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NEC iStorage T30A による
System Center 2012 Data Protection Manager の活用
ステップバイステップガイド
発行日: 2012 年 5 月 10 日
概要
このホワイトペーパーでは、Microsoft System Center 2012 Data Protection Manager(DPM
2012)による Hyper-V 仮想マシンのテープへのバックアップと回復の手順をステップバイス
テップ形式で解説します。なお、テープライブラリとして NEC iStorage T30A を使用します。
目次
1. システム構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
2. DPM 2012 のインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
3. ドライバのインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
4. 保護エージェントのインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
5. 記憶域プールへのディスクの追加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
6. ライブラリの認識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20
7. テープの追加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
8. 不明なテープの識別・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
24
9. 空きのテープとしてマーク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
26
10. 保護グループの作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
28
11. データコロケーションの有効化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
36
12. 回復ポイントの手動作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
38
13. テープの一覧の表示・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
40
14. ジョブとアラートの確認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
41
15. データの回復・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
16. 整合性チェックの実行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
47
17. テープカタログの保有期間の指定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
49
18. インポートしたテープの再カタログ化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
51
19. ドライブのクリーニング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
54
20. レポートの確認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
57
付録. DPM 2012 における仮想マシンの保護・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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2
1. システム構成
本ステップバイステップを実行するためには、以下の 3 台の PC の準備が必要です。なお、
すべての PC には、Windows Server 2008 R2 がインストールされており、Active Directory ドメ
インへ参加しているものとします。
●ドメインコントローラー
この PC には、Active Directory ドメインサービスの役割が追加されており、ドメインコント
ローラーとして機能しています。
●Hyper-V ホスト
この PC には、Hyper-V の役割が追加されており、任意の仮想マシンが作成され、実行されて
います。
●DPM サーバー
この PC には、システムドライブとは別の空きハードディスクが 1 台とライブラリとして
NEC iStorage T30A が接続されています(ライブラリの電源はオフにしておきます)。なお 、
DPM 2012 のソフトウェア自体はステップバイステップ手順でインストールをおこなうため、
現時点では Windows Server 2008 R2 のみがインストールされています。
3
4
ステップバイステップ実行のために、Windows Server 2008 R2 と Data Protection Manager
2012 の評価版を使用することもできます。両製品の評価版は、次の URL よりダウンロード
可能です。
●Microsoft プライベート クラウドの評価版ソフトウェアのダウンロード
http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/hh505660
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2. DPM 2012 のインストール
DPM サーバーとなる Windows Server 2008 R2 コンピューターに DPM 2012 をインストール
します。
すべての手順は、DPM サーバーにドメイン管理者でログオンしておこないます。
1. DPM 2012 のセットアップ DVD の<\SCDPM\setup.exe>をダブルクリックします。
DPM 2012 の評価版の場合、<SCDPM.EVAL\setup.exe>をダブルクリックします。
2. [Data Protection Manager のセットアップ画面]が表示されます。[インストール]→
[Data Protection Manager]をクリックします。
3. [マイクロソフトソフトウェアライセンス条項]が表示されます。[ライセンス条項およ
び条件に同意する]をチェックし、[OK]ボタンをクリックします。
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DPM サーバーに Visual C++ 2008 再頒布可能パッケージと.NET Framework 3.51 Service
Pack1 がインストールされていない場合、両方のコンポーネントが自動的にインストールさ
れます。
4. [Data Protection Manager のセットアップ]の[ようこそ]が表示されます。[次へ]ボ
タンをクリックします。
5. [前提条件の確認]が表示されます。[SQL Server の専用インスタンスを使用する]を選
択し[確認してインストール]ボタンをクリックします。
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6. [前提条件の確認]の[不足している前提条件(SISFilter)がインストールされました]
が表示されます。[キャンセル]ボタンをクリックします。
DPM サーバーを再起動し、もう一度、手順 1 から手順 5 を繰り返します。
7. [次へ]ボタンをクリックします。
8. [製品登録]が表示されます。[ユーザー名]、[会社名]、[プロダクトキー]を入力
し、[次へ]ボタンをクリックします。
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9. [インストールの設定]が表示されます。[次へ]ボタンをクリックします。
既定では、DPM 2012 のデータベースの専用インスタンスとして、SQL Server 2008 R2 がイ
ンストールされます。
10. [セキュリティの設定]が表示されます。[パスワード]と[パスワードの確認入力]に
任意のパスワードを入力し、[次へ]ボタンをクリックします。
入力するパスワードは Active Directory のパスワードポリシーの条件を満たしている必要があ
ります。
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11. [Microsoft Update のオプトイン]が表示されます。Microsoft Update による更新の有無を
選択し、[次へ]ボタンをクリックします。
12. [カスタマーエクスペリエンス向上プログラム]が表示されます。カスタマーエクスペリ
エンス向上プログラムへの参加の有無を選択し、[次へ]ボタンをクリックします。
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13. [設定の概要]が表示されます。[インストール]ボタンをクリックします。
DPM 2012 がインストールされます。
14. [インストール]の[Data Protection Manager のインストールは、正常に完了しました]
が表示されます。[閉じる]ボタンをクリックします。
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3. ドライバのインストール
DPM 2012 で NEC iStorage T30A を使用するには、NEC メディアチェンジャドライバのイン
ストールが必要です。NEC メディアチェンジャドライバをインストールすることで、T30A の
ライブラリを正しく認識することができます。
iStorage T30A、T60A 用の NEC メディアチェンジャドライバの入手方法については、NEC
の担当営業、または NEC プラットフォーム販売本部(電話:03-3798-9740)に問い合わせをお
願いします。
DPM サーバーと NEC iStorage T30A が SAS(Serial Attached SCSI)ケーブルで接続されて
いる場合、DPM サーバーの SAS カードのドライバのバージョンを 2.0.35.0 以上に更新して
おく必要があります。ドライバのバージョンが古い場合、SAS カードの添付 CD からドライ
バをインストールしてください。
1. NEC メディアチェンジャドライバのセットアッププログラムを実行します。今回は
<NECMCD_1_0_52>を実行します。
2. [ NEC Media Changer Driver ] の [ Welcome to the NEC Media Changer Driver Setup
Wizard]が表示されます。[Next]ボタンをクリックします。
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3. [Confirm Installation]が表示されます。[Next]ボタンをクリックします。
NEC メディアチェンジャドライバがインストールされます。
4. [インストールが完了した後で、デバイスをこのコンピューターに接続してください]が
表示されます。[OK]ボタンをクリックします。
5. [Installation Complete]が表示されます。[Close]ボタンをクリックします。
ライブラリの電源をオンにします。
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4. 保護エージェントのインストール
DPM 2012 を使用して、サーバーまたはクライアントのデータを保護するには、各 PC に
DPM のエージェントプログラムである「保護エージェント」をインストールしておく必要があ
ります。保護エージェントは、Windows XP、Windows Vista、Windows 7、Windows Server
2003、Windows Server 2008 の各 PC にインストール可能です。
1. デスクトップの[Microsoft System Center 2012 Data Protection Manager]をダブルクリッ
クします。
2. [DPM 管理者コンソール]が起動します。左下ペインの[管理]をクリックします。
[DPM 管理者コンソール]はローカルの Administrators グループのメンバーとなっているド
メインアカウントのみが操作できます。
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3. [管理]が表示されます。左上ペインの[エージェント]をクリックし、リボンの[イン
ストール]をクリックします。
リボンとは、画面上部のツールバーのことです。
4. [保護エージェントのインストールウィザード]の[エージェントの展開方法の選択]が
表示されます。[エージェントのインストール]を選択し、[次へ]ボタンをクリックし
ます。
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5. [コンピューターの選択]が表示されます。[コンピューター名]の一覧から[<保護エー
ジェントをインストールする PC>]を選択し、[追加]ボタン、[次へ]ボタンの順にク
リックします。今回は、Hyper-V ホストを選択します。
複数の PC を選択し、まとめて保護エージェントをインストールすることもできます。
6. [資格情報の入力]が表示されます。[ユーザー名]と[パスワード]にドメイン管理者
の資格情報を入力し、[次へ]ボタンをクリックします。
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7. [再起動方法の選択]が表示されます。[いいえ。選択したコンピューターを後で再起動
します]を選択し、[次へ]ボタンをクリックします。
保護エージェントをインストールする PC が Windows Server 2008(および R2)の場合、再
起動はおこなわれません。
8. [概要]が表示されます。[インストール]ボタンをクリックします。
保護エージェントがインストールされます。
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9. [インストール]が表示されます。[タスクの結果]に[成功]が表示されたら[閉じ
る]ボタンをクリックします。
10. 右上ペインに保護エージェントがインストールされた PC の情報が表示されます。
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5. 記憶域プールへのディスクの追加
バックアップデータをディスクに保存するには、ディスクを記憶域プールへ追加する必要が
あります。記憶域プールに追加できるディスクは、空のディスクまたはデータボリュームを含
むディスクです。システムボリュームまたは DPM インストールボリュームを含むディスクは
追加できません。なお、データボリュームを含むディスクを追加した場合は、ディスク内の未
使用領域のみが使用されるため、既存のデータボリュームは維持されます。
記憶域プールに追加できるディスクの種類は、IDE、SATA、SCSI などの DAS(Direct
Attached Storage)ディスクまたはファイバチャネル(FC)、iSCSI などの SAN(Storage
Area Network)ディスクです。USBや IEEE1394 などのリムーバブル型のディスクは追加で
きません。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[管理]をクリックします。
2. [管理]が表示されます。左上ペインの[ディスク]をクリックし、リボンの[追加]を
クリックします。
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3. [記憶域プールへのディスクの追加]が表示されます。[利用可能なディスク]の一覧か
ら記憶域プールへ追加するディスクを選択し、[追加]ボタン、[ OK]ボタンの順にク
リックします。
記憶域プールへディスクが追加されます。
4. 追加したディスクが基本ディスク(ベーシックディスク)の場合、[選択されたディスク
はダイナミックディスクに変換され、これらのディスク上にある既存ボリュームはシンプ
ルボリュームに変換されます]が表示されます。[はい]ボタンをクリックします。
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5. 右上ペインに記憶域プールに追加したディスクの情報が表示されます。
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6. ライブラリの認識
DPM サーバーに接続された新しいライブラリは、再スキャンをおこなうことで調査され、認
識されます。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[管理]をクリックします。
2. [管理]が表示されます。左上ペインの[ライブラリ]をクリックし、リボンの[再ス
キャン]をクリックします。
3. [再スキャンを続行しますか?]が表示されます。[はい]ボタンをクリックします。
ライブラリが再スキャンされます。
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4. [再スキャン操作は正常に完了しました]が表示されます。[OK]ボタンをクリックしま
す。
5. 右上ペインにライブラリの情報が表示されます。
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7. テープの追加
バックアップに使用するテープカートリッジ(テープ)はライブラリのドアを開き、マガジ
ンに挿入します。ただし、ライブラリドアは既定でロックされているため、DPM 2012 でロッ
クを解除し、ライブラリ本体の[アンロック]ボタンを押さなければ開きません。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[管理]をクリックします。
2. [管理]が表示されます。左上ペインの[ライブラリ]をクリックし、右上ペインの[<ラ
イブラリ名>]を選択し、リボンの[ドアのロックの解除]をクリックします。
3. [テープライブラリのドアをロック解除しますか?]が表示されます。[はい]ボタンを
クリックします。
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4. [テープライブラリのドアが正常にロック解除されました]が表示されます。[OK]ボタ
ンをクリックします。
ライブラリドアのロックが解除されます。T30A の場合、次にライブラリ本体のオペレー
ターパネルを操作して、ライブラリ本体にログインし、[アンロック]ボタンを押して、ド
アを開きます。テープをマガジンに挿入したらドアを閉めます。ドアを閉めると自動的にラ
イブラリドアはロックされます。
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8. 不明なテープの識別
ライブラリに追加したクリーニングテープ以外のテープは既定で「不明のテープ」となりま
す。不明のテープの内容を確認するには、[不明なテープの識別]をおこないます。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[管理]をクリックします。
2. [管理]が表示されます。左上ペインの[ライブラリ]をクリックし、右上ペインの[<ラ
イブラリ名>]→[スロット]→[<スロット名>]を選択し、リボンの[識別]をクリッ
クします。
不明なテープが識別されます。別の DPM サーバーで作成したテープのラベルには[イン
ポート済み]、DPM サーバーで作成されていないテープまたは空のテープは[認識できませ
ん]、識別情報が競合したテープは[未確認]と表示されます。
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3. 右上ペインに識別したテープの情報が表示されます。
すべてのテープの情報を更新するには、ライブラリのインベントリを実行します。ライブラ
リのインベントリでは、各テープのバーコード情報のみを読み取る高速インベントリまたは
各テープの識別をおこなう詳細インベントリが選択できます。
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9. 空きのテープとしてマーク
DPM 2012 のバックアップは、空きのテープに対しておこなわれます。同じ DPM サーバーで
使用したテープで期限切れのものは自動的に再利用されますが、それ以外のテープは、空きの
テープとしてマークしなければ、バックアップで使用することができません。なお、不明な
テープは空きのテープとしてマークできないため、あらかじめテープの識別をおこないます。
空きのテープとしてマークしても、テープの内容は消去されません。機密情報や重要情報を
含むテープの場合は、テープの消去をおこなってください。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[管理]をクリックします。
2. [管理]が表示されます。左上ペインの[ライブラリ]をクリックし、右上ペインの[<ラ
イブラリ名>]→[スロット]→[<スロット名>]を選択し、リボンの[空きテープとし
てマーク]をクリックします。
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3. [選択したテープに空きのマークを付けますか?]が表示されます。[はい]ボタンをク
リックします。
空きテープとしてマークされます。
4. 右上ペインに空きのテープの情報が表示されます。
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10. 保護グループの作成
データを保護するには、保護グループを作成します。保護グループには、保護するデータ
ソース(ボリューム、SQL データベース、Hyper-V 仮想マシンなど)、データのバックアップ
先(ディスクまたはテープ)、保護のスケジュールやオプションなどが含まれます。 DPM
2012 では、この保護グループ単位で保護するデータを管理、整理します。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[保護]をクリックします。
2. [保護]が表示されます。リボンの[新規]をクリックします。
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3. [新しい保護グループの作成]の[新しい保護グループウィザードの開始]が表示されま
す。[次へ]ボタンをクリックします。
4. [保護グループの種類の選択]が表示されます。保護する PC の種類を選択し、[次へ]
ボタンをクリックします。今回は[サーバー]を選択します。
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5. [グループメンバーの選択]が表示されます。保護するデータをチェックし、[次へ]ボ
タンをクリックします。今回は[<ドメイン名>]→[<ホスト名>]→[Hyper-V]→[<仮
想マシン名>]をチェックします。
Hyper-V ホストに保護エージェントをインストールし、仮想マシンをバックアップする方法
を「ホストレベル保護」といいます。ホストレベル保護の詳細については、[付録.DPM
2012 による仮想マシンの保護]を参照してください。
6. [データの保護方法の選択]が表示されます。データのバックアップ先を選択し、[次
へ]ボタンをクリックします。今回は[次を使用して短期的な保護を行う]をチェックし
て、[ディスク]を選択します。また、[テープを使用して長期的な保護を行う]を
チェックします。
DPM 2012 では短期的な保護と長期的な保護を組み合わせてバックアップをおこなうことが
できます。今回は、D2D2T(ディスクツーディスクツーテープ)のバックアップをおこない
ます。
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7. [短期的な目標値の指定]が表示されます。短期的な保護の保有期間とスケジュールを指
定し[次へ]ボタンをクリックします。今回は既定のままにします。
既定の保有期間は 5 日間です。また、バックアップは毎日おこない、時間は 18 時です。
8. [ディスクの割り当ての確認]が表示されます。保護グループに掘り当てる記憶域プール
のサイズを指定し[次へ]ボタンをクリックします。今回は既定のままにします。
既定では、バックアップデータの現在のサイズに基づき、記憶域プールのサイズを決定しま
す。
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9. [長期的な目標の選択]が表示されます。長期的な保護の保有期間とスケジュールを指定
し[次へ]ボタンをクリックします。今回は既定のままにします。
既定の保有期間は 3 か月です。また、バックアップは週単位と月単位でおこない、時間は週
単位が土曜日の 12 時、月単位が 1 日の 12 時です。
10. [ライブラリとテープの詳細の選択]が表示されます。使用するライブラリとドライブ、
テープのオプション(暗号化と圧縮の有無)を指定し、[次へ]ボタンをクリックします。
今回は既定のままにします。
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11. [レプリカの作成方法の選択]が表示されます。レプリカを作成する方法(自動または手
動)、さらに自動の場合はスケジュールを指定し、[次へ]ボタンをクリックします。今
回は既定のままにします。
12. [整合性チェックオプション]が表示されます。不整合が発生したレプリカの整合性を確
認し、修正する整合性チェックを実行するスケジュールを指定し、[次へ]ボタンをク
リックします。今回は既定のままにします。
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13. [概要]が表示されます。[グループの作成]ボタンをクリックします。
保護グループが作成されます。
14. [状態]が表示されます。[タスクの結果]が[成功]が表示されたら[閉じる]ボタン
をクリックします。
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15. 右上ペインに保護グループの情報が表示されます。
保護グループのスケジュールに従い、データがバックアップされます。個々のバックアップ
されたデータは、回復ポイントと呼ばれます。回復ポイントは、バックアップされる度に増
え、保有期間が切れるまで保持されます。
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11. データコロケーションの有効化
通常、保護グループごとに専用のテープが準備され、バックアップデータが格納されますが 、
データコロケーション(併置)を有効化すると、1 本のテープに複数の保護グループのバック
アップデータを格納することができます。容量の小さい保護グループが多数ある場合、データ
コロケーションにより、使用するテープの数を大幅に減らすことが可能です。
データを同じテープに併置するには、次の制約事項があります。
・保護グループの保有期間が同じ
・データセットの暗号化の有無が同じ
・資格情報コンテナが同じ
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[管理]をクリックします。
2. [管理]が表示されます。左上ペインの[ライブラリ]をクリックし、リボンの[使用の
最適化]をクリックします。
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3. [テープ最適化のセットアップ]の[テープ最適化]が表示されます。[作成]ボタンをク
リックします。
4. [新しいコロケーションセットの作成]が表示されます。[セット名]を入力し、保護グルー
プを選択して[OK]ボタンをクリックします。
テープのデータコロケーションが有効化されます。
5. [閉じる]ボタンをクリックします。
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12.回復ポイントの手動作成
DPM 2012 では、保護グループのスケジュールとは別に、管理者が手動で回復ポイントを作
成することができます。例えば、最も新しい回復ポイントからデータを回復する必要がある場
合、手動で回復ポイントを作成します。
このステップが実行するには、ステップ 10「保護グループの作成」のディスクへの回復ポイ
ントの作成が完了している必要があります。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[保護]をクリックします。
2. [保護]が表示されます。右上ペインの[<保護グループ名>]→[<Hyper-V ホスト名>]
→[<仮想のマシン名>]を選択し、リボンの[回復ポイント]をクリックします。
3. [回復ポイントの作成]が表示されます。作成する回復ポイントの対象(短期的な保護ま
たは長期的な保護)を選択し、[OK]ボタンをクリックします。今回は[長期的なテープ
の保護]を選択します。
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仮想マシンについては、高速完全バックアップのみがサポートされているため、[回復ポイ
ントの作成オプション]は変更できません。
4. [回復ポイントの作成]が表示されます。[タスクの結果]に[成功]が表示されたら
[閉じる]ボタンをクリックします。
回復ポイントが作成されます。
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13. テープの一覧の表示
DPM 2012 ではバックアップで使用するテープ(スロット)を指定することはできません。
バックアップの開始時、自動的に空きのテープから任意のテープが選択されるからです。ただ
し、バックアップで使用したテープは[DPM 管理者コンソール]で確認できます。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[保護]をクリックします。
2. [保護]が表示されます。右上ペインの[<保護グループ名>]を選択し、リボンの[テー
プの表示]をクリックします。
3. [テープの一覧の表示]が表示されます。[閉じる]ボタンをクリックします。
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14. ジョブとアラートの確認
[DPM 管理者コンソール]の[監視]では、DPM 2012 が実行するタスクを[ジョブ]で、
DPM 2012 で発生した問題点を[アラート]で確認することができます。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[監視]をクリックします。
2. [監視]が表示されます。左上ペインの[すべてのアラート]をクリックします。
3. 右上ペインにアラートの情報が表示されます。
アラートには、「アクティブ」という概念があります。アクティブなアラートとはまだ、問
題が解決されていないアラートのことです。問題が発生するとアクティブなアラートが生成
され、問題が解決すると自動的に非アクティブなアラートになります(リボンの[アラート
を非アクティブにする]をクリックして手動で非アクティブ化することも可能です)。既定
で[アラート]には、アクティブなアラートのみが表示されます。非アクティブなアラート
も表示したい場合は、[非アクティブなアラートの表示]をチェックします。
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4. 左上ペインの[既定のフィルター]→[すべてのジョブ]をクリックします。
5. 右上ペインにジョブの情報が表示されます。
[既定フィルター]から[すべてのジョブが進行中]、[今日のジョブ]、[昨日と今日の
失敗したジョブ]を選択し、表示されるジョブをフィルタリングすることもできます。ま
た、カスタムフィルターを作成することも可能です。
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15. データの回復
DPM 2012 でバックアップしたデータは、ディスクまたはテープの回復ポイントを使って、
回復することができます。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[回復]をクリックします。
2. [回復]が表示されます。左上ペインの[回復可能なデータ]→[<ドメイン名>]→[<ホ
スト名>]→[保護されるすべての Hyper-V データ]を選択し、右下ペインの[<仮想マシ
ン名>]を選択します。右上ペインの[<回復ポイントの日付と時刻>]を選択し、リボン
の[回復]をクリックします。
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3. [回復ウィザード]の[回復の選択の確認]が表示されます。[次へ]ボタンをクリック
します。
4. [回復の種類の選択]が表示されます。回復の種類を選択し[次へ]ボタンをクリックし
ます。今回は[元のインスタンスに回復する]を選択します。
回復の種類 内容
元のインスタンスに回復する元の Hyper-V ホストに仮想マシンを回復します。回復処理
が終了した後も、仮想マシンの高可用性が保証されます。
仮想マシンとして任意のホス
トに回復する
別の場所への回復(ALR : Alternate Location Recovery)に
より、仮想マシンを別の Hyper-V ホストへシームレスに回復
します。
ネットワークフォルダーにコ
ピーする
仮想マシンを構成するファイルを保護エージェントがイン
ストールされた PC の任意のフォルダに回復します。
テープにコピーする 仮想マシンを構成するファイルをテープにコピーします。
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5. [回復オプションの指定]が表示されます。回復オプションを指定し[次へ]ボタンをク
リックします。今回は既定のままとします。
6. [概要]が表示されます。[回復]ボタンをクリックします。
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仮想マシンが回復されます。
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7. [回復状態]が表示されます。[回復状態]の[成功]が表示されたら[閉じる]ボタン
をクリックします。
DPM 2012 では、Hyper-V の仮想マシンを仮想マシン単位でバックアップし、さらに仮想マ
シン(を構成する仮想ハードディスク内)のファイル単位で回復することができます。これ
を項目レベルの回復(ILR : Item Level Recovery)といいます。
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16. 整合性チェックの実行
整合性チェックとは、整合性チェック付きの同期のことです。整合性チェックを実行すると、
保護されたボリュームとレプリカボリューム間の不整合を検出し修正します。仮想マシンの回
復後、レプリカボリュームは保護されたボリュームと整合性がなくなるため、整合性チェック
は必須です。
保護グループが不整合の場合、回復ポイントを作成することはできません。必ず、整合性
チェックの実行をおこなってください。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[保護]をクリックします。
2. [保護]が表示されます。右上ペインの[<保護グループ名>]を選択し、リボンの[整合
性チェック]をクリックします。
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3. [整合性チェックを実行しますか?]が表示されます。[はい]ボタンをクリックします。
整合チェックが実行されます。
4. 右上ペインの保護グループの情報が更新されます。
保護グループのオプションにより、整合性チェックの実行を、レプリカが不整合になった場
合に自動的におこなったり、スケジュールに従って毎日実行したりすることもできます。
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17. テープカタログの保有期間の指定
DPM 2012 は、テープに格納されたデータに関する情報を DPM データベースに記録します。
これを「テープカタログ」といいます。テープカタログはデータを回復する際に参照されます。
通常、保護グループを作成し、バックアップをおこなうタイミングでテープカタログが作成、
更新され、保護グループの保有期限が切れるタイミングでテープカタログが消去されます。な
お、保護グループの保有期限が切れる前にテープカタログを消去することも可能です。これは 、
DPM データベースのサイズ縮小に役立ちます。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[保護]をクリックします。
2. [保護]が表示されます。リボンの[テープカタログの保有期間]をクリックします。
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3. [テープカタログの保有期間]が表示されます。テープカタログの保有期間を設定し、
[OK]ボタンをクリックします。
テープカタログの保存期間は DPM サーバー単位で設定します。
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18. インポートしたテープの再カタログ化
別の DPM サーバーでバックアップしたテープのデータを回復するには、再カタログ化をお
こないます。再カタログ化は、DPM サーバーを再インストールした場合にも有効です。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[管理]をクリックします。
2. [管理]が表示されます。左上ペインの[ライブラリ]をクリックします。
3. 右上ペインの[<ライブラリ名>]→[スロット]→[<スロット名>]を選択し、リボンの
[再カタログ化]をクリックします。
不明のテープに対しては、再カタログ化はおこなえません。事前にテープを識別しておく必
要があります。
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4. [再カタログ操作を続行しますか?]が表示されます。[はい]ボタンをクリックします。
インポートしたテープが再カタログ化されます。
5. 右上ペインに再カタログ化されたテープの情報が表示されます。
58
再カタログ化されたテープでは、テープ内容の表示からデータをコピーし、回復することが
できます。
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19. ドライブのクリーニング
テープドライブをクリーニングするには、ライブラリにクリーニングテープを挿入した上で、
クリーニングテープとしてマークし、クリーニングジョブを実行します。クリーニングの頻度
は、ハードウェア製造元の推奨事項に従います(NEC iStorage T30A の場合、1ヶ月に 1 回また
は 100 時間に 1 回を目処に実施します)。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[管理]をクリックします。
2. [管理]が表示されます。左上ペインの[ライブラリ]をクリックします。
3. 右上ペインの[<ライブラリ名>]→[スロット]→[<スロット名>]を選択し、[クリー
ニングテープとしてマーク]をクリックします。
バーコードが「CLN」で始まるテープは、自動的にクリーニングテープとして判断されるた
め、[クリーニングテープとしてマーク]の手順は不要です。
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4. [選択したテープにクリーニングテープのマークを付けますか?]が表示されます。[は
い]ボタンをクリックします。
5. 右上ペインにクリーニングテープの情報が表示されます。
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6. 右上ペインの[<ライブラリ名>]→[ドライブ]→[<ドライブ名>]を選択し、[クリー
ニング]をクリックします。
ドライブがクリーニングされます。
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20. レポートの確認
[DPM 管理者コンソール]の[レポート]では、次の 6種類のレポートを生成することがで
きます。管理者は、これらのレポートを確認することでディスクやテープの使用状況やバック
アップと回復のジョブの詳細を確認することが可能です。
レポート種類 内容
ディスク使用率DPM 記憶域プールのディスク容量、ディスクの割り当て、および
ディスクの使用状況の概要を示します。
テープの管理
テープのローテーション管理の詳細を示します。このレポートに
は、空きメディアのしきい値に満たないすべてのライブラリが表示
されます。データはライブラリごとに収集され、すべてのライブラ
リについて集計されます。
テープ使用量容量計画および追加テープを割り当てるかどうかの判断に役立つ、
テープの使用量の傾向を提供します。
回復回復項目についての詳細とパフォーマンス追跡用の回復ジョブの統
計を提供します。
回復ポイントの状態
選択されたすべてのデータソースの回復ポイントの状態を示しま
す。指定された回復ポイント枠に良好な回復ポイントが少なくとも 1
つあれば、状態は緑で表示されます。その時間枠に回復ポイントが
なければ、時間枠は空欄のままです。
状態
指定した期間のすべての回復ポイントの状態を示し、回復ジョブを
一覧表示して、回復ポイントの成功と失敗およびディスクベースと
テープペースの回復ポイントの合計数を表示します。このレポート
は、エラーの発生頻度に関する傾向を示し、アラートの数を一覧表示
します。
1. [DPM 管理者コンソール]の左下ペインの[レポート]をクリックします。
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2. [レポート]が表示されます。右上ペインの[<レポート名>]を選択し、リボンの[表
示]をクリックします。
3. [表示]が表示されます。レポート表示のパラメーターを設定し、[OK]ボタンをクリッ
クします。
レポート表示のパラメーターはレポートの種類によって異なります。
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4. [Internet Explorer]が起動し、レポートが表示されます。
レポートが表示されない場合は、[Internet Explorer のセキュリティ強化の設定]をオフにし
ます。また、レポートの表示時にユーザー認証を要求される場合は、[Internet Explorer]の
[ローカルイントラネットサイト]に DPM サーバーを追加します。
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付録. DPM 2012 における仮想マシンの保護
Hyper-V の仮想マシンを DPM 2012 で保護する方法は次の 2種類です。
●ゲストレベル保護
仮想マシンに保護エージェントをインストールし、仮想マシン内の各ファイルをバックアッ
プします。ゲストレベルバックアップには、次の特徴があります。
・データ単位でバックアップし、データ単位で回復できる(例えば、SQL Server のデータベー
スやWeb コンテンツを選択してバックアップできる)。
・オンラインでバックアップできる。
・Windows PC のみが保護できる。
・物理 PC のバックアップ方法と同等である。
●ホストレベル保護
Hyper-V ホストに保護エージェントをインストールし、Hyper-V ホストから仮想マシン全体
をバックアップします。ホストレベル保護には、次の特徴があります。
・仮想マシン単位でバックアップし、ファイル単位で回復できる。
・条件を満たした場合、オンラインでバックアップできる。
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・Windows 以外の PC(例えば、Linux PC)も保護できる。
・Hyper-V独自のバックアップ方法である。
●オンラインバックアップとオフラインバックアップ
ホストレベルバックアップでは、保護する仮想マシンが次の条件を満たしている場合、自動
的に「スナップショットを使用したオンラインバックアップ( Backup Using Child Partition
Snapshot)」をおこないます。これらの条件を満たしていない場合、自動的に「保存状態を
使用したオフラインバックアップ(Backup Using Save State)」をおこないます。これは、
仮想マシンを保存状態にしてから、バックアップをおこない、仮想マシンを再開する方法です。
・OS が、Windows Server 2003 または Windows Server 2008 であること
・Hyper-V統合サービスがインストールされていること
・ダイナミックボリュームが存在しないこと
・すべてのボリュームが NTFS でフォーマットされていること
・すべての NTFS ボリュームの容量が 1GB 以上で 300MB 以上の空き容量があること
●高速完全バックアップ
DPM サーバーはレプリカボリュームを持ちます。レプリカボリュームは、保護されるボ
リュームのコピーで、回復ポイントの作成元です。そのため、回復ポイントの作成する前に保
護されるボリュームとレプリカボリュームを同期する必要があります。保護されるボリュー
ムが Hyper-V の仮想マシンの場合、この同期に「高速完全バックアップ」が使用されます。高
速完全バックアップは、保護されるボリュームとレプリカボリュームをブロック単位で比較
し、変更ブロックのみを転送することで、転送するデータを削減し、バックアップ時間を短縮
します。高速完全バックアップの仕組みは次のとおりです。
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●初回の回復ポイントの作成時
1. Hyper-V ホストの仮想マシンのファイル群が DPM サーバーのレプリカボリュームに単純コ
ピーします。
2. レプリカボリュームを作成します。
3. レプリカボリュームから回復ポイントを作成します。
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●2 回目以降の回復ポイントの作成時
1. Hyper-V ホストの保護エージェントは、仮想マシンのファイル群(保護されるボリュー
ム)をブロック単位で分割し、チェックサムを計算します。
2. Hyper-V ホストの保護エージェントは、DPM サーバーへチェックサムを送信します。
3. DPM サーバーはレプリカボリューム内の仮想マシンを構成するファイル群をブロック単位
で分割し、チェックサムを計算します。
4. DPM サーバーは、保護されるボリュームとレプリカボリュームのチェックサムを比較し、
変更ブロックを要求します。
5. Hyper-V ホストの保護エージェントは、変更ブロックを送信します。
6. DPM サーバーは変更ブロックを受信し、レプリカボリュームに反映します。
7. 更新されたレプリカボリュームから新しい回復ポイントを作成します。
DPM 2012 ではアルゴリズムの改良により、仮想マシンのファイルをすべて読み取ることな
く、チェックサムを計算することができます。
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