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導入ガイド MICROSOFT HYPER-V および SYSTEM CENTER VIRTUAL MACHINE MANAGER 2008 おける F5 製品の導入

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導入ガイド

MICROSOFT HYPER-Vおよび SYSTEM CENTER VIRTUAL MACHINE MANAGER 2008に おける F5製品の導入

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目次

F5 導入ガイド i

目次

Microsoft Hyper-V および System Center Virtual Machine Manager 2008 におけるF5 製品の導入

前提条件と設定上の注意 .................................................................................................1-2

Hyper-V および SCVMM に関する BIG-IP LTM の設定仮想マシン上で実行するロードバランシング ・ アプリケーシ ョ ン ...............1-3ヘルスモニタに関する考慮事項 ...................................................................................1-5Quick Migration によるロードバランス動作 .............................................................1-6BIG-IP LTM による仮想化環境のハードウェア能力の向上 .................................1-7アプリケーシ ョ ン ・ ト ランザクシ ョ ンを最適化するためのBIG-IP LTM プロファイルの作成 ................................................................................ 1-10

Hyper-V で実行するアプリケーシ ョ ンと BIG-IP WebAccelerator の設定前提条件と設定上の注意 .................................................................................................2-1設定例 ......................................................................................................................................2-1WebAccelerator の設定 .....................................................................................................2-2BIG-IP LTM への接続 ..........................................................................................................2-2HTTP Class プロファイルの作成 ...................................................................................2-2Class プロファイルを使用するための仮想サーバの変更 ....................................2-3アプリケーシ ョ ンの作成 .................................................................................................2-4

BIG-IP GTM によるセカンダリ ・ データセンターへのグローバル ・サイ ト ・リダイレクシ ョ ンの提供

BIG-IP LTM 上でのセルフ IP アドレスの設定 ...........................................................3-2BIG-IP GTM 上のリスナの作成 .......................................................................................3-2BIG-IP GTM 上のデータセンターの作成 ....................................................................3-3モニタの作成 ........................................................................................................................3-4データセンター用のサーバの作成 ...............................................................................3-5BIG-IP GTM プールの作成 ................................................................................................3-6BIG-IP GTM 上のワイド IP の作成 .................................................................................3-8MX レコード と してのワイド IP の設定 (ZoneRunner を使用) .........................3-9

Microsoft Hyper-V サーバにおける WANJet の設定共通シナリオ ........................................................................................................................4-1前提条件と設定上の注意 .................................................................................................4-2ネッ トワーク ・ トポロジ .................................................................................................4-2導入の準備作業 ...................................................................................................................4-2

Hyper-V 仮想マシン転送のための WANJet の設定運用モードの設定 ...............................................................................................................4-5最適化ポリシーの設定 ......................................................................................................4-6チューニング ・ オプシ ョ ンの設定 ...............................................................................4-7アプリケーシ ョ ン QoS 設定の変更 .............................................................................4-8導入の最終作業 ...................................................................................................................4-9最適化のアクティブ化 ......................................................................................................4-9

その他の推奨事項WAN 環境の変化 ............................................................................................................. 4-10パフォーマンス ・ チャート .......................................................................................... 4-10SMB/CIFS の考慮事項 ...................................................................................................... 4-10

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Microsoft Hyper-V および System Center Virtual Machine Manager 2008 における F5 製品の導入

• Hyper-V および SCVMM に関する BIG-IP LTM の

設定

• 仮想マシン上で実行するロードバランシング ・アプリケーシ ョ ン

• Quick Migration によるロードバランス動作

• BIG-IP LTM による仮想化環境のハードウェア能力

の向上

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Microsoft Hyper-V および System Center Virtual Machine Manager 2008 における F5 製品の導入

本書は、 Microsoft Hyper-V と組み合わせた F5 ネッ ト ワークス

(以下、 F5) 製品の導入ガイ ドです。 BIG-IP Local Traffic Manager(以下、 BIG-IP LTM)、 BIG-IP Global Traffic Manager (以下、 BIG-IP GTM)、 WebAccelerator、 WANJet を、 Microsoft Hyper-V の環境下で

実行するプラ ッ ト フォームおよびアプリ ケーシ ョ ンに合わせて導入するためのガイ ド と設定手順を示します。 このガイ ドの大部分はスタンドアロンの Hyper-V サーバにも適用可能ですが、 こ こでは、

Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2008 (以下、 SCVMM)

で管理されるク ラスタ Hyper-V サーバを対象と して説明します。

Microsoft Hyper-V は、 Windows Server 2008 の一部と して提供される

高性能仮想マシン ・ ハイパーバイザであ り、 データセンターでの展開の柔軟性を拡大し、 サーバの統合に、 よ り濃厚で効率的なハードウェア ・ リ ソースの使用を実現します。 Hyper-V サーバは SCVMMから管理でき、 Hyper-V 仮想マシンは、 ネッ ト ワーク ・ ベースの

ロードバランシングと Windows Failover Clustering の組み合わせに

よって多様な高可用性のシナリオに導入できます。 F5 製品と

Hyper-V を組み合わせて使用するこ とによ り、 アップタイムの拡大、

ユーザが感じるパフォーマンスの向上、 および仮想マシン上の負荷の軽減が可能です。

Hyper-V の詳細については、www.microsoft.com/windowsserver2008/en/us/virtualization-consolidation.aspxを参照して ください。

ツールに関する追加情報や、 System Center Virtual Machine Managerを含めた技術関連の追加情報については、http://technet.microsoft.com/en-us/virtualization/default.aspx を参照し

て ください。

F5 および Hyper-V に関する追加情報については、

http://devcentral.f5.com/Default.aspx?tabid=89 を参照して ください。

重要

このガイ ドは F5 の標準的な導入ガイ ド とは異なっています。 F5 製

品の構成は仮想マシン内で実行されるアプ リ ケーシ ョ ンに大き く依存します。 そのため、 本書の説明の大半は、 F5 製品と Hyper-V 上で

仮想化されたアプリ ケーシ ョ ンを導入するための一般的なガイ ド と補足的なベス トプラ クティ スを提供します。 個別の設定手順につい

ては、 使用するアプ リ ケーシ ョ ンに対応した導入ガイ ドを参照してください。

この導入ガイ ドは、 次の章で構成されています。

• 「Hyper-V および SCVMM に関する BIG-IP LTM の設定」 (1-3 ペー

ジ)

• 「Hyper-V で実行するアプリ ケーシ ョ ンと BIG-IP WebAcceleratorの設定」 (2-1 ページ)

• 「BIG-IP GTM によるセカンダ リ ・ データセンターへのグローバ

ル ・ サイ ト ・ リ ダイレクシ ョ ンの 提供」 (3-1 ページ)

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Microsoft Hyper-V および System Center Virtual Machine Manager 2008 における F5 製品の導入

• 「Microsoft Hyper-V サーバにおける WANJet の設定」 (4-1 ページ)

前提条件と設定上の注意

このソ リ ューシ ョ ンにおける前提条件は次のとおりです。

◆ この導入ガイ ドで使用したシナリオは、 SCVMM 2008 のプレ リ

リース・バージ ョ ンを使用して確認されたものです。 最終的な製品

バージ ョ ンでは、 特定の挙動が異なっている可能性があ り ます。

◆ BIG-IP LTM バージ ョ ン 9.4 以降の使用をお勧めします。

◆ この導入ガイ ドでは、 ネッ ト ワーク ・ ト ラフ ィ ッ クを受け付けるBIG-IP LTM 上の IP アドレスおよびポート を仮想サーバと呼びま

す。 また、 仮想化されたゲス ト ・ オペレーティング ・ システムを仮想マシンと呼びます。

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Hyper-V および SCVMM に関する BIG-IP LTM の

設定こ こでは、 Hyper-V に BIG-IP LTM を導入するための一般的なガイ ド

を提供します。 この項は、 次の内容で構成されています。

• 「仮想マシン上で実行する ロードバランシング ・ アプ リ ケーシ ョ ン」

• 「ヘルスモニタに関する考慮事項」 (1-5 ページ)

• 「Quick Migration によるロードバランス動作」 (1-6 ページ)

• 「BIG-IP LTM による仮想化環境のハード ウェア能力の向上」 (1-7ページ)

仮想マシン上で実行するロードバランシング ・ アプリケーシ ョ ン

Hyper-V 仮想マシン内のアプリ ケーシ ョ ンは、 多くの点において、

仮想化された環境以外で実行されているアプリ ケーシ ョ ンと きわめて類似した動作をします。 ト ラフ ィ ッ クは BIG-IP LTM によって、

BIG-IP LTM プールで定義されたネッ ト ワーク ・ アドレスおよびアプ

リ ケーシ ョ ンのポートに送信されます。 これらのアプ リ ケーシ ョ ンは、 自分自身を任意の数の Hyper-V サーバに分散するこ とができる

仮想マシン上に置く こ とができます。

図 1.1 BIG-IP LTM を使用して ト ラフ ィ ッ クを Hyper-V サーバ群に

送信

Firewalls

Internet

BIG-IP Local Traffic Manager

Hyper-V Server 1

Clients

VM1 VM2 VM3 VM7 VM8 VM9VM4 VM5 VM6

Hyper-V Server 2 Hyper-V Server 3

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Microsoft Hyper-V および System Center Virtual Machine Manager 2008 における F5 製品の導入

ロードバランシング方式に関する考慮事項

BIG-IP LTM を設定する際、 ターゲッ ト ・ アプリ ケーショ ンの IPアド レスと サービス ・ ポート をロード バラ ンス ・ プールに追加します。

Hyper-V でホスティングされるアプ リ ケーシ ョ ンを含む BIG-IP LTMのプールごとに、 以下のロードバランス方式のいずれかを選択するこ とをお勧めします。

◆ Observed (member) Observed (監視) ロードバランシング方式では、 処理中のレイヤ

4 接続の最小数に基づいて、 Hyper-V でホスティングされるアプ

リ ケーシ ョ ンのうち新しい ト ラフ ィ ッ クの送信先と して最適なアプリ ケーシ ョ ンを BIG-IP LTM が決定できます。 仮想化されたア

プリ ケーシ ョ ンは、 同一のハードウェア上の他の仮想マシンと リソースを競合している可能性があるため、 この方式によ り、 最もト ラフ ィ ッ クの処理能力の高いプールメンバに新しい ト ラフ ィ ックが確実に送信されます。 たとえば、 ある Hyper-V サーバが別の

仮想マシン内で生じたイベン トによる負荷の大きなディ スク活動に従事しているため、 ターゲッ ト仮想マシンが通常状態と同様には要求を迅速に処理できない場合、 BIG-IP LTM はト ラフ ィ ッ ク

の処理に余裕のある他のサーバ上の仮想マシンをターゲッ トにするよ うに、 ト ラフ ィ ッ ク ・ レベルを動的に調節します。 Observed方式は、 各種 Hyper-V ホス トのハード ウェア ・ プロファ イルが異

なる場合や、 アプ リ ケーシ ョ ンが環境全体で均一に分散されていない場合に特に有効です。

◆ Predictive (member) Predictive (予測) ロードバランシング方式は、 Observed 方式と似

ていますが、 さ らに各プールメンバの傾向も考慮に入れます。 きわめて動的な Hyper-V 環境や、 極度の ト ラフ ィ ッ ク変動を受ける

環境において、 Predictive アルゴ リズムは、 よ り高い精度で、 最も

迅速に応答する可能性の高い仮想マシンに接続を分散します。

ヒン ト

Observed 方式および Predictive 方式のロードバランシング動作の詳

細については、https://support.f5.com/kb/en-us/solutions/public/6000/400/sol6406.htmlを参照して ください。

BIG-IP LTM のロードバランシング方式を変更するには

1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し、 [Pools] をク リ ッ ク し

ます。[Pool] 画面が開きます。

2. [Pool] リ ス ト で該当するプールの名前をク リ ッ ク します。

[Pool Properties] 画面が開きます。

3. メニューバーの [Members] をク リ ッ ク します。

4. 前述の説明に基づいて、 [Load Balancing Method] リ ス トから

[Observed (member)] または [Predictive (member)] を選択し

ます。

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5. [Update] ボタンをク リ ッ ク します。

図 1.2 プールのロードバランシング方式の変更

ヘルスモニタに関する考慮事項

仮想マシン内で実行されているアプ リ ケーシ ョ ンのヘルスモニタは、ICMP や TCP などの単純な手法でなく、 アプ リ ケーシ ョ ンの動作に

基づく ものでなければなり ません。 たとえば、 Web ベースのアプリ

ケーシ ョ ンの場合、 HTTP parent に基づき、 アプ リ ケーシ ョ ンからの

特定の応答文字列をチェッ クする高度なヘルスモニタが推奨されます。 これによ り、 新し くプロビジ ョ ニングされたゲス トや、 新し く一時停止解除されたゲス ト、 新し く移行されたゲス ト など、 特に外部依存性を持ち、 自分自身を仮想マシン内に置く可能性のあるゲストがアプ リ ケーシ ョ ン ・ ト ラフ ィ ッ クを正し く処理できます。

高度なヘルスモニタを設定するには

1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し、 [Monitors] をク リ ッ

ク します。

2. [Create] ボタンをク リ ッ ク します。 [New Monitor] 画面が表示

されます。

3. [Name] ボッ クスにモニタの名前を入力します。

この例では、 advhttp-monitor と入力します。

4. [Type] リ ス ト から [http] を選択します。

5. [Configuration] セクシ ョ ンで、 [Interval] ボッ クス と

[Timeout] ボッ クスに間隔と タイムアウ トの値を入力します。

間隔と タイムアウ トの比は 1:3 +1 以上をお勧めします (たと

えば、 デフォルト設定ではインターバルが 5、 タイムアウ ト

が 16 です)。 この例では、 間隔と して 30 を、 タイムアウ ト

と して 91 を使用します。 [Send String] セクシ ョ ンと [Receive Rule] セクシ ョ ンには、 チェッ ク対象アプリ ケーシ ョ ン固有

の Send String や Receive Rule を追加できます。

6. [Send String] ボッ クスに、 ターゲッ ト ・ アプ リ ケーシ ョ ンが

返す文字列を入力します。 この例では、 Send String と して

GET/ iisstart.htm を使用します。

Send String で要求しているページで認証が必要な場合には、

ユーザ名とパスワードを該当するボッ クスに入力します。

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Microsoft Hyper-V および System Center Virtual Machine Manager 2008 における F5 製品の導入

7. [Receive Rule] ボッ クスに、 Send String から受信する内容を入

力します。 この例では、 Under Construction ページが返される

ものと して、 [Uu]nder [Cc]onstruction と入力します (図 1.3参照)。

8. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。

作成した新しいモニタがリ ス トに追加されます。

図 1.3 高度な HTTP モニタの作成

Quick Migration によるロードバランス動作 Windows Failover Cluster の一部と して導入し、 SCVMM によって

管理する場合、 Hyper-V 仮想マシンは、 Quick Migration と呼ばれる

プロセスによって最小限のダウンタイムで物理サーバ間を移動できます。 Quick Migration の間、 仮想マシンはサスペンド状態にな り、

仮想マシンのメモ リの内容が新しいホス トにコピーされた後、 サスペンド状態から復帰します。 マシンを使用できない時間は、 通常、10 ~ 30 秒の範囲です。 この時間は、 それぞれの仮想マシンで使用

されている メモ リによって大き く異な り ます。 モニタの設定に使用する基準値を求めるには、 予想される通常の負荷をシ ミ ュレート した条件で Quick Migration をテス トするこ とが推奨されます。

Quick Migration に対応した適切なモニタと ロード バランシング設定を

決定するには、 アプリ ケーショ ンの動作を理解するこ と が重要です。

◆ 短時間のステート レス接続は、 接続が即座に別の仮想マシンに転送されるよ うに、 比較的短いタイムアウ トのヘルスモニタを使用する必要があ り ます。 このよ う な接続の例と しては、通常の HTTP要求、SMTP、DNS 要求などがあ り ます。これらの場合には、BIG-IP

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LTM で出荷時設定されているデフォルトのタイムアウ ト値を使用

するか、 アプ リ ケーシ ョ ン個別の導入ガイ ドに詳細な手順が示されている場合にはこれらに従う こ とをお勧めします。

◆ 比較的長期間のステート フル接続の多くは、 モニタに関連付けられた比較的長時間のタイムアウ ト を使用する必要があ り ます。 たとえば、 Microsoft Terminal Services サーバに対する Remote Desktop Connection は、 接続の切断以降もデスク ト ップ ・ ステー

ト を維持します。 このよ う な場合、 短時間のサスペンド状態ではなく、 元のメンバが実際にダウンするまで、 別のプールメンバにユーザを転送するのは好まし くあ り ません。 この種のアプリ ケーシ ョ ンにおいては、 負荷状態でアプリ ケーシ ョ ンの Quick Migration に要する最長時間よ り長いタイムアウ ト値のヘルスモニ

タを使用するこ とが推奨されます。 アプ リ ケーシ ョ ンの移行に 30秒かかる場合には、 タイムアウ ト を 35 秒などと します。

◆ 一部の長時間のステート フル接続は、 アプ リ ケーシ ョ ンに基づいて設定しても仮想マシンの Quick Migration を超えては維持できな

いものもあ り ます。 たとえば、 進行中の FTP ダウンロードは、

Quick Migration 中に終了してしまいます。 このよ う なシナリオで

は、 ユーザが利用可能な仮想マシンとの新しい接続を即座に確立できるよ うに、 短いヘルスモニタのタイムアウ ト を維持するこ とが推奨されます。

ヘルスモニタの設定方法については、 「高度なヘルスモニタを設定するには」 (1-5 ページ) を参照して ください。

Quick Migration の後、 BIG-IP LTM は継続的に新しいホス ト上の仮想

マシンに ト ラフ ィ ッ クを送信します。 IP アドレス とポートは変更さ

れていないため、 BIG-IP LTM にとって、 この仮想マシンは引き続き

同じプールメンバとな り ます。 Predictive 方式または Observed 方式

のロードバランシングを使用するこ とによ り、 制約の増減はあるにしても、 新しいホス ト上で稼働中の仮想マシンに、 その容量に適したレベルで自動的に ト ラフ ィ ッ クが送信されます。

BIG-IP LTM による仮想化環境のハードウェア能力の向上

Hyper-V 仮想マシンは、 そのホス トの CPU、 ディ スク、 RAM リ ソー

スを共有します。 各ゲス トから要求される ト ランザクシ ョ ンごとのリ ソースを小さ くするこ とによ り、 任意のホス ト上で効果的に実行可能な仮想マシンの数を動的に増加できる と と もに、 それぞれの仮想マシンの処理能力を増大するこ と も可能です。

たとえば、 それぞれの Hyper-V 仮想マシンは、 ハード ウェア ・ ネッ

ト ワーク ・ アダプタに直接アクセスするのではなく、 1 つまたは複

数の Microsoft シンセティ ッ ク ・ ネッ ト ワーク ・ アダプタを使用しま

す。 これらのシンセティ ッ ク ・ アダプタは、 TOE (TCP/IP オフロー

ド ・ エンジン) や SSL のオフロード、 その他のハード ウェア ・ ベー

スの高速化テク ノ ロジは提供しません。 専用の高速ハードウェアとBIG-IP TCP Express 機能セッ ト と と もに BIG-IP LTM を使用する場

合、 要求された膨大な量の仮想マシンのプロセスオフが作動します。

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Microsoft Hyper-V および System Center Virtual Machine Manager 2008 における F5 製品の導入

また、 F5 の WebAccelerator (BIG-IP 上でモジュールと して利用可

能) では、 仮想化環境のハード ウェア能力を大幅に向上できます。「Hyper-V で実行するアプ リ ケーシ ョ ンと BIG-IP WebAccelerator の設

定」 (2-1 ページ) を参照して ください。

SSL ト ランザクシ ョ ンのオフロード

BIG-IP LTM の強みの 1 つは、 HTTPS やその他の SSL 接続を終端し、

ト ラ フ ィ ッ ク を暗号化せずにゲス ト に送信する機能です。 この際、BIG-IP LTM の専用暗号化ハー ド ウ ェ アを使用する こ と によ り、

Hyper-V 仮想マシンでの CPU と メモ リ負荷が軽減されます。 また、

BIG-IP LTM で SSL/TLS 接続を終端するこ とによ り、証明書管理が簡

略化され、新規の Hyper-V 仮想マシンを素早く、安価にオンラインに

できます。

BIG-IP LTM が SSL をオフロードするよ うに設定するには、 BIG-IP LTM に SSL 証明書をインス トールし、 適切な仮想サーバの Client SSL プロファ イルに証明書およびキーを追加する必要があ り ます。

SSL 証明書を BIG-IP LTM にインス トールする方法、 証明書をプロ

ファ イルに追加する方法、 プロファ イルを追加するよ うに仮想サーバを変更する方法については、 後述の手順で説明します。

証明書作成に関する詳細、 または BIG-IP LTM を使用して新しい

証明書とキーを認証局から取得するための要求の作成方法の詳細については、 『Configuration Guide for Local Traffic Management』 の

「Managing SSL Traffic」 の章を参照して ください。

キーおよび証明書のインポート

認証局からの証明書の取得が完了したら、設定ユーティ リ ティ を使用して、 この証明書を BIG-IP LTM にインポート します。

キーまたは証明書をインポートするには

1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開します。

2. [SSL Certificates] をク リ ッ ク します。 既存の証明書の一覧が

表示されます。

3. 画面の右上の [Import] をク リ ッ ク します。

4. [Import Type] リ ス ト から インポートの種別 (Certificate また

は Key) を選択します。

5. [Certificate Key] (または [Key Name]) ボッ クスに一意の証

明書名またはキー名を入力します。

6. [Certificate Source] (または [Key Source]) ボッ クスでファ イ

ルのアップロードまたはテキス トのペース ト を選択します。

7. [Import] をク リ ッ ク します。

証明書のインポートが終了したら、 この手順を繰り返してキーをインポート して ください。

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Client SSL プロファイルの作成

次に、 Client SSL プロファ イルを作成します。 このプロファ イル

には、 サーバに代わって SSL ト ラフ ィ ッ クを復号化するための SSL証明書とキー情報が含まれます。

新しい Client SSL プロファイルを作成するには

1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し、 [Profiles] をク リ ッ ク

します。[HTTP Profiles] 画面が開きます。

2. [Menu] バーの [SSL] メニューから [Client] を選択します。

[Client SSL Profiles] 画面が表示されます。

3. 画面の右上の [Create] ボタンをク リ ッ ク します。

[New Client SSL Profile] 画面が表示されます。

4. [Name] ボッ クスに、 このプロファ イルの名前を入力します。

この例では、 clientssl-profile と入力します。

5. [Configuration] セクシ ョ ンで、 [Certificate] と [Key] に対応す

る [Custom] チェッ クボッ クスにチェッ クを入れます。

6. [Certificate] リ ス トから、 「キーおよび証明書のインポート 」

でインポート した証明書の名前を選択します。

7. [Key] リ ス トから、 「キーおよび証明書のインポート 」 でイン

ポート したキーを選択します。

8. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。

Client SSL プロファイルを追加するための仮想サーバの変更

BIG-IP LTM で SSL をオフロードするための最終作業は、 作成した

Client SSL プロファ イルを使用するための仮想サーバの変更です。

Client SSL プロファイルを使用するように既存の仮想サーバ

を変更するには

1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し、 [Virtual Servers] をク リ ッ ク します。 [Virtual Server] 画面が表示されます。

2. [Virtual Server] リ ス トから、 SSL ト ラフ ィ ッ クをオフロード

する仮想サーバをク リ ッ ク します。

3. [Configuration ] セクシ ョ ンの [SSL Profile (Client)] リ ス トか

ら、 「Client SSL プロファ イルの作成」 の手順で作成したプロ

ファ イルの名前を選択します。 この例では、 clientssl-profileを選択します。

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4. [Update] ボタンをク リ ッ ク します。

図 1.4 Client SSL プロファ イルを仮想サーバに追加

アプリケーシ ョ ン ・ ト ランザクシ ョ ンを最適化するためのBIG-IP LTM プロファイルの作成

BIG-IP LTM では、 プロファ イルを使用するこ とによ り、 ネッ ト ワー

ク ・ ト ラフ ィ ッ クの管理が強化され、 ト ラフ ィ ッ ク管理タスクが簡単かつ効率的になり ます。 Hyper-V 仮想マシン内で実行するアプ リ

ケーシ ョ ンに対しては、 カスタムの HTTP プロファ イルおよび TCPプロファ イルを使用して、 BIG-IP LTM から仮想マシンへの接続を最

適化するこ とが推奨されます。 これによ り、 それぞれのアプリ ケーシ ョ ンが最大限に効率的に実行可能とな り ます。 最適化されたHTTP プロファ イルでは、 F5 の RAM キャ ッシュ と圧縮エンジンを

使用してアプリ ケーシ ョ ン ・ ト ランザクシ ョ ンの速度を向上します。

デフォルトのプロファ イルを使用するこ と も可能ですが、 初期的には設定を変更していない場合でも、 デフォルトの親プロファ イルを基にして新しいプロファ イルを作成するこ とを強くお勧めします。新しいプロファ イルを作成するこ とで、 アプ リ ケーシ ョ ンに固有のプロファ イル設定の変更が簡単になるほか、 デフォルトのプロファイルを誤って上書きするこ と も回避されます。

HTTP プロファイルの作成

HTTP プロファ イルには、 BIG-IP LTM での HTTP ト ラフ ィ ッ クの処

理方法に関する設定オプシ ョ ンが多数含まれます。 次の例では、 すべての設定をデフォルトのままにしておきます。 任意のプロファ イル設定を変更し、 実際のアプリ ケーシ ョ ンに合わせてプロファ イルを調整するこ とができます。 デフォルトのプロファ イルを使用してもかまいませんが、 作成する親プロファ イルに基づいて、 新しいプロファ イルを作成するこ とを強くお勧めします。

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新しい HTTP プロファイルを作成するには

1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し、 [Profiles] をク リ ッ ク

します。[HTTP Profiles] 画面が開きます。

2. 画面の右上の [Create] ボタンをク リ ッ ク します。

[New HTTP Profile] 画面が表示されます。

3. [Name] ボッ クスに、 このプロファ イルの名前を入力します。

この例では、 http-optimized と入力します。

4. [Parent Profile] リ ス トから

[http-wan-optimized-compression-caching] を選択します。

5. [Content Compression] の [Custom] チェッ クボッ クスに

チェッ クを入れ、 [Content List] の選択はそのままにします。

6. その他の設定は、 実際のネッ ト ワークに合わせて変更してください。 この例では、 残りの設定をデフォルトのままにしておきます。

7. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。

WAN に最適化された TCP プロファイルの作成

次に作成するプロファ イルは、WAN に最適化したプロファ イルです。

新しい TCP プロファイルを作成するには

1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し、 [Profiles] をク リ ッ ク

します。[HTTP Profiles] 画面が開きます。

2. [Menu] バーの [Protocol] メニューから [TCP] をク リ ッ ク し

ます。

3. 画面の右上の [Create] ボタンをク リ ッ ク します。

[New TCP Profile] 画面が表示されます。

4. [Name] ボッ クスに、 このプロファ イルの名前を入力します。

この例では、 optimized-tcp-wan と入力します。

5. [Parent Profile] リ ス トから [tcp-wan-optimized] を選択します。

6. 実際のネッ ト ワークに合わせて設定を変更して ください。 この例では、 残りの設定をデフォルトのままにしておきます。

7. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。

1 - 11

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Microsoft Hyper-V および System Center Virtual Machine Manager 2008 における F5 製品の導入

LAN に最適化された TCP プロファイルの作成

次に作成するプロファ イルは、LAN に最適化したプロファ イルです。

新しい TCP プロファイルを作成するには

1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し、 [Profiles] をク リ ッ ク

します。[HTTP Profiles] 画面が開きます。

2. [Menu] バーの [Protocol] メニューから [TCP] をク リ ッ ク し

ます。

3. 画面の右上の [Create] ボタンをク リ ッ ク します。

[New TCP Profile] 画面が表示されます。

4. [Name] ボッ クスに、 このプロファ イルの名前を入力します。

この例では、 optimized-tcp-lan と入力します。

5. [Parent Profile] リ ス トから [tcp-lan-optimized] を選択します。

6. 実際のネッ ト ワークに合わせて設定を変更して ください。 この例では、 残りの設定をデフォルトのままにしておきます。

7. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。

新しいプロファイルを使用するための仮想サーバの変更

次に、 作成したプロファ イルを使用するよ うに仮想サーバを変更します。

1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し、 [Virtual Servers] をク リ ッ ク します。 [Virtual Server] 画面が表示されます。

2. [Virtual Server] リ ス トから、 新しいプロファ イルを使用する

仮想サーバをク リ ッ ク します。

3. [Configuration] リ ス トから [Advanced] を選択します。

詳細な設定オプシ ョ ンが表示されます。

4. [Protocol Profile (Client)] リ ス トから、 「WAN に最適化された

TCP プロファ イルの作成」 の手順で作成したプロファ イルの

名前を選択します。 この例では、 optimized-tcp-wan を選択し

ます。

5. [Protocol Profile (Server)] リ ス トから、 「LAN に最適化された

TCP プロファ イルの作成」 で作成したプロファ イルの名前を

選択します。 この例では、 optimized-tcp-lan を選択します。

6. [HTTP Profile] リ ス ト から、 「HTTP プロファ イルの作成」 で

作成したプロファ イルの名前を選択します。 この例では、http-optimized を選択します。

7. [Update] ボタンをク リ ッ ク します。

以上で、 Hyper-V に関する BIG-IP LTM の設定は終了です。

F5 導入ガイド 1 - 12

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Microsoft Hyper-V における BIG-IP WebAccelerator の導入
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Hyper-V で実行するアプリケーシ ョ ンと BIG-IP WebAccelerator の設定

この章では、 Microsoft Hyper-V でホスティングされたアプリ ケー

シ ョ ンに関する BIG-IP WebAccelerator (以下、 WebAccelerator) の

設定を行い、 仮想化環境のハード ウェア容量を拡大します。 F5 の

WebAccelerator は、 一連のインテ リ ジェン ト技術を備えた高度な

Web アプリ ケーシ ョ ン配信ソ リ ューシ ョ ンであ り、 ユーザのパ

フォーマンスに影響を与えるブラウザ、 Web アプ リ ケーシ ョ ンのプ

ラ ッ ト フォーム、 WAN の遅延に伴う問題を解決するよ うに設計さ

れています。

WebAccelerator の詳細については、

http://www.f5networks.co.jp/product/bigip/wa/index.html をご覧くだ

さい。

前提条件と設定上の注意

この項における前提条件は次のとおりです。

◆ この導入ガイ ドの第 1 章に従い、Hyper-V サーバに ト ラフ ィ ッ クを

送信するよ うに BIG-IP Local Traffic Manager (以下、 BIG-IP LTM)

がすでに設定されているものと します。

◆ BIG-IP LTM (バージ ョ ン 9.4 以上) の WebAccelerator を購入し、

ラ イセンス許諾を受けているこ とが必要です。

◆ 9.4.2 以上の BIG-IP LTM を使用している場合は、BIG-IP LTM 上で

HTTP プロファ イルを作成し、 RAM Cache を有効化しているこ と

が必要です。 この導入ガイ ドの例では、 RAM Cache を含む親プロ

ファ イルを使用します。 RAM Cache が有効化された HTTP プロ

ファ イルを作成していない場合、 RAM Cache を使用する親プロ

ファ イルに基づいて新しい HTTP プロファ イル (HTTP Acceleration 推奨) を作成し、 これを仮想サーバに関連付ける

必要があ り ます。 この作業が必要となるのは、 バージ ョ ン 9.4.2以上の BIG-IP LTM のみです。

設定例 この項の設定によ り、 WebAccelerator を搭載した BIG-IP LTM 設定の

最適化が行われ、 Hyper-V サーバのハード ウェア能力が向上します。

WebAccelerator を搭載した BIG-IP LTM は、 重複したコンテンツを

繰り返し提供するこ とによる負荷を軽減します。

この設定においては、 WAN 遅延のある リモート ・ ク ラ イアン トは

WebAccelerator 経由で Hyper-V にアクセスします。 繰り返し発生す

るユーザ要求は、 ブラウザのローカル ・ キャ ッシュに保存されている動的または静的オブジェク ト を使用するよ うに WebAccelerator がブラウザに指示するこ とによって高速化されます。 さ らに、 動的オブジェク トおよび静的オブジェク トは WebAccelerator にもキャ ッ

シュされており、 同一オブジェク ト をサーバに再度要求をするこ とな く、 すぐに提供できます。

2 - 1

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Microsoft Hyper-V における BIG-IP WebAccelerator の導入

WebAccelerator の設定

WebAccelerator を設定するには、HTTP Class プロファ イルの作成とア

プ リ ケーシ ョ ンの作成が必要です。 WebAccelerator には、 これ以外に

もパフォーマンス向上を微調整するための多数の機能とオプシ ョ ンがあ り ます。 詳細については、 『WebAccelerator Administrator Guide』を参照して ください。

BIG-IP LTM への接続

次の手順に従って、BIG-IP LTM の Web ベースの設定ユーティ リ ティ

に Web ブラウザからアクセスします。

設定ユーティ リテ ィ を使用して BIG-IP LTM に接続するには

1. ブラウザの URL 欄に

https://<BIG-IP の管理者用 IP アドレス >と入力します。 [Security Alert] ダイアログボッ クスが表示さ

れたら、 [Yes] をク リ ッ ク します。

認証用ダイアログボッ クスが表示されます。

2. ユーザ名とパスワードを入力し、 [OK] をク リ ッ ク します。

[Welcome] 画面が表示されます。

HTTP Class プロファイルの作成

まず、HTTP Class プロファ イルを作成します。着信 HTTP ト ラフ ィ ッ

クが WebAccelerator ク ラスで指定された基準に一致する と、 BIG-IPLTM は、 このク ラスを通して ト ラフ ィ ッ クを迂回させます。 次の例

では、 デフォルトのプロファ イルを基に新しい HTTP Class プロファ

イルを作成します。

新しい HTTP Class プロファイルを作成するには

1. [Main] タブで [WebAccelerator] を展開し、 [Classes] をク リ ッ

ク します。[HTTP Class Profiles] 画面が開きます。

2. 画面の右上の [Create] ボタンをク リ ッ ク します。

[New HTTP Class Profile] 画面が表示されます。

3. [Name] ボッ クスに、 このク ラスの名前を入力します。 この

例では、 example-class と入力します。

4. [Parent Profile] リ ス トから [httpclass] が選択されているこ とを

確認します。

5. [Configuration ] セクシ ョ ンの [WebAccelerator] 行から

[Enabled] が選択されているこ とを確認します。

F5 導入ガイド 2 - 2

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6. [Hosts] 行のリ ス トから [Match Only] を選択します。

[Host List] オプシ ョ ンが表示されます。

a) [Host] ボッ クスに、 エンドユーザが Hyper-V 仮想マシン

内で実行しているアプ リ ケーシ ョ ンをアクセスするために使用するホス ト名を入力します。 この例では、http://example-application.f5.com/ と入力します。

b) [Entry Type] は [Pattern String] のままにしておきます。

c) [Add] ボタンをク リ ッ ク します。

d) ユーザがアクセスする可能性のある他のホス ト名について、 この手順を繰り返します。

7. 残りの設定は任意選択です。 実際の導入に合わせて設定してください。

8. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。 新しい HTTP Class がリ ス トに追加されます。

Class プロファイルを使用するための仮想サーバの変更

次に、 作成した HTTP Class プロファ イルを使用するよ うに BIG-IP LTM 上の仮想サーバを変更します。

Classプロファイルを使用するように仮想サーバを変更するには

1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し、 [Virtual Servers] をク リ ッ ク します。 [Virtual Server] 画面が表示されます。

2. [Virtual Server] リ ス トから、 Hyper-V 仮想マシン内で実行し

ているアプリ ケーシ ョ ン用に作成した仮想サーバの名前をク リ ッ ク します。 この例では、 [example-http-vs] をク リ ッ ク

します。仮想サーバの [General Properties] 画面が表示されます。

3. [Menu] バーの [Resources] をク リ ッ ク します。

4. [HTTP Class Profiles]セクシ ョ ンの [Manage]ボタンをク リ ッ ク

します。

5. [Available] リ ス ト で、 前の手順で選択した HTTP Class プロ

ファ イル名を選択し、 [<<] (追加) ボタンをク リ ッ ク して、

[Enabled] ボッ クスに移動します。 この例では、 example-classを選択します。

6. [Update] ボタンをク リ ッ ク します。 以上で、 HTTP Class プロ

ファ イルが仮想サーバに関連付けられました。

重要

9.4.2 以上の BIG-IP LTM を使用している場合は、 BIG-IP LTM 上で

HTTP プロファ イルを作成し、 RAM Cache を有効化しているこ とが

必要です。 この導入ガイ ドの例では、 RAM Cache を含む親プロファ

イルを使用します。 RAM Cache が有効化された HTTP プロファ イル

を作成していない場合、 RAM Cache を使用する親プロファ イルに基

づいて新しい HTTP プロファ イル (HTTP Acceleration など) を作成

2 - 3

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Microsoft Hyper-V における BIG-IP WebAccelerator の導入

し、 この新しいプロファ イルを使用するよ うに仮想サーバを変更する必要があ り ます。 この作業が必要になるのは、 バージ ョ ン 9.4.2 以

上の BIG-IP LTM のみです。

HTTP プロファ イルを作成するには、 「HTTP プロファ イルの作成」

(1-10 ページ) の 「HTTP Acceleration 親プロファ イルの選択」 の手

順を使用します。 RAM Cache は有効化のままにしておく必要があ り

ます。 それ以外の設定はすべて任意です。 仮想サーバを変更するには、 前の手順のステップ 1 ~ 2 に従った後、 作成した新しいプロ

ファ イルの名前を [HTTP Profile] リ ス トから選択し、 [Update] をク

リ ッ ク します。

アプリケーシ ョ ンの作成

次に、 WebAccelerator Application を作成します。 WebAccelerator Application は、 アプリ ケーシ ョ ンに対する要求を適切に処理できる

よ うにするため、 WebAccelerator に重要な情報を提供します。

新しい WebAccelerator Application を作成するには

1. [Main] タブで [WebAccelerator] を展開し、 [Applications] をク リ ッ ク します。WebAccelerator UI の [Application] 画面が新しいウ ィンド ウに

開きます。

2. [New Application] ボタンをク リ ッ ク します。

3. [Application Name] ボッ クスに、 アプリ ケーシ ョ ンの名前を入

力します。この例では、 Example Application と入力します。

4. [Description] ボッ クスには、 このアプ リ ケーシ ョ ンの説明を

任意に入力できます。

5. [Local Policies] リ ス トから、 Hyper-V 内で実行しているアプ

リ ケーシ ョ ンに最も適したポ リシーを選択します。 実行中のアプリ ケーシ ョ ンに対応する事前定義ポリ シーがない場合は、 そのアプリ ケーシ ョ ン用に WebAccelerator ポ リシーを新

し く作成するこ とができます。

6. [Requested Host] ボッ クスに、 エンドユーザがアプリ ケー

シ ョ ンをアクセスするために使用するホス ト名を入力します。 これは、 前述の手順 6a で使用したホス ト名と同じでな

ければなり ません。 この例では、http://example-application.f5.com/ と入力します。

追加のホス ト名がある場合は、 [Add Host ] ボタンをク リ ッ ク

し、 ホス ト名を入力します。

7. [Save] ボタンをク リ ッ ク します。

WebAccelerator の残りの設定オプシ ョ ンは任意選択です。 実際の

ネッ ト ワークに合わせて設定してください。 この基本設定によ り、エンドユーザの 2 回目以降のアクセスのパフォーマンスが大幅に向

上します。

F5 導入ガイド 2 - 4

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Microsoft Hyper-V のマルチデータセンター展開における BIG-IP GTM の導入
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BIG-IP GTM によるセカンダリ ・ データセンター

へのグローバル ・ サイ ト ・ リダイレクシ ョ ンの提供

この章では、 Hyper-V のマルチデータセンター展開用に BIG-IP Global Traffic Manager (以下、 BIG-IP GTM) を設定します。

BIG-IP GTM は、 このソ リ ューシ ョ ンを実現するために必要な機能

をすべて実行できます。 たとえば、 Site 1 のインターネッ ト接続が

切断され、 このサイ トが利用できな くなった場合、 BIG-IP GTM は

必要に応じてク ライアン ト を Site 2 に導く よ うに DNS を変更しま

す。 Hyper-V 仮想マシンのレプリ ケーシ ョ ンが完了する と、 これら

の仮想マシンが稼働し、 アプ リ ケーシ ョ ンが ト ラフ ィ ッ クを受け付けます。

BIG-IP GTM は BIG-IP 上のモジュールと しても利用できます。

BIG-IP GTM の詳細については、

http://www.f5networks.co.jp/products/bigip/gtm/index.html を参照して く

ださい。

図 3.1 BIG-IP LTM と BIG-IP GTM を使用した論理設定例

Internet

Clients

BIG-IP LTM and GTM

Hyper-V Server 1

VM1 VM2 VM3 VM4 VM5 VM6

Hyper-V Server 2

Site A: Seattle

BIG-IP LTM and GTM

Hyper-V Server 1

VM1 VM2 VM3 VM4 VM5 VM6

Hyper-V Server 2

Site B: New York

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Microsoft Hyper-V のマルチデータセンター展開における BIG-IP GTM の導入

BIG-IP LTM 上でのセルフ IP アドレスの設定

まず、 BIG-IP GTM で使用する BIG-IP Local Traffic Manager (以下、

BIG-IP LTM) 上に固有のセルフ IP アドレスを作成します。 BIG-IP LTM の冗長ペアごとに固有のセルフ IP アドレスが必要です。 した

がって、 BIG-IP LTM のペアが複数ある場合には、 そのペアごとに

固有のセルフ IP アドレスが必要とな り ます。

選択する IP アドレス と、 そのアドレスを割り当てる VLAN は、

BIG-IP GTM に対して DSN クエ リ を実行するすべてのク ライアン ト

からアクセス可能であるこ とが必要です。 このアドレスは、 BIG-IP LTM、 ファ イアウォール、 ルータなどの NAT (Network Address Translation) デバイスがパブリ ッ ク ・ アドレスを提供し、 DNS ト ラ

フ ィ ッ クを リ スナに転送している場合には、 プライベート IP アドレ

スでもかまいません。

セルフ IP アドレスを作成するには

1. [Main]タブで [Network]を展開し、[Self IPs]をク リ ッ ク します。

[Self IP] 画面が開きます。

2. [Create] ボタンをク リ ッ ク します。

新しい [Self IP] 画面が開きます。

3. [IP Address] ボッ クスで、 該当する VLAN (手順 5 で選択す

る VLAN) に IP アドレスを入力します。

この例では、 10.133.20.70 と入力します。

4. [Netmask] ボッ クスに、 対応するサブネッ トマスクを入力し

ます。この例では、 255.255.255.0 と入力します。

5. [VLAN] リ ス トから該当する VLAN を選択します。

6. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。

新しいセルフ IP アドレスが リ ス トに表示されます。

BIG-IP GTM 上のリスナの作成 次に、 BIG-IP GTM 上にリ スナを作成します。 リ スナは、 特定の IPアドレスに向かうネッ ト ワーク ・ ト ラフ ィ ッ クを リ スニングするように BIG-IP GTM に指示を与えます。 この例では、 前の手順で作成

した BIG-IP LTM 上のセルフ IP アドレスが目的の IP アドレスにな り

ます。

BIG-IP GTM 上にリスナを作成するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインの [Main] タブで [Global Traffic] を展

開し、 [Listeners] をク リ ッ ク します。 リ スナのメ イン画面が

表示されます。

2. [Create] ボタンをク リ ッ ク します。

F5 導入ガイド 3 - 2

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3. [Destination] ボッ クスに、 「BIG-IP LTM 上でのセルフ IP アド

レスの設定」 (3-2 ページ) で作成したセルフ IP アドレスを

入力します。 この例では、 10.133.20.70 と入力します (図 3.2を参照)。

4. [VLAN Traffic] リ ス トの設定は [All VLANs] のままにしてお

きます。

5. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。

6. 「BIG-IP LTM 上でのセルフ IP アドレスの設定」 セクシ ョ ン

で設定した追加のセルフ IP アドレスに対して、 この手順を

繰り返します。

図 3.2 新しいリ スナの作成

BIG-IP GTM 上のデータセンターの作成

次に、 グローバルにロードバランスされた Hyper-V 仮想マシンをホ

ス トする実際の場所ごとに、 BIG-IP GTM 上にデータセンターを作

成します。 データセンターは、 BIG-IP GTM、 BIG-IP LTM、 ホス ト ・

システム、 およびネッ ト ワーク上の同じサブネッ ト を共有する リ ンクのグループを定義します。 この例では、 Seattle データセンターと

New York データセンターを作成します。

BIG-IP GTM 上にデータセンターを作成するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインの [Main] タブで [Global Traffic] を展開し、 [Data Centers] をク リ ッ ク します。 データセンター

のメ イン画面が開きます。

2. [Create] ボタンをク リ ッ ク します。

[New Data Center] 画面が開きます。

3. [Name] ボッ クスに、 このデータセンターの名前を入力しま

す。 この例では、 Seattle DC と入力します。

4. [Location] ボッ クスに、データセンターの物理的な場所を入力

します。 この例では、 Seattle, Washington と入力します。

5. [Contact] ボッ クスに、 データセンターのネッ ト ワーク管理

担当者の名前を入力します。 この例では、[email protected] と入力します。

6. [State] リ ス トが [Enabled] であるこ とを確認します (図 3.3参照)。

7. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。

3 - 3

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Microsoft Hyper-V のマルチデータセンター展開における BIG-IP GTM の導入

8. データセンターのそれぞれに対してこの手順を繰り返します。 この例では、 この手順をも う一度繰り返して New Yorkデータセンターを作成します。

図 3.3 新しい BIG-IP GTM データセンターの作成

モニタの作成

次は、 BIG-IP GTM 上にモニタを作成します。 モニタは、 プールと仮

想サーバの接続を検証し、所定の間隔で継続的にプールや仮想サーバの状態をチェッ クするこ とを目的と しています。チェッ ク対象のプールまたは仮想サーバが指定されたタ イムアウ ト時間内に応答しない場合や、プールまたは仮想サーバの状態がパフォーマンス低下を示している場合、 BIG-IP GTM はト ラフ ィ ッ クを別のリ ソースにリダイレ

ク ト します。

この例では、 Hyper-V 仮想マシン内で実行するアプ リ ケーシ ョ ンが

E メール ・ サーバであるため、 SMTP モニタを作成します。 SMTPモニタは、 標準の SMTP (Simple Mail Transport Protocol) コマンドを

発行して、 BIG-IP LTM 仮想サーバが使用可能であるこ とを確認しま

す。 実際の構成に合わせてモニタを設定して ください。

デフォルトのモニタを使用するこ と も可能ですが、 デフォルトのモニタを基にして新しいモニタを作成するこ とをお勧めします。これによ り、 特定のオプシ ョ ンの設定が可能になり ます。

BIG-IP GTM ヘルスモニタを作成するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインの [Main] タブで [Global Traffic] を展

開し、 [Monitors] をク リ ッ ク します。

2. [Create] ボタンをク リ ッ ク します。 [New Monitor] 画面が表示

されます。

3. [Name] ボッ クスにモニタの名前を入力します。 この例では、

gtm_smtp と入力します。

4. [Type] リ ス トから [SMTP] を選択します。

5. 実際の導入に合わせてオプシ ョ ンを設定します。 この例では、 オプシ ョ ンをデフォルトのままにしておきます。

6. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。

作成した新しいモニタがリ ス トに追加されます。

F5 導入ガイド 3 - 4

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データセンター用のサーバの作成

次の作業は、 データセンター用の BIG-IP GTM サーバ の作成です。

サーバは、 ネッ ト ワーク上の特定システムを定義します。 この例では、 このガイ ドで先に設定した BIG-IP LTM が BIG-IP GTM サーバ

にな り ます。

BIG-IP GTM サーバを作成するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインの [Main] タブで [Global Traffic] を展開し、 [Servers] をク リ ッ ク します。

サーバのメ イン画面が表示されます。

2. [Create] ボタンをク リ ッ ク します。 [New Server] 画面が表示

されます。

3. [Name]ボッ クスにBIG-IP LTM を特定する名前を入力します。

この例では、 Seattle_BIG-IP と入力します。

4. [Product] リ ス トから、 実際の設定に応じて [BIG-IP System (Single)] または [BIG-IP System (Redundant)] のいずれかを選

択します。 この例では、 [BIG-IP System (Redundant)] を選択

します。

5. [Address List] セクシ ョ ンの [Address] ボッ クスに BIG-IP LTMのセルフ IP アドレスを入力し、 [Add] ボタンをク リ ッ ク しま

す。 この例では、 10.133.20.227 と入力します。

6. 手順 4 で [BIG-IP System (Redundant)] を選択した場合は、

[Peer Address List] セクシ ョ ンの [Address] ボッ クスに冗長

BIG-IP LTM のセルフ IP アドレスを入力し、 [Add] ボタンを

ク リ ッ ク します。

注 : 冗長ペアの浮動 IP アドレスは使用しないでください。

また、 冗長ペアのメンバの管理インターフェイスを使用しないでください。

7. [Data Center] リ ス トから、 「BIG-IP GTM 上のデータセンター

の作成」 の手順で作成したデータセンターの名前を選択します。 この例では、 Seattle DC を選択します。

8. [Health Monitors] セクシ ョ ンでは、 「モニタの作成」 の手順で

選択したモニタ名を選択し、 [<<] (追加) ボタンをク リ ッ ク

します。 この例では、 gtm_smtp を選択します。

9. [Resources] セクシ ョ ンの [Virtual Server Discovery] リ ス トから

オプシ ョ ンを選択します。 [Enabled (No Delete)] を推奨しま

す。 このオプシ ョ ンを選択した場合、 BIG-IP LTM 上で設定

したすべての仮想サーバを BIG-IP GTM が iControl を使用し

て検出し、 更新しますが、 これらの仮想サーバは削除されません。

10. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。

3 - 5

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Microsoft Hyper-V のマルチデータセンター展開における BIG-IP GTM の導入

図 3.4 BIG-IP GTM サーバの作成

BIG-IP GTM プールの作成

次に、 BIG-IP GTM 上に BIG-IP LTM 仮想サーバを含むプールを作成

します。

BIG-IP GTM 上にプールを作成するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインの [Main] タブで [Global Traffic] を展開し、 [Pools] ([Wide IPs] の下) をク リ ッ ク します。

2. [Create] ボタンをク リ ッ ク します。 [New Pool] 画面が表示さ

れます。

F5 導入ガイド 3 - 6

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3. [Name] ボッ クスにプールの名前を入力します。 この例では、

Seattle_pool と入力します。

4. [Health Monitors] セクシ ョ ンでは、 「モニタの作成」 の手順で

選択したモニタ名を選択し、 [<<] (追加) ボタンをク リ ッ ク

します。 この例では、 gtm_smtp を選択します。

5. [Load Balancing Method] セクシ ョ ンの リ ス トから、 実際の設

定に該当するロードバランシング方式を選択します。 この例では、 順に [Global Availability]、 [ Round Robin]、 [Return to DNS] を選択します。

6. [Member List] セクシ ョ ンの [Virtual Server] リ ス トから、

Hyper-V でホスティングするアプ リ ケーシ ョ ン用に作成した

仮想サーバを選択し、 [Add] ボタンをク リ ッ ク します。 仮想

サーバは、 IP アドレス とポート番号の組み合わせで選択する

必要があ り ます。 この例では、 10.133.20.200:25 を選択し

ます。Hyper-V でホスティングするアプ リ ケーシ ョ ンに対して

BIG-IP LTM 上で設定した仮想サーバがさ らにある場合には、

この手順を繰り返します。

7. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します。

図 3.5 BIG-IP GTM 上のプールの作成

3 - 7

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Microsoft Hyper-V のマルチデータセンター展開における BIG-IP GTM の導入

BIG-IP GTM 上のワイド IP の作成

次は、 BIG-IP GTM 上にワイ ド IP を作成します。 ワイ ド IP は、 完全

修飾ド メ イン名 (FQDN) から ド メ インのコンテンツをホス トする

仮想サーバのセッ トへのマッピングです。

BIG-IP GTM 上にワイド IP を作成するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインの [Main] タブで [Global Traffic] を展開し、 [Wide IPs] をク リ ッ ク します。

2. [Create] ボタンをク リ ッ ク します。 [New Wide IP] 画面が表示

されます。

3. [Name] ボッ クスにワイ ド IP の名前を入力します。 この例で

は、 mail.example.com と入力します。

4. この例では iRule を使用しないため、 [iRule] セクシ ョ ンは

省略します。 実際の導入に合わせて設定してください。

5. [Pools] セクシ ョ ンの [Load Balancing Method] リ ス トから

ロードバランシング方式を選択します。 この例では、 [Global Availability] を選択します。 Global Availability を選択する と、

BIG-IP GTM はワイ ド IP の最初のプールが利用可能である

限り このプールを選択し、 最初のプールが利用できな くなると、 このプールが再度利用可能になるまで次のプールを選択します。

この例では、 BIG-IP GTM によって リ ス トの最初のプールで

ある Seattle_pool にすべての着信 E メールが送信されます。

このプールが利用できな くなる と、 リ ス トの次のプールである NewYork_pool にすべての E メールが送信されます。 着信

E メールを複数のプールに分散する場合には、 別の方式

(Ratio など) を選択して ください。

ロードバランシング方式に関する詳細については、 オンライン ・ ドキュ メン トや製品マニュアルを参照して ください。

6. [Pool List] セクシ ョ ンの [Pool] リ ス トから、 「BIG-IP GTMプールの作成」 の手順で選択したプールの名前を選択し、[Add] ボタンをク リ ッ ク します。

この例では、 Seattle_poolを選択します。 すべてのプールについてこの手順を繰り返して ください。 この例では、 NewYork_pool について手順を

1 回繰り返します。

7. その他の設定はすべて任意選択です。 実際の導入に合わせて設定してください。

8. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します (図 3.6 を参照)。

F5 導入ガイド 3 - 8

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図 3.6 BIG-IP GTM 上の新しいワイ ド IP の作成

次に、 新し く作成したワイ ド IP を DNS システムの MX レコード と

して追加します。 BIG-IP GTM をプライマ リ DNS システムと して使

用している場合、 この作業は ZoneRunner ユーティ リ ティ を使用して

実行します。

MX レコード と してのワイ ド IP の設定 (ZoneRunner を使用)

次に、 ワイ ド IP を DNS システムの MX レコード と して設定します。

この例では、 BIG-IP GTM をプライマ リ DNS と して使用し、

ZoneRunner によってワイ ド IP を MX レコード と して追加します。

ZoneRunner は、 BIG-IP GTM の高度な機能です。 この機能を使用す

る前に、 BIND および DNS のさまざまな要素について十分に理解し

ておく こ とをお勧めします。 詳細な情報については、 以下の参考文書が推奨されます。

• 『DNS and BIND, 4th edition』 (Paul Albitz、 Cricket Liu 著)

• IETF DNS の文書 : RFC 1034 および RFC 1035

• Internet Systems Consortium の Web サイ トhttp://www.isc.org/index.pl?/sw/bind/

3 - 9

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Microsoft Hyper-V のマルチデータセンター展開における BIG-IP GTM の導入

BIND や Microsoft Windows 2007 DNS Service などの DNS サーバに

必要な MX レコードを追加する方法については、 該当する製品の

マニュアルを参照して ください。

ZoneRunner を使用してワイ ド IP を MX レコード と して追加

するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインの [Main] タブで [Global Traffic] を展開し、 [ZoneRunner] をク リ ッ ク します。

2. [Create] ボタンをク リ ッ ク します。 [New Resource Record]画面が表示されます。

3. [View] リ ス トからビューを選択します。 この例では、

[external] を選択します。

4. [Zone] リ ス トから該当するゾーンを選択します。 この例では、

[example.com] を選択します。

5. [Name] ボッ クスに リ ソース ・ レコードの名前を入力します。

作成している MX レコードのド メ インが表示されているこ と

を確認して ください。 また、 最後にピ リオドを付ける必要があるので注意して ください。

6. [TTL] ボッ クスに秒数を入力します。 この例では、 500 (この

例のゾーンのデフォルト TTL) を入力します。

7. [Type] リ ス トから [MX] を選択します。

8. [Preference] ボッ クスに 10 と入力します。 Preference は、

ド メ インにおける他のすべての E メール交換ホス トに対する

この E メール交換ホス トの優先順位を表す数値です。 数値が

小さ くなるほど高い優先順位を表します。従来の DNS 設定では、 複数の MX レコードを作成して、

それらに異なる優先順位を付けていましたが、 こ こではBIG-IP GTM を使用して真の広域ロードバランシングを提供

しているため、 単一のレコードを作成するだけで済みます。

9. [Mail Server] に、 「BIG-IP GTM 上のワイ ド IP の作成」 の

手順で作成したワイ ド IP の名前を入力します。 この名前の

最後にもピ リオドを付ける必要があ り ます。 この例では、mail.example.com. と入力します。

10. [Finished] ボタンをク リ ッ ク します (図 3.7 を参照)。

F5 導入ガイド 3 - 10

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図 3.7 ZoneRunner による新しいリ ソースレコードの作成

以上で BIG-IP GTM の設定は終了です。詳細については、BIG-IP GTMのマニュアルを参照して ください。

3 - 11

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4

Microsoft Hyper-V サーバにおけるWANJet の導入
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Microsoft Hyper-Vサーバにおける WANJetの設定この章では、 ファ イルの転送を高速化し、 Hyper-V の展開に対する

帯域幅の利用を低減するよ うに WANJet を設定する方法について説

明します。

Hyper-V 仮想マシンはファイルのセッ ト (大部分は大規模な仮想

ハード ・ ディ スク (VHD) で、 残りは関連のスナップシ ョ ッ ト ) と

して保存されるため、 管理者は仮想マシンを広域ネッ ト ワーク(WAN) 上で簡単にコピーするこ とができ、 アプ リ ケーシ ョ ンのみ

ならずデータセンター全体を リモート ・ ロケーシ ョ ンに複製することが可能とな り ます。 ただし、 仮想マシンは大規模 (通常、 数ギガバイ トから数十ギガバイ ト ) になる傾向があるため、 これらのファイルの転送には膨大な時間と帯域幅が必要となるのが普通です。

WAN のいずれかの端部に F5 の WANJet を導入するこ とによ り、ファ

イル転送の高速化と全体的な帯域利用の低減が可能とな り、その程度も場合によっては劇的な規模とな り ます。個々の仮想マシンの圧縮率とキャ ッシュの可能性は、 オペレーティング ・ システムや他のコンテンツ、レイアウ トによって大き く異な り ますが、転送速度が 3 倍以

上に向上するこ と も珍しいこ とではなく、同時に、それに応じて帯域利用が低減されます。

WANJet は、 アプライアンスベースの高機能ソ リ ューシ ョ ンであ り、

WAN 全域のすべてのユーザおよびアプリ ケーシ ョ ンに対し、 安定し

た予測可能な高速パフォーマンスを提供します。 WANJet は WAN の

限界を打開し、データセンターとブランチ・オフ ィ ス間でのファ イル転送やデータ ・ レプ リ ケーシ ョ ンに有効に機能します。 大幅な遅延、帯域幅の制約、 許容されないパケッ ト ・ ロス率などの ト ラフ ィ ッ ク ・パフォーマンスの問題に対し、WANJet は、TCP 最適化、データ圧縮、

インテ リ ジェン ト ・バイ ト ・キャ ッシングを使用してこれらを大幅に改善します。 WANJet バージ ョ ン 5.0 以降では、 仮想ハードディ スク

のよ う な大規模なデータセッ ト の効率的なキャ ッシングには不可欠のディ スクベース・キャ ッシングを使用して容量を追加するためのオプシ ョ ンを備えています。

WANJet の詳細については、

http://www.f5networks.co.jp/product/wanjet/ をご覧ください。

共通シナリオ

Hyper-V は、 スタンドアロン ・ モードの場合、 ローカル ・ ス ト レー

ジ上でホス ト された仮想ディ スクまたは FibreChannel または iSCSIを使用した SAN (Storage Area Network) 経由でホス ト された仮想

ディ スクを使用します。 Failover Cluster のシナリオにおいては、

FibreChannel または iSCSI を使用してク ラスタ化されたス ト レージ

上で高可用性の仮想マシンをホス トできます。

Hyper-V ホス トは Windows Server 2008 を実行するため、 このホス ト

はオペレーティング ・ システムで通常に利用可能な任意の方法によって、 仮想マシン ・ ファ イルを転送するこ とができます。 さ らに、ス ト レージ ・ システムにリモート複製テク ノ ロジを含めるこ と も可能です。 共通シナリオには、 一連の仮想ディ スクの全部または一部のレプリ ケーシ ョ ンを リモート ・ ロケーシ ョ ンに作成するために、以下のオプシ ョ ンを含むこ と もできます。

4 - 1

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Microsoft Hyper-V サーバにおける WANJet の導入

◆ ホス トの Windows Server 2008 オペレーティング ・ システムは、

Windows ファ イル共有 (SMB/CIFS) または NFS を使用して、

Hyper-V を実行する別の Windows Server 2008 サーバに WAN 経由

でファイルを複製するこ とができます。

◆ ス ト レージ ・ ホス トは、 FTP を使用して、 別のリモート ・ ス ト

レージ ・ ホス トに WAN 経由でボ リ ュームをコピーするこ とがで

きます。

◆ SAN ス ト レージ ・ デバイスは、 実装に固有のネイティブ ・ テク ノ

ロジ (EMC SRDF、 Network Appliance SnapMirror など) を使用し

て、 ボ リ ューム全体またはボ リ ューム変更を リモート ・ データセンターに複製するこ とができます。

前提条件と設定上の注意

この導入における前提条件は次のとおりです。

◆ 最低 2 つの WANJet (WAN の各端に 1 つずつ)。いずれかの端部に

冗長ペアを構成するこ とが推奨されます。

◆ それぞれのWANJetはバージ ョ ン5.0以上を実行しているこ と(5.0.1以上を推奨)。 すべての WANJet は同一バージ ョ ンであるこ と。

◆ ディ スクベース ・ キャ ッシングを有効にするには、 それぞれのWANJet が少なく と も 1 台のハード ド ラ イブを備えるこ と。

ネッ トワーク ・ トポロジ

WANJet は、 In-Line モード と One-Arm モード という 2 つのモードの

いずれかで稼働します。

◆ In-Line と して設定する と、 WANJet は透過ブリ ッジと して動作し

ます。 ス ト レージ ・ ホス トやその他のデバイスへのルーティングの変更は不要ですが、 WAN に向かう ト ラフ ィ ッ クがすべて通過

するよ うなネッ ト ワークの場所に WANJet を配置する必要があ り

ます。

◆ One-Arm と して設定する と、 WANJet はルータ と して動作します。

その場合、 リモート ・ ネッ ト ワークへのゲート ウェイ と してWANJet を使用するよ うにデバイスを再設定するこ とが必要とな

る場合があ り ます。

導入の準備作業

導入が成功するには、 すでにレプリ ケーシ ョ ン ・ システムが正常に動作しており、 所定のパフォーマンス ・ ターゲッ トに達していることが必要です。 導入を開始する前に、 次の確認を実施しておく こ とを強くお勧めします。

F5 導入ガイド 4 - 2

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ネッ トワーク ・ ト ラフ ィ ッ ク

◆ ネッ ト ワーク上での仮想マシン ・ ファ イルの転送に使用される共通プロ ト コルの一覧を次の表にま とめます。 その結果によ り、設定がカスタマイズされ、 異なって く る可能性があ り ます。

◆ WAN リ ンク上に ト ラフ ィ ッ クを送出するアプ リ ケーシ ョ ンごと

の TCP 接続数の平均と最大を記録します。

◆ 仮想マシン ・ ファ イルのレプ リ ケーシ ョ ンの ト ラフ ィ ッ クのみがWANJet を横切るよ うにするか、 すべての WAN ト ラフ ィ ッ クが

WANJet を横切るよ うにするかを決定します。 リモート ・ ロケー

シ ョ ンの間のすべての ト ラフ ィ ッ クが WANJet を通過するよ うに

し、 その結果、 これらのデバイスがすべての接続を認識して、 より効率的に ト ラフ ィ ッ クを最適化できるよ うにするこ とを強くお勧めします。

ネッ トワーク構成

WANJet はネッ ト ワーク ・ デバイス (ルータやスイ ッチなど) から

透過的ですが、 正し く設定されていない場合、 これらのデバイスがWANJet のパフォーマンスを阻害する可能性があ り ます。 たとえば、

ト ラフ ィ ッ クが WANJet に届く前に、 デバイスが ト ラフ ィ ッ クの

暗号化や圧縮を行っている場合、 WANJet の圧縮やデータ削減の

パフォーマンスが低下します。

ソース側と ターゲッ ト側の両方のス ト レージ・ホス ト と WAN ルータ

の間にある以下のネッ ト ワーク ・ コンポーネン ト を記録します。

• ルータ

• スイ ッチ

• ハブ

• 暗号化デバイスWANJet で最適化する ト ラフ ィ ッ クは暗号化しないでください。

たとえば、 ス ト レージ ・ ホス トで IPsec を使用するなどの行為は

避けてください。 必要に応じて、 最適化する ト ラフ ィ ッ クの暗号化は WANJet によって実行されます。

• 圧縮デバイスWANJet で最適化する ト ラフ ィ ッ クは事前に圧縮しないでくだ

さい。

プロ ト コル 共通デフォルト ・ ポート

FTP 20、 21 (TCP)

NFS 2049 (TCP)

SMB/CIFS 139、 445 (TCP)

EMC SRDF 1748 (TCP)

NetApp SnapMirror 10566 (TCP)

表 4.1 プロ ト コルとその共通デフォルト ・ ポート

4 - 3

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Microsoft Hyper-V サーバにおける WANJet の導入

WAN リンク

最適に機能するためには、 WANJet が WAN 上で実際に利用可能な

帯域、 遅延、 パケッ ト ・ ロスの平均を認識する必要があ り ます。ユーザは WAN リ ンクが所定のパラ メータを満たしている と思い込

んでいるこ とが頻繁にあ り ますが、 実際はそ うではないこ とがあ ります。 実際に ト ラフ ィ ッ クが通過する回線を反映した測定結果が得られるよ うに、 正しいネッ ト ワーク優先順位を使用し、 負荷の重い状態でこれらのパラ メータのすべてをテス トするこ とがきわめて重要です。 軽い負荷状態で特定の特性を示す WAN リ ンクが重い負荷

状態では大き く異なる特性を示すこ とがあ り ます。 WANJet はト ラ

フ ィ ッ クを高速化する際、 すべての利用可能な帯域幅を使用するのが普通であるため、 負荷状態でのテス トがきわめて重要です。

最大負荷 (または非常に重い負荷) 状態で以下のネッ ト ワーク ・パラメータに注意して ください。

• スループッ ト測定値の平均と最大 (Mbps)

• ラウンド ト リ ップ時間における遅延測定値の平均と最大(RTT ms)

• パケッ ト ・ ロス比率の測定値と最大値

• 可能であれば、 遅延ジッタの測定値と平均値も有効なメ ト リ ッ クとな り ます。

F5 導入ガイド 4 - 4

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Hyper-V仮想マシン転送のための WANJetの設定こ こでは、 ファ イルの転送を高速化し、 Hyper-V の展開に対する

帯域幅の利用を低減するよ うに WANJet を設定します。 次の手順を

すべて実行してください。

運用モードの設定

この導入の各 WANJet で運用モード (Operational Mode) をセッ ト

アップする必要があ り ます。

運用モードを設定するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインで [WAN Optimization] を展開し、

[Operational Mode] をク リ ッ ク します。 [Operational Mode]画面が表示されます。

2. 次項以降の WANJet 設定がすべて完了するまで、 [Mode] は[Inactive] のままにしておきます。

3. [TDR-2 Storage Mode] セクシ ョ ンの [Disk-Based Storage]ス ト レージをク リ ッ ク します。

4. [Topology] セクシ ョ ンで、 実際の構成に適したモードを

ク リ ッ ク します。 この例では、 [In-Line] をク リ ッ ク します。

5. [Save] をク リ ッ ク して変更を保存します。

図 4.1 運用モードの設定

4 - 5

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Microsoft Hyper-V サーバにおける WANJet の導入

最適化ポリシーの設定

次に、 各 WANJet の最適化ポ リシー (Optimization Policy) を設定し

ます。

WANJet を通過するすべての ト ラフ ィ ッ クを最適化する場合や、 レプ

リ ケーシ ョ ンおよび他の ト ラフ ィ ッ クが使用する具体的なポート が不明な場合は、 次の手順を実行して ください。 レプ リ ケーシ ョ ン ・ト ラフ ィ ッ クのみを最適化する場合には、 後の手順を実行して ください。

WANJet を通過するすべてのト ラフ ィ ッ クを最適化するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインで [WAN Optimization] を展開し、

[Optimization Policy] をク リ ッ ク します。

2. [Common] セクシ ョ ンの [Service Name] 列で [All ports] をク リ ッ ク します (このセクシ ョ ンですでに特定のポート を設定している場合、 この リ ンクは [All other ports] となって

いるこ とがあ り ます)。[Edit Port/Service Name] ボッ クスが表示されます。

3. [Edit Port/Service Name] ボッ クスの [Processing Mode] リ ス ト

から [Optimized] を選択します。

4. [TDR-1]、 [ TDR-2]、 [Connection Intercept] のチェッ クボッ ク

スがすべて選択されているこ とを確認します。

5. WAN ト ラフ ィ ッ クを暗号化する場合は、 [Encryption] のチェッ クボッ クスを任意に選択できます。

6. [OK] ボタンをク リ ッ ク します。

ダイアログボッ クスが閉じ、 [Optimization Policy] ページに

戻り ます。

7. [Save] ボタンをク リ ッ ク して変更を確定します。

図 4.2 すべての ト ラフ ィ ッ クに対する最適化ポ リ シーの設定

レプリ ケーシ ョ ン ・ ト ラフ ィ ッ クおよびその他の詳細が明確な ト ラフ ィ ッ ク ・ フローのみを最適化する場合は、 次の手順を実行して ください。

F5 導入ガイド 4 - 6

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レプリケーシ ョ ン ・ ト ラフ ィ ッ クのみを最適化するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインで [WAN Optimization] を展開し、

[Optimization Policy] をク リ ッ ク します。

2. [Common] セクシ ョ ンの [Add] ボタンをク リ ッ ク します。

3. [Service Name] リ ス トからサービスを選択するか、 [From Port]セクシ ョ ンの最初のテキス ト ・ フ ィールドにポート番号を入力します (ポート範囲を指定する場合は、 最小のポート番号

を最初のフ ィールドに入力し、 最大のポート番号を 2 番目の

フ ィールドに入力して ください)。 この例では、 NFS を選択し

ているため、 自動的に 21 がポート ・ フ ィールドに入力されて

います。

4. [Processing Mode] リ ス トから [Optimized] を選択します。

5. [TDR-1]、 [ TDR-2]、 [Connection Intercept] のチェッ クボッ ク

スがすべて選択されているこ とを確認します。

6. WAN ト ラフ ィ ッ クを暗号化する場合は、 [Encryption] のチェッ クボッ クスを任意に選択できます。

7. [OK] ボタンをク リ ッ ク します。

ダイアログボッ クスが閉じ、 [Optimization Policy] ページに

戻り ます。

8. 追加のプロ ト コルごとにこの手順を繰り返し、 [Save] をク リ ッ ク して変更を確定します。

チューニング ・ オプシ ョ ンの設定

チューニング ・ パラ メータを正し く設定するこ とはきわめて重要です。 これが正し く設定されていないと、 ト ラフ ィ ッ クが効率的に最適化されません。

チューニング ・ オプシ ョ ンを設定するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインで [WAN Optimization] を展開し、

[Tuning] をク リ ッ ク します。

2. [Bandwidth] ボッ クスに、 「WAN リ ンク」 (4 ページ) で記録

した実際の WAN の帯域幅を正確に反映した帯域幅を入力し

ます。 この例では、 45 を入力し、 専用 T3 回線を反映して

[mb/s] を選択しています。

3. [RTT] ボッ クスに、 「WAN リ ンク」 (4 ページ) で記録した

ラウンド ト リ ップ時間の測定値を入力します。 この例では、80 ミ リ秒を入力しています。 実際の値は、 使用する回線と

リモート ・ データセンターまでの距離によって異な り ます。

4. ほとんどの場合、 必ず [Congestion Control] の選択を解除し

て ください。 WANJet の輻輳制御がオンの場合、 WANJet は、

EMC Symmetrix SRDF などの一部のプロ ト コル内で使用され

る内部的なフロー制御メカニズムを干渉します。 通常、[Congestion Control] をオンにするのは、 ブランチ ・ オフ ィ ス

で見られるよ うに、 多数の同時 TCP 接続 (たとえば、 1,000以上) が WANJet を通過している場合です。

4 - 7

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Microsoft Hyper-V サーバにおける WANJet の導入

レプ リ ケーシ ョ ンのシナリオの場合、 この状況は一般的ではなく、 また、 他のフロー制御メカニズムと競合するため、[Congestion Control] は Off にするこ とを強くお勧めします。

5. [Save] をク リ ッ ク して変更を確定します。

図 4.3 チューニング ・ オプシ ョ ンの設定

アプリケーシ ョ ン QoS 設定の変更

次に、 アプ リ ケーシ ョ ン QoS (サービス品質) オプシ ョ ンを変更し

ます。 アプ リ ケーシ ョ ン QoS 帯域幅は、 リ ンク全体の場合であって

も使用可能な相手固定接続 (PVC) 部分のみの場合であっても、

WANJet が実際に使用可能な帯域幅に設定する必要があ り ます。

TCP プロ ト コルでのオーバーヘッ ドを考慮してこの設定を小さ くす

る必要はあ り ません。

アプリケーシ ョ ン QoS 設定を変更するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインで [WAN Optimization] を展開し、

[Application QoS] をク リ ッ ク します。 [Application QoS] 画面

が開きます。

2. [Application QoS] テーブルで、 アプ リ ケーシ ョ ン QoS ポ リ

シーを適用する リモート WANJet の IP アドレスをク リ ッ ク

します。 [Manage the Application QoS Settings of a Remote WANJet] ボッ クスが表示されます。

3. [Link Bandwidth] ボッ クスに、 ローカル WANJet と リモート

WANJet の間のリ ンクの帯域幅サイズを入力します。

隣のリ ス トから [kb/s] または [mb/s] を選択します。

この例では、 T3 リ ンクを使用してるため、 45 を入力し、

[Mb/s] を選択します (図 4.4 参照)。

注 : 同じ WAN リ ンクを共有する可能性のある他の ト ラ

フ ィ ッ ク よ り、 仮想マシン ・ ファ イル転送を優先させるこ とができます。 たとえば、 FTP ベースの仮想マシン ・ ファ イ

ル ・ レプ リ ケーシ ョ ンの ト ラフ ィ ッ クを、 重要度の低いリモート ・ テープ ・ バッ クアップの ト ラフ ィ ッ ク よ り優先させるなどです。 この方法については、 『WANJet User Guide』 を

参照して ください。

4. [OK] ボタンをク リ ッ ク します。 [Manage the Application QoS Settings of a Remote WANJet] ボッ クスが閉じます。

F5 導入ガイド 4 - 8

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5. [Application QoS] メ イン ・ ページの [Save] ボタンをク リ ッ ク

します。

図 4.4 アプ リ ケーシ ョ ン QoS の設定

導入の最終作業

ローカル WANJet に対して上述の設定手順がすべて終了したら、

リモート WANJet に対してこれらの手順を繰り返します。

最適化のアクテ ィブ化

両方の WANJet を正し く設定した後、 それそれの WANJet の運用

モード (Operational Mode) を Active に変更する必要があ り ます。

運用モードを変更するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインで [WAN Optimization] を展開し、

[Operational Mode] をク リ ッ ク します。 [Operational Mode]画面が表示されます。

2. [Mode] セクシ ョ ンの [Active] ボタンをク リ ッ ク します。

3. [Save] をク リ ッ ク して変更を保存します。

しばら くする と、 画面上部の WANJet Links インジケータが

緑に変わり、 WANJet-to-WANJet リ ンクが正常にアクティブ

化されたこ とが示されます。

4 - 9

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Microsoft Hyper-V サーバにおける WANJet の導入

その他の推奨事項この項では、 仮想マシン ・ ファ イル ・ レプ リ ケーシ ョ ン用にWANJet を導入する際のその他の考慮事項について説明します。

WAN 環境の変化

WANJet で使用可能な WAN 回線 (帯域幅、 遅延など) が変化した

場合には常に、 アプリ ケーシ ョ ン QoS (Application QoS) および

最適化ポ リシー (Optimization Policy) のすべての設定を変化に合わ

せて調整する必要があ り ます。 遅延入力は、 負荷状態のネッ ト ワークの遅延と一致する必要がある点に注意してください。 すなわち、レプ リ ケーシ ョ ンおよび他の ト ラフ ィ ッ クが流れている状態で遅延を測定し、 それに応じて WANJet をチューニングして ください。

パフォーマンス ・ チャート

WANJet GUI のリ アルタイム ・ パフォーマンス ・ チャート部分を表

示状態のまま WANJet が稼働する と、 全体的なパフォーマンスがわ

ずかに低下する可能性があ り ます。 最大限のパフォーマンスを実現するためには、 長期間にわたってこのタブを開いたままの表示状態にしないでください。

SMB/CIFS の考慮事項

SMB/CIFS を仮想マシン ・ ファ イル転送の伝送メカニズムと して選択

する場合、通常は追加の手順を実行する必要があ り ます。次の手順を実行して ください。

遅延接続の許容

次の手順を実行して、 遅延接続の許容 (Delayed Connection Acceptance) を設定します。

遅延接続の許容を設定するには

1. ナビゲーシ ョ ンペインで [WAN Optimization] を展開し、

[Local WANJet] をク リ ッ ク します。 [Local WANJet] 画面が

開きます。

2. [Settings for Delayed Congestion Acceptance] を選択します。

3. ポート 139 と 445 が入力され、 コロンで区切られているこ と

を確認します (この値がデフォルト )。

4. 変更した場合は、 [Save] をク リ ッ ク して変更を適用します。

F5 導入ガイド 4 - 10

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SMB 署名の無効化

Windows Server 2008 Hyper-V サーバでのリモート ・ コピーを

SMB/CIFS 上で実行している場合や、 他の Windows ベースの製品

(たとえば、 Windows 2003 Storage Server など) を使用している場合

には、https://support.f5.com/kb/en-us/solutions/public/6000/200/sol6241.html?sr=539735 の手順に従ってス ト レージ ・ ホス ト上での SMB 署名を

オフにして ください。 この設定を無効化しない場合、 WANJet はSMB/CIFS ト ラフ ィ ッ クを最適化できません。

4 - 11