令和2年度 三木市男女共同参画センター 三木南交流センター ...全体状況①...

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広域避難者実態調査の結果 関西学院大学 災害復興制度研究所 主任研究員・准教授 斉藤容子

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Page 1: 令和2年度 三木市男女共同参画センター 三木南交流センター ...全体状況① 低所得化 1.3 2.7 7.6 11.1 14.8 10.2 10.4 9.5 6.8 4.8 4.8 6.2 1 0.4 8.4 3.9

広域避難者実態調査の結果

関西学院大学 災害復興制度研究所

主任研究員・准教授

斉藤容子

Page 2: 令和2年度 三木市男女共同参画センター 三木南交流センター ...全体状況① 低所得化 1.3 2.7 7.6 11.1 14.8 10.2 10.4 9.5 6.8 4.8 4.8 6.2 1 0.4 8.4 3.9

災害復興制度研究所について2005年1月17日、阪神淡路大震災から10年の節目に誕生。人文・社会科学を中心にした「復興」制度の研究に焦点を合わせた日本で初めての研究所。

「人間の復興」を理念に掲げ、様々な調査活動を実施。

関西学院大学災害復興制度研究所(大学院2号棟)

研究

研究会(2020年)‐避難・疎開研究会‐東日本再生研究会‐法制度研究会‐国際比較法制研究会‐持続的地域復興国際研究会

教育 災害復興学入門(春学期)

災害復興学(秋学期)

調査 現地調査

アンケート支援

事業 復興・減災フォーラム(全国被災地交流集会)

出版(災害復興研究、ニュースレターFUKKOU)

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これまでの研究所の原発事故による避難者に関する調査調査名 時期 対象 協力団体

県外避難者受入自治体実態調査

2012年1月全都道府県・全市区町村

福島大学災害復興研究所富岡町を応援するおせっかいプロジェクトチーム

東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)

毎日新聞社

広域避難者支援団体調査 2012年1月原発避難者支援団体

福島大学災害復興研究所富岡町を応援するおせっかいプロジェクトチーム

東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)

毎日新聞社

福島4町新しいまちづくりについてのアンケート

2014年11月福島県内の避難者

NHK福島放送局

関西避難者アンケート2015年9月~11月

関西在住の原発避難者

東日本大震災県外避難者西日本連絡会(まるっと西日本)

毎日新聞社

関西避難者復興曲線調査 2017年秋関西在住の原発避難者

東日本大震災県外避難者西日本連絡会(まるっと西日本)

東日本大震災県外避難者受け入れ事例調査

2017年9月 全都道府県東日本大震災県外避難者西日本連絡会(まるっと西日本)

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東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故の発生

福島県からの県外避難者は29,441人(2020年10月現在)復興庁全国の避難者調査より

10年の現状は不明

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「原発事故で避難された方々にかかわる全国調査」の概要1.目的

避難・疎開研究会として、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故から10年を経ようとしている今、広域避難者たちの現状把握を目的とする。

(避難・疎開研究会メンバー:関西学院災害復興制度研究所:斉藤容子、山中茂樹、兵庫県立大学減災復興政策研究科:青田良介、川崎医療福祉大学医療福祉学部:田並尚恵、ほっと岡山:服部育代、まるっと西日本:古部真由美)

2.対象者

福島県、福島近隣都県から他県への避難を継続している避難者

3.実施時期

2020年7月17日~9月10日

4.調査方法(生活再建支援拠点・任意団体・県・市町村・SNSを通じて)

郵送法(郵送配布・回収)

*本日ご参加されています生活再建支援拠点の皆様、ご協力ありがとうございました。この場を借りて御礼申しあげます。

5.調査配布数

4,876件

6.回収数

694件(14%)

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• 回答者:男性が276人(39.8%)女性が411人(59.2%)不明7人(1%)

• 出身:福島県内が522件(75%)

• 震災前に居住していた地域の現状では帰還困難区域は100件(14%)で、避難指示解除区域は140件(20%)、指定なしは417件(60%)となった。区域外避難(自主避難)の方による回答が多い。

属性

福島

75%

東北(福島を除く)…

関東

18%

北海

道・長

野・不

3%

震災当時の住居(n=694)

14.4%

20.2%

60.1%

5.3%

震災前に居住していた地

域の現在

帰還困難区域

避難指示解除区域

指定なし

不 明

0 0.74.7

20.7 1725.7 23.9

6.50 0.71 0.7

8.3

42.1

23.1

10 7.8 4.90.7 1.5

0

10

20

30

40

50

年代×男女

男 女

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全体状況① 低所得化

1.32.7

7.6

11.1

14.8

10.2 10.49.5

6.8

4.8 4.86.2

1 0.4

8.4

3.9

6.2

13

1614.6

9.9

7.56.5

4

23.3 3.7

0 0.3

9.1

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

収入なし

10

0

万円未満

10

0

~20

0

万円未満

20

0

~30

0

万円未満

30

0

~40

0

万円未満

40

0

~50

0

万円未満

50

0

~60

0

万円未満

600

~700 万円未満

700 ~800

万円未満

80

0

~90

0

万円未満

90

0

~1,0

00

万円未満

1,000

~1,500

万円未満

1,500

~2,000

万円未満

2,000

万円以上

震災前と昨年の総収入 (n=694)

震災前 昨年

震災前と昨年の総収入を比較すると収入なしから200万~300万未満が増加している結果となった。

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全体状況② 職業の変化震災前の現在の仕事についての問いは、農林水産業と会社勤め、自営業、専門職といずれも減少し、臨時雇用、パート、アルバイト、無職の割合が増加した。

3.3

8.9

6.1

9.7

4.8

1.73.5

4.33.3

11.7

15.9

8.4

17

0.9

4.5

2.41.7

5 4.85.8

1.40

3.72.6

1.7

8.5

21.9

27.2

12.2

0.6

4.2 3.5

0

5

10

15

20

25

30

農林水産業(但し、第二種兼業

農家や農林水産加工業は含ま…

労務職(従業員300

人未満の企業

の雇用)

労務職(従業員3

00

人以上の企

業、または官公庁の雇用)

自営業(雇用者なし)

自営業(雇用者あり)

家族従業者

事務・販売職(従業員30

0

人未満

の企業の雇用)

事務・販売職(従業員30

0

人以上

の企業、または官公庁の雇用)

管理的職業(企業・官公庁にお

ける課長職以上)

専門的職業(医師、弁護士、教

師、技術者など)

臨時雇用、パート、アルバイト

無職

専業主婦

学生

その他

震災前と現在の仕事(全体)

震災前 現在

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全体状況③ 関係性の希薄化

51.9

29

19.6 22.3

5.91.4

19.312.7

20.6

38.2

21.6

1.2

0

10

20

30

40

50

60

何か困ったときには助け

合う親しい人がいる

互いに訪問しあう人がい

立ち話をする人がいる

あいさつを交わす人がい

ほとんどつきあいがない

震災前と現在の近所付き合いの程度

震災前 現在

避難先での近所づきあいについては、何か困ったときには助け合う親しい人がいるとの回答が大きく減少し、あいさつを交わす人がいる、ほとんど付き合いがないとの回答が大幅に増加した。

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全体状況④ 生活の満足度の低下

58.3

31.7

50

24.5

68.6

34.5

73.2

46.7

75.6

48.7

60

43.3

78

51.1

64

45.9

58.7

38.2

55.5

35.2

62.965.3

90.8

58.553.2 54.1

73.8

49.8

10.5

18.921.5 22.8

14.6

23.9

12.1

18

11.8

24.620.9

26.5

9.7

23.520.7

27.423.9

33.3

26.7

36.7

1813

19.7 19.221.8

17.713.8

25.9

6.3

12.515.5

37.2

8.7

32.3

7.9

27.8

4.7

17.9

6.4

13.6

4.4

16.6

7.1

16.4

8.1

17.6

6.9

16.912.3

14.8 12.7 1518 20.3

5.9

16.9

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

震災前

現在

仕事の内容 収入 健康 住宅 地域環境 教育環境 自然環境 市内の公共

施設

分化活動の

スポーツ活

動の場

買い物の便

利さ

医療施設の

便利さ

交通の便利

生活全般

満足度

満足・やや満足 どちらともいえない 不満・やや不満

買い物の便利さ、交通の便利さがわずかに満足・やや満足が増加している一方、同時に不満・やや不満も増加していることからすべての項目において不満・やや不満が増加した結果となった。

(当てはまらない、不明は除く)

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強制避難区域の状況①避難先

55.3

8.7 7.1

55.6

69.976.8

46.7

64.3

37.5

6.4

73.9

55.1

14.8

5.1 4

2014.3 12.5

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

北海道地方

東北地方

関東地方

中部地方

近畿地方

中国地方

四国地方

九州・沖縄地方

避難先

指定なし 警戒区域

警戒区域からの回答者が多く居住していたのは東北地方および関東、特に茨城県からの回答が多数を占めた

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強制避難区域の状況②持ち家全体平均と比較すると持ち家率は高い。これらを避難指定区域別で比較をすると帰還困難区域では持ち家率が86.3%から70%に減少しているが、持ち家(マンション)とした人が0%から8.3%と伸びている。

64.2%

30.2%

1.9%

49.0%

43.3%

0.7%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%

持ち家

借家

社宅

住居形態(全体)

震災前 現在

86.3

70

85.672.8

45.6

25.4

08.3

05.6 8.9 8.96

1 0.8 3.2 5 8.20 1 0 0.8 1.4

639 9.6 11.2

26.940.8

2 3 0.8 1.66.7 4.1

0 1 0.8 0 2.2 12 2 0.8 3.2 2.6 3.4

0

20

40

60

80

100

震災前 現在 震災前 現在 震災前 現在

帰還困難区域 避難指示解除区域 指定なし

区域指定等別x住居形態の変化

持ち家(一戸建)

持ち家(マンション)

公営の借家

公団・公社の借家

民営借家(主として、自分で家賃を払っている場合)

民営借家(企業が家賃を支払っているか、補助している場合)

給与住宅(社宅、社員寮、官舎、公舎など)

下宿、間借り

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強制避難区域の状況③住民票は故郷に残ったまま

指定あり区域の回答者が住民票を元の住所地においている割合が高い。

‐現時点では原発避難特例法によって13市町村で11法律261事務が住民票を移さなくても行政サービスを別市町村で受けられる法律がある。しかしいつまであるかは不明。‐町県民税、固定資産税等の減免又は課税免除‐高速道路の無償化等の支援があるが今年度いっぱいで終了予定。18歳以下の子どもの医療費が無料化。

自由記述による回答をみると避難先からの支援が終われば住民票を今のところに移すという意見がある。一方、移した時点で避難者ではなくなることへの不安、長年住んだふるさとの住民票を移すことへの抵抗など様々な意見がある。

12

31

85.187

69

13.9

0

20

40

60

80

100

帰還困難区域 避難指示解除区域 指定なし

住民票の所在地X区域指定等別

現在地に移した 元の住所地のままである

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強制避難区域の状況④帰れない・帰りたくない

20 19.3 20.1

67 67.9

39.6

0

20

40

60

80

帰還困難区域 避難指示解除区域 指定なし

将来的に福島に戻る意向

戻るつもりだ 戻るつもりはない

26.4%

65.3%

8.2%

福島に戻る意向(福島県出身の522人対象)

戻るつもりだ 戻るつもりはない 不 明

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指定なし(区域外避難)グループの現状①避難先

55.3

8.7 7.1

55.6

69.9

76.8

46.7

64.3

37.5

6.4

73.9

55.1

14.8

5.1 4

2014.3 12.5

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

北海道地方

東北地方

関東地方

中部地方

近畿地方

中国地方

四国地方

九州・沖縄地方

避難先

指定なし 警戒区域

警戒区域の避難者では東北、関東へ居住する回答者が多い一方、区域外避難者と回答をした方々の居住地は名古屋より西が多くあった。

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指定なし(区域外避難)グループの現状②世帯分離が加速・母子避難の増加

震災前の単身世帯が5.8%だったのに対して、震災直後に10.8%、現在13.1%と増加傾向にある。また未婚の子どものみと選択した回答が震災前は4.3%だったが、現在では16.4%と、3.8倍増加した。一方自身の親、または配偶者の親を選択した回答は震災前の7.1%から現在の2.9%と減少、さらに3世代も震災前の10.8%から4.5%と減少しており、世帯分離が進んだ。

5.8

%

17

.3%

41

.5%

4.3

%

3.6

%

0.3

%

7.1

%

1.7

%

2.2

%

10

.8%

1.4

%

10

.8% 1

7.0

%

32

.4%

11

.4%

3.0

%

1.7

% 6.6

%

2.7

%

1.3

%

8.4

%

0.7

%

13

.1% 18

.3%

34

.1%

16

.4%

3.5

%

1.6

%

2.9

%

2.6

%

0.9

% 4.5

%

0.6

%

単身(ひとり暮らし)

配偶者(夫または妻)の

配偶者と未婚の子ども

未婚の子どものみ

配偶者と既婚の子ども

既婚の子どものみ

自身の親、または配偶者

の親

その他

配偶者と親の2世代

3世代

4世代

同居状況

震災前 震災直後 現在

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指定なし(区域外避難)グループの現状②世帯分離が加速・母子避難の増加

9 14 164.6 8.2 10.3

29 29 24

54

40.3 42.9

1 2 4 515.8

24.2

0102030405060

震災前 直後 現在 震災前 直後 現在

帰還困難区域 指定なし

同居状況(帰還困難区域・自主避難)

単身(ひとり暮らし) 配偶者と未婚の子ども 未婚の子どものみ

25.2

42.7

31.1

1

13.6

1.9 1.9 2.9 2.9

01020304050

小学校

中学校

高等学校

短大・高専

4年制大学

6年制大学

大学院

専修学校

浪人中

母子避難者の子どもの就学状況(n=127)

単身、配偶者と未婚の子ども、未婚の子どものみのグループを抽出し、さらに帰還困難区域と自主避難グループで比較をすると、自主避難グループで震災直後から現在にかけて単身と未婚の子どものみと暮らしている割合が増加している。

全体で117件が女性で未婚の子どものみと同居していると回答をしている。その中で区域外避難グループは103件で、母子避難者の回答者のほとんどが区域外避難グループに属している。現在、区域外避難グループで、子どもは127人おり、小学生、中学生、高校生がいる割合がかなり高い。

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指定なし(区域外避難)グループの現状③職業と収入の変化

2.2

13.2 13.4

1.7

9.1

1.7

13.418

4.1

22.1

14.3

1.7

12.49.1

0

9.4

1.4

11.5

28.5

10.8 12

0.75

05

1015202530

農林水産業

労務職

自営業

家族従業者

事務・販売職

管理的職業

専門的職業

臨時雇用、パー

ト、アルバイト

無職

専業主婦

学生

その他

区域外避難者x職業の変化

震災前 現在

0.72.2

7

12.7

15.6

12.9

10.1 9.8

6.24.6

3.4

6.7

1.2 0.51.2

7

14.1 13.7 13.711.3

9.17.7

4.32.6

4.3 4.3

0 0.202468

1012141618

収入なし

10

0

万円未満

10

0

~20

0

万円未満

20

0

~30

0

万円未満

30

0

~40

0

万円未満

40

0

~50

0

万円未満

50

0

~60

0

万円未満

600

~700

万円未満

700

~800

万円未満

80

0

~90

0

万円未満

90

0

~1,000

万円未

1,000

~1,500

万円

未満

1,500

~2,000

万円

未満

2,000

万円以上

区域外避難者x収入の変化

震災前 現在

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指定なし(区域外避難)グループの現状④母子避難者

41

2417 15

3

2115 14

2921

01020304050

何か困ったと

きには助け合

う親しい人が

いる

互いに訪問し

あう人がいる

立ち話をする

人がいる

あいさつを交

わす人がいる

ほとんどつき

あいがない

母子避難x近所付き合いの変化

震災前 現在

27%

14%

14%9%

17%

5% 14%

母子避難者の主な相談相手

家族

職場の友人

子どもを通じた知り合

趣味・サークルなどの

仲間

支援グループ

その中で主な相談相手は27%が家族であったが、次に多かったのが支援グループとの回答(17%)であった。支援グループの果たす役割は大きいと考えられる。

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新型コロナウイルス感染症の影響新型コロナウイルス感染症に関する影響は区域外避難グループのほうがより影響を受けていると言える。区域外避難回答者の58.8%が大変ある・少しあると回答をした。月収への影響は20%が月10万円以上と回答した

17.1

28

33.6

20.8

15.2

25.2

54.6

31.226.9

2.54.8 5.5

0

10

20

30

40

50

60

帰還困難区域 避難指示解除区域 指定なし

区域指定等別xコロナの影響

大変ある 少しある

あまりない まったくない

16.7

5.6

16.715 15

18.320.4

11

32.2

0

5

10

15

20

25

30

35

月10万円以上 月5~10万円未満 月5万円未満

区域指定別x月収への影響

帰還困難区域 避難指示解除区域 指定なし

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新型コロナウイルス感染症の影響

11.4 6.1

13.5

9.431.8

16.7

指定なしxコロナの影響

仕事を失った

休職している

一時、休職を強いられ

残業ができなくなった

追記給付金においてはほとんどの回答

者が受け取ったと回答をしているが、「避難元の家から『反対を押し切って避難したのだから、給付金の権利はない』と言われた。「世帯主が受け取っているので渡してもらえていない」といった回答があった。

関西広域避難者を対象とした以前の調査からも友人、職場の人、義理の両親から避難に対して非難され、その後の関係修復は難しいことがわかっている。

54%34%

12%

母子避難者のコロナの影響

大変ある・少しある

あまりない・まったく

ない

不 明

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自由記述回答(一部抜粋)

• 日本では初めての原子力発電所の事故は一生忘れてほしくない。生まれ育った場所をすべて失い、他県で生活することの大変さをわかって欲しい。お金ばかりではありません。

• 狭い部屋に住んでいるが、時間が経ち子どもが大きくなり、ますます手狭でストレスが大きい。

• 放射能汚染が続いている事を前提とした上で、相談相手が欲しい(再就職や今後の居住地域、子供の進学や転出時期など多岐)。

• 近隣に同じ避難者がいるのだろうか。他の町の方はわからない。交流したいとずっと思っている。

• 交流会等通知が来ても車がないと行けない。タクシーに乗るにも遠すぎる。家に閉じこもっているしかない。参加できるように考えていただきたい。

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阪神・淡路大震災での広域避難阪神・淡路大震災では、兵庫県は推計5万4700人とされている。(12万人とも6万2000人とも言われているが実態は不明。)

第1号に添付されたはがきアンケートによれば兵庫県内に「戻るつもり」「戻りたい」が8割。しかし半数が「戻りたいが戻れない」と答えた。

避難者の声• 震災、震災といつまで言ってるんだ。あいつら100万以上の金もらってるくせに、甘えの度

が過ぎている。情けないやつらだ。(県外被災者の支援機関紙「りんりん」より)

避難者の声• 県外に出てきたものは闇の中にいるようなものです。そちらの詳細がつかめず取り残され

た心境になっているのは私だけではないでしょう。• 遠方避難者は神戸の近況は全く知ることができないため、神戸へ何度か足を運び、そのた

びに旅費や宿泊費も大きな費用になり、心空しい思いをいたしました。(県外被災者の支援機関紙「りんりん」より)

避難者の声• 今の場所に慣れて友人も増えてきましたので、このままこちらに永住しようかなと思って

いる今日このごろです。(県外被災者の支援機関紙「りんりん」より)

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まとめ

• 原発事故によって避難された方々の「避難生活」はまだ終わっていない。

• 避難者としていられる権利

• 繰り返される広域避難の課題

• 情報・交流の重要さ(支え続ける必要)

• より多くの人に現状を知ってもらう必要性

誰もが当然として逃げる権利を保持し、新しい土地で人とのつながりを持ち、生きていける制度を考えていかねばならない。

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ありがとうございました。