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MJIIT留学記 九週目 ディパバリ(Deepavali20151114マレーシアに来て9週目、現在はMid semester breakという長期休みに入っている。以前 の記事で書いた様にこちらでは長期と言っても一週間程で、大抵の学生は小旅行に出かけた り帰省して過ごすらしい。マレーシアは熱帯であるため常に気温が高く地域間での気温差が 小さい上に、年柄年中晴れである。(毎日スコールという時に雷鳴を伴う土砂降りがあるの だが、それは概して短時間で一日中降ることはない。)故に天候や気温を気にする必要がな く、安価な交通費(例えば家から大学までモノレールで8駅程の距離だが、その運賃は片道 RM、タクシーを使っても20RM程度だ。1RM30円)も含めてマレーシアの旅行は非常 に快適だと思う。という訳で私自身も例に漏れず、この連休を利用してクアラルンプール近 くのバトゥ洞窟を訪れることにした。 KLセントラル駅から8駅、その名もバトゥ洞窟駅で下車。駅から出るとそこにはバトゥ洞 窟を含む鍾乳洞と多くの人々が行き交う光景が広がっていた。バトゥ洞窟は多くの観光客が 訪れる観光地であると同時に、マレーシア随一のヒンドゥー教の聖地としても知られてい る。特に私が訪れた日はディパバリというインディアンの祝日であった為により多くのイン ド系マレー人が礼拝に訪れていた。 ディパバリとはインドのヒンドゥー教の新年のお祝いのことであり、本国だけではなくマ レーシアでも多くのインド系マレー人が実家へと帰り彼らの女神ラクシュミを祝う。いわば 私達にとっての正月に相当する最も盛大なお祭りだ。今年は1110日がその記念日にあた るのだが、お祭り自体は数日続き、その間街を上げたお祭り騒ぎとなる。至る所でディパバ リを祝う横断幕が垂れ下がり、色をつけたお米で描かれたサンドアートが飾られる。イン ディアンの服は5から7割引となり、レストランは早仕舞いするか休業になる。住民は朝晩 問わずそこらじゅうで花火を打ち上げ祭りを楽しみ、家の周りでは夜中の3時まで花火の音 が聞こえていた。ちなみにdeepavaliの期間は祝日となるのだが、東マレーシアにはイギリ ス占領時代に連れてこられた多くのインド系マレー人が住んでいるため全人種の祝日、西マ レーシアではインド系マレー人だけの祝日となっている。これもある種のマレーシアらしさ というか、この国の歴史が感じられて興味深い。 多くの参拝客、観光客と一緒に272段(!)の階段を登りきるとそこには大きな洞窟が口 を開けて待っていた。洞窟を抜けた先にはぽっかりと吹き抜けになった小さな空間が広がっ ており、その中心に建てられた小さな寺院で参拝客が小さなグループを作り、静かに祈りの 順番を待っていた。屋根や柱に飾られた多くの神像(ヒンドゥー教は唯一神だが、それが 様々な形をとって現れると考えられている。)に囲まれて祈る姿はなんとも神秘的で、私は これからもこの光景が長く続くことを祈った。

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Page 1: MJIIT留学記 九週目 ディパバリ(Deepavali...MJIIT留学記 九週目 ディパバリ(Deepavali) 2015年11月14日 マレーシアに来て9週目、現在はMid semester

MJIIT留学記 九週目 ディパバリ(Deepavali) 2015年11月14日 

  マレーシアに来て9週目、現在はMid semester breakという長期休みに入っている。以前

の記事で書いた様にこちらでは長期と言っても一週間程で、大抵の学生は小旅行に出かけた

り帰省して過ごすらしい。マレーシアは熱帯であるため常に気温が高く地域間での気温差が

小さい上に、年柄年中晴れである。(毎日スコールという時に雷鳴を伴う土砂降りがあるの

だが、それは概して短時間で一日中降ることはない。)故に天候や気温を気にする必要がな

く、安価な交通費(例えば家から大学までモノレールで8駅程の距離だが、その運賃は片道

2RM、タクシーを使っても20RM程度だ。1RM=30円)も含めてマレーシアの旅行は非常

に快適だと思う。という訳で私自身も例に漏れず、この連休を利用してクアラルンプール近

くのバトゥ洞窟を訪れることにした。   KLセントラル駅から8駅、その名もバトゥ洞窟駅で下車。駅から出るとそこにはバトゥ洞

窟を含む鍾乳洞と多くの人々が行き交う光景が広がっていた。バトゥ洞窟は多くの観光客が

訪れる観光地であると同時に、マレーシア随一のヒンドゥー教の聖地としても知られてい

る。特に私が訪れた日はディパバリというインディアンの祝日であった為により多くのイン

ド系マレー人が礼拝に訪れていた。   ディパバリとはインドのヒンドゥー教の新年のお祝いのことであり、本国だけではなくマ

レーシアでも多くのインド系マレー人が実家へと帰り彼らの女神ラクシュミを祝う。いわば

私達にとっての正月に相当する最も盛大なお祭りだ。今年は11月10日がその記念日にあた

るのだが、お祭り自体は数日続き、その間街を上げたお祭り騒ぎとなる。至る所でディパバ

リを祝う横断幕が垂れ下がり、色をつけたお米で描かれたサンドアートが飾られる。イン

ディアンの服は5から7割引となり、レストランは早仕舞いするか休業になる。住民は朝晩

問わずそこらじゅうで花火を打ち上げ祭りを楽しみ、家の周りでは夜中の3時まで花火の音

が聞こえていた。ちなみにdeepavaliの期間は祝日となるのだが、東マレーシアにはイギリ

ス占領時代に連れてこられた多くのインド系マレー人が住んでいるため全人種の祝日、西マ

レーシアではインド系マレー人だけの祝日となっている。これもある種のマレーシアらしさ

というか、この国の歴史が感じられて興味深い。 

  多くの参拝客、観光客と一緒に272段(!)の階段を登りきるとそこには大きな洞窟が口

を開けて待っていた。洞窟を抜けた先にはぽっかりと吹き抜けになった小さな空間が広がっ

ており、その中心に建てられた小さな寺院で参拝客が小さなグループを作り、静かに祈りの

順番を待っていた。屋根や柱に飾られた多くの神像(ヒンドゥー教は唯一神だが、それが

様々な形をとって現れると考えられている。)に囲まれて祈る姿はなんとも神秘的で、私は

これからもこの光景が長く続くことを祈った。  

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 巨大洞窟の奥にひっそりと建てられた寺院。