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「基礎塑性加工学(第 3 版)」

サンプルページ

この本の定価・判型などは,以下の URL からご覧いただけます.

http://www.morikita.co.jp/books/mid/066313

※このサンプルページの内容は,第 3版 1刷発行時のものです.

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第3版の発行に際して

本書は,1995年 4月に第 1版が出版され,以来 2004年 4月の第 2版を経てすでに20年の歳月が過ぎた.この間,塑性加工学の入門書として教育や勉学に有益な役目を果たせたことをまず感謝したい.第 2版発行時と同様に,今回もまた利用していただいた方々から引き続いて種々の感想や要望が寄せられており,この際,以下のような考え方で第 3版として内容の総合的な見直しを図った.⑴ すべての記載内容を改めて推敲し,修正・追加を行う.⑵ 時間経過による数値(数量,比率など)の変化を最近の値に修正する.⑶ 技術の変遷や進歩に応じた最新の内容とする.⑷ 本文中のコラム(理解のためのワンポイント,覚えておきたい言葉)を充実させ,理解の助けを強化する.⑸ 演習問題を追加するとともに,解答の説明をわかりやすくする.⑹ 目次の構成はできる限り第 2版のままとする.ただし,頁数の関係で,第 2版まで掲載のイラストは廃止する.⑺ 読みやすくするために菊判とし,2色刷りに変更する.

本書の構成としては,第 1章で塑性の意味を知り,第 2章から第 6章で塑性加工学の基礎を学ぶ.第 7章で塑性力学の基本を理解し,弾性力学,材料力学とのつながりを考える.第 8章では,これまでに学んだ内容から実際問題としての解決法を具体例を通して身につける.第 9章では,今なお発展しつつある塑性加工に有用なコンピュータシミュレーションの技術動向を知り,次のステップアップに備える.ものづくりの根幹を担う塑性加工の分野で,本書から得た知識が少しでも役に立ってくれればと心から願っている.第 3版の発行に際して,これまで支えていただいた読者の方々に重ねて感謝するとともに,今日まで周到な準備と十分なバックアップを尽くされた森北出版(株)出版部の大橋貞夫氏と千先治樹氏に厚くお礼申し上げる.2015年 8月

編著者 

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はしがき(第1版)

本書は大学学部および高専の機械系学科の教科書として編集したものである.もちろん初めて塑性加工や塑性力学を勉強しようとする若い技術者にとっても,十分役立つものと思う.すでに多くの先達による優れた教科書,専門書があるにもかかわらず,あえて本書を出版しようとする理由は次のとおりである.第一に,必ずしも塑性加工の専門家を育成することが本書の目的ではなく,まず読者に塑性加工とそれに関連する学問分野に興味をもってほしいと願うからである.もの作りの大切さや楽しさ,あるいは理論化の妙などを感じとり,ひいては工学,工業の諸分野で活躍する際にこの分野におけるものの考え方が少しでも役立てば,と思う.第二に,著者らは大学・高専で教える立場にあり,かねてから「考え方の基礎がわかりやすく解説してある教科書がほしい」,できれば 「読者が考えながら勉強できるような教科書がほしい」 と思っていたからである.本の構成と内容,イラスト,あるいは行間から,著者らの意図するところをいくらかでも感じとって頂ければ幸いである.執筆・編集にあたっては,著者それぞれが得意とする分野を各章ごとに執筆し,全員で内容の推敲を行った.そのため各章の執筆分担者は明示せず,一同で責任をもつことにした.とはいえ,章ごとに表現がやや異なり,読者に迷惑をかけることにもなっているが,これはひとえに編者の責任である.宮川松男先生から 「推薦のことば」 を頂いたことは,著者一同身にあまる光栄である.本書の出版を企画したのも先生からの教えと励ましによるものであり,執筆の途中にもたびたび懇切なご指導を賜った.また,出版の想を練ってからの数年間,森北出版常務取締役の渡辺侃治氏には終始暖かく見守って頂いた.同氏の適切な助言と励ましがなければ,本書はいまだに完成していなかったと思われる.ともに心からお礼申し上げる.企画の段階で,阿南高専の吉川勝幸教授と奈良高専の小畠耕二教授には貴重な助言を賜った.さらに編集・校正にあたっては,森北出版編集部多田夕樹夫氏に多大なご努力を頂いた.深く敬意を表する.1995年 2月

編者しるす 

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これから塑性加工学を学ぶ人へ

技術・技能とは,本来,人びとの暮らしを豊かにするためのものである. 人類は初めて金属を手にしたとき,その形を変えて暮らしに役立つ物を作るためにたたくことから始めたといわれ, 

かじ

鍛冶 が, かぬち

金打 の約転といわれるのもうなずける. 塑性加工は,鋳造と並んで古い歴史をもっているが,材料の塑性についての物理学 (力学物性),弾塑性変形をする物体の力学 (弾塑性力学),自動制御理論,トライボロジーなどは,いずれも第二次大戦後に体系化された新しい学問で,塑性加工の技術を「塑性加工学」とするために科学的な多くの成果が必要であった.

第二次大戦後のわが国の復興に,製造業が大きな役割を演じたことは,よく知られている. なかでも塑性加工は,新しい技術と科学とに挑戦しようとする気鋭の研究者・技術者たちによって,次々と世界に先駆けるような生産システムが開発され,それらの成果が経済発展に寄与したといえるのである. 加工技術の研究開発をおろそかにしては,豊かな暮らしができないことを示す好例といえるであろう.

物づくりは,いま,第三世代に入って,コンピュータ援用システムの構築に向かって力が注がれている. このためには,これまでに蓄積された技術の資産をデータベースとして整備しておかねばならないうえ,今後発展する技術についても次々とデータベース化することが求められる. したがって,塑性加工技術は,今後の発展技術も含めて,技術の伝承がインテリジェント化に欠かせないものとなっている.

本書は,将来,塑性加工技術者として活躍しようとする学生諸君にとって基礎となることはいうまでもないが,機械および材料関係の技術者を志す人たちにとっても必要な素養となるので,座右において頂きたい.

1995年 3月

東京都立大学名誉教授,長岡技術科学大学名誉教授 宮川松男 (故人) 

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目 次

第 1章 学ぶにあたって 1

1.1 塑性と塑性加工 .......................................................................... 1

1.2 材料と加工と製品のつながり ........................................................ 4

演習問題 .......................................................................................... 5

第 2章 塑性加工の働き 6

2.1 どのようなところに使われているか ............................................... 6

2.1.1 身の周りを見てみよう 6

2.1.2 気をつけてみればわかるもの 9

2.1.3 最先端技術のなかにも 10

2.2 どのような目的で使われているか ................................................ 13

2.2.1 高精度,低コストでつくる 13

2.2.2 粘り強さを与える 13

2.2.3 きれいな面を得る 14

2.2.4 エネルギーと資源の節約 14

2.2.5 信頼性・安全性の向上に役立つ 15

演習問題 ........................................................................................ 16

第 3章 素材のつくり方 17

3.1 圧延加工 ................................................................................. 17

3.1.1 圧延加工のプロセス 17

3.1.2 圧延機の構成 19

3.2 板の圧延 ................................................................................. 21

3.2.1 厚板および中板のつくり方 21

3.2.2 熱間圧延による薄板の製造 22

3.2.3 高精度・高品質薄板をつくるための冷間圧延 24

3.2.4 板圧延の基本 材料の変形と加工力の見積り 24

3.3 形鋼の圧延 .............................................................................. 27

3.3.1 いろいろな断面形状をつくる孔型圧延 28

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目 次 v

3.3.2 ユニバーサル圧延による H形鋼の製造 29

3.4 棒・線の圧延 ........................................................................... 30

3.4.1 線材のつくり方 31

3.4.2 棒鋼のつくり方 31

3.5 鋼管の製造 .............................................................................. 32

3.5.1 鋼管の種類 32

3.5.2 継目なし鋼管のつくり方 33

演習問題 ........................................................................................ 34

第 4章 加工法のいろいろ 35

4.1 いろいろな形に切断する せん断加工 .......................................... 35

4.1.1 せん断加工の基本 35

4.1.2 精密なせん断を行うには 37

4.2 板,棒,管を自由に曲げる 曲げ加工 .......................................... 40

4.2.1 型による板の曲げ加工 型曲げ 40

4.2.2 ロールを用いた曲げ加工 41

4.2.3 スプリングバック 42

4.2.4 管の曲げ加工 43

4.3 板から容器をつくる 深絞り加工 ................................................ 45

4.3.1 深絞り加工の基本 45

4.3.2 成形性の改善 45

4.3.3 深い製品をつくるための工夫 47

4.4 パンチなしで加工する 張出し加工 ............................................. 49

4.4.1 液圧を用いる方法 49

4.4.2 特殊な加工法 高エネルギー速度加工 50

4.5 材料を回転させて加工する スピニング加工 ................................. 51

4.6 細くするための加工 引抜き加工 ................................................ 52

4.6.1 加工法の概要 52

4.6.2 伸線機 53

4.6.3 線材の種類と用途 54

4.7 いろいろな形のすきまをとおして加工する 押出し加工 .................. 55

4.7.1 加工の原理 55

4.7.2 加工の方式 55

4.7.3 押出しにおける材料流れ 56

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vi 目 次

4.8 圧縮力で加工する 鍛造 ............................................................ 56

4.8.1 材料の成形と鍛練 熱間鍛造 56

4.8.2 精度の高い加工 冷間鍛造 58

4.8.3 熱間・冷間の短所を克服する 温間鍛造 59

4.8.4 材料や工具の回転を利用する 回転鍛造 59

4.9 プラスチックの加工 .................................................................. 61

4.9.1 プラスチック 61

4.9.2 プラスチックの塑性加工 63

4.9.3 少しでも軽くするために エンジニアリングプラスチック 64

4.10 最近注目されている加工法 ....................................................... 64

4.10.1 加工法や素材の組み合わせ 板鍛造 64

4.10.2 難加工材の加工 ホットスタンピング 65

演習問題 ........................................................................................ 65

第 5章 材料の性質とその利用法 67

5.1 金属材料の性質 ........................................................................ 67

5.1.1 塑性加工に用いられる材料 67

5.1.2 金属の結晶構造 69

5.1.3 塑性変形の仕組み 71

5.2 加工と加熱による材料内部の変化 ................................................ 73

5.2.1 加工すれば強くなる 加工硬化のメカニズム 73

5.2.2 材料の内部に存在する応力 74

5.2.3 加熱すれば元の性質に戻る 回復と再結晶 75

5.3 材料の上手な利用法 .................................................................. 77

5.3.1 結晶粒の大きさは自由に変えることができる 77

5.3.2 加工による材質の変化 77

5.3.3 材料を料理する 熱処理の大切さ 79

5.3.4 新たな材質の誕生 加工と熱処理の組み合わせ 80

5.4 加工の限界 .............................................................................. 82

5.5 材料の強さに影響する因子 ......................................................... 84

演習問題 ........................................................................................ 87

第 6章 塑性加工のトライボロジー 89

6.1 摩擦とは ................................................................................. 89

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目 次 vii

6.2 摩擦の仕組み ........................................................................... 91

6.2.1 金属の表面 91

6.2.2 二つの金属が接触すると 92

6.2.3 真実接触面における現象 凝着 93

6.2.4 摩擦の原因 94

6.3 潤滑剤の役割 ........................................................................... 95

6.3.1 潤滑剤を用いる理由 95

6.3.2 混合潤滑状態の接触モデル 95

6.3.3 流体潤滑 96

6.4 塑性加工の摩擦・潤滑現象 ......................................................... 97

6.4.1 工具と材料の間に潤滑剤が持ち込まれる仕組み 97

6.4.2 工具と材料の間で生じる現象 100

6.5 工具材料 ............................................................................... 102

6.5.1 熱処理によって硬くする理由 102

6.5.2 工具に適した材料 103

6.5.3 表面処理による硬化 104

6.5.4 工具材料の選び方 104

6.6 潤滑剤と環境問題 ................................................................... 105

6.6.1 潤滑剤使用の問題点 105

6.6.2 ドライプレス加工 105

演習問題 ...................................................................................... 107

第 7章 塑性力学の基礎 108

7.1 弾性変形と塑性変形 その物理的意味 ........................................ 108

7.2 応力という考え方 ................................................................... 109

7.2.1 単純な引張り,圧縮変形の例 109

7.2.2 一般的な応力状態の表し方 111

7.3 応力状態と応力成分 応力の性質 .............................................. 114

7.4 「応力状態」の重要な事柄 ......................................................... 116

7.4.1 主応力 116

7.4.2 静水(圧)応力と偏差応力 応力の役割分担 117

7.4.3 内部に蓄えられるエネルギー 119

7.4.4 応力の不変量 121

7.5 材料が塑性変形するための条件 降伏条件 .................................. 124

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viii 目 次

7.5.1 トレスカの降伏条件(最大せん断応力説) 124

7.5.2 ミーゼスの降伏条件(せん断ひずみエネルギー説) 124

7.6 変形の程度を表す量 ひずみ .................................................... 127

7.6.1 公称ひずみと真ひずみ(対数ひずみ) 127

7.6.2 体積一定則 130

7.7 応力およびひずみの換算 相当応力と相当ひずみ ......................... 132

7.8 力と変形量の関係 応力 ひずみ関係式 ..................................... 134

7.8.1 フックの法則 134

7.8.2 全ひずみ理論(ヘンキーの式) 135

7.8.3 ひずみ増分理論 138

演習問題 ...................................................................................... 140

第 8章 加工および解析の実際 142

8.1 工夫学としての塑性加工 .......................................................... 142

8.1.1 加工を成功させるための基本条件 素材,工具および潤滑剤 143

8.1.2 加工力の三大成分 147

8.1.3 摩擦の功罪 148

8.1.4 熱を利用する 150

8.1.5 型設計における工夫 鍛造金型の例 150

8.1.6 上手な工程設計 156

8.1.7 複合負荷によるいろいろな効果 158

8.2 解析の実際 ............................................................................ 160

8.2.1 加工のモデル化 160

8.2.2 近似解法としての初等解法 162

8.2.3 ブロック状材料の平面ひずみ圧縮加工力の解析 163

8.2.4 丸棒の引抜き加工力の解析 167

演習問題 ...................................................................................... 172

第 9章 塑性加工のためのコンピュータシミュレーション 173

9.1 コンピュータシミュレーションとそれが生まれた背景 ................... 173

9.1.1 有限要素法の出現 173

9.1.2 新段階に入ったコンピュータシミュレーション 174

9.2 有限要素法とは ...................................................................... 175

9.3 有限要素法による解析および工程設計例 ..................................... 179

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目 次 ix

9.4 最適工程設計へのアプローチ .................................................... 183

演習問題 ...................................................................................... 186

演習問題解答 187

参考文献 195

さくいん 197

覚えておきたい言葉2 1 DI缶 7

3 1 スラブ,ブルーム,ビレット 19

3 2 センジミアミル 20

3 3 粗圧延機 22

3 4 電縫鋼管と鍛接鋼管 32

4 1 角鋼管と異形管 42

5 1 鍛錬 78

5 2 調質圧延 78

5 3 IF鋼 82

6 1 トライボロジー 91

6 2 ボンデライト処理 100

6 3 CVDと PVD 104

6 4 ダイヤモンドライクカーボン膜とダイヤモンド膜 107

理解のためのワンポイント2 1 超塑性変形 12

2 2 繊維状組織 13

2 3 アルミ缶とスチール缶のリサイクル 15

3 1 制御圧延・制御冷却 21

3 2 形状・クラウン制御ミル 23

3 3 精整 23

3 4 先進率と摩擦係数 26

3 5 圧延できる最小の板厚 27

3 6 線材・棒鋼圧延の孔型設計 31

3 7 マンネスマン・ピアサー 33

4 1 クリアランスの影響 37

4 2 シャー角 39

4 3 帯板 41

4 4 反りと割れ 43

4 5 等方性と異方性 46

4 6 面内異方性と耳の発生 47

4 7 ハイドロフォーム法 49

4 8 引抜き用工具と潤滑剤 53

4 9 押出し温度と潤滑剤 56

4 10 プラスチックの種類 62

4 11 エンプラ 62

4 12 炭素繊維強化プラスチック 62

4 13 テーラードブランク 64

5 1 世界と日本の金属材料の使用量 68

5 2 セラミックも加工できる 69

5 3 金属の結晶構造と性質 70

5 4 転位の増殖 73

5 5 サブグレイン 74

5 6 熱間加工と冷間加工 76

5 7 結晶粒の大きさの影響 77

5 8 析出強化鋼 79

5 9 よく知られている熱処理法 80

5 10 固溶体 82

5 11 析出物 82

5 12 材料破壊の条件 84

5 13 ひずみ速度の影響 86

5 14 動的ひずみ時効 87

6 1 クーロンの摩擦則 90

6 2 油性剤と極圧剤 96

6 3 製品光沢と潤滑剤の量との関係 99

6 4 リン酸塩皮膜 100

7 1 応力の符号について 113

7 2 応力テンソルの表し方 115

7 3 スカラ,ベクトル,テンソルの違い 115

7 4 数理連続体力学 120

7 5 降伏曲面 126

7 6 公称応力と真応力 127

7 7 せん断変形 131

7 8 ひずみテンソル 131

7 9 プラントル・ルイスの式のマトリックス表示 139

8 1 塑性不安定現象 144

8 2 平均変形抵抗 152

8 3 円柱材料の圧縮 166

9 1 静的陰解法と動的陽解法 178

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x

記号一覧表記号 内容 記号 内容a 格子定数(原子間距離) V 体積a, b, c, A,B, C 長さ,位置,面積 dV 微小体積c クリアランス w 幅C 拘束係数,定数 wE 弾性エネルギーd 直径 wp 塑性エネルギーE 縦弾性係数(ヤング率) wse 弾性せん断ひずみエネルギーeem 体積ひずみ Y 単軸降伏応力G 剛性率 Y 平均変形抵抗h 厚み,高さ,深さ α かみ込み角,くさび角Δh 圧下量 β 絞り比I 横断面 2次モーメント γ 工学的せん断ひずみJ 応力の不変量 δ たわみ,変位k 臨界せん断応力 ε 真ひずみ(対数ひずみ)

(降伏せん断応力) dε ひずみ増分K 体積弾性係数 εeq 相当ひずみl 支点間距離 εf 破壊ひずみL 長さ,ロールと材料 εN 公称ひずみ

の投影接触孤長 ε̇ ひずみ速度l,m, n 方向余弦 εe1, εe2, εe3 弾性ひずみm ひずみ速度依存性指数 εp1, εp2, εp3 塑性ひずみn 加工硬化指数(n値) εp1′ , εp2′ , εp3′ 偏差ひずみ成分p 垂直(圧縮)応力 θ, λ, φ 角度p 静水圧応力 θ 摩擦角,スプリングバック量pm 平均面圧,平均圧延圧力 λ トルクアーム係数,比例定数P 圧延荷重,加工力 μ 摩擦係数Q 活性化エネルギー ν ポアソン比Qb 後方張力 ξ トルクアームr 圧下率 σ 真応力(変形抵抗)r r値(ランクフォード値) σc 圧縮応力R ロールの半径 σe 降伏応力R 断面減少率 σeq 相当応力R 気体定数 σm 静水(圧)応力(平均(垂直)R0 曲率半径 応力)t 板厚 σN 公称応力T トルク σ′ x′, y′, z′ 面における垂直応力T 温度 σ′

x, σ′y , σ′

z 偏差応力Tm 融点 τ せん断応力Trc 再結晶が始まる温度 τf 摩擦抵抗(摩擦せん断応力)v 速度 φ 接触孤内の角度vR 周速

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1

第1章

学ぶにあたって

学ぶ背景鉄鋼の年間生産量を全世界で約 15億トンとすれば,およそ 1キロメートル四方の土地が高さ 200メートルの鉄で埋め尽くされる勘定になる.これが全金属生産量の約95% を占め,残りが銅,アルミニウムなどの非鉄金属である.さまざまな金属材料を利用可能な「ものの形」に変える技術が塑性加工である.塑性とは,また塑性加工とは何か.それを知るための第一歩を踏み出す.学習の目標

⑴ 軟鋼の引張り試験結果の特徴を説明できる.⑵ アルミニウムの引張り試験結果を軟鋼と対比して相違点を説明できる.⑶ 弾性,塑性の特性の違いを説明できる.⑷ 鉄鋼の生産実績の推移を図で説明できる.⑸ 循環型社会の意義を説明できる.

1.1 塑性と塑性加工

岩波『広辞苑第 6版』で「塑性」を引くと,「変形しやすい性質,外力を取り去ってもひずみが残り,変形する性質」とある.また,「塑」を見ると「土をこねて物の形を作ること」とあり,塑像,彫塑,可塑性などの言葉が示されている.さらに詳しく調べてみると,「塑」という字は図 1.1のように分解することができ,「地球上にある材料(土)をみちかける(月)のように変形させて必要な物の形にととのえて(塑)製品とする」という意味をもっていると考えられる.金属材料の引張り試験を行うと,代表的な材料である軟鋼では,図 1.2のような挙動を示す.最初は,荷重と伸び(または公称応力と公称ひずみ)の間に直線関係があり,OAの中の弾性限度範囲内であれば荷重を 0にするとひずみはおおむね 0に戻る.いわゆる弾性域である.やがて,降伏点(yield point)(点 A,B)を過ぎて最大荷重点(点D.引張り強さ(tensile strength)σB)に達し,その後試験片の一部に変形が集中してくびれが生じ,荷重は低下して破断(点 E)に至る.降伏(塑性変形)し始

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2 第 1章 学ぶにあたって

図 1.1 「塑」の意味

図 1.2 引張り試験での応力とひずみ

める以前の最大応力 σSU を かみ

上 降伏点(upper yield point),降伏し始めたのち,ほぼ一定の応力 σSL に達した値を 

しも

下 降伏点(lower yield point),λr を降伏伸びと呼ぶ.降伏伸びのない金属(アルミニウム,銅など)では,図中の黒い太線のように直線と曲線の境目があまりはっきりしないので,規定の伸び(一般には 0.2%)に相当する応力 σ0.2 を耐力(proof stress)と定義して,降伏点の代わりに用いている.軟鋼の場合,BD間のある応力点Cに達したのち,荷重を 0に戻すとOAの直線部と平行な直線 CFに沿って変化し,応力 0で εF のひずみが残る.この εF を塑性伸び,または永久伸び(permanent set)と呼んでいる.

例題 1.1 直径 10 mm,長さ 50 mmの金属丸棒を荷重 20 kNで引張り,長さが60 mmになった.公称応力 σN と公称ひずみ εN を計算せよ.

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1.1 塑性と塑性加工 3

解答 σN =20, 000

π

4· 102 · 1

106

=800

π× 106 = 255 MPa

εN =60− 50

50=

10

50= 0.2 (20%)

応力の SI単位として 1 N/m2 = 1 Paが基本だが,工業的にはMPa(= 106 Pa)を使うことが多い.工学単位の kgf/mm2 も実用上よく用いられる.

1 kgf/mm2 = 9.81 MPa, 1 MPa = 0.102 kgf/mm2

このように,荷重を 0に戻してもひずみが残る性質を塑性(plasticity)という.塑性加工とは,塑性を利用して材料を永久変形させ,目的に応じた寸法や形を得る加工法のことである.工業製品の素材として生産量が最も多い鉄鋼業での製造工程を例にとり,塑性加工の役割を考えてみよう.図 1.3に,我が国の鉄鋼の生産実績の推移を示す.ここで,粗鋼(crude steel)とは,圧延用の鋼塊(インゴット,ingot)および鍛鋼用の鋼塊と鋳鋼を合わせた総称で,統計上鉄鋼の生産高を示す値として世界的に使われている.全世界で年間約 15

億トンが生産され,そのうち日本は約 1億トンを占めている.鋼は,品質や用途によって普通鋼,特殊鋼に分けられる.普通鋼熱間圧延鋼材は,鋼板,形鋼,棒鋼,線材,管材などで,とりわけ鋼板(厚中板,熱延薄板,冷延薄板)が半ば以上を占め主

図 1.3 日本の鉄鋼生産実績(日本鉄鋼連盟『鉄鋼統計要覧』)

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4 第 1章 学ぶにあたって

力製品となっている.特殊鋼熱間圧延鋼材は工具鋼,構造用鋼,特殊用途鋼(ステンレス鋼,高張力鋼,快削鋼,軸受鋼,ばね鋼)などを指す.代表的な薄鋼板(熱延薄板,冷延薄板)の製造工程を,図 1.4に示す.近年,普通鋼の連続鋳造(continuous casting,以下連鋳と略す)の比率は 99% 台に達している.連鋳熱片を直接熱間圧延機に供給する連鋳・熱延直結方式が増加しつつあり,省エネルギー,省力化,製造工期の短縮,品質や歩留まりの向上,中間在庫の削減などの大きな工業的メリットを生み出してきた.さらに製造工程を材料の変形過程から大別すれば,溶融・精錬,素材造形,圧延加工(塑性加工)の三大工程に分類される.薄鋼板の圧延技術は,圧延加工工程において高品質の製品をつくり出すための重要な役割を担っている.

図 1.4 薄鋼板製造工程のあらまし

現状の製造工程とは別に,薄肉スラブの連鋳の研究開発が進み,一部実用化が始まっており,さらに薄い板の連鋳の基礎研究も活発に行われている.この方式は現在のような大量生産方式ではなく,むしろ小規模な生産に向いている.つまり,大幅な工程省略が可能となることから設備投資額と生産コストの低減,省エネルギー,省力化,製造工期短縮などの利点が生まれるので,今後の多品種少量生産にも向いているといえる.このプロセスで活躍する熱間,冷間圧延機の設計にも,塑性加工の新しい研究成果が盛り込まれることになろう.

1.2 材料と加工と製品のつながり

地殻に存在する元素として工業的に有用で量も多いものは,Si(27.72 wt%),Al

(8.13 wt%),Fe(5.00 wt%)などである.人類が金,銀,青銅などの加工を覚え,その後,鉄の利用に至るのは紀元前 2000年頃からと考えられている.以来,今日に至るまで鉄は 

はがね

鋼 となって長い歴史を刻み,人類にとって最も役に立つ材料として発展してきた.それは,塑性加工をはじめ鋳造,溶接,切削が容易で,製造工程も簡易であり,何よりも原料が入手しやすく,コストも経済的な価格であったからである.金属材料を製品化する一般のプロセスは,図 1.5のようである.

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演習問題 5

図 1.5 加工プロセスの位置付け

どんなに優れた特性をもった材料が発明されても,適切な加工法がなければ製品にはならない.鍛造,圧延,押出し,引抜き,プレス,曲げ,せん断などの塑性加工や,溶接,接着,鋳造,切削,研削などの加工技術が伴って,初めて商品化される.その際地球上の資源は有限であり,かつてのような大量消費,大量廃棄の時代は去り,三つの R(ごみの発生を減少する “Reduce”,使えるものは繰返し使う “Reuse”,不用品を再生する “Recycle”)の活用で,地球環境が良好に維持できるような循環型社会を継続して築いていくことが大切である.以下のような課題の解決が求められている.① 環境に調和した製造プロセスの確立:製造に要するエネルギー量を減らし,簡素な新プロセスを開発する努力が望まれる.製造工程中で生じた自家発生屑をリターンして有効利用することは従来から行われており,一層の徹底が必要であるが,製品になって出荷されたあと,使用済みになったものの活用はいまだ不十分である.これからは,循環使用が可能となるような材料設計,工程設計,製品設計を心掛けねばならない.② ライフサイクルの長い製品の製造:長期間にわたって本来の機能を保持し,耐久性に優れ,信頼性の高い製品をつくり,さらに将来はその部分補修が可能であることが望ましい.

演習問題

1.1 銅および銅合金(黄銅,リン青銅,洋白など)を板,形,棒,線,管などの形状に溶解,鋳造,圧延,鍛造,押出しの各技術を用いて加工したものを,伸銅品と総称する.板材を例にとり製造工程を調べよ.1.2 軽くて強く耐食性に優れたチタンは,地殻中の実用金属元素としてアルミニウム,鉄,マグネシウムについで 4番目に多い重要な資源である.日本におけるチタン展伸材(圧延や鍛造,押出しによってつくられた板,形,棒,線,管など)のうち,冷間圧延板材の製造工程を調べよ.

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第2章

塑性加工の働き

学ぶ背景塑性加工品はどのようなところに使われているのだろうか.身近な台所用品や文房具,家電製品から自動車や機械,さらに橋やビルなどの建築物にまで及んでいる.その理由はいろいろな形の製品を安く,大量に,しかも強くて丈夫に,精度よく,きれいにつくれるからである.私たちの生活の中で,また,高度に発達した今日の技術社会の中で,塑性加工がどのような役割を果たしているのか,またそれがなぜなのかを考える.学習の目標

⑴ 身の周りの品物(板, かた形 ,管,棒材からの製品例)を取り上げて,塑性加工品で

あることを説明できる.⑵ 一次素材製造では,欠陥の除去のために塑性加工が必要なことを説明できる.⑶ 量産品の製造では,低コスト,高品質のために塑性加工技術が必要なことを説明できる.⑷ 塑性加工は,切削加工と比較して省資源・省エネルギーであることを説明できる.⑸ 塑性加工は,鋳造と比較して薄肉製品の製造に有効であることを説明できる.

2.1 どのようなところに使われているか

私たちの生活の中で金属製品が数多くある.調理器具や文房具をはじめとして,自動車や鉄道,レジャー用品,土木・建築物などのあらゆる製品は必ず「形」をもっている.「形」 をつくる方法にはいろいろあるが,その中で塑性加工品はどのように用いられているのだろうか.

2.1.1 身の周りを見てみようまず,家庭の中に目を向けてみる.台所ではいろいろなものが塑性加工品であることに気が付く.フライパンや鍋は,円形の薄い板から 「絞り」 や「スピニング」という加工法によってつくられたものである.削るとすれば,膨大な切り屑を出すことになる.食器類ではフォーク,ナイフ,スプーンなどがあり,これらは棒材,板材から 「鍛造」 によってつくられる.

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2.1 どのようなところに使われているか 7

また,四角いステンレス製の流し台や浴槽も絞り加工によってつくられている.もともときれいな表面をもったステンレスの板を,切ったり溶接したりするのではなく,絞り変形させてつくったものであるため,清潔で水漏れのない,しかも,きずやしわのないきれいなものに仕上げることができるのである.冷蔵庫の外側は薄鋼板であり,曲率のあるデザインに塑性加工されている.扉を開けてみれば,コーヒー缶やジュース缶がある.缶胴に溶接の跡がみられる缶は,薄い鋼板を丸めて溶接したものである.一方,缶胴に継目部分(溶接あるいは接着の跡)のない缶は,絞り加工のあと,さらに胴の部分の肉厚を薄く延ばしてつくられたものであり,DI缶という.そのほか,アルミ箔は今日の圧延技術の発展により,数 µmもの薄さで,しかも均一な厚さに製造できるようになった.文房具に目を移してみよう.スチール製机や本棚,ブックエンド,はさみ,ステープラーなどが目にとまるであろう.これらにも塑性加工品が多く用いられている.また,ステープラーで書類をとじるときは,私たち自身が「曲げ加工」をしているのである.さらに小さなものでは,線材からつくられるクリップ,画びょうなどがある.書類に穴をあけるパンチは,塑性加工の一つである 「穴あけ加工」そのものを行っている.パンチの底をよく見ると,平らではなくわずかにへこんでいることに気が付く.これは,小さな力で連続的に穴があけられるようにつくられたものであり,はさみの原理と同じである.この方法を,金属に穴をあける場合に応用すれば,小さな力で静かに穴あけをすることができる.このように,物を形づくるだけでなく分離することも塑性加工の一つであり,「せん断」 と呼ばれている.日曜大工用品を見てみれば,カナヅチ,ペンチは鍛造品である.針金は少しずつ,少しずつ小さな穴を通しながら引き抜いてつくられる.ねじやボルトなどは,こうしてつくられたやや太い線材を適当な長さに切断して素材とし,それを回転させながら形づくる 「転造」と呼ばれる加工法によって製造されている.

覚えておきたい言葉 2 1 DI缶缶には,長方形の薄鋼板を円筒状に丸めて電気溶接をした缶胴に,上下のふたを巻き締めした 3ピース缶と,底付きの缶胴と上ぶたで構成される 2ピース缶がある.アルミニウムの 2ピース缶がジュース缶やビール缶として大量に使われている.これは,円形ブランクを絞り加工(再絞り加工も含む)した後,しごき加工(ironing)してつくられた薄い缶胴に上ぶただけを巻き締めしたもので,DI(Drawing & Ironing)缶と呼ばれている.DI 缶の特徴は,しごき加工によって光沢のあるきれいな表面が得られると同時に,板厚の均一化や強度の向上が図れることにある.また,薄鋼板に熱可塑性樹脂を貼り,引張り成形と絞り成形を同時に行い(ストレッチドロー),その後しごき加工を行う 2ピース缶もある.

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8 第 2章 塑性加工の働き

つぎに,外に出て周りを見渡してみれば,まず目に入るものは自動車である.この自動車の製造工程には多くの塑性加工技術が使われている.ルーフやドアパネルなどからなる流線形のボディは風圧や衝撃に耐える強さが必要であり,強くて薄い大きな鋼板を,要求されるデザインどおりにつくらなければならない.たとえば,ドアパネルの一部には手を掛けるためにへこんでいる部分がある.この部分だけをへこませるために,その周りにしわがよったりすることを防ぎながら,また破断することを防ぎながら製造しなければならない.乗用車のボディは,モノコック(一つの殻の意味)構造やフレーム構造である.これらは,プレス機械によって形づくられた大小の部品がいろいろな方法で締結または接合され,組み立てられたものである(図 2.1).そのためプレス機械によってつくられる塑性加工品の寸法精度の高さは,その後のロボットによる溶接工程,さらには組立工程での無人化や自動化に不可欠である.最近では,軽量化と衝突安全性を図るため,厚さ・強度の異なる板をレーザーなどで溶接したテーラードブランクを用いたプレス成形が行われている.ボディのほか,足まわり部分には,強度とじん性を確保しつつ軽量化を達成するために,多くの鍛造品が用いられている.

図 2.1 自動車ボディ

通勤や通学に使われる自転車をみれば,ほとんどの部品が塑性加工品であることに気が付くだろう.フレームやハンドルに使われているパイプをつくることや,それを曲げることも塑性加工である.材質の面からみれば,スチールからアルミニウム合金,マグネシウム合金へと軽量化が図られてきており,新しい素材に対応した塑性加工技術の開発が進められてきている.ビルの建築現場や鉄橋に目を転じてみれば,H形や I形などの 

かたこう

形鋼 (図 2.2)が多く使われていることがわかる.超高層ビルや明石海峡大橋のような大型建造物は,「圧延加工」によって真直でしかも材質的に強い形鋼がつくれるようになり,それによって軽量化が達成されたために建造可能となったのである.同様に,鉄道のレールも材

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35

第4章

加工法のいろいろ

学ぶ背景ものの形はさまざま,使われる材料もさまざまである.形,寸法,材料だけをとってみても,数えきれないほどの組み合わせができるだろう.このような「ものの多様性」に応じて,それをつくり出す方法もいろいろである.長い間の経験と工夫から多くの塑性加工枝術が生み出されてきた.その中には人間の英知と絶え間ない努力が凝縮されている.学習の目標

⑴ せん断加工のメカニズムを説明できる.⑵ 精密せん断法の種類とその特徴を説明できる.⑶ 曲げ加工における,反りとスプリングバックのメカニズムを説明できる.⑷ 曲げ加工法の種類とその特徴を説明できる.⑸ 深絞り加工の成形限界を表す限界絞り比(LDR)と,r値との関係を説明できる.⑹ 引抜き加工と押出し加工との差異および特徴を説明できる.⑺ 熱間鍛造,温間鍛造,冷間鍛造の特徴を説明できる.⑻ プラスチックの塑性加工例を説明できる.⑼ 板鍛造について理解し,特徴を説明できる.⑽ ホットスタンピングについて理解し,特徴を説明できる.

4.1 いろいろな形に切断する せん断加工

4.1.1 せん断加工の基本パンチおよびダイと呼ばれる一対の工具で素材を押しきって分離させる加工法を,せん断加工(shearing)という.加工対象となる素材には板,棒,管などがある.ここでは,主に板材の加工について,どのようなことが行われるのかをみていく.板材のせん断加工は,図 4.1に示すように,作業の種類によって便宜上次の三つに分類される.板の切断,分断あるいは切り込みなどを行うことを狭い意味でのせん断加工(図 (a)),打ち抜かれたものが製品となる場合を打抜き加工(blanking,図 (b)),打ち抜かれて残った部分が製品となる場合を穴あけ加工(piercing,図 (c))と呼んでい

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36 第 4章 加工法のいろいろ

図 4.1 せん断加工の種類

る.複雑な輪郭形状をもつ製品であっても 1工程で短時間に加工できるため,各種の機械部品や二次加工用素材の製造技術として広く利用されている.このように,材料の破壊現象を積極的に利用して二つ以上の部分に分離する加工がせん断加工であり,この点がほかの塑性加工法とは異なっている.そのため,加工精度の観点からつねに問題とされるのは切り口(切断面)の良否である.これについて少し詳しく考えてみよう.図 4.2(a)は工具と材料の位置関係,図 (b),(c)は切り口面の様子を模式的に示したものである.図 (b)に示すように,切り口面は上から順に,だれ,きれいな表面性状をもつせん断面,荒れた表面をもつ破断面,およびかえり(ばり)に分けられる.このような切り口面の性状は,材料がパンチに接触してから完全に分離されるまでの過程で生じる,次のような加工現象を反映している.図 (a)において,パンチとダイ穴間のすきま cをクリアランス(clearance)と呼んでいる.ダイ穴径よりもパンチ径のほうが小さいのが普通である(これを正のクリア

図 4.2 せん断加工による材料の切り口面

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4.1 いろいろな形に切断する せん断加工 37

ランスという).この状態でパンチが降下して材料を圧下すると,両工具の刃先に働くモーメントのため,材料ははね上げられてパンチ側面に押し付けられる.同時に表面が延ばされてだれが生じる.ストロークが進めば,両刃先で強いせん断変形のために原子がずれる(せん断すべり)現象が進行し新生面が現れ,平滑なせん断面が形成される.あるせん断工程まで進むと,両工具の刃先より少し離れたところに巨視的なき裂が発生し,それが成長・貫通して破断面が形成される.き裂発生場所が刃先より少し離れているので,ばりが残ってしまうのである.クリアランス cが小さすぎると,図 (c)に示すように,せん断面の占める比率が高くなる反面,加工力が増大するとともに,破断面の中に部分的にせん断面が出現する(これを二次せん断面と呼ぶ).逆に cが大きすぎる場合は,加工力は小さくなるものの,両工具刃先から発生したき裂が出会う箇所でくい違いが生じ,段のついた粗い切り口面となる.クリアランスc が最適に設定されれば,き裂はスムーズに会合して,適当な比率でせん断面と破断面が形成されることになる.最適クリアランスは,通常板厚の 2~8%とされている.

理解のためのワンポイント 4 1 クリアランスの影響(せん断加工)図 4.3は,ストロークが同じときのクリアランス cの影響を模式的に示したものである.図 (a)では cが小さく,狭い範囲でせん断されるので,だれが小さく,せん断面が大きい.一方,図 (b)では,だれが大きく,せん断面が小さい.また,クリアランス部で曲げ変形が大きいことがわかる.

図 4.3

4.1.2 精密なせん断を行うには素板(ブランク)や普通精度の製品ばかりでなく,最近では歯車,カム,レバーなどの精密機械部品や IC リードフレームのような電子部品がせん断加工によって製作されるようになり,要求される精度もますます厳しくなってきている.このような製品に求められるのは,①正確な輪郭形状と高い寸法精度,②良好な切り口面性状,③

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38 第 4章 加工法のいろいろ

多数穴あけの場合などにおける相対位置精度,などである.これらのうち,主に寸法精度や切り口面性状の改善を目的としたせん断法をとくに精密せん断法と呼び,その方法がいくつか提案されている.(a) ファインブランキング(精密打抜き法)金属材料は,高い圧縮応力下ではき裂の発生・進展がしにくくなるため,大きな塑性変形能を示すことが知られている.これをせん断加工に利用して,切り口面性状と寸法精度を向上させようとする方法がスイスで開発された.これがファインブランキング(fine blanking)である.図 4.4に示すように,通常の打抜き加工に用いられるパンチとダイのほかに,パンチの周囲にある板押えとダイ穴の中にある逆板押えを用いて,ブランクに圧縮応力を加えながら打抜き加工を行う方法である.とくに,パンチ周囲の板押えには通常 V字形の断面形状をもつ突起をつけることによって,ブランクのせん断変形を受ける領域の圧縮応力を高める効果をもたせている.また,パンチとダイとの間のクリアランスは通常の打抜きの場合より小さく,ほぼ 0(板厚の1%未満)にする.これによって平滑な切り口面が得られると同時に,板面に対する切り口面の直角度,寸法精度および形状精度も向上するという効果が生まれる.せん断面での塑性ひずみの値はかなり大きく,打ち抜かれる板材は十分な延性をもつことが前提条件になっている.しかし,最近では比較的延性の小さいアルミ合金や高張力鋼へ適用されたり,さらに板厚の大きいものから非常に薄いものまで,幅広く応用されている.厚いものでは,軟鋼板の 16 mmの打抜きの例もある.また,薄いものでは厚さ 0.1 mmの板の打抜きも行われているが,実験室レベルではさらに薄い板材の打抜きもできる.ファインブランキングの応用として,半抜きや鍛造,曲げ加工といった異種のプレス加工法と

図 4.4 ファインブランキング 図 4.5 ファインブランキングによる製品例(提供:㈱山本製作所)

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第7章

塑性力学の基礎

学ぶ背景塑性は物質のミクロ構造に由来する「ものの性質」の一つである.今のところ,原子,格子欠陥,結晶粒レベルのミクロ世界の法則や性質から,大きな寸法の材料がどのように変形するかを予測することは難しい.塑性変形という現象をマクロな目でとらえて法則化し,全体として矛盾のないように整理・統合されたもの,それが塑性力学である.塑性変形中の力学的な解析はどのように表されるのだろうか.学習の目標

⑴ 公称応力,真応力,偏差応力を説明できる.⑵ トレスカの降伏条件を説明できる.⑶ ミーゼスの降伏条件を説明できる.⑷ 公称ひずみ,真ひずみ,偏差ひずみを説明できる.⑸ 相当応力,相当ひずみの考え方を説明できる.⑹ 全ひずみ理論,ひずみ増分理論の考え方を説明できる.⑺ 剛完全塑性体,弾塑性体を説明できる.

7.1 弾性変形と塑性変形 その物理的意味

静止している物体に外からの力(「外力」と呼ぶ)を作用させると,その物体は運動を始めようとする.その物体が静止し続けようとするためには,外力は釣合っていなければならない.そのような釣合った外力(以下,単に外力と記す)が作用している場合,物体は変形する.たとえば,1.1節で述べた軟鋼の引張り試験における外力は,試験片の両端に作用する引張り力(大きさは同じで向きは逆)である.このときの試験片の変形について考えてみよう.荷重と伸びの関係を示した図 1.2において,伸びが原点 Oから増加して点 Aに達するまでの間は,伸びと荷重は比例して増加する.このような変形の様式は弾性変形(elastic deformation)と呼ばれ,伸びが零に戻ると荷重も零に戻るという性質がある(フックの法則,Hooke’s law).このような変形は原子間隔の変化により生じる.しかし,伸びが点 Aを超えてそれ以上に増加すると,もはや伸びと荷重

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7.2 応力という考え方 109

は比例せず,A B C Dのような曲線状の(非線形的な)経過をたどる.この場合の物体の変形は,第 5章で述べたように,原子配列がずれることによって起こる(すべり変形).これが塑性変形(plastic deformation)である.すべりが進行している間も弾性変形は生じているが,外力がなくなれば弾性変形分は元に戻る.しかし,塑性変形分は元に戻らないまま(原子配列がずれたまま)残ってしまう.両変形が同時に生じている状態が弾塑性変形である.

7.2 応力という考え方

外力が作用したとき,物体の形状が複雑であったり,外力が複数であったりすれば,材料内部は均一に変形していないことは直感的に理解できるであろう.材料内部が不均一に変形しているということは,それぞれの場所に大きさの異なる力が作用しているのである.この力は材料内部に生じているので「内力」と呼ぶ.微小な面積部分に発生している内力が「応力」である.すなわち,どこで塑性変形が始まるか,全体の変形はどうなるか,どこで破壊するかなどということを調べるためには,応力の分布とそれによるひずみの分布を知ることが必要である.そこで,以下ではまず応力とは何かを理解することから始める.

7.2.1 単純な引張り,圧縮変形の例わかりやすい例から始めよう.図 7.1(a)は,薄い板状の材料を長手方向(1方向)に引張っている様子を示す.外力 P は,幅方向と長手方向に均一に分布するように加えられているとしよう.いま,仮にこの材料を面 a aで切ってみたと考える(図(b)).この断面積を Aとする.材料の上半分に着目すると,外からの力 P(上向き)に釣合うために,面 a aには下向きに同じ大きさの力 P ′ が生じていなければならない.この力は,面 a aに沿って均一に分布していると仮定する.すると,単位面積あたりの力は P/Aと求められる.面 a aは頭の中で切断したのであって,実際に切ってしまったわけではない.しかし,材料内部でこのような内力が発生していると考えるのである.材料内部の単位面積あたりに生じる内力P/Aが,応力(stress)σ である(単位は 1 N/m2あるいは Paである.また,1 N/mm2は 1 MPaである).つぎに,面 a aに平行でわずかな距離しか離れていない,面 a′ a′で材料を切ってみる(図 (c)).今度は材料の下半分に着目すると,外力 P(下向き)に釣合うため,面 a′ a′ には上向きに同じ大きさの力 P ′ が生じていなければならない.この P ′ も面に沿って均一に分布していると仮定すると,面 a′ a′ には P/A (= σ) の応力が上向きに生じていることになる.面 a aと面 a′ a′ にはさまれた材料内部の細い帯状の部分から,図 (d)のように小さい立方体を取り出す.板幅方向と板厚方向にはもと

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110 第 7章 塑性力学の基礎

図 7.1 応力は材料内部の抵抗を意味する

もと外からは力が働いていないので,この方向への内力は生じていないと考えることができる(σ = 0).こうして切り出された微小立方体には,1の方向に σ,2および 3の方向に 0の応力が生じていることがわかる.この場合,σは材料を伸ばそうとする方向に働くので,これを引張り応力(tensile stress)と呼んでいる.この場合,材料中心付近の内力状態は板幅方向に均一と仮定しているが,微小立方体の各面に働く個々の応力を用いて(σ, 0, 0, 0, 0, 0)と表すことができる.( )内の最後の三つの要素(この場合は 0)は,後で述べるせん断応力を表す.材料を圧縮する場合の応力状態は,同じようにして(−σ, 0, 0, 0, 0, 0)と表すことができる.マイナス符号は,材料を縮ませようとする方向に働いているという意味である.このような応力を圧縮応力(compressive

stress)という.塑性力学では,材料内部の単位体積あたりの内力状態のことを応力状態(stress state)と呼んでいるが,その理由は上の説明でだいたい理解できよう.このようにして,材料内部の応力状態を微小立方体の各面に働くそれぞれの応力を用いて表すことができたが,図 7.1で着目した面は外からの力 P の働く方向に垂直な面と平行な面であった.それでは,板状材料を図 7.2のように,たとえば中心軸から45

◦ 傾いた面 b bで切った場合,その面に働く応力はどのようになるのであろうか.この場合も力の釣合いから,面 b bには P と向きが反対で大きさが同じ反力P ′が生じていなければならない.今度は,この P ′ を b b面に垂直な成分 S と平行な成分 T に分解する(図 (b)).

図 7.2 垂直応力とせん断応力

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7.2 応力という考え方 111

S = P ′ cosφ,T = P ′ sinφである.S は材料どうしが引き離されまいとする抵抗であり,T は面に沿って材料がずれまいとする抵抗である.S と T を面 b bの面積でそれぞれ割れば,切断面が傾いていない場合と同じように,単位面積あたりの応力が求められる.面 b bの面積 A′ は A/ cosφとなるので,

σ′ =S

A′ =P ′ cos2 φ

A= σ cos2 φ =

σ

2(7.1)

τ =T

A′ =P ′ sinφ cosφ

A= σ sinφ cosφ =

σ

2(7.2)

ただし,φ = 45◦とした

が得られる.σ′をこの面における垂直応力(normal stress),τ をせん断応力(shear

stress)という.同様の考え方で,面 b b,b′ b′,c c,c′ c′(互いに平行または直角)で切り取られる材料中央付近の微小立方体に作用する応力状態を示すと,図 (c)

に示すようになる.この場合の応力状態は,(σ′, σ′, 0, τ , τ , 0)と表される(3番目の応力は紙面に垂直方向の応力であるので 0であり,6番目は紙面上のせん断応力だから 0である).今度は面に平行な抵抗力(せん断応力)が存在するし,また σ′ は σとは異なる値となる.このように,同じ場所であっても着目する面が異なると,抵抗の様子を表現する成分値が変わるのである.ところで,いままで微小立方体という言葉を使ってきたが,どの程度の小ささかということにはふれなかった.「微小」というのは限りなく 0に近いという意味である.微小な面 dAに微小な垂直力 dP,またはせん断力 dT が作用するとき,応力はdP/dA (= σ),または dT/dA (= τ)と定義される.これは,微小立方体の各面の面積が限りなく 0に近づいても,つまり一つの結晶構造単位になっても,σや τ という有限の値をもつ.厳密にいえば,応力状態とは材料内部の任意の点における抵抗状態を表している.とはいえ,応力を扱うには面や向きを考えなければならないので,点を小さな立方体というイメージでとらえるほうが便利である.

7.2.2 一般的な応力状態の表し方物体の形が単純でない場合,あるいは加えられる力の数と方向が複数の場合などは,物体内部の応力状態はもはや均一ではなく場所によって変化する.図 7.3(a)に示すように,たとえば点Aと点 Bでは応力状態は異なる.しかしこのような場合でも,物体内部に微小な立方体を想定して,各面に作用する応力を用いて応力状態を表すことができる.それを一般的な形で示すと,図 (b)のようになる.座標軸はいまのとこ

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197

さくいん

英数字2軸引張り 132

2相高張力鋼 79

CAD/CAE 175, 180

CFRP 62

CVD/PVD 104

DI缶 7, 149

DLC膜 104, 106, 107

FEM 174, 182

HSLA鋼 81

H形鋼 9, 28, 29

IF鋼 82

I形鋼 9, 28

LDR 45, 63

m値 86

n値 85

PC鋼線 54

RR鍛造 159

r値 46, 144, 145

TRD 104

U曲げ 40

V曲げ 40

あ 行アイソパラメトリック要素 176

アイソフォーミング 81

厚板 21

圧延 14, 83

圧延加工 17

圧延機 19

圧延できる最小の板厚 27

圧延トルク 26

圧延ロール 14, 103

圧下率 25, 75, 77

圧縮 148, 163

圧縮応力 110

圧入焼ばめ 146

圧力依存性 87

圧力分布 165

穴あけ加工 7, 35

孔型 28, 31

孔型圧延 28

粗圧延機 22

粗ミル 21, 22

アルミニウム 5, 68, 70

異形管 42

板圧延 24

板鍛造 64

一次加工 68

一様伸び 144

異方性 46

インゴット 3, 57

ウェッジ 22

薄板 21, 22

薄鋼板 4

打抜き加工 35

内幅拡大圧延 30

内幅縮小圧延 30

エアハンマー 57

永久伸び 2

液圧張出し成形 50, 161

液圧プレス 57

エキスパートシステム 29, 174

液中放電成形 51

エッジドロップ 22

エネルギー原理式 176

エネルギー法 163

エンジニアリングプラスチック 62, 64

延性 67, 83, 143

延性破壊 83

遠達力 93

円柱の圧縮 166

エンボス加工 58

オイルピット 101

応力 74, 114

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198 さくいん

応力状態 110, 114, 116, 160

応力除去焼なまし 75, 80

応力成分 112

応力テンソル 115

応力の符号 113

応力の不変量 121

応力 ひずみ関係式 134, 176

応力腐食割れ 75

応力ベクトル 112

応力マトリックス 115, 123

押出し加工 9, 55, 83, 153, 157

オーステナイト 80

オースフォーミング 81

帯板 41

折込み 157

折曲げ 40

温間加工 77, 150

温間鍛造 59

か 行解析モデル 161

回転鍛造 59

回復 75

外力 108

かえり(ばり) 36

化学蒸着 104

角鋼管 42

拡散接合 12

拡散方程式 85

加工エネルギー 120

加工限界 82, 84

加工硬化 74, 144

加工硬化指数 85

加工硬化モデル 161

加工熱処理 21, 80

加工プロセス 5

加工変質層 91

かしめ 9

仮想生産 175

形鋼 8, 27, 29

型工具 145

硬さ 73, 103

型鍛造 56, 150

型曲げ 40

ガッター 57, 151

上降伏点 2

かみ込み角 24

ガラス潤滑剤 56

カーリング 40, 52

管 32, 43

缶 9

環境問題 105

間接(後方)押出し 55

完全等方性 133

管の曲げ 43

幾何学的非線形 174, 175

キャプスタン 53

球対称 168

球対称近似 161

吸着 95, 99

境界潤滑 95

境界潤滑膜 95, 102

境界条件 168, 177

凝着 93

凝着摩耗 95

強度(工具) 102, 145

強度(材料) 77, 84

極圧剤 96, 105

局部加熱深絞り法 47

局部くびれ 145

局部冷却深絞り法 47

切り込み 35

近距離力 93

金属石けん 54

金属の表面 91

くさび角 97

くさび効果 97

口絞り 15

くびれ 145

組み合わせ負荷 159, 160

クラウン 22

クラック 83

クランク軸 159

クリアランス 36

クロージング 15

クーロンの摩擦則 89, 90

形状・クラウン制御 21

形状・クラウン制御ミル 23

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さくいん 199

結晶構造 69

結晶塑性学 72

結晶粒 77

結晶粒界 73

限界絞り比 45, 47, 63, 145, 149

コイニング 58

コイル 24

高圧用ボンベ 15

高エネルギー速度加工 50

恒温変態曲線 80

工学的せん断ひずみ 131

鋼管 32

剛完全塑性体 161

合金工具鋼 103

工具鋼 103

工具材料 102–104

剛硬化塑性体 161

格子欠陥 72

公称応力 1, 84, 127

公称ひずみ 1, 84, 128

剛性率 72

拘束係数 152

剛体 152, 167

工程設計 156

工程分割 156

鋼板 3

降伏 1, 124

降伏応力 124

降伏曲面 126

降伏条件 124

降伏せん断応力 124

降伏点 1, 78

降伏伸び 2

後方押出し 153

後方張力 159, 168

鋼矢板 28

コネクティングロッド 57

固溶体 82

コールドストリップミル 21

混合潤滑 95

コンテナ 55

コンピュータグラフィックス 179

コンピュータシミュレーション 174

さ 行再結晶 75

再絞り加工 48

最大荷重点 1

最大せん断応力説 124

最適工程設計 183, 184

材料流れ 56

材料非線形 174

サーフェイスデータ 181

サブグレイン 73, 74

残留応力 74

仕上げ抜き法 39

仕上げミル 21, 22

シェービング 39

軸対称近似 161

軸対称問題 166

時効割れ 75

しごき加工 7, 149

自動分割 181

シートゲージ 24

絞り比 45, 145

絞り膜効果 97

シーミング 9, 51

シームレスパイプ 32

下降伏点 2

シャー角 39

自由鍛造 56, 150

自由表面 155

主応力 117

主ひずみ 132

主ひずみ方向 132

主方向 117

潤滑剤 53, 56, 95

潤滑剤の導入機構 97

省エネルギー 5, 14

上界法 162

衝撃押出し 59

ショットピーニング 75, 99

初等解法 163

しわ 45, 144, 181

しわ押え 45

しわ押え圧力 144

真応力 84, 127

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200 さくいん

真実接触面積 92

伸縮効果 97

じん性 77, 80

新生面 93

伸線 52

真ひずみ 84, 129

垂直応力 111

垂直応力成分 112

数理計画法 175, 183

数理連続体力学 120

すえ込み 58, 83, 148, 155, 157

スエージング 60, 83

スカラ 115

スキューロール 30

ステンレス 7, 42, 85, 103

ストレッチャーストレイン 78

ストレッチ・レデューサー 33

スピニング加工 6, 51

スプリングバック 42

すべり 71

すべり線 162

すベり線場法 162

すべり帯 71

すべり変形 72

すべり方向 71

すべり面 71

スラブ(鋼塊) 17, 19

スラブ(初等解法) 162

スラブ法 161, 162, 167

制御圧延 21, 77, 81

制御冷却 21

制振鋼板 63

静水(圧)応力 84, 118

静水圧押出し 56

精整 23

ぜい性破壊 143

静的陰解法 178

静的再結晶 77

静的釣合い 112

青熱もろさ 87

製品欠陥 157

精密打抜き法 38

制約条件 183

析出強化鋼 79

析出物 73, 82

設計変数 183

接触非線形 174

接触率 92

接触力 112

節点 176

セラミック 53, 69, 106

線(線材) 30, 52, 53

繊維状組織 13, 60

センジミアミル 20

先進率 25

せん断応力 111, 113

せん断応力成分 112

せん断加工 35, 37

せん断ひずみエネルギー説 126

せん断変形 38, 117, 131

せん断面 36

全伸び 144

全ひずみ 129

全ひずみ理論 137

前方押出し 157

前方張力 159

相当応力 132, 133

相当ひずみ 132–134

増分 120

粗鋼 3

塑性 1, 3

塑性エネルギー 119

塑性曲線 132, 134

塑性座屈 144, 156

塑性仕事 119

塑性伸び 2

塑性ひずみ増分 120, 138

塑性不安定 145

塑性変形 72, 84, 126

塑性力学 108

反り 40, 43

た 行ダイ 38, 45, 53, 55, 60, 145

ダイ角 170

体心立方格子 69

対数ひずみ 84, 127, 129

体積一定則 130

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さくいん 201

体積塑性ひずみ 136

体積弾性係数 135

耐摩耗性 103, 105

耐焼付き性 103, 105

耐力 2

多結晶体 73

多段圧延機 19

縦弾性係数 118

玉通し加工 44

だめ押し 42

ダル仕上げ 99

だれ 36

弾完全塑性体 161

タングステン 70

弾硬化塑性体 161

単軸圧縮 167

単軸引張り 134

単純せん断 131

単純引張り 109

弾性エネルギー 119

弾性せん断ひずみエネルギー 119, 123,

124

弾性ひずみエネルギー 119

弾性ひずみ増分 138

弾性変形 108

鍛接鋼管 32

鍛造 6, 56, 178

鍛造金型 150

鍛造焼入れ 81

炭素工具鋼 103

弾塑性 120

弾塑性構成式 139

弾塑性変形 74

炭素繊維強化プラスチック 62

タンデムミル 21

断面減少率 147, 153

鍛錬 29, 57, 78, 150

チタン 70

チタン合金 11, 68

知能化手法 176

中板 21

中間工程 157, 158

中間焼なまし 156

ちゅう密六方格子 69

中立点 25

超硬合金 103

調質 24, 80

調質圧延 22, 24, 75

超塑性 11, 12, 86

超電導材 10

直接(前方)押出し 55

継目なし鋼管 15, 32, 33

釣合い式 163, 164, 168, 177

ティンゲージ 24

適合条件式 131

デッドメタル 56, 167

デュアル・フェーズ鋼 79

テーラードブランク 64

転位 72, 77, 83

転位密度 73

転位論 72

電磁成形 50

転造 7, 60

テンソル 115

電縫鋼管 32

銅 68, 70

同素変態 69

動的再結晶 77

動的ひずみ時効 87

動的陽解法 179

等方性 46, 133

ドライプレス加工 106

トライボロジー 91

トルクアーム係数 27

トレスカの降伏条件式 124

な 行内部応力 74

内力 109

流れ則 138

軟化・ぜい弱化(工具の) 150

二次加工 36, 68

二次的引張り応力 82, 148

ねじ 7, 60

熱延薄板 21

熱間圧延 21

熱間加工 76

熱間鍛造 57, 150

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202 さくいん

熱間転造 13

熱処理 79

熱反応拡散法 104

は 行ハイクラウン(HC)ミル 23

ハイドロフォーム法 48, 49

破壊条件式 84

破壊ひずみ 84

爆発成形 51

歯車 60

肌あれ 99, 100

破断 1, 96, 144, 182

破断面 36

バックアップロール 19

幅出し圧延 21

ばり(かえり) 58

張出し成形 50, 159, 183

バルジ加工 49

パンチ 36, 45, 145

パンチ張出し加工 50

半密閉型鍛造 57

引込み 157

引抜き加工 9, 10, 52, 83, 98, 147, 159,

168

ひずみ時効 78

ひずみ増分 129

ひずみ増分理論 138

ひずみ速度 86

ひずみテンソル 131

非線形 137

非線形性 174

引張り応力 110, 143, 146

引張り矯正 75

引張り試験 1, 46, 78, 84, 132

引張り強さ 1

引張り曲げ成形法 42

ビーディング 51

非鉄金属 68

表面粗さ 92

表面処理 104

表面力 112

平ダイス方式 60

比例負荷 129, 137, 164

ビレット 17, 19, 55

疲労強度 75, 77

ファインブランキング 38

ファンデルワールス力 93, 96

フォーマー 59

フォーミング(プラスチック) 61

深絞り加工 45, 149, 171, 181

付加的せん断仕事 147

付加的せん断変形 169

付加的引張り仕事 170

複合負荷 158

フックの法則 71, 108, 134

物理蒸着 104

不変量 121

プラグ 33, 52

プラスチック 61, 67, 69

フラッシュ 57, 151

プラネタリーミル 19

ブランク 38, 45, 145

フランジ部 45, 149, 182

プラントル・ルイスの式 139

ブルーム 17, 19

プレス 40

プレス成形 181

プレスブレーキ 40

分断 35

粉末焼結体 87

分離 35

ペアクロス(PC)ミル 23

平滑面 14

平均(垂直)応力 118

平均変形抵抗 152

平面応力 161

平面ひずみ 160

平面ひずみ圧縮 163

ベクトル 115, 121

ヘッディング 58

ベローズ成形 160

変位 ひずみ関係式 131, 174, 176

ヘンキーの応力 ひずみ関係式 136

変形抵抗 84, 145, 152

変形理論 137

偏差応力 119

偏差ひずみ 136

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さくいん 203

偏平度 152

ボイド 83

棒(棒鋼) 30

細長比 144

ホットスタンピング 65

ホットストリップミル 21

ボルト 7, 13, 157

ホール・ペッチの関係 77

ボンデライト処理 100

ま 行マイクロアロイ鋼 81

曲げ加工 7, 40

摩擦 55, 89, 94, 147–149, 167

摩擦押出し 149

摩擦界面 97

摩擦角 26

摩擦丘 165

摩擦係数 26, 164

摩擦せん断応力 164

摩擦抵抗 147

マーフォーム法 48

摩耗 102

マルテンサイト変態 65, 81

丸棒スエージング 83

マンドレル 33, 52, 55

マンネスマン効果 34

マンネスマン・ピアサー 33

見かけの接触面積 92

ミクロプール 101

ミーゼス(von Mises)の降伏条件式 126

密閉型鍛造 58, 152

耳 47

面圧 165

面心立方格子 69

面内異方性 46

目的関数 183

目的関数曲面 183

モノコック構造 8

モールディング 61

モールの応力円 117, 124

や 行焼入れ・焼戻し 80

焼付き 95, 102, 146

焼なまし 80, 156

焼ならし 80

山形鋼 28

ヤング率 118

有限要素解析モジュール 180

有限要素法 162, 167, 174, 175, 180

ユージン・セジュルネ法 56

油性剤 96

ユニバーサル圧延 28, 29

要素分割 175

揺動鍛造 60

ら 行ラミネート鋼板 63

ランクフォード値 46

リサイクル 5, 14

リードフレーム 10, 37

リバースミル 20

流体潤滑 95, 96, 99

リユース 5, 14

臨界加工度 76

臨界せん断応力 71, 72, 124

リングローリング 60

リン酸塩皮膜 58

リン酸塩皮膜処理 54, 100

ルイスの応力 ひずみ関係式 138

冷延薄板 21

冷間圧延 24

冷間加工 77

冷間鍛造 58

冷間転造 13

レビー・ミーゼスの式 140

レール 9, 28

連続体 120

連続鋳造(連鋳) 4, 14, 17

ロータリースエージング 61

ロータリープラネタリ方式 60

ロール間隙 25

ロール矯正 75

ロールフォーミング 41, 159, 185

ロール曲げ 41

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204 さくいん

わ 行

ワイヤロープ 54

ワークロール 19

割れ(工具) 145

割れ(材料) 34, 43, 82, 148

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基礎塑性加工学(第3 版) © 川並・関口・齊藤・廣井(代表) 2015

1995 年 4 月 10 日 第 1 版第 1 刷発行 【本書の無断転載を禁ず】2003 年 3 月 14 日 第 1 版第 9 刷発行2004 年 4 月 12 日 第 2 版第 1 刷発行2015 年 2 月 27 日 第 2 版第 8 刷発行2015 年 10 月 13 日 第 3 版第 1 刷発行

編 著 者 川並高雄・関口秀夫・齊藤正美・廣井徹麿著  者 大賀喬一・小林政教・仲町英治・片岡征二・筒井佳子発 行 者 森北博巳発 行 所 森北出版株式会社

東京都千代田区富士見 1-4-11(〒 102-0071)電話 03-3265-8341 / FAX 03-3264-8709http://www.morikita.co.jp/日本書籍出版協会・自然科学書協会 会員 <(社)出版者著作権管理機構 委託出版物>

落丁・乱丁本はお取替えいたします.

Printed in Japan/ ISBN978-4-627-66313-8

   編著者・著者略歴川並 高雄(かわなみ・たかお) 1956 年 京都大学工学部卒業 工学博士(京都大学) 現在,金沢工業大学名誉教授

関口 秀夫(せきぐち・ひでお) 1961 年 大阪府立大学工学部卒業 工学博士(東京大学) 現在,奈良工業高等専門学校名誉教授

齊藤 正美(さいとう・まさみ) 1972 年 名古屋大学大学院工学研究科 修士課程修了 工学博士(名古屋大学) 現在,米子工業高等専門学校校長

廣井 徹麿(ひろい・てつまろ) 1978 年 東京都立大学大学院工学 研究科修士課程修了 博士(工学)(東京都立大学) 現在,東京都立産業技術高等専門学校 教授

編集担当 千先治樹(森北出版)編集責任 石田昇司(森北出版)組  版 アベリー印  刷 創栄図書印刷製  本    同

   大賀 喬一(おおが・きょういち) 1972 年 静岡大学大学院工学研究科 修士課程修了 工学博士(名古屋大学) 現在,沼津工業高等専門学校名誉教授

小林 政教(こばやし・まさのり) 1968 年 名古屋工業大学大学院工学 研究科修士課程修了 工学博士(名古屋大学) 現在,豊田工業高等専門学校名誉教授

仲町 英治(なかまち・えいじ) 1975 年 大阪大学大学院工学研究科 修士課程修了 工学博士(大阪大学) 現在,同志社大学生命医科学部教授

片岡 征二(かたおか・せいじ) 1968 年 日本大学理工学部卒業 工学博士(東京大学) 元 湘南工科大学教授

筒井 佳子(つつい・けいこ) 元日本機械学会東海支部職員 イラストレーター