日本大学文理学部...131 ( ) 日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要...

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131 日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要 No.40 2005pp.131 139 Graduate School of Integrated Basic Sciences, Nihon University: 32540 Sakurajosui, Setagayaku, Tokyo, 1568550 Japan Current affiliation: Kokusai Kogyo CO.,LTD** Department of Geosystem Science, College of Humanities and Sciences, Nihon University3 25 40 Sakurajosui, Setagaya ku, Tokyo, 156 8550 Japan 日本大学大学院総合基礎科学研究科平成16 3 月卒業 1568550 世田谷区桜上水32540 (現国際航業株式会社空間情報事業本部 6600805 兵庫県尼崎市西長洲町1115** 日本大学文理学部地球システム科学科: 1568550 世田谷区桜上水32540 これまでの洞庭湖に関する研究としては,洞庭湖の環 境変遷についてまとめたものがある(杜 , 1999)。 陽湖 については,朱ほか(1998)の 陽湖研究の中で 陽湖 周辺の自然地理と社会概況,地質,気候,水文,水質, 生物などについてまとめられているが,洞庭湖に比べて 研究例は少ない。また洪水災害に関する研究としては, 中山ほか(2001)による洞庭湖および長江中流域の LANDSAT / TMMOS-1/MESSR JERS-1/SAR データ のモザイクデータセットの作成についてのものがあり, 中山ほか(2003)では複数衛星データ解析により 1998 の洪水特性について明らかにされた。 本論では,長江中流域を対象とし,まず,急激な社会 状況の変化及び地表被覆状況の変化と洪水発生との関係 を明らかにするために,複数で時系列の人工衛星データ セットを作成する。次に,これを用いて 1960 年代から の洞庭湖及び 陽湖の湖沼水域の変化及びその集水域内 の土地利用の変化を解析する。さらに洞庭湖について, 抽出された湖水域とその変化に標高情報を参照させなが ら,その貯水能力の定量的な変化の把握を試みて,この 1 はじめに 近年,中国は目覚しい社会経済活動の発展を遂げてき ている。一方,産業構造の変化に伴う植生破壊による土 壌浸食といった環境変化が著しく,土砂災害や洪水災害 1 つの要因となっている。特に近年の長江流域におけ る洪水災害は流域の持続的発展の妨げとなっている。 1998 年には,史上稀に見る長江全域性の大洪水が発生 し, 3000 人以上もの人命を奪っている(鄧宏兵, 2002)。 一方,長江中流域には洞庭湖と 陽湖の 2 つの大きな 湖がある。この両湖は長江中流域で降った雨を一度貯留 して,徐々に長江下流に流すことで,短期間で長江流域 の下流部が増水することを防ぐ効果があるとされてい る。しかし近年では,森林伐採に伴って流出した土壌が 湖底に堆積することで貯水能力を低下させていると言わ れており(Jin, 1995),この貯水能力の低下が近年の洪水 の一因になっていると考えられている。従って,これら 地表被覆の経年的変化と,これの洪水発生との関係を把 握することは防災の観点からも大変重要である。 村山 宜広 ・中山 裕則 ** This paper describes that the result for the investigation of change in lakes and its effect for flood in the middle Yang- tze river through the analysis of plural satellite mosaic data sets. The changes in water areas and land cover in the catch- ment basins of Dongting and Poyang lakes were firstly analyzed in detail by using multi-temporal satellite data. Next, the influence of changes in these lakes and land cover for flood occurrence was investigated by the comparative analysis of the change situation in the estimated lake water capacity and land cover in the catchment basin of Dongting Hu. Furthermore, the estimation of lake volume based on satellite and DEM data was evaluated. Finally, a relation between flood occurrence with the influence of artificial changes based on human activities and climate change was examined. Keywords : flood, water storage, satellite data analysis, DEM, land cover, Dongting lake, Poyang lake, Yangtze River 衛星データ解析に基づく長江中流域の湖沼変化と その洪水発生に及ぼす影響の検討 Investigation of change in lakes and its effect for flood of the middle reaches of Yangtze River by the analysis of satellite data Norihiro MURAYAMA and Yasunori NAKAYAMA ** Received September 30, 2004 77

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Page 1: 日本大学文理学部...131 ( ) 日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要 No.40(2005) pp.131-139 Graduate School of Integrated Basic Sciences, Nihon University:

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日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要

No.40 (2005) pp.131-139

* Graduate School of Integrated Basic Sciences, Nihon University: 3-25-40 Sakurajosui, Setagaya-ku, Tokyo, 156-8550 Japan

(Current affiliation: Kokusai Kogyo CO.,LTD)** Department of Geosystem Science, College of Humanities and Sciences,

Nihon University: 3-25-40 Sakurajosui, Setagaya-ku, Tokyo, 156-8550 Japan

* 日本大学大学院総合基礎科学研究科平成16年3月卒業 〒156-8550 世田谷区桜上水3-25-40 (現国際航業株式会社空間情報事業本部 〒660-0805 兵庫県尼崎市西長洲町1-1-15) ** 日本大学文理学部地球システム科学科: 〒156-8550 世田谷区桜上水3-25-40

これまでの洞庭湖に関する研究としては,洞庭湖の環

境変遷についてまとめたものがある(杜 , 1999)。朸陽湖

については,朱ほか(1998)の朸陽湖研究の中で朸陽湖

周辺の自然地理と社会概況,地質,気候,水文,水質,

生物などについてまとめられているが,洞庭湖に比べて

研究例は少ない。また洪水災害に関する研究としては,

中山ほか(2001)による洞庭湖および長江中流域の

LANDSAT/TM,MOS-1/MESSR,JERS-1/SARデータ

のモザイクデータセットの作成についてのものがあり,

中山ほか(2003)では複数衛星データ解析により1998年

の洪水特性について明らかにされた。

本論では,長江中流域を対象とし,まず,急激な社会

状況の変化及び地表被覆状況の変化と洪水発生との関係

を明らかにするために,複数で時系列の人工衛星データ

セットを作成する。次に,これを用いて1960年代から

の洞庭湖及び鄱陽湖の湖沼水域の変化及びその集水域内

の土地利用の変化を解析する。さらに洞庭湖について,

抽出された湖水域とその変化に標高情報を参照させなが

ら,その貯水能力の定量的な変化の把握を試みて,この

1 はじめに

近年,中国は目覚しい社会経済活動の発展を遂げてき

ている。一方,産業構造の変化に伴う植生破壊による土

壌浸食といった環境変化が著しく,土砂災害や洪水災害

の1つの要因となっている。特に近年の長江流域におけ

る洪水災害は流域の持続的発展の妨げとなっている。

1998年には,史上稀に見る長江全域性の大洪水が発生

し,3000人以上もの人命を奪っている(鄧宏兵,2002)。

一方,長江中流域には洞庭湖と朸陽湖の2つの大きな

湖がある。この両湖は長江中流域で降った雨を一度貯留

して,徐々に長江下流に流すことで,短期間で長江流域

の下流部が増水することを防ぐ効果があるとされてい

る。しかし近年では,森林伐採に伴って流出した土壌が

湖底に堆積することで貯水能力を低下させていると言わ

れており(Jin, 1995),この貯水能力の低下が近年の洪水

の一因になっていると考えられている。従って,これら

地表被覆の経年的変化と,これの洪水発生との関係を把

握することは防災の観点からも大変重要である。

村山 宜広*・中山 裕則**

This paper describes that the result for the investigation of change in lakes and its effect for flood in the middle Yang-tze river through the analysis of plural satellite mosaic data sets. The changes in water areas and land cover in the catch-ment basins of Dongting and Poyang lakes were firstly analyzed in detail by using multi-temporal satellite data. Next, the influence of changes in these lakes and land cover for flood occurrence was investigated by the comparative analysis of the change situation in the estimated lake water capacity and land cover in the catchment basin of Dongting Hu. Furthermore, the estimation of lake volume based on satellite and DEM data was evaluated. Finally, a relation between flood occurrence with the influence of artificial changes based on human activities and climate change was examined.

Keywords : flood, water storage, satellite data analysis, DEM, land cover, Dongting lake, Poyang lake, Yangtze River

衛星データ解析に基づく長江中流域の湖沼変化と

その洪水発生に及ぼす影響の検討

Investigation of change in lakes and its effect for flood of the middle reachesof Yangtze River by the analysis of satellite data

Norihiro MURAYAMA* and Yasunori NAKAYAMA**

(Received September 30, 2004)

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Fig. 2 A study area

村山 宜広・中山 裕則

─ ─132( )

変化および流域の土地被覆変化と洪水発生の関係につい

て検討を試みる。また,合わせて人為または自然の影響

についての分析も行う。最後に,新たな試みとして衛星

データとその他の複数の標高情報から湖盆を推定し,貯

水量変化推定について検証を試みる。

2 対象地域の概要

本研究の対象地域は,洞庭湖と鄱陽湖ならびにこれら

の集水域を含めた中国の長江中流域であり,その領域を

Fig.2に示す。長江は長さ6300km,流域面積は1959×

1000km2で中国最大の河川であり,ナイル川,アマゾン

川に次ぐ世界第3位の長さを誇る河川である。中下流域

には数多くの湖沼が分布しており,主なものには洞庭

湖,洪湖,梁子湖,鄱陽湖,巣湖,太湖等がある。しか

し現在,長江へ自然的に直接連結しているのは洞庭湖と

鄱陽湖だけである。

洞庭湖は長江の河口から約1200km付近に位置する中

国第二の湖面面積を有する湖である。この湖は紀元前

2000年頃より水面が広がり始め,その面積は6000km2

にも達した。その後,湖面は拡大・縮小を繰り返し,形

状が大きく変化した。洞庭湖への流入口は,四水と呼ば

れる澧水・沅江・資水・湘江の四河川と,かつては四口

と呼ばれた長江からの流入口である松滋口・太平口・藕

弦口・調弦口の4ヶ所だったが,調弦口は1959年に閉

鎖された。現在,洞庭湖は岳陽で長江と合流しており,

ここが唯一の流出口となっていて,これより下流では長

江の流量は1.4倍にもなる。洞庭湖の最大深度は30.8m,

平均深度6.7m,水位の年変動量6.5-17.8m,集水域面

積259,430km2である( Jin, 1995,内山,2001)。

鄱陽湖は長江の河口から約750km付近で,九江市の

南方に位置し,淡水湖としては中国最大である。この湖

は白亜紀から新生代にかけて水が貯留しはじめ,更新世

後期から完新世初期までには現在の湖盆形体と水系が形

成された。鄱陽湖へは贛江・撫河・信江・修水・繞河の

5大水系の水が流入しており,九江市湖口で長江に流出

している。鄱陽湖の水位と湖面面積の年変化は大きく,

高水位では湖となるが,低水位では河川のようにみえ

る。鄱陽湖は最大深度25m,平均深度8.4m,水位の年

変動量13.27-15.72m,集水域面積162,225km2である。

また,本地域の気候は湿潤で,春の長雨と初夏の梅雨期

の2つの雨期を持つ( Jin, 1995 ; Tian, 1998 ; 内山,2001)。

一方,長江流域では頻繁に洪水が発生してきた。特に

本地域の長江沿いには,洪水によって出来たとされる扇

状に分布した小さな湖沼が見られる。この過去より繰り

返されてきた洪水は,近年ではその発生頻度の増加,洪

水時の最大水位の上昇が認められる。この洪水発生の要

因として,気候的側面ではEl NiñoとLa Niñaの影響,

人為的側面では長江中上流域の生態環境破壊,また湖沼

の不適切な利用など多岐の理由が考えられている。その

中で最も洪水発生に影響があると考えられているのが,

集中的な豪雨と湖沼の貯水能力の不足である(喩光明ほ

か,1998)。

3 研究の方法

3. 1 研究の概要

本研究では,衛星データを使用して長江中流域の湖沼

水域とその集水域の地表被覆状況の経年変化を捉え,近

年における洪水発生要因の検討を行う。衛星データを使

用する利点は,研究対象地域が広域であること,1960年

代以降の時系列の衛星データを使用可能で,土地利用状

況の経年変化を面的に把握することが比較的容易である

ことが挙げられる。

研究の手順としては,Fig. 3のように,先ず,対象地

域の時系列の衛星データセットを作成し,これを解析し

て洞庭湖と鄱陽湖の水域の経年変化の把握を行う。次

に,広域観測の衛星データを解析して,洞庭湖及び鄱陽

湖の集水域内の土地被覆変化を把握する。そして最後

に,湖沼水量の推定結果を参照して,対象地域における

土地被覆変化が洪水発生に及ぼす影響について分析を行

い,衛星データによるこの種の調査についての評価と展

望を試みる。

3. 2 データセットの作成

本研究で使用した衛星データは1960年代から2000年

代はじめまでの CORONA / KH-4A,LANDSAT / MSS,

MOS-1 / MESSR,Terra / ASTER,NOAA / AVHRR,

Terra/MODISにより観測されたデータである。これら

の衛星データを使用した理由としては,各解析時期にお

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Satellite data

Geometric correction

Mosaicking

Extraction of water area

Land cover classification

Tracing of lake shore line

Analysis of change in water area of lakes

Analysis of change in water volume of lake

Measurement of shore line altitude

DEM

Consideration of relationbetween flood occurrence and

land cover changes

Conclusion

Land cover classification in

catchment of lakes

Fig. 3 A flowchart of this study

Satellite Sensor Acquisition date

CORONA KH-4AAugust 13, 1964October 04, 1969

LANDSAT MSSJuly 06, 1977July 07, 1978

MOS-1, 1b MESSRSeptember 09, 1987

July 18, 1991July 10, 1993

Terra ASTER November 05, 2002

NOAA AVHRR

August 01, 1990August 18, 1990August 21, 1990August 23, 1990

September 13, 1990September 15, 1990September 18, 1990September 20, 1990September 25, 1990

Terra MODIS September 14, 2002

Table 3 Satellite data for the analysis in the middle reaches of Yangtze River.

─ ─133 ( )

衛星データ解析に基づく長江中流域の湖沼変化とその洪水発生に及ぼす影響の検討

けるデータの取得状況及びデータ入手が,もっとも容易

であることが挙げられる。また,経年変化解析に使用し

たデータの取得時期については,水域が最も拡大する夏

季のもので出来る限り統一を試みた。標高情報の抽出に

は,水位の最も低くなる冬季のTerra/ASTERデータを

使用した。使用した衛星データの一覧をTable3に示す。

使用データは,高分解能衛星データがUTM座標に,

広域観測衛星データが円錐座標にそれぞれ幾何補正によ

り投影変換された後,輝度補正,モザイク処理などが施

され,全てが比較可能なデータセットとした。

3. 3 土地被覆分類

本研究では,洞庭湖集水域及び鄱陽湖集水域について

地表被覆状況の経年変化を把握するために最尤法を適用

して土地被覆分類を行った。設定した分類項目は水田,

畑,裸地,水域,森林,砂地,水域,雲域の8項目とし,

現地調査データと衛星画像上の分布パターン及びスペク

トル特性に基づいてトレーニングエリアを選定した。

3. 4 湖の水域面積の変化抽出

洞庭湖水域と鄱陽湖水域の経年変化把握のために,各

年代の衛星データで湖の水域面積を抽出した。マルチス

ペクトルのLANDSAT/MSS,MOS-1/MESSR,Terra/

ASTERのデータにおいては,土地被覆分類処理を行い,

これより水域部分を抽出した。CORONA/KH-4Aのデー

タについては,白黒フィルムデータであることと,本研

究で使用したデータが,湖底,懸濁物質,太陽高度等の

影響のため水域が一様に捉えられていないなどの理由に

より,幾何補正後のCORONA画像上で,目視判読によ

り水域のトレースを行って,これを画像化した。

3. 5 湖岸線標高の算出

本研究では衛星データに基づくDEMデータを用いて

湖岸線の標高を算出するため,3章4節で示した水域抽

出画像に対して空間フィルタリングを行い,その後に湖

岸線の抽出を行った。空間フィルタリングとしてはラプ

ラシアン(空間2次微分)フィルタを適用した。このラ

プラシアンフィルタの結果に対してさらに細線化処理を

行い湖岸線データとした。

また,湖の貯水量を求めるために必要な標高情報とし

ては,ASTERデータより算出されたDEMデータ(以後

ASTER/DEMと呼ぶ)を用いた。ASTER/DEMはASTER

で観測された直下視と後方視のデータをステレオマッチ

ングすることにより得られたDEMデータである。その

高さ精度はERSDAC(財団法人 資源・環境観測解析セ

ンター:Earth Remote Sensing Data Analysis Center)に

よると15m程度の誤差とされている(ERSDAC, 2002)。

従って,本研究では先ず,ASTER/DEM データの精度

検証を行うために,高さ情報を持つ既存の3種類のデー

タ,USGS(The United States Geological Sur vey) の

GTOPO30データ,中国湖泊志(王 , 1998)の等水深線図,

10万分の1の地形図のそれぞれから得られた高さとの比

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YearDongting Hu

[km2]Year

Poyang Hu [km2]

1964 3269.42 1969 3706.701977 2657.89 1978 3383.471987 2478.50 1993 3354.85

Table 4. 1 Changes in water areas of Dongting lake and Poyang lake by using satellite data.

2000

2500

3000

3500

4000

1964

1966

1968

1970

1972

1974

1976

1978

1980

1982

1984

1986

1988

1990

1992

year

wat

er a

rea

water area (Dongting Lake)

water area (Poyang Lake) [Km2 ]

Fig. 4. 1 Changes in water areas of Dongting Hu and Poyang lake from 1964 to 1993.

Fig. 4. 2 Changes in the water areas of Dongting lake detected by CORONA/KH-4A mosaic and LANDSAT-2/MSS data.

村山 宜広・中山 裕則

─ ─134( )

較を行った。次に,最も正確に地形を表していると考え

られた地形図から7点を選定し,ASTER/DEMのDN値

をその7点との値の差が小さくなるように線形式を用い

て校正した。最後に,校正後のDEMデータから湖岸線

抽出画像を用いて湖岸線部分に対応する標高値を抽出し

ていき,そのヒストグラムの平均値を湖岸線の標高とし

た。

3. 6 洞庭湖の貯水量の推定

衛星データ解析よりもとめられた湖水域面積情報と渇

水期のASTER/DEMを併せて解析することにより,洞

庭湖の貯水量の推定を試みた。鄱陽湖では,渇水期の鄱

陽湖の全域を観測した ASTER データが得られなかった

ので,本研究では洞庭湖についてのみ解析を行った。洞

庭湖の貯水量の推定に使用した ASTER データからは,

観測時の湖水面下の地形情報は得ることができない。

従って,本研究では,湖の総水量推定を以下のように2

段階に分けて行った。すなわち,衛星データで湖底が捉

えられた部分はASTER/DEMデータ他を主に用いて算

出し,データ観測時に水域である部分は,既存の推定式

で求めた。用いた既存の推定式はLiuほか(1983)の研究

によって導かれた洞庭湖における水位と容積の関係式

(1)であり,その計算に使用した水位としては,水域抽

出画像より作成した湖岸線データを中国湖泊志(王 ,

1998)の等水深線図と重ね合わせてもとめた値を使用し

た。衛星データで湖底が捉えられた部分は円錐台の体積

の式(2)を用いて貯水量をもとめた。式(2)で示した水

位差はASTER/DEMより求めた。

V1 =6.0855×10-7H5.6316 (1)

但し, V1:貯水量 [×108m3]

H:水位 [m]

V2=〔S1+S2+(S1-S2)1/2〕×h÷3 (2)

但し, V2:変化貯水量 [m3]

S1:低位の湖面積 [m2]

S2:上位の湖面積 [m2]

h:水位差 [m]

4 解析の結果

4. 1 水域面積の経年変化

解析によって得られた洞庭湖と鄱陽湖の水域面積を

Table 4.1に,それぞれの水域の経年変化のグラフを

Fig.4.1に示す。また,抽出した水域を重ね合わせて変

化域を表した画像をFig.4.2からFig.4.5にそれぞれ示す。

時系列衛星データ解析の結果,洞庭湖及び鄱陽湖の面

積は,洞庭湖では1964年から1987年の間に約790km2,

鄱陽湖では1969年から1993年の間に約350km2の変化が

あり,両湖共に水域は減少傾向にあることが分かった。

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Fig. 4. 3 Changes in the water areas of Dongting lake detected by LANDSAT-2/MSS mosaic and MOS-1/MESSR data.

Fig. 4. 4 Changes in the water areas of Poyang lake detected by CORONA/KH-4A mosaic and LANDSAT-2/MSS data.

Fig. 4. 5 Changes in the water areas of Poyang lake detected by LANDSAT-2/MSS and MOS-1/MESSR mosaic data.

0.0

500.0

1000.0

1500.0

2000.0

2500.0

3000.0

3500.0

4000.0

1964

1968

1972

1976

1980

1984

1988

1992

year

area

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

140.0

160.0

180.0

volu

me

water area of Dongting lake

water area of Poyang lake

water volume of Donting lake

water volume of Dongting lake(statistics)

Fig. 4. 6 Changes in the water areas of Dongting lake and Poyang lake from 1964 to 1992.

─ ─135 ( )

衛星データ解析に基づく長江中流域の湖沼変化とその洪水発生に及ぼす影響の検討

特に1960年代からの変化が大きく,洞庭湖では1964年

から1977年の13年間で約612km2減少し,鄱陽湖でも

1969年から1978年の9年間で約323km2の減少が確認で

きた。

4. 2 洞庭湖の貯水量推定

推定結果による洞庭湖の洪水調整能力ともいえる貯水

量は,面積の縮小とともに減少傾向にあることが示され

た。Fig.4.6の豊水期における貯水量の経年変化をみる

と,1964年には168.7×108m3あったものが,1977年には

14.4×108m3減少して154.3×108m3となり,1987年には更

に17.7×108m3減少して136.6×108m3になったことが分

かった。

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Fig. 4. 7 Color coded land cover classification image for 1990 in the catchment basin of Dongting lake by NOAA-14/ AVHRR mosaic data.

Fig. 4. 8 Color coded land cover classification image for 2002 in the catchment basin of Dongting lake by Terra / MODIS data.

Fig. 4. 9 Color coded land cover classification image for 1990 in the catchment basin of Poyang lake by NOAA-14/ AVHRR mosaic data.

Fig. 4. 10 Color coded land cover classification image for 2002 in the catchment basin of Poyang lake by Terra / MODIS data.

村山 宜広・中山 裕則

─ ─136( )

4. 3 流域内土地被覆の経年変化

洪水発生要因と地表被覆状況との関係を調べるため

1990年及び2002年の洞庭湖及び鄱陽湖の集水域内の地

表被覆状況とその変化を1990年のNOAA/AVHRRデー

タと2002年のTerra/MODISデータを用いて土地被覆分

類を行うことで解析を行った。洞庭湖集水域及び鄱陽湖

集水域内における分類結果をTable 4.2に示す。またそ

れぞれの集水域の分類結果画像をそれぞれFig.4.7,

Fig.4.8,Fig.4.9,Fig.4.10に示す。この結果によれば,

洞庭湖の集水域では1990年に約30%を占めていた森林

が2002年には約40%となり,増加傾向にあることが確

認できた。また農地面積も1990年に約35%であったも

のが2002年には約49%となっており,森林面積同様に

増加傾向にあることが分かった。これは流域の大部分を

占める湖南省の統計年鑑(湖南省統計局)における2000

年以降の農地と森林の被覆率の増加傾向とほぼ同様の結

果であった。更に,森林及び農地面積の増加に反比例し

て草地の減少が認められたが,これは未整備の草地での

開墾または植樹による影響が現れたものと思われる。ま

た,農地の占める割合が統計資料と比べて,非常に大き

な値となった。この理由として,衛星データの観測時期

に稲などの作物の成長と草地とのスペクトル特性との差

が小さくなったために,両者の分類が不十分であったこ

とが考えられる。これは,今後季節の異なる衛星データ

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ItemsCatchment basin of Dongting lake Catchment basin of Poyang lake

Occupation rate [%] Occupation rate [%]1990 2002 1990 2002

Paddy field 4.36 15.27 3.85 2.59 Farm 30.22 33.63 22.54 22.60 Grass 20.61 7.04 11.16 7.24 Forest 29.98 40.42 53.29 60.19

Bare soil 0.05 1.50 0.23 1.43 Sand 2.16 0.15 1.29 0.54 Water 0.35 0.72 1.20 1.74 Cloud 12.27 1.27 6.45 3.69 Total 100 100 100 100

Table 4. 2 Land cover condition of the catchment basins of Dongting lake and Poyang lake.

Observation date

Water volume(Analysis) [108m3]

Water volume (Reference)

[108m3]1964 168.7 224.21977 154.3 178.01987 136.6 166.82002 59.10 -

Table 5. 1 Change in water volume of Dongting lake by using multi-temporal satellite data with other reference sources (LAKW IN CHINA, 1995)

─ ─137 ( )

衛星データ解析に基づく長江中流域の湖沼変化とその洪水発生に及ぼす影響の検討

を用いた分類による解析により精度を向上できると考え

られる。

鄱陽湖の集水域については,1990年に約53%であった

森林が2002年には約60%となり,増加傾向にあること

が確認できた。一方,農地面積は1990年に約26%であっ

たものが2002年には約25%となっており,草地も1990

年に約11%であったものが2002年には約7%で,わずか

に減少していることが分かった。これらの変化傾向は江

西省統計年鑑(江西省統計局)からも確認できた。

5 湖沼変化についての考察

5. 1 衛星データを用いた貯水量推定の評価

DEMを用いた洞庭湖の貯水量の解析結果と文献(Jin,

1995)による値との比較表をTable 5.1に示す。この結果,

1964年が168.7×108m3,1977年が154.3×108m3,1987年

が136.6×108m3となり,貯水量が1964年から1987年ま

で減少傾向にあったことが分かった。しかし Jin(1995)

の値に比べて,解析結果は小さい。この理由として,使

用した衛星データが夏季観測(1964年8月,1977年7月,

1987年7,9月)によるものの,最大水位時のデータでな

かったことが考えられた。また,ASTER/DEMの地上

空間分解能が15mであったため,微細な高低差を計測

するには充分な地上空間分解能とはいえなかった。今

後,より地上空間分解能の高い衛星データを用いること

で,さらに詳細な湖盆地形の把握が可能になると考えら

れる。

5. 2 湖沼変化と洪水発生との関係

洞庭湖および鄱陽湖において1960年代から1970年代

にかけて,湖水域が劇的に縮小した。同時期における洞

庭湖の集水域内及び鄱陽湖の集水域内の降水量は1960

年から2000年までの平均値に比べても変化はなく,面

積変化と降水量の変動と湖水域の変動の間には関係が見

出せなかった。しかし,湖南省及び江西省の農業人口の

増加率と,洞庭湖および鄱陽湖のそれぞれの湖水域の縮

小傾向が相反することが分かった。さらに文献による情

報を併せて考察すると,1960年代の湖水域の減少は1959

年に設立された人民公社による「囲湖増田」運動(加藤

ほか,2002)による大規模干拓によるものだと考えられ

る。また特に洞庭湖の水域の縮小が激しかったことにつ

いては,洞庭湖の流入河川で大規模工事が行われたこと

による流入水の減少(内山,2001)によるものと考えら

れる。この地表被覆変化が両湖の洪水調整能力を減少さ

せ,特に洞庭湖では1960年代から1990年代にかけて32

×108m3もの貯水量が減少したと考えられる。村山

(2003)によると1998年の洪水で洞庭湖の集水域内の監

利周辺で発生した洪水面積は38.56×107m2で,仮にこの

とき平均約4m水深で冠水したとすると,その洪水域に

おける水量は約15.43×108m3になる。この推定値を上述

の洞庭湖の貯水量の減少と単純に比較すると,洞庭湖の

貯水能力が1960年代以降変化しなかったならば,1998

年の洪水発生が抑えられた可能性も推察される。

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村山 宜広・中山 裕則

─ ─138( )

5. 3 湖沼変化解析による洪水発生分析の展望

1960年代から1970年代にかけての両湖の水域の変化

に比べて,1970年代以降,水域の縮小傾向は緩やかに

なった。その理由として,産業構造の変化に伴う農業人

口の増加の低下が考えられる。本研究では,1990年と

2002年の夏のデータについて地表被覆変化をもとめた

が,この地域は政府の政策による地表被覆の変化が近年

著しく,また夏のデータだけでは農地と草地の判断が難

しいことから,時間分解能の高い,すなわちより観測回

数の多い衛星データを用いて地表被覆状況を季節ごとに

把握し,より正確な土地被覆分類と変化把握を行う必要

がある。また土地利用状況,地形的要素,地質要素など

を合わせた独自の水収支モデルを構築し,詳細な地表被

覆分類結果を利用した流出解析を行うことで,地表被覆

状況の変化の洪水発生への影響について,より詳細に検

討できると考えられる。

6 結論

本研究では時系列の衛星データを解析することによ

り,洞庭湖及び鄱陽湖の水域とそれらの集水域内で急激

に進みつつある地表被覆変化の実態を把握し,この解析

データに文献の情報,統計データ及び気象データを比較

することにより湖沼の変化要因の検討を行った。また,

それらの変化と洪水発生との関係についても分析を試み

た。本研究により得られた結論は以下のようにまとめら

れる。

(1) 湖沼の水域変化は,洞庭湖の水域面積が1964年か

らの23年間に約790km2縮小し,鄱陽湖では1969年から

の24年間に約350km2縮小したことが分かった。また,

それらの陸地化した地域の多くは農地として利用されて

いた。

(2) 洞庭湖と鄱陽湖の水域面積の減少は,1960年代から

1970年代にかけて顕著であり,水域の干拓や,流入河

川の河道の変化による堆積の進行が主な理由であること

がわかった。

(3) 複数の時系列衛星データとASTER/DEMデータを

用いて洞庭湖の貯水量を推定した結果,1964年から1987

年の23年間で約24×108m3の貯水量の減少が認められた。

これは1987年の豊水時の14%にあたる。

(4) 洞庭湖及び鄱陽湖の集水域内の地表被覆変化につい

ては,1990年以降で森林の被覆率増加が両集水域で確認

できた。その要因はおもに表土流出防止のための国家政

策による植林によるものと考えられた。また,農地の被

覆率は洞庭湖の集水域では増加傾向であったが,鄱陽湖

の集水域では,僅かに減少していることが確認できた。

(5) 洪水発生と地表被覆変化との関係については,1990

年から2000年の洞庭湖の集水域内の地表被覆変化と洪

水発生増加との間には関連が確認できなかったが,洞庭

湖の湖水域面積の縮小に伴う,貯水量の減少が洪水発生

の要因の一つであると推察された。

(6) 湖沼変化解析による洪水発生要因の検討に関する今

後の課題としては,本対象地域に適した水収支モデルを

構築する必要があり,そのために,時間分解能の高い衛

星データを用いた季節ごとの地表被覆状況と,より正確

な土地被覆変化の把握が必要であることが指摘された。

謝辞

本研究を進めるにあたり資料やアドバイスを頂いた中国科

学院の杜耘博士,現地調査に関してアドバイスを頂いた日本

大学文理学部地球システム科学科の遠藤邦彦教授および華東

師範大学の鄭祥民教授に心より感謝いたします。

尚,本研究はハイテクリサーチプロジェクトの一環として

行われたもので,使用した衛星データの多くは日本大学文理

学部ハイテクリサーチセンタープロジェクトで入手されたも

のである。またグローバルリサーチネットワークによる衛星

データセットも宇宙開発事業団(現宇宙航空研究開発機構)

より提供して頂いた。ここに謝意を表します。

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