作 業 安 全 マ ニ ュ ア...
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1.伐 倒 作 業1- 1. 鋸断 11- 2. 伐倒方向の選定 4
1- 3. 伐倒前の準備作業 5
1- 4. 退避場所の選定 6
1- 5. 伐倒の合図 6
1- 6. 伐倒の方法 6
1- 7. 退避 8
1- 8. かかり木の処理 9
1- 9. 枝払い 11
1-10. 玉切り 12
2.下 草 刈 り2-1. 刈払機、刈刃の選定 142-2. 一般的注意事項 142-3. 作業計画 152-4. 刈払機の取扱い 152-5. その他の留意事項 18
作 業 安 全 マ ニ ュ ア ル
平成25年4月
NPO法人 フォレスターズかがわ
( 技術 編 )
1.伐 倒 作 業
1-1.鋸 断(チェーンソー作業)
1-1ー1.作業姿勢
正しい姿勢で作業すれば、安全な作業ができるばかりでなく、振動障害の予防にも役立ち、また、
能率もあがります。
(1)チェーンソー作業は、足場をしっかり確保し、身体のバランスのよい姿勢で行うこと。
①傾斜地では、スリップしないよう足場に気を付ける。
②チェーンソの前ハンドルを左手、後ハンドルを右手
で持つ(左利きの人も必ずこの持ち方をします)
③立った姿勢での構えは、左足をやや前方に出し、
両足は肩幅程度に開く。
④鋸断位置が低い場合は、同じ構えで中腰の安定し
た姿勢をとる。
受け口切り、追い口切りなどでさらに鋸断位置が
低い場合には、立木に近い左足を立て膝とし、
右足を折り曲げて構える。
(2)チェーンソーは、身体の近くで使うようにすること。
右腕のひじを右脇腹に付け、左腕をわずかに曲げるように持つと、チェーンソーが身体の
近くで操作できる。
受け口切り、追い口切りのときは、左腕の肘を膝か
もものところへ付けるようにするとよい。
両肘を体から離すと背中や腕に負担がかかるばか
りでなく、ハンドルを強く握るようになり、振動障害予防
上からも好ましくない。
(3)ハンドルは、正しく握ること。
①左手は、キックバックに備えて、必ず親指(第1指)を下に回して、前ハンドルを握ります。
右手は、スロットルロックアウトを押しつつ後ハンドルを握り、人差し指(第2指)でスロット
ルレバーを操作します。
手首は、まっすぐにしておきます。曲げておくと腕が疲れ振動障害予防の観点からも好
ましくない。
②水平切りのときは、左手は前ハンドルの側方部を持ちます。バーの上側で水平切りを行
うときは、右手の親指(第1指)でスロットルレバーを操作すると楽な場合があります。
③受け口の斜め切りのときなど 30°から 45°の角度に切るときは、左手は前ハンドルの
曲がりの中間部を持ちます。
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1-1-2.鋸断の方法
鋸断の方法には、ガイドバーを使う部分からみて、バーの下側で切る方法、バーの上側で切る
方法、突っ込み切りの方法の3とおりある。また、チェーンソーの操作方法からは、先回し切り、
元回し切り、平行切りがある。
①バーの下側で切る方法(バーの腹を使う方法)
最も容易で、基本的な方法。バーの下側では
ソーチェーンは作業者の方へ向かって走ってお
り、従って、鋸断時にチェーンソーは前方に引
っ張られ、鋸屑は足元に向かって飛びます。
このため、スパイクを利用して、「先回し切り」(ス
パイクを当てた箇所を軸として、バーの先の部分を
回して扇形に切り進める方法)で切ると楽に切れる。
正しく目立てをしたソーチェーンを使っていれば、自然に材に食い込んで行くように切
れていくので、左手は前ハンドルを握っているだけでよく、押しつける必要はない。
「元回し切り」は、下図のようにバーの先端を軸として、根元の部分を図のようにチェー
ンソーを操作して、扇形に切り進める方法です。下図のように、直径のやや大きい材を切
る場合、[先回し切り]と組み合わせをすると良い。
「平行切り」は、バーを平行に移動させて、切り進める方法。
- 2 -
②バーの上側で切る方法(バーの背を使う方法)
バーの下側で切れない条件のときに用いる
方法。バーの上側ではソーチェーンが作業者の
反対の方向に向かって走っています。そのため、
チェーンソーは作業者の方へ押され、鋸屑は前方
へ飛びます。
作業者は肘を身体につけるなどして、チェーン
ソーをしっかり保持することが必要。
バーの上側で切るときは、平行切りが主体です。
(下から切り上げるときは、バーの先端を下げて斜
めに切ることが一般的)
この方法は、枝払い、玉切り作業における切り
上げに適している。
③バーの先端で切る突っ込み切りの方法
中大径木の芯切り、追いづる切りのときの追い口切りなどの場合に用いる方法。
キックバックを避けるため、バーの先端部下側でバーの幅分の切り口を作り、ついでに
チェーンソーの向きを突っ込む方向へ変えて、切り進めます。最初から突っ込む方向で切り
込むと、キックバックが起きて大変危険。
1-1-3.キックバックの防止
走行中のソーチェーンが木材や障害物に当たってガイドバーが跳ね上げられることをキックバック
現象という。
キックバックによる災害を防止するため、次のことに心がけよう。
①ガイドバーの先端部上部だけでは、切らないこと。
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②バーの先端が鋸断中の材の陰にある
小丸太に触れないように注意すること。
1-1-4.その他鋸断上の注意事項
(1)できるだけチェーンソーの自重を利用して鋸断することとし、
無理に押しつけないこと。
無理に押しつけて鋸断すると、クラッチ部などの
損傷につながり、また、振動障害予防上もよくない。
(2)ソーチェーンが材で締め付けられたとき、スロットルレバーを引いて無理にエンジンを回転させない。
このような場合は、一旦エンジンを停止し、くさびなどを用いてのこみちを拡げ、外すこと。
(3)曲がって切り込んだ場合は、途中から無理に直さず、切り直しをする。
原因 : ●鋸断姿勢が悪い
●ソーチェーンの目立ての負揃い
●ガイドバーの変形
(4)運転中は、ソーチェーンに十分チェーンオイルが供給されていること。
1-2.伐倒方向の選定
(1)伐倒方向は、伐倒する立木の状態、隣接木の状況、地形、風向、伐倒後の作業、材を損傷
させないことなどを考慮して、安全で確実に倒せる方向を選定する。
①立木の傾き、曲がり、枝の張り具合など、立木の状
態から重心の位置を判断する。
②隣接木との、枝がらみ、つるがらみの有無とその状
態、伐倒方向線上の障害物の有無と伐倒方向の
変化、はね返りの可能性などを判断して、伐倒の
方向を選択する。
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(2)伐倒方向は、一般的には、斜面の横方向か、斜め下方を選定する。
①横方向への伐倒は、伐倒した材の安定がよく、伐倒後の作業が容易です。重心を移動させ
て伐倒することが多いので、多少の熟練を要します。
②斜め下方への伐倒は、重心の方向に近い方向へ伐倒することが多く、比較的作業は容易。
③重心が谷側にある木を下方向に倒すのは容易ですが、倒れるときの速度が最も大きくなる
ため、伐倒木が折れるなど材の損傷が起きやすいばかりでなく、折れた幹や枝の飛来のお
それがあります。
④上方向への伐倒は、通常は起こし木になり、くさびやけん引具を用いて行うことが必要で熟
練を要します。適切な伐倒でないときは、倒れるときに元口が作業者に当たったり、伐倒木
が滑落して作業者を巻き込むおそれがあります。
1-3.伐倒前の準備作業
(1)伐倒する立木について、かかり木、隣接木との枝がらみ、つるがらみ、落下のおそれのある
枯れ枝や冠雪を調べ、必要に応じ事前に処理しておく。
立木に巻き付いているつる類は、取り除いておく。
(2)伐倒したとき、接触して跳ね返るおそれのある立木、折れて飛来するおそれのある枯損木
などは、処理しておく。
(3)伐倒作業に支障となる周囲のかん木、笹、浮き石などは、除去しておく。
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1-4.退避場所の選定
(1)退避場所は、あらかじめ選定しておく。
(2)退避場所は、伐倒方向の反対側の斜面上方で
3m以上離れた箇所とし、立木の陰などの安全
なところを選ぶ。
(3)退避路は、かん木、笹など退避の支障となるも
のを取り除き、作業用具などを退避路上に置か
ないようにする。
退避するとき、かん木、笹などが支障となり、転
倒のおそれがある。
1-5.伐倒の合図
(1)伐倒作業では、定められた合図を、呼子又は大声で必ず行い、周囲の作業者及び通行者
の安全を確認して作業を進める。
(2)合図は、次により行う。
予告合図 : 受け口切りの作業の開始直前に行う。
本 合 図 : 追い口切りの作業開始直前に、他の作業者の退避を確認してから行う。
終了合図 : 伐倒が終了したら、伐倒した材の安定と、周囲の安全を確認してから行う。
1-6.伐倒の方法
1-6-1.受け口切り
(1)伐採点は、山側の地際を標準として、受け口の
位地を確かめ、なるべく下げること。
材の有効利用を図るため、伐採点を下げる
ことが、通常要請されるが、安全な正しい作
業手順で作業が行われることを確かめて、
伐採点を決めます。
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(2)伐倒を容易にするため、除去を必要とする根張りは、
切り取っておく。
根張り切りは、伐倒を容易にするとともに、伐
倒方向をずれにくくする。
なお、空洞木、腐れ木の根張りは残しておく。
(3)受け口の下切りの深さは、根張りを除いた伐根直径の1/4以上とする。
ただし、大径の木では、根張りを除いた伐根直径の 1/3以上とする。
受け口の下切りは、水平に切り込むこと。
①受け口の向いている方向が伐倒方向です。
②受け口が小さいと、隣接木とのわずかな接触
や強い風で、伐倒方向がずれるおそれがある。
③広葉樹は、一般的に受け口を大きめに作るのが
よい。傾き木、裂けやすい木は、その木の状況に
大きめの受け口とする。
(4)受け口の斜め切りは、下切りに対し、 30°~45°の角度とする。
(5)受け口の下切りと斜め切りとは、終わりの部分を必ず一致させる。
切り終わりの部分が一致していないと、追い口切りをしたとき、切り込み過ぎの部分がつるの
機能を低下させて早く倒れたり、食い違いの部分が支点になって裂けたり、引き抜けたりして
危険です。
(6)受け口を作ったとき、必要に応じ芯切りをあわせて行っておく。
大径木では、必ず芯切りをして、裂け、芯抜け(やり)、
伐倒方向のずれを防止しましょう。
1-6-2.追い口切り
(1)追い口切りは、受け口の高さの、下から2/3程度の位地を
水平に切り込むこと。
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(2)追い口切りの深さは、一般的には、つるの幅が伐根直径の
1/10程度を目安とし、切り込みすぎないようにする。
1-6-3.伐根のチェック
伐倒が終わったとき、倒れたときの状況と伐根を観察して伐倒方向をチェックし、伐倒技術の
向上と安全確保に役立てる。
伐根の観察では、特につるの部分をよくみる。つるの大きさはよいか、また裂け、引き抜けが
ないか調べ、つるの働きを理解し、技術を向上させよう。
●つるが良く機能した例
つるは、有効に機能すれば、切断した跡が引きちぎれた状態になっている。徐々に時間を
かけて倒れたことの証拠です。つるは、作業者の命を守るものです。
●つるが機能しなかった例
追い口の位地が低いとつるがほとんど機能しない。つるが裂けたままで、ちぎれた状態に
なっていない。
1-7.退 避
(1)追い口が浮き始めたら、前もって決めてある退避場所へ直ちに退避する。
①チェーンソーなどの用具類を持ったままでは素早い退避は出来ない。用具類を置いて
退避するなどその場に応じた対応が必要。
②退避場所では、伐倒木の跳ね返り、回り木、枝の飛来などに注意し、突発的な自体に
備える。
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(2)退避場所から出るときは、伐倒木が安定し、上方からの落下物、転落物がないことを確かめてか
らにする。
伐倒木は倒れてから安定するまでに時間を要し、
また、折れた枝が時間をかけて落ちてくることが
あるので注意。
1-8.かかり木の処理
(1)かかり木の処理は、細心の注意を払って作業すること。
かかり木の処理は、伐倒作業の中で最も危険な作業
の一つ。
まず、かかり木とならないよう、正しい手順による伐倒
が大切。
かかり木となってしまったときは、安易な対応を避け、
慎重な処理にこころがけることが大切。
手に負えないと判断したときは、熟練者に依頼する
ことが適切。
(2)かかり木は、早期に処理する。
放置したかかり木が落下して、下で作業していた
作業者が災害を受けた事例は多い。
かかり木となってしまったときは、早期の処理が
必要。
(3)かかり木から離れるときは、標示をしておく。
他の作業者が誤って近づかないよう、あらかじめ
打合せておいた標識で標示しておく。
作業着手前に発見したかかり木(自然に生じた
ものなど)も標示しておく。
(4)かかり木は、かかり木が外れたときに危険の生じない位地から、かかり具合をよく観察して、安全な
作業方法により処理する。
①かかっている木の胸高直径が20センチメートル未満で、容易に外れることが予想される場
合は、木回し、ターニングストラップ、ロープ等を使って外します。
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②かかっている木の胸高直径が20センチメートル以上である場合又はかかり木が容易に外
れないことが予想される場合は、けん引具等を使って外します。
(5)次に掲げる方法によるかかり木の処理は、行わない。
①かかられている木の伐倒
かかり木がいつ落ちてくるかわからず、大変危険。
②投げ倒し(浴びせ倒し)
伐倒木が予期しない方向にはねたり、また、二重
のかかり木になって、更に処理が困難になり、危険
が増す。
③元玉切り
かかり木の元玉を切り離す方法。切り離したとき、か
かり木が落下したり、滑落したりして危険。
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④かかられている木の枝切り
かかられている木に登り、枝を切って外す方法。かかり木が外れるときに、大きく揺れたり
して作業者が転落することがあり危険。
⑤肩で担う
かかり木を肩で担うと、木の重量が作業者にかかり、
外れた木の下敷きとなったり、外れた木が滑落して
1-9.枝払い
(1)枝払い作業は、材の安定を確認のうえ、足場を確保してから作業に着手する。
(2)材の上での枝払い作業は、転倒、転落のおそれがあるので
行わない。
材が地上から2m以上も浮いている部分の上での
作業は、墜落による災害のおそれがある。
また小径の材の上は、足場がせまくて不安定なので、
このような材の上での作業は避ける。
(3)伐採現場での枝払いが困難な場合は、集材作業で材を動
かしてから枝払いを行う。
(4)枝払いは、原則として山側に作業者が位地して行い、
元口から材の先端へ向かって作業をすすめる。
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(5)材をまたいでの操作やチェーンソーのバーが
自分の足に向かうような操作は、行わない。
(6)枝払いは、できるだけガイドバーの根元の部分を
使って切る。
ガイドバーの先端上部は、キックバックを起
こしやすいので、この部分を使って枝払いをしない。
(7)支え枝は、材の安定を確かめて切り払う。
傾斜地において、地面に接して伐倒木を
支えている枝は、杭止めなどを行い、材の
安定を確認した後で切る。
(8)長い枝は、二度に分けて切るなど、枝の跳ね返りなどに注意して切る。
長い枝は、枝の裂けや跳ね返りを防ぐため一度
に切り落とさず、まず半分程度の箇所を切り落とし、
ついで根元を切るようにする。
(9)斧を使用して枝払いする場合は、次のことに注意する。
①振り下ろす斧の刃先の方向に足を出さない。
斧による枝払いは、自分の位地する反対側
の枝を切り払うことを原則とし、斧の刃先を決
して自分の足先に向けて振り下ろさない。
②振り下ろすところに、刃先にふれる枝やかん木のないことを確かめる。
③もじり斧、片手斧など不安定な構え方での
作業はしない。
腕が交差した状態で使う「もじり斧」は、力の
加減が難しく、振る方向を誤りやすいので、
行わない。
(10)同時に2人以上で、同一の材の枝払いをしない。
枝払いが進むと材が不安定になり、転びだすことがある。また、近接作業となる。
1-10.玉切り
(1)玉切りは、無理な作業姿勢、無理な作業方法で行わないこと。
玉切り作業を無理な作業姿勢で行うと単に
疲れるばかりでなく、玉切った材が転がるなどして危険。
例えば、やがらになった材の玉切りは危険です。やが
らになった材は、そのままでは一応安定していますが、
玉切ると材が転がったり滑ったりします。
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(2)玉切り作業を行うときは、必ず斜面上部に立って行い、足を材の下に入れないこと。
斜面下部の作業では材が転がると危険です。どうし
ても斜面下部で作業しなければならないときは、ロープ
などで材を固定してからにする。
また、材の状態をよく観察して切り離した材等の動き
によって、危険が生じない位置で作業します。
(3)玉切った材で転がるあそれのあるものは、安定する場所まで
転がすか、杭止めを行って、安定させておくこと。
(4)玉切りのときは、ガイドバーがはさまると引き抜き難いので、はさまれないうちにくさびを打つこと。
はさまれたとき、ガイドバーをこじってはずそうとする
と取付部やバーを損傷し、また、エンジンをジンをふか
してはずそうとするとクラッチ関係の故障の原因となる。
(5)片持ち材、橋状の材などを玉着るときは、くさび、支柱などを使用し、
材を安定した状態にして行うこと。
①片持ち材の玉切りは、裂けないように注意し、図のように
まず、材の下部 1/3 をガイドバーの背(上側)を使って
切り上げ、つぎに材の上部を切る。
(6)同時に2人以上で、同一の材の玉切りをしないこと。
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2.下 草 刈 り
2-1.刈払機・刈刃の選定
(1)刈払機の種類
・2サイクルエンジン、電動刈払機
(2)刈払機の構造
・エンジン部、電動伝達部、刈刃部
・肩掛式(Uハンドル、2グリップ、ループハンドル)背負式等
(3)刈刃
・丸鋸刃、笹刈刃、チップソー、切込刃等
※選択にあたっての留意点
・林業に適した構造、強度
・作業中転倒しても、体に刈刃が接触しにくい構造・・・・肩掛け式腰バンド付き
・作業者の性別、年代・・・軽量・小型・低振動・低騒音
・刈刃は、まる鋸刃、それ同等の性能、安全性を有するもの
2-2.一般的注意事項
(1)服装・保護具
・保護帽 ・防振手袋 ・耳栓
・合図用の笛 ・防塵めがね ・防蜂網
(2)持ち運び等
1)通勤歩行
・刈刃を外す、刈刃に刃覆いをかける
・歩行者間の距離を十分に保つ
・通勤路の整備
2)移動歩行
・エンジン停止
3)熱中症の予防
4)蜂刺されの防止
・防蜂網の着用
・救急薬品等の携行
5)火災の防止
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2-3.作業計画
(1)あらかじめ作業計画を定め作業者全員に徹底を図る
・事前踏査による刈払区域と危険箇所
・T.B.M : 作業手順及び作業者の配置及び合図等確認
・K.Y.T : その日の作業に潜む危険を指摘しあい、安全注意事項をもうける
(2)作業手順、作業配置の注意点
1)作業者への接近注意
・作業者の振り向き時の注意
・作業者に近づく時は必ず合図をして、刈刃の停止を確認してから。
2)上下作業の禁止
3)危険区域半径5m立入禁止
※安全作業上は15m以上離れることが望ましい
4)急傾斜地下方への作業の禁止
※状況に応じて鎌等の手工具を使う
※刈刃の回転方向の反対側に進まないようにする
2-4.刈払機の取扱い・作業方法(肩掛け式Uハンドル)
2-4ー1.刈払機の装着
(1)肩バンドと肩当てを正しくあてがい、腰当てが右腰の適当な位置(高さ)になるよう肩バン
ドの長さを調節した後、腰バンドを締める。
(2)刈り払い機を吊り金具に吊り、バランスの調整を行う。(刃が刈払機高になるように
2-4ー2.エンジンのかけ方
※平坦な所に置き、刈り刃が地面に触れないように注意。
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[冷えたエンジン始動]
1)停止スイッチ・・・解除、プライミングポンプ・・・数回押す。
2)チョークレバー・・・閉、コントロールレバー・・・低速。
3)機体をしっかり押さえ、スタータハンドルを手応えのあるところから強く引く。
4)最初の爆発音がしたら、チョークレバー・・・閉
5)止まった場合、再度スタータハンドルを引き始動させる。
[暖まっているエンジン始動]
1)燃料タンクが空の場合は給油後、プライミングポンプ・・・数回押す。
2)停止スイッチ・・・解除、チョクレバー‥・開、コントロールレバー‥‥‥低速。
3)機体をしっかり押さえ、スタータハンドルを手応えのあるところから強く引く。
※エンジン始動後は、2~3分アイドリングをし、無負荷で高速運転をしない。
[エンジン停止]
1)スロットルを低速。
2)停止スイッチ・・・停止の位置。
2-4ー3.基本動作
1)構え方・・・操作桿を軽く握り、上体をまっすぐ起こし、両足を肩幅よりやや広めに
開き、右足を半歩前に出す。
2)全身・・・刈り払った分だけ右足からスリ足で。 一時的にでも左足が前に出ない。
3)横移動・・・移動方向の足から、小刻みな足さばきで。
4)体の振り・・・腕だけでなく、刈刃が常に身体の正面になるよう、腰と膝を使って
振る。
※連続的な作業なので、リズムのある動作で、体と刈り払機が一体となるよう重心
を移動。
2-4ー4.鋸断位置
草類の鋸断位置 灌木の鋸断位置
※笹、堅い雑草木の刈り払いは、刈り込み幅を小さくする。
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2-4ー5.刈り払い作業
1)刈り幅・・・・・・約 1.5m 程度
2)立ち位置・・・・中央よりやや左側
3)刈り払いは、右から左へ2~3回
に分けて行う。
※緩い傾斜地・・・刈り刃の送り方向
を谷側にする。
※急な傾斜地・・・山側に向かって
刈り進む。
4)刈り払い対象物を左側に倒しながら行う。
※刈り刃を5~10°傾けると寄せやすい。
・ 大振りの禁止
・ 往復刈りの禁止(刈り刃の回転方向と反対方向への刈り払いの禁止)
・刈り刃回転中の接触防止
※草等が飛散防護装置等刈り刃周辺部に絡まった場合は、必ずエンジンを止め、
回転が止まってから除去する。
2-4ー6.障害物の注意
1)二段刈り
・ 障害物が予想される箇所では、まず刈り足を高くして安全を確認してから、低く
刈り込む。
2)刈り刃が岩石等障害物に当たった場合
・ 直ちにエンジンを止め、刈り刃の亀裂、割れ、欠けを点検。程度により歯車室、
操作桿等も点検。
2-4ー7.伐倒作業
・ 切断部直径・・・・・5㎝程度以下
・ 伐倒危険区域・・・樹高の 1.5 倍
※小径木でも受け口を作り慎重に伐倒する。
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2-4ー8.点検・整備
(1)毎日点検
1)エンジン外部の点検 2)エアクリーナの汚れ
3)燃料タンクの空気穴の目づまり等 4)歯車室周辺の汚れ
5)刈り刃の損傷、変形の有無 6)ネジ類のゆるみと脱落の有無
7)その他の部品の損傷、変形の有無 8)吊り金具と吊りバンドの損傷の有無
9)緊急離脱装置と飛散防護装置の機能
(1)毎週点検
1)燃料フィルターの汚れ 2)燃料タンクの汚れと損傷の有無
3)フレキシブルシャフトの潤滑状況等 4)歯車室の潤滑状況等
(1)毎月点検
1)マフラーの汚れと損傷の有無 2)シリンダ冷却フィンの汚れと損傷の有無
3)スパークプラグの機能点検 4)クラッチの汚れとシューの摩耗の有無
5)リコイルスタータの汚れと損傷の有無 6)防振ゴムの劣化と損傷の有無
7)動力電動軸の摩耗等の有無
2-5.その他 作業時の留意事項
作業時の スロットル
2時間/日 中途半端な回転は、プッシュバック・連続10分以内 プルインなど、労働災害の発生の原因
となる2時間/日 2時間連続使用するため、できるだけ連続30分以内 必要最小限の回転での使用が望ましい5分以上休憩
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特徴
チェンソー 全開
刈払機 必要最小限
区分 使用時間