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ネットワーク工学ネットワーク層
IPアドレス関連
入門編
1
ネットワーク層・集中復習
ネットワーク層再入門
ネットワーク工学
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■IPアドレスは住所IPアドレスは住所。IPアドレスにより、「どこまで届けるか」「どういうルートで届けるか」を決めることができる。インターネットはすべてこの「IPアドレス=住所」で接続している。
■ PCの世界の住所IPアドレス : 192.168.1.10
■現実の世界の住所郵便住所: 神奈川県厚木市下荻野1030
ネットワーク層・集中復習
ネットワーク層再入門
ネットワーク工学
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IPアドレスを用いて、「配送ルート」も決めることができる。
これを「経路制御」=「ルーティング」と呼ぶ。ポイントは、郵便局では「神奈川県厚木市」までしか見ないで配送するように、IPアドレスもその「ネットワークアドレス」しか見ないで配送する。
東京
神奈川
埼玉
千葉
横浜
相模
厚木 下荻野
「神奈川県厚木市」はこっち
宛先は神奈川県厚木市下荻野1030
「神奈川県厚木市」宛はまずは相模へ
「神奈川県厚木市」宛はこっち
海老名
厚木郵便局で始めて「下荻野1030」の宛名
をみて配送
ひとつひとつの区間を「ホップ」という。
荷物を仕分ける「経路制御表」に従って次の行き先を決める
ネットワーク層・集中復習
IPアドレスとは
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■ IPアドレスは、8bit×4個=32bitの2進数で構成される。通常は4つの10進数で表す。
例: 192.168.0.1
⇒これは人間にわかりやすいようにしているだけで実際のIPアドレスは
11000000. 10101000. 00000000. 00000001(192) (168) (0) (1)
なる「2進数32桁」のアドレスとして処理されている。
ネットワーク層・集中復習
IPアドレスとは
ネットワーク工学
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■ TCP/IP通信を行うすべての機器は、ネットワーク接続口ごとに必ずIPアドレスを持つ。
・パソコン :ひとつのIPアドレスを持つ。・ルータ:接続の数だけIPアドレスをもつ。・スイッチ:IPアドレスを持たない(⇒データリンク層通信だから)
192.168.0.1
ハブブリッジ
IPアドレスなし
192.168.0.9 192.168.3.1
IPアドレスなし
192.168.3.7
ルーター
ネットワーク層・集中復習
IPアドレスとは
ネットワーク工学
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■なぜルーターはひとつのIPアドレスじゃダメなの?ルーターは「県境の配送所」にあたると思えばいい。「神奈川県の住所」も、「東京都の住所」も持ち、それぞれの県内の配送に対応しているのだ。
・ 正確にいうと、接続ポートごとに接続するネットワークアドレスが異なるので、同じ IPアドレスはもてない。
192.168.0.9
ルーター東京都の住所東京都
192.168.0.0/24
192.168.3.1
神奈川県の住所神奈川県
192.168.3.0/24
ネットワークアドレスが異なる
ネットワーク層・集中復習
IPアドレスとは
ネットワーク工学
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■ IPアドレスはひとつで二つの機能配送に用いる「ネットワークアドレス部」と実際の住所を指す「ホストアドレス部」に別れる。ルータは、「ネットワークアドレス」のみ見て配送する。
192 . 168 . 0 . 1 /24ネットワークアドレス部
ホストアドレス部
CIDR表記
192 . 168 . 0 . 1 /24
実際には、二つの機能がある
ネットワーク層・集中復習
IPアドレスとは
ネットワーク工学
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■ IPアドレスはひとつで二つの機能■ネットワークアドレス
所属するネットワーク。住所の大枠。■ホストアドレス
実際にPCやルーターにつける「実際の住所」にあたる
192 . 168 . 0 . 1 /24ネットワークアドレス部
ホストアドレス部
CIDR表記
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ネットワーク層再入門
ネットワーク工学
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神奈川県厚木市下荻野 1030 N科K1-901岡本(学)宛
■IPアドレスはひとつで二つの機能
MACアドレス
ネットワークアドレス ホストアドレス
全国の郵便局はこの部分だけを見て配送し、厚木市まで届ける。
地元の厚木市の郵便局だけがこの部分を見て実際の住所まで配送。
さらに本人まではMACアドレス指定で届ける(要は詳細住所)
192.168.0. 3 00:10:5A:70:33:61
MACアドレス
ネットワークアドレス ホストアドレス
ルーターはこの部分だけを見て配送し、192.168.0.0 のネットワークまで届ける。
192.168.0.0 ネットワーク
まで来て初めて192.168.0.3 まで配送。
さらにPCまではMACアドレス指定で届ける。最後はIPアドレスからMACアドレスに変換して配送している。
ネットワーク層・集中復習
IPアドレスとは
ネットワーク工学
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■ IPアドレスの区切り「どこまでがネットワークアドレスで、どこからがホストアドレスなのか」、区切りの指定は2種類。
■ CIDR : 2進数の○桁目で区切ると「桁指定」例: /24 ⇒ 2進数で24桁目で区切る
■サブネットマスク :区切りの○桁目まで「1」を並べた2進数で区切りを示す。例: 255.255.255.128 ⇒ 2進数25桁
192 . 168 . 0 . 1ネットワークアドレス部 ホストアドレス部
区切り方2種類
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IPアドレスとは
ネットワーク工学
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<IPアドレスの区切り方①>■ CIDR : 2進数の○桁目で区切ると「桁指定」する
■例① 192.168.1.3 / 24 のPCのネットワークアドレスは?11000000.10101000.00000001.00000011 /24
(192) (168) (1) (3)
よって、「192.168.1.0」がこのPCが所属するネットワーク
先頭24桁がネットワークアドレス ( /24 で示す)
■例② 192.168.1.130 / 25 のPCのネットワークアドレスは?11000000.10101000.00000001.10000010 /24
(192) (168) (1) (130)
よって、「192.168.1.128」がこのPCが所属するネットワーク
先頭25桁がネットワークアドレス ( /25 で示す)
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IPアドレスとは
ネットワーク工学
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<IPアドレスの区切り方②>■サブネットマスク : 区切りの2進数○桁目まで1を並べたもの
■例① 192.168.1.254 で、サブネットマスク 255.255.255.128 のPCのネットワークアドレスは?
11000000.10101000.00000001.11111110(192) (168) (1) (254)
11111111.11111111.11111111.10000000 サブネットマスク(255) (255) (255) (128)
よって、「192.168.1.128」がこのPCが所属するネットワーク
ネットワーク層・集中復習
サブネットマスクとは
ネットワーク工学
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■ CIDR⇒サブネットマスクの変換
192.168.0.1/24 ⇒ この桁数分だけ2進数の「1」で埋めたものがサブネットマスク
24桁⇒ 11111111 . 11111111. 11111111. 00000000
これを10進数で表した 255.255.255.0 がサブネットマスク
■サブネットマスク⇒ CIDRの変換
255.255.255.192 ⇒ 2進数で書いた1の数がCIDR
255.255.255.192 ⇒ 11111111 . 11111111. 11111111. 11000000よってCIDR 「/26」 (「1」の数を数えると26ある)
ネットワーク層・集中復習
ホストアドレス
ネットワーク工学
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■ IPアドレスのうち、ネットワークアドレス部以外で自由に使えるアドレスを、「ホストアドレス」と呼び、PC等に与えることができる。実際の「住所」にあたる。
例: 192.168.3.0/24 のネットワークでは
ここだけ自由に使える
ネットワークアドレス部
11000000 . 10101000 . 00000011 . 00000000ホスト部
この例では、ホスト部は最後の8桁だから、「00000000」から「11111111」まで使える。ただし「00000000」と「11111111」は使えないので、実際は「00000001」~「11111110」までの254個。
ここは固定変更不可
ネットワーク層・集中復習
ホストアドレス
ネットワーク工学
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■ 「ホスト部がすべて0」はネットワークアドレス「ホスト部がすべて1」はブロードキャストアドレスとして予約してあるので、PCやルータには使えない。
すべてのビットが0: 「ネットワークアドレス」例: 192.168.0.0 / 24
11000000 . 10101000 . 00000000 . 00000000
すべてのビットが1:「ブロードキャストアドレス」例: 192.168.0.255 /24
11000000 . 10101000 . 00000000 . 11111111
ホスト部がすべて0
ホスト部がすべて1
ネットワークアドレス部
ネットワークアドレス部
ネットワーク層・集中復習
ホストアドレス
ネットワーク工学
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<ホストアドレスの数>■例 192.168.1.254のPCが所属するネットワークで、
CIDRなら「/25」、サブネットマスクなら 255.255.255.128で表記されているが、ここに配置できるホストは何台か
11000000.10101000.00000001.11111110 いまあるPC(192) (168) (1) (254)
11111111.11111111.11111111.10000000 サブネットマスク(255) (255) (255) (128) (CIDRなら25桁)
よって、「192.168.1.128」がこのPCが所属するネットワークでホストは、最後の7桁「0000000」~「1111111」が使える。「すべて0」と「すべて1」は除くから実際には「0000001」(十進数で 1 )~「1111110」(十進数で126)までなので、「126台」使える。
演習のための復習
ネットワークの分割
ネットワーク工学
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ひとつのネットワークは、「内部でさらに細かいネットワークに分ける」ことができる。
192.168.0.0 / 25のネットワーク
192.168.0.69
192.168.0.3
「192.168.0.0/25」ネットワークにある、192.168.0.3に情報を送信する。
(送信側は内部の細かいネットワークの分割は知らなくてよい)
192.168.0.0 / 26のネットワーク
192.168.0.64 / 26のネットワーク
基本的には、CIDRによる「ネットワークアドレス」の区切りを
右にずらして、新たに区分けすることで分割
演習のための復習
ネットワークの分割
ネットワーク工学
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192.168.0.0 / 25 のネットワーク分割
2進数で、192.168.0.0を書くとこうなる。11000000.10101000.00000000.00000000
ネットワークアドレスは、CIDRによる25桁固定
ここは「ネットワークを表す」ので自由に使えない。
ホストアドレス部
自由に使える!
0 0 0 0 0 0 00 0 0 0 0 0 0 ⇒ 192.168.0.0/261 0 0 0 0 0 0 ⇒ 192.168.64.0/26
自由に使える「7桁」の最初の1桁目を「ネットワークを表す」
ことにすると、二つのネットワークに分割できる
/25⇒/26 にすることで最初の26桁目もネットワークアドレスにする。そして、「26桁目が0のネットワーク」「26桁目が1のネットワーク」の二つに分ける
新しいホスト部(ひと桁減った)新ネットワーク部
演習のための復習
ネットワークの分割
ネットワーク工学
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192.168.0.0 / 25 のネットワーク 4分割の例(この場合は二桁右にずらす)
192.168.0.0 / 25のネットワーク
192.168.0.1~30
192.168.0.0 / 27のネットワーク
11000000.10101000.00000000.00000000
11000000.10101000.00000000.0000000025桁はネットワークアドレスとして固定 残り7桁は自由
25桁はネットワークアドレスとして固定
25 + 2桁をネットワークアドレスにする
残り5桁をホスト部
00ネットワーク
192.168.0.33~62
192.168.0.32 / 27のネットワーク
11000000.10101000.00000000.0010000025桁はネットワークアドレスとして固定
25 + 2桁をネットワークアドレスにする
残り5桁をホスト部
01ネットワーク
192.168.0.65~94
192.168.0.64 / 27のネットワーク
11000000.10101000.00000000.0100000025桁はネットワークアドレスとして固定
25 + 2桁をネットワークアドレスにする
残り5桁をホスト部
10ネットワーク
192.168.0.97~126
192.168.0.096/ 27のネットワーク
11000000.10101000.00000000.0110000025桁はネットワークアドレスとして固定
25 + 2桁をネットワークアドレスにする
残り5桁をホスト部
11ネットワーク