日本語教育と ict -...

34
日本語教育と ICT セミナー ICT の日本語教育へのかかわりについて話し合う 報告集 目次 1.ポスター 2.セミナー案内とプログラム 3.発表資料 3-1.日本語教育と ICT概観と事例紹介 松本啓子・高田浩行 トムスク国立教育大学 3-2.日本語教育における ICT の活用と展望 大内将史 ノボシビリスク工科大学 4.総括、感想、今後の活動提案 この文書はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。 (3の発表資料は各著者の表記に基づきます)

Upload: others

Post on 14-Aug-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

日本語教育と ICT セミナーICT の日本語教育へのかかわりについて話し合う

報告集目次

1.ポスター2.セミナー案内とプログラム3.発表資料

3-1.日本語教育と ICT‐ 概観と事例紹介 松本啓子・高田浩行 トムスク国立教育大学 3-2.日本語教育における ICT の活用と展望 大内将史 ノボシビリスク工科大学

4.総括、感想、今後の活動提案

この文書はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

(3の発表資料は各著者の表記に基づきます)

Page 2: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

日本語教育と ICTセミナーICTの日本語教育へのかかわりについて話し合う

日時:2016年 5月 21日(土)午後 2時から場所:トムスク国立教育大学 1号館 427

ゲスト講師:大内将史 ノボシビリスク工科大学「日本語教育における ICTの活用と展望」

主催:トムスク国立教育大学外国語学部言語学科日本語コース後援:トムスク国立教育大学外国語学部

Page 3: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Семинар «Преподавание японскогоязыка и информационно-

коммуникационные технологии»(на японском языке)

Обсуждение применения ИКТ в преподавании японского языка

Дата и время: 21 Мая 2016 года(суббота), 14:00

Место: Томский государственныйпедагогический университет, корпус 1,

пр. Комсомольский, 75, ауд. 427

Лектор: Оучи Масафми, НГТУДоклад на тему «Перспективы использования ИКТ в преподавании

японского языка»

Организатор: ст. преподаватель японского языка кафедры лингвистики КэикоМацумото и преподаватель японского языка Хироюки Таката

При поддержке факультета иностранных языков ТГПУ

Page 4: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

日本語教育と ICT セミナー

日時:2016 年 5 月 21 日(土)午後 2 時から

場所:トムスク国立教育大学1号館 コモサモルスキー通り 75 (ТГПУ пр. Комсомольский 75)

趣旨:ICT の日本語教育へのかかわりについて話し合う (ICT: Information and Communication Technology)

テーマ

i. 日本語教育に ICT がどのように取り入れられているかという現状を把握する

学習者は教室外で日本語を使って何をしているのだろうか。それが結果的に日本語学習にな

り日本語能力をつけていることに注目し現状について情報交換する。

ii. ICT を利用した学習ツールについてその問題点は何かを確認する。

moodle や gacco のようなものを使った経験からその問題点を教師側と学習者側の双方から具

体的に指摘する。

iii. 既存のツールの問題点をクリアしたとして、新しく ICT を利用した日本語教育を提供できる

とすればどんなものが考えられるだろうか。またそれをビジネスとして成立させるにはどう

したらいいだろうか。実現可能なアイデアを出す。

iv. ICT の導入により学習形態は大きく変化しつつある。どう変化しているかを見たうえで、これ

にどう対応していけばよいかを考える。具体的には生身の教師や教室の役割は何か、教室

で、教師でなければできないことがあるとすればそれは何かをまとめる。

概要

ICT、つまりコンピュータやインターネットの活用は日本語教育を幅広くかつ効率的に行える

可能性がある。学習者たちは、教室の外で ICT を利用しながらどんどん日本語を使っている。

そしてそれが結果的に日本語学習にも繋がっているようだ。

 一方教師が ICT を利用して日本語教育を行うには問題もある。忙しさが軽減され、余った

時間で更に他のことができるようにならなければならない。

 しかし ICT 環境は急速に変化し続け、「ICT に対応すること」に時間をとられてしまってい

る。不得意な人は最初から使うことを考えず、得意な人は使うことを前提とした授業だけを

考えている。

 教師の教材作成の負担を軽減するためにネット上の共有コンテンツを利用したいと思って

も、検索できる形に整理されていないので適当なものが見つけにくい。

 機材やネット環境などインフラが整っていない教育現場もあるのに、ICT に振り回されてい

るところもある。

 今後さらに変わっていくであろう教育現場に於ける私達日本語教師やクラスの役割とは何

か、どう対応していったらいいのかというところまで話を進め、あるべき姿を具体的に描

く。ICT の利用をめぐる問題はさまざまだが、今回は上記の4点について話し合う。

Page 5: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

プログラム

  14:00

開会にあたって 高田浩行 トムスク国立教育大学

  14:05

日本語教育と ICT ‐概観と事例紹介 松本啓子・高田浩行 トムスク国立教育大学

「日本語教育で ICT がどのように活用されているかの紹介と本学での事例報告」

  休憩

  15:30

日本語教育における ICT の活用と展望 大内将史 ノボシビリスク工科大学

「日本語教育、外国語教育と ICT が現在どのように関わっているのか、またどうして

私たちがそれについて意識を向けなくてはならないのかについて」

  (夕食)

使用言語: 日本語

対象者: 日本語教育に関わっている方、教育や ICT に興味のある方

開催形式: 発表の間で随時質問コメント等の議論の時間をとる形式とする。

参加費: 無料

交通: トムスク1駅(列車およびバス)から徒歩 15分で会場到着(トラムやバスもあり)

宿泊: 大学の近くに宿泊場所がありますが、情報が必要な方はこちらにお問い合わせ下さい。

主催: トムスク国立教育大学日本語コース

後援: トムスク国立教育大学外国語学部

連絡先: 松本啓子

トムスク国立教育大学、外国語学部言語学科

一号館 440 号室[email protected], [email protected]

高田浩行

トムスク国立教育大学、外国語学部言語学科&物理数学学部理論物理学科

一号館 2/06 号室[email protected], [email protected]

トムスク国立教育大学(Томский Государственный Педагогический Университет)634000, г. Томск, пр. Комсомольский 75 (1й корпус), Россияhttp://www.tspu.edu.ru/http://www.tspu.edu.ru/fia/fia-news/11-fia/12352-kabinet-yaponskogo-yazyka.html

Page 6: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

発表資料

日本語教育と ‐ICT 概観と事例紹介

松本啓子・高田浩行 トムスク国立教育大学

Page 7: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

松本啓子 高田浩行トムスク国立教育大学2016 年 5 月 21 日

この文書は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

Page 8: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

内容

Ⅰ  日本語教育における ICT 活用の現状概観

Ⅱ  トムスク教育大学での事例紹介

Ⅲ  一学習者として感じたこと

Ⅳ  まとめ どう活用したらいいか

Page 9: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅰ 日本語教育における ICT 活用の現状1 キーワードは?

  

  遠隔教育 オンラインレッスン        学習用サイト  e ラーニング     教師用教材サイト  日本、日本語に関する情報サイト  チャット、メール、フェイスブック、ツイッター      電子黒板 電子書籍 電子辞書 

 

Page 10: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅰ 日本語教育における ICT 活用の現状2 参考情報

a) 国際大学言語教育センター日本語プログラム  http://www.iuj.ac.jp/language/japaness_course05.html

  「がんばってかな」「日本的ビジネスプラクティス教材」「日本語動画教材」

b) 国際大学言語教育研究センターウェブサイト  http://www.iuj.ac.jp/language/index.html

c) 東京外大留学生日本語センター  https://jplang.tufs.ac.jp/

  初級、中級 e ラーニング教材

d) NPO 日本語教育研究所  http://www.npo-nikken.com/

e) 藤本かおる ブログ「日本語教師やってます」 http://colacaco.at.webry.info/theme/2d6c93d9e0.html

  「 e ラーニング・ブレンディッドラーニング」 2014/01/17

   オンライン日本語教材のインドプロモーションビデオ  「中東日本語教師オンライン研修 2012 」

f) コンピューター利用教育学会 CIEC (シーク) http://www.ciec.or.jp/

  遠隔授業の可能性 電子書籍導入の成功事例

g) 週刊アスキー記事  http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/177/177455/

  タブレット向けグループコミュニケーション・ノートアプリ『 Share Anytime (シェア・エニイタイム)』

h) 電子教材キット  http://fingerboard-app.com/magickit/products.html

i) ウエブジャパニーズ ブログ  http://webjapanese.com/blog/j/

Page 11: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅰ 日本語教育における ICT 活用の現状3 教室からオンラインへ

教室授業でできることはほとんどが可能?➔教室ではできないことができる

➔雇用者や学習者が教師に求めるものが変わった➔環境の変化、学生の変化に合わせ

   教材、教師も変わらなければならない!

Page 12: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅰ 日本語教育における ICT 活用の現状4 オンラインでの日本語教育

教師と学習者が 離れた場所で ネットを介して リアルタイムで

1)ツールは? 何を使って?Skype 、 Google Hangouts 、 Line(?)ooVoo 、 SPREED(?) 、TeamVewer(TV) 、Share Anytime by MetaMoji(SA)

2)機能は?何ができるか、できないか?音声 画像 画面共有 チャット ファイル送信 : 上記全て 共有画面への書き込み

・キーボードでテキスト入力 & 手書きで絵を入力   : TV, SA・多人数の同時書き込み : SA

Page 13: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅱ トムスク国立教育大学での事例

1 スカイプ授業 JLPT対策クラス 2 メール、チャットで学習指導 3  teamviewer での模擬授業

 4 スカイプによる交流基金セミナー5 日本語オンライン教師養成セミナー6  moodle 研修セミナー

Page 14: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅱ トムスク国立教育大学での事例1 スカイプによるJLPT対策クラス

2014 年 8 月から 9 月

方法 1)試験問題をあらかじめファイル送信で送っておく。  2)各自で自習し返送する。  3)指定した日にグループチャットでフィードバック。学習効果

● 夏休みのブランクを解消● 計画的な受験対策と目標達成 問題点

● 時差の関係で夜中の授業となり体力的にきつかった。● ネット環境やお互いの機材に左右される。● 聴解ができなかった。 ( ヘッドホンセットがあれば可?)

Page 15: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅱ トムスク国立教育大学での事例2 メール 、チャットなど

宿題、連絡、おしゃべり

方法     ●添削し返信する。

    ●用例集を作って教材にする。

    ●追加情報、表現語彙など解説をつけて返信する。

アンケートより●満足感や達成感が感じられる。

    ●モチベーションが維持できる。

    ●言葉が覚えられる。

教師の感想 ●気楽に意思疎通できるようになり、距離短縮

問題点 ●自動翻訳、電子辞書に頼りすぎ→頭に残らない

      ●教師に時間負担がかかる

Page 16: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅱ トムスク国立教育大学での事例3 teamviewer を使った模擬授業

2016 年 5 月 5 日

受講者

  基礎 2受講生の希望者 4名

方法

  1)事前に学生に teamviewer をダウンロードし、インス 

   トールさせておく 

  2)前日にツールの使い方とIDを確認  427-440 教室

使用教材:漢字テスト 手書き、テキスト入力チェック3)模擬授業 

4)翌日理解度確認テストとフィードバック アンケート

Page 17: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅱ トムスク国立教育大学での事例3 teamviewer を使った模擬授業

2016 年 5 月 5 日

学生の反応

  ●面白かった  またあったら必ず参加する 

  ●授業中言いたいことが話したり、書いたり出来たと思う。

  ● 2 時間授業はちょうどいい

問題点

ネット環境によって参加者各自のできることに差がでる。

一人ずつしか書き込みができない。

テキスト入力、マウスの操作が難しい。

ネットの調子が悪くノイズが入る。聞こえにくい。

Page 18: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅱ トムスク国立教育大学での事例4 Skype 、 google hangouts による交流基金セミナー

1)オンライン日本語教師養成講座(初級編)

2)教材セミナー 「まるごと」

問題点

1)教師全員で共有しようとしたが、教育大でのネット利用環境が悪く 

  手続きに振り回された。

2)録画ビデオをネット上に置いておいて各自が都合のいい時に見ると 

  いう形式でもよかったのではないか。

Page 19: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅱ トムスク国立教育大学での事例5 オンライン授業教授法研修

日本語オンライン教師への道 

特定非営利活動法人 日本語教育研究所

http://www.npo-nikken.com/event/event15/online2015.html

内容

1)講座前サポート:スカイプへの接続  ※スカイプ未経験者のみ

2)授業で使えるテクニック  60分

3)実際に教えてみよう!(模擬授業+フィードバック) 60分

感想

●スカイプの機能をどう使って教えるのか、参考になった。

●オンライン用の教材として別に用意するのが手間。

●機能に熟知して操作に慣れていないと授業の組み立てもできない

Page 20: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅱ トムスク国立教育大学での事例6  moodle  教職員対象 学内講習

内容

1)アイデアについての講義

2)実際に問題を作りながら使い方について説明

3)各自のページを作成、タイプ別の問題を作成し提出

4)提出後は実際のクラスで運用してもよい

感想

1)手間をかけないと採点ミスが続出する。

2)大人数(何十人、何百人)対象なら成績管理など便利かも?

3)使い方次第。宿題、自習用にはいいかも?

                     

Page 21: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅲ  一学習者としての感想1. gacco

内容

gacco とは  http://gacco.org/

受講後の感想

  1 )幅広く学べる 思わぬ発見があり視野が広がる。

 2)隙間時間を有効に使ってシスティマティックに学習できる。

 3)自分のレベルに合わせて学習できる。録画なので、繰り返し、スピード

   調節もできる。 

 4)適度なプレッシャー レポート課題 クイズ

 5)相互採点で他の学習者の答えを見たり、意見が聞ける

 6)ディスカッションで学習者同士が教え合う。

 7)日本語教育に利用できる。

  

Page 22: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅳ  まとめ1  ICTをどう活用すればいいか

1 考える上でのチェックポイント  ●より効果的、時間節約、経済的節約ができるかどうか  ●今まではできなかったこと、やりにくかったことができるかどうか2 利点  ●日本語話者とコミュニケーションできるチャンスが増える。  ●大量の学生を一度に相手にできる。  ●学習者、教師の都合に合わせた時間帯を選べる。  ●安価で学習できる。   ●教材をシェアできる。( Creative Commons の考え方)  ●評価成績管理が簡単にできる。(電子教科書、 moodle )  ●遠隔地の学生と協働学習ができる。

Page 23: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅳ  まとめ1  ICTをどう活用すればいいか

3 問題点

 ●ネット環境などインフラの整備が不可欠である。 ●高価な機器が必要な場合もある。 ●機器やソフトを使いこなせるまでに時間がかかる。 ●プレッシャーが少ないので継続学習が難しい。(自習) ●完全直説法は難しい。(遠隔授業、オンラインレッスン)

Page 24: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Ⅴ  最後に 

ICTを本当に導入する必要があるのか?

● 対面授業の良さは?

● 教室に来る学生は何を期待しているか?

更に成長するために

● 外国語を学びながら日本語を教える。

● 自分にとって良い教師とは

● 日本語教育の目的は?なぜ教えたいのか ? 何をしたいのか?

Page 25: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

発表資料

日本語教育における ICT の活用と展望

大内将史 ノボシビリスク工科大学

Page 26: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

2016. 5.21. トムスク国立教育大学 日本語教育セミナー 研究会資料

日本語教育と ICTをめぐる現状の考察

大内 将史

この文書は ク 表示 - 継承 4.0 国際 ラ セ ス 提供されています。

1.現代のインターネット環境

Web.2.0(Darcey1999)と呼ばれる時代になって、15年以上が経過した。Web2.0環境 は、情報の受信

送信者が タラク あり、だれもが情報を発信 きる。

ターネット 外国語に触れる機会が日常的に存在する:

映画、音楽、ドラマ本などのメデ ア、外国人と話す、チャットやメールなどの ミュニケーショ

学習者 ミュニ や趣味の ミュニ など学習者が言葉を使う機会(Sockett 2012)。

→ このような状況は、インターネット以前の時代には考えられなかった。

外国語を教育に携わるものにとっても、無視することのできない状況。

2. 教育観の変遷

時代の変遷に伴い、言語教育のあり方、捉え方自体についても再考する必要がある

・Freire(1972)の説明:旧来型銀行型教育(伝統的学習観)

教師 → 学生への一方通行的な知識の伝播の「教育観」

・1990年以降状況論的学習観(ポストモダン型学習観):

人や人工物とのネットワークを構築し、それらを適切に利用 きるようになる。

実際の社会の中 外国語を使って、その ミュニ に参加することが きるようになることが重要。

・外国語に触れる機会が限られ、外国語の学習が教材と教室に閉じ込められていた時代

→ 外国語教育の教育観も銀行型教育という考え方で十分だったかもしれない。

・現代 → 外国語に触れる機会及び、学習の機会が多様化。

言語教育および言語学習を捉え直し、学習と様々なリソースの働きについて考えていく必要がある。

Page 27: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

3.教室外への注目:

Web2.0 のツールの誰もが情報を送受信 きるという発信の双方向性、さらに現代のタ レット端末や

スマートフォ をはじめとした バ ルデバ スの急速な普及は、教室の壁のあり方自体も変容させて

きている。教室の外 起こっていることも無視 きない。

1. フランスでの教室外での英語の使用と学習 Sockett and Toffoli(2012)

→ 動画配信サ ト、音楽配信サ ト、趣味のフォーラムサ トなど 、英語を使って情報収集人々と

交流したりすることによる英語の語彙を習得、聴解能力の向上。「学習するつもり」がないにもかかわら

ず、外国語に増える機会が増えることにより学習効果が得られている。

特に、聴解能力に関して、音楽配信サ トと歌詞サ トの組み合わせ利用による聴解能力の向上。

→ 意図されないリソースの組み合わせによる想定外の学習効果

2. 日本人と中国人のメールによるランゲージエクスチェンジに注目した欧(2014)

メール交換の過程 、誤用修正の方法をお互いに確立、メールを日常的に読み返す学習

→言葉を教えるプロがいない場所 、メールとお互いの存在を学習の ソースとして有効に活用しなが

ら当事者が学び合う方法を見出していく様子が記述されている。

教室外の学習者は、教材らしい教材を使って外国語を学習するばかりではなく、さまざまなリソース

に触れる中で、それらの有効な学習のツールとしての使い方を見出し、実際のニーズに合わせて利用し

ている。「学習効果」としての実感は、やはりそれぞれに応じた形で現れている。フランスの英語学習者

の間では、一例として、英語のドラマがわかるようになってきたこと、日本人・中国人間でのメール Lex

では、授業との対象。教育機関外とうこともあり、「できるようになった」という自己効力感の拠り所が

多様であることがわかる。

4. 現在の日本語教育における ICT研究

2010年から 2016年ま の『日本語教育方法研究』(480)『日本語教育』(220)を対象に、

ICT に関するトピック及びタ トルを含むものを ストアップした。(別資料参照のこと。なお、分類は

キーワード、要旨、本文をもとに報告者が主観的に行っている)

その結果、計 37本の研究が行われていることがわかった。キーワード 大雑把に分けると、以下のよう

に分類 きる。(重複してカウ ト)

テーマ 数 テーマ 数

Page 28: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

会話 3 教師研修 1

語彙 漢字 6 語彙レベル測定 2

ICT設計 活用 5 オ ラ スト 1

音声 3 学習サ ト 1

学習支援サ ト 2 SNS 3

読解支援 2 BL 3

moodle 3 ーパス利用 1

ース管理 1 サ ト アプ 開発 7

チャット 1

もっとも多いのは、語彙に関するもの ある。その多くが学習支援アプ およびサ トの開発と使用

だった。

次に多いのは音声教育分野だが、ここ はプロソデ ー検出プログラムの開発と使用がほとんど あ

る。その中 、実際に学習者が使うことま 言及しているのは、2010年の河野によるもののみ ある。

この表を見ると、一見、ICT設計 活用にかかわるものも多いように見えるかもしれないが、一つを除

いて実際は角南氏とその関連プロジェクトによるもののみ ある。日本語教育研究者の中 、俯瞰的に

ICTについて議論 きる研究者はまだまだ多くないというのが現状だろう。

moodleの活用についてのものは 3件(6件)報告されている。TAのレポートや、教育能力検定試験対

策など日本語学習者に焦点化しない報告が多く挙げられているのが予想外とも言える。

細分化した分野をあえてひとくくりにして数えると、何らかのソフトの開発にかかわるものが 7 つあ

るが、ここ 問題となるのは、具体的なサ トおよびアプ ケーショ 名が公表されていないものも多

いということ ある。これらの報告の全体的な傾向としては、アプ やサ トの開発とその使用報告が

中心となっており、既存のものを広く色々な現場の教師および学習者が利用 きるようにするという点

についての研究はまだ少ない。オ ジナルのものを作った 使ったという報告のみ なく、自由に使え

る ソースとしての ICT活用 開発についての報告が求められるの はないか。

5. ロシアの学生の日本語学習のためのアプリケーションおよびネットリソース

ロシアの学生たちに、授業中、家庭学習を問わず、自分が使っているツールについて簡単な質問をし

たところ、下記のウェ サ トおよび、アプ ケーショ が使われていることがわかった。

・総合情報・検索サイト

Wikipedia

google(検索 翻訳)

・文法・語彙学習サイト

Page 29: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Krakozyabr(文法 語彙学習 http://krakozyabr.ru/category/grammatika/

VK 日本語学習 ミュニ (SNS内 ミュニ )

NHK world やさしい日本語(初級日本語学習)http://www3.nhk.or.jp/lesson/russian/

Lingust(初級日本語学習サ ト)http://lingust.ru/japanese/japanese-lessons

Lang-8.com(語学学習者相互交流サ ト)http://lang-8.com/

・辞書サイト

Yakuru(露日オ ラ 辞書)http://yakur.net

kanji.sljfaq.org(他言語対応漢字検索サ ト)http://kanji.sljfaq.org/draw.ru.html

Weblio :分野別総合辞書サ ト http://www.weblio.jp/

Yarxi:(露和漢字 語彙辞書)http://yarxi.ru/

・その他:

Youtube(動画共有サ ト), VK(SNSサ ト内動画共有)「(アニメ ドラマ 映画 レビ番組)

これらの全てを一人の学生が使っているわけ はないが、実に多岐にわたるものを使用していること

がわかる。特に、報告者の作文授業 は、「最終版を作成するま の過程 何を使ってもいい」というル

ール 作文を行わせているが、辞書サ トや翻訳サ トだけ なく、上記 Lang-8のような言語学習交流

サ トを利用してネ によるチェックを受けているという学生もいた。

これらのツールについては、便利 ある反面、100%のご利益ばかりが期待 きるわけ はないという

点には注意が必要 ある。特に、Yarxiに関しては、訳語の ストに漢語が多く、文脈に合わない難解な

訳語を学生が選択してしまうことが少なからずある。こういったデメ ットとどう向き合うかというこ

とを考える必要がある。また、そのためにも教師がそれらのツールの特徴を知っておく必要がある。

6.まとめ

これま に見てきたように、ICTの影響は有無を言わせない形 日本語教育の世界においても広がって

きている。Sockett and Toffoli(2012) は、英古典文学を好ん 取り上げる教師と、日常的に現代の

ドラマシ ー を見ている学習者との生の現代文化への知識差を取り上げて、教室 教師が教えること

と、教室外 学習者が触ることに大きな隔たりが生まれる可能性(p.148)について意識を向けることの必

要さが述べられている。教室外の ソースの豊富さが教室内の学習に良い影響を与える可能性がある反

面、教室内の情報と教室外の情報の差が学習者の教室内 の動機付けを下げることにつながることも考

えられるの ある。いずれにしても、現代の クノロジーの波から逃れることは生産的とは言えない。

言語教育者は、教室外のものは我関せず はなく、幅広い視点 その性質 有用性について考えていく

姿勢を持つ必要があるだろう。

参考文献 :

Darcy, D. (1999) “Fragmented future,” Print vol.53,no.4, pp.1-3.

Page 30: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

Socket, G., Toffoli, D. (2012) “Beyond learner autonomy: a dynamic systems view

of the informal learning of English in virtual online communities,”

Recall, vol.24, no.2, pp.138-151

欧 麗賢 (2014)「目標言語話者との Eメールのやりとりを通じた教室外の日本語学習」、『阪

大日本語研究』 26号、113-137

Freire,P. (1972) Pedagogy of the Oppressed. London: Penguin.小沢有作(1979)訳『被

抑圧者の教育学』亜季書房

Lave.J, and Wenger, E. (1991) Situated Learning: Legitimate peripheral

participation. Cambridge: Cambridge University Press, 佐伯胖訳 (1993)『状

況に埋め込まれた学習———正統的周辺参加』産業図書

Page 31: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

番号 著者 タイトル 分野 内容

1 脇坂 真彩子・平岡 貴子 iPadを活用した振り返り活動における日本語学習者の気づき

気づき・誤用分析・会話 ロールプレイ活動の撮影と振り返り

2 園田 昌世・脇坂 真彩子 Learning Logを使用した漢字語彙を増やす

プロジェクトの実践漢字語彙・オートノミー Learning log と モバイルデバイスを活用した漢字学習

3 角南 北斗・小宮 千鶴子.教材の継続的改良を実現するためのプロジェクト設計

: Webサイト「経済のにほんご」を例に教材設計・開発 Web教材の継続的な更新 および開発について

4 松崎 寛・高橋 恵利子 おそ下がりに対応したプロソディグラフ自動出力システムの開発 音声・開発 自動プロソディー解析プログラムの開発

5 鈴木 庸子 CLD児の言語育成支援ポータルサイト「ハーモニカ」の開発 文化と社会・児童の日本語・開発 自文化維持のためのリソースサイトのポータル開発

6 岩崎 浩与司 異文化能力の育成をめざした遠隔日本語教育 異文化交流・会話 複数国間の日本語学習者、および日本語母語話者によるオンライン会議

7北村 達也・住田 真一

孝橋 一希文難易度の調整を支援するシステム「かぶとエディタ」 読解・教材開発・開発 文章中の語彙についての難易レベル判定プログラムの開発

8 黒田 史彦 学習リソース情報共用データベースを活用した学習支援 学習支援サイト・開発 学習支援サイトデータベースシステム CULLAの開発と利用

9

岩下 真澄・石澤 徹・

伊志嶺 安博・桜木 ともみ

松下 達彦

語彙学習アプリ教材の使用感調査

: 大学での学習を支える語彙力育成を目指した教材開発に向けて学術語彙・語彙学習アプリ開発 留学生向け、専門用語学習支援アプリの開発とその試用

10 篠崎 大司Moodleを活用した日本語教員養成向けeラーニングコンテンツの

開発と授業評価 : 「言語と教育」から「社会・文化・地域」まで日本語教師養成・moodle・開発 moodleを利用した日本語教師養成 e-learning教材の開発

11 松下 達彦 オンライン日本語テキスト語彙分析器J-LEX 語彙レベル判定 オンライン語彙レベル判定システムの開発について

12前原 かおる・増田 真理子

河内 彩香・竹山 直子iPadは学びをどう変えるか :

タッチパネル型デバイスにとっての「リスト」の有用性語彙学習・語彙学習アプリ開発・開発 ipad用語彙学習アプリの開発と試用報告

13

今井 新悟・黒田 史彦

本田 明子・赤木 彌生

中園 博美・伊東 祐郎

J-CAT (Japanese Computerized Adaptive Test)の運用 オンライン日本語テスト・開発 オンライン日本語テストの開発と運用について

14

中川 健司・中村 英三

角南 北斗・齊藤 真美

宮本 秀樹・山岸 周作

漢字学習ウェブサイト「介護の漢字サポーター」

開発過程で直面した課題漢字学習サイト・開発 漢字学習サイト開発プロジェクトにおける問題点

15 角南 北斗 スマートフォンの普及で変わる教材設計 ウェブ・アプリ教材開発「Nihongo de Care-Navi」を例としたICT活用型教材の開発と

今後の日本語教育

16

河内 彩香・竹山 直子

前原 かおる・増田 真理子 iPadによる語彙学習教材の多様な学びの可能性 道具の使用法・語彙学習アプリ・開発開発中の語彙学習アプリの学習者に応じた多様な使い方について

17 澤 恩嬉・渡辺 文生SNSツールを用いた学習ストラテジーの有効性について :

SNS上での情報のやりとりを中心にSNS・日本語運用の場・教室外 日本語学習者のSNSの使用と学習効果について

18 浅田 和泉パワーポイントを使用したプレゼンテーションについて :

日本語学校における実態調査および実践例教育実態調査 日本語学校でPPTの使用に関する授業は行われているか

19 松崎 寛 音声認識技術を活用したプロソディグラフ自動出力システムの開発 音声・開発 自動プロソディー出力プログラムAmi Voiceの開発と使用評価

20 俵山 雄司 テレビ会議システムを利用した上級口頭表現クラス 口頭表現 テレビ会議システムを利用した二大学間の口頭演習の報告

21 山口 実千代 タブレット端末を活用した日本語教育の試み 授業活動 ipadの利用による授業の効率化 (FCを例として)

22 篠崎 大司Moodleを活用したブレンディッドラーニングモデルの構築と

その有効性 : 上級日本語文法BLモデルの再改良と教育効果 *3moodle・BL法 BL法として、moodleを活用したJLPT N1レベル対策授業の考察

23 難波 康治・角南 北斗 大学での日本語教育を支援するITプラットフォームのデザイン コース・カリキュラムデザイン・開発コースのデザインとITの組み合わせ

24 鈴木 理子・齋藤 伸子「漢字ネットワーク」作成におけるiPod touchの使用 :

初級漢字クラスでの実践道具使用・漢字語彙学習 iPod touchと辞書アプリケーションを用いての漢字学習の考察

25 石崎 俊子地域日本語教育支援のためのeラーニング教材開発 :

TNeとよた日本語eラーニング地域日本語教育・e-ラーニング・開発 高等教育機関学習向けと地域学習者向けEラーニング教材の開発の相違

26 趙 恩英・長谷川 守寿教育経験の異なるティーチングアシスタントによる

Moodle上での授業報告 : 形式・内容の違いとその変化についてmoodle・教師研修 moodleを利用したTAによる授業報告の経験による質的差異の比較

27 河野 俊之 自己モニターを活用した音声教育とそのためのeラーニング 音声・自己モニター 自己モニタリングを可能にする eラーニング素材の活用

28 城本 春佳Eラーニングプログラムを用いた非漢字圏日本語学習者への漢字教育 :

ベルリン自由大学での実践報告BL法・漢字学習 ELP「漢字クリエイティブ」を使用したBL学習についての実践報告

29 北村 達也 読解教材の作り込みを支援するツールe-chutaの開発 読解教材開発支援・開発 読解教材開発プログラム e-chutaの開発について

30 趙 恩英・谷川 守寿 TA参加型日本語会話クラスにおけるMoodleを用いた授業連絡について コースマネージメント・moodle TAの授業報告の場としてのmoodleの活用

31 阿部 啓子SNS(Social Networking Service)を使用した日本人との交流活動の試み :

中国における日本語学習者を対象としてSNS・日本語運用の場・教室外 SNS・コメント機能の日本語学習への効果

32 角南 北斗 Webサービスで教材ストック作り IT活用法 フリーWebサービスを用いたeラーニング素材作り

2010-2016・日本語教育方法研究会 32/480

1 広谷 真紀 学習者のCMCコーパスを利用したアプリケーションの開発と試用報告 コーパス・語彙・開発 アプリケーションの開発と素yぷ

2 船戸 はるな継続的な文字チャットによる日本語学習者の終助詞「ね」の使用の変化

: 必須要素/任意要素の観点からチャット・文法研究 チャットを用いた終助詞使用に関する横断的研究

日本語教育 2010-2016 2/220

Page 32: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

総括、感想、今後の活動提案参加者:5名=主催者(松本、高田)、ゲスト講師(大内)、久保田、白

時間:14:00~19:00頃

総括発表者の内容を主催者の視点からまとめます。詳しくは添付の発表者のファイルを参照し

てください。

松本(高田):ネット検索による広い範囲で「ICTと日本語教育」に関連した実践的な

内容の情報を紹介。また、具体的なテクニックを含めた事例の紹介。特に TeamViewerを

使った遠隔授業についての録画を流し、その実用性について考察。

大内:学術的な研究でどんなものがあるか、問題点はなにかを紹介。調べ方、誰がどのよ

うな研究をしているのか、問題点は何かも紹介。特に角南氏の研究に注目。研究成果や、

著作物のシェアについても言及があるらしい。注目したい。

意見・感想(松本)使用する教室の確保、補助金の申請、宿舎の手配などぎりぎりまでかかってしまった。

休憩時間にもビデオを見せ説明したりしなければならなかった上に、お茶の用意もあった

ので、休めず疲れた。

もっとたくさんの学生からアンケートがとれたはずだが、時間不足だった。

オンライン講座を受けたことでオンラインレッスンのイメージがはっきりつかめ、問題点

にも気づくことができた。

スライドの作り方や発表内容のチェックポイントなどよい勉強になった。

情報交換や意見交換ができて有意義だった。

もう少し掘り下げた話、具体的な計画案が建てられればもっとよかった。

これを機会に教科書の見直しや、公開が進みそうなので良いきっかけになった。

意見・感想(高田)セミナーの準備段階から当日までかかって勉強してきたおかげで、「日本語教育とIC

T」と言うタイトルから連想されるものをかなり広く概観できたのがよかったです。

そうしてこの分野全体を見渡すと、いろいろな分野、立場で各人がいろいろな試みをして

いるとわかりました。しかしそれらせっかくの努力が連携に至っていないし、現場に生か

されていないません。今、「ICTと日本語教育」で一番必要なこと、それはこれらの活

動の連携をとり、成果物をシェアすることでしょう。

Page 33: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

これらのことはセミナー当日に議論され意見の一致を見たと考えています。

セミナーを踏まえた今後の活動提案1.今回のセミナーのテーマは他の先生にも考えてほしいことなのでできればまた勉強会

を開いたらどうか。

2.活動の連携と成果物のシェアすること、およびその方法の提案。

ライセンスがはっきりしていないと、何に使っていいか、いけないか分からず、その確認

にも労力が必要になります。

そこで各人の成果物にライセンスを付与するようにしたらどうでしょうか。

ライセンスの候補として「クリエイティブ・コモンズライセンス」を提案します。

これは商用も含めいろいろなレベルのライセンスを柔軟に選べる上、詳しくない人でも使

いやすいものです。

日本政府も支持する立場をとっていると聞きました(未確認)。

特に成果物を他の人が発展させたり、授業等で自由に使ったりなど、連携とシェアを推し

進めるためには以下のようにすればいいでしょう。

「この文書はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されてい

ます。」

という表示を各成果物に付け加え、ライセンスを確認するアドレス:https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/deed.ja

のリンクを張ります。(または表示します。)

今回のスライドにも書かれていますので参照して下さい。

ライセンス処理はこれだけです。簡単ですね。

手始めとして、教育大で使っている教科書「はじめてのにほんご」をこのライセンスで提

供することにしました。

以下のアドレスからダウンロードできます。

「はじめてのにほんご CC_ver201607」http://yahoo.jp/box/7Lmmai

LibreOffice(フリーのオフィス)で書かれたものと、

電子教科書の標準になろうとしている EPUB 形式(LibreOffice 形式を変換したもの、表示

の崩れ多し)

で公開します。両形式とも編集がしやすいものです。また LibreOffice 形式を PDF 変換し

たものもおいておきます。

このライセンスの下では内容を変更「してもよい」ですが、我々著者としてはむしろ内容

を変更「してほしい」と考えています。

Page 34: 日本語教育と ICT - XREA(エクスリア)nihongo.g1.xrea.com/JapaneseLanguageEducationAndICT/...Обсуждение применения ИКТ в преподавании

変更されたものを公開していただければ、もとの著者を含め多くの日本語教師・学習者の

役に立つかもしれないからです。

よろしくおねがいします。

参考:ライセンス処理前の教育大で出版された教科書のPDF版(サンプル)は以下から

ダウンロードできます。

「はじめてのにほんご」http://www.geocities.jp/tomskjapan/matsumoto/kyoukasyo/Japanese_langage_for_biginner_testbook_2015_sample.pdf

「漢字練習帳第一巻」http://www.geocities.jp/tomskjapan/matsumoto/kyoukasyo/kanji_notebook_1_sample.pdf

「漢字練習帳第二巻」http://www.geocities.jp/tomskjapan/matsumoto/kyoukasyo/kanji_notebook_2_sample.pdf