昭和29年1月30日 1 平成29年4月17日 第2997号 町 …第2997号 2997号 1...

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第2997号 2997 1 平成29年 4 月17日 昭和29年1月30日 第三種郵便物認可 町村週報 発行所 全国町村会 〒100-0014 東京都千代田区永田町1丁目11番35号 電話03-3581-0486 FAX03-3580-5955 発行人 石田直裕定価1部40円・年間1,500円(税、送料含む) 振替口座00110-8-47697   http://www.zck.or.jp 町村の購読料は会費 の中に含まれております 毎週月曜日発行 満開のツツジ(宮崎県三股町・椎八重公園) 19 IC IC 9 JCT12沿10 西便約6万本のクルメツツジが鮮やかに咲 き誇る、三股町の椎八重(しいばえ)公 園。展望台からは、眼下一面に真っ 赤なツツジと八重桜の壮大なパノラ マが広がる。毎年4月中旬~下旬に は「椎八重公園つつじまつり」が開催さ れ、夜間のライトアップも行われる。 写真キャプション 29 !!

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第2997号

2997号

1 平成29年 4 月17日 町 村 週 報 昭和29年1月30日第三種郵便物認可( )

町村週報発行所 全国町村会 〒100-0014 東京都千代田区永田町1丁目11番35号:電話03-3581-0486 FAX03-3580-5955発行人 石田直裕:定価1部40円・年間1,500円(税、送料含む) 振替口座00110-8-47697   http://www.zck.or.jp

町 村 の 購 読 料 は 会 費の中に含まれております

毎週月曜日発行

( )

満開のツツジ(宮崎県三股町・椎八重公園)

3月19日、山梨県市川三郷町で中部横断自

動車道の六郷IC

増穂IC間9・3㎞の開通式

が行われた。通り初めの途中に、目に入った

のは横断幕に書かれたキャッチフレーズであ

る。「

君は太平洋を見たか、僕は日本海を見た

い」中

部横断自動車道は太平洋に面する静岡県

清水市から、山梨県身延町を通り長野県佐久

小諸JCTで上信越自動車道と合流するまで

の132㎞をいう。さらに上信越自動車道を

北上すると新潟県上越市、日本海に出る。

これは、中部横断自動車道の早期実現を訴

え、地域と、道の役割を考える「女性みちの会」

の皆さんの活動のキャッチフレーズだ。日本

海と太平洋がいかに遠い存在だったか、お互

いの海に憧れ、道路の開通を願う気持ちが込

められている、実にロマンに溢れたフレーズ

だ。静岡県、山梨県、長野県、新潟県の沿線

地域の女性たちは、それぞれの地域で道の清

掃活動や、地域の魅力作りに取り組みながら、

交流や意見交換を続けている。

私も10年ほど前に初期に区間開通した長野

県佐久市で行われたシンポジウムに参加し、

生活に根ざした女性たちの視点から、縦(南

北)の高速道路の必要性について議論を聞い

てきただけに、中部横断自動車道の区間開通

はある種の感慨を持って迎えている。道路は

繋がらないと、その効果は十分に発揮されず、

まだまだこれからだ。

日本は東西の横軸はかなり整備されてきた

が、南北の縦軸の整備はまだ弱く、不便この

上ない。最近は「いのちの道」と呼ばれるが、

医療、防災の観点からも代替道路は必須であ

る。残る部分には険しい山も多く、全線開通

までには、まだ時間がかかるが、国の新直轄

無料区間と、高速道路会社が作る有料区間を

手分けしながら効率的に道をつないでほしい

ものだ。

長い期間かけて作り上げた高速道路も、開

通して走れば、あっという間に通り抜けてし

まう。それも多くの人達の苦労の賜物なのだ。

「君は太平洋を見たか、僕は日本海が見たい」

約6万本のクルメツツジが鮮やかに咲き誇る、三股町の椎八重(しいばえ)公園。展望台からは、眼下一面に真っ赤なツツジと八重桜の壮大なパノラマが広がる。毎年4月中旬~下旬には「椎八重公園つつじまつり」が開催され、夜間のライトアップも行われる。

写真キャプション

フリーアナウンサー

青あお

山やま

 佳か

世よ

平成29年「水防法等の一部を改正する法律案」の概要…………………………………⑵

愛ふるタウンから住まいるタウンへ

      

子育てナンバーワンを目指して!!=埼玉県滑川町………………………⑹

町村Navi…………………………………………………………………………………⑽

皺…………………………………………………………長崎県時津町長 

吉田 

義德…⑾

政�

フォーラム

情�

随�

1.はじめに

「水防法等の一部を改正する法律

案」(以下「改正法案」という。)が

平成29年2月10日に閣議決定され、

第193回国会に提出された。本稿

は、改正法案のねらいと背景、概要

について解説するものである。

なお、さらに具体的な運用指針等

については改正法施行後に施行通知

等によって周知することを予定して

いる。

2.改正法案の背景

近年、集中的な豪雨が増加し、全

国各地で水害が頻発、激甚化すると

ともに、気候変動等の影響によりさ

らに増加することが懸念されてい

る。例えば、平成27年9月の関東・

東北豪雨では、栃木県日光市五十里

観測所で24時間降雨が551㎜を記

録するなど、多くの地点で24時間雨

量が観測史上最多を記録した。この

豪雨により、鬼怒川等では堤防の決

壊・溢水が発生。茨城県常総市では

市の約3分の1が浸水し、多数の家

屋が倒壊・流出したほか、約4、

300人の住民が孤立する事態と

なった。また、同市では浸水によっ

て市内の避難所の使用が困難となっ

たため、緊急的に近隣市と調整を行

い避難者の半数以上を市外へ避難さ

せるなど、これまで例を見ない広域

避難の実施を余儀なくされたところ

である。さらに、同市では浸水の解

消に10日間を要し、災害復旧や生活

再建に大きな支障をもたらした。

また、翌年(平成28年)の8月に

は北海道・東北豪雨が発生し、我が

国は気象庁が1951年に観測を開

始して以来初めてとなる、3つの台

風の北海道への上陸と、東北地方太

平洋側への台風の上陸を経験するこ

ととなった。この豪雨でも、北海道・

東北地方の各地の観測所で記録的な

降雨が観測されている。例えば北海

道では、8月の月降水量がアメダス

観測地225地点中89地点で観測史

上1位を記録し、北海道・東北地方

を合わせると72時間雨量で19地点、

24時間雨量で8地点で観測史上1位

を記録した。

この豪雨により、北海道の空知川

といった国管理河川や岩手県の小本

川といった道県管理河川の多くで堤

防決壊・溢水が発生。甚大な浸水被

害によって主要交通網の寸断や農業

被害が生じたことに加え、小本川の

氾濫によって沿川にあった社会福祉

施設の利用者が死亡するなど、悲惨

な被害が生じたことは記憶に新しい。

国土交通省では、関東・東北豪雨

を受け、頻発、激甚化する水害に対

応するため、平成27年12月に「水防

災意識社会再構築ビジョン」(以下

「ビジョン」という。)を打ち出した。

ビジョンでは、近代以降定着して

いった「水害は堤防等の施設の整備

によって発生を防止するもの」とい

う社会の意識を変革し、行政主体や

住民が「施設では防ぎきれない大洪

水は必ず発生するもの」という意識

を改めて持ち、社会全体で大規模な

洪水氾濫に備える必要が示されてい

る。このため、まずは国管理河川と

その沿川の市町村を中心に河川管理

者や都道府県、市町村等からなる減

災対策協議会を設置し、大規模氾濫

からの減災に向けたハード・ソフト

対策を一体的・計画的に推進するこ

ととし、市町村長による避難勧告等

の発令までの各主体の役割を時系列

で整理した「水害対応タイムライン」

の作成・改善や広域避難体制の検討、

平成29年「水防法等の一部を改正する法律案」の概要

国土交通省水管理・国土保全局水政課

政 策 解 説

町 村 週 報(第三種郵便物認可) 平成29年 4 月17日 2第2997号

政 策

住民等の主体的な避難を促すための

ハザードマップの改良、スマホを活

用した洪水予報等の情報提供等に取

り組んできた。

平成28年8月には都道府県管理河

川においても同様の取組を進めるこ

ととしたところであったが、その矢

先に北海道・東北豪雨が発生し、既

に述べたとおり道県管理河川を含む

中小河川において甚大な被害が生じ

る事態となった。他方で、北海道常

呂川などでは、ビジョンの取組に基

づき避難勧告を早期に発令し、逃げ

遅れによる人的被害を回避するな

ど、ビジョンの取組に一定の成果が

見られたところでもあった。

このような状況に鑑みると、中小

河川を含む全国の河川でビジョンの

取組をさらに加速し、抜本的な対策

を講じる必要があることは明らかで

ある。とりわけ、整備水準の低い中

小河川では直ちに堤防整備等のハー

ド対策を行うことは人的・財政的制

約から困難であるため、水害リスク

情報の共有や地域一体となった避難

確保体制の整備といったソフト対策

や、既存ストックを活用したハード

対策の強化が一層求められていると

いえる。

このような観点から、今回の改正

法案では、洪水等からの「逃げ遅れ

ゼロ」と「社会経済被害の最小化」

の実現を掲げ、関東・東北豪雨や北

海道・東北豪雨のような被害を二度

と繰り返さないための措置を講ずる

こととしている。以下で各改正事項

を解説する。

3.改正法案の概要

⑴水防法の改正

①�

大規模氾濫減災協議会制度の創設

(水防法改正案第15条の9及び第

15条の10関係)

関東・東北豪雨や北海道・東北豪

雨では住民等の逃げ遅れによる被害

が多数発生している。洪水等の際に

住民等の円滑かつ迅速な避難を確保

するには、適切なタイミングでの避

難勧告の発令や広域避難体制の構

築、住民の自主的避難の促進などが

重要であり、このため、あらかじめ

河川管理者や都道府県、市町村、水

防管理者といった多様な関係主体が

課題や対策を議論し、連携体制を構

築しておくことが必要となる。

水防法改正案では、このような連

携体制を構築する場として、大規模

氾濫減災協議会制度を創設すること

とした。上記2.で述べたとおり、

既にすべての国管理河川と一部の都

道府県管理河川では、ビジョンの取

組として河川管理者と沿川市町村等

からなる減災対策協議会が組織され、

取組を進めているところであるが、

この動きを都道府県管理河川におい

てもさらに推進し、同時に協議会の

取組の実効性・継続性を高めるため、

従前の減災対策協議会を水防法に基

づく大規模氾濫減災協議会として法

定化することとしたものである。

同協議会の構成員としては、国土

交通大臣、都道府県知事、沿川の市

町村長、沿川の水防管理者、管区気

象台長等を必須構成員とし、さらに

地域の実情に合わせ、近隣の市町村、

警察、消防、公共交通機関、要配慮

者利用施設関係者、マスメディア関

係者等の関係する主体の参画を得る

ことを想定している。

具体的な協議事項は減災対策とし

て関係者が総合的かつ一体的に推進す

る必要がある事項を各協議会が地域

の実情を踏まえて決定していくこと

になるが、典型的には「水害対応タ

イムライン」の作成・改善、住民等に

対する情報提供方法の改善、広域避

難体制の構築、広域水防体制の構築

等の事項が想定されるところである。

②�

市町村長による水害リスク情報の

周知制度の創設(水防法改正案第

15条の11関係)

洪水時に住民等の自主的な避難を

確保し、あるいは避難勧告等を適切

に発令するためには、河川が氾濫し

た際の浸水範囲や浸水深を平時から

認識しておくことが重要である。北

海道・東北豪雨により人的被害が生

じた小本川沿川の社会福祉施設で

も、水害リスク情報に対する認識が

十分ではなかったことから適切な避

難判断ができなかったことが指摘さ

れている。

現行水防法では、洪水により大き

な被害が生ずるおそれのある河川に

ついては、国土交通大臣又は都道府

県知事がこれを指定し(同法第10条、

第11条及び第13条に基づく洪水予報

河川又は水位周知河川の指定制度)、

浸水想定区域の指定等を行うととも

に、市町村長にこれを通知すること

とされている(同法第14条)。他方で、

上述の小本川のような中小河川で

も、集中的な豪雨の増加によって時

として甚大な被害をもたらす場合が

ある。このため、今回の水防法改正

町 村 週 報 (第三種郵便物認可) 第2997号3 平成29年 4 月17日

政 策

案では、水位周知河川等に指定され

ないような比較的小さな河川につい

て、市町村長が浸水範囲や浸水深等

の水害リスク情報を把握し、これを

住民等に周知する制度を創設するこ

ととしたものである。

ただし、既存の浸水想定区域の指

定制度のような河川測量及び氾濫シ

ミュレーションを用いた想定図の作

成は市町村にとり過大な負担となる

おそれがあることから、市町村長が

把握すべき水害リスク情報は過去の

洪水によって生じた氾濫実績による

もので足りることとしている。氾濫

実績の把握は、過去に発生した主要

な洪水の浸水範囲や浸水深につい

て、水害統計調査や既存の文献等を

参照して行われることを想定してい

る。もっとも、市町村によっては過

去の洪水に関する情報が残存してい

ないこともあり得るから、市町村長

による水害リスク情報の把握は努力

義務としている。(把握した場合の

周知は義務となる。)

また、水防法改正案第15条の12で

は、市町村を技術的に支援するため、

河川管理者による情報提供等の責務

を定めることとした。この規定に基

づき、河川管理者は自らが河川管理

のために収集した過去の洪水等に関

する情報を市町村長に提供すること

となる。

なお、市町村長が把握した水害リ

スク情報の周知の方法については、

地域の実情を踏まえて適切な方法を

選択すれば足りるものだが、典型的

には地図上に浸水範囲等を示した図

面の配布・インターネット上での公

表、既存のハザードマップへの付加、

街なかの電柱等への掲示といった方

法が想定される。

③�

要配慮者利用施設における避難確

保計画の作成等の義務化(水防法

改正案第15条の3関係)

北海道・東北豪雨では、小本川の

氾濫により社会福祉施設の利用者が

死亡する被害が発生した。一般的に、

社会福祉施設等の要配慮者利用施設

の利用者は他の住民等と比べ避難に

時間を要するものであるから、特に

その避難の確保に配慮する必要があ

る。現行水防法は市町村地域防災計

画に定められた要配慮者利用施設の

管理者等に避難確保計画の作成及び

これに基づく避難訓練の実施につい

ての努力義務を課していたが(同法

第15条の3)、この取組をさらに徹

底させるため、今回の改正水防法に

より、この努力義務を義務に改める

こととしたものである。

他方、該当する要配慮者利用施設

は現時点でも数多く存在することか

ら(平成28年3月31日時点で31、

208施設)、同計画作成を促進す

るため、「避難確保計画作成の手引

き」(国土交通省作成・平成29年改定)

のさらなる充実や、市町村が同計画

の内容をチェックするための点検用

マニュアルの作成等の支援策を併せ

て実施する予定である。

④�

民間を活用した水防活動の円滑化

(水防法改正案第19条及び第28条

関係)

洪水被害の防御・軽減を図るため

には、水防団等における水防活動が

重要である。一方、近年、多くの水

防団は団員数の減少、高齢化、サラ

リーマン化による昼夜不在等の課題

を抱えており、地域の水防力の低下

が懸念されている。

他方で、地域の水防活動を支える

主体として、近年、建設業者等の民

間事業者が注目されている。これら

の民間事業者は大型重機を所有し、

応急復旧等に関する技術的知見も有

していることから、地域の水防力に

とって重要な役割を果たし得るもの

であり、実際、市町村長とこれらの

民間事業者が水防活動を含む災害協

定を締結するケースも増えている。

このように、民間事業者による水

防活動の重要性が今後一層高まるこ

とが予想されるところであるが、こ

れらの民間事業者には、水防法に基

づき水防団等に認められてきた水防

活動のために他人の土地を通過する

こと(緊急通行)や他人の土地を一

時的に使用すること(公用負担)等

の権限が認められていなかった。そ

こで、民間事業者による水防活動を

円滑化し、地域の水防力を強化する

ため、今回の水防法改正案により、

水防活動を行う民間事業者に上述の

緊急通行等の権限を付与することと

したものである。

⑤�

浸水被害軽減地区の指定制度の創

設(水防法改正案第15条の6等関

係)

洪水による浸水被害の防御・軽減

を図るためには、既存ストックを活

用した減災対策も重要である。歴史

的ないし自然的に形成されてきた輪

中堤防や自然堤防のなかには、洪水

氾濫の際に浸水の拡大を抑制する効

用を有するものがあり、これらの土

地の区域を保全することで、浸水被

町 村 週 報(第三種郵便物認可) 平成29年 4 月17日 4第2997号

政 策

害の軽減を図ることが期待される。

そこで、今回の水防法改正案によ

り、これらの土地の区域を水防管理

者(市町村長等)が浸水被害軽減地

区として指定し、土地の形状変更行

為に届出義務を課す等の一定の制限

を加えることを可能とする制度を創

設することとしたものである。

⑵土砂災害防止法の改正

①�

要配慮者利用施設における避難確

保計画の作成等の義務化(改正土

砂災害防止法第8条の2関係)

土砂崩れ等の土砂災害について

は、洪水と同様に降雨を主たる原因

として発生し、両災害が同時に生じ

ることもまれではないから、これら

への対処は軌を一にして講ずる必要

がある。そこで、今回の水防法改正

に併せて、土砂災害警戒区域等にお

ける土砂災害防止対策の推進に関す

る法律を改正し、要配慮者利用施設

について上記⑴の③と同様の措置を

講ずることとしたものである。

⑶河川法の改正

①�

国土交通大臣による権限代行制度

の創設(河川法改正案第16条の4

関係)

頻発、激甚化する水害に対応する

ためには、ハード対策により施設能

力を向上させることも必要である。

全国で新規ダム事業が減少傾向にあ

るなか、社会的コストを抑制しつつ

洪水調節能力を向上させる手法とし

て、既存のダムの堤体嵩上げや放流

施設増強といったダム再開発工事の

重要性が高まっている。他方、この

ようなダム再開発工事の実施には高

度な技術力等が必要となるが、人員

不足や技術力の低下が懸念されて久

しい都道府県等では、今後このよう

な工事を的確に実施できなくなるお

それがある。そこで、今回の河川法

改正案により、都道府県等が管理を

行う指定区間内の一級河川又は二級

河川における高度な技術力等を要す

る河川工事を国土交通大臣が代わっ

て行う権限代行制度を創設し、もっ

て都道府県等を技術的に支援するこ

ととしたものである。

また、河川の災害復旧事業につい

ても、その実施に高度な技術力を要

するものがあり得る。例えば、出水

期中に堤防の複数箇所が決壊し、次

の出水に備えて極めて緊急的に復旧

する必要がある災害復旧事業などで

ある。(実際、関東・東北豪雨にお

ける宮城県渋井川ではこのような事

業が実施されている。)このような

都道府県管理河川等における高度な

技術力等を要する災害復旧事業につ

いても同様の権限代行制度を創設す

ることとしている。

なお、今回創設する権限代行制度

は上述のとおり都道府県等を技術的

に支援することをその趣旨とするも

のであるから、都道府県等の費用負

担については通常の事業を実施する

場合と同様としている。

⑷水資源機構法の改正

①�

水資源機構による権限代行制度の

創設(水資源機構法改正案第19条

の2関係)

独立行政法人水資源機構は過去50

年以上にわたりいわゆるフルプラン

水系内において水資源開発を担って

きており、ダムに関する工事や管理

については国土交通省と同等の高度

な技術力を有している。このため、

今回の独立行政法人水資源機構法の

改正により、上記⑶と同様の趣旨か

ら、フルプラン水系内における水資

源機構による権限代行制度を創設す

ることとしたものである。

4.おわりに

既に述べたとおり、今後ますます

頻発、激甚化することが懸念されて

いる水害への対策は、ハード対策に

よる施設能力のみに頼るのではな

く、施設能力を超える洪水が発生し

た場合でも住民等の人的被害を回避

し、あるいはできるだけ社会経済へ

の影響を低減できるよう、多様な関

係者が水害に対する意識を高め、連

携してこれに対処することが必要で

ある。

この発想に基づき、改正法案では

洪水等からの「逃げ遅れゼロ」と「社

会経済被害の最小化」を掲げ、各種

の措置を講ずることとしているが、

国土交通省としては今後もさらなる

ビジョンの取組の加速を図ってい

く。もっとも、この理念を真に実現

するためには地域の総合行政を担う

基礎的自治体である市町村による積

極的な取組が不可欠である。市町村

においては、引き続き、河川管理者

等の各主体と連携して取組を推進し

て頂くようお願いしたい。

なお、改正法案については国土交

通省のHPに掲載しているので、ご

参照頂きたい。

http://w

ww.mlit.g

o.jp/rep

ort/

press/mizukokudo02_hh_000017.

html

町 村 週 報 (第三種郵便物認可) 第2997号5 平成29年 4 月17日

政 策

町 村 週 報(第三種郵便物認可) 平成29年 4 月17日 6第2997号

フォーラム

滑川町の概要

滑川町は、埼玉県の中央部、首都60

㎞圏内に位置し、町内には今なお多く

の緑が残る首都圏のオアシスとなって

います。東西約4.8㎞、南北7.2㎞、面積

29・68㎢、全域の60%がなだらかな丘

陵地からなり、北東部には、明治10

0年記念事業の一環で昭和49年に日本

最初の国営公園として開園した国営武

蔵丘陵森林公園が広がっています。町

の中央を、町名の由来ともなっている

一級河川の滑川、南部を市野川、北部

を和田川が流れています。

交通は、首都圏の主要鉄道である東

武東上線の森林公園駅、つきのわ駅の

2駅があり、東京都心まで約1時間で

通勤・通学ができる利便性に優れ、町

の大きな魅力の1つとなっています。

また、関越自動車道のICからも近く、

各地へのアクセスは良好で、今後一層

の発展が期待されています。近年は、

2つの駅周辺の住宅開発が進み、5年

間で約1、000人以上の人口が増加

しています。特に若い世代の転入が多

く、合計特殊出生率でも常に上位とな

り、将来を展望するのに喜ばしい状況

が続いています。

国指定天然記念物�

ミヤコタナゴが棲す

める町

なだらかな丘陵地の里山の間に、田

んぼが並び、その奥にはため池(沼)

があり、里山と田んぼとため池がセッ

トになった「谷や

津つ

」の風景が今でも残

されています。稲作を行うために必要

不可欠なため池ですが、町内にはかん

がい用水として関東一の数を誇る、大

小合わせて200以上のため池が点在

郡内を一望できる二ノ宮山は自然散策も楽しめる憩いの場となっている

埼玉県

滑川町

愛あ

ふるタウンから住す

まいるタウンへ

子育てナンバーワンを目指して!!

滑なめ

川がわ

町まち

埼玉県

町 村 週 報 (第三種郵便物認可) 第2997号7 平成29年 4 月17日

フォーラム

しています。かつては暮らしの生命線、

今では町の貴重な財産となっていま

す。ため池の水を利用する家々が共同

で行ったのが沼ぬま

普ぶ

請しん

(水漏れを防ぐ補

修作業)で、ため池にミヤコタナゴが

生息していたのも、定期的な沼普請の

たまものであると言われています。

ミヤコタナゴは日本固有の淡水魚

で、古来より関東地方の小川などに広

く生息していましたが、都市化に伴う

環境の変化により現在は絶滅が危ぶま

れる中、昭和61年に町内の農業用ため

池で相次いでその生息が確認されまし

た。昭和49年には国の天然記念物に指

定され、本町では平成8年に町の魚に

制定しました。3月末から8月初旬ま

での産卵期を迎えると、雄は朱赤を基

調とした美しい婚姻色が見られ、雌の

腹部からは産卵のための透明な管が現

れます。

ミヤコタナゴの人工繁殖やその生態

に関する調査・研究など、野生復帰の

実現に向けた取組を行うため、平成12

年にエコミュージアムセンターを竣工

し、現在は、約4、000匹を飼育し

ています。今では、町の自然や文化を

まるごと博物館に見立て、活用するた

めの拠点施設として町内外の多くの皆

様に親しまれています。本町ではミヤ

コタナゴがいつまでも棲める環境を目

指し、自然と共存できる町づくりを進

めています。

町のマスコットキャラクターで妖精

の「ターナちゃん」も、このミヤコタ

ナゴをモチーフにしています。町の魅

力とミヤコタナゴを多くの人にアピー

ルするために生まれてきた女の子。

ターナちゃんの役割は、町の清らかな

水(川や池)を守ること。体の前にあ

る「秘密のポシェット」には、草花の

種子のほかに、子どもたちの夢と希望

を与える種子がいっぱい入っていま

す。町一番の人気者となっています。

愛あい

ふるタウンから�

住す

まいるタウンへ

平成13年に策定した15年間計画の第

4次総合振興計画では、「愛ふるタウ

ンづくり」をテーマに施策を進め、農

村地域から大きく脱却を図り、人と自

然が共生する町へと変貌を遂げてきま

した。現在は、平成28年策定の第5次

総合振興計画により「住まいるタウン

づくり」をテーマに推進しています。

この間、町の南側を東西に横断して

いる関越自動車道の東松山ICや嵐山小

川ICを身近に利用することがで

きます。平成14年には森林公園

駅に加えて、つきのわ駅が開設

しました。平成25年には、東武

東上線がこれまでの地下鉄有楽

町線、地下鉄副都心線に加え、

東急東横線、横浜高速みなとみ

らい線とも相互直通運転を開始

したことにより、首都圏への交

通の利便性は一層向上しまし

た。また、羽田空港や成田空港

への高速バスも発着するなど、全国、

世界へと開く重要なアクセス拠点と

なっています。

特に、土地区画整理事業では、平成

12年に森林公園駅の南側に22・3haの

「みなみ野」地区が誕生し、平成21年

には、東上沿線で一番新しい駅となる

つきのわ駅を中心として94・4haが完

成しました。住宅地や道路、公園、商

業施設が整えられ、大手不動産会社を

はじめとした住宅販売が好調で、人口

が急増しています。30年前には見渡す

限り雑木林だった地域がすっかり様変

わりし、新しい町並みが出現しました。

町の人口も約8、000人増加し、今

でも毎年200人以上の新住民が誕生

しています。多くの子育て世代の転入

や出生により、平成22年には新しく月

の輪小学校を開校しました。

また、町内には商店街がなかったこ

とから、住民は買い物のほとんどを近

隣市町村に依存していました。住民ア

子育て支援日本一を目指して(つきのわ駅)

国指定天然記念物ミヤコタナゴ

△町のマスコットキャラクター「ターナちゃん」は町一番の人気者

町 村 週 報(第三種郵便物認可) 平成29年 4 月17日 8第2997号

フォーラム

ンケート調査でも、町内で買い物がで

きる環境を整えて欲しいという要望が

常に1位となっていました。そこで、

様々な施策を検討し、町の中央部に

8.9 haの開発面積を確保、大型商業施

設の誘致を進め、ついに平成18年に滑

川森林モールとして待望のオープンを

迎えることができました。現在は、大

型スーパー、ホームセンター、有名書

店、人気コーヒーショップ、レストラ

ンなど、日常生活で必要となるものを

町内でまかなえるようになり、住民の

生活環境の向上が一段と図られていま

す。子

育てナンバーワンを�

目指して

福祉にかかる予算は、毎年、増加の

一途をたどっており、厳しいものがあ

りますが、子育て世代の転入や核家族

化が一段と進んでいる今、将来の町を

担う宝物である子どもたちを社会全体

で応援していこうと、子育て支援を町

の重要施策に位置づけて取り組んでき

ました。

〇全国に先駆けて給食費の無償化を実施

子育て世代から町づくりの高い評価

を得ていることから、若年者の転入が

増加しています。より子育てしやすい

環境を目指して、平成23年度から私立

を含めた幼稚園及び小学校、中学校、

認可・認可外保育園などに通う全ての

子どもたちの給食費を無償化にしまし

た。全国的に給食費の滞納が問題化し

ている中、国の施策を先取りしたこの

事業は、町内外から大きな注目を集め、

国会の審議の中でも取り上げられてい

ます。

〇高校生までの医療費の無料化を実現

子育て世帯の経済的負担を軽減する

ために取り組んできたのが、子どもの

医療費を無料化することでした。対象

年齢の段階的な引き上げを行い、平成

16年度からは小学校3年生まで、平成

18年度からは小学校6年生まで、平成

20年度からは中学校3年生まで、そし

て平成23年度からは現在の高校3年生

までの通院・入院の全ての医療費を無

料化し、医療機関窓口払いも廃止して

います。お金を持たずに安心して、早

期に受診できるようになり、病状が長

期化しないなど、多くの保護者から感

謝の声が聞かれています。

〇子育て支援金の給付

合計特殊出生率では、県内で常に

トップクラスとなっており、出生率の

維持、向上を目的に平成15年度より出

産祝金の支給を制度化し、子育て世代

を応援しています。本年度、長期的な

町づくりの観点から制度を一部見直

し、引き続き安心して出産に臨んでも

らえるように、第3子以降の出生時、

小学校入学時、中学校入学時の成長段

階に合わせ、3回に分けて総額15万円

をお贈りし、長期間にわたり経済的な

支援を行っています。

健康で長寿な�

町づくりを目指して

高齢化が進む中、福祉計画や介護計

画を策定していく中で、町の医療費の

支出を精査したところ、国民健康保険

や介護給付費に係る財政支出が急増し

ていることが判明しました。町の財政

基盤を安定させるためには、将来的な

医療費負担の上昇をどう抑制していく

かが重要なポイント、鍵となると予想

し、町の重要施策の柱に追加しました。

本町は平成24年度に「滑川町健康づ

くり行動宣言」を行い、健康づくり行

動計画を策定してきました。「自分の

健康は自分でつくる」ことを基本理念

に、病気の発症を防ぎ健康を保持増進

する「1次予防」、病気を早期に発見し、

給食費無償化(給食風景)

医療費無料化(検診風景)

△住宅地に整備された公園

町 村 週 報 (第三種郵便物認可) 第2997号9 平成29年 4 月17日

フォーラム

早期に対応する「2次予防」、病気や

障害の進行を防ぐ「3次予防」まで、

総合的な取組を実施しています。

行動宣言では、①食生活を見直し、

運動に親しみ、元気な身体をつくりま

す。②禁煙や生活習慣など、家族みん

なで健康について話し合います。③健

康診査を毎年受け、自分の身体の健康

を考えます。④仕事や家事の手を休め、

心とゆとりをつくります。⑤元気な地

域づくりを目指します。⑥人と自然と

が共生した、みんなが住みよい環境を

作ります。 

を提唱しています。

町では、地域ごとに健康づくりグ

ループの設立を呼び掛け、認定を受け

たグループには、活動を支援するため

の補助金交付、運動や食に関する相談

受付などグループの活動を積極的に応

援しています。

将来の町のために

町は、住民に一番身近な基礎自治体

としての責務をしっかりと果たし、真

の地方分権を実現すると共に、新しい

時代にふさわしい地方自治の確立と住

民福祉の向上を図っていくために、今

後も一層「町民と共感した町づくり」

に取り組んでいかなければなりませ

ん。こ

の緑溢れる「ふるさと滑川」を後

世に伝え、誰もが、生まれてよかった、

住んでよかった、ずっと住み続けたい

と思える魅力ある町づくりを目指しま

す。

滑川町長 

吉田 

 全国町村会では、全国の町村との連携を密にし、町村長と町村職員のみなさんの情報収集の利便性を向上させるため、町村専用ページ「町村.com」を開設しています。 「町村 .com」では、全国町村会の活動状況や中央省庁などの政策情報を随時ご提供しているほか、全国の町村の先進的な取り組み事例をはじめ、各種統計資料など様々なデータも公表しています。 私どもは、「町村 .com」が町村関係者にとって真に役立つホームページとなることを目指し、こ

れからも充実をはかっていきたいと考えていますので、ご覧になったご感想・ご意見を、下記のメールアドレスにお寄せください。

[email protected]

町村専用ページ「町村 .com」をご覧になっていますか

http://www.zck.or.jp/choson/

・「町村 .com」は、町村関係者の方だけがご利用いただける専用ページです。 ご覧になる際は、所定のパスワードが必要になります。

・ユーザー名とパスワードは、各町村にお知らせ済み(平成18年9月27日付)ですが、 お問い合わせは、全国町村会広報部までメール([email protected])でお願いいたします。

△健康づくり(ラジオ体操)

△高齢者支援(マレットゴルフ)

情 報

町 村 N a v i

町村Naviコーナーでは掲載情報を募集しています。掲載をご希望の場合は全国町村会広報部([email protected])まで。

町 村 週 報(第三種郵便物認可) 平成29年 4 月17日 10第2997号

インターネット電話で

英会話授業展開

群馬県榛しん

東とう

村むら

 

榛東村は、小学校高学年~中学校で、

インターネット電話「スカイプ」を使っ

て海外在住の英語講師と会話する授業

を今年度から開始する。関連経費とし

て、今年度当初予算に約500万円を

計上した。

 

スカイプでつなぐ英語講師は、フィ

リピンなどに在住する英語のネイティ

ブスピーカー。小学5~6年生は、「外

国語活動」の授業の中で、講師1人に

つき児童3人でグループトーク、中学

生は英語の授業で講師とマンツーマン

で会話する。授業は毎回約20分間。小

学校5年生~中学校2年生は年間約10

回、中学3年生は同5回程度実施する

予定。

 

これまでも村内の小学校2校、中学

校1校で、ネイティブスピーカーの外

国語指導助手(ALT)による英語指

導を行ってきた。しかし、児童生徒一

人ひとりに十分会話する時間を割くこ

とが難しく、英会話の授業としてはや

や不足を感じていたという。

 

村は、この取組により、密度の濃い

授業を実践し、小中学生により一層英

会話を身近に感じてもらうとともに、

国際的な人材の育成につながればと期

待している。

県立高校とキャリア教育

での協力協定締結

静岡県森もり

町まち

 

森町は、町内の県立遠江総合高校と

「キャリア教育に関する連携協力協定」

を締結した。キャリア教育において、

自治体と県立高校が協定を結び、なお

かつ1学年全員が関わるというのは、

全国的にも珍しいという。

 

同校と町が進める「キャリア教育」

は、同高校の2年生約240人全員を

対象とし、地域の活動に主体的に参画

してもらい、高校生の視点で課題を考

える機会を設けるというもの。今年度

は、「防災」「人口減少対策」「農業(特

産物)」「観光」「子育て」「高齢者福祉」

の6つのジャンルについて取り扱う予

定。生徒は、約40人ずつ6グループに

分かれ、「現状把握」「課題抽出」「体験

活動」「課題解決に向けた提案」などに

取り組む。また、キャリア教育の一環

として、職業観・勤労観を学ぶため、

町内の事業所での職業体験なども実施

する考え。

 

町は、同校に対し町を学びの場とし

て提供することで、生徒の町への愛着

心を高め、さらには地域を支える人材

育成や地域の活性化にもつながればと

している。

妊婦の緊急時に

タクシー代助成

鳥取県伯ほうきちょう

耆町

 

伯耆町は、今年度から、緊急の出産

時にタクシーを利用した妊婦に対し

て、最大で1万円まで助成する制度を

導入する。

 

町では、妊婦自身の外出時や家族の

不在時などで、①医療機関まで送迎で

きる人が周囲にいない状況、②予定日

前に出産の兆候が見られた時などを

「緊急時」と想定。その際に利用したタ

クシー代について、実費を支給する。

 

町内には出産に対応できる医療機関

がなく、隣接する米子市などで出産す

るケースが圧倒的に多い。そこで、同

市の医療機関までのタクシー利用時の

片道料金を概算し、最も遠いケースを

想定し、上限額(1万円)を設定した

という。助成を受けるには、タクシー

の領収書及び出生確認ができる書類な

どを提出して申請する。

 

町は、妊婦の緊急時にも安心して出

産にのぞんでもらえるようサポートす

るとともに、子育てに優しいまちづく

りにつながればとしている。

都会と村の想いをつなぐ

鯉のぼり代行サービス

高知県馬うま

路じ

村むら

 

馬路村は、男児の成長を願って掲げる

鯉のぼりを、設置場所や管理スペースが

ないためにあきらめている都市部の

人々の代わりに、村内で鯉のぼりを掲げ

るサービスを実施する。募集はすでに終

了し、2件の申し込みがあった。初年度

となった今回の告知方法などを見直し、

次年度はさらに周知を図りたい考え。

 

同サービスは、「馬路村・鯉のぼり揚

げ隊」と名付けられたプロジェクト。

対象の子どもが小学校1年生(7歳)

になるまで、毎年4月中旬~5月中旬

の約1カ月間、村内の公園で鯉のぼり

とお祝いのための絵旗「フラフ」を揚

げることができる。

 

料金は、さお1本分の場合、初年度

が10万円、2年目以降が年2万円。さ

お2本分の場合は、初年度が17万円で

2年目以降が3万円となっている。料

金には、鯉のぼりの柱や竿の手配や加

工・文字入れから設置、期間中の鯉の

ぼり及びフラフの揚げ下げ、撤収、翌

年までの保管などが含まれている。ま

た、特典として、竿の伐採から掲揚の

様子などを収めたフォトアルバムディ

スク、魚梁瀬森林鉄道の乗車券、記念

品などが贈られる。

 

村では少子化に伴い、鯉のぼりが大

量に空を舞う景色が見られなくなって

しまった。村は、同サービスを実施す

ることで、都会の空で鯉のぼりを見る

ことができない都市部の人々の想いと

鯉のぼりのある風景を取り戻したい村

の想いをつなぐとともに、交流人口の

拡大につながればと期待を寄せている。

全小中学校に地中熱

利用換気システム導入

熊本県長なが

洲す

町まち

 

長洲町は、地熱により温度が一定に

保たれている地中の空気をパイプで吸

い上げ、空調に利用する「地中熱利用

換気システム」を町内全小中学校6校

の普通教室に導入した。昨年11月から

設置工事を開始。環境省の「二酸化炭

素排出抑制対策事業費等補助金」を活

用し、総工費約1億7、500万円の

うち約1億1、100万円は国からの

補助でまかなうことになる。

 

同システムは、通年15~17℃に保た

れた地下7・5mの空気を、直径30㎝

ものパイプで吸い上げて、各教室に送

り込む。夏の暑さや冬の寒さが厳しい

時期はエアコンとの併用が不可欠だ

が、年間で約3割の電力使用量削減が

見込める上、二酸化炭素の排出量削減

への貢献も期待されている。また、空気

を吸い上げるパイプ内で空気の汚れを

除去するシステムが組み込まれている

ため、空気中の花粉や微小粒子状物質

PM2・5などの環境対策及びインフ

ルエンザなどのウイルス対策として、

衛生面・健康面での効果が得られると

予測している。

 

町は、同システムの導入で、経費削

減だけでなく、町内の児童生徒の学習

環境や健康管理に役立てることができ

ればとしている。

馬路村で揚げる一般的な鯉のぼりとフラフ

随 想随 想

随 想

町 村 週 報 (第三種郵便物認可) 第2997号11 平成29年 4 月17日

 

初めて会う人、久しぶりに会う人

から「時津は元気がありますね」と

か「活気がありますね」とかよく言

われる。

 

時津町は、長崎市の北部に隣接す

る、人口約3万人、面積21㎢のコン

パクトな町である。

 

昭和41年頃から始まった公有水面

埋め立て地に、企業や大型商業施設

が数多く進出し、町内を走る2本の

国道は常に渋滞している。

 

特に、長崎市と佐世保市を結ぶ国

道206号線は、朝夕の通勤通学、

日中の近隣市町からの買い物客等で

1日の交通量が4万台を超えてい

て、そう言われる由縁となっている。

 

私が役場に就職したのは昭和44

年、最初の埋立が竣工した頃だが、

当時は人口が約12、500人、田

園風景が広がる町であった。

 

しかし、埋め立て地等への企業の

進出により、人口は昭和55年には、

約20、400人と急激に増加して

いった。

 

水源に乏しい我が町は、切実な水

不足に陥り、隔日制限給水を余儀な

くされ、ダム建設の計画が持ち出さ

れていたが、強固な反対に遭い遅々

として進まなかった。

 

そのため、昭和53年にダム室が新

設され、室長と私の2人が配属され

た。このダム計画は、同時に2つの

ダムを造るというもので、町が事業

主体となる水道専用ダムと長崎県が

事業主体となる多目的ダムであった

が、用地取得は町が委託されていた

ため、毎晩用地交渉、地元振興協議

会との話し合いに明け暮れた。

 

特に、多目的ダムの反対派の玄関

には、「ダム関係者の立ち入りお断り」

の大きな木札が掲げてあり、玄関を

開け声をかけると、家の中から「木

札を下げていただろうが」と怒鳴ら

れ、「暗くて見えませんでした」と言

うと更に怒られたこともあった。

 

しかし、怒られても怒られても何

回も行くうちに、だんだん話もでき

るようになり殆どの家で座って話が

できるようになった。時には、焼酎

で割ったビールを勧められ、酒に弱

い私は閉口した事を思い出す。

 

実に、様々な思い出はあるが、水

道専用ダムは昭和57年に完成、多目

的ダムも昭和59年に完成した。

 

多目的ダムの用地交渉が終わった

すぐ後、昭和57年7月、長崎大水害

が発生、時津町も2級河川が決壊し、

大きな被害を受けたが、これまた強

固な反対で進展していなかった中央

地区の区画整理事業が、一気に進展

するきっかけとなった。

 

この区画整理事業にあわせ、にわ

かに公共下水道事業も施行すること

になり、昭和58年4月私はたった一

人下水道係に配属された。

 

本町では、公共下水道事業の経験

は無く、事業の進め方が全くわから

なかったが、20日間の下水道事業団

認可コースを受講し、その年の夏、町

内全域の住民説明会を延べ22回、企

業説明会を1回実施し、翌年都市計

画決定及び下水道事業認可となった。

 

その後、昭和62年5月浄化セン

ター建設に着手し、平成3年3月供

用を開始した。

 

私は10年間下水道に携わったが、

当初は事業計画の作成や使用料、受

益者負担金等をどう定めるかといっ

た各種条例・規則の制定に、工事に

入ると地下数メートルの推進工事で

思わぬ地下水や硬い岩に悩まされた

こともよくあった。

 

しかし、ダムと比べ下水道事業の

地区説明会は、「早くやってくれ」

とどの地区からも供用開始を待ち望

まれた。

 

現在、普及率は96%を超えており、

殆どの町民が恩恵を受けている。

 

私は、事務職員として採用された

が、この後も都市計画課長、建設部

長と事業部門が長かった。

 

職員として約39年、副町長4年、

2期目の現任期を終えると51年、半

世紀以上時津町にお世話になる。

 

先日、夕食時に妻が私の顔をじっ

と見て「年取ったねー。皺も増えて

深くなった。」と言った。

 

年を取ろうが、皺が増えようが、

少子高齢・人口減少社会にあって、

いかに地域を活性化し子供から高齢

者まで「住みたい町」「住み続けた

い町」と思えるまちにするか、町民

の力も借りながら進めている。

 

とりわけ、新たに始めた総事業費

126億円の区画整理事業の促進、

交通渋滞の解消、医療・介護費用の

抑制にも繋がる高齢者の健康づくり

に重点的に取り組んでいる。

吉よし

田だ

 義よし

德のり

長崎県時とぎつ

津町長

    皺

町 村 週 報(第三種郵便物認可) 平成29年 4 月17日 12第2997号

全国町村会館には、会議室・宴会場のほかに、ふたつのレストランもございます。お気軽にお立ち寄りください。

和・洋食のレストランもお気軽にご利用ください

●全国町村会館へのアクセス・有楽町線・半蔵門線・南北線「永田町駅」 3番出口徒歩1分・丸の内線・銀座線「赤坂見附駅」徒歩8分・タクシー東京駅から約20分

TEL.03(3581)0471FAX.03(3581)0220〒100-0014 東京都千代田区永田町1丁目11番35号

☆カジュアルレストラン「ペルラン」:ランチタイム11:00~14:00/ティータイム14:00~17:00/ディナータイム17:00~22:00(21:30ラストオーダー)☆和食処「さいかち」:ランチタイム11:30~14:30(14:00ラストオーダー)/ディナータイム17:00~22:00(21:30ラストオーダー) ※「さいかち」は土、日祝日休

※市町村職員共済組合等の宿泊助成券がご利用いただけます。

東京でのイベントに最適な絶好のロケーションを誇る全国町村会館。かけがえのないひとときを、上質なサービスでおもてなしいたします。

3番出口

WEBからのご宿泊予約は、特別料金(部屋数限定)がございます。

内案ごの室客

お電話でのご予約・お問い合わせは 全国町村会館 検索

シングル119室

ダブル12室

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2階には広さと設備が多彩な、大小4つのホール・会議室。高い機能性を持ち、さまざまな演出が可能です。会議・研修、パーティーなどに幅広くご利用いただけます。

県人会など同郷者の集い、同窓会、親睦会などの懇談会

観光PR、移住セミナー職員採用試験などの説明会

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週末・祝日の宿泊ご利用は特別サービス(最大20%割引)

和室もございますのでお問い合わせください。(禁煙ルームもご用意しております。)

さまざまな「集いの場」を演出いたします