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NUMO技術開発成果報告会2015 ~包括的技術報告書「わが国における安全な地層処分の実現性 」(仮称) ~ 中間報告 (2)地層処分に適した地質環境の把握とモデル化 2015629原子力発電環境整備機構(NUMO技術部 吉村 公孝 P.0 技術部 吉村 公孝 報告内容 1.包括的技術報告書での記述方針 2.地質環境に求められる安全機能と影響要因 3.地質環境特性調査・評価 母岩の分類とモデル化 母岩の分類とモデル化 まとめと今後の予定 まとめと今後の予定 P.1

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  • NUMO技術開発成果報告会2015~包括的技術報告書「わが国における安全な地層処分の実現性 」(仮称) ~

    中間報告

    (2)地層処分に適した地質環境の把握とモデル化

    2015年6月29日

    原子力発電環境整備機構(NUMO)技術部 吉村 公孝

    P.0

    技術部 吉村 公孝

    報告内容

    1.包括的技術報告書での記述方針

    2.地質環境に求められる安全機能と影響要因

    3.地質環境特性調査・評価

    4 母岩の分類とモデル化4.母岩の分類とモデル化

    5 まとめと今後の予定5.まとめと今後の予定

    P.1

  • 1.包括的技術報告書での記述方針

    P.2

    包括的技術報告書での記述方針

    地質環境に期待される安全機能(隔離・閉じ込め)に対する火山・火成活動,断層活動,隆起・侵食などによる著しい影響を段階的な調査によ て回避した上で 地質環境特性とその長期的な変遷を調査によって回避した上で,地質環境特性とその長期的な変遷を調査・評価し,地層処分に適した地質環境を選定する方法論を有することを示すすることを示す。

    わが国の地質環境にかかわる最新の知見や理解に基づき,現実的に想定され 安全機能が長期にわたり維持されると考えられる的に想定され,安全機能が長期にわたり維持されると考えられる地質環境のモデルを構築する。

    包括的技術報告書における地質環境のモデルは,幅広いわが国の地質環境を代表して,設計から安全評価までの一連の検討に用いる基盤モデルとして適用し 検討を通じて安全な地層処分の実いる基盤モデルとして適用し,検討を通じて安全な地層処分の実現性を具体的に提示するものである。

    P.3

  • 2.地質環境に求められる安全機能と影響要因

    P.4

    地質環境に求められる安全機能

    隔離機能隔離機能廃棄物を人間の生活環境から離れた地下深部に保持し,廃棄物の影響を十分小さくする機能

    閉じ込め機能放射性核種の浸出および移行を抑制する機能

    安全機能 地質環境に求められる要件

    隔離

    生活環境から十分離された安定な地下深部に廃棄物を埋設し侵食のような地形変化から防護すること隔離

    人間が特殊な技術を用いることなしに,廃棄物への偶発的な接近を困難にすること

    熱環境(T)

    緩衝材が熱変質を受けないようにするため,地温が100℃を大きく超える期間が長期にわたり継続しない すなわち「地温勾配が小さい」こと

    閉じ込め

    (T) わたり継続しない,すなわち「地温勾配が小さい」こと

    水理場(H)

    放射性核種の移行時間を増大させ移行率を低減させるため,動水勾配が小さいあるいは岩盤の透水性が低い,すなわち「地下水の流動が緩慢である」こと

    力学場 オ バ パ クの破損を招かないようにするとともに 人工バリアシステムの設計 施工閉じ込め 力学場(M)

    オーバーパックの破損を招かないようにするとともに,人工バリアシステムの設計・施工を容易にするため,「岩盤の変形が小さい」こと

    化学環境

    ガラスの溶解,オーバーパックの腐食,緩衝材の変質,緩衝材および岩盤の収着能の低下 放射性核種の溶解度の上昇を抑制するため 地下水は「 Hが著しく低くない/

    P.5NUMO-TR-11-01(2011),および総合資源エネルギー調査会(2014)を編集

    環境(C)

    低下,放射性核種の溶解度の上昇を抑制するため,地下水は「pHが著しく低くない/高くない」,「酸化性でない」,「炭酸化学種濃度が0.5mol/dm3以下である」こと

  • 自然現象の著しい影響の回避と地質環境の安全機能の確認

    地質環境 著 影響 火 火成活動 非火 性熱水 部流体 流 断地質環境への著しい影響(火山・火成活動,非火山性熱水・深部流体の流入,断層活動,隆起・侵食等)を回避

    地質環境に対して,気候変動に伴う海水準変動などの緩慢な変化・変動のもとで,地質環境に対して,気候変動に伴う海水準変動などの緩慢な変化 変動のもとで,長期的に地質環境特性が安定的に維持されることを確認

    それらを調査・評価して,地質環境に求められる安全機能を有することを確認

    回避する自然現象の著しい影響

    自然現象 著しい影響自然現象 著しい影響

    火山・火成活動マグマの貫入に伴う処分施設の破壊,地表への噴出

    火山性の熱・熱水・ガスの流入に伴う熱環境 化学環境の変化火山性の熱 熱水 ガスの流入に伴う熱環境,化学環境の変化

    非火山性熱水・深部流体の流入

    非火山性熱水・深部流体の流入に伴う熱環境,化学環境の変化

    断層活動活断層など※の活動に伴う処分施設の破壊,透水性の増加

    ※数10万年前から繰り返し活動し変位規模の大きな断層,顕著な活動を継続している活褶曲・活撓曲など

    隆起 侵食 著しい侵食に伴う処分施設の地表付近 の接近

    P.6

    総合資源エネルギー調査会(2014)を編集

    隆起・侵食 著しい侵食に伴う処分施設の地表付近への接近

    地質環境特性調査 評価3.地質環境特性調査・評価

    P.7

  • 段階的な調査の実施

    文献 概要 精密の段階的な調査により 最終処分施設の建設地を選定文献・概要・精密の段階的な調査により,最終処分施設の建設地を選定

    ブロックスケール(数百 m程度)

    P.8

    総合資源エネルギー調査会(2014)を編集

    文献調査:著しい影響の回避

    文献調査 実施(概 調査地 選定)文献調査の実施(概要調査地区の選定)

    この段階で,第四紀火山,規模の大きい活断層,著しい隆起・侵食の影響を回避

    調査の結果 概要調査地区を選定し 地上からの調査(概要調査)に進む調査の結果,概要調査地区を選定し,地上からの調査(概要調査)に進む

    全国一律に評価する事項に該当する第四紀火山の中心から半径15kmの円の範囲

    文献調査を実施する範囲

    概要調査地区

    第四紀火山

    15km

    個別の文献調査で確認された第四紀火山 で確認された熱・熱水の影響の及ぶ範囲

    全国一律に評価する事項個別の文献調査で確認された活断層

    全国 律に評価する事項に該当する活断層

    P.9

    NUMO-TR-04-02(2004)を一部を編集

  • 概要調査:著しい影響の回避の確認

    概要調査の実施(精密調査地区の選定)概要調査の実施(精密調査地区の選定)

    概要調査地区で,著しい影響(火山・火成活動,規模の大きい活断層,著しい隆起・侵食)が確認された場合は回避する起 侵食)が確認された場合は回避する

    【ボーリング調査】 【トレンチ調査】 【物理探査】 【地表踏査】

    (遠⽥ほか,2009)

    地下深部におけ断層の検出

    陸上の反射法探査※写真提供:地球科学総合研究所HP

    地下深部における伏在断層の有無を調査

    断層の活動性の隆起量 調査有無の評価

    火山・火成活動の痕跡の有無を確認

    隆起量の調査

    侵食量の推定

    P.10

    【岩盤特性】

    概要調査:地質環境特性に係る情報の取得

    【地質・地質構造】 【岩盤特性】【地質 地質構造】

    0

    コア観察結果から,各地層の境界深度や割れ目の分布を確認

    物理探査結果から,各地層の広がりを確認

    孔内検層を実施し,各種物性値を連続的に取得

    岩石の強度・変形特性を室内試験等で確認

    深度

    0深度

    0

    孔内検層(密度検層) 一軸圧縮試験コア観察 反射法地震探査

    度(m)

    500

    (m)

    350

    【⽔理特性】 【地化学特性】透水試験を実施し,各地層の透水係数,間隙水圧を取得

    流体検層による水みちの抽出

    孔内揚水による地下水採取,コア間隙水を抽出

    地下水水質 地下水年代の分析0

    地上設備

    流体検層による水みちの抽出 地下水水質,地下水年代の分析

    水みち

    深度(m)試験区間

    P.11

    地下水の揚水透水試験 コア間隙水の抽出流体検層

    60

    NUMO 実証研究成果より

  • 精密調査:詳細な地質環境情報の把握

    精密調査の実施(最終処分施設建設地選定)

    地下調査施設では,地下深部における母岩の地質環境特性を詳細に把握

    【トンネル調査】 【地下調査施設での調査・試験】

    地層の直接⽬視による調査の事例※写真提供 N

    地下調査施設での調査・試験の事例※写真提供 日本原子力研究開発機構

    P.12

    ※写真提供:Nagra※写真提供:日本原子力研究開発機構

    段階的な調査による地質環境モデルの更新

    各調査段階で,地質環境の調査・評価の結果から地質環境特性を提示する「調査サイトの地質環境

    地質構造の概念モデル(地質構造発達史) 地質構造モデル

    質環モデル」を構築

    この地質環境モデルは,地質構造の概念モデルを基に構築し デ造の概念モデルを基に構築し,データセットと合わせ,統合したデータベースとして,設計・安全評価に提供

    地質環境モデルは,調査の進展に伴い更新 次段階において不

    水理地質構造モデル 地下水化学モデル 岩盤特性モデル

    に伴い更新。次段階において不確実性が減少するように調査計画を策定

    調査技術・評価手法の実証を通じて,既存の技術・手法により調査サイトの地質環境モデルが作成

    P.13

    NUMO-TR-11-01(2011)よりサイトの地質環境モデルが作成可能であることを確認

  • 調査サイトの地質環境モデルの構築・更新プロセスの実証

    ①既存文献情報に基づいた調査サイトの地質環境モデルの構築

    砂岩主体層 沖積層

    ①既存文献情報に基づいた調査サイトの地質環境モデルの構築

    西 東-0

    500

    泥岩主体層

    砂岩シルト岩互層

    500m-500

    ②物理探査 ボーリング調査等で取得したデータによる調査サイトの地質環境モデルの更新

    地形図,地質図,空中写真 地質構造モデル

    ボーリング孔

    ②物理探査,ボーリング調査等で取得したデータによる調査サイトの地質環境モデルの更新

    0

    沖積層

    ボ リング孔

    深度

    西 東

    -0

    砂岩主体層

    砂岩シルト岩互層度(m)

    -500

    泥岩主体層

    500m

    P.14ボーリング調査 地質柱状図コア観察

    地質構造モデル420

    4.母岩の分類とモデル化

    P.15

  • 包括的技術報告書における地質環境モデルの役割

    母岩の分類とモデル化

    候補母岩が特定されていない現状において わが国の地質環候補母岩が特定されていない現状において,わが国の地質環境に関する最新の知見と理解に基づき,現実的に想定され,安全機能が長期にわたり維持されると考えられる母岩のモデルを提示

    わが国の幅広い地質環境を考慮した上で 多様な岩種を分類しわが国の幅広い地質環境を考慮した上で,多様な岩種を分類してモデルを作成し,地下施設設計・安全評価の検討に利用

    地質環境特性に関する情報は 三段階の調査に対応したスケ地質環境特性に関する情報は,三段階の調査に対応したスケールを考慮し,全国規模の文献,地上からの調査,地下研究施設等で実際に調査により取得されたデータを使用設等で実際に調査により取得されたデ タを使用

    P.16

    母岩の分類

    【モデル化する岩種】 処 観点 岩 特徴を整【モデル化する岩種】

    深成岩類(変成岩類を含む)

    新第三紀堆積岩類(透水性は火山岩に類似)

    地層処分の観点から母岩の特徴を整理第四紀の堆積層,第四紀の火山岩は除外

    時代 岩種(大分類)

    水みち構造

    透水係数

    有効間隙率

    熱伝導率

    一軸圧縮強度

    長期的な状態変化

    化学的緩衝能

    先新第三紀堆積岩類(岩盤強度は火山岩に類似)

    (大分類) 構造 係数 間隙率 率 縮強度 状態変化 緩衝能

    新第三紀 堆積岩類 粒子間隙割れ目

    続成作用活構造の発達(塑性変形)

    大きい

    安全評価の観点からほぼ同様の特徴

    先新第三紀 堆積岩類 割れ目層理面

    不整合面劈開面

    変形し難い(弾性変形)

    大きい

    施設設計の観点から新第三紀・先新第三紀

    火山岩類 節理割れ目

    粒子間隙

    変形し難い(弾性変形)

    小さい

    新第三紀・ 深成岩類 割れ目 変形し難い 小さい

    ほぼ同様の特徴

    新第 紀先新第三紀

    深成岩類(片麻岩類を含む)

    割れ目節理岩脈

    変質帯

    変形し難い(弾性変形)

    小さい

    新第三紀・ 変成岩類 割れ目 変形し難い 小さい

    他の岩種とは異なる特徴

    P.17

    先新第三紀 (片麻岩類を除く)

    片理面 (弾性変形)

    大中小

    凡例

  • モデルの作成方法

    わが国の地質環境に関する最新の知見の収集

    全国規模の地質環境データセットの作成

    地層処分の観点からの岩盤の分類およびモデル化対象の岩種(母岩)の設定

    数十km

    数km 特定サイトの地質環境デ タセ トの作成

    各母岩の地質構造モデルの構築

    数十km:広域スケール

    数km

    数百m

    データセットの作成

    各母岩の水理地質構造モデルの構築 数十km:広域スケ ル

    数km:処分場スケール

    数百m:ブロックスケール設計・安全評価のための現実的なモデル及び境界条件の提示

    包括的技術報告書では,まずは深成岩類(花崗岩)を対象にした地質環境のモデルを構築

    設計 性能評価の検討を行うために 広域スケ ルを50k 50k 3k

    モデル及び境界条件の提示

    P.18

    設計・性能評価の検討を行うために,広域スケールを50km×50km×3km,処分場スケールを3km×3km×1km,ブロックスケールを100m×100m×100mに設定

    深成岩類:地質構造モデルの構築(1)

    不連続構造(地下水移行経路)の設定不連続構造(地下水移行経路)の設定

    直線的形状で確率論的に発生

    トレース長,頻度の設定

    大規模:シームレス地質図,活断層データベース(以上,産総研),日本の断層マップ(小坂ほか,2010)

    中・小規模:地下研究所 石油・ガス地下備蓄基地 地下施設 鉱山等

    1E81E8

    中 小規模:地下研究所,石油 ガス地下備蓄基地,地下施設,鉱山等

    トレース長の累積頻度分布を傾きが約4となるべき乗数に沿って設定

    全国データおよび地下研究施設等の観察データから統計的に三次元分布密度を設定100100

    10000

    100000

    1000000

    1E7

    1E8

    10000

    100000

    1000000

    1E7

    1E8

    1

    10

    100

    1

    10

    100

    1

    10

    100

    1000

    1

    10

    100

    1000

    P20

    [n/1

    km2 ]

    べき乗数4

    度分

    布/km

    2

    1E-3

    0.01

    0.1

    1E-3

    0.01

    0.1

    32

    [m

    2/m

    3 ]

    3次元密度=0.001[m2/m3]

    続構

    造の

    面積

    m2/m

    3) 三次元密度

    =0.001(m2/m3)

    1E-4

    1E-3

    0.01

    0.1

    1E-4

    1E-3

    0.01

    0.1

    P

    菊間地下石油備蓄基地 スーパーカミオカンデ 久慈地下石油備蓄基地 東濃リニアメント調査 東濃リニアメント調査(30km) 標高500mにおける断層(NUMO-DB) 表層における断層(AIST) 露頭(P25) 露頭(P11) 露頭(P10)

    露頭(P9)

    累積

    頻度

    1E-5

    1E-4

    1E 3

    1E-5

    1E-4

    1E 3菊間地下石油備蓄基地

    スーパーカミオカンデ 久慈地下石油備蓄基地 東濃リニアメント調査 東濃リニアメント調査(30km) 表層における断層(AIST) 標高500mにおける断層(NUMO-DB) 露頭(P25) 露頭(P11) 露頭(P10)露頭(P9)

    P3

    不連

    続 (m

    P.19

    0.1 1 10 100 1000 10000 1000001E-5

    0.1 1 10 100 1000 10000 1000001E-5

    トレース長 [m]

    露頭(P9)

    0.1 1 10 100 1000 10000 1000001E-6

    0.1 1 10 100 1000 10000 1000001E-6

    Fracture size [m]トレース長(m)JAEA Research 2010-021の一部を加筆

  • 深成岩類:地質構造モデルの構築(2)

    不連続構造の走向 傾斜の設定不連続構造の走向・傾斜の設定

    不連続構造は平面構造を仮定

    単位体積当たりの不連続構造の面積から 傾斜を設定単位体積当たりの不連続構造の面積から,傾斜を設定

    わが国の花崗岩類中に確認されている不連続構造の走向・傾斜の分布を考慮して不連続構造を設定

    m50km

    花崗岩類中の不連続構造の走向・傾斜

    P.20

    設定した不連続構造の作成例(鳥瞰図)

    深成岩類:水理地質構造モデルの構築(1)

    全国 花崗岩類深成岩類の水理特性の設定

    全国データから花崗岩の透水係数デ タを収集し 統計的に分析

    全国の花崗岩類

    300

    350

    400 対数平均値 1.4E-08

    対数標準偏差 1.5

    データを収集し,統計的に分析

    母岩の透水係数を

    1 4×10-8 / に設定100

    150

    200

    250

    300

    頻度

    1.4×10-8m/secに設定

    間隙率を0.8に設定0

    50

    100

    1.E

    -14

    1.E

    -13

    1.E

    -12

    1.E

    -11

    1.E

    -10

    1.E

    -09

    1.E

    -08

    1.E

    -07

    1.E

    -06

    1.E

    -05

    1.E

    -04

    1.E

    -03

    1.E

    -02

    1.E

    -01

    次の

    級次

    透水係数(m/sec)

    透水係数間隙率(%)

    花崗岩

    時代 古生代 中生代 古第三紀 新第三紀 第四紀 全体

    個数 9 881 37 16 0 943

    間隙率( )

    個数 9 881 37 16 0 943

    平均値 1.45 0.68 2.25 1.88 - 0.8

    中央値 0.98 0.56 1.56 1.36 - 0.6

    標準偏差 1.427 0.466 2.210 1.575 - 0.8

    P.21

    最大値 4.60 3.72 11.10 5.86 - 11.1

    最小値 0.39 0.03 0.25 0.35 - 0.03

  • 深成岩類:水理地質構造モデルの構築(2)

    断層の水理特性の設定断層の水理特性の設定

    断層の水理構造を母岩,ダメージゾーン,破砕帯,断層粘土(ガウジ)に分類し,それぞれ透水係数を設定

    断層の透水性の異方性を設定

    NUMO 断層水理データベース

    1 E‐05

    1.E‐04

    U 断層水理デ タ ス

    断層水理DB:粘土状破砕部

    断層水理DB:破砕帯

    断層水理DB:ダメージゾーン

    1.E‐06

    1.E 05

    m/s

    )m

    /se

    c)

    1.E‐07透水

    係数

    (m

    透水係数

    1.3×10-9 m/sec

    透水

    係数

    (m

    1.E‐081.6×10-6 m/sec対数平均値

    (m/sec)

    ダメージゾーン 4.8×10-7

    P.22

    1.E‐09破砕帯 1.6×10-6

    粘土(コア) 1.3×10-9

    深成岩類:水理地質構造モデルの構築(3)

    深成岩類の透水量係数の設定深成岩類の透水量係数の設定

    1km未満の不連続構造の水理特性の設定は,花崗岩地域を対象としたボーリング孔内水理試験のデータを統計的に処理

    試験区間長 試験区間長 試験区間長

    不連続構造の水理特性は,深度500m以深で,試験区間長10m以下の透水量係数の頻度分布に近い対数正規分布として,1×10-9 m2/sec (標準偏差=2.0)を設定

    0

    試験区間長5m以下

    試験区間長5-10m

    試験区間長10-20m

    16

    18

    20

    400

    200

    10

    12

    14

    頻度

    600

    深度

    2

    4

    6

    8

    1000

    800

    -12 -11 -10 -9 -8 -7 -6 -5 -40

    2

    透水量係数の対数 [m2/s]

    試験 長 透水量

    P.23

    10-12

    10-10

    10-8

    10-6

    10-4

    10-2

    10-12

    10-10

    10-8

    10-6

    10-4

    10-2

    10-12

    10-10

    10-8

    10-6

    10-4

    10-2

    透水量係数 [m2/s] 透水量係数 [m2/s] 透水量係数 [m2/s]試験区間長10m以下の透水量

    係数の頻度分布花崗岩地域の水理試験データ

  • 設計・性能評価へのモデルの提示

    不連続構造の設定パラメ タに基づいて各スケ ルの地質構造モデルを構築不連続構造の設定パラメータに基づいて各スケールの地質構造モデルを構築

    長さ10km以上の不連続構造の延長上と離隔距離を考慮し処分場スケールの領域を選定

    処分場スケールを100ケースのシミュレーションにおいていずれも選定可能

    ケース1 ケース2処分場スケール領域+500m

    (ニアフィールド領域)

    処分場スケール領域(3km×3km)

    ケース3 ケース100

    ・・・・・ 処分場スケールのモデル(平面図)

    設計・性能評価の検討に

    デ びブ デ 安全

    広域スケールのモデル ブロックスケールのモデル

    設計・性能評価の検討に用いたモデルのスケール

    100m×100m×100m

    P.24

    処分場スケールモデルおよびブロックスケールモデルのパラメータを設計・安全評価に提示

    候補母岩が選定された場合は,調査サイトの地質環境モデルのひな形として利用

    5 まとめと今後の予定5.まとめと今後の予定

    P.25

  • まとめ

    包括的技術報告書では,わが国の地質環境の特徴を俯瞰し,地質環境に期待される安全機能に対する著しい自然現象の影響を回避した上で 調査 評価により地層処分に適する地質環境を選定するした上で,調査・評価により地層処分に適する地質環境を選定するプロセスを提示

    実証研究と最新の科学的知見を通じて,地質環境情報を合理的に取得できることを提示するとともに,取得した地質環境情報を地質環境モデルに統合し 設計 安全評価への反映を念頭にしたプロセ環境モデルに統合し,設計・安全評価への反映を念頭にしたプロセスを段階的に確認

    設計・性能評価の検討に資する母岩として3種類を設定し,そのうち深成岩類については,地質環境のモデルをより現実的に構築

    堆積岩類のモデル化については今後検討

    P.26

    今後の予定

    堆積岩類(新第三紀 先新第三紀)のモデル化堆積岩類(新第三紀,先新第三紀)のモデル化

    多様な地質環境に対する設計・性能評価の検討に資するモデルの提供

    新第三紀堆積岩を想定した地質構造モデル新第三紀堆積岩を想定した地質構造モデル地質構造モデル構築に必要なパラメータ

    断層:頻度,長さ,走向,傾斜褶曲 波長 波高 軸長さ 軸方向

    地層:岩相,層厚,傾斜地質構造 分布面積比褶曲:波長,波高,軸長さ,軸方向 地質構造:分布面積比

    走向

    軸長さ岩相

    A

    B 傾斜波高

    軸方向長さ

    頻度

    軸長さ岩相

    傾斜

    深さ

    分布面積比

    C

    B

    層厚

    傾斜

    波長

    深さ

    水平単斜

    褶曲分布面積比

    広がり広がり

    P.27

    水平 広がり広がり

    堆積盆:広がり,深さ