Ⅰ 調査の目的と実施要領 1

Ⅱ 調査結果

１ 開業者の属性とキャリア 2

２ 開業動機と事業の決定理由 5

３ 企業の属性 7

４ 開業費用と資金調達 9

５ 開業後の状況と開業にかかる課題 11

６ 現在の満足度と今後の方針 14

Ⅲ まとめ 15

2018 年 12 月 3 日

日本政策金融公庫

総 合 研 究 所

「2018年度新規開業実態調査」

～アンケート結果の概要～

＜問い合わせ先＞

日本政策金融公庫 総合研究所

小企業研究第一グループ

TEL 03-3270-1687

担当 青山、桑本

Ⅰ　調査の目的と実施要領

１ 調査目的

　日本政策金融公庫総合研究所では、新規開業企業の実態を把握するため、1991年度から毎年「新規開業実態調査」を実施しており、

開業者の属性や開業費用など時系列で比較可能なデータを中心に蓄積してきた。

　そこで、今年度実施した「2018年度新規開業実態調査」の結果とともに、過去のデータも用いながら、新規開業企業の実態がどの

ように変化してきたのか、その特徴を分析した。

２ 実施要領

（１）調査時点 2018年7月

（２）調査対象 日本政策金融公庫国民生活事業が2017年4月から同年9月にかけて融資した企業のうち、融資時点で開業後1年

以内の企業8,332社

（３）調査方法 調査票の送付・回収ともに郵送、アンケートは無記名

（４）回 収 数 1,746社（回収率21.0％）

（５）経営形態 個人企業60.4％ 法人企業39.6％（開業時）

３ アンケート回答企業の概要

2.5

42.7

42.7

9.3

2.9

平均13.5カ月

（n=1,746）

0～6カ月

7～12カ月

13～18カ月

19～24カ月

25カ月以上

開業からの経過月数（調査時点）

（単位：％）

34.9

22.3

12.1

9.2

16.2

5.3

1人

平均3.4人

（n=1,694）

（単位：％）

開業時の従業者数

2人

3人

4人

5～9人

10人以上

資料：日本政策金融公庫総合研究所「新規開業実態調査」（以下同じ）

（注）１ 構成比は小数第2位を四捨五入して表記しているため、その合計が100％にならない場合がある（以下同じ）。

２ 以下、調査年度を示していない図は2018年度調査による。

- 1 -

Ⅱ 調査結果

１ 開業者の属性とキャリア

～開業時の平均年齢は上昇が続く～

○　開業時の年齢は「40歳代」が35.1％と最も高く、次いで「30歳代」が31.8％を占めている（図－1）。調査開始以来「30歳代」が

　最も高い割合を占めていたが、2018年度調査では「40歳代」と逆転した。

○　開業時の平均年齢は43.3歳と調査開始以来、最も高くなった。2013年度以降、6年連続で上昇している。

図－１　開業時の年齢

14.5

14.1

14.7

13.4 13.2

13.1

15.0 15.2

12.2 12.1

11.0

13.4

11.8

10.3

9.9

8.3

11.3

9.5

9.1

8.7

8.2

9.8

8.1

7.6

7.4 7.1

8.1

6.9

39.9

38.5

37.8

39.0

36.9

37.9

37.0

35.6

36.1

32.2 34.4

35.4

36.5

33.4

31.8

34.2

39.5

38.9

38.5

35.6

39.2

39.4

40.2

38.6

35.8

35.3

34.2

31.8

34.1

36.7

34.3

34.3

36.1

35.0

32.6

31.7

30.4

31.9

29.2

28.3

26.4

27.3

27.7

29.1

24.3

28.4

26.5

29.2

28.4

28.3

29.8

30.5

34.2

34.5

34.1

35.1

9.3

9.0

11.8

11.1

11.5

12.3

12.8

14.6

18.8

21.1

21.5

19.1

21.1

23.2

24.1

23.1

20.5

18.4

19.4

18.9

17.7

16.9

15.5

17.4

15.4

16.9

16.9

19.0

2.2

1.7

1.4

2.1 2.3

1.8

2.5

2.9

2.6

2.7

3.9 3.8

4.2

5.8

6.5

5.3

4.3

4.8

6.5

7.7

6.6

5.6

6.5

5.9

7.1

6.2

6.6

7.3

0

20

40

60

80

100

1991 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

60歳以上

50歳代

40歳代

30歳代

29歳以下

（調査年度）

（％）

38.9 38.9

39.2 39.2

39.7

39.6 39.6

40.2

40.9

41.6

41.8

40.9

41.4

42.6

43.0

42.9

41.4

41.5

42.1

42.6

42.0

41.4

41.7

42.1

42.4

42.5

42.6

43.3

37

38

39

40

41

42

43

44

1991 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

0

（歳）

（平均年齢の推移）

（調査年度）

- 2 -

～女性の割合は調査開始以来最高～

○　開業者に占める女性の割合は19.9％である（図－2）。女性の割合は上昇傾向にあり、調査開始以来、最も高い割合となって

いる。

○　最終学歴は、「大学・大学院」の割合が37.8％と最も高く、「高校」が31.2％、「専修・各種学校」が23.5％と続いている

　（図－3）。

図－２　性　別

図－３　最終学歴

87.6

87.1 87.1

85.3

86.786.8

85.1

86.4

87.5

85.6

84.7

86.0 86.2

83.983.5 83.5

84.584.5

85.5

84.585.0

84.3

84.9

84.0

83.0

81.881.6

80.1

12.412.9 12.9

14.7

13.313.2

14.9

13.6

12.5

14.4

15.3

14.0 13.8

16.116.5 16.5

15.5 15.5

14.5

15.515.0

15.7

15.1

16.0

17.0

18.218.4

19.9

0

20

40

60

80

100

1991 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

（％）

7.4

8.0

8.6

7.6 7.5

5.7

6.9

6.2

6.4

5.0

7.1

6.2

6.6

5.6

6.0

3.6

5.8

5.0

5.5

3.5

3.0 3.2

4.0

3.6

3.0

3.0

40.7

40.8 39.4

40.9 41.5

42.2

39.5

40.0

38.0

35.9

36.5

37.9 37.0

36.4

34.5

35.0

35.0

33.2 32.0

31.3

30.4

27.7

28.7

30.6

27.5

31.2

16.5

17.2

18.0

12.9

13.2

15.5 18.4

15.3

14.9

15.1

15.1

16.4 17.6

17.4

17.5

21.5

20.1

21.3

19.1

24.3

23.9

26.6

24.8

24.0

26.1

23.5

4.8

3.8 3.9

7.5

7.4

7.1

4.1

3.8

7.2

7.6

5.5

4.2

3.8

4.6

5.4

5.2

4.6

4.5

5.3

4.3

4.8 4.6

5.8

4.9

5.7

4.4

30.629.6 29.5

30.8

29.7

29.1

30.5

33.8

32.9

35.2

34.4

34.3

34.6

35.5

36.4

34.0

34.2

35.9

37.9

36.2

37.8 37.8

36.7

36.9

37.537.8

0.0

0.6 0.6

0.3 0.7

0.3

0.7

1.0

0.6

1.2

1.3

0.9 0.3

0.5 0.2

0.6

0.2 0.1 0.2 0.4

0.1 0.1 0.1 0.1 0.2

0.1

0

20

40

60

80

100

1992 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 12 13 14 15 16 17 18

短大・高専

その他

大学・

大学院

専修・

各種学校

中 学

高 校

（調査年度）

（％）

（調査年度）

男 性

女 性

（注）１ 1991年度の調査の選択肢には「短大」が含まれていないため、結果を掲載していない。また、2011年度調査では最終学歴を尋ねていない。

２ 1992年度の調査の選択肢には「その他」がない。また、1999～2002年度調査の「その他」には「海外の学校」が含まれる。

- 3 -

～実務経験を有する分野で開業～

○　開業直前の職業は、「正社員（管理職）」の割合が42.2％と最も高く、次いで「正社員（管理職以外）」が29.5％を占める

　（図－4）。長期的にみると「正社員（管理職）」の割合は増加傾向にある。

○　勤務キャリアは、「勤務経験」がある割合が99.5％、「斯業経験」がある割合が82.6％である（図－5）。経験年数の平均は

「勤務経験」が20.1年、「斯業経験」が14.2年であり、多くはビジネス経験をもって開業している。また、「管理職経験」があ

　る割合は68.2％で、経験年数の平均は10.5年である。

図－４　開業直前の職業

図－５　勤務キャリア

（単位：年）

9.4

7.0

20.1

20.0

平均値

中央値

14.2

13.0

10.5

10.0

勤務経験 斯業経験 管理職経験 経営経験

14.8

14.5

14.8

13.9

12.0

14.2

12.2

11.3

12.2

14.6 14.5

13.3

12.0 12.2

12.4

13.1

10.9

13.1

13.7

13.0 13.0

10.7 10.7

10.2

11.3

10.4

10.0 10.0

35.0

36.3

36.5

35.2

35.2

37.6

31.5

37.1

36.1

36.8

36.6

34.6

42.1

37.4

36.1

37.2

39.8

38.2

38.4

45.2

38.0

41.2

44.7

44.9

40.7

45.1

40.8

42.2

39.5

36.7

39.5

41.9

36.4

36.2

47.1

42.2

40.9

38.5

36.5

40.1

30.4

34.7

33.5

32.6

33.6

33.9

32.9

26.3

31.3

31.0

28.8 29.2

29.4

28.5

31.9

29.5

1.5

2.9

3.3

3.0

3.2

2.6

3.6

3.2

4.2

5.3

6.9

4.9

7.4

5.6

8.0

7.6

8.7

7.8

8.0

8.5

8.7

9.4

8.8

9.2

10.6

10.8

9.1

10.5

9.1

9.5

5.8 5.9

13.2

9.4

5.5

6.2

6.7

4.8

5.5

7.2

8.0

10.2 9.8

9.5

7.0 7.0 6.9 7.1

9.1

7.6

7.1

6.4

8.0

5.2

8.3

7.8

0

20

40

60

80

100

1991 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

会社や団体の

常勤役員

正社員

（管理職）

正社員

（管理職以外）

非正社員

その他

（調査年度）

（％）

（注）１ 「非正社員」は「パートタイマー・アルバイト」と「契約社員・派遣社員」の合計である。ただし、1991～1994年度および2004年度調査では選択肢のなかに「契約社員・派遣

社員」がない。また、1995～1999年度調査の選択肢は「契約社員・派遣社員」ではなく「派遣社員」である。

２ 「その他」には「専業主婦・主夫」「学生」が含まれる。

99.5

82.6

68.2

16.1

0

20

40

60

80

100

勤務経験あり 斯業経験あり 管理職経験あり 経営経験あり

（％）

（n=1,735） （n=1,734） （n=1,729） （n=1,457）

【経験割合】

【経験年数】

（注）１ 「斯業経験」は現在の事業に関連する仕事をした経験、「経営経験」は現在の事業を始める前に事業を経営した経験（すでにその事業をやめている場合を含む）。

２ 経験年数の平均値・中央値は、経験がある人だけを集計。

- 4 -

２ 開業動機と事業の決定理由

～最も多い開業動機は「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」～

○　開業直前の勤務先を離職した理由は、「自らの意思による退職」が86.2％を占める（図－6）。「勤務先の倒産・廃業」「事業

　部門の縮小・撤退」「解雇」を合わせた「勤務先都合」による離職は8.9％となった。

○　開業動機は、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」（50.8％）、「自由に仕事がしたかった」（49.2％）、「収入を増

　 やしたかった」（44.6％）の順に多い（図－7）。

図－６　開業直前の勤務先からの離職理由

図－７　開業動機（三つまでの複数回答）

（調査年度）

（注）「勤務先都合」とは「勤務先の倒産・廃業」「事業部門の縮小・撤退」「解雇」の合計である。

47.6

50.6

47.4

37.6

29.8

26.7

14.0

12.9

8.9

6.0

8.1

52.8

49.0

44.4

37.6

30.3

28.9

14.9

10.6

8.3

5.4

9.6

50.8

49.2

44.6

36.1

32.3

29.8

17.9

13.3

7.5

5.8

6.7

0

10

20

30

40

50

60

そ

の

他

2018年度 （n=1,738）

2017年度（n=1,411）

2016年度（n=1,951）

（％）

資

格

を

生

か

し

た

か

っ

た

仕

事

の

経

験

・

知

識

や

収

入

を

増

や

し

た

か

っ

た

事

業

化

し

た

か

っ

た

自

分

の

技

術

や

ア

イ

デ

ア

を

仕

事

が

し

た

か

っ

た

社

会

の

役

に

立

つ

ゆ

と

り

が

欲

し

か

っ

た

時

間

や

気

持

ち

に

仕

事

が

し

た

か

っ

た

年

齢

や

性

別

に

関

係

な

く

仕

事

に

興

味

が

あ

っ

た

事

業

経

営

と

い

う

自

由

に

仕

事

が

し

た

か

っ

た

生

か

し

た

か

っ

た

趣

味

や

特

技

を

86.6

85.4

86.2

2.0

2.5

2.2

4.3

4.3

4.8

4.0

3.1

3.3

1.1

1.2

0.7

2.0

3.4

2.7

2016

（n=1,745）

2017

（n=1,221)

2018

（n=1,496)

その他

解雇

自らの意思による退職

事業部門の

縮小・撤退

勤務先の

倒産・廃業

定年退職

(単位：％）

勤務先都合 8.9

適

当

な

勤

め

先

が

な

か

っ

た

- 5 -

～事業の決定理由で最も多いのは「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」～

○　現在の事業に決めた理由は、「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」（42.2％）、「身につけた資格や知識を生かせる

　 から」（20.9％）、「地域や社会が必要とする事業だから」（15.1％）の順に多い（図－8）。

○ 開業者の性別ごとにみると、男性、女性ともに「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」が最も多い（図－9）。「地域

　 や社会が必要とする事業だから」「趣味や特技を生かせるから」などは女性のほうが多くなっている。

図－８　現在の事業に決めた理由

図－９　現在の事業に決めた理由（開業者の性別）

42.9

21.8

14.1

9.5

5.0

2.7

1.6

0.7

1.6

39.3

17.2

19.3

9.7

3.3

4.8

3.0

0.3

3.0

0

10

20

30

40

50

60

女性（n=331）

男性（n=1,374）

生

か

せ

る

か

ら

経

験

や

技

能

を

こ

れ

ま

で

の

仕

事

の

知

識

を

生

か

せ

る

か

ら

身

に

つ

け

た

資

格

や

必

要

と

す

る

事

業

だ

か

ら

地

域

や

社

会

が事

業

だ

か

ら

成

長

が

見

込

め

る

見

つ

け

た

か

ら

ア

イ

デ

ア

や

ヒ

ン

ト

を

新

し

い

事

業

の

生

か

せ

る

か

ら

趣

味

や

特

技

を

で

き

そ

う

だ

か

ら

経

験

が

な

く

て

も

活

用

で

き

る

か

ら

不

動

産

な

ど

を

そ

の

他

（％）

（％）

47.2

21.0

14.4

7.2

3.2

3.7

1.4

0.6

1.3

43.6

21.5

14.1

9.5

4.6

3.0

1.2

0.4

1.9

42.2

20.9

15.1

9.6

4.7

3.1

1.9

0.6

1.9

0

10

20

30

40

50

60

生

か

せ

る

か

ら

経

験

や

技

能

を

こ

れ

ま

で

の

仕

事

の

知

識

を

生

か

せ

る

か

ら

身

に

つ

け

た

資

格

や

必

要

と

す

る

事

業

だ

か

ら

地

域

や

社

会

が

事

業

だ

か

ら

成

長

が

見

込

め

る

見

つ

け

た

か

ら

ア

イ

デ

ア

や

ヒ

ン

ト

を

新

し

い

事

業

の

生

か

せ

る

か

ら

趣

味

や

特

技

を

で

き

そ

う

だ

か

ら

経

験

が

な

く

て

も

活

用

で

き

る

か

ら

不

動

産

な

ど

を

2018年度 （n=1,705）

2017年度 （n=1,398）

2016年度 （n=1,904）

そ

の

他

- 6 -

３ 企業の属性

～開業業種は「サービス業」が最も多い～

○　開業業種は、「サービス業」（25.1％）、「医療・福祉」（17.4％）、「飲食店・宿泊業」（14.7％）の順に多い（図－10）。

　 長期的にみると「建設業」「製造業」「卸売業」は減少傾向にあり、「医療・福祉」「不動産業」「サービス業」は増加傾向

　 にある。

図－10　開業業種

（％）

8.9

8.5

9.6

7.5

9.5 9.5

8.8

7.1 7.2

6.3 6.4

8.6 8.5

8.9

7.7

5.5

5.2

5.4

5.0

4.0

6.2

4.7

2.7

3.2

4.5

3.5

4.1 4.4

4.2

3.4

3.2

2.5

2.6

3.2

2.8

3.0

2.4

2.9

2.7

2.6

2.5

2.6

1.6

2.2

3.2

3.8

3.6

3.6

2.4

3.2

3.6

2.5

4.0

2.2

2.5

1.8

2.0

1.9

2.7

2.8

7.5

6.8

8.2

5.9

7.4

6.1

8.4

7.9

7.2

6.1

5.5

5.1

5.6

4.6

4.9

14.2

15.9

15.2

13.6

14.0

10.4

14.0

12.9

14.6

10.6

13.2

11.9

9.4

11.9 13.1

2.2

2.4

3.2

1.6

4.2

4.2

4.1

3.6

4.2

4.8

3.7

3.7

4.5

4.1

4.2

14.0

14.5

14.5

16.9

14.5

13.9

12.8

13.6

12.9

15.1

14.9

15.9

15.8

14.2

14.7

14.9

16.1

14.1

15.8

13.2

14.8

15.7

17.5

19.8

19.6

21.9

19.5

18.0

19.6

17.4

1.6

1.5

2.2

1.6

2.5

1.3

2.1

2.3

2.6

3.4

3.2

2.6

2.9

3.6

2.6

23.5 21.1

20.9

25.6

24.1

26.3

23.2

24.8

22.0

23.6

22.2 23.2

26.2

23.3

25.1

0.8

1.9

0.5

0.9

0.6

0.9

1.2

0.8

1.5

0.9

1.2

0.7

1.1

0.7 0.8

0

20

40

60

80

100

2004 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18（調査年度）

卸売業

建設業

製造業

情報通信業

運輸業

小売業

不動産業

飲食店・

宿泊業

医療・福祉

教育・

学習支援業

サービス業

その他

- 7 -

～従業者数は開業時から平均1.3人増加～

○　開業時の平均従業者数は3.4人であった（図－11）。

○　調査時点の平均従業者数は4.7人で、開業時からの増加数は1.3人であった（図－12）。

○　開業時と調査時点の平均従業者数の内訳をみると、「常勤役員・正社員」が0.8人から1.2人、「パートタイマー・アルバイト」

　 が1.1人から1.8人へと、それぞれ0.4人、0.7人増えている。

図－11　開業時の平均従業者数

図－12　開業時と調査時点の平均従業者数

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

0.4

0.4

0.4

0.3

0.4

0.3

1.2

0.8

1.2

0.7

1.2

0.8

1.8

1.1

1.8

1.0

1.7

1.1

0.2

0.1

0.2

0.1

0.3

0.1

調査時点

開業時

調査時点

開業時

調査時点

開業時

2016

（14.6カ月）

2017

（14.6カ月）

＜平均3.1人＞

（単位：人）

経営者本人家族従業員

パートタイマー・アルバイト

派遣社員・

契約社員

常勤役員・正社員

＜平均4.5人＞

＜平均3.4人＞

＜平均4.6人＞

＜平均3.4人＞

増加数

1.3人

増加数

1.4人

（注）１ （ ）内は調査時点における開業からの経過月数の平均である。

２ 値は小数第2位を四捨五入して表記しているため、同じ値でもグラフの長さが異なったり、内訳の合計と平均および平均の差と増加数が一致しなかったりする場合がある。

（調査年度）

2018

（13.5カ月）

3.8

4.0

3.6

3.7

3.9

4.0

4.2

3.8

4.1

3.9

4.2 4.2

4.3 4.3 4.3

4.4

3.9

4.1

3.8

4.4

3.9

4.0

3.7

4.0

3.6

3.4

3.1

3.4

0

1

2

3

4

5

1991 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

（調査年度）

（人）

増加数

1.2人

＜平均4.7人＞

- 8 -

４ 開業費用と資金調達

～開業費用は少額化の傾向～

○　開業費用の分布をみると、「500万円未満」の割合が37.4％と最も高く、次いで「500万～1,000万円未満」が31.0％を占める

　 （図－13）。「1,000万円以上」の割合は、4年連続で減少している。

○　開業費用の平均値は1,062万円と2017年度に比べて81万円減少した。調査開始以来、最も少なくなった。

　

　

図－13　開業費用

23.8

22.4

21.0

19.6

20.3

22.1

21.5

24.3 24.3

24.4

22.6

24.9

29.6 29.8

31.8

30.1

31.7

35.4

34.3

38.1

39.8

35.4

34.7

32.5

32.8

35.3

37.4 37.4

26.7 29.3

28.3

28.1

28.0

30.3

29.8

27.5

30.8

29.2

32.2

28.8

30.2

28.9

29.0

27.1

28.6

29.1

28.3

28.5

26.6

31.1

31.0

31.8

31.6

30.9

29.3

31.0

28.7

26.8

27.8

27.0

27.5

25.2

28.6

28.8

23.6

25.2

24.5

25.2

23.0

21.7

19.8

23.9

21.4

21.6

21.6

17.9

19.2 19.2

21.1

20.5

21.8

20.5

20.8

19.5

20.8

21.5

22.9

25.3

24.2

22.4

20.1

19.3

21.3 21.1

20.8

21.1

17.1

19.6 19.4

18.9

18.3

13.9

15.8

15.5

14.5 14.3

13.2

15.2

13.8

13.3

12.6

12.1

0

20

40

60

80

100

1991 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

1,440

1,682

1,750

1,775

1,770

1,530

1,525

1,377

1,682

1,537

1,582

1,538

1,352

1,618

1,536

1,486

1,492

1,238

1,288 1,289

1,162

1,269

1,195

1,287

1,205

1,223

1,143

1,062

970

908

1,000 1,000 1,000

919 920

900

850

895

850

900

800

780

705

800

724

660

700

620 620

682

690

700

720

670

639

600

0

500

1,000

1,500

2,000

1991 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

平均値

中央値

（平均値・中央値の推移）

2,000万円以上

1,000万～

2,000万円未満

500万～

1,000万円未満

500万円未満

（調査年度）

（％）

（万円）

（調査年度）

- 9 -

～金融機関等からの借入と自己資金が主な資金調達先～

○　開業時の資金調達額は平均で1,282万円であった（図－14）。調査開始以来、最も少なくなった。

○　資金の調達先は、「金融機関等からの借入」が平均859万円（平均調達額に占める割合は67.0％）、「自己資金」が平均292万円

　（同22.8％）であり、両者で全体の89.8％を占める。

図－14　資金調達額（平均）

292

287

320

311

350

327

369

356

364

398

374

422

443

448

439

405

413

440

428

445

435

412

424

453

445

426

441

360

70

75

84

110

100

95

112

97

141

124

100

137

161

165

146

152

151

159

131

177

149

150

151

136

149

154

151

124

40

44

56

53

45

50

47

51

70

65

72

77

91

89

110

91

113

88

110

132

68

83

53

65

81

77

129

119

859

891

931

866

928

833

855

840

827

798

793

935

882

932

954

748

865

939

895

969

723

881

897

1,067

1,062

972

917

748

21

27

42

25

40

32

95

69

46

62

66

60

70

95

102

67

86

78

82

108

67

70

73

92

91

120

111

101

18

17

16

15

14

13

12

11

10

09

08

07

06

05

04

03

02

01

2000

99

98

97

96

95

94

93

92

1991

（調査年度）

調達額合計

（単位：万円）

（注）１ 「配偶者・親・兄弟・親戚」と「友人・知人等」は借入、出資の両方を含む。

２ 「友人・知人等」には「取引先」（1992～1999年度調査）、「事業に賛同した個人または会社」（1992～2018年度調査）、「自社の役員・従業員」（2004～2018年度調査）、

「関連会社」(2016年度調査)を含む。

３ 「金融機関等からの借入」には、日本政策金融公庫（1991～2018年度調査）、民間金融機関（1991～2018年度調査）、地方自治体（制度融資）（1992～2018年度調査）、

公庫・地方自治体以外の公的機関（1999～2018年度調査）が含まれる。

４ 開業費用と資金調達額は別々に尋ねているため、金額は一致しない。

自己資金

配偶者・親・

兄弟・親戚

その他

金融機関等からの借入

友人・知人等

1,750

1,452

1,365

1,749

1,828

1,813

1,598

1,596

1,442

1,832

1,645

1,704

1,628

1,461

1,750

1,729

1,645

1,631

1,405

1,448

1,449

1,413

1,478

1,337

1,323

1,433

1,464

1,282

- 10 -

５ 開業後の状況と開業にかかる課題

～労働時間は5年前と比べて減少～

○　1週間あたりの労働時間は、「40時間未満」が18.8％、「40時間以上50時間未満」が25.5％、「50時間以上」が55.7％となってい

　る （図－15）。平均は51.1時間で、5年前（2013年63.2時間）から12.1時間減っている。

○　事業からの収入が経営者本人の定期的な収入に占める割合は、「100％（他の収入はない）」が52.9％と最も多く、次いで「25％

　 未満」が22.7％を占める（図－16）。

図－15　1週間あたりの労働時間

図－16　事業からの収入が経営者本人の定期的な収入に占める割合

（単位：％）

（単位：％）

0.2

3.5

0.6

4.9

1.3

3.0

4.7

7.3

19.6

25.5

73.6

55.7

10時間未満

10時間以上

20時間未満

20時間以上30時間未満

30時間以上

40時間未満

40時間以上50時間未満

50時間以上

40時間未満 18.8

80.5

52.9

5.6

10.5

5.7

6.2

2.9

7.7

5.3

22.7

100％（他の収入はない）

50％以上

75％未満

25％以上

50％未満

25％未満

75％以上

100％未満

（注）2018年度調査では、1時間未満は切り上げて尋ねている。

（注）１ 2018年度調査では、現在の事業からの収入が定期的な収入に占める割合を尋ね、択一で回答を求めた。

２ 2013年度調査では、現在の事業と現在の事業以外の月平均手取り収入について実数で回答を求め、割合を算出した。

（調査年度）

2018

（n=1,626）

（参考）

2013

（n=1,517）

2018

（n=1,660）

（参考）

2013

（n=1,407）

＜平均51.1時間＞

＜平均63.2時間＞

6.8

（調査年度）

- 11 -

～約半数の企業が予想月商を達成～

○　現在の月商が「100万円未満」である割合は42.2％で、2017年度と比べて増加している（図－17①）。予想月商達成率は、「100～

　125％未満」が23.7％、「125％以上」が30.1％で、約半数（53.7％）の企業が予想を上回る月商をあげている（同②）。

○　現在の売上状況が「増加傾向」である割合は58.7％となった（同③）。現在の採算状況が「黒字基調」である割合は61.3％と

　なった（同④）。

図－17　売上・採算の状況

①現在の月商（1カ月あたりの売上高） ③現在の売上状況

②予想月商達成率 ④現在の採算状況

64.5

61.8

61.3

35.5

38.2

38.7

赤字基調黒字基調

2018

（n=1,595）

2017

（n=1,335）

2016

（n=1,898）

11.6

10.6

9.7

20.4

18.6

16.8

20.7

20.3

19.7

23.4

22.8

23.7

23.9

27.7

30.1

50％未満

50～75％未満

75～100％未満

125％以上

100～125％未満

2016

（n=1,856）

2017

（n=1,322）

2018

（n=1,587）

（注）予想月商達成率＝（調査時点の平均月商÷開業前に予想していた月商）×100

（調査年度）

42.2

40.9

39.3

43.1

43.9

44.0

8.2

8.9

9.1

6.6

6.3

7.5

100万円未満100万～500万円未満

500万～1,000万円未満

2016

（n=1,868）

2017

（n=1,329）

2018

（n=1,607）

61.8

59.4

58.7

31.2

33.4

35.2

7.1

7.1

6.1

減少傾向横ばい増加傾向

2016

（n=1,943）

2017

（n=1,400）

2018

（n=1,697）

（調査年度）

（調査年度）

（調査年度）

1,000万円以上

（単位：％）

（単位：％）

（単位：％）

100％以上 53.7

（単位：％）

- 12 -

～「顧客・販路の開拓」や「資金繰り、資金調達」などが課題～

○　開業時に苦労したこととして、「顧客・販路の開拓」（49.1％）、「資金繰り、資金調達」（43.9％）を挙げる企業の割合が高

　 い（図－18）。現在苦労していることをみても、この二つの回答は割合が高い（図－19）。

○ 開業時から現在にかけての変化をみると、「資金繰り、資金調達」「財務・税務・法務に関する知識の不足」などが減少してい

　 る。一方で、「従業員の確保」「従業員教育、人材育成」といった人材に関する課題を挙げる企業が増加している。

図－18　開業時に苦労したこと（三つまでの複数回答） 図－19　現在苦労していること（三つまでの複数回答）

（％）

44.7

45.6

43.3

45.7

50.5

49.1

46.1

47.7

47.1

46.0

47.0

43.9

29.3

33.8

26.9

30.9

28.0

31.6

18.7

20.3

18.6

17.1

17.8

18.2

17.4

15.2

14.9

13.6 13.1

14.7

5.3

6.1

6.0

7.3

6.9

6.1

0

10

20

30

40

50

60

2013 14 15 16 17 18

顧客・販路の開拓

資金繰り、資金調達

とくにない

財務・税務・法務に

関する知識の不足

従業員の確保

従業員教育、人材育成

（調査年度）

44.8

44.2

40.8

44.1

45.1

47.3

33.5

39.7

36.3

38.8

39.4

37.7

24.4

28.1

28.5

26.5

27.9

25.6

22.6

25.3

20.7

22.9

21.2 22.2

23.4

25.1

23.4

20.7

20.9

19.6

8.8

8.3

10.0

8.7

9.0

7.4

0

10

20

30

40

50

60

2013 14 15 16 17 18

顧客・販路の開拓

資金繰り、資金調達

とくにない

財務・税務・法務に

関する知識の不足

従業員の確保

従業員教育、人材育成

（調査年度）

（％）

（注）上位5項目および「とくにない」の回答割合を示している。

（注）図-18に同じ。

- 13 -

６ 現在の満足度と今後の方針

～約7割が開業に満足している～

○　開業の総合的な満足度をみると、「かなり満足」が25.5％、「やや満足」が42.4％となっており、約7割が開業に満足している

　（図－20）。項目別に「かなり満足」と「やや満足」を合計した「満足」の割合をみると、「仕事のやりがい（自分の能力の発揮）」

は80.1％、「働く時間の長さ」は42.2％、「ワークライフバランス」は41.8％、「事業からの収入」は21.9％となっている。

○ 今後の方針については、売上高を「拡大したい」が94.2％、商圏を「拡大したい」が61.1％となっている（図－21）。

図－20　現在の満足度 図－21　今後の方針

34.0

15.5

14.0

4.0

46.0

26.7

27.9

17.8

13.8

35.9

30.9

26.2

4.9

15.8

19.9

24.1

1.3

6.1

7.4

27.9

仕事のやりがい

（自分の能力の発揮）

（n=1,707）

働く時間の長さ

（n=1,710）

ワークライフバランス

（n=1,711）

事業からの収入

（n=1,707）

25.5 42.4 21.1 8.0 3.0

開業の

総合的な満足度

（n=1,708）

かなり満足

やや満足

どちらともいえない

やや不満

かなり不満

（単位：％）

61.1 38.3 0.7

商 圏

（n=1,669）

拡大したい

現状程度でよい

縮小したい

12.3 87.7

株式公開

（n=1,672）

考えている

考えていない

94.2 5.6 0.2

売上高

（n=1,689）

拡大したい

現状程度でよい

縮小したい

（単位：％）

80.1

満足 67.9

21.9

41.8

42.2

- 14 -

Ⅲ　まとめ

○ 女性の割合が増加（p.3）

　開業者に占める女性の割合は19.9％である（図－2）。女性の割合は増加傾向にあり、調査開始以来、最も高い割合となっている。

○ 実務経験を生かせる分野で開業（p.4、p.6）

　現在の事業に関連する仕事をした経験がある開業者は82.6％（平均経験年数14.2年）、管理職の経験がある開業者は68.2％（同10.5年）

に上る（図－5）。また、現在の事業に決めた理由として、「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」（42.2％）や「身につけた

資格や知識を生かせるから」（20.9％）を挙げる開業者が多い（図－8）。多くの開業者は、実務経験を生かせる分野で開業している。

○ 開業の費用は少額化の傾向（p.9）

　開業費用の分布をみると、「500万円未満」の割合が37.4％と最も高い割合となっている（図－13）。また、開業費用の平均値は

1,062万円であった。開業費用の平均値は2017年度に比べて81万円減少し、調査開始以来、最も少なくなった。開業費用は少額化の傾向

がみられる。

○ 労働時間は5年前と比べて減少（p.11）

　1週間あたりの労働時間は、「40時間未満」が18.8％、「40時間以上50時間未満」が25.5％、「50時間以上」が55.7％となっている

（図－15）。平均は51.1時間で、5年前（2013年：63.2時間）と比べて12.1時間減っている。労働時間は短縮化の傾向がみられる。

○ 事業以外からの収入がある開業者は約半数（p.11）

　事業からの収入以外に何らかの定期的な収入がある開業者が全体の47.1％に上る（図－16）。事業からの収入が開業者本人の定期的

な収入に占める割合が「25％未満」である人も22.7％を占めている。

○ 顧客・販路の開拓や資金繰り、資金調達が開業の課題（p.13）

　開業時には「顧客・販路の開拓」（49.1％）や「資金繰り、資金調達」（43.9％）に苦労する開業者が多い（図－18）。これらの課題

は、開業後も多くの開業者にとって課題となっている（図－19）。開業後は「従業員の確保」（開業時18.2％→現在25.6％）、「従業員

教育、人材育成」（同14.7％→19.6％）といった人材面の課題に苦労する開業者が増えている。

○ 約7割の開業者が開業に満足している（p.14）

開業の総合的な満足度をみると、「かなり満足」が25.5％、「やや満足」が42.4％となっており、約7割が開業に満足している

（図－20）。項目別に「かなり満足」と「やや満足」を合計した「満足」の割合をみると、「仕事のやりがい（自分の能力の発揮）」

は80.1％、「働く時間の長さ」は42.2％、「ワークライフバランス」は41.8％、「事業からの収入」は21.9％となっている。

- 15 -