横に並べた塩水振動子 - ryukoku university塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10...

26
2010 横に並べた塩水振動子 大学 T070060

Upload: others

Post on 06-Jun-2020

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

2010年度卒業論文

横に並べた塩水振動子

龍谷大学 理工学部 数理情報学科

T070060 田中 佑樹

指導教員 池田 勉

Page 2: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

横に並べた塩水振動子

理工学部 数理情報学科学籍番号 T070060

氏名 田中 佑樹指導教員 池田 勉

概要

塩水振動子は真水で満たした容器に,塩水を入れて底に穴を開けたカップを入れた場合に,塩水の比重と水面の高さの変化を利用して起こる一定のリズムで上下運動する現象のことである. 非線形振動子系の特徴を研究するために選択した塩水振動子で,2 個のカップを横に並べた場合の実験において,数値シミュレーションでは簡単に再現可能な位相が 180°ずれて安定する状態が,実際の実験ではうまくいかないことが多々あったため,何が原因でこのような結果になるのかを調べようと始めた. まずは,パラメータとして変化させやすい事から穴の直径を (1.0 1.2 1.5 1.6 1.8 (mm))

の五段階と,塩水濃度 (2 4 6 8 10 (%)) の五段階で組み合わせを変えて,どの組み合わせで逆位相に安定するのかを調べた.先の実験からわかることは少なかったので,数値化できることから上下運動の『周期』に注目した.並べるカップの片方を A のグループとし,対になる方のカップを B のグループとして,それぞれのカップの 1 個の時の周期を調べ,先の実験の結果と照らし合わせたところ,逆位相に安定した場合の互いのカップの周期はほとんど差がないという共通点を持っていた.また,逆位相で安定しない方を ”カップ 2

つを連結した場合の周期” で見たところ互いに影響を及ぼしあっている様子が見れたことから,引き込みの力が弱いため逆位相で安定しないと考えた.引き込みの力を強めるために塩水振動子の原理を考えると,塩水振動子は塩水の比重と外水面の高さ変化を動力としている事から引き込みの要因は外水面の高さである事が予測される.外水面の上げ下げを強くするならば外水面の面積を狭くして少量でも上がりやすくすればよい.引き込みの力を強めるために外容器を小さくしたところ,先ほどの容器では逆位相に安定しなかったパラメータで逆位相に安定する様子が観測出来た.ここまでで,逆位相に安定させる方法として『カップ同士の周期差が少なければ引き込みの力が多少弱くとも逆位相に安定できる』,『カップ同士の周期差が大きくとも外容器を小さくして引き込みの力を強くすれば逆位相に安定できる』の 2 つが見つかった. 次に,この発見した方法でカップが 3 個のときでも可能かどうかを調べた.カップが3 個の場合は位相が 120°ずつずれた状態で安定するようになるのだが,先述の方法をためしたところ,『周期に差がない場合』と『周期に差はあるが容器が小さい場合』どちらの方法でも最終的に位相が 120°ずつずれた状態で安定するのが確認できた.この方法はカップが 3 個の時でも通用することがわかった.最も適切なカップのサイズが存在するのかもしれないが今回はそこまで調べることが出来なかった.また,数値シュミレーションの理論通りに実際の実験が上手く出来るとは限らず,実際の実験も重要である.

Page 3: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

目 次

第 1章 はじめに 1

1.1 塩水振動子について . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1

1.2 本研究について . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1

第 2章 塩水振動子を横に 2 つ並べた場合の実験 3

2.1 実験装置 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

2.2 カップ 2 個の時の運動 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

2.3 逆位相に安定を目指して : 実験 (1)の手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4

2.4 実験 (1) の結果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5

2.5 逆位相に安定を目指して : 実験 (2) の手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

2.6 実験 (2) の結果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

2.7 引き込み現象 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9

2.8 逆位相に安定を目指して : 実験 (3) の手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

2.9 実験 (3) の結果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

2.10 引き込みの力を強めるには . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12

2.11 逆位相に安定を目指して : 実験 (4) の手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

2.12 実験 (4) の結果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

第 3章 塩水振動子を横に 3 つ並べた場合の実験 15

3.1 カップ 3 個の時の運動 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15

3.2 塩水振動子を横に 3 個並べた実験 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16

3.3 実験条件 1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16

3.4 実験条件 2 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18

3.5 実験条件 3 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 19

第 4章 まとめ 22

–i–

Page 4: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

第1章 はじめに

1.1 塩水振動子について塩水振動子とは,1970年アメリカの海洋学者マーチンが密度逆転のモデルを作成した際に偶然発見した現象である.どのような現象かと言うと,まず大小 2 つの容器を準備する.大きい容器の中は親水でみたし,小さい容器は底に小さな穴を開けて中に塩水を入れる.それを真水と塩水の水面を一致させるよう図 2.3.1 のようにセットする.すると,比重の重い塩水が穴を通して下向きに流れ出してくる.しばらくするとその流れが止まり,今度は逆に真水の方が小容器の方に流れ込む.さらにしばらくすると流れが止まり,また下向きの流れが始まるといった図 1.1.1 のような上下のリズム運動を繰り返す.この,下向きと上向きの流れはほぼ一定のリズムで交互に繰り返される.この現象には,上下流の規則的なリズムの途中でカップを揺すってわざとリズムを乱しても,また同じ周期のリズムに戻る.実験を開始する時の塩水と真水の水面の高さが多少ずれても,上下流のリズムは同じ周期や振幅に落ち着く.などの,外からの攪乱に対して安定であり,初期条件にも依存しない特徴を持つ ([3]). また,塩水振動子は非線形振動子である.

図 1.1.1: 塩水振動子の振動の様子

1.2 本研究について塩水振動子という運動の原理としては比較的簡単な現象でありながら,発見されたのが近年であることから興味・関心を持ち研究テーマとして取り上げた.塩水振動子の運動の様子を肌で感じるため,自ら装置をセットしての実験を複数回行っていった.その際に2つの塩水振動子を同容器内で横に並べた場合の運動の様子を調べる実験において,数値シ

1

Page 5: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

ミュレーションでは簡単に再現可能な逆位相の状態が実際の実験においては簡単に再現できなかったことから,運動の様子を逆位相で安定させるにはどういった条件が必要なのかを発見することを目的にすると共に,今後,塩水振動子の実験を行う人が自分の様に逆位相にするのに困った時の参考に少しでもなればと思い本研究を始める.

2

Page 6: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

第2章 塩水振動子を横に 2 つ並べた場合の実験

2.1 実験装置外容器B  {下底面 横  202 mm 縦 120 mm 上底面 横 214 mm 縦 132 mm       高さ 130 mm} 図 2.1.1

 外容器 S  {横  160 mm 縦  120 mm 高さ  155 mm} カップ {下底面直径  53mm 上底面直径  72mm 高さ 93mm} 図 2.1.2

 塩水( 2 %, 4 %, 6 %, 8 %, 10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性インクで着色する)

 竹ひご (穴押さえ用,カップ支え用)

電子ばかり (最大 200 g 精度 0.1 g )

ビデオカメラ

図 2.1.1: 実験装置 1 図 2.1.2: 実験装置 2

2.2 カップ 2 個の時の運動同じ大きさの穴を開けたカップ 2 個を同一の真水の入った容器内で横に並べて配置してみる.すると初めは,それぞれのカップが好き勝手に上下流の運動を繰り返し行う.しかし,上下流運動の回数を重ねていくうちに片方のカップが下向きに流れている時には,もう片方が上向きに流れているという逆位相の状態に安定する. (図 2.2.1)

3

Page 7: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

また,カップや容器をゆすってリズムを乱しても自然と安定していた逆位相の状態に戻る.

図 2.2.1: カップ 2 個が逆位相に安定した状態

2.3 逆位相に安定を目指して : 実験 (1)の手順実験 (1) は塩水振動子を横に並べたときの互いのカップの運動の様子が逆位相になるかどうかを表にまとめるために行う.

1. 図の様に実験装置を組み立て運動の様子を観測する.観測を開始するまでは竹ひごで穴をおさえて塩水が出るのを止めておく.固定パラメータとして,穴の底から塩水の水面までの高さは 5 cm,カップの水面の面積を約 32 cm2× 2(個) =約 64

cm2,外水面の面積が約 252 cm2-約 64 cm2=約 188 cm2とする.(面積比 = 188 : 64)

今回,穴の底から水面の高さまでを 5 cm としたのは,水面の高さが高いほど,より振動の周期が安定する傾向があるとされているのと,あまりに水面が低いと塩水が流れださないといった現象が見られたからである.

2. この実験を塩水濃度 2,4,6,8,10(%) と穴の直径 1.0,1.2,1.5,1.6,1.8(mm)

の組み合わせを変えて,各組み合わせを 3回ずつ行う.

図 2.3.1: 実験装置の組み立て

4

Page 8: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

2.4 実験 (1) の結果この実験を行った結果を (表 2.1) にまとめた.

HHHHHHHHHH穴径

塩水濃度2% 4% 6% 8% 10%

1.0mm 3/3 3/3 3/3 3/3 3/3

1.2mm 3/3 0/3 0/3 0/3 0/3

1.5mm 2/3 3/3 0/3 0/3 0/3

1.6mm 2/3 3/3 3/3 3/3 3/3

1.8mm 2/3 0/3 0/3 0/3 0/3

表 2.1: 逆位相状態に安定した回数

この実験結果からでは見てわかる要素として,塩水濃度が薄い方が逆位相に安定しやすいということぐらいしか分からない.なので,このような実験結果になった要因を発見すべく数値化することが可能な ” 周期 ” に着目して次以降の実験を行う.なお,この研究における ”周期” は元の状態に戻るまでの時間を表す.

また,この実験の穴の直径 1.8mm の時に度々みられた現象として,カップから塩水が上下運動せずに流れ出し続けるということがあった.これは非線形振動子特有の性質で穴の大きさを大きくしたり塩水の濃度を下げると,ある値を境に上下流の運動が止まり,穴を通して上向きの流れと下向きの流れが同時に起こるという状態になる.ある一定の値を境にして急激に状態が変わる現象を分岐現象と呼び,これは非線形振動子の特性のひとつである.([3])  この状態になったとしても容器かカップをゆすれば元に戻る場合があった.

5

Page 9: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

2.5 逆位相に安定を目指して : 実験 (2) の手順実験 (2) はそれぞれのカップの周期を計りそこからわかることを見つけ出す.

1. 実験 (1) の時と同様に実験装置を組み立てる.カップ1つごとの周期を計りたいので片方のカップの竹ひごのみを穴から外す.固定パラメータとして,穴の底から塩水の水面までの高さは 5 cm,カップの水面の面積を約 32 cm2 ,外水面の面積が約252 cm2-約 64 cm2=約 188 cm2とする.(面積比 = 188 : 32)

2. 竹ひごを外した後,ストップウォッチを使って 1 周期ごとの時間を計測する. 1 周期は塩水が流れ出る瞬間から次の流れ出る瞬間までとして, 20 周期分を計測する.

3. この実験を塩水濃度 2,4,6,8,10(%) と穴の大きさ 1.0,1.2,1.5,1.6,1.8(mm)

の組み合わせを変えて行う.カップを 2 個並べた時の片方のカップを A ,もう片方を B と呼ぶことにする.

2.6 実験 (2) の結果周期の推移の様子を表したGNUPLOTの図 2.6.1では,1 つのカップで振動する塩水振動子の周期はある一定の周期に収束してほぼ横這いに推移しているのがわかると思う.横にきれいな一直線を描けていない理由としては,肉眼で時間を計ってしまったこともあるのと,塩水振動子の振動周期はほぼ一定ではあるが,現実には何らかの要因 (穴付近の密度変化など) により僅かに揺らいでいるからである.([1])

 なお,今回の GNUPLOT の図は 1.2 mm 4 % の場合の周期が推移する様子を貼ったが,他の穴の大きさや塩水濃度でも周期の長さが変化するだけで基本的に描くグラフは似たものとなる.

図 2.6.1: 周期の推移の様子をGNUPLOTで描いた 塩水濃度 4 % 穴の直径 1.2 mm

6

Page 10: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

20 周期分の測定は各組み合わせで行ったのでそれの平均を取って表にした.カップ A

のグループで (表 2.2) カップ B のグループで (表 2.3) のようになった.

PPPPPPPPPP穴径塩水濃度

2% 4% 6% 8% 10%

1.0mm 43 43 43 42 42

1.2mm 30 30 29 29 28

1.5mm 15 14 13 12 12

1.6mm 13 12 11 11 10

1.8mm 8.7 8.5 8.4 8.2 8.0

表 2.2: カップが 1 つの時のカップ A のグループの周期 (秒)

PPPPPPPPPP穴径塩水濃度

2% 4% 6% 8% 10%

1.0mm 43 42 41 40 40

1.2mm 27 24 22 20 20

1.5mm 15 13 11 10 10

1.6mm 13 12 11 10 10

1.8mm 8.4 7.9 7.6 7.5 7.3

表 2.3: カップが 1 つの時のカップ B のグループの周期 (秒)

この表 2.2 , 2.3 から塩水振動子の周期は,塩水の濃度と穴の大きさに依存していることが分かる.また,このカップ A のグループと B のグループは,同種で大きさも同じカップに同じ直系の針を使って同じように穴をあけた.それでも全く同じ周期にすることは出来なかった.これは,穴を開けた時の少しのずれや形状の少しの違いなどによりカップごとにも異なった周期を持つことを表している.この,カップ同士が異なっている事による周期の差に逆位相との関わりがあるのではないかと思い,その差 (差の割合) を表にして逆位相になったものとの表を比べてみた.

7

Page 11: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

PPPPPPPPPP穴径

濃度2% 4% 6% 8% 10%

1.0mm 0% 2% 5% 5% 5%

1.2mm 10% 20% 24% 31% 29%

1.5mm 0% 7% 15% 17% 17%

1.6mm 0% 0% 0% 9% 0%

1.8mm 3% 7% 10% 9% 9%

表 2.4: カップ A, B グループの周期差

PPPPPPPPPP穴径

濃度2% 4% 6% 8% 10%

1.0mm o o o o o

1.2mm o x x x x

1.5mm o o x x x

1.6mm o o o o o

1.8mm o x x x x

表 2.5: 逆位相になったもの

表 2.4 の差の割合 5 % 以下の所と,表 2.5 の o の所で一致する場所が多い事から,周期の差が少なければ逆位相で運動することがわかった.周期が近いと逆位相で運動する理由としては,周期差が少ない方が小さい力で引き込む ([4]) ことが出来るからではないかと考えられる.先ほどの表 2.1 からわかったこととして挙げていた,塩水濃度が薄い方が逆相状態に安定しやすいという考えの実際の理由は,ドリルで穴を開けた時の微妙な違いで穴周辺の形状がカップごとに変わってしまった,そのことによりカップごとの水の流出の際にかかる抵抗の大小に違いが生まれてしまい,塩水の濃度を濃くすることで流出の勢いが増加して抵抗の差がますます顕著になり,周期に差が生まれてしまうのだと考えた.その結果,塩水濃度が薄い方が周期差が少なく済み,引き込みが行われやすいのだと考えられる.

8

Page 12: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

2.7 引き込み現象周期がどのくらいまでなら 1:1 の逆位相になるのかという疑問があるので,ここで少し非線形振動子が同調すること (引き込み現象) について触れておく.塩水振動子においての ”引き込み現象” とは,周期の異なるカップを 2 つ並べた時の同調時の周期というのは,もとの周期の比に最も近い整数比になる.つまり,同じサイズのカップに同じ大きさの針で穴を開けたとき,穴のサイズや形が少し違って各々の固有周期が少々違っていても,同調時の周期は完全に 1:1 に揃う. 各々のカップの周期が ”だいたい” 1:1 や 1:2 ならば,同調時の周期は ”正確に” 1:1 や 1:2 になるということである. この引き込みの比率の間にはファーリーの樹と呼ばれる関係が成り立っている.([4])

ファーリーの樹というのは図 2.7.1のような関係を表した樹で,振動数が 1:1になった時の引き込みを 1/1 ,振動数が 1:2 になった時の引き込みを 1/2 のように表す.また,ファーリーの樹は次のような特徴を持つ.ファーリーの樹の中では,上部に位置するモードの方が起こりやすく,下部の方に位置するモードでは少しパラメータが変化すると,そのモードに隣接した上部の引き込みのモードへと移行する.塩水振動子の引き込んだカップ同士の周期の比率というのはファーリーの樹の関係が成り立っている.

図 2.7.1: ファーリーの樹

9

Page 13: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

2.8 逆位相に安定を目指して : 実験 (3) の手順実験 (3) では,周期の差が大きいときに逆位相に安定させる方法はないかを考える.

1. 実験 (1) の時と同様に実験装置を組み立てる.今回は比較対象として穴の大きさ1.2mm の 2% と 4% を使用した。

2. 今回は二つのカップの周期を見なければならないので,実験の様子をビデオカメラで撮影し,その後実験 (2) と同様にビデオ映像を見ながらストップウォッチで計測した.

3. 計測した周期の変化を GNUPLOT を使ってグラフ化した.

2.9 実験 (3) の結果GNUPLOTを使用して周期の変化を表した結果,逆位相状態になった時 (図 2.9.1,図

2.9.2) ,逆位相状態にならなかった時 (図 2.9.3, 図 2.9.4) のようになった.

図 2.9.1: (穴 1.2mm濃度 2% )の時のカップが 1つの時の周期の推移の様子をGNUPLOT

で描いた

10

Page 14: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

図 2.9.2: (穴 1.2mm 濃度 2% )の時のカップが 2 つの時 (位相が 180°ずれて安定した時)

の周期の推移の様子をGNUPLOTで描いた

図 2.9.3: (穴 1.2mm濃度 4% )の時のカップが 1つの時の周期の推移の様子をGNUPLOT

で描いた

図 2.9.4: (穴 1.2mm 濃度 4% )の時のカップが 2 つの時 (位相が 180°ずれて安定しなかった時) の周期の推移の様子をGNUPLOTで描いた

11

Page 15: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

逆位相に安定した ( 穴 1.2mm 濃度 2% ) 方は,カップが 1 つの時の周期はカップ A

30 秒 カップB 27 秒 (図 2.9.1) と 3 秒の周期差があったものの,同容器内で横に並べて行った場合では 2 つとも周期が 30 秒前後に収束する様子 (図 2.9.2) がわかる.対して,逆位相に安定せずにそれぞれのカップが単独で上下運動する ( 穴 1.2mm 濃度4% ) の方は,カップが 1 つの時の周期はカップA 30 秒 カップB 24 秒 (図 2.9.3) と 6

秒の周期差が存在し,こちらはどちらのカップも周期が一定の秒数に安定することはなく周期が上下するグラフ (図 2.9.4) となった.このグラフが上下する様子は互いのカップが互いに相互作用を引き起こしているものと考えられる.互いに力を及ぼしあっていることがわかったので,これは引き込みの力が弱い結果,逆位相状態までもっていくことが出来ていない事を表していると考えた.ならば,それを逆位相の状態に安定させる為に引き込みの力を強くする.

2.10 引き込みの力を強めるには2 つのカップを横に並べた時の実験を考えると.逆位相に引き込まれるメカニズムとしては,まず片一方のカップ (A) から塩水が流れ出す,すると真水の高さが上がる,もう一方のカップ (B) から見れば真水の高さが上がったのだから自分は真水を中に入れて真水の高さを下げなければならないというような動きをする.一定量を超えると今度は互いに逆の立場となって入出が逆転する.これが,逆位相に引き込まれるメカニズムである.このメカニズムにおいて重要な要素が真水の高さを上昇させるという所である.もし,真水の高さを上昇させることが出来なければ前述のカップ B のような原理は働かないことになる.塩水の流れ出る量はそのままで真水を上昇させるにはどうすればいいかを考えれば,真水の表面を小さくすれば良い,すなわち外容器を小さくすれば逆位相状態に安定しやすくなる.

12

Page 16: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

2.11 逆位相に安定を目指して : 実験 (4) の手順実験 (4) は実際に引き込みを強めることで逆位相になるのか調べる.

1. 実験 (3) の穴の大きさ 1.2mm の 塩水濃度 4% を外容器だけ小さく (約 188 cm2 →約 120 cm2) して実験装置を組み立てる.

2. 実験の様子をビデオカメラで撮影し,その後実験 (2) と同様にビデオ映像を見ながらストップウォッチで計測した.

3. 計測した周期の変化を GNUPLOT を使ってグラフ化した.

2.12 実験 (4) の結果GNUPLOTを使用して周期の変化を表した結果,容器を小さくした時のカップ A・カップ B の 1 つでの周期 (図 2.12.1) ,カップ 2 つでの周期 (図 2.12.2) のようになった.

図 2.12.1: 外容器を小さくしてからの (穴 1.2mm 濃度 4% )の時のカップが 1 つの時の周期の推移の様子をGNUPLOTで描いた

13

Page 17: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

図 2.12.2: 外容器を小さくしてからの (穴 1.2mm 濃度 4% )の時のカップが 2 つの時 (位相が 180°ずれて安定した時) の周期の推移の様子をGNUPLOTで描いた

外容器を小さくした後のカップが 1 つの時の周期はカップ A 30 秒 カップ B 23 秒(図 2.12.1) と,カップ 1 つの時だけで見れば外容器を小さくする前よりも周期差が 1秒ほど長くなってカップごとの周期が離れている条件は変わっていない.しかし,カップを 2

つ並べた場合の実験では逆位相の状態で安定する様子が観測でき,周期の変化の推移 (図2.12.2) を見ても図 2.9.3 のようにグラフが大きく上下する様子は無く,カップ A カップB 共に 30 秒前後に集中している様子が見て取れる.この事から,外容器を小さくすることでカップ同士の結びつきが強くなり逆位相状態で安定しやすくなることが確認できた.また,今回の実験 (4) でも前の実験 (3) でも逆位相状態に安定した場合の周期は,カップが 1 つの時に周期が長かった方の周期に近似されるという傾向があった.

14

Page 18: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

第3章 塩水振動子を横に 3 つ並べた場合の実験

3.1 カップ 3 個の時の運動今度は,先ほどのカップ 2 つの実験にさらにもう 1 つカップを加えた場合の実験を行う.カップが 3 個の時の運動の様子はと言うと, 2 つの時と同様に初めは,それぞれのカップが好き勝手に上下流の運動を繰り返し行う.すると,回数を重ねていくうちに次第に一定のモードに引き込まれる.それが 2 つの時は位相差 180°ずれて逆位相に安定だったのが,3 つの時では位相差 120°ずつずれて安定となる.安定の様子は図 3.1.1の様になる.([2])

図 3.1.1: カップ 3 個が 120°ずれて安定する様子

15

Page 19: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

3.2 塩水振動子を横に 3 個並べた実験行う実験の方法は今までやってきた実験のカップを 1 つ増やせば良いだけです.今回は先ほどカップ 2 個のときに判明した 2 つの方法が 3 個の時でも実行可能かということを調べるために,

• 実験条件 1 として ”外容器がそれほど小さくなく,カップ同士の周期にそれほど差がない場合”

• 実験条件 2 として ”外容器が小さくなく,カップ同士の周期に差がある場合”

• 実験条件 3 として ”外容器が小さく,カップ同士の周期に差がある場合”

• 実験条件 1 と実験条件 2 の対比によって,カップ同士の周期差が少なければ引き込みの力が多少弱くとも位相が 120°ずつずれたモードに引き込まれることを調べる.

• 実験条件 2 と実験条件 3 の対比によって,カップ同士の周期差が大きくとも外容器を小さくして引き込みの力を強くすれば位相が 120°ずつずれたモードに引き込まれることを調べる.

という事を行っていく.なお横に 3 つ並べた場合の実験においては,周期が安定するまでに 2 つの時よりも少し時間をようする場合があるので周期のプロットする数を 20 から 40 に増やす.

3.3 実験条件 1

実験条件 1 : ”外容器がそれほど小さくなく,カップ同士の周期にそれほど差がない場合”

外容器は B (約 252 cm2-約 96 cm2=約 156 cm2) を使用する.カップは周期があまり変わらないことから穴の直径 1.6mm の A, B (表 2.2,2.3 参照) を使用し,さらに新しくカップ C を加える.塩水の濃度は 4 % とした.まずは,それぞれのカップが 1 つの時での周期を計測し GNOPLOT を使ってあらわした.(図 3.3.1)

16

Page 20: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

図 3.3.1: 1.6mm 4% でのカップ A, B, C の単独での周期の推移                A : 約 14 秒, B : 約 14 秒, C : 約 13 秒

次に,カップ 3 つの時でのそれぞれのカップの周期を計測し GNUPLOT を使ってあらわした.(図 3.3.2)

図 3.3.2: 1.6mm 4% でのカップ A, B, C を横に並べた際の周期の推移             安定後の周期 A : 約 15 秒, B : 約 15 秒, C : 約 15 秒

図 3.3.1 からカップ A, B, C の周期はほぼ同じであることがわかる.そのカップを同容器内で横に 3 つ並べて実験を行った結果,図 3.3.2 のような周期の推移となった.また,図 3.1.1 のような 120°ずつ位相がずれて振動する様子も確認できた.カップが 2 つの時よりも,それぞれのカップが外容器を通して及ぼしあう力が少し複雑になって,2 つの時よりも引き込んで安定の状態になるまでの様子がよくわかると思う.

17

Page 21: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

3.4 実験条件 2

実験条件 2 : ”外容器が小さくなく,カップ同士の周期に差がある場合” 外容器は B (約252 cm2-約 96 cm2=約 156 cm2) を使用する.カップは周期に差があり,周期が短く時間効率がよいことから穴の直径 1.5mm の A, B

を使用 (表 2.2,2.3 参照) し,さらに新しくカップ C を加える.塩水濃度は周期差を出すために 6 % とした.

先ほどと同様に,それぞれのカップが 1 つの時での周期 (図 3.4.1)と,カップ 3 つの時でのそれぞれのカップの周期 (図 3.4.2)を計測し GNOPLOT を使ってあらわした.

図 3.4.1: 1.5mm 6% でのカップ A, B, C の単独での周期の推移                A : 約 16.5 秒, B : 約 14.5 秒, C : 約 13.5 秒

図 3.4.2: 1.5mm 6% 外容器 B でのカップ A, B, C を横に並べた際の周期の推移         周期 A : 約 14 ~ 18秒, B : 約 12.5 ~ 17秒, C : 約 11 ~ 15.5 秒

図 3.4.1 からカップ A, B, C の周期には差があることがわかる.そのカップを同容器内で横に 3 つ並べて実験を行った結果,図 3.4.2 のような周期の推移となった.一定の周期

18

Page 22: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

に収束することがなく外水面に影響を及ぼすカップが 1 つ増えたことで,カップが 2 つの時の逆位相に安定しなかった時の図 2.9.4 よりも複雑に周期が推移している.

3.5 実験条件 3

実験条件 3 : ”外容器が小さく,カップ同士の周期に差がある場合”

この実験においては数回にわたって外水面の面積を小さくする行為を行ったがなかなか引き込むことがなかったので,その過程の引き込まなかった外水面の値も記しておく.

外容器を変えることで変わる外水面の面積とカップ 3 個の水面との面積比を記す.

1. ×外容器パターン 1 : 外水面の面積 : カップ 3 個の水面の面積 = 136 (cm2) : 96

(cm2)

2. ×外容器パターン 2 : 外水面の面積 : カップ 3 個の水面の面積 = 116 (cm2) : 96

(cm2)

3. ×外容器パターン 3 : 外水面の面積 : カップ 3 個の水面の面積 = 108 (cm2) : 96

(cm2)

4. ○外容器パターン 4 : 外水面の面積 : カップ 3 個の水面の面積 = 88 (cm2) : 96

(cm2)

パターン 1 からパターン 3 までにおいては容器を小さくしたが引き込みの力がまだ弱く, 位相が 120°ずつずれて振動する様子は見られなかった.また,周期も一定の状態に落ち着かずグラフも図 3.3.1 のような形にはならなかった.位相が 120°ずつずれて振動する様子が見られたパターン 4 では次のような実験結果になった.尚,今回の実験では同期するまでに費やした周期が短かったので GNUPLOT の点の数は20 個となっている.

19

Page 23: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

図 3.5.1: 外容器パターン 4 ,1.5mm 6% でのカップ A, B, C の単独での周期の推移       A : 約 17 秒, B : 約 14.5 秒, C : 約 12 秒

図 3.5.2: 外容器パターン 4 ,1.5mm 6% でのカップ A, B, C を横に並べた際の周期の推移   A : 約 15.5 ~ 16 秒, B : 約 15.5 ~ 16 秒, C : 約 15.5 ~ 16 秒

単独での実験ではそれぞれのカップの周期が,カップ A : 約 17 秒,カップ B : 約 14.5

秒,カップ C :約 12秒と実験条件 2の時と同じ様にカップ同士の周期に差がある.(3.5.1)

そのカップを横に並べた際の周期が図 3.4.2 のようにならず,図 3.3.1 の安定している所のように周期を乱さず長さをあわせて推移しているのがわかると思う.これは,他のパターンでは見られなかった.また,今回の実験においては外容器を小さくする過程でうまくサイズの合う物がなかったのでカップとカップの隙間やカップの周りに物を置くことで外水面の面積を小さくする方法をとった.この方法でも実験自体はうまくいったので,もしうまくサイズの合う外容器がない場合はこの方法をとることも可能である.

行った 3 つの実験条件から,カップ 2 個の時に実証した位相が 180°ずれた引き込みモードに安定させる 2 つの方法,

20

Page 24: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

1. 外容器が多少大きく引き込む力が弱くても,周期が近いカップ同士なら少ない力ですみ引き込むことは可能である.

2. カップ同士の周期が離れていて引き込むことが出来なくても,外容器を小さくすることで引き込みの力を強めれば引き込むことは可能である.

ということがカップが 3 個の場合でも適用できると実証できた.

21

Page 25: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

第4章 まとめ

今回の研究においてはカップ同士の周期差が引き込みに必要な力を決めているということがわかった.周期差が大きければ大きいほど,引き込みに必要な力も大きくなって行く.そこで,カップ同士の結合を強めるために外水面の面積を小さくしていけば引き込みの力も強まり,ファーリーの樹に記されるような比率の周期にそろって振動するようになるのである. 今回の実験では引き込まれたモードが 1:1 や 1:1:1 の様な比較的起こりやすい状況のみに注目して行ってきた.この実験をもとに 1:2 や 2:3,カップが 4 個の時などの実験に発展して利用できればよいと思う.また,自分は周期をストップウォッチを片手に目視で計ったので微妙に誤差が生じてしまったが,ビデオでの撮影環境をきちっと作れば撮影した映像をグレースケール変換して解析するなどの正確な方法も存在する.数値シミュレーションの理論通りに実際の実験がうまく行くとも限らないので,実際の実験をしっかりとやっておくことも重要であると感じた.

最後に,自身としては約 1 年半ほどの期間,塩水振動子の実験を行って,最初はカップが 1 個の塩水振動子の実験を行い,簡単な実験であると感じた時もあったが,複数個の実験に入ったとたんにシミュレーションとは異なる実験結果の連続でなかなかに手ごわい相手だと思い知らされた.色々と塩水振動子について書かれた著書も読んだが実験については完成されたものしか載っておらず,外容器やカップのサイズも書いてはいるもののその通りの物をそろえることもかなわずで,自分で地道にやって行くしかないと思いここまでやってきた. 1 つの形としてこういったものを完成できよかった. 

22

Page 26: 横に並べた塩水振動子 - Ryukoku University塩水(2 %,4 %,6 %,8 %,10 %)(運動の様子が観測しやすいように赤い水性 インクで着色する)

参考文献

[1] http://www.chem.scphys.kyoto-u.ac.jp/nonnonWWW/b8/05f/kawasaki/kawasaki.pdf

[2] 北原和夫・吉川研一 『応用物理』 71 (2002) 1126.

[3] 岡村実奈・吉川研一 (数理科学 NO.408,JUNE 1997) 7.

[4] 吉川研一,『非線形科学-分子集合体のリズムとかたち』 (学研出版センター 1992)

23