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Musician Ear Training Secrets

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を負いません。


まえがき

まえがき

この度は『Musician Ear Training Secrets』をあなたの音楽、

音感トレーニング教材としてご選択いただき、誠にありがとうございます。

このプログラムで扱われている『コールユーブンゲン』は、

１００年以上も昔からソルフェージュ（楽譜の読み書き、聴き取りの学習）の

入門書として愛用されてきた実績のある教本です。

そのため、音大受験では試験範囲に『コールユーブンゲン』を採り入れ、

多くの学生たちが丸暗記するほど学習、トレーニングしています。

『コールユーブンゲン』をマスターすることによって、

音楽のなかでの基礎的な音程（調性）感覚やリズム感覚が

十分養われていくものと思います。

最初のうちは、スラスラといかないこともあるかもしれませんが、

何度も繰り返し練習・トレーニングしていくことで、音感やリズム感、

そして音楽を聴き取る能力が身についていくのを感じ取れると思います。

正しい方法で努力すれば、かならず結果はついてくるものなのです。

それでは、トレーニング教材として、是非ともご活用ください。


全体の流れ

全体の流れ

『Musician Ear Training Secrets』を始める前に

このプログラムの全体的な内容を説明したいと思います。

1st Stage～3rd Stage ではハ長調（C dur/C major）、そしていろいろなリズムについてトレーニングしていきます。

このステージが音楽の基礎となる部分でとても大切です。何度も振り返り、トレーニングしましょう。

4th Stage では、ハ長調以外の調についてトレーニングしていきます。 3rd Stage までにハ長調の音階を理解し、把握していれば、それ以外の調についてはそれほどむずかしいものではありません。

詳しいことは 4th Stage で説明していますので、お楽しみください。

5th Stage では、短音階、半音階をトレーニングしていきます。短音階は 3rd Stage までにトレーニングしてきたハ長調と比較していくことからはじめていきますので、1st Stage から順に進めていけば無理なくトレーニングすることができるでしょう。

1st Stage～3rd Stage までは、音楽の中でも初歩的な部分におもえるのでひとつひとつやっていくのは辛く感じることもあるかもしれません。しかし、1st Stage～3rd Stage だけでもマスターすることができれば、音感についてはかなりの実力がついたことになります。それからは、感覚を養うというよりも知識をつけていくということになります。


全体の流れ

多くの方は音楽を学ぼうとする際、基礎的な内容を確認しないまま、好きなアーティストの好きな楽曲を覚えようとしたり、演奏しようとしたりします。しかし、たいていそれらの曲は

・「＃（シャープ）」や「ｂ（フラット）」がたくさんついていたり・途中で転調していたり・リズムが複雑だったりするので、混乱して挫折してしまうことが多いのです。そういった理由から、このプログラムでは、 1st～3rd Stage：ハ長調（C dur/C major）についてトレーニングする 4th Stage ：ハ長調と比較してそれ以外の長調についてトレーニングする 5th Stage ：長調と比較して短調についてトレーニングするとステージごとにステップ・バイ・ステップで進めていけるように作成しました。これらステージの順番どおり、ひとつずつトレーニングしていけば、複雑に思えていたものがスッキリと自然に頭の中に入ってくるでしょう。


-The First Stage-

CHORUBUNGEN(No. 1～19)


Musician Ear Training Secrets -The First Stage-



1st Stage はじめに

1st Stage はじめに

1st Stage では『コールユーブンゲン（No.1～19）』を用いて、

ハ長調（C dur/C major）の音階、2 度、3 度音程、リズムの基本を

トレーニングしていきます。

もしかすると

｢こんなのカンタンだ！｣

と思われるかもしれません。

しかし、どんなジャンルでも

一流の選手、プロと呼ばれる方たちほど基本の基本を大切にされます。

すでに音楽をある程度、学ばれていたとしても、

改めて基本から見直すことで新たな発見があることもあります。

先に進んでいって、音程のとり方など分からなくなってきたときや、

何をすればよいかわからなくなった場合にも、

音楽の基本となる 1st Stage に戻るよう心がけてください。

基本の基本を脊髄（せきずい）にまで染み込ませることによって、

より複雑な楽曲や音程、リズムを理解、把握することができるようになります。

それでは、先へ進みましょう・・




No.1 音階（スケール）

No.1 音階（スケール）

まずはじめに、音楽の基本となる音階（スケール）を確認しましょう。長調でつかわれる音階なので長音階（メジャー・スケール）といいます。ド全音レ全音ミ半音ファ全音ソ全音ラ全音シ半音ドミとファ、シとドが半音、それ以外が全音（半音 2 つ分）です。長調の楽曲は、ほとんどこの音階を基本としてつくられています。いつでもどんなときでも頭の中でイメージできるように何度も振り返り、トレーニングしましょう。




No.2 2 度音程

No.2 2 度音程

音階中のある音を基準として、

それから 2 番目の音までの音程を 2 度音程といいます。 2 度音程には長 2 度（半音 2 つ分）と短 2 度（半音 1 つ分）があります。音階のなかで長 2 度と短 2 度となる音程を確認し、それらの違いを意識してトレーニングしましょう。

長 2 度（半音 2 つ分）：ド－レ、レ－ミ、ファ－ソ、ソ－ラ、ラ－シ

短 2 度（半音 1 つ分）：

ミ－ファ、シ－ド




リズム

リズム

No.3 は、リズム、拍子のある楽曲をトレーニングしていきます。そこで、リズム、拍子について説明したいと思います。まず、リズムについて考えてみたいと思います。音楽だけにかかわらず、さまざまな分野でも「リズム」が存在します。例えば、人間や動物の呼吸もリズムです。｢吸って、はいて。｣｢吸って、はいて。｣・・・の繰り返しです。それ以外に鳥の羽ばたきも「羽を上げて、羽を下げる。」「羽を上げて、羽を下げる。」・・・の繰り返しで、リズムがあります。




リズム

このようにリズムについて調べていくと｢ある一定の時間的なパターン｣がリズムの定義となります。そして、これらのリズムを観察していくとある特徴があることに気づきます。それは、交互に逆の作用がはたらいていることです。先ほどの例であれば、呼吸の 1 つめが「はくこと」であれば、2 つめは「吸うこと」羽ばたきの 1 つめが「下ろすこと」であれば、2 つめは「上げること」交互にまったく逆の作用が連続的に、はたらいています。つまり、リズムとは機械的なパルスというものではなく、より自然的なものだとも言えます。




リズム

そして、音楽ではこれらのリズムを強弱で表現しており、以下のような原理があることに気づきます。リズムの原理： 2 等分されたものは、初の 1 つは強く、残りの 1 つは弱くなる。 3 等分されたものは、初の 1 つは強く、残りの 2 つは弱くなる。例えば、 2 つ音符があれば、

初の 1 つは強く演奏され、残りの 1 つは弱く演奏されます。

3 つ音符があれば初の 1 つは強く演奏され、あとの残りの 2 つは弱く演奏されます。

このようなリズムのひとまとまりが 1 小節となって楽曲のなかで何度も繰り返していきます。




リズム

次に拍子についてです。五線譜の左側に分数が表記されているのを見かけたことがあるかと思います。この分数がその楽曲（もしくは小節）の拍子を表しています。拍子は以下の規則から計算され、表記されています。リズムの規則：拍子は分数で表し、分母は拍の形、分子はその小節内にいくつ拍があるかを表す。例えば、

２/４であれば、１小節に 4 分音符が 2 つあるということ４/２であれば、１小節に 2 分音符が 4 つあるということ

です。楽譜をみるときには、この拍子を確認し、拍の形が何か？そしてそれは小節内にいくつあるか？を理解し、演奏するとよいでしょう。それではリズムの原理、リズムの規則を確認しながら、 No.3 のトレーニングを進めていきましょう。




No.3 2 拍子（リズムトレーニング）


No.3 では 2 拍子のリズムをトレーニングします。

2 拍子は 1 小節のなかに拍が 2 つあるということです。リズムの原理： 2 等分されたものは初の 1 つは強く、残りの 1 つは弱くなる。より、2 拍子のアクセントは 1 つ目の音符は強く、2 つ目の音符は弱くなります。 a） 4 分の 2 拍子

b） 2 分の 2 拍子

※拍子記号はと表記することができます。これら表記のちがいとアクセントに気をつけながら、メロディにあわせて手拍子などで拍子をとり、 2 拍子のリズムを感じてみましょう。




No.4 2 拍子（メロディ）


No.4 では、2 拍子のリズムのメロディをうたったり、演奏したりしてトレーニングしてみましょう。トレーニングする際には、ブレスの前の音符が短くならないよう、また後の音符は 2 拍の先頭までしっかり伸ばすように気をつけてください。

a)

b)





c)

d)






No.5 では 4 拍子のリズムをトレーニングします。 4 拍子は 1 小節のなかに拍が 4 つあるということです。

また、小節内の前半の 2 拍、後半の 2 拍をそれぞれひとまとまりだと考えると

リズムの原理： 2 等分されたものは初の 1 つは強く、残りの 1 つは弱くなる。より、前半の 2 拍と後半の 2 拍にも強弱がつきます。つまり、4 つある音符のうち、 1 拍目がいちばん強く（前半） 3 拍目が次に、（後半）そしてそれ以外が弱いアクセントになります。

※拍子記号はと表記することができます。





a) 4 分の 4 拍子 b) 2 分の 4 拍子それぞれの表記のちがい、アクセントに気をつけて手拍子など拍子をとり、4 拍子のリズムを感じましょう。






No.6 では、4 拍子のリズムでメロディをうたったり、演奏してトレーニングしてみましょう。

a)

b)





c)

d)




No.7 2 拍子と 4 拍子の関係


No.3～6 までで確認してきたことを踏まえて、 2 拍子と 4 拍子のちがいに気をつけてトレーニングしましょう。

a）２/４拍子･･･2 拍子

b）４/４拍子･･･4 拍子





c）２/２拍子･･･2 拍子

d）４/２拍子･･･4 拍子




No.8 音符と同じ長さの休符を含むリズム（リズムトレーニング）

No.8 音符と同じ長さの休符を含むリズム

（リズムトレーニング）

これまでの楽曲では、メロディのなかに休符はありませんでした。 No.8 ではメロディのなかに休符があらわれます。ここでは、メロディにあわせて手拍子など拍子をとり、休符が含まれるリズムを感じましょう。

a)





b)

c)





d)




No.9 音符と同じ長さの休符を含むリズム（メロディ）

No.9 音符と同じ長さの休符を含むリズム

（メロディ）

No.9 では、実際に休符を含むメロディをうたったり、演奏してトレーニングしてみましょう。

その際に休符の前の音符が短くならないように注意してください。

a)





b)

c)





d)




No.10 2 拍が 1 音符となること（リズムトレーニング I）

No.10 2 拍が 1 音符となること

（リズムトレーニング I）

No.10 では 2 拍が 1 音符となる音符をトレーニングします。 4／4 拍子であれば、2 分音符（4 分音符 2 つ分）などです。ここでは、メロディを聴きながら手拍子など拍子をとり、 1 音符で 2 拍の長さとなっているのを確認してみましょう。

a)

b)




No.11 2 拍が 1 音符となること（メロディ I）


（メロディ I）

No.11 では、実際に１音符 2 拍の音符がつかわれているメロディをうたったり、

演奏して、トレーニングしてみましょう。

a)

b)




No.12 2 拍が 1 音符となること（リズムトレーニング II）


（リズムトレーニング II）

No.12 では、再び 1 音符が 2 拍の音符のリズムトレーニングです。１音符が 2 拍のものと１拍のものがまざっています。メロディを聴きながら手拍子など拍子をとり、それらのちがいを確認してみましょう。

a)





b)

c)





d)




No.13 2 拍が 1 音符となること（メロディ II）


（メロディ II）

1 音符が 2 拍のものと１拍のものがまざったメロディです。途中で演奏が途切れないように注意しながら、トレーニングしてみましょう。

a)





b)





c)

d)




No.14 シンコペーション（リズムトレーニング）

No.14 シンコペーション

（リズムトレーニング）

シンコペーションとは、弱拍とその次の強拍があわさって 1 つの音符となったリズムです。

1 つに合わさることによって強拍のアクセントが弱拍に移動します。 No.14 a）1 小節目で言えば、シンコペーションによって本来 3 拍目にあるアクセント｢'｣が 2 拍目に移動しています。

No.14 では、まずシンコペーションのリズムに慣れるために

メロディを聴きながら手拍子など拍子をとり、

シンコペーションのリズム、そしてそれによってアクセントが移動する

ことを確認しましょう。





a)





b)




No.15 シンコペーション（メロディ）


次に、実際にシンコペーションがつかわれているメロディをうたったり、演奏してトレーニングしてみましょう。

a)





b)






No.16 は 3 拍子のリズム・トレーニングです。

3 拍子は 1 小節のなかに拍が 3 つあるということです。リズムの原理： 3 等分されたものは、初の 1 つは強く、残りの 2 つは弱くなる。より、3 拍子のアクセントは 1 つ目の音符は強く、のこり 2 つの音符は弱くなります。

No.16 では、まず１小節が 3 拍であること、そしてアクセントに気をつけながら手拍子など拍子をとり、 3 拍子のリズムを確認しましょう。





a)

b)





c)






No.17 では 3 拍子のメロディをうたったり、演奏してトレーニングしましょう。

a)

b)





c)

d)





e)




No.18 3 度音程

No.18 3 度音程

音階中のある音を基準としてそれから 3 番目の音までの音程を 3 度音程といいます。 3 度音程には長 3 度（半音 4 つ分）と短 3 度（半音 3 つ分）があります。長 3 度は和音として鳴らすと明るい響きになり、短 3 度は暗い響きになります。音階のなかで長 3 度と短 3 度となる音程を確認し、それらの違いを意識してトレーニングしましょう。長 3 度（半音 4 つ分）：

ド－ミ、ファ－ラ、ソ－シ短 3 度（半音 3 つ分）：

レーファ、ミ－ソ、ラ－ド、シーレ




No.18 3 度音程

a)

それぞれのフレーズのはじまりの音と終わりの音が同じ音程になっています。この 2 つの音の音程が同じになっているのを確認し、演奏する場合は同じ音程に

なるよう注意してトレーニングしましょう。




No.18 3 度音程

b)




No.18 3 度音程

c)

それぞれのフレーズの構成がすこしづつ違っていることに注意しましょう。




No.18 3 度音程

d)




No.18 3 度音程

e)

中間部分の上行から、下行に切り替わる箇所に気をつけましょう。




No.18 3 度音程

f)




No.18 3 度音程

g)




No.19 2 度、3 度、これまでのリズムを用いたトレーニング

No.19 2 度、3 度の音程、

これまでのリズムを用いたトレーニング

1st Stage 後のトレーニングです。これまでトレーニングしてきたことを思い起こしながらトレーニングしましょう。

a)

b)





c)

d)





e)

f)





g)




1st Stage おわりに


1st Stage では、長音階（メジャー・スケール）からはじまり、 2 度、3 度音程、 2 拍子、4 拍子、3 拍子、8 分音符やシンコペーションを中心にトレーニングしてきました。これらは音楽の中でも特に基本的なものなのでさまざまな楽曲やメロディのなかでつかわれているのを確認することができます。普段演奏したり、聴いたりする楽曲のなかで同じような音程やリズムがないかを確認してみましょう。また、長音階（メジャー・スケール）の「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の音程はそのなかでも特に大切です。聴音、イヤートレーニングの目的は、この「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の音程をしっかり取れるようになることと言ってもいいほどです。この音程がしっかりすることで音楽の感性（調性）も養われていきます。毎日、毎回楽曲の練習などする前にこの音階の音程を確認してからはじめるとよいでしょう。





2nd Stage では、・4 度音程・5 度音程リズムでは・3／8 拍子・6／8 拍子・さらに複雑になった音符やリズムを解説、トレーニングしていきます。 1st Stage でトレーニングしてきたことを土台として進めていきますので 1st Stage であいまいな部分がないようにしっかりトレーニングしてから進めていきましょう。


-The Second Stage-

CHORUBUNGEN(No.20～31)


Musician Ear Training Secrets -The Second Stage-



2nd Stage はじめに

2nd Stage はじめに

2nd Stageでは 1st Stageに引き続き、ハ長調の音階、リズムをさらに詳しく解説、トレーニングしていきます。曲の低音部でよくつかわれる「4度音程」「5度音程」が含まれており、音楽の中でも比較的重要な音程です。これらは特に集中してトレーニングしていきましょう。




No.20 2拍より長い音符、付点、タイ、シンコペーション（メロディ）

No.20 2拍より長い音符、付点、タイ、

シンコペーション（メロディ）

No.20では 2拍より長い音符をトレーニングします。・4拍を 1音符で表された全音符・3拍を 1音符で表された付点音符・3拍を 2分音符と 4分音符をタイでつないだ音符

などです。また、タイでつなぐことでシンコペーションとなり、アクセントが移動することがあります。それらにも注意し、トレーニングしましょう。




No.20 2拍より長い音符、付点、タイ、シンコペーション（メロディ）

a)

最終音が長くなりすぎないように注意しましょう。

b)

シンコペーションによってタイでつながれた 2 分音符にアクセントが移っていること、また、最終音が長くなりすぎないように注意しましょう。




No.21 2拍より長い音符、付点、タイ、シンコペーション（リズムトレーニング I）


シンコペーション（リズムトレーニング I）

No.21では、メロディを聴きながら手拍子など拍子をとり、2拍より長い音符、付点音符、タイやシンコペーションのリズムを確認しましょう。

a)




No.21 2拍より長い音符、付点、タイ、シンコペーション（リズムトレーニング I）

b)




No.22 2拍より長い音符、付点、タイ、シンコペーション（リズムトレーニング II）


シンコペーション（リズムトレーニング II）

3拍子でのタイでつながった 2拍より長い音符のリズム・トレーニングです。メロディを聴きながら、手拍子など拍子をとり、リズムを確認しましょう。




No.23 2拍より長い音符、付点、タイ、シンコペーション（まとめ）


シンコペーション（まとめ）

2拍より長い音符、付点音符、タイ、シンコペーションのまとめのトレーニングです。 No.20～22 までの内容を思い起こしながらトレーニングしましょう。また、シンコペーションが多用されていることによって、拍子の感覚がわかりにく

くなっています。それぞれの拍子をしっかりと意識しながらトレーニングし

ましょう。

a)





b)

c)





d)





e)





f)





g)

最後の段のシンコペーションは特に注意しましょう。




No.24 4度音程 I

No.24 4度音程 I

音階中のある音を基準として、それから 4番目の音までの音程を 4度音程といいます。 4度音程には完全 4度（半音 5つ分）と増 4度（半音 6つ分）があります。完全 4度は楽曲の中で低音部の強進行として頻繁に使われます。増 4度は和音として同時に鳴らしたとき、半音 6つの独特な響き（不響和音）をつくり、たくさんの楽曲のなかで重要な部分を担っています。音階のなかで完全 4度と増 4度となる音程を確認し、それらの違いを意識してトレーニングしましょう。完全 4度（半音 5つ分）：ド－ファ、レ－ソ、ミ－ラ、ソード、ラーレ、シーミ

増 4度（半音 6つ分）：ファーシ




No.24 4度音程 I

a)

それぞれのフレーズのはじまりの音と終わりの音が同じ音程になっています。この 2 つの音の音程が同じになっているのを確認し、演奏する場合は同じ音程になるよう注意してトレーニングしましょう。




No.24 4度音程 I

b)




No.24 4度音程 I

c)




No.24 4度音程 I

d)




No.24 4度音程 I

e)




No.24 4度音程 I

f)




No.25 4度音程 II

No.25 4度音程 II

a)




No.25 4度音程 II

b)




No.25 4度音程 II

c)

シンコペーションによってアクセントが移動していることにも注意しましょう。




No.25 4度音程 II

d) 増 4度音程

ファとシの音程は、増 4度音程（半音 6つ分）です。音程をとるのがむずかしいので、特に注意してトレーニングしましょう。




No.26 2音符を１拍に歌うこと


これまでは 1拍より短い音符はありませんでした。 No.26では 1拍を 2つに分けた音符をトレーニングします。 4分の 2拍子、4分の 4拍子であれば 8分音符、 2分の 2拍子、2分の 4拍子であれば 4分音符です。これらも 1つの音符を 2つに分けられた音符なのでリズムの原理： 2等分されたものは、最初の 1つは強く、残りの 1つは弱くなる。より、分けられた音符のうち 1つ目の音符は強く 2つ目の音符は弱くなります。

2拍子の場合であれば・・







拍子が持つアクセントもからみ、複雑になっています。アクセントに注意しながらトレーニングしていきましょう。





a)

b)





c)

休符の前の音符が短くなってしまわないよう、また 2段目の弱拍からはじまる音符のタイミングにも注意しましょう。

d)

休符の前の音符が短くなってしまわないように注意しましょう。





e)

弱拍からはじまる音符のタイミング、そして休符の前の音符が短くなってしまわないように注意しましょう。





f)

ファとシの増 4度音程（半音 6つ分）にも注意しましょう。





g)

休符の前の音符が短くなってしまわないように注意しましょう。





h)




No.27 さらに小さい付点音符


これまでトレーニングしてきた付点音符は付点 2分音符など拍を含んでいる付点音符でした。 No.27ではさらに小さい付点音符、拍のなかでおわる付点音符をトレーニングします。これらの付点音符は拍のなかでおわり、次の音符も拍のなかから始まるのでタイミングが難しくなります。そして、強拍の音符とタイでつながったときにはシンコペーションによりアクセントも移動します。発音するタイミング、切るタイミング、またタイやシンコペーションでアクセントの移動することにも注意し、トレーニングしましょう。





a)

b)





c)

d)





e)




No.28 3／8拍子と 6／8拍子

No.28 3／8拍子と 6／8拍子

No.28では 3／8拍子と 6／8拍子をトレーニングします。 3／8拍子は 8分音符が 3つあるということで 3拍子となります。 1st Stageリズムの項目であったように、リズムの原理： 3等分されたものは、最初の 1つは強く、残りの 2つは弱くなる。より、3／8拍子のアクセントは 1つ目の音符は強く、のこり 2つの音符は弱くなります。

つづいて 6／8拍子を確認してみましょう。




No.28 3／8拍子と 6／8拍子

6／8拍子は 8分音符が 6つあるので 6拍子となるのですが、これは 8分音符を 3つをひとまとまりにしてそれを 2倍したものとなります。それよりリズムの原理： 2等分されたものは、最初の 1つは強く、残りの 1つは弱くなる。より、前半 3つのひとまとまりは強いグル－プ、後半 3つのひとまとまりは弱いグループとなります。つまり、6／8拍子のアクセントは、6つある 8分音符のうち 1拍目がいちばん強く、 4拍目が次に、そしてそれ以外が弱いアクセントとなります。

3／8拍子と 6／8拍子それぞれアクセントの違いに注意し、実際の楽曲をトレーニングしてみましょう。




No.28 3／8拍子と 6／8拍子




No.29 6／8拍子と 3／4拍子

No.29 6／8拍子と 3／4拍子

No.29では 6／8拍子と 3／4拍子の関係について確認します。

6／8拍子と 3／4拍子は、 8分音符で数えるとどちらも 6つの拍子です。 6／8拍子は No.28で確認したように、 8分音符 3つを 2倍したものです。そのことから、アクセントは 6つある 8分音符のうち 1拍目がいちばん強く、 4拍目が次に、そしてそれ以外が弱いアクセントとなります。




No.29 6／8拍子と 3／4拍子

しかし 3／4拍子の 8分音符は 3拍子をさらに 2つに分割したものなので、アクセントは、6つある 8分音符のうち 1拍目がいちばん強く、 3、5拍目が次に、そしてそれ以外が弱いアクセントとなります。

トレーニング楽曲では、同じメロディを拍子をかえてトレーニングします。 6／8拍子と 3／4拍子それぞれアクセントの違いに注意し、トレーニングしましょう。




No.29 6／8拍子と 3／4拍子




No.30 5度音程

No.30 5度音程

音階中のある音を基準として、それから 5番目の音までの音程を 5度音程といいます。 5度音程には完全 5度（半音 7つ分）と減 5度（半音 6つ分）があります。完全 5度は完全 4度と同じように楽曲の中で低音部の強進行としておおく使われています。また、減 5度は増 4度と同じ音程（半音 6つ分）で、音程をとるのが難しい音程です。音階のなかで完全 5度と減 5度の音程を確認し、それらの違いに注意してトレーニングしましょう。完全 5度（半音 7つ分）：ド－ソ、レ－ラ、ミ－シ、ファード、ソーレ、ラーミ

減 5度（半音 6つ分）：シーファ




No.30 5度音程

a)

それぞれのフレーズのはじまりの音と終わりの音が同じ音程になっています。この 2 つの音の音程が同じになっているのを確認し、演奏する場合は同じ音程になるよう注意してトレーニングしましょう。




No.30 5度音程

b)




No.30 5度音程

c)




No.30 5度音程

d)




No.30 5度音程

e)




No.30 5度音程

f)




No.30 5度音程

g)




No.30 5度音程

h)




No.31 No.1～30のまとめ


2nd Stage最後のトレーニングです。これまでトレーニングしてきたことを思い起こしながらトレーニングしましょう。

a)





b)

c)





d)

e)




2nd Stage おわりに


2nd Stage では、

4 度、5 度音程、

3／8 拍子、6／8 拍子を

中心にトレーニングしてきました。

音程では、増 4度の音程（半音 6つ分）が、

特に難しかったと思います。

しかし、ハーモニーやコーラスなどでは

属七和音（セブンス）としてつかわれる重要な音程です。

しっかりとイメージできるように

トレーニングしておきましょう。

また、これまでの内容で

音楽の基本の音階

「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」

のなかの

「ド・レ・ミ・ファ・ソ」

までのトレーニングを終えることができました。





トレーニングをする時間でなくても

思いついたら

「ド・レ・ミ・ファ・ソ」

までの音で適当に組み合わせて

あたまの中でイメージしたり、

ひとりごとのように歌ったりしてみてください。

そうすることで、

さらにあなたの記憶に「音」が焼きついて

音をコントロールできるようになり

音感や音楽の実力が上がってきます。

そのなかで新しいメロディも

浮かんできたりすることもあるので

作曲のスキルも上がってくると思います。

途中で音がわからなくなったら

楽器などで音をたしかめて

再びトライしてみてください。

その繰り返しが、

あなたの音感をよくしていく過程でもあるのです。





3rd Stage では、

・6 度音程

・7 度音程

リズムでは

・9／8 拍子

・12／8 拍子

・3 連符や 16 分音符

などを解説、トレーニングしていきます。

3rd Stage でハ長調の音階

「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」

のトレーニング、そして

基本的なリズムのトレーニングが終了します。

もちろん、これまでトレーニングしてきた内容も

使われてきますので

3rd Stage で少し難しく感じたり、

行き詰ったときには、

1st～2nd Stage に戻って

振り返りながら進めていけばよいでしょう。


-The Third Stage-



Musician Ear Training Secrets -The Third Stage-



3rd Stage はじめに

3rd Stage はじめに

3rd Stage は、

ハ長調（C dur/C major）の音階「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」最後のトレーニングとなります。 2nd Stage では、５度音程までの音程が中心でしたが、 3rd Stage では、6 度、7 度、そしてオクターブ（8 度）の音程をトレーニングしていきます。また、リズムに関しても 3 連符や 16 分音符などより細かなリズム、複雑なリズムをトレーニングしてきます。特に 3 連符は初心者がつまずきやすいリズムなので、しっかりとトレーニングしましょう。それでは、3rd Stage をはじめます・・




No.32 音程の転回


2 つの音があって、それらが反対の音程の関係になることを音程の転回といいます。例えば 5 度音程のドとソがある場合、・「ド」の音を 1 オクターブ（8 度）上げたとき、

もしくは・「ソ」の音を 1 オクターブ（8 度）下げたとき

転回されたといいます。





No.32 では 5 度音程、4 度音程の転回についてトレーニングします。 5 度音程が転回されると 4 度音程に 4 度音程が転回されると 5 度音程になります。さらに詳しく説明すると完全 5 度を転回すると完全 4 度、完全 4 度を転回すると完全 5 度に減 5 度を転回すると増 4 度、増 4 度を転回すると減 5 度の音程になります。これらの関係に注意してトレーニングしましょう。





a)

b)





c)




No.33 さらに小さいシンコペーション


これまでトレーニングしてきたシンコペーションは、完全な拍からつくられたシンコペーションでした。 No.33 ではさらに小さいシンコペーション、拍を分割してできるシンコペーションをトレーニングします。拍のなかでシンコペーションがおこるので、発音のタイミング、アクセントも難しくなります。それらに注意してトレーニングしましょう。

a)





b)

c)





d)





e)





f)




No.34 アウフタクト


No.34 では、アウフタクトからはじまる楽曲をトレーニングします。アウフタクトとは、小節の途中の弱拍のことです。また、アウフタクトからはじまることによって先頭の小節が一部になることがあります。そのような完全でない小節を｢不完全小節｣といいます。不完全小節が始まりに使われたときは、最終小節も不完全小節になることに注意してください。先頭の不完全小節と最後の不完全小節をあわせてひとつの完全小節になります。トレーニングする際には、まず小節の先頭の強拍から拍子をとり、弱拍からタイミングよく始められるよう注意しましょう。





a)

b)




No.35 9／8 拍子と 12／8 拍子

No.35 9／8 拍子と 12／8 拍子

No.35 では 9／8 拍子、12／8 拍子をトレーニングします。 9／8 拍子は 8 分音符 3 つを 3 倍、 12／8 拍子は 8 分音符 3 つを 4 倍することによってつくられています。 8 分音符 3 つをひとつのまとまりとしてそれぞれ考えると、リズムの原理： 2 等分されたものは、最初の 1 つは強く、残りの 1 つは弱くなる。 3 等分されたものは、最初の 1 つは強く、残りの 2 つは弱くなる。より、 9／8 拍子のアクセントは、9 つある 8 分音符のうち 1 拍目がいちばん強く、 4,7 拍目が次に、そしてそれ以外が弱いアクセントとなります。




No.35 9／8 拍子と 12／8 拍子

12／8 拍子のアクセントは、12 つある 8 分音符のうち 1 拍目がいちばん強く、 7 拍目が次に、 4、10 拍目がその次に、そしてそれ以外が弱いアクセントとなります。

9／8 拍子と 12／8 拍子それぞれのアクセントに注意して、トレーニングしましょう。




No.35 9／8 拍子と 12／8 拍子

a) 9／8 拍子




No.35 9／8 拍子と 12／8 拍子

b) 12／8 拍子

アウフタクト（小節の途中の弱拍）からはじまっていることと最終音の長さに注意しましょう。




No.36 6 度音程

No.36 6 度音程

音階中のある音を基準として、それから 6 番目の音までの音程を 6 度音程といいます。 6 度音程には長 6 度（半音 9 つ分）と短 6 度（半音 8 つ分）があります。音階のなかで長 6 度と短 6 度となる音程を確認し、それらの違いを意識してトレーニングしましょう。

長 6 度（半音 9 つ分）：ド－ラ、レ－シ、ファーレ、ソーミ

短 6 度（半音 8 つ分）：ミード、ラーファ、シーソ




No.36 6 度音程

a)






No.36 6 度音程

b)




No.36 6 度音程

c)






No.36 6 度音程

d)






No.36 6 度音程

e)






No.36 6 度音程

f)




No.37 3 連符

No.37 3 連符

これまではおもに小節や拍と同じ長さ、もしくは、それらを 2 等分することによってつくられる音符の楽曲をトレーニングしてきました。 No.37 では 3 等分することによってつくられる音符、 3 連符の楽曲をトレーニングします。たとえば

2 分音符を 3 等分してつくられる 4 分音符の 3 連符

4 分音符を 3 等分してつくられる 8 分音符の 3 連符

などがあります。 3 連符のタイミングは慣れるまではなかなか難しいものです。また 2 等分されたものと交互にあらわれるとさらに難しくなります。発音のタイミング、長さに注意して、実際の楽曲でトレーニングしていきましょう。




No.37 3 連符

a) 3 連符




No.37 3 連符

b) 3 等分と 2 等分とが交互に現れるもの

c)




No.37 3 連符

d) 休止符で始まる 3 連符

2、4、6、8 小節の 2 等分の 8 分音符が 3 連符につられて速くならないようにも注意しましょう。




No.38 6 度音程の転回


No.32 では 5 度音程、4 度音程の転回をトレーニングしました。

No.38 では 6 度音程の転回について学びます。

6 度音程は転回されると 3 度音程になります。さらに詳しく説明すると長 6 度を転回すると短 3 度、短 6 度を転回すると長 3 度の音程になります。これらの関係に注意してトレーニングしましょう。





a)





b)




No.39 1 拍に音符 4 つを数えること


これまでは 1 拍を 2 等分したり、3 等分したりしてつくられた音符の楽曲をトレーニングしてきました。 No.39 では拍をさらに細かく 4 等分してつくられた音符の楽曲をトレーニングします。 4／4 拍子の 16 分音符などです。拍を 4 等分してつくられるので、発音のタイミングが細かくなりますし、また、音符のアクセントのバリエーションも増えます。 4 等分は、2 等分した音符をさらに 2 等分したと考えられるので、リズムの原理： 2 等分されたものは、最初の 1 つは強く、残りの 1 つは弱くなる。より、

前半 2 つの音符が強いグループ後半 2 つの音符が強いグループ

となります。つまり、4 等分された音符のうち、 1 拍目がいちばん強く 3 拍目が次に、そしてそれ以外が弱いアクセントになります。





4 等分された音符のアクセントをそれぞれの拍子で確認してみましょう。





1 拍を 4 等分した音符のアクセントは、それぞれの拍子がもっているアクセントともからんでくるのでとても複雑になります。トレーニング楽曲では、発音のタイミング、そしてアクセントにも注意しながらトレーニングしていきましょう。





a)





b)

16 分音符が短く、また長くなりすぎないように注意しましょう。





c)

d)





e)

はじまりの｢シ｣の音が低くならないように注意しましょう。





f)

はじまりの｢シ｣の音が低くならないように注意しましょう。




No.40 12／8 拍子、6／4 拍子、3／2 拍子

No.40 12／8 拍子、6／4 拍子、3／2 拍子

No.40 は、

a) 12／8 拍子 b) 6／4 拍子 c) 3／2 拍子

を比較してトレーニングします。

これらの拍子は、3 つの拍子ともすべて 8 分音符でかぞえると 12 つの拍子となります。しかし、それぞれの拍子は基準となる拍の音符がことなるため、音符のまとまったグループ、アクセントがちがってきます。

12／8 拍子：8 分音符 3 つを 4 倍した拍子 6／4 拍子：4 分音符 6 つの拍子 3／2 拍子：2 分音符 3 つの拍子

そしてリズムの原理： 2 等分されたものは、最初の 1 つは強く、残りの 1 つは弱くなる。 3 等分されたものは、最初の 1 つは強く、残りの 2 つは弱くなる。より、




No.40 12／8拍子、6／4拍子、3／2拍子

12／8拍子のアクセントは 12つある 8分音符のうち 1つめがいちばん強く、 7つめが次に、 4、10つめがその次、そしてそれ以外が弱いアクセントとなります。

6／4拍子のアクセントは 12つある 8分音符のうち 1つめがいちばん強く、 7つめが次に、 3、5、9、11つめがその次、そしてそれ以外が弱いアクセントとなります。

3／2拍子のアクセントは 12つある 8分音符のうち 1つめがいちばん強く、 5、9つめが次に、 3、7、11拍目がその次、そしてそれ以外が弱いアクセントとなります。




No.40 12／8 拍子、6／4 拍子、3／2 拍子

12／8 拍子、6／4 拍子、3／2 拍子のアクセントのちがいに注意して、トレーニングしましょう。




No.41 最小付点音符


No.27 でトレーニングした付点音符は、付点 4 分音符など拍をこえる長さの付点音符でした。 No.41 では、さらに小さい付点音符、拍を越えない、拍のなかに収まる付点音符をトレーニングします。例えば、付点 8 分音符などです。これらの付点音符は拍のなかでおわり、次の音符もまたその拍のなかから始まるので、タイミングをとるのが難しくなります。音符を切るタイミング、発音のタイミングに注意してトレーニングしましょう。





a)





b)





c)




No.42 7 度音程

No.42 7 度音程

No.42 では、7 度音程の音程をトレーニングします。

音階中のある音を基準として、それから 7 番目の音までの音程を 7 度音程といいます。 7 度音程には長 7 度（半音 11 つ分）と短 7 度（半音 10 つ分）があります。音階のなかで長 7 度と短 7 度となる音程を確認し、それらの違いに注意してトレーニングしましょう。

長 7 度（半音 11 つ分）：ド－シ、ファーミ

短 7 度（半音 10 つ分）：レード、ミーレ、ソーファ、ラーソ、シーラ




No.42 7 度音程

a)




No.42 7 度音程

b)

c)




No.42 7 度音程

d)




No.43 さまざまな音符がまざったトレーニング


a) 16 分音符、3 連符、8 分音符

b) 付点音符と 3 連符





c) さまざまな付点音符

d) 3 拍子での付点音符





e) 6／8 拍子での付点音符

f) 付点の代わりに休符があるもの

休符の前の 8 分音符が短くなりすぎないように注意しましょう。






No.44 では 7 度音程の転回をトレーニングします。 7 度音程は転回されると 2 度音程になります。さらに詳しく説明すると長 7 度を転回すると短 2 度、短 7 度を転回すると長 2 度の音程になります。これらの関係に注意してトレーニングしましょう。

a) 7 度の転回とオクターブ





b)

c)




No.45 5 度、6 度、7 度、そしてオクターブ


3 rd Stage では、これまでハ長調で使われる 5 度、6 度、7 度音程を確認、そしてトレーニングしてきました。 No.45 では、7 度音程のその次の音程、8 度音程をトレーニングします。 8 度音程のことをオクターブともいいます。オクターブは、物理的に言うと振動数が 2：1 の関係で人間の耳にとって高さは違うものの本質的に同じ音として聴こえる音程と言われています。ということから、8 度音程以上は、 9 度音程＝2 度音程と同じ性質 10 度音程＝3 度音程と同じ性質 11 度音程＝4 度音程と同じ性質・・・と 1~7 度音程の繰り返しになります。





つまり、 7 度音程までの音程がはっきり聴き取れるようになれば、ほぼ全ての音程を聴き取れるようになるといってもよいわけです。しかし、逆に言うと 1~7 度音程がしっかり取れなければ 8 度音程以上の音程がつかわれる楽曲を聴き取るのはとてもむずかしいことになってしまうのです。その場合は、しっかり 7 度音程までを確実にしてからチャレンジしていくのがよいでしょう。 No.45 は、5 度、6 度、7 度、そしてオクターブの音程が中心の楽曲です。 3rd Stage の最後、またハ長調の最後のトレーニングとなりますので、これまでの内容についても思い起こしながらトレーニングしましょう。





a)

タイで結ばれている付点音符が短くなりすぎないように注意しましょう。





b)





c)





d)

付点 4 分音符のあとの 8 分音符が短くなりすぎないように注意しましょう。




3rd Stage おわりに


3rd Stage では、 6 度、7 度音程、 9／8 拍子、12／8 拍子 3 連符や 16 分音符をトレーニングしてきました。これでハ長調の音階「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」のトレーニング、そして基本的なリズムのトレーニングが終了です。ご苦労さまでした。楽曲でつかわれるメロディの音程やリズムのほとんどはこれらを組み合わせ、つくられています。あとは、そのメロディをいろいろな調へ、移調していると考えればよいだけなのです。





4th Stage では、 1st～3rd Stage でトレーニングしてきたハ長調の音階をそれ以外の調へ応用する方法を解説、トレーニングしていきます。音感のようにどちらかというと、感性を磨くというものでなく知識をつけていくステージともいえます。そのような理由から知っているだけで実際の楽曲にすぐに役立つものでもあります。しかし、 1st～3rd Stage でトレーニングしてきたハ長調の音階をしっかり理解できていることが前提です。もし、4th Stage の内容で混乱したりした場合は 1st～3rd Stage を繰り返し見直すとよいでしょう。


-The Fourth Stage-



Musician Ear Training Secrets -The Fourth Stage-



4th Stage はじめに


1st～3rd Stage までは、リズムトレーニングを含め、すべてハ長調（C dur／C major）の楽曲をトレーニングしてきました。これまでのトレーニングでハ長調（C dur／C major）の楽曲で使われる音程やリズムなどの基本がすべて網羅（もうら）されていたといってもよいでしょう。ハ長調（C dur／C major）の楽曲のほとんどは、これらの要素（音の並びやリズム）をひとつひとつ組み合わせて作られているのです。しかしご存知のとおり、数多くある楽曲のうちハ長調の楽曲はたった一部です。｢＃（シャープ）｣や｢ｂ（フラット）｣の付いたハ長調以外の楽曲が数多く存在します。例えばト長調（G dur／G major）ヘ長調（F dur／F major）などです。





4th Stage では、ハ長調（C dur／C major）以外のさまざまな調（長調）をトレーニングしていきますが、ひとつの重要なポイントがあります。そのポイントとは、ハ長調以外の調は、ハ長調の基準の音、主音（第 1（i）度）が変わっているだけということです。

数多くあるさまざま調も、基本はハ長調と同じでハ長調の音階

ド全音レ全音ミ半音ファ全音ソ全音ラ全音シ半音（ド）をその調の主音にシフト（移調）しているだけなのです。つまり、ハ長調の音階「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の音程をマスターしていれば、それ以外の調の音階につかわれる音程についてもすでにマスターしていることになるのです。





例えば、ヘ長調（F dur／F major）の曲の場合で説明すると、｢ファ｣の音が主音（第 1 度の音）、ハ長調でいう｢ド｣の音になります。

つまり、ヘ長調の音階は主音の｢ファ｣から始まり

ファ全音ソ全音ラ半音シ b 全音ド全音レ全音ミ半音（ファ）という音階になります。

ト長調では主音（第 1 度の音）の｢ソ｣から始まり

ソ全音ラ全音シ半音ド全音レ全音ミ全音ファ＃半音（ソ）となります。｢＃（シャープ）｣や｢ｂ（フラット）｣は主音（第 1 度の音）の音の位置がかわることによって長調の音階が崩れるのを調整していたのです。これまでは｢ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド｣のイタリア音名でトレーニングしてきました





しかし、音名にはそれ以外に日本語音名ドイツ語音名英語音名などがあります。そして数字譜についてもも理解しているとハ長調以外の長調についての理解が深まるのでここで説明しておきたいと思います。これらの音名の読み方を知ることによって、いろいろなジャンル（クラシックやコンテンポラリーなど）のミュージシャンともコミュニケーションがとりやすくなります。日本語音名は、ハ長調、ト短調・・など長（短）調の前に使われる音名です。

ドイツ語音名は、 C dur、Gmoll・・など Dur や moll の前に使われる音名です。クラシックを学ばれた方がよく使います。英語音名は、 C major、G minor・・など major や minor の前に使われる音名です。ポップスやコンテンポラリーのミュージシャンがよく使います。





数字譜は、その調の主音を｢1｣としてそれから順番に数字をつけた楽譜です。ハ長調であれば、ド＝1、レ＝2、ミ＝3、ファ＝4、ソ＝5、ラ＝6、シ＝7 となります。ト長調であればソ＝1、ラ＝2、シ＝3、ド＝4、レ＝5、ミ＝6、ファ＃＝7 となります。それぞれの調でどの音が主音（i 度）なのかを意識することは音楽においてとても重要ですどんな調でもその音階につかわれるそれぞれの音が数字譜でいくつになるかをしっかり把握できるようにトレーニングしていきましょう。

＃ｂ

イタリア語 Doド

Reレ

Miミ

Faファ

Solソル

Laラ

Siスィ

- diesisディエスィス

- bemolleベモッレ

日本語ハニホヘトイロ

嬰エイ

- 変ヘン

-

英語 Cスィー

Dディー

Eイー

Fエフ

Gジー

Aエイ

Bビー

- sharpシャープ

- flatフラット

ドイツ語 Cツェー

Dデー

Eエー

Fエフ

Gゲー

Aアー

Hハー

-is～ィス

-es～ェス

（原則）

数字譜 1 2 3 4 5 6 7 ＃- ｂ -

それでは、4th Stage を始めていきす。




No.46 ハ長調（C dur／C major）ト長調（G dur／G major）の比較

No.46 ハ長調（C dur／C major）

ト長調（G dur／G major）の比較

No.46 では、ト長調（G dur／G major）をハ長調と比較しながらトレーニングします。ト長調（G dur／G major）は｢ソ｣の音を主音とした調で、

ソ全音ラ全音シ半音ド全音レ全音ミ全音ファ＃半音（ソ）の音階になります。｢ファ｣の音に｢＃（シャープ）｣がつきます。ト長調に慣れていない頃は、長調の感覚を失わないように｢ソ｣の音からの音名を｢ド｣から読み直す｢移動ド唱法｣で読むのもよいでしょう。それでは実際の楽曲でハ長調とト長調の違いを確認してみましょう。





a)

b)





c)





次の d)では、楽譜上では同じフレーズをハ長調とト長調の調号をつけて比較します。メロディがどのように違ってくるかを確認してみましょう。

d)





e)、f)では同じ楽譜にハ長調とト長調の調号をつけて、トレーニングします。それぞれの調で調号がつく音符とつかない音符に注意しましょう。また、最終小節はそれぞれの調で指定した小節でおわってください。

e) ハ長調とト長調の調号をつけての比較 1 C dur

G dur

f) ハ長調とト長調の調号をつけての比較 2 C dur G dur




No.47 ト長調（G dur／G major）の数字譜と和音

No.47 ト長調（G dur／G major）の

数字譜と和音

No.47 ではト長調の数字譜と和音についてトレーニングします。

まず数字譜について説明します。｢4th Stage はじめに｣でも説明したとおり、ハ長調のときの数字譜はド＝1、レ＝2、ミ＝3、ファ＝4、ソ＝5、ラ＝6、シ＝7 となります。ト長調であれば、主音のソから数えてソ＝1、ラ＝2、シ＝3、ド＝4、レ＝5、ミ＝6、ファ＃＝7 となります。トレーニング楽曲では、数字譜の次に、五線譜に起こしたものを用意しています。五線譜上での音符と数字の関係についても確認してみましょう。





a)

※下線付きはオクターブ下の音です。

この数字譜を五線譜であらわすと・・





b)







c)







和音次に和音について説明します。和音は、２つ以上の高さの違う音が、同時に響き合う状態を作っている音のことです。３個の音が３度ずつ積み重ねられてできた和音を三和音（トライアド）といいます。また、4 個の音が３度ずつ積み重ねられてできた和音を四和音といいますが、ここでは三和音を中心に解説していきます。

三和音とそれぞれの音の名称

三和音のそれぞれの音は、下から

根音(root) 第三音（3 rd）第五音(5 th)

といいます。





ダイアトニック・コード

音階の上に作られた三和音は、ダイアトニックコード(diatonic chord)といいます。また、順番に I 度の和音、II 度の和音、III 度の和音・・・といいます。特に、 I 度の和音（トニック・コード）、 IV 度の和音（サブドミナント・コード）、 V 度の和音（ドミナント・コード）は主要三和音とよばれ、よく用いられる和音です。転回形

三和音は、低音を転回して使われることがあります。

根音を低音に持つものを基本形第三音を低音に持つ第 1 転回形第五音を低音に持つ第 2 転回形

といいます。





d)ではハ長調（C dur／C major）とト長調（G dur／G major）の主要和音について確認します。 1 段目（9 小節まで）は、主和音（トニック・コード） 2 段目（18 小節まで）は、下属和音（サブドミナント・コード） 3 段目（27 小節まで）は、上属和音（ドミナント・コード）の分散和音となっています。そしてそれぞれ基本形、第 1 転回形、第 2 転回形の順です。ハ長調、ト長調の主要和音をトレーニングしましょう。





d) ハ長調（C dur／C major）、ト長調（G dur／G major）の主要和音ハ長調（C dur／C major）





ト長調（G dur／G major）




No.48 ト長調（G dur／G major）


a) 5 度、6 度、7 度音程

7～8 小節の 8 分音符の続いている部分が急ぎがちにならないように、また休符の前の音符が短くならないように注意しましょう。





b) 短く切られた音符

休符の前の音符が短くならないように注意しましょう。





c) 16 分の 3 連符

最終音が短くならないように注意しましょう。





d)

3 連符の続いている部分が速くならないように注意しましょう。




No.49 ニ長調（D dur／D major）


No.49 ではニ長調（D dur／D major）をトレーニングします。ニ長調（D dur／D major）は｢レ｣の音を主音とした調で、

レ全音ミ全音ファ＃半音ソ全音ラ全音シ全音ド＃半音（レ）の音階になります。｢ファ｣、｢ド｣の音に｢＃（シャープ）｣がつきます。ニ長調をハ長調、ト長調と比較しながらトレーニングしていきましょう。





a) ハ長調、ト長調、ニ長調の比較 1 同じ楽譜にハ長調、ト長調、ニ長調の調号をつけて、トレーニングします。それぞれの調で、調号がつく音符とつかない音符に注意しましょう。また、終わりの 2 小節はそれぞれの調で指定した小節でおわってください。

C dur

G dur

D dur





b) ハ長調、ト長調、ニ長調の比較 2

No.46 d),e),f)をハ長調、ト長調、ニ長調の調号をつけてトレーニングしましょう。

No.46 d)





No.46 e)

C dur G dur D dur

No.46 f)

C dur G dur D dur





c) ニ長調（D dur／D major）の数字譜

ニ長調の数字譜は

レ＝1、ミ＝2、ファ＃＝3、ソ＝4、ラ＝5、シ＝6、ド＃＝7

となります。トレーニング楽曲では、数字譜の次に五線譜に起こしたものを用意しています。五線譜上での音符と数字の関係についても確認してみましょう。





i)

※下線付きはオクターブ下、上線付きはオクターブ上の音です。






ii)

※下線付きはオクターブ下、上線付きはオクターブ上の音です。






d) ニ長調（D dur／D major）の主要和音

ニ長調（D dur／D major）の主要和音です。

1 段目（9 小節まで）は、主和音（トニック・コード） 2 段目（18 小節まで）は、下属和音（サブドミナント・コード） 3 段目（27 小節まで）は、上属和音（ドミナント・コード）の分散和音となっています。そしてそれぞれ基本形、第 1 転回形、第 2 転回形の順です。ニ長調の主要和音をトレーニングしましょう。





e) シンコペーション

f) 16 分音符のシンコペーション




No.50 イ長調（A dur／A major）


No.50 ではイ長調（A dur／A major）をトレーニングします。イ長調（A dur／A major）は｢ラ｣の音を主音とした調で、

ラ全音シ全音ド＃半音レ全音ミ全音ファ＃全音ソ＃半音（ラ）の音階になります。｢ファ｣、｢ド｣、「ソ」の音に｢＃（シャープ）｣がつきます。これまでの調と同じようにイ長調をトレーニングしていきましょう。





a) No.46 をイ長調（A dur／A major）でトレーニング

No.46 a)

No.46 b)





No.46 c)





No.46 d)





No.46 e) C dur A dur

No.46 f)

C dur A dur





b) イ長調（A dur／A major）の数字譜

イ長調の数字譜は

ラ＝1、シ＝2、ド＃＝3、レ＝4、ミ＝5、ファ＃＝6、ソ＃＝7

となります。トレーニング楽曲では、数字譜の次に五線譜に起こしたものを用意しています。五線譜上での音符と数字の関係についても確認してみましょう。





i)







ii)







c) イ長調（A dur／A major）の主要和音

イ長調（A dur／A major）の主要和音です。 1 段目（9 小節まで）は、主和音（トニック・コード） 2 段目（18 小節まで）は、下属和音（サブドミナント・コード） 3 段目（27 小節まで）は、上属和音（ドミナント・コード）の分散和音となっています。そしてそれぞれ基本形、第 1 転回形、第 2 転回形の順です。イ長調の主要和音をトレーニングしましょう。





d) 32 分音符

32 分音符がむずかしい場合、 8 分音符を 1 拍としてトレーニングするとよいでしょう。また、最終小節の 4 分音符が短くならないように注意しましょう。





e)

32 分音符がむずかしい場合、 8 分音符を 1 拍としてトレーニングするとよいでしょう。




No.51 ホ長調（E dur／E major）


No.51 ではホ長調（E dur／E major）をトレーニングします。ホ長調（E dur／E major）は｢ミ｣の音を主音とした調で、

ミ全音ファ＃全音ソ＃半音ラ全音シ全音ド＃全音レ＃半音（ミ）の音階になります。｢ファ｣、｢ド｣、「ソ」、「レ」の音に｢＃（シャープ）｣がつきます。また、ホ長調の数字譜は

ミ＝1、ファ＃＝2、ソ＃＝3、ラ＝4、シ＝5、ド＃＝6、レ＃＝7

となります。それではホ長調をトレーニングしていきましょう。





a) ホ長調（E dur／E major）の数字譜 i)







ii)







iii)







b) ホ長調（E dur／E major）の主要和音ホ長調（A dur／A major）の主要和音です。 1 段目（9 小節まで）は、主和音（トニック・コード） 2 段目（18 小節まで）は、下属和音（サブドミナント・コード） 3 段目（27 小節まで）は、上属和音（ドミナント・コード）の分散和音となっています。そしてそれぞれ基本形、第 1 転回形、第 2 転回形の順です。ホ長調の主要和音をトレーニングしましょう。





c) 32 分音符

休符の前の 8 分音符が短くなったり、強くなりすぎたりないように注意しましょう。





d)

8 分音符単位で 6 拍子のアクセントになるよう注意しましょう。




No.52 ロ長調（H dur／B major）


No.52 ではロ長調（H dur／B major）をトレーニングします。ロ長調（H dur／B major）は｢シ｣の音を主音とした調で、

シ全音ド＃全音レ＃半音ミ全音ファ＃全音ソ＃全音ラ＃半音（シ）の音階になります。｢ファ｣、｢ド｣、「ソ」、「レ」、「ラ」の音に｢＃（シャープ）｣がつきます。また、ロ長調の数字譜は

シ＝1、ド＃＝2、レ＃＝3、ミ＝4、ファ＃＝5、ソ＃＝6、ラ＃＝7

となります。それではロ長調をトレーニングしましょう。





a)

7 小節のシンコペーションに注意しましょう。





b)

付点音符のあとの 8 分音符や 16 分音符のタイミングや長さ、また、増 4 度音程（ミーラ＃）に注意しましょう。




No.53 嬰ヘ長調（Fis dur／F# major）


No.53 では嬰へ長調（Fis dur／F# major）をトレーニングします。

嬰へ長調（Fis dur／F# major）は｢ファ＃｣の音を主音とした調で、

ファ＃全音ソ＃全音ラ＃半音シ全音ド＃全音レ＃全音ミ＃半音（ファ＃）の音階になります。｢ファ｣、｢ド｣、「ソ」、「レ」、「ラ」、「ミ」の音に｢＃（シャープ）｣がつきます。｢ミ｣の音に｢＃（シャープ）｣がつくと実際には｢ファ｣の音と同じ音になります。このように楽譜での表記は異なるけれども実音は同じ音を異名同音といいます。また、嬰へ長調の数字譜は

ファ＃＝1、ソ＃＝2、ラ＃＝3、シ＝4、ド＃＝5、レ＃＝6、ミ＃＝7

となります。それでは嬰へ長調をトレーニングしていきましょう。





複付点音符の長さに注意しましょう。




No.54 変ト長調（Ges dur／Gb major）

No.54 変ト長調（Ges dur/Gb major）

No.54 では変ト長調（Ges dur/Gb major）をトレーニングします。変ト長調は（Ges dur／Gb major）は｢ソｂ｣の音を主音とした調で、

ソｂ全音ラｂ全音シｂ半音ドｂ全音レｂ全音ミｂ全音ファ半音（ソｂ）の音階になります。｢シ｣、｢ミ｣、「ラ」、「レ」、「ソ」、「ド」の音に｢ｂ（フラット）｣がつきます。また、変ト長調（Ges dur/Gb major）は、 No.53 でトレーニングした嬰へ長調（Fis dur／F# major）とまったく同じ音をつかっています。どういうことかというと変ト長調は｢ソｂ｣の音を主音とした調ですが、｢ソｂ｣の音は嬰へ長調の主音｢ファ＃｣と同じ音になります。｢＃＝半音あがる｣、｢ｂ＝半音さがる｣という表記の違いだけで主音からすべての

音がまったく同じ音（異名同音）になるのです。嬰へ長調（Fis dur／F# major）と表記が違うだけ、と意識すればトレーニングしやすいでしょう。それでは変ト長調をトレーニングしていきましょう。




No.54 変ト長調（Ges dur／Gb major）

最後のフェルマータは停止記号です。適当な長さまで延ばしましょう。（音声では音符の長さどおり 3 拍のばしています。）




No.55 変ニ長調（Des dur／Db major）


No.55 では変ニ長調（Des dur／Db major）をトレーニングします。変ニ長調（Des dur／Db major）は｢レｂ｣の音を主音とした調で、

レｂ全音ミｂ全音ファ半音ソｂ全音ラｂ全音シｂ全音ド半音（レｂ）の音階になります。｢シ｣、｢ミ｣、「ラ」、「レ」、「ソ」の音に｢ｂ（フラット）｣がつきますまた、変ニ長調の数字譜は

レｂ＝1、ミｂ＝2、ファ＝3、ソｂ＝4、ラｂ＝5、シｂ＝6、ド＝7

となります。それでは変ニ長調をトレーニングしましょう。





a)

シンコペーションがとりにくい場合は 8 分音符を 1 拍としてトレーニングするとよいでしょう。





b)

32 分音符がむずかしい場合、 8 分音符を 1 拍としてトレーニングするとよいでしょう。




No.56 変イ長調（As dur／Ab major）


No.56 では変イ長調（Ａs dur／Ａb major）をトレーニングします。変イ長調（Ａs dur／Ａb major）は｢ラｂ｣の音を主音とした調で、

ラｂ全音シｂ全音ド半音レｂ全音ミｂ全音ファ全音ソ半音（ラｂ）の音階になります。｢シ｣、｢ミ｣、「ラ」、「レ」の音に｢ｂ（フラット）｣がつきます。また、変イ長調の数字譜は

ラｂ＝1、シｂ＝2、ド＝3、レｂ＝4、ミｂ＝5、ファ＝6、ソ＝7

となります。それでは変イ長調をトレーニングしましょう。





a)

シンコペーションがとりにくい場合は 8 分音符を 1 拍としてトレーニングするとよいでしょう。





b)

7 度音程がつづいている部分に注意しましょう。




No.57 変ホ長調（Es dur／Eb major）


No.57 では変ホ長調（Ｅs dur／Ｅb major）をトレーニングします。変ホ長調（Ｅs dur／Ｅb major）は｢ミｂ｣の音を主音とした調で、

ミｂ全音ファ全音ソ半音ラｂ全音シｂ全音ド全音レ半音（ミｂ）の音階になります。｢シ｣、｢ミ｣、「ラ」の音に｢ｂ（フラット）｣がつきます。また、変ホ長調の数字譜は

ミｂ＝1、ファ＝2、ソ＝3、ラｂ＝4、シｂ＝5、ド＝6、レ＝7

となります。それでは変ホ長調をトレーニングしましょう。





a)

3 拍子の 3 拍目からはじまっていること、また、付点音符が短くなってしまわないように注意しましょう。





b)

27 小節のフェルマータはフレーズの終わりをあらわしています。適当な長さを休むようにしましょう。（音声では休符の長さどおり 1 拍休んでいます。）




No.58 変ロ長調（B dur／Bb major）


No.58 では変ロ長調（Ｂ dur／Ｂb major）をトレーニングします。変ロ長調（Ｂ dur／Ｂb major）は｢シｂ｣の音を主音とした調で、

シｂ全音ド全音レ半音ミｂ全音ファ全音ソ全音ラ半音（シｂ）の音階になります。｢シ｣、｢ミ｣の音に｢ｂ（フラット）｣がつきます。また、変ロ長調の数字譜は

シｂ＝1、ド＝2、レ＝3、ミｂ＝4、ファ＝5、ソ＝6、ラ＝7

となります。それでは変ロ長調をトレーニングしていきましょう。





a)

シンコペーションにも注意しましょう。





b)

4 拍子の 3 拍目からはじまっていることに注意しましょう。




No.59 ヘ長調（F dur／F major）


No.59 ではヘ長調（F dur／F major）をトレーニングします。ヘ長調（F dur／F major）は｢ファ｣の音を主音とした調で、

ファ全音ソ全音ラ半音シｂ全音ド全音レ全音ミ半音（ファ）の音階になります。｢シ｣の音に｢ｂ（フラット）｣がつきます。また、ヘ長調の数字譜は

ファ＝1、ソ＝2、ラ＝3、シｂ＝4、ド＝5、レ＝6、ミ＝7

となります。それではヘ長調をトレーニングしていきましょう。





シンコペーションにより、リズムが複雑になっていることを注意しましょう。




上属調、下属調への転調


No.60～71 では上属調（ドミナント･キー）、下属調（サブドミナント･キー）へ転調する楽曲をトレーニングします。上属調（ドミナント･キー）とは、元の調からみて 5 度上の調のことです。ハ長調であればその上属調（ドミナント･キー）はト長調となります。下属調（サブドミナント･キー）とは、元の調からみて 4 度上の調のことです。ハ長調であれば、その下属調（サブドミナント･キー）はヘ長調となります。ここからはすこしわかりやすくするため、ハ長調からの転調ということで説明していきたいとおもいます。





ある調からその上属調（ドミナント･キー）へ転調するとき和声的な面から考えるとその上属調の上属和音(v 度の和音) もしくは属七和音（v 度の四和音）を仲立ちにして転調すると自然に聴こえます。ハ長調が元の調で、その上属調のト長調に移調する場合は、上属和音の｢レ・ファ＃・ラ｣もしくは属七和音の｢レ・ファ＃・ラ・ド｣をつかって転調すると自然だということです。また、上属調（ト長調）の上属和音に含まれる｢vii 度の音（ファ＃）｣は、元の調（ハ長調）には含まれない音です。このような理由から上属調に転調する場合のメロディは元の調（ハ長調）にはない、そして転調する上属調（ト長調）にある｢vii 度の音（ファ＃）｣をつかうとより転調しているように聴こえます。





下属調（サブドミナント・キー）へ転調する場合も同じように考えてみましょう。和声的には、元の調からその下属調へ転調するときはその下属調の上属和音（v 度の和音）もしくは属七和音（v 度の四和音）を仲立ちにして転調すると自然に聴こえます。ハ長調が元の調で、その下属調のヘ長調に移調する場合、上属和音は｢ド・ミ・ソ｣もしくは属七和音は｢ド・ミ・ソ・シｂ｣となります。また、下属調（へ長調）の属七和音に含まれる｢iv 度の音（シｂ）｣は、元の調（ハ長調）には含まれない音です。このような理由から、下属調へ転調する場合のメロディは元の調（ハ長調）にはない、そしてその下属調（へ長調）にはある｢vii 度の音（シｂ）｣をつかうとよりスムーズに転調することができます。





次に、上属調（ト長調）から元の調（ハ長調）へ戻るときを考えてみましょう。上属調（ト長調）から元の調（ハ長調）へ戻るとき、その調は上属調（ト長調）からみると下属調（ハ長調）になります。なので、上属調（ト長調）から元の調（ハ長調）へ戻るときは、下属調（ハ長調）に転調すると考え、その下属調（ハ長調）にある｢iv 度の音（ファ）｣をつかうと、スムーズに戻ることができます。同じようにかんがえて下属調（へ長調）から元の調（ハ長調）へ戻るときは、下属調（へ長調）からその上属調（ハ長調）への転調ということになります。つまり、上属調（ト長調）にはなく、その上属調（ハ長調）にある｢vii 度の音（シ）｣をつかうことによって、スムーズに戻ることができます。これらを理解したうえで、 No.60～71 をトレーニングしていきましょう。




No.60 上属調、下属調への転調（ハ長調）


No.60 はハ長調から上属調、下属調への転調です。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・4 小節で上属調（ト長調）に vii 度の音｢ファ＃｣をつかって転調している

・6 小節で上属調（ト長調）から

その下属調でもある元の調（ハ長調）に iv 度の音｢ファ｣をつかって戻っている

・12 小節で下属調（へ長調）に

iv 度の音｢シｂ｣をつかって転調している・13 小節で下属調（ヘ長調）から

その上属調でもある元の調（ハ長調）に vii 度の音｢シ｣をつかって戻っている




No.61 上属調、下属調への転調（ト長調）


No.61 はト長調から上属調、下属調への転調です。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・9 小節で上属調（ニ長調）に vii 度の音｢ド＃｣をつかって転調している

・13 小節で上属調（ニ長調）から

その下属調でもある元の調（ト長調）に iv 度の音｢ド｣をつかって戻っている

・15 小節で下属調（ハ長調）に

iv 度の音｢ファ｣をつかって転調している・17 小節で下属調（ハ長調）から

その上属調でもある元の調（ト長調）に vii 度の音｢ファ＃｣をつかって戻っている




No.62 上属調、下属調への転調（ニ長調）


No.62 はニ長調から上属調、下属調への転調です。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・4 小節で上属調（イ長調）にその vii 度の音｢ソ＃｣をつかって転調している

・6 小節で上属調（イ長調）から

その下属調でもあるニ長調に iv 度の音｢ソ｣をつかって戻っている

・15 小節で下属調（ト長調）に

その iv 度の音｢ド｣をつかって転調している・17 小節で下属調（ト長調）から

その上属調でもある元の調（ニ長調）に vii 度の音｢ド＃｣をつかって戻っている




No.63 上属調、下属調への転調（イ長調）


No.63 はイ長調から上属調、下属調への転調です。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・8 小節で上属調（ホ長調）に

vii 度の音｢レ＃｣をつかって転調している・10 小節で上属調（ホ長調）から

その下属調でもあるイ長調に iv 度の音｢レ｣をつかって戻っている

・2 小節で下属調（ニ長調）に

iv 度の音｢ソ｣をつかって転調している・4 小節で下属調（ニ長調）から

その上属調でもある元の調（イ長調）に vii 度の音｢ソ＃｣をつかって戻っている




No.64 上属調、下属調への転調（ホ長調）


No.64 はホ長調から上属調、下属調への転調です。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・4 小節で上属調（ロ長調）にその vii 度の音｢ラ＃｣をつかって転調している

・5 小節で上属調（ロ長調）から

その下属調でもある元の調（ホ長調）に iv 度の音｢ラ｣をつかって戻っている

・6 小節で下属調（イ長調）に

iv 度の音｢レ｣をつかって転調している・7 小節で下属調（イ長調）から

その上属調でもある元の調（ホ長調）に vii 度の音｢レ＃｣をつかって戻っている





アクセントがずらされていることについても注意しましょう。




No.65 上属調、下属調への転調（ロ長調）


No.65 はロ長調から上属調、下属調への転調です。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・11 小節で上属調（嬰ヘ長調）に vii 度の音｢ミ＃｣をつかって転調している

・16 小節で上属調（嬰ヘ長調）から

その下属調でもある元の調（ロ長調）に iv 度の音｢ミ｣をつかって戻っている

・21 小節で下属調（ホ長調）に

iv 度の音｢ラｂ｣をつかって転調している・23 小節で下属調ホ長調から

その上属調でもある元の調（ロ長調）に vii 度の音｢ラ＃｣をつかって戻っている




No.66 上属調、下属調への転調（嬰ヘ長調）


No.66 は嬰ヘ長調から上属調、下属調への転調です。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・5 小節で上属調（嬰ハ長調）に vii 度の音｢シ＃｣をつかって転調している

・9 小節で上属調（嬰ハ長調）から

その下属調でもある元の調（嬰ヘ長調）に iv 度の音｢シ｣をつかって戻っている

・11、17、19 小節で下属調（ロ長調）に

iv 度の音｢ミ｣をつかって転調している・14、18、21 小節で下属調（ロ長調）から

その上属調でもある元の調（嬰ヘ長調）に vii 度の音｢ミ＃｣をつかって戻っている




No.67 上属調、下属調への転調（変ニ長調）


No.67 は変ニ長調から上属調、下属調への転調です。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・4 小節で上属調（変イ長調）に vii 度の音｢ソ｣をつかって転調している

・6 小節で上属調（変イ長調）から

その下属調でもある元の調（変ニ長調）に iv 度の音｢ソｂ｣をつかって戻っている

・11 小節で下属調（変ト長調）に

iv 度の音｢ドｂ｣をつかって転調している・15 小節で下属調（変ト長調）から

その上属調でもある元の調（変ニ長調）に vii 度の音｢ド｣をつかって戻っている




No.68 上属調、下属調への転調（変イ長調）


No.68 は変イ長調から上属調、下属調への転調です。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・9 小節で上属調（変ホ長調）に vii 度の音｢レ｣をつかって転調している

・12 小節で上属調（変ホ長調）から

その下属調でもある元の調（変イ長調）に iv 度の音｢レｂ｣をつかって戻っている

・5、13 小節で下属調（変ニ長調）に

iv 度の音｢ソｂ｣をつかって転調している・7、14 小節で下属調（変ニ長調）から

その上属調でもある元の調（変イ長調）に vii 度の音｢ソ｣をつかって戻っている




No.69 上属調、下属調への転調（変ホ長調）


（変ホ長調から変ロ長調、ヘ長調へ）

No.69 は変ホ長調から上属調、下属調への転調です。ここでは変ホ長調の上属調（変ロ長調）からその上属調（へ長調）にも転調しています。それから下属調（変ロ長調）に戻り、その下属調である元の変ホ長調へ転調して終わっています。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・5 小節で上属調（変ロ長調）に vii 度の音｢ラ｣をつかって転調している

・7 小節で変ロ長調の上属調（ヘ長調）に

vii 度の音｢ミ｣をつかって転調している・9 小節でヘ長調からその下属調の変ロ長調に

iv 度の音｢ミｂ｣をつかって戻っている・19 小節で上属調（変ロ長調）から

その下属調でもある元の調（変ホ長調）に iv 度の音｢ラｂ｣をつかって戻っている




No.70 上属調、下属調への転調（変ロ長調）


No.70 は変ロ長調から上属調、下属調への転調です。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・9、29 小節で上属調（ヘ長調）に vii 度の音｢ミ｣をつかって転調している

・18、33 小節で上属調（ヘ長調）から

その下属調でもある元の調（変ロ長調）に iv 度の音｢ミｂ｣をつかって戻っている

・22、38 小節で下属調（変ホ長調）に

iv 度の音｢ラ｣をつかって転調している・27、39 小節で下属調変（ホ長調）から

その上属調でもある元の調（変ロ長調）に vii 度の音｢ラｂ｣をつかって戻っている




No.71 上属調、下属調への転調（へ長調）


No.71 はヘ長調から上属調、下属調への転調です。以下の点について確認しながらトレーニングしましょう。

・3 小節で上属調（ハ長調）に vii 度の音｢シ｣をつかって転調している

・5 小節で上属調（ハ長調）から

その下属調でもある元の調（ヘ長調）に iv 度の音｢シｂ｣をつかって戻っている

・5 小節で下属調（変ロ長調）に

iv 度の音｢ミｂ｣をつかって転調している・8 小節で下属調（変ロ長調）から

その上属調でもある元の調（ヘ長調）に vii 度の音｢ミ｣をつかって戻っている




4th Stage おわりに


4th Stage では、 1st～3rd Stage でトレーニングしてきたハ長調の音階をそれ以外の調へ応用する方法を解説、トレーニングしてきました。楽曲でつかわれる｢＃（シャープ）｣や｢ｂ（フラット）｣のほとんどは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」を移調するためにつかわれていたことが理解できたとおもいます。また、そのことを理解することで「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の音程が重要であることにも気づきます。しかし、はじめのうちは、





「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」をさまざまな調に応用するのは、難しく感じるかもしれません。その場合は、まずその調の主音を確認し、主音だけでも意識して演奏、トレーニングしていくのがよいでしょう。そして、それに慣れてからそれ以外の音についても主音から何番目なのかを意識していきましょう。はじめからすべてができる必要はないのです。すこしずつ進めていくようにしましょう。 5th Stage では、短調（マイナー）や半音階を解説、トレーニングしていきます。短調（マイナー）は、長調（メジャー）と比較して解説、トレーニングしていきますのでこれまでトレーニングしてきた内容が十分理解できていれば





長調（メジャー）を理解、トレーニングしてきたよりも効率よく進めていけると思います。また、短調（マイナー）を理解することによって長調（メジャー）についてもさらに理解を深めることができます。比較することによってよりよく理解できることもあるからです。そして、5th Stage が｢Musician Ear Training Secrets｣最後のステージとなります。気を抜かず、最後までやり遂げていきましょう。


-The Fifth Stage-



Musician Ear Training Secrets -The Fifth Stage-





4th Stage までは長調の音階、長音階（メジャー・スケール）をトレーニングしてきました。 5th Stage では、短調の音階、短音階（マイナー・スケール）をトレーニングしていきます。はじめて短音階についてふれますが、いままでトレーニングしてきた長音階（メジャー・スケール）と比較してトレーニングすれば、それほど難しく感じられないとおもいます。なぜなら短音階は長音階の

iii 度｢ミ（3）｣ vi 度｢ラ（6）｣ vii 度｢シ（7）｣

※ハ短調の場合です。この 3 つの音（すべてもしくは一部）に｢ｂ（フラット）｣をつけてつくられているからです。長音階（メジャー・スケール）の音程がしっかりしていればこの 3 つの音に注意すればよいだけなのです。





ハ短調（C moll/C minor）以外の短調についても、トレーニングしていきますが 4th Stage の長調の場合と同様にこれらもまた、基準の音、主音の第 1（i）度をそれぞれの調へシフト（移調）してつくられています。このような理由から、まずはハ短調をしっかりトレーニングし、それ以外はハ短調をシフトしたものとして考えながらトレーニングするのがよいでしょう。ステージの後半では半音階（クロマチック・スケール）、そして臨時記号についてもトレーニングしていきます。これらがマスターできれば、ほとんどの楽曲の音程やリズムを聴き分けたり、楽譜をみて、理解できるようになると思います。そして音楽を理解できればできるほどさらに音楽を楽しめるようになってくるでしょう。それでは最終ステージをはじめていきましょう。




No.72 短音階（マイナー・スケール）


No.72 ではまず短調の音階、短音階（マイナー・スケール）について解説していきます。これまでトレーニングしてきた長音階（メジャー・スケール）はハ長調であらわすと

ド全音レ全音ミ半音ファ全音ソ全音ラ全音シ半音ドといった音階でした。これと比較してハ短調の短音階は、

ド全音レ半音ミｂ全音ファ全音ソ半音ラｂ 3 半音シ半音ドといった音階です。

iii 度｢ミ（3）｣ vi 度｢ラ（6）｣

この 2 つの音を半音さげた音階です。この短音階は主に短調の和音でつかわれる音階なので和声的短音階（ハーモニック・マイナー・スケール）と呼びます。





しかし、これを旋律（メロディ）として歌おうとすると、上行ではラｂ（6）－シ（7）の音程が増 2 度（半音 3 つ分）となりとても歌いにくくなります。また旋律（メロディ）としては主音の i 度へ終止するための導音として長 7 度がほしい。こういった理由から、旋律（メロディ）の短音階として和声的短音階（ハーモニック・マイナー・スケール）の 6 度を半音上げた旋律的短音階（メロディック・マイナー・スケール）がつかわれるようになりました。旋律的短音階（メロディック・マイナー・スケール）（上行）

ド全音レ半音ミｂ全音ファ全音ソ全音ラ全音シ半音ドまた、旋律（メロディ）の短音階でも下行では導音が必要でないこと短 6 度を欠かすことはできないという理由より旋律的短音階（メロディック・マイナー・スケール）でも下行では上行と異なり、6、7 度をともに半音さげた音階がつかわれます。旋律的短音階（メロディック・マイナー・スケール）（下行）

ド全音シｂ全音ラｂ半音ソ全音ファ全音ミｂ半音レ全音ド





まとめると和声的短音階（ハーモニック・マイナー・スケール）は主に和音として使われるときの音階旋律的短音階（メロディック・マイナー・スケール）は旋律（メロディ）として使われるときの音階ということになります。和声的短音階（ハーモニック・マイナー・スケール）

ド全音レ半音ミｂ全音ファ全音ソ半音ラｂ 3 半音シ半音ド旋律的短音階（上行）

ド全音レ半音ミｂ全音ファ全音ソ全音ラ全音シ半音ド旋律的短音階（下行）

ド全音シｂ全音ラｂ半音ソ全音ファ全音ミｂ半音レ全音ドそれでは短音階の予備練習として長音階と比較しながら実際の楽曲をトレーニングしてみましょう。





a)～g) 短音階の予備練習





h) 旋律的短音階の予備練習




No.73 ハ短調（C moll/C minor）


No.73 ではハ短調をトレーニングします。 No.72 でも解説したとおり、ハ短調の音階は以下のようになります。ハ短調の和声的短音階

ド全音レ半音ミｂ全音ファ全音ソ半音ラｂ 3 半音シ半音ドハ短調の旋律的短音階（上行）

ド全音レ半音ミｂ全音ファ全音ソ全音ラ全音シ半音ド

ハ短調の旋律的短音階（下行）

ド全音シｂ全音ラｂ半音ソ全音ファ全音ミｂ半音レ全音ド

それぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





a) 和声的短音階（ハーモニック・マイナー・スケール）

b) 旋律的短音階（メロディック・マイナー・スケール）





c) ハ長調とハ短調の比較 c)では、楽譜上で同じものをハ長調とハ短調で比較します。それぞれメロディにどのような違いがあるかを確認しましょう。まずは、ハ長調を確認します。

i) ハ長調（C dur/C major）





次に、ハ短調を確認します。前ページのハ長調と比較しながらトレーニングしてみましょう。 ii) ハ短調（C moll/C minor）





d)




No.74 ト短調（G moll/G minor）


No.74 ではト短調をトレーニングします。短調も長調のときと同じように主音の i 度の音をシフト（移調）して作られます。ト短調はハ短調の 5 度上（4 度下）の調なのでト短調の音階は以下のようになります。ト短調の和声的短音階

ソ全音ラ半音シｂ全音ド全音レ半音ミｂ 3 半音ファ＃半音ソト短調の旋律的短音階（上行）

ソ全音ラ半音シｂ全音ド全音レ全音ミ全音ファ＃半音ソ

ト短調の旋律的短音階（下行）

ソ全音ファ全音ミｂ半音レ全音ド全音シｂ半音ラ全音ソそれぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





c) ト長調とト短調の比較 No.73 ハ短調でもトレーニングしたように楽譜上で同じものをト長調とト短調で比較します。それぞれメロディにどのような違いがあるかを確認しましょう。まずは、ト長調を確認します。

i) ト長調（G dur/G major）





次に、ト短調を確認します。前ページのト長調と比較しながらトレーニングしてみましょう。

ii) ト短調（G moll/G minor）





d)




No.75 ニ短調（D moll/D minor）


No.75 ではニ短調をトレーニングします。ニ短調の音階は以下のようになります。ニ短調の和声的短音階

レ全音ミ半音ファ全音ソ全音ラ半音シｂ 3 半音ド＃半音レニ短調の旋律的短音階（上行）

レ全音ミ半音ファ全音ソ全音ラ全音シ全音ド＃半音レ

ニ短調の旋律的短音階（下行）

レ全音ド全音シｂ半音ラ全音ソ全音ファ半音ミ全音レそれぞれの音階でつかわれる音を確認し、トレーニングしましょう。







c)





d)




No.76 イ短調（A moll/A minor）


No.76 ではイ短調をトレーニングします。イ短調の音階は以下のようになります。イ短調の和声的短音階

ラ全音シ半音ド全音レ全音ミ半音ファ 3 半音ソ＃半音ライ短調の旋律的短音階（上行）

ラ全音シ半音ド全音レ全音ミ全音ファ＃全音ソ＃半音ラ

イ短調の旋律的短音階（下行）

ラ全音ソ全音ファ半音ミ全音レ全音ド半音シ全音ラそれぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





c)





d)




No.77 ホ短調（E moll/E minor）


No.77 ではホ短調をトレーニングします。ホ短調の音階は以下のようになります。ホ短調の和声的短音階

ミ全音ファ＃半音ソ全音ラ全音シ半音ド 3 半音レ＃半音ミホ短調の旋律的短音階（上行）

ミ全音ファ＃半音ソ全音ラ全音シ全音ド＃全音レ＃半音ミ

ホ短調の旋律的短音階（下行）

ミ全音レ全音ド半音シ全音ラ全音ソ半音ファ＃全音ミそれぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





c)





d)




No.78 ロ短調（H moll/B minor）


No.78 ではロ短調をトレーニングします。ロ短調の音階は以下のようになります。ロ短調の和声的短音階

シ全音ド＃半音レ全音ミ全音ファ＃半音ソ 3 半音ラ＃半音シロ短調の旋律的短音階（上行）

シ全音ド＃半音レ全音ミ全音ファ＃全音ソ＃全音ラ＃半音シ

ロ短調の旋律的短音階（下行）

シ全音ラ全音ソ半音ファ＃全音ミ全音レ半音ド＃全音シそれぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





c)




No.79 嬰ヘ短調（Fis moll/F# minor）


No.79 では嬰ヘ短調をトレーニングします。嬰ヘ短調の音階は以下のようになります。嬰ヘ短調の和声的短音階

ファ＃全音ソ＃半音ラ全音シ全音ド＃半音レ 3 半音ミ＃半音ファ＃嬰ヘ短調の旋律的短音階（上行）

ファ＃全音ソ＃半音ラ全音シ全音ド＃全音レ＃全音ミ＃半音ファ＃

嬰ヘ短調の旋律的短音階（下行）

ファ＃全音ミ全音レ半音ド＃全音シ全音ラ半音ソ＃全音ファ＃それぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





c)




No.80 嬰ハ短調（Cis moll/C# minor）


No.80 では嬰ハ短調をトレーニングします。嬰ハ短調の音階は以下のようになります。嬰ハ短調の和声的短音階

ド＃全音レ＃半音ミ全音ファ＃全音ソ＃半音ラ 3 半音シ＃半音ド＃嬰ハ短調の旋律的短音階（上行）

ド＃全音レ＃半音ミ全音ファ＃全音ソ＃全音ラ＃全音シ＃半音ド＃

嬰ハ短調の旋律的短音階（下行）

ド＃全音シ全音ラ半音ソ＃全音ファ＃全音ミ半音レ＃全音ド＃それぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





c)




No.81 嬰ト短調（Gis moll/G# minor）


No.81 では嬰ト短調をトレーニングします。嬰ト短調の音階は以下のようになります。嬰ト短調の和声的短音階

ソ＃全音ラ＃半音シ全音ド＃全音レ＃半音ミ 3 半音ファ＃＃半音ソ＃嬰ト短調の旋律的短音階（上行）

ソ＃全音ラ＃半音シ全音ド＃全音レ＃全音ミ＃全音ファ＃＃半音ソ＃

嬰ト短調の旋律的短音階（下行）

ソ＃全音ファ＃全音ミ半音レ＃全音ド＃全音シ半音ラ＃全音ソ＃それぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





c)




No.82 変イ短調（As moll/Ab minor）


No.82 では変イ短調をトレーニングします。変イ短調の音階は以下のようになります。変イ短調の和声的短音階

ラｂ全音シｂ半音ドｂ全音レｂ全音ミｂ半音ファｂ 3 半音ソ半音ラｂ変イ短調の旋律的短音階（上行）

ラｂ全音シｂ半音ドｂ全音レｂ全音ミｂ全音ファ全音ソ半音ラｂ

変イ短調の旋律的短音階（下行）

ラｂ全音ソｂ全音ファｂ半音ミｂ全音レｂ全音ド b 半音シｂ全音ラｂそれぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





c)




No.83 変ホ短調（Es moll/Eb minor）


No.83 では変ホ短調をトレーニングします。変ホ短調の音階は以下のようになります。変ホ短調の和声的短音階

ミｂ全音ファ半音ソｂ全音ラｂ全音シｂ半音ドｂ 3 半音レ半音ミｂ変ホ短調の旋律的短音階（上行）

ミｂ全音ファ半音ソｂ全音ラｂ全音シｂ全音ド全音レ半音ミｂ

変ホ短調の旋律的短音階（下行）

ミｂ全音レｂ全音ドｂ半音シｂ全音ラｂ全音ソ b 半音ファ全音ミｂそれぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





c)




No.84 変ロ短調（B moll/Bb minor）


No.84 では変ロ短調をトレーニングします。変ロ短調の音階は以下のようになります。変ロ短調の和声的短音階

シｂ全音ド半音レｂ全音ミｂ全音ファ半音ソｂ 3 半音ラ半音シｂ変ロ短調の旋律的短音階（上行）

シｂ全音ド半音レｂ全音ミｂ全音ファ全音ソ全音ラ半音シｂ

変ロ短調の旋律的短音階（下行）

シｂ全音ラｂ全音ソｂ半音ファ全音ミｂ全音レ b 半音ド全音シｂそれぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





c)




No.85 ヘ短調（F moll/F minor）


No.85 ではヘ短調をトレーニングします。ヘ短調の音階は以下のようになります。ヘ短調の和声的短音階

ファ全音ソ半音ラｂ全音シｂ全音ド半音レｂ 3 半音ミ半音ファヘ短調の旋律的短音階（上行）

ファ全音ソ半音ラｂ全音シｂ全音ド全音レ全音ミ半音ファ

ヘ短調の旋律的短音階（下行）

ファ全音ミｂ全音レｂ半音ド全音シｂ全音ラ b 半音ソ全音ファそれぞれの音階でつかわれる音を確認しトレーニングしましょう。





c)




No.86 半音階（クロマティック・スケール）


半音階（クロマティック・スケール）は、すべて半音の音程で並べられた音階です。そして半音は長音階、短音階の最小単位となります。つまり、これまでトレーニングしてきた音程はすべて半音が組み合わさってつくられた音程なのです。そういった理由から半音の音程をしっかりとれるようになれば、他の音程もとりやすくなります。たとえば、完全 4 度音程は半音 5 つ分なので、半音を 5 つ数えることでわかります。完全 5 度音程は半音 7 つ分なので、半音を 7 つ数えることでわかります。半音の距離が狭くも広くもなりすぎないように注意してトレーニングしましょう。





a)





b)





c)

d)





e)

f)




No.87 臨時記号

No.87 臨時記号

これまでのトレーニング楽曲では、その調に応じて｢＃（シャープ）｣、｢ｂ（フラット）｣がつき、音程が変化していました。しかし楽曲によっては、ただ旋律（メロディ）をより豊かにするために音程を半音あげたり（シャープ）、半音さげたり（フラット）することがあります。そのように、その調にない音程を一時的につかいたい場合には、臨時記号をつかって表現します。 No.87 では臨時記号がつかわれた楽曲をトレーニングします。臨時記号のついた音符の音程はその調にない音なので音程をとるのが難しくなりますが、しっかりその音程をイメージし、トレーニングしましょう。




No.87 臨時記号

a)




No.87 臨時記号

b)




おわりに

おわりに

コールユーブンゲンを使ったイヤー・トレーニング｢Musician Ear Training Secrets｣はいかがでしたか？「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」からはじまり、さまざまな長調、短調、そして半音階などをトレーニングしてきました。難しく感じられたかもしれませんし、スラスラと進められたかもしれません。しかし、最後までトレーニングを進められたあなたは普段聴いている、演奏している楽曲で使われている音程やリズムが知らず知らずのうちに理解できるようになっていることに気づかれていると思います。多くの楽曲は、これまでトレーニングしてきた音程やリズムを組み合わせて作られています。これからはあなたの好きな楽曲、演奏してみたい楽曲に挑戦してみてください。それらがどのようにつくられているのかを分析、確認してみてください。




おわりに

そして、途中で分からなくなってきたり、あいまいになってきたりしたときには、基本に振り返り｢Musician Ear Training Secrets｣を見直してみてください。聴いたり、演奏したり楽しむことを目的とした楽曲。そして、コールユーブンゲンのようなトレーニングを目的とした楽曲。それぞれを繰り返しトレーニングすることでさらに音楽家、ミュージシャンの耳に磨きがかかってくると思います。音楽に終わりはありません。さらに、いま以上に音楽を楽しめるようこれからも音楽を学び続けていきましょう。あなたのご健闘をお祈りします。

musician - ear trainingeartraining.jp/chrbngn/text/chorubungen.pdf『musician ear training...

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