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News Clipping (ダビング 10 問題)
岸本 和也
ダビング 1 0 とは? ダビング10 ・・・ DVD レコーダーなどのハードディスク(HD)に録画した地上デジタル
放送(以下地デジ)の番組の複製回数を、従来の「1回のみ」(コピーワンス)から9回に緩和するルール。
2008/05/02, 日本経済新聞 朝刊 より
放送波に信号フラグを付けることによって、レコーダーに地デジの無料放送か有料放送( WOWOW など)かを判別させる。
何故ダビング10の開始が遅れるのか
信号フラグ導入に伴う電波の変更、テレビ・レコーダー本体のシステム変更が必要。
→変更のため、前もってコピーワンスからダビング10に切り替わる
「 X デー」を決める必要がある。
→ 「 X デー」は 2008 年 6 月 2 日午後 4 時の予定であったが確定せず、
先送りになる見通し。
「 X デー」が先送りになる理由
→私的録画の補償金をめぐる、コンテンツ権利者と JEITA (電機メーカーによる団体)との対立のため。
補償金とは?
私的録音録画補償金
・・・ 著作権法では映画・音楽などの著作物を個人で楽しむための私的コピーを合法としている。しかし、 DVD への録画などのデジタル記憶コンテンツについては何度でも劣化しないでダビングが出来るため、私的複製であっても消費者は補償金を著作権者に支払うことになっている。
例えば、 CD-R や DVD-R などの記録メディアを購入するときに補償金を上乗せして払っている。
(コピープロテクションが未発達であった 1992 年にできた制度であり、現時点ではハードディスクやブルーレイは含まれていない。)
補償金をめぐる両者の意見
コンテンツ権利者
→地デジの無料放送の録画を補償金の対象とするのならば、
コピーワンスを緩和して、ダビング10にしてもいい。
JEITA (電機メーカーによる団体)
→補償金はコピープロテクションが未発達の時代の制度であるから、
ダビング10で制限をかけることによって、補償金は不要。
※放送事業者
→コンテンツ権利者寄り
(自分たちが持っているコンテンツを積極的に二次・三次利用するために補償金を重視。)
両者の意見の対立 p a rt 2
電機メーカー
→本来は(欧米で主流の) EPN を採用したかった。
※ EPN :事実上無制限にコピーできるが、録画データは暗号化され、再生
は専用の暗号鍵を持った機器でのみ許され、ネット上にアップ
ロードされにくい。
コンテンツ権利者
→無制限のコピーを嫌う。
こうした中で、総務省の諮問機関である情報通信審議会内のワーキンググ
ループによって、妥協案として、コピーワンスからダビング10への変更案が
提示された。
論点 ①私的録音録画補償金はダビング10に必要か。
②デジタル著作権管理の方式はダビング10で良かったのか。
③今回のような消費者にしわ寄せが来る事態を避けるにはどうすればよいか。
参考文献 デジタル放送コピーワンス改善策「ダビング 10 」の運用開始が事実上延期に
http://trendy.nikkeibp.co.jp/articそしてle/pickup/20080425/1009960/
なぜダビング 10 は暗礁に乗り上げたのか?
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20080430/1010027/ 6 月 2 日の「ダビング 10 」放送開始,予定が確定に変わるのはいつか
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080421/299669/?ST=broadcast ダビング 10 とネット TV,そして ICT国際競争力http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20080422/299782/ シンポジウム「ダビング 10 について」のご報告
http://miau.jp/1200619927.phtmlダビング 10 の向こうに光は見えるのか
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0711/08/news005.html