なぜ自立支援型ケアマネジメントが できないのか · *訪問介護 :...

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20170412乃木坂スクール 竹内孝仁 1 2017 乃木坂スクール なぜ自立支援型ケアマネジメントが できないのか 74歳 女性(Aさん) 夏に肺炎にかかり3週間入院した。入院による 体力低下から家事困難になり、MSWの勧めで介 護保険を申請(要支援)。ケアマネジャーは、家 事援助を週2回、地域の配食サービス(毎日)を 計画した。 半年後の再認定で要介護2となり、外出は車い すを使うようになった。 【事例】

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20170412乃木坂スクール 竹内孝仁

1

2017 乃木坂スクール

なぜ自立支援型ケアマネジメントが

できないのか

74歳 女性(Aさん)

夏に肺炎にかかり3週間入院した。入院による

体力低下から家事困難になり、MSWの勧めで介

護保険を申請(要支援)。ケアマネジャーは、家

事援助を週2回、地域の配食サービス(毎日)を

計画した。

半年後の再認定で要介護2となり、外出は車い

すを使うようになった。

【事例】

20170412乃木坂スクール 竹内孝仁

2

自立支援型ケアマネジメントができない

理由1]そもそもケアマネジメントは何かを知らない

ケアマネジメントとは, 課題解決のプロセスである

Dean H. Hepworth (Direct Social Work Practice 9th)

理由2]欠けたものを補うという

福祉職の文化がしみついている

20170412乃木坂スクール 竹内孝仁

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理由3]自立支援を行わないと

どのような結果になるか

考えていない(知識がない)

(このままでは将来どうなる、という視点で利用者を見ていない)

Ⅰ.課題(ニーズ)

生活上に生じた「問題」=解決すべき「課題」(ニーズ)

〔高齢者〕

問題の核心は自立性の喪失(要介護化)

課題の核心は(ADL・IADLの)自立性回復

20170412乃木坂スクール 竹内孝仁

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〔自立〕

身体的

自立

社会的

自立

精神的

自立

障害児の課題 身体的・精神的・社会的自立(発達)

障害者 社会的・(精神的)自立

高齢者 身体的自立

〔家庭生活における課題(ニーズ)〕

利用者

介護者

同居家族

※課題(ニーズ)には8領域がある

〈地域〉

家族関係

ストレス

経済

家事

社会交流

介護負担

健康管理

ADL

20170412乃木坂スクール 竹内孝仁

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8領域 21ニーズ ニーズ有無 ニーズ(課題) 援助目標

健康管理

1 慢性疾患の管理(療養)

2 看護処置

3 ふだんの体調

4 歯と口腔

ADL・ 日常行動

5 自立・重度化予防

6 規則的生活

7 認知症症状の軽減

介護負担 8 動作別負担

9 時間帯別負担

家事

10 食事・食生活

11 掃除・整理

12 洗濯

13 生活管理全般

経済 14 収入

15 支出

家族関係 16 金銭管理

17 家族関係

社会交流 18 本人の社会交流

19 介護者の社会交流

ストレス 20 本人のストレス

21 介護者のストレス

〔DemandsとNeeds〕 要 望

*要望指向型サービスは課題(ニーズ)解決型にならない

*それどころか時間と共に事態はますます悪くなる

*さらに問題なのは、要望しないことにはサービスが提供されない

悩み・不満

問題 =課題 ←解決すべきはこちら

=要望

20170412乃木坂スクール 竹内孝仁

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〔もう1つのニーズ,普遍的ニーズ〕

手段的ニーズ

普遍的ニーズ

生活上の便宜的ニーズ 8領域21ニーズ

価値観・人生観・生活態度 援助の段階でニーズと

して浮かび上がる “デイサービスなんか

行けるか!”

Ⅱ.アセスメント

〔アセスメントの誤解〕情報を集めればアセスメント

*アセスメントには目的がある

*目的とは「正常との差」を見つけ出すことである

問題・課題

*同時に援助の具体的内容を明らかにする

20170412乃木坂スクール 竹内孝仁

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例1 健康管理のうちの「慢性疾患の管理」

[アセスメントの目的]その病気がいい状態にあるか

必要な情報:1.病状はどうか(医療情報)

2.通院は規則的か

3.正しく服薬されているか

4.生活指導は守られているか

例2 ADL・IADL

必要な情報:1.ADL(IADL)各項目について

自立、一部介助、全介助

2.要介護の原因が何か

意欲

機能 環境

体力

20170412乃木坂スクール 竹内孝仁

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例3 経済状態

必要な情報:1.収入

2.支出

3.家計管理能力

(預金の出し入れ、金銭の

遣い方)

例4 家族関係(利用者―介護者関係)

必要な情報:1.介護状態

放置 適正 過保護

2.(個別面談)不満の存在

第1回 4月12日(水)乃木坂スクール「自立支援ケアマネジメント・自立支援介護」(介護福祉・ケアマネジメント学講義・演習) 竹内孝仁先生(国際医療福祉大学大学院)

【サービス計画の考え方】①ニーズの把握とそれに対する問題解決②ケアマネ自身が本人と接触する回数を増やして信頼関係をつくる③本人の身体不調の改善、閉じこもり・孤立の解消を訪問介護・通所リハを中心に計画し、よりよい生活を実現する。④家族の介護負担、介護負担感が解消して、日々の安眠と仕事に専念できる生活を取り戻せる。【ケアの方法・展開】平成28年11月28日

平成28年11月29日

*B医院、Cクリニックへ病状確認(医療と介護の連携連絡FAX)。

平成28年12月1日

平成28年12月2日

平成28年12月5日

*訪問介護 : 水分摂取600ml以上、口腔ケア・掃除・血圧測定の自立支援、屋外歩行、排便時間の促し

*家族へも基本ケアの徹底、薬剤の減薬の必要性を説明して協力を得る。(水分は1日1500mlを目指す)

平成28年12月8日

平成28年12月21日

平成28年12月27日

*訪問介護1日2回(AM・PM)、しばらくは混乱を防ぐよう同じスタッフが関わる配慮をしていただいた。帰り際、家族と同様に引き止める行為あり。通所参加についての拒否は強いが、訪問介護のみでは規則的生活は整わないため、通所利用について本人・家族への説明を続ける。

初回訪問介護利用。嫁は出勤前で同席、ケアマネも自宅訪問して同席する。嫁「昨日は落ち着かず、しつこく言うので思わず言ってしまった。」と口論になったことを伺う。それでもケアを引き継いで嫁は出勤した。

自宅訪問(長男嫁)。不眠の始まった原因でもあるリハビリについて話をしていると、「本当に良くなる?」と興味を示し、諦めの言葉ばかりであった本人に少し変化を感じた。

*通所リハ試し利用を計画。事業所へはすでに情報提供をして利用の依頼をしていたので、本人の気持ちが変わらないうちに開始を予定。入浴については「痩せたから人に体は見せれない」と強く拒む。

通所リハ試し利用(半日)。環境変化への混乱が予測されたため、ケアマネが事業所へ訪問。送迎時は不安強く「どこに行く」と繰り返す。到着後はリハビリのプログラムは実施、緊張からか表情は無表情であったが、予想していたより混乱はなく過ごすことができた。

*通所リハ : 水分摂取1000ml以上、口腔ケア・血圧測定の支援、屋外歩行1㎞以上、仲間関係の構築、         入浴介助、アクティビティ

援助の経過とまとめ

包括センターより介入の依頼、次女と連絡。以前は長男が「自分たちが介護していかないと」と話してたが、最近は「どこか施設を探しても…」と介護に限界を感じている状態。翌日の訪問を予定する。

初回自宅訪問(長男夫婦対応)。本人は「どこかへ連れていかれることは嫌だ」と、険しい表情で警戒。前日から、他者が来ることを拒み、緊張していた様子。不安、不調、混乱、諦めの言葉が続き、座っていることができず、1~2分程度で立ち上がって炬燵の周りをウロウロする。不安の訴えは長男夫婦と次女(千葉県)に集中し、朝方から出勤時間にかけて騒ぎ立てる行動や日中に何度も電話をかける行為に、家族は強いストレスを感じている状況であった。社会交流もなくなり自宅で孤立している状態であった。

*ニーズを把握し、問題解決に向けたプランを検討、本人の他者の受け入れに問題を感じたため、まずはケアマネの訪問回数の頻度を多くして、信頼関係の構築と不安の原因を探ることを目指す。

午前中、次女より連絡。「今電話をしていたが、混乱していて一人で川に行くと言っている。心配だがどうしたらいいか」と連絡がある。すぐに自宅訪問すると、「来てくれたの?」とケアマネを認識、話を聞いていると安心していく様子がみられる。「すぐ帰るんでしょ、その後どうしたらいいか」帰りぎわには「帰らないで」と強く引き止める。長男夫婦も出勤時間のこの行動に苦慮していることが想像できる。

午後になり、本人より直接連絡がある。「誰も電話に出てくれない。どうしたらいいか、どうなってしまうのか。来てもらえないか」再度自宅訪問、本人と二人でじっくり話をする機会となる。日記帳に記載している本人の考えている不安を見せていただく。水分摂取について「トイレに行きたくなるから、あまり飲まない」と話すため、水分摂取の必要性を伝える。通所や訪問介護についても、前回より反応よく聞いていただけた。嫁や長男の電話に何十回も着信が残っていたので、嫁から折り返しの連絡があり、長男が会社を早退して帰宅をする事態となってしまった。

*家族以外にケアマネにも頼る変化がみえた。通所・訪問介護の必要性を伝え利用に向けて進めていく。家族は、訪問介護は受け入れそうだが、通所の利用は本人が嫌がりそうと消極的。本人の通所への拒否は強い。まずは訪問介護を導入、通所については更に必要性の説明と試し利用を進めていく方針とした。

*通所リハを年明けから通常の利用として、火・木・日の週3回へ。休日の通所は介護者の介護からの開放と気分転換にあてる計画とした。

自宅訪問(長男嫁対応)。ケアマネの顔と名前の認識がある。会話の中で通所や訪問介護の話題を出すと、「他の人とは何も話せない。話すこともない」と表情がこわばる。それでも少しずつ会話の中の話題は幅が広がってきた。

自宅訪問(本人のみ)。慣れてきたのか、少し穏やかな表情で迎えていただく。家族からは昨日は非常に混乱して抗不安薬で対応したことを聞いている。仲の良かった妹と最近は合わなくなった話や、長男夫婦に対して、引き止めるのでなく「いってらっしゃい」「おかえりなさい」と言いたいと思っている話をされる。日中は眠気が目立つ。膝が曲がらないことを苦にしていて、リハビリをやることには前向きな言葉が聞かれた。「歩けなくなったら困る」という言葉が聞かれる。

平成29年1月5日

平成29年1月11日

平成29年1月26日 通所リハで行うアクティビティに参加できるようになった。小物作りや洗濯物をたたむ活動を好んで行う。

*週3回は通所リハで入浴をする。

平成29年2月1日 歯科訪問診療を受ける。*歯科訪問診療を勧めてきた。歯科へ直接連絡して情報提供。

平成29年2月22日

平成29年3月15日

*以前のように妹と会うことや暖かくなったら草取りをする計画を進めていく予定。

【サービス提供後の変化・結果】

【考察】

自宅訪問(長男夫婦)。通所リハ前日や当日朝方は落ち着かずに口論になる。しかし、不安や不調の言葉は少なくなった印象で、以前より夜間も眠れるようになってきた。日中に家族へ電話をかける行為もなくなった。介護者は昼間の心配が減ったと話す。

通所リハで入浴される。入浴を嫌がっていたため、数回前の利用から足浴を開始、その後1対1での入浴を試して、通常の入浴ができるようになった。「昼間に温まると夜眠れる」と本人は話す。関係スタッフの名前を覚えていて、身体が良くなっていると励まされることに「そうかな」と喜びを感じている様子も伺える。

*Cクリニック医師へ最近の様子を情報提供(FAX)。次回診察時に家族から精神薬の中止を相談していただくことにする。抗不安薬はほとんど内服しなくなっている。

通所リハが通常の利用となる。事業所へ訪問。時折笑顔が見られるようになってきた。年末年始に孫も帰ってきた話をされる。穏やかな方々とのグループで食事され、問いかけに答える場面もみられる。

自宅訪問(長男嫁・次女)。笑顔が多くなり、冗談も話すことがある。通所先では仲間関係もできてきて、自ら話しかける姿も見られるようになった。訪問時も座って一緒に話をすることができている。血圧測定を自分で行うことも習慣になってきた。膝の動きや歩きが良くなったと言われると照れながら笑顔になる。訪問介護時は、暖かい日も増え雪もなくなったので、家の周りを歩く機会が作れている。

基本ケアの徹底と閉じこもり、孤立を解消することで、認知症症状の軽減や不安、意欲低下が改善されると考えてケアマネジメントを行ってきた。通所サービスの利用までには時間を要したが、週3回の利用で規則的生活を取り戻すことができてきた。頻回に顔を合わせ、気持ちを共感し、本人にとって相談できる相手と認めていただけたこと、また事業所へケアマネが直接出向いてスタッフと情報共有したことが、本人の状態改善へ向かう要因だったと考える。精神薬や下剤の内服が規則的生活や体調に悪影響を与えている可能性を考えたが、減薬までに時間を要している。認知症治療剤のレミニールは、中止すると悪化する可能性があると医師から説明を受け減薬できていない。症状出現から通院していることもあり、家族と医師は良好な関係にあり、ケアマネとして切り口に悩んでいる。本人と嫁の関係については、最近笑顔が見られたり冗談も聞かれるようになった。夫婦共に就労していて、一番ストレスを感じていた時間帯の負担がなくなり、休日に気分転換できることもストレス発散につながっているのではないかと考えている。通所の準備を自ら行うことや、以前のような交流関係の回復、畑の手伝いなどできるようになり、要支援まで改善を目指したい事例と考えている。

本人の変化:不安や諦めの言葉が減少した、昼夜逆転が改善、抗不安薬・抗精神薬・睡眠薬を服用しなくなった、        便秘が解消した、表情が穏やかになり笑顔が多くなった、物事に集中できるようになった、        日中電話をかけなくなった、自ら他者と話ができるようになった、通所前の行動は落ち着かない、変化に混乱する

長男:介護のストレスが軽減した、安眠・仕事に専念できるようになった、入浴介助がなくなった、施設入所の考えはなくなった

長男嫁:介護のストレスが軽減した、自分の部屋で安眠できるようになった、通所前の送り出しの負担は残っている

自宅訪問(長男嫁対応)。夜間は眠れるようになってきた。レミニール以外の内服薬は中止になった。排便は2日に1回程度あり、下剤は服用してない。不安をノートに書くこともなくなった。嫁も自分の部屋で眠ることができている。ただ、通所に行く朝は落ち着かないが、スタッフが迎えに来ると拒むことなく出かけている。

4月12日(水)乃木坂スクール「自立支援ケアマネジメント・自立支援介護」(介護福祉・ケアマネジメント学講義・演習) 竹内孝仁先生(国際医療福祉大学大学院)

【生活歴】

【既往歴】

【受診状況】

【服薬】

サー

ビス利用に至る経過

発表題

家族構成

年齢: 78歳

住環境・社会交流

洗濯:長男嫁掃除:長男嫁金銭管理:通帳は自己管理、預貯金の出入れは息子経済状態:国民年金世帯としては住宅ローン、孫の学費や仕送りがある

【住環境】息子夫婦との二世帯住宅

【社会交流】以前は近所の友人が来て縁側でお茶をすることも多かった。また2歳年下の妹が頻繁に訪れていたが、現在は終日家の中で過ごしている

介護者状況

IADL・経済

健康状態

認知症症状

ADL

H20頃 高血圧症H28.1、変形性膝関節症手術(右膝人工関節) 屈曲80度H28.5、認知症・うつ病 (医師より、認知症が背景にある抑うつ状態)

B医院より: アムロジピン5㎎1T×朝、ニフェランタンCR20㎎1T×夕Cクリニックより:レミニールOD4㎎1T×朝・夕、ロラザパム0.5㎎1T(頓服)、クエチアピン25㎎1T×就寝前、エスタゾラム1㎎1T×就寝前、マグミット330㎎1T×朝・昼・夕

B医院(内科)1回/3カ月、 Cクリニック(精神科)1回/1カ月

・常に不安を口にしている(どうしたらいいか、自分はどうなってしまうのか、体の不調、ため息、息子たち以外と話せない等々)、朝方(AM4時頃)から息子夫婦を起こして不安を口にして口論になることが続いている・険しい表情をして笑顔がない                                                  ・座っていられない、何度も立ってウロウロする                                         ・出勤する息子夫婦をしつこく引き留める                                            ・日中に息子夫婦や娘に電話を何度もかける

歩行:ふらつきあり、屋外は杖使用 買物:ほしい物は長男嫁に伝える起居:自立食事:自立入浴:週1~2回程度、息子が介助排泄:自立更衣:動作は自立、衣類の選択に介助

長男(49):建築関係の仕事(正社員、出勤7:00~帰宅18:00、日曜休み)、健康状態良好◎長男嫁(47):不動産関係の仕事(パート、出勤9:00~帰宅18:00、水曜・日曜休み)、健康状態良好次女(51):千葉県在住(訪問介護員)、協力的で週に3回程度の連絡、月に2回程度帰省、健康状態良好長女(53):静岡県在住(主婦)、時々電話連絡や1年に数回帰省する、健康状態良好孫 :二人とも東京の大学へ進学

事例検討フェイスシート

不安のない生活を取り戻すために所属: 諏訪中央病院 やすらぎの丘氏名: 吉村敏康

性別: 女性認知症高齢者の日常生活自立度: Ⅲa障害高齢者の日常生活自立度: A2

【サービス利用に至る経過】

利用者: A様

長野県にて4人兄弟の長女(第1子)として生まれる。生家は農家で、田畑を手伝う幼少時代を送り、高等学校卒業後は農協へ務める。そろばんを使った事務作業が主な仕事であった。23歳で見合い結婚、嫁ぎ先が農家であったこともあり、農協を退職して家事と農業に従事し、1男2女をもうけた。42歳の時に夫を亡くしたことで、地元の精密工場へ60歳まで務める。退職後は田畑の規模を小さくして農業を続けていた。54歳の頃に長男夫婦と同居。孫は2人いるが、東京の大学へ進学したため、現在は長男夫婦と3人で暮らしている。

H28.1、変形性膝関節症手術(右膝人工関節)。その後、月に2回の外来リハビリを同5月まで行うが、膝の屈曲の更なる改善が見込めないことを医師に告げられショックを受けた。その後、不眠・息苦しさ・疲労・意欲低下・憂鬱・物忘れが出現。精神状態が不安定になり、そわそわ落ち着かず、家の中をウロウロするようになった。特に朝方から息子夫婦の出勤時間にかけて騒ぎ立てる行動は、家族に大きなストレスを与えた。H28.11.22、介護に限界を迎えている長男夫婦を気遣い、千葉県在住の次女が包括センターへ相談。包括センターより紹介。

身長: 144cm  体重: 40.5kg BMI: 19.53

要介護度: 要介護 1

4月12日(水)乃木坂スクール「自立支援ケアマネジメント・自立支援介護」(介護福祉・ケアマネジメント学講義・演習) 竹内孝仁先生(国際医療福祉大学大学院)

ニーズ有○

1 慢性疾患の管理 ○

2 看護処置

3 ふだんの体調 ○

4 歯と口腔 ○

5 自立重度化予防 ○

6 規則的生活 ○

7 認知症症状の軽減 ○

8 動作別負担 ○

9 時間帯別負担 ○

10 食事・食生活

11 掃除・整理 ○

12 洗濯

13 生活管理

14 収入

15 支出

16 金銭管理

17 家族関係 ○

18 本人の社会交流 ○

19 家族の社会交流

20 本人のストレス ○

21 介護者のストレス ○

家族関係

社会交流

ストレス

長男夫婦共に就労している

健康管理

日常生活・ADL

介護負担

家事

経済

閉じこもり、孤立の解消

閉じこもり、孤立の解消

国民年金・厚生年金17万/2ヵ月

長男夫婦は住宅ローン、孫の仕送りがある

通帳は自己管理、預貯金の出入れは息子に依頼する

以前から嫁が洗濯している

・仲間関係の構築(通所)

同居世帯であり問題はない

介護者嫁のストレス解消(家族間の関係は良好)

21項と同様

・歯磨きの習慣がつく・歯科受診ができる(訪問診療)

う蝕の治療と口腔ケアの改善

・基本ケアの徹底・試し通所(半日)に参加する

領域

閉じこもり、孤立の解消・通所サービスへ参加する・日中の離床時間の確保(訪問介護)

昼夜逆転の改善(脱水による夜間せん妄の可能性を含む)

ニーズ(課題) 援助目標

体調不良(脱水・便秘)の改善(水分700~800ml、排便1回/4・5日)身長144㎝、体重40.5㎏、BMI19.53

・脱水の改善(水分1500ml以上)・便秘の解消(1回/2・3日)

看護処置はない

・興味関心を持ち、役割のある生活を送る(通所)

介護による拘束のストレスの解消

・介護からの開放と気分転換(休日の通所)・出勤時間の介護負担解消・日中の電話による精神的負担解消

【アセスメント総括】

・日中の活動量増加(通所・訪問介護)・精神薬の中止・1日1500ml以上の水分摂取

認知症症状の消失(身体不調型)

入浴の拒否と入浴介助負担解消(排泄・食事は問題ない)

・通所サービスで週3回入浴

朝食後から出勤時間にかけての介護負担解消

・長男夫婦が気分よく出勤できる

朝・夕は家族と食事、昼食は嫁が準備、食事量は8割程度(常食)

意欲、体力低下の改善・孤立の解消による意欲向上(通所)・部屋と玄関掃除の自立(訪問介護)

<平成28年11月29日>

・自ら血圧を測定して記録をつける高血圧症の状態管理(病状安定、通院・服薬は問題ない)

月 火 水 木 金 土 日

月 火 水 木 金 土 日

18時半 夕食

20時 就寝

5時 起床

20:00

深夜

10:00

12:00

14:00

16:00

18:00

訪問介護

通所リハビリ 通所リハビリ

訪問介護訪問介護

12時 昼食

主な日常生活の活動

週間計画 (初回)

週間計画 (通所利用後)

訪問介護 訪問介護

訪問介護 訪問介護 訪問介護 訪問介護 訪問介護

7時半 朝食

12時 昼食

18時半 夕食

通所リハビリ

4時 起床

20時 就寝

7時半 朝食

訪問介護 訪問介護 訪問介護

主な日常生活の活動

訪問介護 訪問介護 訪問介護

14:00

4:00

6:00

8:00

10:00

12:00

4:00

6:00

8:00

16:00

18:00

20:00

深夜