子どもがわくわくする保健室掲示 品川区立第四日野小学校 足助 … ·...
TRANSCRIPT
子どもがわくわくする保健室掲示
品川区立第四日野小学校 足助麻理
保健室の掲示板は「保健室の顔」ともいえます。各学校において、季節に応じて必要な
保健指導に関する掲示物や市販の壁新聞などを貼っています。
本校の保健室掲示板は 3・5・6年生の昇降口と教室へ行く階段の途中にあり、たくさん
の子どもたちが保健室掲示を目にします。そこで保健室掲示を通して、子どもたちに健康
に関する情報発信をしたいと考え、平成 23年 4月に本校に赴任してから、毎月、季節に
合わせて保健室掲示を作成し、貼り換えています。子どもたちが保健室の掲示板の前で立
ち止まり、興味をもって、何度もためしていた掲示を紹介します。
<<<<どんな魚が釣れるかなどんな魚が釣れるかなどんな魚が釣れるかなどんな魚が釣れるかな>>>>
平成 29年 3月の掲示です。
子どもは魚が苦手です。魚には栄養がたくさんあり、いろいろな魚が給食に使われてい
ることを知ってもらいたいと思い、作成しました。使用済みの印刷機のマスターの紙筒を
1cm幅に切り、ペットボトルキャップと丸棒、工作用紙を組み合わせてリールを作成しま
した。魚は「まるごと実物大シリーズ給食に出る魚介編(少年写真新聞社)」の実物大写真
をカラーコピーし、パネルに貼っています。リールを巻いていくと、波の向こうから魚が
現れる仕組みになっています。ヒントや魚の漢字からどんな魚が釣れるのか想像しながら、
子どもたちは楽しそうに掲示物を動かしていました。
<子どもはガイコツがお好き><子どもはガイコツがお好き><子どもはガイコツがお好き><子どもはガイコツがお好き>
平成 25年 4月の掲示では、常掲用の骨格写真(少年写真新聞社)を切って、男の子の
イラストの後ろに貼りました。私が保健室に入るときには、左写真のように男の子のイラ
ストの方にしておくのですが、気が付くと右写真の骨格写真の方に裏返っていました。そ
れだけ子どもたちはガイコツに興味があるのかもしれません。
平成 27年 12月の掲示では、市販のハロウィンのカードを参考に、左写真のような『手
足の動くガイコツ』を掲示したところ、毎日修理が必要なほど、子どもたちは何度も何度
も引っ張って手足を動かしていました。
そんなガイコツの大好きな子どもたちのために、骨格構造を右写真のような『骨コツパ
ズル』にして掲示しました。(平成 28年 11月の掲示)。休み時間のたびにガイコツをつく
りにきていました。
<<<<健康健康健康健康おみくじおみくじおみくじおみくじ>>>>
平成 25年 1月の掲示は、「健康おみくじ」です。
毎年初詣に行って、必ず引くのがおみくじ。そ
こで、おみくじ札の内容を食事(排便)、運動、睡
眠、心、清潔のそれぞれについて、大吉・中吉・
小吉・末吉の内容にし、子どもが楽しみながら健
康に関心をもち、自分の生活をふりかえるきっか
けなればと思い、作成しました。
おみくじ箱はポテトチップの空き容器に
和紙を巻いてみました。おみくじ棒は 100
円のショップで購入したカラー箸です。
登校時、中休み、昼休み、下校時と 1日に
4回もひき、ラッキーアイテムを確認してい
た子どももいました。また大吉が出るまで何
度も何度も引きなおしている子どももいま
した。
<<<<あまくみてはいけないよあまくみてはいけないよあまくみてはいけないよあまくみてはいけないよ>>>>
平成 23年 7月の掲示です。
紐を引っ張ると実際に500mlの中に入っている砂糖の量のスティックシュガー(1本5g)
が出てききます。炭酸飲料には 10本、乳酸菌飲料には 11本、スポーツ飲料には 6.5本分
もの砂糖が入っているのです。「水代わりにスポーツ飲料を飲んでいたら、砂糖のとりすぎ
になっちゃうんだね。これからはお茶にしておくね。」と子どもたちは気づいて話しかけて
くれました。
<子どもは戦隊ものが大好き><子どもは戦隊ものが大好き><子どもは戦隊ものが大好き><子どもは戦隊ものが大好き>
平成 28年 12月の掲示です。
かぜ予防のために必要な手洗い・うがい、マ
スクや換気や、抵抗力を高める睡眠・運動・食
事を 7人の『かぜ予防戦隊、フセグンジャー』
にあてはめました。それぞれの戦隊のもってい
る技からあみだくじでたどっていくと、該当の
戦隊に行きつきます。その戦隊をめくるとそれ
ぞれの戦隊からのメッセージが具体的に書かれ
ています。
「私はかんきホワイトが好き。」「私はいつもてあらいピンクになっているよ。」など、子
どもたちとの会話もはずみました。
<そっと投げてね><そっと投げてね><そっと投げてね><そっと投げてね>
平成 28年 2月の掲示です。
おもちゃのダーツをヒントに作りました。マ
ジッククロスというマジックテープがつきやす
い布で鬼の顔を作り、ピンポン玉にマジックテ
ープを貼りました。自分の退治したい鬼に向か
って球を投げます。「そっと投げてね」と表示し
ているのですが、ついつい退治したい気持ちを
玉に込めてしまい、思い切り投げすぎて跳ね返
ってしまい、くっつかないこともしばしばあり
ました。
<<<<あごあごあごあごマスク、口マスクはダメ!>マスク、口マスクはダメ!>マスク、口マスクはダメ!>マスク、口マスクはダメ!>
平成 27年 1月の掲示です。
インフルエンザが流行する時期にはマスクをつけてくる子どもが多くなります。せっか
くマスクをつけていても、あごマスクや口マスクでは、口や鼻からウイルスがはいってし
まい、効果がありません。そこで美術教材のお面を使って、ダメなつけ方、正しいつけ方
を立体的に示しました。子どもたちの目を引き、正しいマスクのつけ方を見ながら、しっ
かりマスクをする子どもが増えました。
<<<<ストレスはストレスはストレスはストレスはどこにどこにどこにどこにあらわれる?>あらわれる?>あらわれる?>あらわれる?>
平成 29年 2月の掲示です。
レーダーチャートからストレスがあらわれや
すいタイプが分かります。マグネットを動かし
ながら計算して、自分がどこに表れるタイプな
のかを調べ、おすすめの対処法を確認していま
した。
また癒しのグッズとして、素材(タオル、ジ
ャージ、ベルベット、フリース、フェルト)の
違うハートのマスコットを触って、どの素材に
癒されるか試したり、またどの香り(小さな容器にカット面を入れ、オレンジ、レモン、
グレープフルーツ、ライムのアロマオイルをたらしたもの)に癒されるか試したりできる
コーナーも作ってみました。
<ウイルスはこんなにとぶ<ウイルスはこんなにとぶ<ウイルスはこんなにとぶ<ウイルスはこんなにとぶ!!!!>>>>
平成 25年 12月の掲示です。
ウイルスはせきで 3m、くしゃみで 5mとぶといわれています。ウイルスの形のマスコッ
トを口から引き出すと、その距離までのびます。「えー、こんなにとぶの。教室の一番後ろ
の席でくしゃみをしたら、一番前の席の人までとんじゃう。」と自分の生活に振り返りなが
ら、ウイルスを口から引き出していました。
また口を何でカバーすればよいのか、マスク、ティッシュ、ハンカチ、そでをそれぞれ
選んで口に当てていました。
見るだけの掲示ではなく、実際に考えながら動かしたり、試したりできる掲示は、子ど
もたちの興味関心を高めました。また、掲示物から得た健康に関する知識を生活にいかし
ている様子も見られました。
今日も保健室の中で仕事をしていると、壁がゴトゴト鳴っています。壁の向こう側で子
どもたちが掲示物を触っている音です。この音を励みに、これからも子どもたちがわくわ
く、やってみたくなる掲示物を作成していきたいと思います。