最近の交通事故の特徴 - doshisha...1...
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青少年の死因の大半は不慮の事故によるものである。不慮の事故の内訳では、交通事故がもっとも多く、8割以上を占めている。(2001年)
交通事故による死者数約8,000人
負傷者数約120万人
最近の交通事故の特徴
死者数(2001年)
交通事故は、年々増加している。交通事故による死者数を年齢層別にみると、65歳以上の高齢者層がもっとも多く、次に16~24歳となっている。高齢者層と青年層で全体の59.8%を占めている。
青年層・・・自動車乗車中と自動・原付二輪車乗車中が90%を占める。最近減少傾向にある。
高齢者層・・・歩行中が47%を占める。自動車乗車中の事故が増加している。
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• 不注意などの単純ミス
• 疲労や寝不足
• 運転者の技術不足
• 飲酒をしての運転・歩行
• 心理的な問題(心配ごとや考えごとをしながらの運転や歩行など) など
• 車両の構造的欠陥
• 製造ミス
• 整備不良 など
• トンネル、標識、照明灯、道路状況などの道路環境の不備
• 事故発生時の時間帯や悪天候 など
交通事故の要因
人的要因 (主体要因)
車両的要因
環境的要因
(運転者の行動や規範を守る意識)
(天候や道路状況)
(車両の特性)
運転者の生理的・心理的状況と危険行動
運転者の生理
運転スピード 動体視力の低下
疲 労 反応時間の遅れ
睡 眠 不 足 注意力の散漫
筋肉痛・頭痛 判断・操作ミス
運転者の心理
急ぐ気持ち スピード違反
考 え 事 不注意
いらいら 乱暴な運転
興 奮 無謀な運転動体視力とは動いているものを見たり、移動しながらものを見たりするときの視力。走行速度が増すにつれて動体視力は低下する。
衝撃力は速度と重量に応じて大きくなる。時速60㎞でコンクリートの壁に衝突した場合、ビルの5階程度(約14m)から落ちた場合と同じくらいの衝撃力を受ける。
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空走距離:ブレーキを踏み、実際にブレーキがきき始めるまでの距離制動距離:ブレーキがきき始めてから停止するまでの距離路面が濡れていたり、タイヤがすり減っていたりすると停止距離はもっと長くなる。
二輪車運転中の視野範囲を表したもの。高速になるほど視野範囲も狭くなり、急な飛び出しや左折車、右折車に対応することがむずかしくなる。
二輪車運転中の事故は、四輪車から見えない部分(死角)に入ったことが原因となる場合が多い。
大型車両になればなるほど死角の範囲も広くなる。
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加害者の責任
刑事責任
民事責任
行政責任
懲役 禁固 罰金
損害賠償
賠償額が3億円を超えた例もある
運転免許の取り消し,停止
自動車保険
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)
加入の義務(強制保険)
支払額に限度がある。(死亡・後遺症では3,000万円まで)
任意保険
任意加入
対人,対物,車両の賠償
高額賠償に対処(対人額は無制限)
法的な整備
施設・設備の整備
・シートベルト, チャイルドシートの着用・無免許運転, 酒気帯運転の禁止 など (道路交通法)・定期車両点検 など (道路運送車両法)
①歩道の整備②コミュニティ道路の設置③交差点の立体交差化④救急医療体制の整備 など
車の安全性の向上
①車の安全性を高める対策
・事故を未然に防ぐための対策(アクティブセイフティ)ex. アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)など
・傷害を軽減するための対策(パッシブセイフティ)ex. エアバッグなど
②歩行者や自転車の安全を守る対策ex. 歩行者の衝突時の衝撃を小さくする工夫など
安全性の高い車を選択することが安全な交通社会の実現につながる