猫でも分かるoculus警察撃退法 slideshare
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猫でも分かるOculus警察撃退法
おかず@pafuhana1213
Oculus Rift勉強会 関西 #02#OcuBen
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自己紹介Twitter–おかず@pafuhana1213
Oculus歴:約 2年–いろいろつくりました–UE4メイン最近の出来事–冬コミ受かりましたー。遺影ー
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本講演 (資料 )のターゲットVRコンテンツを作ろうとしているけどどうしたらいいのか分からない人
VRコンテンツを作ってみたけど何か酔いやすいし、何かイマイチな作品になってしまった人
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お品書き• Oculus警察とは• Oculus警察撃退するたったひとつの冴えたやり方
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Oculus警察とは?VRコンテンツのデモをしていると突然現れる謎の人種
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Oculus警察の生態• フレームレートが不足している
VRコンテンツを体験すると、発狂する• 酔い対策が全く入っていない
VRコンテンツを体験すると、発狂する• その場では何も言わず、 Twitter上で愚痴ることが多い–性格の悪いコミュ症
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Oculus警察撃退するたったひとつの冴えたやり方
VRコンテンツを作りましょうね、簡単でしょ?
VRHMDが要求するフレームレートを常に維持しつつ、酔い対策を十分に入れた
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少し真面目に• VRは生牡蠣–一度酔った人は、二度と VRを体験しようとしない–あなたの作った VRコンテンツがはじめての VR体験になる可能性
• 独学で達成するのは困難–先人たちの成功・失敗・経験などを全力で盗 s…取り入れてきましょう
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真のアジェンダ• VRコンテンツを作る前に–コンテンツを遊ぼう–色々と記事を漁ってみよう
• 酔わない VRコンテンツへの道–フレームレート編–酔い対策編
• 素晴らしい VRコンテンツへの道
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VRコンテンツを作る前に…良い VRコンテンツと酔いやすい VRコンテンツを遊ぼう– VRコンテンツで酔い対策をする上での指針を自分の中に構築
自分は天才だ、という過信は捨てること–「他作品からの影響を受けたくない」的な
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良い VRコンテンツ• Oculusが展示しているコンテンツ• 「杜の VR部」で紹介されているコンテンツ– http://www.forest.impress.co.jp/docs/serial/oculusclub/
• OculusShareの Top Rated– https://share.oculus.com/–一部酔いやすいものがあるので注意
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酔いやすい VRコンテンツ• フレームレート不足–自作するのが手っ取り早い• 超重いモデルをシーンに大量配置
• 酔い対策なし– OculusSDKの Samplesフォルダにある「 OculusWorldDemo.exe」• 自由に動き回れる一人称視点 VR
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ここで少し注意酔いや違和感を得なかったあなたはVR酔いに強い人です
VRコンテンツの酔い対策する上で自分の感覚を一切信用しないで下さい• 他人にチェックプレイしてもらいましょう
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真のアジェンダ• VRコンテンツを作る前に–コンテンツを遊ぼう– VRに関する資料や記事を漁ってみよう
• 酔わない VRコンテンツへの道–フレームレート編–酔い対策編
• 素晴らしい VRコンテンツへの道• まとめ
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VR開発者のバイブルOculusのベストプラクティスガイド 日本語版
– https://forums.oculus.com/viewtopic.php?f=74&t=25819&p=291801
VRコンテンツに関する知識・ノウハウの宝庫– VR酔いの原因・対策– VRコンテンツ製作時の注意点– 没入感を向上させる方法
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おすすめの VR 系記事• CEDEC2014 SCEの講演– VR ~Project Morpheusで体感する未来~
• CEDEC2015 Oculusの講演–すべては快適な体験のために:Oculusによる実践的VR開発技法
• CEDEC2015 バンナムのサマーレッスン講演–プロデュース編、 テクニカル編、 開発者ディスカッション編
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その他 参考資料• VR関係の書籍–バーチャルリアリティ学– 売れるゲームの UI/UX 制作現場の舞台裏• VRに関するページは 12pのみ
• SlideShareにて「 VR」「 Oculus」で検索– http://www.slideshare.net
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真のアジェンダ• VRコンテンツを作る前に–コンテンツを遊ぼう– VRに関する資料や記事を漁ってみよう
• 酔わない VRコンテンツへの道–フレームレート編– VR酔い対策編
• 素晴らしい VRコンテンツへの道• まとめ
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そもそもフレームレートって?一秒間に表示されるフレーム(画面)の数–一般的なゲーム・動画 : 約 30fps– ヌルヌルなゲーム・動画 : 約 60fps
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VRHMDが要求するフレームレート• Oculus Rift DK2 : 75fps• Oculus Rift 製品版 : 90fps• Gear VR : 60fps
• PlayStation VR : 60fps• HTC Vive : 90fps
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フレームレートを下回るとどうなるの?死あるのみ
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少しだけ!少しだけだから!死あるのみ100%酔います全てが台無しです
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高フレームレートを維持するには超ハイスペック PCを買う!–VRは金!筋肉!
間違いではないけどそうではない
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高フレームレートを維持するには想定している実行環境に応じた高速化・最適化・仕様調整を行うこと–デモ当日に「 PCの性能が低くて…はははwww」と言っている人は、この意識が足りてない
デスクトップ PCDK2+ GTX970だから・・・
VRコンテンツにおける高速化の指針ボトルネックになるのは、描画処理 (GPU)–画面2枚分表示するためモバイル 3Dゲームでのノウハウが有効–モデルのポリゴン数–ライティング・シャドウ–半透明–ポストプロセス
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ここで少し注意以降のスライドでは、専門用語が多数登場します知らない用語に関しては「あとで調べてみよー」という感じで気楽に聞いて下さい。スライド公開しますし!
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モデルのポリゴン数個人開発の範囲では、対応は後回しで OK–他の処理の方が断然重い–ただし、 Gear VRは除く
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モデルのポリゴン数への対応超ハイポリゴンモデルは避ける–最近のMMDモデルなど
LODは有効–アセットを購入する際はチェック
モデルの結合は微妙– オクルージョンカリングの関係–ただし、 Gear VRは除く
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ライティング・シャドウ基本的に、動的なライティングは避ける–ライトマップへのベイク–ライティング情報を事前に計算
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ライトマップへのベイク方法UE41. ライトの設定を「 Static」に
2. Build ボタンを押すUnity5
3. ライトの設定を「 Baked」に4. Lighting ウィンドウの Build ボタンを押す
Unity5でライトを焼く ~テラシュールブログ~
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ライトマップと動的オブジェクトライトマップは、静的なライトとオブジェクトによるもの–動的オブジェクトは考慮していない
動的オブジェクト–少しでも動くオブジェクト– 静的設定をし忘れてるオブジェクト
ライトマップと動的オブジェクトの問題• ライトが反映されないので、真っ黒に• 影が描画されない
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動的オブジェクトへのライティング• 動的なライティングを併用– 当然、重くなる
• ライティングの影響を受けないマテリアルを使用– UE4 : Emissive– Unity5 : Emission
• GI (グローバルイルミネーション)による間接光を利用– オススメ!
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GIによる間接光を利用静的オブジェクトからの反射光を事前計算–動的オブジェクトにもライティングが反映される!– 処理が断然軽い!–ただし、大雑把なライティング…
実装方法–UE4 : Lightmass–Unity5: Light Probe
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動的オブジェクトのシャドウ丸影などのフェイク表現を使用– 調整すれば、違和感はそこまでない– Epicの Showdownデモが採用
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半透明重い–エフェクト・ GUIなど
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半透明への対策• 半透明を使わない表現に変更– Showdownデモ
• 半透明”っぽい”表現–チェッカーパターンによる抜き• UE4: DitherTemporalAA
• 他の処理負荷との相談– エフェクトの量・表示時間など
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ポストプロセス描画した画面に対して行う「後化粧」– 処理重め
1. アンチエイリアスは可能な限り有効に2. Bloomもできれば有効に3. 他は使わない (特にレンズ再現系)
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その他の高速化• 描画解像度の変更– UE4 : hmd spコマンド– Unity5 : VRSettings.renderScale
• 負荷が大きめの処理・設定を切る–プロファイラでボトルネック調査– 反射、フォグなどなど
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奥の手• 超ハイスペック PCを買う!–VRは金!
• 仕様・表現の大幅変更
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個人的な考え金で解決できるのなら、金で解決するのが手っ取り早い–ただし、デモ展示用のコンテンツに限る–配布コンテンツの場合は可能な限り高速化 or 描画オプションを用意
表現したい内容に応じた各処理負荷のバランス調整が重要– 例:ホラー系なのでライティングは拘りたい → ローポリモデル・エフェクト少なめに
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おまけ• アンリアルな人– Epicの中の人 シモダさん( @junyash )の高速化 Tips
• Oculus向けのコンテンツをUE4で制作するためのノウハウ共有♪(Oculus向けの最適化とか品質向上とか)
• Showdownで使われていたノウハウの紹介も– 実際に高速化してみた記事
• 自分用も兼ねて、UE4+Oculusについて色々纏めてみる -高速化編- (2015/02/01)
• ユニティな人– Unite 2015: Optimizing for Consumer VR
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真のアジェンダ• VRコンテンツを作る前に–コンテンツを遊ぼう– VRに関する資料や記事を漁ってみよう
• 酔わない VRコンテンツへの道–フレームレート編– VR酔い対策編
• 素晴らしい VRコンテンツへの道• まとめ
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VR酔いの原因 その 1
頭の移動・回転と、表示内容とのズレ–体感と視覚のズレ– ポジション・ヘッドトラッキング
対策– 高フレームレートの維持–常にトラッキング情報をカメラに反映•どんな理由があろうが、例外はない
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VR酔いの原因 その 2
視覚誘導性自己運動感覚 (ベクション )
視覚 体感≠
VR 酔い発生!
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ベクションが発生しやすい条件• カメラの移動・回転–トラッキングの反映とは別でゲーム内での制御によるもの
• カメラ以外のオブジェクトの移動・回転– カメラ移動・回転と同じ見え方を引き起こす場合
キャラクタ固定
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ベクションを軽減させる為に• カメラを動かさない• 酔いにくいカメラ挙動– 個人差によるものが大きい
• ベクションを感じさせない工夫を導入–全世界的に研究・検証段階
CEDEC2015 Oculusの講演より
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基準物によるベクション軽減画面上での変化がない・少ない物体–自分が動いていないという感覚を強調
基準物の例–コクピットなどのフレーム表示– 移動目標地点– 遠くにある巨大な背景物
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三人称視点 VR
カメラ制御の自由度向上–酔い対策を入れやすい• キャラクタへの追従移動• カメラを高い位置に配置 などなど
詳しくは、前回の資料で–「猫でも分かる3人称視点VRコンテンツ」
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その他• カメラ移動時に特殊処理を使用– グリッド表示–フィルタを使ったぼかし処理
• テレポートによるカメラ移動– 瞬間的な移動ならベクションは発生しない
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ノウハウはどんどん共有・検証しましょう酔い対策のアイデアはまだまだ眠っている–あなたのアイデアが今後のデファクト・スタンダードになる可能性も
思いついた・実装したアイデアはネットに公開して色んな人に検証してもらいましょう!
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おまけ• 某 O 社の中の人– @GOROman– @needle
• Oculusデベロッパー助け合い所( Facebook グループ)• VR 専門のニュースサイト
– MoguraVR– PANORA VIRTUAL REALITY JAPAN– 白ペンギン– Road to VR - Virtual Reality News - Road to VR
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真のアジェンダ• VRコンテンツを作る前に–コンテンツを遊ぼう– VRに関する資料や記事を漁ってみよう
• 酔わない VRコンテンツへの道–フレームレート編– VR酔い対策編
• 素晴らしい VRコンテンツへの道• まとめ
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素晴らしい VRコンテンツとは?• 酔わない• ハイクオリティな内容• 没入感・プレゼンス(実在感)をユーザに強く与えるコンテンツ– 今後の VRコンテンツでより重要となる要素
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没入感・プレゼンスを向上させるにはプレイヤとキャラクタ・ VR 空間との双方向的なインタラクション
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キャラクタ → プレイヤプレイヤに向けたアクション–プレイヤを見つめる–プレイヤの側に寄ってくる– 頭を近づけると避ける・嫌がる
プレイヤに触れる系のアクションは避けた方が無難…– 触感がないため
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VR 空間 → プレイヤオブジェクトベースオーディオの使用–前後・左右・上下の定位感– 頭の位置・向きによって聞こえ方が変化
OculusAudioSDKが最も手軽– UE4, Unity 共に対応済み
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プレイヤ → VR 空間VR 専用コントローラを使ったオブジェクト操作–つかむ– ふる–おく–なげる–うつ などなど
没入感・プレゼンスを失うのは一瞬没入感・プレゼンスを失う原因の例–酔いを感じた– キャラクタモデルの中が見えた– オブジェクトに触れたけど何も反応がなかった
VRHMDの製品版リリース後の課題– 破綻を発生させず双方向インタラクションを実現し続けられるか
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真のアジェンダ• VRコンテンツを作る前に–コンテンツを遊ぼう– VRに関する資料や記事を漁ってみよう
• 酔わない VRコンテンツへの道–フレームレート編– VR酔い対策編
• 素晴らしい VRコンテンツへの道• まとめ
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まとめ• Oculus警察の撃退法を伝授しました– 高フレームレートの維持– VR酔い対策
• より良い VRコンテンツにする方法について– ユーザとキャラクタ・ VR 空間との双方向的なインタラクション
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おわりご清聴ありがとうございました時間があれば…質疑応答たぶんない