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「日用品メーカーから総合ヘルスケア企業へ」 花王株式会社 エグゼクティブ・フェロー 安川拓次 第5回しがウェルネスファーム 健康支援サービス創出セミナー 平成29年9月14日 コラボしが21 3階大会議室

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「日用品メーカーから総合ヘルスケア企業へ」

花王株式会社 エグゼクティブ・フェロー

安川拓次

第5回しがウェルネスファーム

健康支援サービス創出セミナー

平成29年9月14日 コラボしが21 3階大会議室

1.花王の概要 2.健康経営、元気プロジェクト 3.弘前大学COIとの取り組み

花王の概要

本 社

2016年12月31日現在

商号 花王株式会社(Kao Corporation)

本店所在地 東京都中央区日本橋茅場町

一丁目14番10号

創業 1887年6月(明治20年)

設立 1940年5月(昭和15年)

売上高 1兆4,576億円(連結)

資本金 854億円

従業員数 7,195名(連結対象会社合計 33,195名)

ケミカル

2,738億円 16.3%

ビューティケア事業 化粧品 スキンケア製品 ヘアケア製品

ヒューマンヘルスケア事業 フード&ビバレッジ製品 サニタリー製品 パーソナルヘルス製品

※ グラフは、外部顧客に対する売上高を表示しています。

ケミカル事業 油脂製品 機能材料製品 スペシャルティケミカルズ製品

ファブリック&ホームケア事業 ファブリックケア製品 ホームケア製品

連結売上高 14,576億円

コンシューマープロダクツ

12,199億円 83.7%

2,738億円

16.3%

6,016億円

41.3%

2,731億円

18.7%

3,452億円

23.7%

セグメント別の連結売上高(2016年12月期)

2008年 6月

お客様に心からご満足いただけ、

お客様と感動を共にできるような

“よきモノづくり”を目指して。

1.社会的有用性の原則

2.創造性の原則

3.パフォーマンス・バイコストの原則

4.調査徹底の原則

5.流通適合性の原則

“真に社会にとって有用な商品であること”

“創造的技術・技能が盛り込まれていること”

“コストパフォーマンスで他社商品より優れていること”

“徹底した消費者調査に耐えたものであること”

“流通過程で情報伝達力があること”

花王 商品開発5原則 (1970)

花王の原点

およそ120年前に誕生しました。

1890年発売の「花王石鹸」(桐箱3個入り)と月のマークの金型。

7

花王グループの“よきモノづくり”

1890 1930 1950 1970 1990 2010

1890

1932 1951

1970

1978

1980

1982

1983 1983

1987

1994

2003

2009

2011

花王石鹸

花王シャンプー

ロリエ

ワンダフル

メリット ビオレ洗顔フォーム

メリーズ

ソフィーナ

バブ

アタック

クイックルワイパー

ヘルシア

アタックNeo

アタックNeo 抗菌EX

暮らしを変えた商品

ヘルスケア事業を支える研究開発活動

2015 2010 2005 2000 1995 1990

生物科学 研究所(栃木)

食品研究所(鹿島) ヘルスケア食品研究所 (東京・亀戸)

呼気分析

●肥満研究

●血管内皮研究

●脂肪代謝燃焼研究 ●ヒトエネルギー代謝研究

代謝研究

●栄養代謝研究

内臓脂肪

研究

調理研究

生活研究

●内臓脂肪計の開発

●機能性油脂による内臓脂肪低減効果

●医療機器取得

●調理特性研究

●調味研究

●暮らしと内臓脂肪 関連性研究

●職域と内臓脂肪関連性研究

●食生活研究 ●生活者研究センター開設

「食」と「暮らし」と「内臓脂肪」の関連性研究

「機能性食品と内臓脂肪」の研究

「内臓脂肪の測定方法」の研究

「脂質代謝」 「肥満」 「血管機能」などの代謝研究

●ロコモ・運動ユニット研究

●歩行研究

メタボリックチャンバー

●植物ポリフェノールの 内臓脂肪低減効果

●食事誘導性ホルモン と内臓脂肪

1970年代

ヘルスケアコミッティ社 予防医学研究所(東京・本郷)

1985

花王グループ健康宣言

5つの取り組み

花王グループでは、会社として最低限行うべき「健康管理」のみならず、社員が自ら健康を維持増進することを「健康づくり」とよび、以下の5つの取り組みを中心に実施していきます。

9

私たちは、日々いきいきと健康づくりに取り組み すこやかで心豊かな生活の実現をはかるとともに 元気で活力ある職場を通し お客様とともに感動する会社を目指します。

1.生活習慣病への取り組み

5.女性の健康への取り組み

2.メンタルヘルスへの取り組み

3.禁煙への取り組み

4.がんへの取り組み

生活習慣病は、健康的な生活習慣を続けることによって、予防することが可能です。あなたが、今の生活習慣を少しずつより良い方向に向けていくための支援を行っていきます。

こころの健康は早期発見・早期治療が大切です。 あなたの気づきを促し、早期対応を実施していきます。

「禁煙しやすい環境づくり」、「禁煙を始めた人への支援」の 2つを支援策の柱として行っていきます。

がんは最大の死亡原因です。花王グループでは、罹患率・死亡率が高く、早期発見・早期治療が有効ながんに対するがん検診の受診を促進していきます。

女性の皆さんがいつまでもはつらつと輝いて過ごせるように、 女性の健康を守る取り組みを実施していきます。

10

・問診に答える ・健診を受ける

・健康アドバイスを受け ・健康目標を立てる

・健康目標に取り組む (食事・運動・禁煙・飲酒など)

・生活習慣改善の成果を実感する

職場

産業保健スタッフ

計画する 行う

知る 実感する

会社 健保 連携

大切にしているのは「健康づくりサイクル」 本人は自ら考え、健康目標を立て、健康づくりに主体的に取り組みます その取り組みを、会社や健保は、積極的に支援します

健康づくりサイクル

健康経営銘柄2017選定(3年連続)

社員と家族の健康維持

=GENKI Project=

K20推進プロジェクト 自ら変わり、そして変化を先導する企業へ

◆生活習慣(内臓脂肪) 測定会 内臓脂肪の見える化

◆ヘルシア ウォーキングCPなど 飲む健康習慣

◆QUPiO 健康づくりプラットフォーム

◆花王健康ごはん 内臓脂肪がたまりにくい食事

GENKI Project メタボ・ロコモ予防

GENKIな 社員・家族

◆歩行測定会 &ホコタッチ 歩く習慣の定着 ◆リファイン

しなやかに動く

花王の技術・知見を結集し、よりGENKIな社員と家族を育成

地域の健康づくりへのアプローチ

北海道

青森

秋田 岩手

山形 宮城

新潟

福島 群馬 栃木

茨城 埼玉

山梨 東京 千葉

長野

岐阜

富山

石川

神奈川 静岡 愛知

滋賀

福井

大阪

京都

兵庫 岡山

鳥取

広島

島根 山口

徳島

香川

高知

愛媛

三重

奈良

和歌山

沖縄

大分

福岡

熊本

佐賀 長崎

宮崎

鹿児島

青森県、弘前大COI、 イオン、サクラヰ、東奥日報・・・ ・県と「健やか力向上企業」協定

・イオン、サクラヰ薬局で 「内臓脂肪みえる化」

・弘前大と県内企業に「スマート和食」弁当提供→健康改善

短命県 返上

山形県、東北農政局、イオン・・ ・健康作り分野で県と連携協定

・県健康行事で内臓脂肪測定

・イオンで「内臓脂肪みえる化」

石川県、イオン

静岡県、静岡県大、農水省、健診機関、ABCクッキング・・・ ・内臓脂肪を測って減らす健診

・「スマート和食」調理教室

・県民イベントで内臓脂肪測定

健康寿命

1位奪還

愛知県、

あいち健康の森 ・県民イベントで

内臓脂肪測定

山口県、丸久・・・ ・県の行事で内臓脂肪啓発 ⇒ 丸久等の店舗でフォロー測定

大分県、協会けんぽ、

イオン、大分合同新聞・・ ・「健康寿命日本一応援企業」

・中小企業の健康づくりを県から 受託(3年間)

・イオンで 「内臓脂肪みえる化」

健康寿命下位

から日本一へ

宮崎県、 イオン ・健康長寿社会づくりに向けた 連携協定

・「内臓脂肪 みえる化」

2015年 2自治体 2017年 20自治体目標

脱・肥満県

札幌市、

苫小牧市、

イオン、コープ ・「内臓脂肪みえる化」イベント

・健診受診促進キャンペーン

千葉県、健康都市連合、 イオン ・イオンで「肥満症予防デー」と 「ロコモ啓発」 イベント

急速な

高齢化対策

福島県 ・県内の内臓脂肪蓄積状況の調査

・県民アプリの普及協力

震災後の

メタボ化対策

青森県「脱短命」プロジェクト

新たな予防医学の 可能性を切り拓く、 プロジェクトに期待。

「短命県返上」をモチーフ とし、健康みらい予測と 最適予防で“ソーシャル イノベーション”を起こす。

(医師会)

<弘前COI>

青森県 長野県 沖縄県

男性 女性 男性 女性 男性 女性

喫煙率(平成25年) 47 46 8 18 9 23

多量飲酒者率(平成13年) 47 40 5 15 46 42

食塩摂取量(平成19年) 44 37 31 35 1 1

肥満者率(平成16年) 44 46 11 9 47 47

胃がん検診受診率(平成25年) 27 17 7 12 28 13

健診受診率(平成25年) 37 32 5 5 42 25

スポーツする人の割合(平成23年) 47 47 14 8 13 25

保健師数(人口当り)(平成24年) 25 1 20

医師数(人口当り)(平成24年) 42 31 22

県民所得(1人当り)(平成23年) 41 22 47

青森・長野・沖縄県の健康関連指標の比較

分野の垣根を越えた 多因子的解析を可能にする網羅的データ

【岩木プロジェクトデータ項目】

【遺伝学分野】

【健康科学分野】

(性別・血圧・体力・肥満 ・共生細菌・診療データ)

(労働環境・経済力・学歴)

(DNA)

生理・生化学データ

社会環境的データ

分子生物学的データ

1 ゲノム解析 2 フリーラジカル

医学部 各講座、他学部等の幅広い関与

【人文科学分野】

【社会科学分野】

個人生活活動データ

(就寝時間・会話の頻度・食事・趣味・ストレス)

プレゼンス アイデンティティ

1 体格・体組成 2 内臓脂肪 3 体力 4 栄養状態 5 歩行速度 6 巧緻性検査(ペグボード)7 重心動揺検査 8 歩行分析(アユミアイ) 9 筋力 10 骨密度・骨代謝 11 関節 12 頸椎MRI 13 肝・胆 14 内分泌 15 消化器系 16 呼吸器 17 心臓(心エコー) 18 脈管(動脈硬化)19 腎 20 視力・眼底検査写真 21 聴力検査 22 泌尿器 23 神経内科 (認知) 24 神経系 25 皮膚科診察 26 アレルギー 27 口腔衛生 28 腸内細菌 29 呼気ガス 30 微量元素 31 アミノ酸分析 32 脂肪酸分析 33 ペントシジン 34 ホモシステイン 35 アディポネクチン 36 レプチン 37 セロトニン 38 コルチゾール 39 PAI-1 40 フィブリノゲン 41 FDP 42 エクオール 43 メタボローム解析 44 免疫・炎症 45 酸化ストレス(ビタミン、カロテノイド、8-OHdG)

④ 1 職業・学歴:農家etc 職業別METs- 中卒・高卒・大卒 2 家族:同居人数、配偶者の有無 3 日常生活の状態等(会話、就業状況、年金受給状況、社会関連性、生活時間など)

1 転倒 2 睡眠 3 食事 4 口腔ケア状況 5 飲酒 6 喫煙 7 病歴・服薬 8 服用コンプライアンス 9 生殖、母子手帳 10 生活の質QOL:SF-36(身体機能、日常役割機能(身体・精神)、体の痛み、社会生活機能、全体的健康感、活力、心の健康) 11 PHCS:自覚的健康管理能力(ヘルスプロモーションを主眼とした健康関連習慣や健康関連行動の変容に関する評価指標) 12 ボディーイメージ 13 民間医療利用

弘前大学COI 岩木健康増進プロジェクトデータの全体像

※岩木ビッグデータではひとりの人間の分子生物学的データから社会環境的データまでをすべて関連づけた網羅的解析が可能

健診から日常生活までをつなぐ健康増進プラットフォームの構築

通勤 通学

余暇

起床 朝食

仕事 勉強

昼食

スーパー コンビニ

フィット ネス

職場 学校

GMS モール

ドラッグ ストア

保健 センター

ICT,IoT

自治体 保健センター

健診機関・ 人間ドック

医療機関

夕食

入浴

睡眠

つながっていないと 継続しない

日常生活の導線

「啓発型(新型)健診」 の開発、導入

職域(健康経営)をターゲットとした健康増進プラットフォームの構築

職域(健康経営)をターゲットとした健康増進プラットフォームの構築

通勤 通学

余暇

起床 朝食

仕事 勉強

昼食

スーパー コンビニ

フィット ネス

職場 学校

GMS モール

ドラッグ ストア

保健 センター

ICT,IoT

自治体 保健センター

健診機関・ 人間ドック

医療機関

夕食

入浴

睡眠

働き盛り世代の導線 (健康経営推進)

「啓発型(新型)健診」 の開発、導入

日常生活との橋渡しが重要

COI主導で、県、経済団体、地元企業、 保険者、マスメディアの参画がポイント! (県の取組や地域資源が生きるスキーム)

青森県下での内臓脂肪測定の実施

弘前市岩木地区での健康診断プロジェクト、イオンモール下田、青森ドラッグストアショー等の内臓脂肪測定会に、腹部インピーダンス法による内臓脂肪測定を導入。内臓脂肪蓄積と他の健康指標や生活要因との関係性を解析。

多地域横断研究(J-Value3) 岩木プロジェクト(2015)

(弘前市) イオンモール下田(2016)

(おいらせ町) 青森ドラッグストアショー(2016)

(青森市)

男性 8,531名 425名 199名 101名

平均内臓脂肪面積 83.1cm2 107.3cm2 109.8cm2 95.0cm2

女性 3,115名 676名 462名 260名

平均内臓脂肪面積 41.9cm2 68.1cm2 69.1cm2 60.6cm2

内臓脂肪面積が100cm2を超えた人の割合

11.4

24.1

37.1 42.3

49.4

30

43.2

58.3 53.2 63

22.2

39.1

54.2

48.5

79.5

7.7

39.1 42.9 42.9

52.2

1.3 1.6 4.1 5.9 12.9

2.9 9.7

16.5 14 22.3

2.3

9.7 18.3 16

23.4

2.3

18.2

10

13.7 17.6

男性 女性 多地域横断研究(J-Value3) 岩木プロジェクト(2015) イオンモール下田(2016) 青森ドラッグストアショー(2016)

0

20

40

60

80

100

(%)

0

20

40

60

80

100

20歳代まで 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代以上 20歳代まで 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代以上

J-VALUE3 : Japanese Study of Visceral Adiposity and Lifestyle Information—

Utilization and Evaluation(内臓脂肪に基づく健診・保健指導 研究プロジェクト 第三期)

スマート和食の社会実装

花王/栄研/青森銀行/マルマンCS/東北化学薬品/弘前大学

3ヶ月間 プログラム

初回・終了時 職場での内臓脂肪測定 健診・食事調査

平日昼食:スマート和食弁当

開始時 栄養教育

中間フォロー/月 内臓脂肪測定 食事アドバイス

気づき

理論

実践

確認

食事チェック/週 トレードマップ

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ご清聴ありがとうございました。

平成29年9月14日 コラボしが21 3階大会議室