会の開催、開示情報内容の充実など投資家との対話• 招集通知発送の早期化、独立社外役員による会合の開催、取締役会の実効性評価などCGC原則を準拠するための取組み

• 中期経営計画の内容の充実• ホームページの改修• 買収防衛策廃止• 関連当事者間取引の把握

(順不同)

(n=251)(複数回答)

株主価値・資本生産性向上に向けた取組みとして、上位から「ROE、ROICなどの資本生産性指標を活用したKPI設定と社内での運用」が43%、「政策保有株式の保有方針に関する方針」が42%、「株主還元」が37%となっています。突出して高い項目はないことから、企業によって課題設定のポイントが異なることがみてとれます。

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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調査結果

投資家との対話(情報開示等)について

D

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0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

自社の中長期の価値創造ストーリーについての理解促進

自社が対処しているリスクとその対応策についての認識の共有

自社の認知度の向上

適正株価の実現

株主構成の安定化(安定株主層の構築)

株主総会における賛成票の確保

株主資本コストの低減

その他

特になし

<その他の事項>

• 経営の基本方針・事業内容・ガバナンスとそれに基づく取組みについての理解促進

• ビジネスモデルに対する理解促進• 自社や自社をとりまく環境等について投資家がどのように考えているか• ガバナンスの実効性向上に注力していること• 長期保有の訴求• 株主還元の方針

(順不同)

(n=251)(複数回答)

投資家との対話(情報開示等)についてD :Q12.投資家との対話において特に意識している事項は何ですか?上位3つを選択してください。

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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Q13.投資家との対話における時間軸の変化についてお伺いします。

Q13-1.CGC導入前の時間軸についてお聞かせください。

Q13-2.CGC導入後の時間軸についてお聞かせください。

対話において約9割の企業が「自社の中長期の価値創造ストーリーについての理解促進」を意識する中、対話の時間軸はCGC導入前後で、足元1,2年程度から中期経営計画(3年~5年)にシフトしており、対話の内容と時間軸の整合が取れてきていると考えられます。

長期的な戦略(中期経営計画より長い期間)のウェイトが

高かった中期経営計画(3年~5年)のウェイトが高かった

足元(向こう1、2年程度)のウェイトが高かった

時間軸は考慮していない

62%

19% 17%

2%

長期的な戦略(中期経営計画より長い期間)のウェイトが

最も高まった中期経営計画(3年~5年)のウェイトが最も高まった

足元(向こう1、2年程度)のウェイトが最も高まった

時間軸は考慮していない

67%

15%

11%

7%

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

(n=250)

(n=251)

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0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80%

コーポレートガバナンス報告書

株主総会招集通知

決算・事業説明会資料

有価証券報告書

統合報告書

CSRレポート(サステナビリティレポート)

事業報告・計算書類

アニュアルレポート

決算短信

その他

特になし

<その他の事項>

• 株主通信• 重要な開示の英訳

(順不同)

(n=251)(複数回答)

Q14.CGC導入後に重要性が高まった開示資料についてお答えください。(複数回答可)

CGC導入の影響として当然にコーポレートガバナンス報告書の重要性が高まっています。株主総会招集通知の重要性が高まっているのは、株主との対話に対する意識が高まる中で、単に議案情報を伝達することから、事業内容等について、より詳細に記載する工夫を凝らす企業が増えているためと推察されます。

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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Q15.CGC改革後における統合報告書の位置付けの変化についてお聞かせください。

統合報告書を有用と感じている企業は全体の1/3程度に留まっており、自社の価値創造ストーリーを伝えるとしても、その開示媒体は必ずしも統合報告書には限らないとする企業が多くなっています。

自社の価値創造ストーリーを開示する上で有用な報告書だと

位置付け、既に作成している

自社の価値創造ストーリーを開示する上で有用な報告書だと

位置付け、今後作成する予定である

価値創造ストーリーの開示は統合報告書に限る必要はなく、

他の開示媒体の拡充を行っている

特に位置付けに変化はなく、作成予定はない

42%

19%

16%

23%

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

(n=252)

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0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50%

取締役会の実効性評価

取締役、執行役員の選任理由

取締役会の構成についての考え方

役員報酬の方針

経営者等の後継者計画等(サクセッションプラン)

社外取締役の発言状況

取締役会議長による取締役会の運営方針

相談役・顧問等の職務内容や処遇等

その他

特になし

<その他の事項>

• 監督機能を高めるために実施している取組み状況• 監査役会設置型を選択している理由• 社外取締役によるガバナンス体制の説明• 社外取締役の活動状況• 社外取締役による評価• 全体的に少しずつ開示の充実を図りたい

(順不同)

(n=251)(複数回答)

Q16.ガバナンス情報として開示の充実を図りたいと考える情報は何ですか?(複数回答可)

「取締役会の実効性評価」の開示の拡充を図りたいと考える企業が多く見受けられますが、実効性評価それ自体の客観性等について問題意識をもつ企業も多く(Q8)、その評価内容の開示のあり方について課題を感じる企業は多いと推察されます。次に「取締役、執行役員の選任理由」「取締役会の構成についての考え方」と続いています。一方で、「特になし」と回答した企業が1/4あり、現状の開示で十分と考える企業が一定数存在しています。

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

自社製品・サービスで貢献できる環境・社会問題

事業に影響を与える環境・社会リスク

社会貢献、環境保全活動

自社の環境・社会KPI(CO2排出量、ダイバーシティ等)

サプライチェーンへの対応

その他

特になし

<その他の事項>

• 障がい者雇用への取組み• 現状各項目を網羅的に説明している状況• 今後、対話の際に環境・社会に関する内容を盛り込む予定

(順不同)

(n=254)(複数回答)

Q17.ESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))のうち、環境(E)・社会(S)に関して投資家との対話において意識している点は何ですか?(複数回答可)

E・Sに関して、「自社製品・サービスで貢献できる環境・社会問題」との回答が「事業に影響を与える環境・社会リスク」を上回っており、企業はE・Sをリスクファクターというよりは収益機会として捉えているのがみてとれます。

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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Q18.非財務情報の開示の充実が今後ますます重要になってくると言われています。任意開示の統合報告書等の非財務情報に対する信頼性の付与は必要だと思いますか?

非財務情報に対する信頼性の付与の必要性について「わからない」と回答した企業が45%ある一方で、「経営者による情報の信頼性に対するコミットメント(宣誓)が必要」との回答が38%あり、保証までは必要としないものの、コミットメントは最低限必要と感じる企業が一定数見受けられます。

いかなる形態の保証も必要ない

経営者による情報の信頼性に対するコミットメント(宣誓)

が必要

非財務情報の作成プロセスに関する第三者による保証が必要

非財務情報の内容そのものの第三者による保証が必要

わからない

10%

38%

3%4%

45%

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

(n=252)

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Q19.義務的な四半期業績の報告(四半期報告書)は廃止すべきという議論がありますが、賛成ですか?

金融商品取引法に定める四半期報告の廃止に賛成する企業は64%を占めています。その理由として「四半期決算短信で代替できるため」が5割超あり、情報の重複開示の敬遠が背景にあると考えられるものや、ショートターミズムの助長が挙げられています(Q19-1)。一方、廃止に賛成しない理由として開示そのものの後退や比較可能性が確保できないことを理由に挙げる企業が多くなっています(Q19-2)。

はい

いいえ

64%

36%

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

(n=248)

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0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%

開示の後退につながるため

任意にすると企業間の比較可能性が確保できないため

監査人による四半期レビューによる保証が必要なため

その他

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

四半期決算短信で代替できるため

投資家や企業経営のショートターミズム

(短期的業績重視)を助長するため

監査人による四半期レビュー対応に労力・コストがかかるため

その他

<その他の事項>

• 複数の財務報告もあり、負担大。四半期は季節要因もあり、本質的な説明をしにくい

• 事業の性質上、売上が年度末に集中するため、四半期業績の報告の重要性は高くない

• 業態柄、四半期毎にみても意味がないため• 各社の事情に則った自律した対応に委ねるべき

(順不同)

<その他の事項>

• 四半期であっても長期的な影響を与える変化が発生する場合もあるため• 投資家の立場に立てば、四半期業績を知りたいのは当然• フェアディスクロージャールール導入も見込まれる中、ある程度の情報開示は必要

• 四半期業績開示は企業のセルフチェックにも有効なため(順不同)

(n=207)(複数回答)

(n=90)(複数回答)

Q19-1.義務的な四半期業績の報告(四半期報告書)の廃止に賛成する理由は何ですか?(複数回答可)

Q19-2.義務的な四半期業績の報告(四半期報告書)の廃止に賛成しない理由は何ですか?(複数回答可)

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

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<その他の事項>

• 不明・現状ではわからない• 議決権行使方針と合わせて見ることにより、議案設計の参考情報になる• 個別開示は対話の促進に有効だが、企業に通知されれば十分である

(順不同)

Q20.スチュワードシップ・コード改訂によって機関投資家の議決権行使結果の個別開示が進んでいます。議決権行使結果の個別開示は投資家との対話の促進や議案設計の検討に寄与すると考えますか?

機関投資家による議決権行使結果の個別開示に関して「寄与する」「反対理由が明記されなければ寄与するとはいえない」と回答した企業が80%を占めており、個別開示の結果を積極的に対話促進や議案設計に活かそうという企業の姿勢がみてとれます。

個別開示は対話の促進や議案設計の検討に寄与する

反対理由が明記されなければ十分に寄与するとはいえない

特に変化は想定していない

個別開示は企業と投資家との信頼関係を毀損する

リスクをはらむ

その他

41%

39%

11%

7%

2%

「コーポレートガバナンス」に関する意識調査 2017

(n=251)

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