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公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019 5 Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, May, 2019 * 非会員 阪南市役所(Hannan City Office**正会員 和歌山大学 システム工学部(Faculty of System Engineering ,Wakayama University自治体名 人口 (万人) ONT 地区 ゴシック :居 外ON T 地区 松戸市 48.3 常盤平南部,新松戸中央,新松戸南部,二十世紀が丘,八ケ崎中央,八柱駅周 辺,横須賀,金ヶ作(常盤平),北小金,金ヶ作第二次,上本郷第二,六実高 12 41. 4 ,沼 南台 , 北柏 , 北柏 南口 4 市原市 27.5 青葉台 ,光風 ,辰巳団 辰巳 , 若宮 ,君 ,五所 第二 ,国分 寺台 , 青葉台 (6・7丁目),五所・君塚姉崎住宅団地(有秋台) 1 0 山市 17. 4 江戸川団 , 南流山 2 佐倉 17. 3 臼井駅 ,臼井生 ,江原 3 田市 13.1 田ニュータウン 1 々井町 2.1 酒々井中 央台 , 酒々 2 藤沢市 42.4 石川 東部 ,六 東部 , (藤 , 善行 , 北部第 一, 北部第 一地区 , 村岡東部,片瀬山ニュータウン,善行,西部 10 大和市 23.3 南部第二,大和市北部第一団地,北部第一 3 春日部市 23.3 武里 1 志木市 7.3 志木ニュータウン 1 名古屋市 229.6 下之一 , 田中 , 南部 ,神ノ ,中 島新 町西 , , 伏屋 , 服部,福田,平針,平針中央,鳴海黒石,緑ケ丘,緑黒石,猪高西山,鳴子 16 豊橋 37. 5 第二 1 日井市 30. 7 野, 南部第二 , 白山 , 味美新 開, 5 14. 9 桃花台 1 立市 7.1 東知立 1 田市 37. 4 千里ニュータウン (吹 市) 1 高槻 35.2 町,日 吉台 ,富 3 八尾市 26. 9 近鉄八尾駅 1 面市 13. 3 面中 1 12. 4 真東 1 5.4 南海 団地 1 オールドニュータウンの立地適正化計画上の位置づけと現状と課題に関する研究 A Study on The Characteristics of “Old New Town” in Compact City Strategy and its Actual Condition and Problem 澤井 *・佐久間 康富** Tasuku Sawai *Yasutomi Sakuma** This study was conducted to clarify the characteristics of the Old New Town in the Compact City Strategy and the Actual Condition and Problem of the Nankai Housing estates in Hannan City, an old new town outside the residential induction area. Results show the following major findings. 1) Of the 22 municipalities targeted by the survey, 20 municipalities designated Old New Town as a residential induction area. 2) In Old New Town, which is outside the residential induction area, elderly people also use cars, so it is necessary to maintain local transportation. 3) In the survey area, more than 70% of the residents are willing to settle. However, the possibility of living with relatives is biased by region. In the future, in consideration of the possibility of living together etc., a proposal of a residential area image matched to the regional characteristics in the area is required. Keywords: Old New Town, Compact City Strategy, Residential induction area, Suburban area オールドニュータウン、立地適正化計画、居住誘導区域、郊外 1.はじめに 現在、開発から40 年以上経過したニュータウンでは、入居者 の高齢化や施設の老朽化が進む等、地区内で様々な問題が発生し てきている。これらはオールドニュータウン(以下 ONT (1) )問 題とも呼ばれ、既存ストック活用の観点からも、当該地区の持続 可能なあり方が課題となっている。 一方で、人口減少や少子高齢化を迎えている日本では、地方 自治体を中心に、コンパクトなまちづくりが進められるようにな ってきている。 2014 年には都市再生特別措置法が改正され、都 市機能誘導区域と居住誘導区域を定め、長い時間をかけて都市を コンパクトにしていく「立地適正化計画」が制度化された。 しかし、居住誘導区域から外れる地域への位置づけやあり方 についてはこれからの課題であり、特に、郊外に位置する ONT に関しては、当該地区の持続性と都市の集約化との両立が課題と なっている。 既往研究として、立地適正化計画と都市計画マスタープラン の計画内容に着目した研究 1 2 や、居住誘導区域の設定に関する 研究 3 4 5 等が挙げられるが、立地適正化計画が 2014 年に制度 化されたこともあり、研究の蓄積はまだ少ない。その中でも本研 究は、立地適正化計画を策定している自治体とONT に着目する 点で特徴がある。 以上より、本研究では、まずONT と立地適正化計画を有する 自治体(以下取組自治体)を対象に、居住誘導区域の設定条件を 整理したうえで、 ONT を居住誘導区域に含めているのか否か、 その位置づけを把握することを目的とする。そして居住誘導区域 外に位置づけられたONT に着目し、区域外となった経緯や住民 へのアンケート調査により地区の現状を把握し、今後の居住誘導 区域外となるONT の課題を明らかにすることを目的とする。 2.ONT と立地適正化計画を有する自治体の把握 「全国のニュータウンリスト(H.26) 6) 」及び「立地適正化計 画の作成状況(H.30.3) 7) 」を基に、 ONT を有する取組自治体を 把握した。その結果、全国407取組自治体のうち159自治体(39%) ONT を有しており、全体の約 4 割であることが分かった。ま た、 ONT 以外の NT を有する 79 自治体(19%)も合わせると 238 自治体(58.5%)にのぼり、全体の約 6 割となる。これは今後、 取組治体のうち約半数以上がが NT の取り扱いについて検討しな ければならないことを示している。 本研究では、三大都市圏に位置しており、 ONT を有する取組 自治体が多い上位 5 つの府県である (2) 千葉県、神奈川県、埼玉 県、愛知県、大阪府下の自治体を調査対象として選定し、その中 で立地適正化計画及び居住誘導区域を作成・公表(平成 30 年 9 月時点)していた22 自治体の計画内容を調査した(表-1)。 【表 -1 】調査対象22 自治体の概要 (3) - 78 -

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公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019年 5月

Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, May, 2019

* 非会員 阪南市役所(Hannan City Office) **正会員 和歌山大学 システム工学部(Faculty of System Engineering ,Wakayama University)

自治体名 人口

(万人) ONT

地区名(ゴシック体:居住誘導区域外ONT) 地区数

千葉県

松戸市 48.3 常盤平南部,新松戸中央,新松戸南部,二十世紀が丘,八ケ崎中央,八柱駅周辺,横須賀,金ヶ作(常盤平),北小金,金ヶ作第二次,上本郷第二,六実高柳

12

柏市 41.4 豊四季台,沼南台,北柏,北柏駅南口 4

市原市 27.5 青葉台,光風台,辰巳団地 辰巳台,若宮,君塚,五所第二,国分寺台,青葉台(6・7丁目),五所・君塚姉崎住宅団地(有秋台)

10

流山市 17.4 江戸川団地,南流山 2 佐倉市 17.3 臼井駅南,臼井生谷,江原台 3 成田市 13.1 成田ニュータウン 1 酒々 井町 2.1 酒々 井中央台,東酒々 井 2

神奈川県

藤沢市 42.4 石川東部,六会東部,第一(藤沢),善行,北部第一,北部第二(一地区),村岡東部,片瀬山ニュータウン,善行,西部

10

大和市 23.3 南部第二,大和市北部第一団地,北部第一 3

埼玉県

春日部市 23.3 武里 1

志木市 7.3 志木ニュータウン 1

愛知県

名古屋市 229.6 下之一色大蟷螂,植田中央,植田南部,神ノ倉,中島新町西部,東一社,伏屋,服部,福田,平針,平針中央,鳴海黒石,緑ケ丘,緑黒石,猪高西山,鳴子

16

豊橋市 37.5 岩田第二 1 春日井市 30.7 東野,南部第二,白山,味美新開,高蔵寺 5 小牧市 14.9 桃花台 1 知立市 7.1 東知立 1

大阪府

吹田市 37.4 千里ニュータウン(吹田市・豊中市) 1

高槻市 35.2 安岡寺町,日吉台,富田 3

八尾市 26.9 近鉄八尾駅前 1

箕面市 13.3 箕面中部 1

門真市 12.4 門真東 1

阪南市 5.4 南海団地 1

オールドニュータウンの立地適正化計画上の位置づけと現状と課題に関する研究

A Study on The Characteristics of “Old New Town” in Compact City Strategy and its Actual Condition and Problem

澤井 佑*・佐久間 康富**

Tasuku Sawai *・Yasutomi Sakuma**

This study was conducted to clarify the characteristics of the Old New Town in the Compact City Strategy and the Actual Condition and Problem of the Nankai Housing estates in Hannan City, an old new town outside the residential induction area. Results show the following major findings. 1) Of the 22 municipalities targeted by the survey, 20 municipalities designated Old New Town as a residential induction area. 2) In Old New Town, which is outside the residential induction area, elderly people also use cars, so it is necessary to maintain local transportation. 3) In the survey area, more than 70% of the residents are willing to settle. However, the possibility of living with relatives is biased by region. In the future, in consideration of the possibility of living together etc., a proposal of a residential area image matched to the regional characteristics in the area is required. Keywords: Old New Town, Compact City Strategy, Residential induction area, Suburban area

オールドニュータウン、立地適正化計画、居住誘導区域、郊外

1.はじめに

現在、開発から40年以上経過したニュータウンでは、入居者

の高齢化や施設の老朽化が進む等、地区内で様々な問題が発生し

てきている。これらはオールドニュータウン(以下 ONT(1))問

題とも呼ばれ、既存ストック活用の観点からも、当該地区の持続

可能なあり方が課題となっている。

一方で、人口減少や少子高齢化を迎えている日本では、地方

自治体を中心に、コンパクトなまちづくりが進められるようにな

ってきている。2014 年には都市再生特別措置法が改正され、都

市機能誘導区域と居住誘導区域を定め、長い時間をかけて都市を

コンパクトにしていく「立地適正化計画」が制度化された。

しかし、居住誘導区域から外れる地域への位置づけやあり方

についてはこれからの課題であり、特に、郊外に位置する ONT

に関しては、当該地区の持続性と都市の集約化との両立が課題と

なっている。

既往研究として、立地適正化計画と都市計画マスタープラン

の計画内容に着目した研究 1)2)や、居住誘導区域の設定に関する

研究 3)4)5)等が挙げられるが、立地適正化計画が 2014 年に制度

化されたこともあり、研究の蓄積はまだ少ない。その中でも本研

究は、立地適正化計画を策定している自治体とONTに着目する

点で特徴がある。

以上より、本研究では、まずONTと立地適正化計画を有する

自治体(以下取組自治体)を対象に、居住誘導区域の設定条件を

整理したうえで、ONT を居住誘導区域に含めているのか否か、

その位置づけを把握することを目的とする。そして居住誘導区域

外に位置づけられたONTに着目し、区域外となった経緯や住民

へのアンケート調査により地区の現状を把握し、今後の居住誘導

区域外となるONTの課題を明らかにすることを目的とする。

2.ONTと立地適正化計画を有する自治体の把握

「全国のニュータウンリスト(H.26)6)」及び「立地適正化計

画の作成状況(H.30.3)7)」を基に、ONTを有する取組自治体を

把握した。その結果、全国407取組自治体のうち159自治体(39%)

がONTを有しており、全体の約4割であることが分かった。ま

た、ONT以外のNTを有する79自治体(19%)も合わせると238

自治体(58.5%)にのぼり、全体の約6割となる。これは今後、

取組治体のうち約半数以上ががNTの取り扱いについて検討しな

ければならないことを示している。

本研究では、三大都市圏に位置しており、ONT を有する取組

自治体が多い上位5つの府県である(2)千葉県、神奈川県、埼玉

県、愛知県、大阪府下の自治体を調査対象として選定し、その中

で立地適正化計画及び居住誘導区域を作成・公表(平成30年9

月時点)していた22自治体の計画内容を調査した(表-1)。

【表-1】調査対象22自治体の概要(3)

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公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019年 5月

Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, May, 2019

3.ONTの位置づけと居住誘導区域の設定条件

調査対象自治体におけるONTの立地適正化計画上の位置づけ

を確認すると(4)、居住誘導区域外にONTを位置づけていたのは

22自治体中2自治体(名古屋市、阪南市)のみであった(表1)。

居住誘導区域外にONTを位置づけている自治体が少なかったの

は、多くの自治体で市街化区域全域をベースに居住誘導区域を設

定していたためであると考えられる。

ONT が居住誘導区域外となった区域の設定条件は、名古屋市

「下之一色大蟷螂」「伏屋」は「浸水想定区域」、阪南市「南海団

地」は「公共交通利用圏外」、「平均傾斜度8%以上の区域」に該

当するためであった。(尚、名古屋市「伏屋」は都市機能誘導区

域には含まれている。)そのほか、各自治体の居住誘導区域の設

定条件を表-2に整理する。

名古屋市が用いた「浸水想定区域」

は、国の方針でも示された「原則とし

て含まないとすべき区域」であり調査

対象中12自治体で用いられていた。

一方、阪南市が用いた「平均傾斜度

8%以上の区域」は市独自による設定

条件で、他にこの条件を用いている自

治体はみられなかった。

本研究では、居住誘導区域外に位置

づけられたONTである阪南市「南海

団地」を調査対象として取り上げる。

4.居住誘導区域外ONTの現状と区域外となった経緯

阪南市「南海団地」は大阪市内から約 45 ㎞の地点に位置し、

開発から50年以上経過した施工面積61haのONTである(図-1、

【凡例】

区域内〇

区域外●

区域

松戸市

柏市

市原市

流山市

佐倉市

成田市

酒々井町

藤沢市

大和市

春日部市

志木市

名古屋市

豊橋市

春日井市

小牧市

知立市

吹田市

高槻市

八尾市

箕面市

門真市

阪南市

国の指針(都市計画運用指針)

含まないとすべき区

土砂災害特別警戒区域 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 〇 ● ● ● 16

津波災害特別警戒区域 ‐

災害危険区域(1) ● ● 2

地すべり防止区域 ‐

急傾斜地崩壊危険区域 ● ● ● ● ● ● ● ● ● 9

原則として含まない

こととすべき区域

(2)

土砂災害警戒区域 〇 ● ● ● ● ● ● ● ● 〇 〇 ● ● ● 14

土砂災害危険箇所(3) ● ● ● 〇 ● 5

津波災害警戒区域 ‐

浸水想定区域 〇 ● ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● ● 〇 〇 〇 〇 ● 15

慎重に判断を行うこ

とが望ましい区域

用途地域のうち、工業専用地域 ● ● ● ● ● ● ● ● 8

工業地域 ● ● ● ● ● ● 6

準工業地域 ● 〇 〇 〇 4 地区計画等のうち、住宅の建築が制限されている区域

● ● 〇 ● ● ● ● ● ● ● ● 11

留意すべき事項 生産緑地地区 〇 ● ● ● 4

まとまりのある農地等 ‐

自治体の設定項目

人口密度・DIDが一定の値以上の区域 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 12

公共交通の利用圏 鉄道駅 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 16 バス停 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 15

バイパス沿線 〇 1 地震による被害が想定される区域 〇 1 土地区画整理事業等により基盤施設が整備されている区域 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 7 低未利用の基盤未整備地区 ● ● 〇 ● 4 都市機能、生活利便性(4)の高い地区 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 12 公共下水道区域 〇 1 MPにおける地域拠点等 〇 1 工業系用途地域内で、工場等が集積し、工業の利便を増進する区域

● ● ● ● ● 〇 ● ● 8

準工業地域であっても既に居住・商業施設が開発されている区域

〇 〇 2

航空機騒音による規制区域 ● 1 住居系用途地域 〇 〇 〇 3 居住施設以外の施設 (学校、公園、墓園等)がある区域

● ● ● ● ● ● 6

緑地、歴史的景観等の保全を図る区域 〇 ● ● ● 4 平均傾斜度8%を超える区域 ● 1

⑴建築基準法(昭和25年法律第201号)第39条第1項に規定する災害危険区域のうち、同条第2項の規定に基づく条例により住居の用に供する建築物の建築が禁止されている区域を除く。 ⑵それぞれの区域の災害リスク、警戒避難体制の整備状況、災害を防止し、又は軽減するための施設の整備状況や整備見込み等を総合的に勘案して検討すべき区域。 ⑶土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第4条第1項に規定する基礎調査、津波防災地域づくりに関する法律第8条第1項に規定する津波浸水想定における浸水の区域及びその他の調査結果等により判明した災害の発生のおそれのある区域。

⑷医療・福祉・商業施設等の各施設が利用圏域にある地区。

地区の概要:参考文献6)を基に作成

地区名 南海団地

開発期間 1967-1976年

施工面積 61ha

事業主体 民間

計画戸数 2,162戸

計画人口 7,548人

寄駅までの距離 約0.5-1.5km

人口(2018)* 4722人

世帯数(2018)* 1938世帯

空き家率(2017)** 7.60%

空き地率(2018) 6.49%

*住民基本台帳2018.12現在 **阪南市空家等対策基本計画, H29.4,H29.3末時点での調査データ

【表-2】調査対象22自治体における居住誘導区域の設定条件

【図-2】空き地の分布(左:2012年、右2018年)

【図-1】対象地区の位置

2012年 2018年

【表-3】対象地区の概要

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公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019年 5月

Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, May, 2019

表-3)。対象地区は斜面の比較的緩やかな1・2丁目と、斜面が急

な 3・4・5 丁目で構成されている(5)。地区内には、小学校と幼

稚園が立地しているほか、閉園した幼稚園跡を生涯学習の拠点と

して地域住民が運営する「あたごプラザ」がある。

現地調査により、対象地区における空き地の分布を確認した。

地区の北部(1・2 丁目)で空洞化が進んでいたが、田畑・菜園

となっている空き地もみられた(図2)。また、2012年の空き地調

査データ(6)と比較すると、全体として空き地の総数は増加して

おらず、2018年の調査時点における空き地率は6.49%となって

いる。一方で、空き地から新建築物に変化していたものは26件

みられた(図-2、表-4)。

次に、対象地区を区域外とした経緯や設定条件及びONTに関

してどのような議論があったのかを把握するため、阪南市立地適

正化計画担当者へのヒアリング調査を行った(7)。

阪南市では「歩いて暮らせるまち」とするため、「車に乗れな

い人も移動できる」ということを軸に誘導区域の検討を行ったが、

「南海団地」を含め急な斜面地を有する住宅地をどのように取り

扱うべきか、議論があったという。そこで、公共交通利用圏内で

あっても、平均傾斜度8%以上の地域は居住誘導区域外として位

置づけ、そこに「南海団地」も該当したというのが、区域外とな

った経緯であるということが分かった。しかし、居住誘導区域外

であっても地域の支え合いで移動手段等が整えば、適時誘導区域

内として見直す方針であるとしている。

5.居住誘導区域外ONTにおける住環境の現状と課題

居住誘導区域外ONTの現状と今後の課題を明らかにするため、

住民へのアンケート調査を実施した。調査内容は、郊外ONTと

いう特性を考慮し「交通利便性」「地域コミュニティ」「住宅地の

更新状況」、及び「今後の居住意向」に関するものとし、世帯主

に回答してもらった。

アンケート調査の概要、及び回答者の属性は表-5 のとおりで

ある。1938世帯のうち、ポスティングにより1000世帯に配布し、

有効回答票は317票で回収率31.7%であった。60歳代、70歳代

の回答者が多く、両者で全体の 57.7%を占める。またクロス集

計によりχ二乗検定を行ったものにはp値を記載する。

(1)交通利便性

主な外出時の移動手段を世代別にみると、どの世代においても

「自動車」が も高い割合を占めていることが分かった。また「80

歳代以上」でも47.9%、「70歳代」でも58.8%が「自動車」と

回答している現状から、今後の高齢ドライバーへの対応が求めら

れると考えられる(図-3)。

26.0%

36.1%

20.3%

16.8%

18.8%

60.0%

55.6%

65.6%

58.8%

47.9%

10.0%

8.3%

10.9%

10.9%

12.5%

4.0%

7.6%

8.3%

3.1%

5.9%

12.5%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

40歳代以下,n=50

50歳代,n=36

60歳代,n=64

70歳代,n=119

80歳代以上,n=48

鉄道 自動車 バイク・自転車 徒歩 その他(バス等)

主な外出時の移動手段を町丁目別にみると、どの町丁目におい

ても「自動車」と回答した割合が5割以上となっている。地区内

で 寄り駅に近い地域である「1 丁目」においても、「自動車」

の割合が他と比べて も高く 63.5%であり、対象地区において

は、駅までの距離や斜面の緩やかさ等に関わらず、自動車での移

動が主体となっていることが分かる(図-4)。

23.0%

28.9%

20.8%

14.4%

24.1%

63.5%

52.6%

56.9%

58.9%

51.7%

4.1%

13.2%

6.9%

17.8%

17.2%

8.1%

2.6%

2.8%

6.7%

1.4%

2.6%

12.5%

2.2%

6.9%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1丁目,n=74

2丁目,n=38

3丁目,n=72

4丁目,n=90

5丁目,n=29

鉄道 自動車 バイク・自転車 徒歩 その他(バス等)

(2)地域コミュニティ

地域のつながりの意識を世代別にみると、「とても感じる」と

回答した割合は、「80歳代」で も高く27.1%、「少し感じる」

と回答した割合は「50歳代」で も高く75.0%であった。また

「とても感じる」及び「少し感じる」と回答した割合の合計値は、

どの世代においても7割以上となっており、地区全体としては、

地域のつながりを感じている傾向にあることが分かった(図-5)。

実施日 2018/11/23(10時-16時) 配布数 1,000 期間 11/23~12/10(郵送回収) 有効回答票 317 方法 ポスティング(調査員3名) 回収率 31.7%

20歳代以下 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代 80歳代以上 計

男性 1 2 21 18 42 85 40 209

0.5% 1.0% 10.0% 8.6% 20.1% 40.7% 19.1% 100.0%

女性 2 3 21 18 22 34 8 108

1.9% 2.8% 19.4% 16.7% 20.4% 31.5% 7.4% 100.0%

計 3 5 42 36 64 119 48 317

0.9% 1.6% 13.2% 11.4% 20.2% 37.5% 15.1% 100.0%

分類項目(2012→

2018) 1 丁目 2 丁目 3 丁目 4 丁目 5 丁目 合計(件) %

新建築物

駐車場・倉庫→新建築物 1 1 1 4 3 10

26 68.4 未利用地→新建築物

(区画割1件) 5 3 3 4 0 15

田畑・菜園→新建築物 1 0 0 0 0 1

未利用地

住宅→未利用地 2 0 1 1 0 4

5 13.2 駐車場・倉庫→未利用地 0 1 0 0 0 1

田畑・菜園→未利用地 0 0 0 0 0 0

駐車場

住宅→駐車場・倉庫 1 1 0 2 0 4 6 15.8

未利用地→駐車場・倉庫 0 2 0 0 0 2

田畑・菜園 駐車場・倉庫→田畑・菜園 1 0 0 0 0 1 1 2.6

計 11 8 5 11 3 38 100.0

4.8%

1.1%

3.2%

7.7%

7.5%

あたごプラザ

26.5%

あたごプラザ

12.9%

16.6%

17.2%

公園や道ばた

28.4%

公園や道ばた

30.1%

4.8%

20.4%

8.0%

10.8%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

つながりを感じる,n=313

つながりを感じない,n=93

舞小学校 まい幼稚園 住民センター等

あたごプラザ 個人宅 公園や道ばた

地域住民と交流していない その他

【表-4】空き地の用途変化

【表-5】アンケート調査の概要

【図-3】世代別の主な外出時の移動手段(p=0.49)

【図-4】町丁目別の主な外出時の移動手段(p=0.02)

【図-5】世代別の地域のつながりの意識(p=0.50)

【図-6】つながりの意識と地域住民との交流場所(p=0.00)

18.0%

13.9%

17.5%

20.5%

27.1%

54.0%

75.0%

55.6%

50.4%

50.0%

26.0%

8.3%

17.5%

21.4%

14.6%

2.0%

4.8%

5.1%

6.3%

2.8%

4.8%

2.6%

2.1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

40歳代以下,n=50

50歳代,n=36

60歳代,n=63

70歳代,n=117

80歳代,n=48

とても感じる 少し感じる あまり感じない 全く感じない どちらでもない

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公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019年 5月

Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, May, 2019

地域のつながりの意識に対して、「とても感じる」「少し感じる」

と回答した「つながりを感じる」層と、「あまり感じない」「全く

感じない」と回答した「つながりを感じない」層に分けて、「地

域住民との交流場所」の違いを比較した。その結果「あたごプラ

ザ」では、「つながりを感じない」層よりも「つながりを感じる」

層の方が回答者の割合が高い傾向にあることが分かった(図-6)。

(3)住宅地の更新状況

居住年数を町丁目別にみると、1・4 丁目では、開発当初から

と考えられる「41年以上」が4割以上を占めており、他と比べ

て高い割合となっている。しかし、「1 丁目」に関しては、新住

民と考えられる居住年数「1~10年」の割合が17.8%と他と比べ

て高くなっているのに対し、「4丁目」では約半分の7.9%となっ

ている。このように、地区内でも、居住者の循環がみられる地域

では、多様な住宅タイプを受け入れる地域等として位置づけつつ

も、旧住民とどのように関わりを持つかが今後の課題となると考

えられる(図-7)。

住宅の建設年代を町丁目別にみると、地区全体としては「1970

~1979年」代にピークを迎えており、3・4丁目はその時期に開

発された住宅が現在まで残っていることが分かる。一方、「1 丁

目」は「2000~2009 年」代に建設された住宅が他と比較して多

く、地区の中でも建替え等が進んでいる地域である(図-8)。

(4)今後の居住意向

「今後の居住意向」と「頼りにしている親族の住む場所」及び

「子・親世帯との同居の可能性」についてクロス集計を行った(表

-6)。検定の結果、「今後の居住意向」と「親族の住む場所」には

関連があることが分かった。

また、対象地区において「今後も居住する」と回答した割合は

314世帯中241世帯で76.8%であり、概ね定住意向であることが

分かった。一方、「住み替えを検討・決定している」と回答した

のは314世帯中9世帯のみであり、主な理由は、高齢であること

や車での移動が困難であることを指摘しているものがみられた。

また、住み替え先については「地区内」という回答が1件みら

れたが、他は市外(泉佐野市、大阪市、和歌山県、徳島県)で検

討しており、現状では対象地区における住民の居住意向と、阪南

市の居住誘導区域との関連はみられなかった。

今後の居住意向について町丁目別にみると、「今後も居住する」

と回答した割合は「1丁目」で も高く89.2%であった。一方、

「わからない」と回答した割合は「5丁目」で34.5%と も高く

なっている(図-9)。

今後の居住意向について「今後も居住する」と回答した世帯主

のうち、「子・親世帯との同居の可能性」を町丁目別に比較した。

その結果、いずれも6割以上が「同居の可能性はない」と回答し

ているが、「2 丁目」では「同居の可能性がある」と回答した割

合が 27.6%と高くなっており、地区内でも同居の可能性につい

ては地域に偏りがあることが分かる(図-10)。

以上より、住民へのアンケート調査の結果を表-7に整理する。

親族の住む場所(p=0.01) 同居の可能性(p=0.21) 合計

地区内 地区外 無回答 同居中 ある ない その他

今後も居住する 84 128 29 48 26 161 6 241(76.8%)

わからない 9 40 15 7 8 46 3 64(20.4%)

住み替えを 検討・決定している

1 6 2 0 0 8 1 9(2.9%)

合計 94 174 46 55 34 215 8 314(100.0%)

住み替えを検討・決定している理由(自由記述) 年齢

高齢、単身のため、いずれ安い施設で暮らしたい。 70歳代

再婚のため 40歳代

実家を継ぐ必要があるため 70歳代

車がないと生活が成り立たないため。 50歳代

車の運転免許返納に合わせて、また元気で趣味や旅行に自由に行く事の出来る間に、施設の整ったところに住むため。

70歳代

台風で雨漏りするようになったため。 40歳代

不便なため(80歳を過ぎた私しか免許を持たず、生活に困っているため。) 80歳代以上

老人ホーム、養護施設に移るため。 80歳代以上

合計(その他含む) 9件

4丁目

3丁目 1丁目

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

0

5

10

15

20

25

30

35

40

住宅数

全体 1丁目,n=732丁目,n=37 3丁目,n=694丁目,n=87 5丁目,n=29

1969年 以前 n=42

1970~ 1979年 n=78

1980~ 1989年 n=63

1990~ 1999年 n=60

2000~ 2009年 n=39

2010年 以上 n=13

住環境 現状 課題

交通利便性 高齢者も自動車に依存している。 80歳代以上(47.9%) 70歳代(58.8%)

高齢化、免許返納等に伴う移動手段の確保。 地域内交通の整備。

地域 コミュニティ

約 7 割が地域のつながりを感じている。 「地域のつながりを感じる」層の交流場所には傾向が見られた。

地域のつながりに寄与していると考えられる拠点施設の維持。

住宅地の 更新状況

居住年数や建設年代から住宅地の更新状況については、地区内でも地域差がある。 駅まで近い地域を中心に新住民が流入してきている。

今後の建替えのタイミングで、居住誘導区域、あるいは地区内でも交通利便性のよい地域への誘導、または親・子世帯との同居や近居等を図ることができるかが課題。

居住意向 約7割が「定住意向」 約6割が「同居の可能性がない」

同居の可能性を見据えた多様な住宅タイプの受け入れ支援。

【図-7】町丁目別の居住年数(p=0.00)

【図-8】町丁目別の住宅の建設年代

【表-6】今後の居住意向

【図-9】町丁目別の今後の居住意向(p=0.14)

【図-10】町丁目別の定住意向の同居の可能性(p=0.05)

【表-7】アンケート結果の整理

17.8%

8.1%

8.3%

7.9%

6.9%

12.3%

24.3%

13.9%

14.6%

31.0%

12.3%

32.4%

18.1%

10.1%

48.3%

11.0%

13.5%

34.7%

22.5%

13.8%

46.6%

21.6%

25.0%

44.9%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1丁目,n=73

2丁目,n=37

3丁目,n=72

4丁目,n=89

5丁目,n=29

1~10年 11~20年 21~30年 31~40年 41年以上

89.2%

78.9%

72.2%

78.7%

62.1%

10.8%

18.4%

23.6%

18.0%

34.5%

2.6%

4.2%

3.4%

3.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1丁目,n=74

2丁目,n=38

3丁目,n=72

4丁目,n=89

5丁目,n=29

今後も居住する わからない 住み替えを検討・決定している

27.0%

10.3%

19.2%

22.9%

11.8%

4.8%

27.6%

7.7%

12.9%

5.9%

68.3%

62.1%

73.1%

64.3%

82.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1丁目,n=63

2丁目,n=29

3丁目,n=52

4丁目,n=70

5丁目,n=17

同居中 同居の可能性がある 同居の可能性はない

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公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019年 5月

Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, May, 2019

6.まとめ

本研究では、立地適正化計画を策定している自治体のONTの位

置づけと、居住誘導区域外ONTの現状と課題を明らかにした。

まず、調査対象22自治体のうち居住誘導区域外にONTを位置

づけていたのは名古屋市と阪南市の2自治体のみであり、現時点

では多くの自治体がONTを居住誘導区域内に位置づけている現

状を明らかにした。

また、居住誘導区域外ONTである阪南市「南海団地」を事例

に、行政へのヒアリング調査、及び住民へのアンケート調査から、

以下を明らかにした。

ONTを居住誘導区域外とした経緯(ヒアリング調査の結果)

阪南市では、「歩いて暮らせるまち」とするため、公共交通利

用圏であっても、急な坂道を有する地域は「平均傾斜度8%以上」

という条件を用いて、居住誘導区域からは外す方針をとった。そ

こにONTである南海団地が該当したことが、区域外として位置

づけられた経緯であることが分かった。

対象地区の現状と課題(アンケート調査の結果)

交通利便性について、高齢者も自動車に依存している現状が明

らかになり、今後、自動車を手放す世帯を含めた移動手段の確保

が求められる。

また、地域のつながりへの意識と交流場所には傾向がみられ、

つながりへの意識に寄与していると考えられる「あたごプラザ」

等の地域コミュニティの拠点、交流の場の維持・形成が、ONT

の持続性を考えるうえでは重要な課題ではないかと考えられる。

住宅地の更新状況については地区内でも地域差がみられるた

め、今後の建替えのタイミングを見据え、居住誘導区域や地区内

でも交通利便性のよい地域への居住の誘導、また、親・子世帯と

の同居や近居等を図ることができるかが、対象地区の課題である

と考えられる。

そして今後の居住意向については、現状では約7割が定住意向

にあり、居住誘導区域との関連はみられなかった。しかし、同居

の可能性については、地区内でも町丁目別に偏りがあり、今後は

同居の可能性のある地域を中心に、多様な住宅タイプの受け入れ

を支援する等、多世代が暮らしやすい住環境の整備が求められる

と考えられる。

以上より、居住誘導区域外ONTに対しては、斜面地や高齢化

に対応するための、地域内交通の整備、また地域のつながりの意

識に寄与していると考えられる、地域コミュニティの拠点の維持、

今後、同居の可能性等がある地域を中心に、地区内でも集約化を

見据えた住宅地像の提示やエリア設定(表-8)が求められると考

えられる。そして、居住誘導区域外ONTの方針を地域住民と共有、

あるいは地域コミュニティの拠点等と連携しながら、ONTの持続

性と都市の集約化との両立を図っていくことが望まれる。

謝辞

本稿をとりまとめるにあたり、アンケート調査にご協力いただきまし

た南海団地(舞地区)の住民の皆様、またヒアリング調査にご協力いただ

きました阪南市立地適正化計画の担当者様には、厚く御礼申し上げます。

補注

(1)本研究では、参考文献6)「全国のニュータウンリスト」に記載され

ており、かつ高度成長期と考えられる1955年~1974年に開発された

地区をONTとして定義する。

(2)参考文献6)、7)を基に、ONTを有する自治体と取組自治体とを照

合して算出。ONTを有する取組自治体数は、埼玉県[9]、千葉県[9]、

神奈川県[9]、愛知県[14]、大阪府[13]であった。[]内は自治体数。

(3)人口は国勢調査(2015年)、ONTの地区名は参考文献6)を基に作

成。

(4)国土数値情報によるニュータウンのポイントデータ及び航空写真、

土地区画整理事業図等を用いて把握し、各自治体の立地適正化計画内

における居住誘導区域図から区域外に位置するONTの有無を調査し

た。

(5)参考文献8)において、対象地区の3・4・5 丁目にあたるほとんど

の地域が、平均傾斜度8%以上であることが示されている。なお、参

考文献 8)における平均傾斜度は、国土数値情報5次メッシュ(250

m)を用いた平均傾斜度 8%(約 1/12)による区分を用いている。

(6)笠谷知世、阪南市舞における空宅地の利用と現状に関する研究、和

歌山大学(2012)において現地踏査と航空写真、住宅地図により調査

された空宅地のデータを基にしている。2012 年の調査データでは、

空き地数164件で空き地率は6.96%であった。

(7)2018年11月14日に実施した、阪南市立地適正化計画担当者へのヒ

アリング調査結果を基に記述する。

参考文献

1)越川知紘ほか,「コンパクトシティ政策に対する記述と評価の乖離実態

―都市計画マスタープランに着目して―」,日本都市計画学会,都市計画

報告集,Vol.52No.3,2017

2)甘粕裕明,姥浦道生,苅谷智大,小地沢将之, 「立地適正化計画と都市計

画マスタープランの計画内容の関係性に関する研究―都市機能誘導区

域図と将来都市構造図の整合性に着目して―」, 日本都市計画学会,都

市計画系論文集,Vol.53,No.3, 2018.

3)寺島駿, 松川寿也,丸岡陽,中出文平,樋口秀, 「線引き地方都市におけ

る3指標を基にした居住誘導区域の指定に関する即地的研究」, 日本都

市計画学会,都市計画論文集,Vol.53,No.1,2018.

4)宮崎慎也,鵤心治,小林剛士, 「立地適正化計画策定都市の誘導区域と

誘導施策に関する研究」, 日本建築学会大会学術講演梗概集, 2018.

5)小川宏樹,「立地適正化計画策定済み自治体における居住誘導区域指定

手法の比較」,日本建築学会大会学術講演梗概集,2018

6)国土交通省,全国のニュータウンリスト,平成26年発行

7)国土交通省HP,立地適正化計画の取組状況,

(http://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_city_plan_

fr_000051.html),2018.12.14閲覧

8)阪南市,阪南市立地適正化計画,平成30年8月策定

立地適正化計画における居住誘導区域外ONTの方針

ONT内の地域性を

考慮したエリア設定

同居の可能性や

オープンスペースの利活用を見据えた住宅地像の提示

〇鉄道駅まで

アクセスのよい地区

〇平坦で歩きやすい地区

住宅や商業施設の更新、空き地等の適切な管理を行い、若

い世代を含め多世代に魅力のある住宅地としていく。

〇公共交通が不便な地区

〇高台に位置する地区

短期的には周辺の新たな宅地開発を抑制しつつも、長期的

には空き地のオープンスペース利用、隣接する緑地や農地

との空間的つながりを意識した、ゆとりある住環境の形成

を図る。

【表-8】居住誘導区域外ONTにおける住宅地像の提案例

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