地理情報技術の入門教育のための...
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地理情報技術の入門教育のための 教育支援ツール “gi%ok”
太田守重 国際航業株式会社 フェロー 公開シンポジウム「空間的指向の能力開発」, 東京大学本郷キャンパス14号館 2014年3月29日
これまでの経験
地理情報の国際標準及び国内標準の検討と策定
ISO/TC 211, OGC,国内委員会,JIS標準検討委員会
1994年から
科研基盤A「地理情報科学標準カリキュラム・コンテンツの持続協働
型ウェブライブラリーの開発研究 」
代表者:岡部篤行 期間:2005-‐2007
情報系カリキュラム班 → 地理情報技術(GIT) BoKの提案
東京大学工学部「算法通論」の講義担当
実際には地理情報標準を背景とする地理情報技術の講義
期間:2008後期-‐2010後期
開発の動機
1. 特徴
2. 機能
3. 今後
社会の中で,地理情報の利用シーンが増加
政府のオープンデータ政策により,行政データの公開が進展
しかし,GIS&Tの研究成果が社会で充分活用できているか疑問
その理由の一つに,初学者用に開発された教育ツールの欠如
そこで,教育支援のソフトウェアツール “gi@ok” を開発
ここでは,
幸い,科研基盤A「地理情報科学標準カリキュラムに基づく地理
空間的思考の教育方法・教材開発研究」プロジェクトに参加
“gi%ok”の特徴
n 地理情報技術の知識体系 (GIT BoK) 全体を俯瞰
n 地理情報標準の背景にあるアイデアを学べる
n All-‐in-‐oneのソフト,テキストそして,講義用スライドのセット
技法を成立させる知識を学ぶ “gi@ok”の使い方を覚えて役立てる
地理情報技術
社会
技法
方法
地理情報科学 地理情報技術
開発
利用
期待 期待
発見
適用
利用
利用
地理情報科学は「空間データを系統
的に構築し,管理し,分析し,総合し,
伝達する汎用的・方法論,およびその
汎用的方法を適用する方法・方法論
を研究する学問である(岡部,2006)
gi@okでは, 地理情報技術 (GIT) は実世
界の現象を観察し,概念化
してモデルを作成し,それに
従ってデータを取得,管理,
解析,交換し,情報として表
現する技法
地理情報標準のアイデア
1. データ仕様の共通理解:一般地物モデルに従って応用スキーマをモデリ
ングすることによって,共通理解が可能になる.
2. データ構成の自由度向上:応用スキーマに従ってデータを取得,編集す
ることによって,より自由にオブジェクト指向のデータ構成が実現できる.
3. データの検索性能向上:メタデータの標準化によって,管理されるデータ
の検索性能が向上する.
4. データの多目的活用:管理機能と解析機能のインタフェースを標準化する
ことによって,データの利用範囲が広がる.
5. データ交換の自動化:形式言語(XML)で仕様やデータを交換することに
よって,データ交換が自動化できる.
6. 情報表現の多様化:データと表現を分離することで,同じデータで,異なる
情報表現が可能になる.
青字の言葉:GITの知識領域
属性1,属性2,・・・
データ構成の自由度向上
Map
属性1,属性2,・・・ 属性1,属性2,・・・
地図上の図形 (feature) に 属性が付属する
従来のデータ構成
地理情報標準のアイデア
地物 (feature) は空間,時間,場所,主題等の属性をもつ
地物
空間 時間 場所 主題
住所 URL ・・・
名前 質 量 ・・・
地図に縛られないデータ構成なので, 様々な情報表現(地図,音声案内,動画, AR,VR, ・・・)がしやすい. しかし,このアイデアを実現するGI-‐Systemはほとんどない
“gi%ok”の構成 学習の観点から見た構成
操作画面(ページ) 操作説明(テキスト) 講義用スライド
学習の順序
講義
自習
演習
講義用スライド
テキスト
ソフトウェア
gittok 序論
空間的思考とモデリング
モデルの形式化
一般地物モデルと応用スキーマ
XML入門
インスタンスの表現
単純データ型と主題属性
空間スキーマと空間属性
時間スキーマと時間属性
参照系と場所属性
空間解析
地図表現
空間データの流通と共用
タイトルページ 機能(知識領域) • モデリング • データ取得 • 管理 • 解析 • 交換, and • 地図表現.
アイコンを押すと,
各知識領域の
操作画面が表示される.
今後の展開
n 教育の先行的な実践
n テキスト,スライドの英訳
n 普及,啓発,改良
実習しましょう!
実習の準備
教材のダウンロード
wwwc.dcns.ne.jp/~morishigeota/gi@ok/ gi@ok ロゴマークをクリック
gi@okのインストール
Adobe Air が必要 ない場合は,get.adobe.com/jp/air/ からダウンロード そして,gi@ok のアイコンをクリック
Hello gi%ok!
レストランの案内サービスを考えている. このサービスをするために,レストランは 名前,紹介文,形状,中心,面積 で説明して欲しい. 名前,紹介文,形状は調査・編集 中心位置と面積は形状を示す面から計算で求める.
レストラン 名前:文字列 紹介文:メモ 形状:面 /中心:点 /面積:実数 centerOfSurface(形状):中心 getArea(形状):面積
1.ユーザ要求
2.データ取得法の検討
3.応用スキーマ (データ仕様)
の定義
実習の手順
1.応用スキーマ(データ仕様)の確認
2.レストランデータ(地物インスタンス)の作成
形状:幾何属性
名前,紹介文:主題属性
3.中心と面積を求める(空間解析)
4.地図作成
Good luck!