二分法的思考尺度(dichotomous thinking...

13
(1) 45 人文学部準教授―パーソナリティ心理学,発達心理学 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventoryの特徴 これまでの検討のまとめと日常生活で重視する 事柄との関連小 塩 真 司 問題および目的 学問の世界において,複雑な物事を分類・整理し,理解する試みは古くから現代に至るま で行われている。各種の図鑑を見ても分かるように,その中の記述は基本的に「分類」であ る。このことは,学問的な営みの多くが分類・整理によって成り立っていることを示唆して いる。心理学に関連した領域では,人間をいくつかのカテゴリに分類する類型論的な分類法 が古代ギリシアや古代ローマ時代から行われてきた(ガレノス,2005;二宮,1993)。また クレッチマーの体格―性格関連説(Kretschmer, 1921)やシェルドンの内胚葉型・中胚葉型・ 外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理 学においても人々の性格(パーソナリティ)をいくつかの種類に分類する類型論が主流を占 めていた。現代の心理学においては,類型論的な理解ではなく,パーソナリティをすべての 人に共通するパラメータとして扱う特性論的な理解が主流であるが,時に類型論的な記述が 行われることもある。 三中(2009)は,生物学者が分類という作業を行ってきた背景には,人間が現存する世界 を認識するために分類するという,人間の認知特性が深く関与していると指摘している。人 間は基本的に単純化を求める動機や欲求を抱くと言われており(Srull & Wyer, 1986),複雑 な物事を単純に割り切って整理しようとすることは,学問の世界のみならず日常の生活のな かでもよく行われる。そのような整理の仕方のなかでも,多くの物事を単純な 2 つのカテゴ リに分類する二分法的思考は,もっとも単純化された整理を目指す思考であると言える。二 分法的思考とは,「白か黒か」「善か悪か」「0 100 か」といった,物事を二律背反なもの として思考することである。 二分法的思考やそれに類する判断は,日常の場面でも見られるものである。たとえば政治

Upload: others

Post on 24-Feb-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(1)

45

 *人文学部準教授―パーソナリティ心理学,発達心理学

二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventory)の特徴

―これまでの検討のまとめと日常生活で重視する事柄との関連―

小  塩   真   司*

問題および目的

 学問の世界において,複雑な物事を分類・整理し,理解する試みは古くから現代に至るまで行われている。各種の図鑑を見ても分かるように,その中の記述は基本的に「分類」である。このことは,学問的な営みの多くが分類・整理によって成り立っていることを示唆している。心理学に関連した領域では,人間をいくつかのカテゴリに分類する類型論的な分類法が古代ギリシアや古代ローマ時代から行われてきた(ガレノス,2005;二宮,1993)。またクレッチマーの体格―性格関連説(Kretschmer, 1921)やシェルドンの内胚葉型・中胚葉型・外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理学においても人々の性格(パーソナリティ)をいくつかの種類に分類する類型論が主流を占めていた。現代の心理学においては,類型論的な理解ではなく,パーソナリティをすべての人に共通するパラメータとして扱う特性論的な理解が主流であるが,時に類型論的な記述が行われることもある。 三中(2009)は,生物学者が分類という作業を行ってきた背景には,人間が現存する世界を認識するために分類するという,人間の認知特性が深く関与していると指摘している。人間は基本的に単純化を求める動機や欲求を抱くと言われており(Srull & Wyer, 1986),複雑な物事を単純に割り切って整理しようとすることは,学問の世界のみならず日常の生活のなかでもよく行われる。そのような整理の仕方のなかでも,多くの物事を単純な 2つのカテゴリに分類する二分法的思考は,もっとも単純化された整理を目指す思考であると言える。二分法的思考とは,「白か黒か」「善か悪か」「0か 100か」といった,物事を二律背反なものとして思考することである。 二分法的思考やそれに類する判断は,日常の場面でも見られるものである。たとえば政治

Page 2: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(2)

46 人文学部研究論集(第23号)

場面では,対立する陣営を敵と見なして論じることはよく行われる。特に米国では,民主党と共和党が二項対立的に扱われることが多い(渡辺,2008)。日本においても,2005年の郵政解散とその後の第 44回衆議院議員総選挙や,民主党政権が誕生した 2009年の第 45回衆議院議員総選挙のように,焦点が「改革か否か」「自民党か民主党か」に単純化された,二項対立的なメッセージのもとで行われた選挙がある。またマスコミでは,「敵―味方」「良い―悪い」「役に立つ―役に立たない」など,単純化された情報があふれている(森,2006)。それは犯罪報道においても(芹沢,2009),事故の報道においても(チャールズ,2006)同様に見られるものである。マスコミの報道において二分法的な情報が流されるもっとも大きな要因は,そのような情報を好む視聴者や読者が存在するからであろう。人々のなかには二分法的な情報の問題点を意識せず,二分法的な情報をあえて好んで選択する人々も存在すると考えられる。 二分法的思考は,誰もが同じように行うわけではない。個人によって,二分法的思考に対する態度や実際の思考の程度は異なると考えられる。本研究では,二分法的思考を行う傾向の個人差を測定する質問紙尺度である,Oshio(2009)によって作成された二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventory; DTI)に注目する1)。 二分法的思考の尺度には,DTIの他にもすでに Byrne, Cooper, & Fairburn(2004)によるDichotomous Thinking in Eating Disorder Scale(DTEDS)が作成されている。ところが,この尺度は摂食障害の女性を対象にした調査から作成されたことから,半数の項目が摂食行動に関するものとなっている。DTIは日本語版に加えて英語版も作成されており,摂食行動に限らず全般的な二分法的思考を測定することのできる尺度として構成されている。このことから,DTIのほうが DTEDSよりも汎用性が高い尺度であると考えられる(Oshio, 2009)。 本研究の目的は,第 1に Oshio(2009)で検討された DTIの特徴について概観することである。そして第 2に,新たな知見を加えることによって DTIの特徴をさらに明確にし,今後の研究の展望を述べる。

これまでに行われた検討のまとめ

DTI の構造

 DTIは 15項目で構成されており,因子分析によって 5項目ずつからなる 3つの下位尺度が含まれることが示されている。Table 1は,大学生 352名(男性 149名,女性 203名)に対する調査に基づいた因子分析結果である(Oshio, 2009)。

1)Oshio(2009)の内容の一部は,Oshio(2008)および小塩(2008)においても発表されている。また,測定を行う際の教示や選択肢については,Appendixに示した。

Page 3: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(3)

47二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventory)の特徴

 第 1の下位尺度は,「二分法の選好」(Preference for Dichotomy)である。この下位尺度は“何事も好き嫌いをはっきりしたほうがうまくいく” や “あいまいなことも白黒はっきりさせるとうまくいく” など,物事を 2つに分割して整理することで,理解がうまくいったり気分がすっきりしたりするという内容で構成されている。 第 2の下位尺度は,「二分法的信念」(Dichotomous Belief)である。この下位尺度は,“世の中には「成功者」と「失敗者」しか存在しない” や “全ての人は「勝ち組」と「負け組」に分かれると思う”,“人間は「善人」と「悪人」にはっきりと分けることができる” などの項目で構成されており,世の中の複雑な事象を明確に 2種類に分割することが可能である,また世の中の事象は 2種類に分割されるような特徴を有しているという信念を表している。 第 3の下位尺度は,「損得思考」(Profit-and-loss Thinking)である。この下位尺度は,単に物事を 2種類のカテゴリに分割するだけでなく,それぞれの内容が自分にとって損(不利益)であるのか得(利益)であるのかを明確化しようとする志向性を表している。 DTIは,全 15項目の得点の合計値を算出することで DTI得点,各下位尺度に相当する 5

項目ずつの合計値を算出することで「二分法の選好」得点,「二分法的信念」得点,「損得思考」得点を算出することができるようになっている。352名分のデータにおける,各得点の

Table 1 DTI の因子分析結果(最尤法,Promax回転後の因子パターン,n=352; Oshio, 2009を改変)

I II III

二分法の選好

 何事も好き嫌いをはっきりしたほうがうまくいく あいまいなことも白黒はっきりさせるとうまくいく 「どちらでもない」というあいまいな態度は嫌いだ ものごとが「良いこと」か「悪いこと」かを明確にしたい 何事も境界線をはっきりさせるとすっきりする

.73

.70

.67

.57

.56

-.03.01.01.00.02

-.07.00

-.08.21.20

二分法的信念

 世の中には「成功者」と「失敗者」しか存在しない 全ての人は「勝ち組」と「負け組」に分かれると思う 人間は「善人」と「悪人」にはっきりと分けることができる すべての問題には「正解」と「不正解」が存在するものだ すべての人は私の「敵」か「味方」のどちらかだと思う

-.19-.15

.10

.17

.22

.82

.69

.65

.51

.40

.07

.11-.08-.19-.10

損得思考

 何が安全で何が危険なのかをはっきりさせたい 情報がウソか本当かをはっきりさせるべきだ 自分にとって得なのか損なのかをはっきりさせたい 自分の役に立つ情報と役に立たない情報をはっきりさせたい 勝負は白黒はっきりと決着をつけるのがよい

-.12.02.08.09.19

-.18-.09

.23

.14

.06

.86

.66

.53

.50

.37

因子間相関I

IIIII

I―

II.36―

III.49.47―

Page 4: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(4)

48 人文学部研究論集(第23号)

平均値および標準偏差は Table 2に示されている。 DTIの因子間相関を Table 1に,下位尺度間および下位尺度と総得点間の相関を Table 2に示す。DTIから見出された 3つの因子および算出された 3つの下位尺度の間には,相互に正の相関関係が見られた。これは,3つの二分法的思考の要素が互いに関連していることを意味している。

DTI の信頼性

 DTIの信頼性については,内的整合性と再検査信頼性の両側面から検討されている(Oshio,

2009)。内的整合性を検討するために 352名分のデータを用いてα係数を算出したところ,DTI全体ではα=.84,二分法の選好でα=.81,二分法的信念でα=.74,損得思考でα=.75

という結果が得られた。また,5週間隔で再調査を行った結果から検査―再検査間の相関係数を算出したところ,DTI全体で r=.81,二分法の選好で r=.74,二分法的信念で r=.67,損得思考で r=.69という結果が得られた(n=219)。これらの結果は,DTIが十分な内的整合性とある程度の時間的な安定性を有していることを意味している。

他の概念との関連

 二分法的思考と類似した概念に,あいまいさ耐性(tolerance of ambiguity; Budner, 1962)や不確実さ耐性(tolerance of uncertainty; Dugas, Freeston, & Ladouceur, 1997)がある。これらの概念はともに,あいまいさや不確実さをもたらす状況を脅威に感じることや,そのような状況における不快さや不安を感じることを意味している。ただしこれらの概念は,時間の志向性が異なっており(Grenier, Barrette, & Ladouceur, 2005),あいまいさ耐性は “今ここ”における状況への耐性を意味するのに対し,不確実さ耐性は将来に起きると予想される状況に対する耐性を意味するという(Dugas, Gosselin, & Ladouceur, 2001)。これらはともに,個

Table 2 DTI 得点間の相関と平均,SD(n=352; Oshio, 2009 を改変)

DTI

全体 二分法の選好 二分法的信念 損得思考 M SD

全体 ― .80*** .72*** .80*** 51.05 11.01

二分法の選好 ― .31*** .49*** 18.24 5.14

二分法的信念 ― .39*** 11.80 4.48

損得思考 ― 21.01 4.60***p<.001

Page 5: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(5)

49二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventory)の特徴

人が不確実な状況に直面したときの情動的な反応と,その状況に対処する行動を含むものであることから,本研究で注目する二分法的思考とはやや異なる概念であると考えられる。 また,完全主義も二分法的思考に関連する概念であると考えられる。完全主義は,高い目標をもつことや物事を完璧に処理しようとする志向性といった特徴をもつパーソナリティ傾向である。このような特徴をもつ完全主義の高い者は,物事を成功―失敗という二分法的な理解をしやすいと予想される。 二分法的思考は,いくつかのパーソナリティ障害に関連することも指摘されている(Beck,

Freeman, & Associates, 1990)。たとえば境界性人格障害の場合には,物事を連続的な評価基準のなかで捉えることができず,互いに排他的な 2つのカテゴリに分けて評価する傾向があると言われる。この点で,境界性人格障害と二分法的思考との関連が示唆される。また,自己愛性人格障害の場合には,その主要な特徴である自己に対する誇大性の感覚が,自分自身や物事が秀でているか全く駄目であるかの二者択一的な思考に結びつくことが指摘されている(Beck et al., 1990)。 さらに,二分法的思考は「白と黒」「光と闇」といった二項対立的な見方につながりやすい(坂本,2006)。したがって,二分法的な思考を行う人物は,自分自身に近い集団を「味方」で「良い」,自分が属さない集団を「敵」で「悪い」と見なしがちであると考えられる。このことは,他者の評価を不当に押し下げ,軽視する傾向(速水,2006)にも結びつく可能性があると考えられる。その一方で,二分法的な思考は自分自身に対する価値評価そのものに直接的に関与するとは考えにくく,たとえば自尊感情のような特性とは無関連であることが予想される。 Table 3は,Oshio(2009)によって報告された,これら諸変数と DTIとの相関係数である。なお Oshio(2009)では,自己愛傾向は総得点のみ示されていたが,Table 3には下位尺度との関連も示している。 DTI総得点は,あいまいさ非耐性(植村,2001),完全主義(Multidimensional Perfect-

ionism Cognition Inventory: MPCI; 小堀・丹野,2004),境界性人格傾向(ミロン臨床多軸目録 -II境界性スケール短縮版;井沢・大野・浅井・小此木,1995),自己愛傾向(NPI-S; 小塩,1999),他者軽視(仮想的有能感尺度:ACS―2; Hayamizu, Kino, Takagi, & Tan, 2004)との間に有意な正の相関を示した。その一方で,DTIと自尊感情(Rosenberg, 1965; 桜井,1997)とは,ほぼ無相関であった。これらは,理論的な関連と一致するものであると考えられる。 DTIの「二分法の選好」下位尺度については,完全主義のミスへのとらわれや境界性人格傾向と無相関という結果が得られている。ミスへのとらわれは,「ミスや失敗に対して自己批判する認知」と定義される完全主義の一側面であり,抑うつの自動思考との間にも高い正の相関が示されている(小堀・丹野,2004)など,やや不適応な意味合いをもつ。「二分法の選好」下位尺度は自己愛傾向の 3つの下位尺度いずれとも正の相関を示すことなどからも,この得点が高い者は自分自身を認識するときに,あまりネガティブに考えない傾向があ

Page 6: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(6)

50 人文学部研究論集(第23号)

るのではないかと考えられる。ただし,自尊感情と無相関であることからも,その認識は必ずしも適応的なものではない可能性が示唆される。 「二分法的信念」下位尺度は,Table 3で示した指標との間に,あまり多くの関連を示していなかった。その中でも特徴的な結果は,二分法の選好下位尺度が関連を示していない完全主義の「ミスへのとらわれ」下位尺度や境界性人格傾向と正の相関を示したこと,そして他者軽視との間に正の相関を示したことである。これらの結果から,二分法的思考は他者に対する否定的な評価や自己批判などといった面において,やや不適応的な要素に関連することが示唆される。 「損得思考」下位尺度と他の指標との関連で特徴的であったのは,完全主義の 3つの下位尺度いずれとも正の関連を示したことと,自己愛傾向の下位尺度のなかで特に「注目・賞賛欲求」と正の関連を示したことである。「損得思考」はあいまいさへの非耐性とももっとも高い正の相関を示す傾向にあったことから,DTIの下位尺度のなかではもっともあいまいさを排除し,完全性を求める志向性をもつと考えられる。ただしその背後には,単に完全を求めるだけではなく,「自分にとって損か得か」という自己中心的な理由がある。そのことが,自己愛傾向との関連にも現れているのかもしれない。

自己・友人評定との関連

 Oshio(2009)ではさらに,いくつかの項目を自己評定させるとともに,調査対象者の同性の友人にも評定させることで,自己評定と友人評定によるイメージと DTIとの関連も検討している。用いた質問項目は,「あいまいな」「はっきりした」「好き嫌いのある」「単純明

Table 3 DTI と諸変数との関連(Oshio, 2009を改変し,自己愛傾向の下位尺度との関連を追加)

DTI 調査対象者全体 二分法の選好 二分法的信念 損得思考

あいまいさ非耐性 .43*** .36*** .23** .46*** 166完全主義 高目標設置 .21*** .27*** .04 .18*** 384 完全性追求 .35*** .29*** .20*** .32*** 384 ミスへのとらわれ .20*** .03 .17** .24*** 384境界性人格傾向 .14** .04 .17** .13* 352自己愛傾向 .27*** .34*** .06 .21*** 294 優越感・有能感 .14* .24*** .01 .08 294 注目・賞賛欲求 .30*** .30*** .10 .27*** 294 自己主張性 .21*** .29*** .04 .15* 294他者軽視 .27*** .20* .34*** .09 166自尊感情 .03 .06 .03 -.03 166

* p<.05, **p<.01, ***p<.001

Page 7: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(7)

51二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventory)の特徴

快な」「断言する」という 5つであった。これらはいずれも,二分法的思考に関連する形容詞であると考えられた。そして,自己評定・友人評定ともに,どの程度自分および対象者に当てはまるかを 7段階で回答させた。 この結果は Table 4に示す通りであった。全体として相関係数は高い値であるとは言えなかったが,DTI全体と自己評定との間には,理論どおりの関連が見られた。DTIと友人評定との関連は,あまり明確なものではなかったが,特に DTIの高い者は友人から「単純明快」で「はっきりしている」と認識される傾向のあることが示された。このことは,DTIの高さが意味する二分法的思考が,実際の対人関係のなかでもある程度観察可能な行動として現れることを意味している。

日常生活で重視する事柄との関連

目的

 ここからは,以上のような検討が行われてきた DTIについて,新たな知見を示す。これまでの検討によって,DTIは二分法的な思考態度や二分法的な世の中の見方を測定する尺度として,ある程度の信頼性と妥当性を有していることが示されてきた。 ここでは,二分法的な思考を行う者が日常生活のなかでどのような事柄を重要だと認識しているかに注目し,探索的に検討する。このような検討を行うことによって,DTIによって測定される二分法的思考が関連する生活領域を明らかにする。DTIは境界性人格傾向や自己

Table 4 自己評定・友人評定と DTI との関連(Oshio, 2009 を改変)

DTI

全体 二分法の選好 二分法的信念 損得思考

自己評定 (N=352)1.あいまいな -.14** -.24*** -.05 -.022.はっきりした .26*** .34*** .11* .14*

3.好き嫌いのある .21*** .20*** .11* .18**

4.単純明快な .21*** .19*** .08 .21***

5.断言する .30*** .34*** .14** .20***

友人評定 (N=121)1.あいまいな -.10 -.08 -.06 -.092.はっきりした .19* .26** .05 .143.好き嫌いのある .06 .08 .06 .004.単純明快な .30** .24** .18* 28**

5.断言する .15 .19* .03 .11* p<.05, ** p<.01, *** p<.001

Page 8: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(8)

52 人文学部研究論集(第23号)

愛傾向など,病理的な徴候にも関連することが明らかにされている。日常的な場面において二分法的思考者の特徴がどこに見られるかを検討することは,二分法的な思考に基づいた問題がどの領域で出現しやすいかを推定するためにも重要であると考えられる。 なお,本研究では DTIとの比較を行う指標として,自尊感情を取り上げる。先に示したように,DTIと自尊感情とは無相関であることが報告されている。自尊感情は自己に対する全体的な評価を意味し,精神的健康の指標としても用いられることが多い。自尊感情を用いることで,日常生活において重要視する事柄のなかで,比較的精神的健康に結びつきやすい要素を探ることができると考えられる。

方法

 調査対象者 大学生 176名(男性 111名,女性 65名)に対して,講義時間を利用して調査を行った。平均年齢は 19.7(SD=1.6)歳であった。 調査内容 (1)DTI:Oshio(2009)によって作成された DTIを使用した。「全く当てはまらない」から「非常によく当てはまる」までの 6件法で測定された。(2)自尊感情:桜井(1997)による Rosenberg(1965)の日本語版を使用した。「全く当てはまらない」から「とてもよく当てはまる」までの 5件法で測定した。(3)日常生活で重視する事柄:大学生が日常生活のなかで何を重視しているかを測定するために,25項目からなる質問項目群を作成した。項目は,大学 4年生 1名と筆者が話し合いを行い決定された。それぞれの事柄がどれくらい回答者にとって重要だと思うかを,「全く重要ではない」から「とても重要である」までの 5件法で測定した。項目内容は Table 5に示す通りである。

結果

 DTIと自尊感情,そして大学生が日常生活で重要視する事柄との関連を Table 5に示す。DTIと自尊感情との間には,有意な関連が見られなかった。このことは,Oshio(2009)で見出された結果と同じである。本研究は Oshio(2009)と異なる調査対象者を用いていることから,別の調査対象者においても二分法的思考と自尊感情との間に有意な関連が見られないことが再現されたことになる。 DTIは,日常生活で重要視するいくつかの事柄と有意な関連を示していた。第 1に,DTI

のいずれの得点も「携帯電話」を重視する傾向と正の関連を示していた。第 2に,DTIの「二分法の選好」下位尺度は,「友人との会話」「友人」「恋人」といった対人関係や,「音楽」「服装・おしゃれ」「携帯音楽プレイヤー」「映画」「お菓子」「食事」など,友人との会話で取り上げられそうな事柄と正の関連を示していた。第 3に,DTIの「二分法的信念」下位尺度は,「お酒」「占い」と正の,「本・雑誌」「経済情勢」「環境問題」「日本の政治」といった事柄と

Page 9: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(9)

53二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventory)の特徴

負の関連を示す傾向にあった。第 4に,DTIの「損得思考」下位尺度は,「インターネット」「パソコン」「本・雑誌」と正の関連,「占い」と負の関連を示す傾向が見られた。第 5に,「二分法の選好」と「損得思考」は「睡眠」と正の関連をしていた。 その一方で自尊感情については,「経済情勢」「勉強」「世界の政治」「環境問題」といった知識に関連する事柄,「服装・おしゃれ」「占い」「映画」といった流行に関する事柄,そして「友人」「恋人」「インターネット」「友人との会話」といった対人関係に関する事柄との間に正の関連が見られた。自尊感情が適応的な指標であることを考慮すると,日常生活においてこれらの事柄を重視することは,比較的適応的な大学生において見られると考えられ

Table 5 DTI,自尊感情,日常生活で重要視する事柄との関連

DTI

全体 二分法の選好 二分法的信念 損得思考 自尊感情 M SD

全体 ― .84 *** .76 *** .74 *** -.11 3.62 0.74二分法の選好 ― .44 *** .58 *** -.05 3.66 0.89二分法的信念 ― .24 ** -.09 2.90 1.09損得思考 ― -.10 4.29 0.89自尊感情 ― 2.77 0.64携帯電話 .33 *** .41 *** .18 * .21 ** .05 3.82 1.16友人との会話 .12 .24 ** -.03 .11 .15 * 4.33 0.80友人 .13 † .23 ** -.03 .14 † .19 * 4.47 0.85音楽 .15 * .22 ** .07 .07 .04 4.41 0.90服装・おしゃれ .17 * .21 ** .14 † .05 .23 ** 3.79 1.13お菓子 .18 * .20 ** .14 † .07 .06 3.20 1.27携帯音楽プレイヤー .16 * .20 ** .14 † .03 .08 3.57 1.34恋人 .07 .18 * -.02 .02 .18 * 3.99 1.16睡眠 .10 .18 * -.10 .19 * .06 4.59 0.74映画 .17 * .18 * .18 * .03 .15 * 3.55 1.11アルバイト .08 .15 * .03 -.01 -.04 3.81 1.03食事 .05 .13 † -.06 .07 .11 4.31 0.89

お酒 .09 -.05 .22 ** .01 -.03 2.70 1.47占い .01 -.03 .16 * -.16 * .17 * 2.07 1.11ゲーム .06 -.11 .14 † .10 .12 3.43 1.25環境問題 -.09 .02 -.13 † -.10 .16 * 3.58 1.08日本の政治 -.12 -.09 -.14 † -.04 .12 3.20 1.18本・雑誌 .03 .10 -.15 * .16 * -.01 4.26 0.82経済情勢 -.05 .01 -.17 * .07 .25 ** 3.26 1.16インターネット .13 † .10 .02 .21 ** .17 * 4.06 1.02パソコン .03 .00 -.04 .13 † .13 † 3.81 1.12テレビ番組 .13 † .12 .07 .12 .13 3.23 1.27勉強 -.09 -.07 -.11 -.02 .21 ** 3.54 0.99世界の政治 -.08 -.05 -.08 -.05 .21 ** 3.04 1.22旅行 -.04 -.03 -.01 -.07 .10 3.30 1.19† p<.10, * p< .05, ** p< .01, *** p< .001

Page 10: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(10)

54 人文学部研究論集(第23号)

る。

考察

 これらの関連から,DTIの 3つの下位尺度の特徴について,次のようなことが示唆される。まず,「二分法の選好」下位尺度は,日常生活のなかで対人関係を重要視することに関連しているようである。先に見たように,この下位尺度は完全主義の比較的適応的な側面や,自己愛傾向の 3つの下位尺度との間に正の相関を示している。物事を二分法的に捉えたほうがうまくいくという信念は,自尊感情のような健康な自己評価との関連は見られないものの,何らかの適応的な要素に結びつく可能性があるのかもしれない。またこれまでの研究から,自己愛傾向は積極的な対人関係や広い友人関係に関連することが示されている(小塩,1998,1999,2000)。さらに,この下位尺度は服装やおしゃれ,音楽,映画など,装いや流行を重要視する傾向も見られた。これらは自己顕示的な志向性や自己愛的な特徴にも関連すると言えるかもしれない。以上のことからこの下位尺度は,自己愛との間に何らかの共通要素を有することが示唆される。 「二分法的信念」下位尺度は,本や雑誌,経済や環境,政治といった複雑な情報や営みをあまり重要視しないことに関連するようである。その一方で,「占い」のように,即断的な情報を求める傾向に関連することも示唆される。「お酒」との正の関連も,複雑な状況からの逃避傾向がそこに介在しているのかもしれない。またもしかすると,「映画」との関連についても,そこに描かれる単純化されたストーリーを好む傾向との関連が見られるのかもしれない。ただしこれらの点については推測の域を出ないため,今後の検討が必要である。 「損得思考」下位尺度は,インターネットや本,雑誌を重要視する傾向に関連していた。これは,さまざまな情報源から自分自身の利益になる情報を手にいれる活動に関連しているためだと考えられる。その一方で,「二分法的信念」下位尺度とは逆に,占いとは負の関連を示した。これは,自分の利益になる情報を確固たる情報源から入手しようとする志向性の反映であると考えられる。 これら 3つの下位尺度はいずれも,携帯電話を重要視する傾向に関連していた。しかし,他の項目との関連を見ると,その理由は同一ではないように思われる。「二分法の選好」の高い者は対人関係上のコミュニケーションのツールとして携帯電話を重要視し,「二分法的信念」が高い者はシンプルな情報のやり取りを求めるツールとして携帯電話が機能し,そして「損得思考」が高い者は役に立つ情報源をインターネットから引きだすためのツールのひとつとして携帯電話を使用するのではないだろうか。また「二分法の選好」と「損得思考」はともに「睡眠」を重要視する傾向に関連していた。このことは,二分法的思考と生活習慣と何らかの関連をもつことを示唆する。これらの関連についても,今後のさらなる検討が必要である。

Page 11: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(11)

55二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventory)の特徴

最後に

 本論文では,二分法的思考尺度(DTI)の特徴について検討してきた。DTIはあいまいさの非耐性や完全主義と関連するのみならず,人格障害傾向や他者軽視といったネガティブな特性にも関連していた。また友人評定においても関連が認められるなど,実際の言動にも二分法的な思考が反映する可能性が示唆された。さらに,DTIの高い者が日常生活においていくつかの事柄を重要視している可能性が示された。 これらの知見は,今後の研究において二分法的思考の個人差を検討していく上で,重要な指針を与えるものであると考えられる。特に,日常生活における多くの事柄と関連が見られたということは,この尺度の応用可能性が広いことを意味している。二分法的な思考はメリットとデメリットがともに存在しうる思考態度であると考えられるが,その詳細な特徴はまだ明らかにされていない。本研究の結果から得られた示唆を中心として,今後もさらに検討を重ねていく必要がある。

引用文献

Beck, A. T., Freeman, A., & Associates (1990). Cognitive Therapy of Personality Disorders. New York: The

Guilford Press.

Budner, S. (1962). Intolerance of ambiguity as a personality variable. Journal of Personality, 30, 29―50.

Byrne, S. M., Cooper, Z., & Fairburn, C. G. (2004). Psychological predictors of weight regain in obesity.

Behaviour Research and Therapy, 42, 1341―1356.

チャールズ,J. R. 高橋健次(訳)(2006).最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか 草思社Dugas, M. J., Freeston, M. H., & Ladouceur, R. (1997). Intolerance of uncertainty and problem orientation in

worry. Cognitive Therapy and Research, 21, 593―606.

Dugas, M. J., Gosselin, P., & Ladouceur, R. (2001). Intolerance of uncertainty and worry: Investigating specificity

in a nonclinical sample. Cognitive Therapy and Research, 25, 551―558.

ガレノス 内山勝利・木原志乃(訳)(2005).ヒッポクラテスとプラトンの学説 1 京都大学学術出版会Grenier, S., Barrette, A. M., & Ladouceur, R. (2005). Intolerance of uncertainty and intolerance of ambiguity:

Similarities and differences. Personality and Individual Differences, 39, 593―600.

速水敏彦(2006).他人を見下す若者たち 講談社Hayamizu, T., Kino, K., Takagi, K., & Tan, E. (2004). Assumed-competence based on undervaluing others as a

determinant of emotions: Focusing on anger and sadness. Asia Pacific Education Review, 5, 127―135.

井沢功一朗・大野 裕・浅井昌弘・小此木啓吾(1995).ミロン臨床多軸目録 -II 境界性スケール短縮版の構成とその妥当性・信頼性の検証 季刊 精神科診断学,6,473―483.

Jung, C. G. (1976/1921). Psychological Types. Princeton, NJ: Princeton University Press.

小堀 修・丹野義彦(2004).完全主義の認知を多次元で測定する尺度作成の試み パーソナリティ研究,

Page 12: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(12)

56 人文学部研究論集(第23号)

13,34―43.

Kretschmer, E. (1921). Körperbau und Charakter: Untersuchungen zum Konstitutionsproblem und zur Lehre

von den Temperamenten. Berlin: Springer.(クレッチマー,E. 斎藤良象(訳)(1944).体格と性格 肇書房)

三中信宏(2009).分類思考の世界―なぜヒトは万物を「種」に分けるのか 講談社森 達也(2006).世界が完全に思考停止する前に 角川書店二宮陸雄(1993).ガレノス 霊魂の解剖学 平河出版社小塩真司(1998).青年の自己愛傾向と自尊感情,友人関係のあり方との関連 教育心理学研究,46,

280―290.小塩真司(1999).高校生における自己愛傾向と友人関係のあり方との関連 性格心理学研究,8,1―11.

小塩真司(2000).青年の自己愛傾向と異性関係―異性に対する態度,恋愛関係,恋愛経験に着目して― 名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要(心理発達科学),47,103―116.

Oshio, A. (2008). The development and validation of Dichotomous Thinking Scale. Poster presented at the XXIX

International Congress of Psychology, Berlin, Germany.

小塩真司(2008).二分法的思考尺度の作成 日本パーソナリティ心理学会第 17回大会発表論文集,166―167.

Oshio, A. (2009). Development and Validation of the Dichotomous Thinking Inventory. Social Behavior and

Personality: An International Journal, 37, 729―742.

Rosenberg, M. (1965). Society and the adolescent self-image. Princeton: Princeton University Press.

坂本賢三(2006).「分ける」こと「わかる」こと 講談社桜井茂男(1997).現代に生きる若者たちの心理 風間書房芹沢一也(2009).暴走するセキュリティ 洋泉社Sheldon, W. H. & Stevens, S. S. (1942). The Varieties of Temperament: A Psychology of Constitutional

Difference. New York: Harper & Brothers.

Srull, T. K. & Wyer, R. S., Jr. (1986). The role of chronic and temporary goals in social information processes. In

R. M. Sorrentino & T. Higgins (Eds.) Handbook of motivation and cognition: Foundations of social behavior.

New York: Gulford Press. Pp. 503―549.

植村善太郎(2001).あいまいさへの耐性と集団同一性が新入成員への寛容的反応に及ぼす効果 性格心理学研究,10,27―34.

渡辺将人(2008).見えないアメリカ―保守とリベラルのあいだ― 講談社

Page 13: 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking …akimoto/zemi/ronbun2011/102.pdf外胚葉型(Sheldon, 1942),ユングの外向型―内向型(Jung, 1976/1921)など,初期の心理

(13)

57二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventory)の特徴

Appendix DTIの項目内容と採点方法○ 次の文章は,今のあなたの考えにどれくらい当てはまっていますか。それぞれの項目について,「1.全く当てはまらない」から「6.非常によく当てはまる」までのいずれかの数字に○をつけてください。

1.全く当てはまらない, 2.当てはまらない, 3.あまり当てはまらない4.やや当てはまる, 5.当てはまる  6.非常によく当てはまる

1.何事も好き嫌いをはっきりしたほうがうまくいく……… 1  2  3  4  5  6

2.世の中には「成功者」と「失敗者」しか存在しない…… 1  2  3  4  5  6

3.何が安全で何が危険なのかをはっきりさせたい………… 1  2  3  4  5  6

4.あいまいなことも白黒はっきりさせるとうまくいく…… 1  2  3  4  5  6

5.全ての人は「勝ち組」と「負け組」に分かれると思う 1  2  3  4  5  6

6.情報がウソか本当かをはっきりさせるべきだ…………… 1  2  3  4  5  6

7.「どちらでもない」というあいまいな態度は嫌いだ …… 1  2  3  4  5  6

8.人間は「善人」と「悪人」にはっきりと分けることができる…………………………………………………………… 1  2  3  4  5  6

9.自分にとって得なのか損なのかをはっきりさせたい…… 1  2  3  4  5  6

10.ものごとが「良いこと」か「悪いこと」かを明確にしたい…………………………………………………………… 1  2  3  4  5  6

11.すべての問題には「正解」と「不正解」が存在するものだ…………………………………………………………… 1  2  3  4  5  6

12.自分の役に立つ情報と役に立たない情報をはっきりさせたい…………………………………………………………… 1  2  3  4  5  6

13.何事も境界線をはっきりさせるとすっきりする………… 1  2  3  4  5  6

14.すべての人は私の「敵」か「味方」のどちらかだと思う 1  2  3  4  5  6

15.勝負は白黒はっきりと決着をつけるのがよい…………… 1  2  3  4  5  6

採点方法: DTI総得点=15項目の合計得点/二分法の選好=項目番号 1,4,7,10,13/二分法的信念=項目番号 2,5,8,11,14/損得思考=項目番号 3,6,9,12,15

(2009年 10月 24日 受理)