ldmos - silvaco · 2015-08-11 ·...

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表面ポテンシャル・ベースのLDMOSコンパクト・モデル LDMOS マクロモデルを使用しない高精度なLDMOS デバイスのSPICEシミュレーション Philips社のMOS20は、ゲート酸化薄膜下のチャネル領域およ びドリフト領域の物理効果を含む、高電圧ベースのLDMOSンパクト・モデルを提供します。 LDMOS モデルは、一般的なドレイン拡散型デバイス (EPMOS)に加えて、横方向拡散デバイス(LDMOS)や縦方 向拡散デバイス(VDMOS)のシミュレーションに適していま す。 特徴 表面ポテンシャル・ベースのコンパクト・モデル 単一の連立方程式のみを使用することにより、動作領域間の 非連続性が解消(スムージング関数も不要) 連続した微分計算により、シミュレーションが高速かつ高精度に 収束 移動度低下 自己発熱 擬似飽和(Quasi-saturation) 速度飽和 ドレイン誘導障壁低下(DIBL) 定常帰還(static feedback) チャネル長変調効果 弱なだれ電流 Philips社のMOS20(SmartSpice LEVEL=20)はチャネ ル領域とドリフト領域を考慮し、その内部で遷移が起こった ときの電圧を計算します。このモデルは、マクロモデル・  ベースの手法に比べて非常に優れた収束性をもたらします。 更に、マクロモデルとは異なり内部ノードが不要なため、回 路規模が増大したときのスピード低下を防ぎます。 図1 LDMOSデバイスの断面図. Simucad社の組み込み MOS20は、 SmartLib™(プロダクト共通のモデル・ライブラ  リ)の一部で、LEVEL=20を設定するとSmartSpiceでの使用 が可能 並列化アルゴリズムに対応 過渡ノイズ解析(Philips社の方程式を使用/不使用)やRF解析 などの先進的な解析も実行可能 シミュレーションを飛躍的に高速化するためのVZEROおよび BYPASSオプションに対応 非収束問題を解決するための、有益なモデル内部の警告/診断 情報を提供 通常のMOSデバイス変数(電流、コンダクタンス、電荷、容量な  ど)に加え、MOS20固有の内部変数についても保存/出力/   プロット/測定が可能

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Page 1: LDMOS - SILVACO · 2015-08-11 · 向拡散デバイス(vdmos)のシミュレーションに適していま す。 特徴 • 表面ポテンシャル・ベースのコンパクト・モデル

表面ポテンシャル・ベースのLDMOSコンパクト・モデル

LDMOSマクロモデルを使用しない高精度なLDMOS デバイスのSPICEシミュレーションPhilips社のMOS20は、ゲート酸化薄膜下のチャネル領域およびドリフト領域の物理効果を含む、高電圧ベースのLDMOSコンパクト・モデルを提供します。

LDMOSモデルは、一般的なドレイン拡散型デバイス(EPMOS)に加えて、横方向拡散デバイス(LDMOS)や縦方向拡散デバイス(VDMOS)のシミュレーションに適しています。

特徴

• 表面ポテンシャル・ベースのコンパクト・モデル

• 単一の連立方程式のみを使用することにより、動作領域間の 非連続性が解消(スムージング関数も不要)

• 連続した微分計算により、シミュレーションが高速かつ高精度に収束

• 移動度低下

• 自己発熱

• 擬似飽和(Quasi-saturation)

• 速度飽和

• ドレイン誘導障壁低下(DIBL)

• 定常帰還(static feedback)

• チャネル長変調効果

• 弱なだれ電流

Philips社のMOS20(SmartSpice LEVEL=20)はチャネル領域とドリフト領域を考慮し、その内部で遷移が起こったときの電圧を計算します。このモデルは、マクロモデル・ ベースの手法に比べて非常に優れた収束性をもたらします。更に、マクロモデルとは異なり内部ノードが不要なため、回路規模が増大したときのスピード低下を防ぎます。

図1 LDMOSデバイスの断面図.

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Simucad社の組み込み

• MOS20は、SmartLib™(プロダクト共通のモデル・ライブラ リ)の一部で、LEVEL=20を設定するとSmartSpiceでの使用が可能

• 並列化アルゴリズムに対応 • 過渡ノイズ解析(Philips社の方程式を使用/不使用)やRF解析 などの先進的な解析も実行可能• シミュレーションを飛躍的に高速化するためのVZEROおよびBYPASSオプションに対応

• 非収束問題を解決するための、有益なモデル内部の警告/診断情報を提供

• 通常のMOSデバイス変数(電流、コンダクタンス、電荷、容量な ど)に加え、MOS20固有の内部変数についても保存/出力/  プロット/測定が可能

Page 2: LDMOS - SILVACO · 2015-08-11 · 向拡散デバイス(vdmos)のシミュレーションに適していま す。 特徴 • 表面ポテンシャル・ベースのコンパクト・モデル

Rev. 012006_01

Philips社およびSimucad社のモデル改良がもたらすメリット

MOS20のコア・テクノロジは、英サウサンプトン大学で開発されたSOI-LDMOSモデル、および表面ポテンシャルの計算をベースとしています。

このモデル構造の最も重要な部分は、MOS11で培われた経験に基づきます。この手法により、モデルの全動作領域を1組の数式で計算することができます。

以前は連続的な遷移を生成するために、サブスレッショルド領域およびしきい値近傍領域に対してそれぞれスムージング関数を用いた別々の式を使用していましたが、このモデルでは1つの式で行うことが可能です。 使用される単一方程式 セットはすべての動作モード上で連続的です。

MOS20 は、Philips 社のモデル開発による専門技術のメ リットを活かした、精度、収束性、処理速度のすべてにおいて強力なモデルとして誕生しました。

容量vs.バイアス特性の典型的な例(測定データを挿入*)

MOS20でサポートされているデバイスの動作(自己発熱および擬似飽和)

* “A Surface-Potential-based High-Voltage Compact LDMOS Transistor Model”, A.Aarts et al., IEEE Transactions On Electron Devices, Vol 52, No 5, May 2005