基本方針(4) h 環境汚染のない住みよいまちづくり g …...第3章...

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第3章 計画の目標と基本方針 79 基本方針(4) 環境汚染のない住みよいまちづくり 環境と取り組みの現状及び課題 近年、人口急増期に転入した市民が高齢期を迎え、少子高齢化と人口減少が続いています。こ のため、若い世代の定住と市外からの移住の促進が課題となっており、本市の魅力向上のために は、福祉の充実とともに、安全に健康に暮らせる環境、安心して子育てができる環境が求められ てくると考えられます。 本市では、大気汚染や水質汚濁、騒音等の公害対策について、工場や事業場への各種法令に基 づく指導や支援等により、環境汚染物質の削減に着実に取り組んでいます。 環境汚染の状況 本市では、大気、水質、騒音について、定期的な環境調査を行っていますが、その結果をみ ると、大気中の窒素酸化物濃度や浮遊粒子状物質(SPM) 1 等には改善がみられますが、光化 学オキシダント 2 については環境基準 3 を達成できていません。 光化学スモッグ注意報等の発令状況をみると、年度により件数が変動していますが、年 10 件程度注意報が発令されています。 1 浮遊粒子状物質(SPM):大気中に浮遊する微粒子のうち、粒子の直径が 10 マイクロメートル以下のもの。慢 性の呼吸器疾患の原因とされる。 2 光化学オキシダント:大気中の窒素酸化物や炭化水素等が、太陽光線(紫外線)により光化学反応を起こして 生成される、オゾン、アルデヒド等の酸化性物質の総称。呼吸器や植物に影響を与え、光化学スモッグの主な 原因となる。 3 環境基準:環境基本法により国が定めるもので、「大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境 上の条件について、それぞれ人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい」と される基準のこと。 (4)-1 公害防止対策の推進 (環境汚染物質の削減) (4)-2 有害化学物質等への対応 ・必要な規制・指導の強化 ・自主的な環境保全活動の促進 ・環境汚染の実態の把握・公表 ・自動車公害の抑制 ・モラルの向上 ・地域のルールづくり ・監視・指導の強化 ・実態把握と情報提供 (4)環境汚染のない 住みよいまちづくり 施策の基本方針 施策 取り組み

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第3章 計画の目標と基本方針

79

基本方針(4) 環境汚染のない住みよいまちづくり

環境と取り組みの現状及び課題

近年、人口急増期に転入した市民が高齢期を迎え、少子高齢化と人口減少が続いています。こ

のため、若い世代の定住と市外からの移住の促進が課題となっており、本市の魅力向上のために

は、福祉の充実とともに、安全に健康に暮らせる環境、安心して子育てができる環境が求められ

てくると考えられます。

本市では、大気汚染や水質汚濁、騒音等の公害対策について、工場や事業場への各種法令に基

づく指導や支援等により、環境汚染物質の削減に着実に取り組んでいます。

■環境汚染の状況

本市では、大気、水質、騒音について、定期的な環境調査を行っていますが、その結果をみ

ると、大気中の窒素酸化物濃度や浮遊粒子状物質(SPM)1等には改善がみられますが、光化

学オキシダント2については環境基準3を達成できていません。

光化学スモッグ注意報等の発令状況をみると、年度により件数が変動していますが、年 10

件程度注意報が発令されています。

1 浮遊粒子状物質(SPM):大気中に浮遊する微粒子のうち、粒子の直径が 10マイクロメートル以下のもの。慢

性の呼吸器疾患の原因とされる。 2 光化学オキシダント:大気中の窒素酸化物や炭化水素等が、太陽光線(紫外線)により光化学反応を起こして

生成される、オゾン、アルデヒド等の酸化性物質の総称。呼吸器や植物に影響を与え、光化学スモッグの主な

原因となる。 3 環境基準:環境基本法により国が定めるもので、「大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境

上の条件について、それぞれ人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい」と

される基準のこと。

(4)-1 公害防止対策の推進

(環境汚染物質の削減)

(4)-2 有害化学物質等への対応

・必要な規制・指導の強化

・自主的な環境保全活動の促進

・環境汚染の実態の把握・公表

・自動車公害の抑制

・モラルの向上

・地域のルールづくり

・監視・指導の強化

・実態把握と情報提供

(4)環境汚染のない

住みよいまちづくり

施策の基本方針 施策 取り組み

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第3章 計画の目標と基本方針

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光化学スモッグ注意報発令日数の推移(埼玉県南西部)

年度 平成 18 平成 19 平成 20 平成 21 平成 22 平成 23 平成 24 平成 25 平成 26 平成 27

予報 12 11 6 6 17 5 3 11 8 9

注意報 12 21 8 6 14 8 3 9 11 9

警報 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

大気汚染関係測定値の推移(堀兼公民館)

自動車騒音の状況を把握するための調査は、幹線道路に面した地域(道路端から 50mの範

囲)において、個々の建物ごとの騒音レベルを推計し、環境基準の達成状況の評価(面的評価)

を行っています。この調査は、平成 24 年度から 28 年度までの 5 年間で市内の一般国道、県

道を区間毎に区切って実施しています。

平成 24~27 年度の調査結果によると、環境基準達成率は 47.5~100%となっており、路

線毎に達成率に差が見られます。

航空自衛隊入間基地の航空機騒音調査については、埼玉県が常時監視を 4カ所で、本市が定

期的に数か所で行っていますが、一部の地点を除き、毎年基準値を超過しています。

自動車騒音に係る環境基準適合状況(面的評価結果)

調査年度 調査路線 調査延長

(km)

評価対象住居等

戸数(戸)

昼間・夜間ともに基準値適合

(環境基準達成率)

平成 24 一般国道 16 号 1.9 620 527 戸 85.0%

平成 25 県道所沢狭山線 5.9 1,666 1,654 戸 99.3%

平成 26 県道所沢堀兼狭山線 4.8 640 640 戸 100.0%

平成 27

一般国道 299 号 2.3 543 291 戸 53.6%

一般国道 407 号 1.7 118 56 戸 47.5%

県道鯨井狭山線 4.4 813 813 戸 100.0%

県道笠幡狭山線 1.5 236 236 戸 100.0%

県道日高狭山線 2.3 750 713 戸 95.1%

0.2170.191

0.150

0.191

0.133

0.453

0.555

0.2120.153

0.214

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

平成18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

濃度

NO2,NO,NOX:ppm

SPM:mg/㎥

年度

二酸化窒素年平均値 一酸化窒素年平均値

窒素酸化物年平均値 浮遊粒子状物質1時間値最高値

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第3章 計画の目標と基本方針

81

■都市・生活型公害

本市に寄せられた公害苦情の件数は、以下の表のとおりです。近年の傾向として、大気汚染

に関するもの(主に野焼きに関する苦情)が多く、また、カラオケやピアノ等による近隣騒音

といった、都市・生活型公害に対する苦情も多くなっています。

こうした近隣騒音等の都市・生活型公害は、一人一人のモラルに負うところも大きいため、

地域に即したルール等を市民、事業者、市が一緒に考えていくことを通して、モラルの向上を

喚起していくことが必要です。

公害苦情件数の推移

年度 総数 大気汚染 水質汚濁 騒音 振動 悪臭 その他

平成 22 53 14 14 24 1 12 12

平成 23 98 42 13 24 2 13 4

平成 24 87 42 8 22 1 12 2

平成 25 78 41 3 18 2 9 5

平成 26 91 51 3 19 2 11 5

平成 27 81 39 7 11 1 7 16

施策の方向性

これまで本市では、大気汚染や水質汚濁、騒音等の公害対策について、工場や事業場への各種

法令に基づく指導や支援等により、着実に環境汚染物質の削減に取り組んできました。

今後も、工場や事業場における規制基準の遵守とともに、都市・生活型公害や有害化学物質等

へ適切な対応を実施し、市民が安全に健康に暮らせるよう、環境汚染のない住みよいまちづくり

を進めます。

【総合指標】

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・大気環境に係る環境基準達成状況 達成 一部未達成 達成

・公害苦情相談件数(件) 減少 81 減少

・空気のきれいさ満足度(%) 増加 50.1 64.0

・まちの静けさ満足度(%) 増加 44.0 62.0

・化学物質からの安全性満足度(%) 増加 34.4 50.0

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第3章 計画の目標と基本方針

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施策(4)-1 公害防止対策の推進(環境汚染物質の削減)

・法に基づき必要な規制・指導を行うとともに支援策を充実するなど、事業場との協働による

環境汚染物質の削減に取り組みます。

・生活騒音等の相談に関しては、適切かつ細やかな対応を図るとともに、一人一人のモラルの

向上や地域のルールづくりを通じて、市民が気持ちよく暮らせる地域づくりを進めます。

【取り組み】

○必要な規制・指導の強化

・工場・事業場の事業活動に伴う大気汚染、水質汚濁を防止するため、水質汚濁防止法及

び埼玉県生活環境保全条例による規制対象の事業場に立入りし、排水基準に適合するよ

う指導・監督を行います。

・規制対象外の事業場等に対しても、必要に応じ、立入検査を実施し、環境汚染物質の発

生・排出防止を促していきます。

・工場・事業場に対する苦情等については、状況を把握し、関係法令に基づき適切に対応

していきます。

・地下水汚染については、定期的な地下水調査の実施により、汚染物質の地下浸透状況を

把握し、原因者に対し指導を行います。

・航空機騒音については、国や埼玉県で行っている入間基地周辺の常時監視測定を補完す

ることで実態把握し、基地対策協議会に調査結果を報告します。

・全国基地協議会、防衛施設周辺整備全国協議会、埼玉県基地対策協議会、狭山市基地対

策協議会とともに、時間外飛行の削減、住宅防音工事の推進について、国への要望活動

を継続します。

○自主的な環境保全活動の促進

・事業活動における環境負荷を低減させるため、市のホームページ等により各種情報提供

を行い、市内の事業者に対して ISO14001 等の環境マネジメントシステムの導入を推

進し、事業活動において、環境汚染物質の発生がより少ない製造法、原材料の選定、排

出物質の処理等、自主的な環境保全活動を促進します。

○環境汚染の実態の把握・公表

・市独自に、大気、河川水、地下水、放射線等についての環境調査を継続的に行うことで

環境汚染の実態を把握し、調査結果を公表していきます。

・事業活動による排水、騒音等の測定等、事業場の自主的な環境調査による実態把握と公

表に対する支援を行います。

○自動車公害の抑制

・道路の整備や改良にあたっては、低騒音舗装を採用し、自動車交通の騒音の低減を図り

ます。特に自動車交通量の多い道路については、大気浄化や騒音の低減を目的とした街

路樹整備を検討します。また、道路交通騒音調査を定期的に実施し、環境基準未達成の

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第3章 計画の目標と基本方針

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路線については道路管理者に改善を要請します。

・市民や事業者に対して、自転車や公共交通機関の利用推進と自動車の利用抑制、物流の

合理化等を呼びかけ、発生交通量の抑制を図ります。

○モラルの向上

・生活騒音及び深夜営業騒音に関する苦情については、当事者から聞き取り調査を行い、

状況把握に努め、法令に基づき適切に指導します。

○地域のルールづくり

・良好な地域づくりと、紛争等の未然防止のため、騒音防止やまちなみ景観形成等に関す

る、地域住民による地域のルールづくりを支援します。必要に応じて、建築協定、緑地

協定等の制度を活用していきます。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・特定事業場・工場排水の規制基準の達成度(%) 増加 87.8 100

・航空機騒音に係る環境基準達成率(%) 増加 75.0 100

・大気汚染に係る環境基準達成率(沿道環境)(%) 維持 100 100

新 自動車騒音に係る環境基準適合状況*1(%) 達成 - 100

*1年度毎に調査路線が異なるため、市内の調査が一巡するおおむね 5年ごと(平成 24年度~平成 28年度

の 5年間等)の調査結果で評価する。

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第3章 計画の目標と基本方針

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施策(4)-2 有害化学物質等への対応

・市民が安心して暮らせるよう、ダイオキシン類等の有害化学物質や放射性物質に対して必要

な調査、対応を行います。

【取り組み】

○監視・指導の強化

・埼玉県と協力し、廃棄物焼却施設への立ち入り検査や不適切焼却に対するパトロールを

行い、不適切な処理が行われていた場合は、再発防止のための指導を行います。

・環境事務研究会や各種研修会において情報交換を行っていきます。

○実態把握と情報提供

・大気のダイオキシン類調査を引き続き実施して経年変化を把握し、環境レポート等で公

表します。また、有害化学物質の排出削減のための技術的な情報を収集し、事業者に対

して、提供していきます。

・平成 23年 3月に発生した東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故及

び事故処理の長期化を受けて、本市では現在、市内の 15 地点で定期的に実施している

放射線量の測定結果や、埼玉県による狭山茶を含む農産物等に含まれる放射性物質調査

結果をホームページで公表しています。なお、測定方法や頻度に関しては、国や埼玉県

の動向を把握し、適切に対応していきます。

・市民、事業者、市等が、環境リスク(化学物質による危険性の度合い)に関する正確な

情報を共有し、意思疎通を図ることで適切な行動をとる、リスクコミュニケーションを

推進するため、情報の整備・対話の推進・場の提供の 3点をバランスよく進めていきま

す。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・不適切焼却防止パトロール実施回数(回) 維持 24 24

・ダイオキシン類に係る環境基準達成率(%) 維持 100 100

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第3章 計画の目標と基本方針

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基本方針(5) 低炭素社会形成へ向けた地域からの取り組み

環境と取り組みの現状及び課題

■地球温暖化対策実行計画(区域施策編)

本市では、「地球温暖化対策の推進に関する法律(略称:地球温暖化対策推進法)」に基づ

き、第 2次狭山市環境基本計画のなかで、「地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を策定

し、狭山市域からの温室効果ガス総排出量の削減目標と、目標達成に向けた取り組みや各主体

の役割を定め、これを推進してきました。

しかしながら、市域からの温室効果ガス総排出量は、平成 21 年度以降、東日本大震災直後

の平成 23 年度を除き増加しています。

今後は、温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みを一層推進するとともに、地球温暖化に

よる気候変動の影響によって発生する被害への対策や備えとして「適応策」を充実することが

必要です。

(5)-1 再生可能エネルギーの

普及

(5)-2 省エネルギー型

まちづくりの推進

(5)-3 車の利用をひかえる

生活のための環境整備

(5)低炭素社会形成へ

向けた地域からの

取り組み

・徒歩や自転車で暮らしやすいまちづくり

・公共交通の利用促進

・自動車利用の抑制

・次世代自動車の普及

・エコドライブの普及啓発

・再生可能エネルギーの活用

・市民共同発電所の普及支援

・省エネルギー建築の普及

・省エネルギー行動の普及促進

・ミニエコタウン事業の展開

・地球にやさしい製品の普及

・グリーン調達の推進

(5)-5 地球温暖化への適応策

(気候変動による被害

軽減)

施策の基本方針 施策 取り組み

・健康分野における適応策

・防災分野における適応策

・水利用分野における適応策

・農業分野における適応策

・生態系分野における適応策

(5)-4 地球にやさしい製品の

普及

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第3章 計画の目標と基本方針

86

■省エネルギーの推進と再生可能エネルギー1の普及

平成 23 年 3 月の東日本大震災以降、国内のエネルギー需給は逼迫し、市民、事業者、行政

それぞれが、節電をはじめとした省エネルギー行動に取り組んでいます。

市庁舎や学校等の市施設においては、平成 24年 3 月に策定した「地球温暖化対策実行計画

(事務事業編)」において、「平成 33 年度までに市施設からの温室効果ガスの排出量を平成

22 年度比 16%削減」という目標を掲げ、省エネ対策を進めています。平成 27 年度の市施設

からの温室効果ガス排出量は 21,181t-CO2で、平成 22 年度比 12.8%減となっており、目

標達成に向けて着実に取り組んでいます。

近年は、太陽光をはじめとする省エネルギーシステム等への補助が強化されています。また、

「NPO法人さやま環境市民ネットワーク」が中心となって、東急入間川自治会館及び新狭山 1

丁目・3 丁目自治会館にマイタウンソーラー発電所が設置され、さらに 3号機の設置に向けて

検討が進められています。

本庁舎及び庁外施設における温室効果ガス排出量

省エネ設備等の導入状況

1 再生可能エネルギー:化石燃料のように使えば減って枯渇するエネルギーに対し、使用しても減ることのない

エネルギーで、許容される範囲内で使えば何回でも再生できるエネルギーのこと。太陽光発電、太陽熱利用、

風力発電、小規模水力発電、バイオマスエネルギー等がある。

20 20 18

100100 150

200 200 194

143

818 19

514 21 16 9 8

53.7 56.2 58.146.8

52.9

61.8

64.5

75.4 71.9

86.0

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

平成18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

(%)(台)

年度

太陽光発電補助利用数 公用車の低公害車導入台数

公共施設グリーン購入率

24,981 24,874 23,623 23,833 24,283

22,23920,366

17,424 18,246

21,181

972 1,027 989 977 1,024834 872 887 862 869

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

平成18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

(t-CO₂)(t-CO₂)

年度

本庁舎及び庁外施設の排出量(左軸) 本庁舎の排出量(右軸)

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第3章 計画の目標と基本方針

87

■車の利用をひかえる生活のための環境整備

日常生活の中では、CO2排出源である車の利用をひかえることが、温暖化の防止につながり

ます。本市は、CO2の部門別排出量のうち運輸部門の占める割合が比較的高く、その中でも特

に自家用車から排出される CO2割合が高くなっています。現時点では、マイカー通勤自粛等、

個人の努力に依存していますが、CO2の大幅削減のためには、車がなくても生活しやすい環境

整備が課題となっています。

年度別公共交通利用者数(鉄道、バス、茶の花号)

注:茶の花号は年間利用者数(左軸)、その他は 1日平均乗降客数(右軸)

■環境経営の推進

事業者においては、ISO14001 を取得するなど、環境経営に積極的な取り組みが多く行わ

れています。

また、エコマーク・グリーンマーク商品の販売、資源物の店頭回収、簡易包装やはかり売り

の推進、省エネルギーや従業員への環境教育等、環境への負荷の低減ための活動を行っている

店・事業所もあります。

今後は、市内に多い中小企業を含めた各企業が相互に連携し、環境配慮の輪を広げていくこ

とが期待されます。

■地球にやさしい製品の普及

地球にやさしい製品の普及を進めるため、市役所をはじめとした公共機関におけるグリーン

調達を推進しています。さらに、グリーン調達等、日常生活でできる地球温暖化防止の取り組

みを積極的に行う市民・事業者を育て、地域から地球温暖化へ対応していくことが求められて

います。

72,63774,669 73,554

71,61267,827

52,726

68,218 73,435

76,841

82,754

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

100,000

平成18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

(人)(人)

年度

茶の花号利用者数 狭山市駅乗降客数 入曽駅乗降客数

新狭山駅乗降客数 稲荷山公園駅乗降客数 バス乗客数

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第3章 計画の目標と基本方針

88

■事務事業者としての市の取り組み

本市は、平成 12 年度に ISO14001 を認定取得して以来、全ての事務事業において、環境

配慮活動を進め、事業活動による環境負荷の低減に努めてきました。また、毎年の定期審査と

3 年に 1 度の更新審査を経て、ISO14001 の運用を継続してきました。しかし、環境マネジ

メントシステムをより浸透させ、さらに進化させるには、規格への適合を自ら検証していく自

己宣言への移行が必要ではないかとの問題意識のもと、平成 20 年度に ISO14001 の自己宣

言へと移行しました。

さらに、平成 28 年度からは、取り組みをより効果的・効率的なものとするため、本市独自

の環境マネジメントシステムへと移行しました。

施策の方向性

地球温暖化がますます深刻化する中、平成 27年 12 月に「パリ協定1」が採択されるなど、地

球規模での温暖化対策が進められています。日本は、平成 28 年 5 月に閣議決定した「地球温暖

化対策計画」において、温室効果ガスの排出量を平成 42 年度までに平成 25 年度比で 26%削

減する目標を掲げています。また、同計画において、地方公共団体の基本的役割として、「地域

の自然的社会的条件に応じた施策の推進」を示しています。

このような状況を受け、本市においては、「低炭素社会2形成」の実現に向けて、再生可能エネ

ルギーの普及を中心に、省エネルギー型のまちづくり、車の利用をひかえる生活のための環境整

備、地球にやさしい製品の普及に取り組んでいきます。

また、夏季の熱中症予防など、地球温暖化への適応(備え)についても取り組んでいきます。

【総合指標】

指標項目名 目指す方向 現状 H25 目標 H31

・二酸化炭素排出量(千t-CO2)*1 減少 1,017.7 916.7

*1二酸化炭素排出量は、統計資料の関係で、把握できる最新値が 2年前のものとなることから、他の指標よ

りも 2年遅れの値を用いる。

1 パリ協定:第 21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)が開催されたパリにて、2015年 12月 12日に採択さ

れた、気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定(合意)。京都議定書に続く 2020年以降の地球温暖化対策

が定められている。2016年 11月 4日に発効。 2 低炭素社会:化石エネルギーの消費等に伴う温室効果ガスの排出を大幅に削減し、世界全体の排出量を自然界

の吸収量と同等レベルとしていくことにより、気候に悪影響を及ぼさない水準で、大気中の温室効果ガスを安

定させると同時に生活の豊かさを実感できる社会。

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第3章 計画の目標と基本方針

89

施策(5)-1 再生可能エネルギーの普及

・平成 23 年 3 月の東日本大震災以降、国内のエネルギー需要は逼迫し、市民、事業者、行政

それぞれが、節電をはじめとした省エネルギー行動に取り組んでいます。

・今後もエネルギー需要の逼迫が予想されること、エネルギーに対する考え方そのものの見直

しも必要とされていることから、本市でも温暖化対策の中で、再生可能エネルギーの積極的

な導入に取り組みます。

【取り組み】

○再生可能エネルギーの活用

・太陽光、太陽熱、風力、バイオマス等の再生可能エネルギー利用のモデルとなるよう、

施設の特性を踏まえながら、公共施設における再生可能エネルギー利用の取り組みを進

めます。また、これによる排出削減効果の公表や見学会の開催等により、市民や事業者

への普及に努めます。

・太陽光発電システム等の設置に対する助成を行うとともに、各種助成制度等に関する情

報提供を行います。

・未利用エネルギーの利用については、現時点では、技術的・コスト的な問題があります

が、その利用技術は、他の様々な省エネルギー技術と組み合わされて、低炭素社会を作

るのに役立てることができるため、情報収集を行っていきます。

○市民共同発電所1の普及支援

・マイタウンソーラー発電所 1号機及び 2 号機に引き続き、市民共同発電所の普及が進む

よう、広く市民への呼びかけに協力するとともに、技術的情報の収集・提供等の支援を

行います。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・公共施設における太陽光発電容量(kW) 増加 358 500

新 再生可能エネルギーによる CO2 削減量

(t-CO2) 増加 8,038 15,150

・市民共同発電所建設件数(累計)(件) 増加 2 5

1 市民共同発電所:市民から募った寄付や出資、行政の補助金等をもとに、NPO法人や民間会社が設置した太陽光

パネルなどの装置。本市では「マイタウンソーラー発電所」と呼ばれ、1号機が東急入間川自治会館に、2号機

は新狭山 1丁目・3丁目の自治会館に設置されている。

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第3章 計画の目標と基本方針

90

施策(5)-2 省エネルギー型まちづくりの推進

・断熱・通風・採光等に配慮した省エネ建築の普及や、ヒートアイランドを抑制する水辺や緑

をまちに増やすことで、省エネルギー型のまちづくりを推進します。

・日常生活や事業活動の中でできる省エネ行動の普及啓発により、市民、事業者が地球にやさ

しい行動を実践するよう働きかけます。

【取り組み】

○省エネルギー建築の普及

・ホームページ等により、省エネ住宅等の普及のための情報を提供していきます。

・公共施設の新築、改築等に際して、省エネルギー建築を推進します。

・公共施設及び道路照明灯、防犯灯のLED化を推進します。

・事業活動による環境負荷の低減を図るため、市の施設や事業所等を対象に省エネ診断の

普及を推進します。

・公共施設の緑化、民有地の緑化、大規模建築等における屋上緑化や壁面緑化、緑のカー

テンの普及を図り、緑による温度調節機能を活かした省エネルギー対策を推進します。

○省エネルギー行動の普及促進

・省エネ・省資源などの環境意識向上のため、引き続きエコライフ DAY 等の普及啓発を

行います。

・省エネ、創エネに加え、蓄エネについて、環境的・経済的メリットを含め、考え方や技

術的情報を分かりやすく市民に情報提供します。

・家庭から排出される CO2の「見える化」を促進するための情報提供を行います。

○ミニエコタウン事業1の展開

・埼玉県、事業者との協働により、モデル街区を設定し、再生可能エネルギーによる創エ

ネと徹底した省エネによりエネルギーの地産地消を目指す「ミニエコタウン事業」を促

進します。

・エネルギー、交通システム、市民のライフスタイルの転換等を複合的に組み合わせた「ス

マートコミュニティ2」を実現していくための研究を進めます。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・省エネ診断の実施件数(累計)(件) 増加 7 15

・エコライフ DAY参加者数(人) 増加 24,077 27,000

1 ミニエコタウン事業:埼玉県が選定した民間事業者(協働事業者)が、過去に開発・分譲した比較的小規模な

既存住宅地において、太陽光発電設備の設置や省エネリフォームの施工などを実施し、エコタウンに変えてい

く事業。県は、モデル街区の住民に対し補助金を交付して取り組みを支援している。 2 スマートコミュニティ:電気の有効利用に加え、熱や未利用エネルギーも含めたエネルギーの「面的利用」や、

地域の交通システム、市民のライフスタイルの変革などを複合的に組み合わせたエリア単位での次世代のエネ

ルギー・社会システムの概念のこと。

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第3章 計画の目標と基本方針

91

施策(5)-3 車の利用をひかえる生活のための環境整備

・高齢化が進行していることから、健康で歩きやすいまちを目指し、公共交通の利便性を高め、

車への過度の依存が必要ない徒歩や自転車で暮らしやすいまちづくりを進めます。

・車の購入や利用にあたっては、電気自動車や燃料電池自動車等の次世代自動車1の普及や、環

境負荷を低減するエコドライブの普及に努めます。

【取り組み】

○徒歩や自転車で暮らしやすいまちづくり

・歩いて暮らせるまちづくりを進めるため、通学路等の道路について、拡幅改良及びたま

り場の整備を行います。

・都市計画道路の整備にあたっては、歩道、自転車専用通行帯等について検討し、歩行者

及び自転車等の安全性の向上を図ります。また、交通安全教室を継続して実施し、自転

車利用のルールとマナーの普及・徹底をさらに図っていきます。

・放置自転車の撤去を継続して実施し、道路環境の整備に努めていきます。

○公共交通の利用促進

・市内循環バス「茶の花号」の利用実態調査

等を踏まえながら、地域の実情に即した交

通手段の検討など、今後の公共交通の充実

に努めていきます。

・市内循環バス「茶の花号」を継続して運行

し、利便性の向上・利用促進に努めていき

ます。

○自動車利用の抑制

・短距離移動には徒歩や自転車を利用するよう、ホームページ等により、普及に努めます。

・商店街を利用する際や、市内事業所への通勤手段については、公共交通機関や自転車を

利用するよう呼びかけます。

○次世代自動車の普及

・電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車等、

温室効果ガス排出量の少ない次世代自動車の普及を図ります。

・公用車に燃料電池自動車等の次世代自動車を積極的に導入します。

1 次世代自動車:従来のガソリン車やディーゼル車に比べて、排出ガス中の汚染物質の量や騒音が少ない、また

は全く排出しない、燃費性能が優れているなどの環境にやさしい自動車のこと。燃料電池自動車、電気自動車、

天然ガス自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、クリーンディーゼル自動車等がある。

茶の花号

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第3章 計画の目標と基本方針

92

○エコドライブの普及啓発

・アイドリングストップ、急発進・急加速を行わないなど、環境負荷を低減するエコドラ

イブの普及に努めます。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

新 市内循環バスの利用者数(人) 増加 82,754 88,000

・公用車の次世代自動車導入台数(台) 増加 8 20

・エコドライブの実施率(%)*1 増加 32.5 50.0

*1市民アンケートにて自動車を所有している人を対象に集計

施策(5)-4 地球にやさしい製品の普及

・リサイクル製品等の地球にやさしい製品の普及と積極的な使用を図ります。

【取り組み】

○地球にやさしい製品の普及

・環境に配慮した製品を製造または販売している市内の事業所をホームページ等で紹介し、

地球にやさしい製品の普及に努めます。

・市内の中小事業所が取り組みやすい環境マネジメントシステムの検討、導入を支援しま

す。

○グリーン調達の推進

・市役所で使用する物品の購入にあたっては、環境マネジメントシステムに基づく環境に

配慮した製品の採用に努めます。

・各種イベント実施の際に、グリーン調達やグリーン購入についての普及を行います。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・市役所で使用する物品のグリーン購入率(%) 増加 86.0 90.0

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第3章 計画の目標と基本方針

93

施策(5)-5 地球温暖化への適応策(気候変動による被害軽減)

・地球温暖化の進行に従来の施策(緩和策)が追いつかない恐れがあるという現実から、地球

温暖化による気候変動の影響によって発生する被害(健康分野、防災分野、水利用分野、農

業分野、生態系分野)への対策や備えとして「適応策」の充実が必要となっています。

・市内において地球温暖化によって既に現れている影響を把握し、今後予想される影響を想定

のうえ、その適応策を検討していきます。

【取り組み】

○健康分野における適応策

・熱中症被害を防止するため、予防法と対処法についての情報提供や啓発を行います。

・高齢者等の熱中症のリスクが高い人を守るため、地域による声かけ・見守り等の周知・

啓発を推進します。

・ヒートアイランド現象緩和のために、屋上緑化や壁面緑化、緑のカーテン等の緑化活動

の普及・推進を進めます。

○防災分野における適応策

・浸水被害等の軽減と解消を目指し、河川改修や下水道整備を進めます。

・雨水の流出を抑制し、雨水の有効利用を図るため、市民に対して、雨水貯留設備及び浸

透施設設置の働きかけ、設置補助等により、一層の普及を図ります。

・道路建設の際は、歩道部分について、浸透性舗装を積極的に採用し、雨水の地下浸透を

促進します。

・災害時の活動拠点や避難所等が安定して機能するようにするため、太陽光発電設備や蓄

電池など、再生可能エネルギーを活用したエネルギー確保を進めます。

緑のカーテン

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第3章 計画の目標と基本方針

94

○水利用分野における適応策

・一般家庭や事業者に対する水の適正な利用の普及啓発を推進するとともに、渇水時の節

水を啓発します。

○農業分野における適応策

・干ばつや大雨等による被害を防ぐため、関係機関と協力して水管理や排水対策等の徹底

を進めます。

・関係機関と協力して、高温等の影響を回避・軽減する農作物栽培管理技術の普及を図り

ます。

○生態系分野における適応策

・地球温暖化による野生生物の分布への影響を的確に把握するため、モニタリング調査を

実施し、必要に応じて保護対策を実施します。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

<再掲>

雨水貯留浸透施設の設置補助件数(累計)(基)

雨水貯留タンク

浸透マス

増加

245

406

385

560

<再掲>公共施設における太陽光発電容量(kW) 増加 358 500

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第3章 計画の目標と基本方針

95

基本方針(6) 環境学習の推進と環境保全活動の実践

環境と取り組みの現状及び課題

■環境学習

本市では、すべての市民が環境について学び、具体的な行動に取り組みやすい地域社会の実

現を目指して、学校教育の場、生涯学習の場でさまざまな取り組みを進めています。

学校教育においては、すべての小中学校で、総合的な学習の時間等を利用した環境教育に取

り組んでいます。また、体験重視の環境教育を推進するため、体験農園の整備を行っています。

特に、平成 9年度にエコスクールの認定を受けた入間川小学校では、漁業協同組合の協力のも

と、入間川で地引き網を体験するなど、地元ならではの自然との関わりの中で、環境意識の向

上を図っています。

生涯学習においては、公民館活動で環境問題やリサイクル等をテーマとした講座を実施して

おり、平成 27 年度には延べ 805 人が参加しました。また、実際の自然体験を通して環境問

題を考える自然学習講座には、延べ 589人が参加しました。

しかしながら、講座の運営に欠かせないボランティアの不足が課題となっており、環境の知

識をもち、リーダーシップを発揮できる人材の育成が課題となっています。

(6)-1 環境学習の推進

(6)-2 環境保全活動への

参加機会の提供

(6)-3 自主的活動への支援

(6)-4 多様な主体の

協働体制の強化

(6)環境学習の推進と

環境保全活動の

実践

・学校における環境教育の推進

・地域ぐるみの環境学習の推進

・環境学習の場の提供

・環境保全活動の推進

・多角的支援

・パートナーシップの仕組みづくり

・地域力の向上

・広域連携

施策の基本方針 施策 取り組み

入間川での地引き網体験

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第3章 計画の目標と基本方針

96

公民館における環境関連講座開催数、受講者数の推移

注:平成 27年度に自然体験学習講座開催数が大きく減少している理由は、年間を通じて農業体験講座を

多数行っていた参加者がサークルとして独立し、講座ではなく自主活動に発展したことによる。

29 21 17 16 22 2261 67 72 57 67 20

1,058

789

488 576 621

805

1,452

1,7281,717

782

968

589

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000

0

20

40

60

80

100

平成22 23 24 25 26 27

受講者数(人)開催回数(回)

年度

環境関連講座開催数 自然体験学習講座開催数

環境関連講座受講者数 自然体験学習講座受講者数

環境講座

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第3章 計画の目標と基本方針

97

■環境保全活動の実践-環境保全活動への参加機会の提供

市民が日ごろ環境に配慮した取り組みを行っているかどうかを、市民アンケートの結果から

みると、「ごみの減量」をはじめ、個人が日常生活の中で自らの心がけでできる取り組みにつ

いては、既に多くの人が実践しており、比較的簡単にできる環境配慮はなされています。

一方、「行っている」が少ない項目をみると、環境保全の市民活動や環境学習への参加、雨

水貯留タンクの設備の導入、生ごみの堆肥化といった、時間的または経済的負担が大きいもの

が多くなっています。

日頃行っている取り組み(環境に関する市民意識調査(平成 27年度)より)

行って

いる率

の高い

項 目

90%以上

・ごみ出しのルール(分別、収集日時など)を守っている(98.1%)

・ごみ・空き缶・吸い殻等のポイ捨てをしない(97.0%)

・油をそのまま排水口に流さないようにしている(92.0%)

・カーテンを利用するなど部屋の冷暖房効率を高めている(90.4%)

80%以上 ・生ごみは水切りをして減量してから出している(89.4%)

・集団回収に協力している(87.0%)

70%以上

・掃除機やエアコンのフィルターを定期的に清掃している(79.3%)

・買い物袋を持参し、レジ袋をもらわないようにしている(76.4%)

・冷暖房の温度は適正に設定している(75.3%)

・庭やベランダで緑を育てている(75.0%)

・洗剤は環境に優しいものの使用や、量の適正化に努めている(73.2%)

・修理やリフォームを行うなど、ものを大切にしている(70.6%)

・リサイクル商品や詰め替え商品を優先的に購入している(70.1%)

行って

いる率

の低い

項 目

10%以下

・環境保全の市民活動(NPO など)に参加している(2.9%)

・雨水貯留タンクを設置している(6.3%)

・環境講座に参加するなど、環境について学習している(6.7%)

20%以下 ・生ごみを堆肥化し、有効利用に努めている(17.8%)

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第3章 計画の目標と基本方針

98

環境保全活動への参加経験・参加意欲について質問したところ、「地域の河川や道路のごみ

拾い(クリーン作戦)」は 31.3%、「フリーマーケット、バザーへの出品や企画運営」は 11.0%

の人が参加経験を持っていました。

参加意欲については、「地域に花やみどりを増やす活動」に参加してみたいと回答した人が

52.2%と最も多く、今後の緑のまちづくりの進展が期待されます。これに次いで、「チャレン

ジ節電さやまへの参加」、「エコライフ DAY さやまへの参加」、「環境保全や街づくりの勉

強会への参加」、「身近な樹林などの保全・管理作業への参加」が 40%前後で続いています。

環境保全活動への参加経験、参加意欲(環境に関する市民意識調査(平成 27年度)より)

■活動への支援

環境保全活動の実施・運営には、市民の協力が欠かせません。

活動の主体に着目すると、平成 15年の環境基本計画改定をきっかけとして結成された市民

団体「NPO 法人さやま環境市民ネットワーク」が、環境学習をはじめとした幅広い活動を行

っています。その他にも、クリーン作戦やリサイクルマーケットの運営、公園における清掃・

除草等の管理作業等においても、市民や自治会が積極的に活動に参加しています。

こうした活動に対し、本市では、環境関連事業に活用する「環境保全創造基金」を設置し、

環境保全活動の充実を図っています。

平成22年度

平成27年度

平成22年度

平成27年度

平成22年度

平成27年度

平成22年度

平成27年度

平成22年度

平成27年度

平成22年度

平成27年度

平成22年度

平成27年度

平成22年度

平成27年度

平成22年度

平成27年度

自然観察の会への参加や世話

フリーマーケット、バザーへの出品や企画運営

環境調査(水質測定、生きもの調査など)への参加

「エコライフDAYさやま」への参加

「チャレンジ節電さやま」への参加

河川や道路のごみ拾い(クリーン作戦)

環境保全や街づくりの勉強会への参加

地域に花やみどりを増やす活動

身近な樹林などの保全・管理作業への参加

4.4%

5.0%

5.0%

32.4%

31.3%

4.4%

4.1%

7.7%

8.0%

4.8%

5.0%

3.3%

3.1%

15.7%

11.0%

2.0%

1.9%

0.5%

0.9%

0.8%

2.5%

3.0%

2.0%

1.4%

1.7%

1.2%

1.8%

1.3%

1.8%

1.0%

2.7%

3.1%

1.1%

1.0%

46.9%

42.6%

43.7%

35.3%

33.3%

45.5%

42.6%

59.0%

52.2%

43.3%

39.8%

42.3%

38.9%

33.1%

28.2%

38.0%

35.1%

39.8%

44.1%

42.9%

25.3%

27.6%

41.2%

44.9%

25.8%

32.2%

43.3%

47.7%

45.9%

49.3%

43.5%

52.6%

51.9%

55.0%

8.4%

7.4%

7.7%

4.5%

4.9%

6.9%

7.1%

5.8%

6.4%

6.8%

6.1%

6.7%

7.7%

5.0%

5.1%

7.0%

6.9%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

参加したことがある参加したが

今後参加しない

参加していなくて、

参加したくない

無回答その他参加していないが、

参加したい

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第3章 計画の目標と基本方針

99

環境保全創造基金積立残高の推移

■多様な主体の協働体制の強化

本市では、環境美化活動や各種環境イベント、環境まちづくりに関する市民提案型協働事業

などを各主体と協働で行い、パートナーシップの充実を図っています。また「NPO 法人さや

ま環境市民ネットワーク」に一部事業を委託するとともに、協働で環境保全活動に取り組んで

います。

施策の方向性

「環境まちづくり」の推進には、市民や事業者が自主的に環境保全活動に取り組むことが理想

ですが、そのためには、一人一人が高い環境意識を持ち、環境や環境保全の取り組みについて正

しく理解していることが重要です。

今後も、市内で活動している市民団体の実績と豊富な人材、企業の技術力等を活用しながら、

自主的な環境保全活動につなげるとともに、みんなで環境について学びあい、環境意識の高い市

民を育てていきます。

【総合指標】

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・環境学習の場や機会への満足度(%) 増加 13.5 50.0

99.4

145.5 140.4

115.6

83.4

138.6

122.8

96.9

71.0

101.3

0

20

40

60

80

100

120

140

160

平成18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

積立額

(百万円)

年度

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第3章 計画の目標と基本方針

100

施策(6)-1 環境学習の推進

・市民生活や事業活動において、常に環境に配慮した行動がとれるよう、また、子どもから高

齢者まで、機会があるごとに環境について考えられるよう、市と市民団体の協力によって、

環境教育の場所、機会、人材、多様なプログラムを整え、環境に対する意識の向上を図りま

す。

【取り組み】

○学校における環境教育の推進

・小中学校において、理科や社会科など、教科における環境教育を一層推進します。また、

小学校ではビオトープの活用に努めます。

・年間計画の改善と充実を図るとともに、委員会活動や林間学校などの特別活動及び道徳、

総合的な学習の時間等における環境教育を一層推進します。

・子どもの日常生活圏である地域の自然環境について、小中学校に隣接する樹林地や水辺

を環境教育の場として活用し、保護者や地域の方の協力を得ながら、フィールドワーク

や調べ学習を推進します。

○地域ぐるみの環境学習の推進

・地域における環境学習については、環境関連講座や自然体験学習講座により、学習の機

会を確保するとともに、市民の自主的な環境学習を推進してきました。今後も、各地区

の独自性を活かし、地域の環境の課題をテーマにした講座、環境にやさしいライフスタ

イル講座等の環境学習講座や自然体験学習講座を開催します。

・講座や体験学習を行うとともに、新たなフィールドの活用や地元企業との連携を図りま

す。また、次世代のリーダーを育成するため、研修会等の情報を提供します。

○環境学習の場の提供

・自然の仕組みを体験的に学べる場として、公園、市民緑地等において、必要な施設等の

整備を行い、安全確保に配慮しつつ市民に開放します。

・環境学習の場として、地域の公民館を活用します。また、小中学校、高校、大学と連携、

協力し、環境学習や公開講座等を開催します。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

新 環境関連講座の参加者数(人) 増加 805 1,000

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第3章 計画の目標と基本方針

101

施策(6)-2 環境保全活動への参加機会の提供

・市民団体等と連携して、さまざまな環境保全活動への参加の機会を提供します。

【取り組み】

○環境保全活動の推進

・クリーン作戦、リサイクルマーケット等の環境保全活動イベントを開催し、市民へ環境

保全活動への参加の機会を提供します。

・地域の自然や環境資源について考えるきっかけづくりのため、市民団体等が実施する環

境イベントを支援し、環境意識の高揚を図ります。

・公園や水路、調整池の管理について、地域住民の協力による保全活動を推進します。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・環境保全活動イベントの開催件数(件) 増加 33 50

環境保全活動イベントでの普及啓発

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第3章 計画の目標と基本方針

102

施策(6)-3 自主的活動への支援

・活動場所の確保やさまざまな情報提供、専門家の派遣等により、市民団体や事業者による自

主的な環境保全活動を支援します。

【取り組み】

○多角的支援

・環境保全を目的に定期的な活動を行っている市民団体等に対して、必要な情報の提供や

後援を行います。

・市民団体が行う情報交換等のためのネットワークづくりを支援します。

・こどもエコクラブ1に関する情報収集及び提供を行い、登録参加を呼びかけます。

・「狭山市生涯学習ボランティア制度」に加え、市内の大学、学校や環境に関する専門家

の協力が得やすくなるよう、人材に関する情報を充実させます。

・「狭山市生涯学習ボランティア制度」を拡充させ、ボランティア名簿を発行します。

・自主的な環境保全活動を支援するため環境保全創造基金の効果的な活用を図ります。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・こどもエコクラブ登録件数(件) 増加 0 10

・環境保全創造基金活用額(累計)(百万円) 増加 192.7 250

1 こどもエコクラブ:幼児(3歳)から高校生までなら誰でも参加できる環境活動のクラブ。子どもたちのエコ

活動や環境学習を応援し、子どもたちが人と環境の関わりについて理解を深めることで、地域に根ざした環境

保全活動の環が広がることを目的としている。

こどもエコクラブの活動状況

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第3章 計画の目標と基本方針

103

施策(6)-4 多様な主体の協働体制の強化

・計画の効果的な推進のため、市民、市民団体、事業者、市のパートナーシップづくりを進め

ます。

・「狭山市協働ガイドライン」に従い、パートナーシップによる事業の推進を図ります。

・総合的かつきめ細かい取り組みを進めるため、行政内部の横断的連携を図ります。

・行政界を超えた環境問題へ対応するため、国や埼玉県、近隣自治体との連携を図るとともに、

市民レベルでの地域間連携を支援します。

【取り組み】

○パートナーシップの仕組みづくり

・市民、市民団体、事業者が個々の独自性と自由な活動を維持しつつ、情報交換や人的交

流による相互啓発を図るため、活動主体とのパートナーシップの形成を図り、各主体と

の協働による環境保全を推進していきます。

・各種環境関連情報の発信を行い、企業や団体等の自主的活動を支援します。

○地域力の向上

・これからの環境まちづくりには、地域住民自らが、自律的に地域問題を解決したり、地

域の価値を創り出していくことが重要です。地域特性を活かした講座・イベントを開催

し、地元環境資源に関する認識を深めるとともに、地域に愛着を持ち、地域の問題に対

して自ら行動できる市民となるきっかけをつくり、地域力の向上を図ります。

○広域連携

・これまで、「埼玉県西部地域まちづくり協議会(ダイア)」を構成する狭山市、所沢市、

飯能市、入間市の 4市連携により、環境マネジメントシステムの効果的な活用を図って

きました。今後も、協働監査や、歩きたばこポイ捨て防止キャンペーン等の共同開催を

実施していきます。また、ダイア環境部会において意見交換を行い、各市の環境課題の

解決に向けた取り組みを推進します。

・広域的な問題に対しては、行政間の連携だけでなく、市民、事業者レベルでの連携を図

り解決への取り組みを効果的に進めます。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・環境保全活動に係る市民との協働事業件数

(件) 増加 19 30

・「NPO法人さやま環境市民ネットワーク」

会員数(人) 増加 157 200

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第3章 計画の目標と基本方針

104

基本方針(7) 環境情報の整備

環境と取り組みの現状及び課題

■正しい環境情報の収集と提供

環境に配慮した取り組みは、正確かつ的確な環境情報のもとに実践されることが重要です。

また、多様な主体の協働による取り組みを推進するためには、情報共有が不可欠です。

本市ではこれまで、大気・水質等の測定結果や環境イベント情報、『環境基本計画』の進捗

状況等をホームページ等に掲載し、公表を行ってきました。環境関連のホームページには年間

5万件を超えるアクセスがあり、市民の関心の高さがうかがえます。

しかしながら、行政側では、市民が知りたい情報が何であるのかを的確に把握する方法と仕

組みが十分に機能しておらず、また平成 27年度の市民アンケート結果をみると、市からの環

境情報提供に対する満足度は 16.2%と低くなっています。

■多様な主体の情報交流の場の確保

多様な主体の協働による取り組みを推進するには、情報の共有は不可欠であり、必要な環境

情報の整備、公開とともに、事業者、市の環境情報の共有化と情報交流を支援する仕組みの整

備が必要となっています。

直接的な情報交流の場として、ここへ行けば環境情報があって自分で調べたり、教えてもら

うことができる、エコサロンのような場所を地区ごとに設置するなど、環境情報を身近なもの

にしていくことが市民の活動を盛んにしていくためには必要です。現在、情報交流を目的に月

に 1度、NPO法人さやま環境市民ネットワーク主催の「環境サロン」が開催されていますが、

参加する市民は限られています。

また、地域コミュニティの母体となる自治会に加入していない世帯があり、自治会を通じた

情報提供だけでは情報が行き渡らないといった場合も生じてきています。

そのため、市民のライフスタイルを考慮した多様な情報チャンネルを用いて、行政情報と市

民情報の相互交流を促進していくことが求められます。

(7)-1 正しい環境情報の

収集と提供

(7)-2 多様な主体の

情報交流の場の確保

(7)-3 環境監視の充実

・正しい情報の整備

・多様なメディアによる情報交流

・環境情報・啓発の場の整備

・イベント等の開催

・環境監視の充実

・環境評価と情報発信

(7)環境情報の整備

施策の基本方針 施策 取り組み

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第3章 計画の目標と基本方針

105

■環境監視の充実

情報交流の基盤として、さまざまな情報のストックが必要であり、市民情報の受信方法や、

市民参加での環境調査、生き物調査等の情報収集の方法、中立的立場でさまざまな情報を審議

する場の設置等の仕組みづくりが求められます。

本市では、市民感覚に即した新たな環境評価指標の設定も課題となっており、生物の生息状

況等の基礎的情報の整備が求められます。

施策の方向性

環境に配慮した取り組みは、正確かつ的確な環境情報をもとに実践されることが重要です。

また、多様な主体の協働による取り組みを推進するためには、情報共有が不可欠です。

本市ではこれまでも大気、水質等の環境データの測定・公表等を行ってきましたが、より多く

の人に十分に行き渡るよう環境情報を整備、公開していくとともに、市民、事業者、市の環境情

報の共有と情報交流の場を確保していきます。

【総合指標】

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・環境情報に関する満足度(%) 増加 16.2 50.0

環境月間パネル展

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第3章 計画の目標と基本方針

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施策(7)-1 正しい環境情報の収集と提供

・環境レポート、ホームページ、広報紙等、多様な手段により、広く市民へ正しい情報の提供

を行います。本市の環境についての基礎情報の収集、蓄積を図ります。

・生き物調査や水質調査等を市民参加で行い、調査結果を普及啓発の素材として活用・公表し

ます。

【取り組み】

○正しい情報の整備

・本市が実施する大気、水質、騒音等の環境測定データを定期的に公表していきます。

また、埼玉県の調査結果についても、必要に応じて、情報提供していきます。

・本市の環境に関する年次報告書である「環境レポート」を発行し、環境基本計画に基づ

く、施策の進捗状況を公表します。

・事業者の環境配慮の取り組み状況や、自主的環境調査の結果公表等を推進します。

○多様なメディアによる情報交流

・インターネットを通じた情報伝達手段の発達により、市民の環境情報へのアクセス方法

も多様化しています。掲示板等への環境イベント情報等の掲示、「広報さやま」、ホー

ムページ等による情報発信の充実、新しい情報発信ツールの活用等、各情報媒体を活用

し、情報発信の目的や対象にあわせて、効果的な手段で情報を発信するよう努めます。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・環境関連ホームページ参照数(件) 増加 58,315 70,000

・広報さやまへの環境関連記事掲載回数(回) 維持 36 36

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第3章 計画の目標と基本方針

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施策(7)-2 多様な主体の情報交流の場の確保

・ボランティア等、地域で活動する市民が最新の環境情報を入手できる場の設置を検討します。

・イベント、シンポジウム等を開催し、情報交流の場として広く市民とのコミュニケーション

を促進します。

【取り組み】

○環境情報・啓発の場の整備

・展示、学習会等、市民が環境情報の受発信や人的交流のできる情報交流の場として、環

境団体交流会を継続的に実施します。

・図書館及び学校図書館において、環境関連図書等の資料の更なる充実を図ります。

○イベント等の開催

・ごみの減量とリサイクルに関する市民意識の醸成を図るため、リサイクルプラザにおい

て、各種講座・イベント等を開催します。

・NPO 法人さやま環境市民ネットワークとの協働により夏と冬の年 2 回実施している

「エコライフDAYさやま」を継続します。

・家庭で不用となった衣類や雑貨類などを再利用することで、物を大切にする心を育み、

ごみの減量を図っていくことを目的に、リサイクルマーケット・さやまを開催します。

・イベント等での活用を視野に、NPO 法人さやま環境市民ネットワークによる環境資源

マップの作成を支援します。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

・リサイクルプラザ来訪者数(人) 増加 29,863 30,000

<再掲>エコライフ DAY参加者数(人) 増加 24,077 27,000

・リサイクルマーケット・さやま来場者数(人) 増加 6,400 10,000

リサイクルマーケット・さやま

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第3章 計画の目標と基本方針

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施策(7)-3 環境監視の充実

・法令等に基づく環境監視を充実させるだけでなく、市民とともに環境を監視していく体制を

整え、市民が知りたい環境情報を提供していきます。

【取り組み】

○環境監視の充実

・大気汚染防止法、水質汚濁防止法、騒音規制法等、各種法令に基づく特定工場を

監視し、必要に応じて調査及び啓発を行い、環境汚染の未然防止に努めます。

・各自治会と連携して不法投棄物を発見した際には速やかに対応します。

○環境評価と情報発信

・市民の生活実感を反映した環境評価を行うため、大気や水質等の環境に対する満足度や

緑の量、ごみ減量、エネルギー消費量等の指標を設定し、目標達成に向けた取り組みを

推進します。

・幅広い世代の方が興味を持てるように、

“おりぴぃ”や観光の要素を盛り込み、

環境情報の発信・周知等の取り組みを

行います。

■個別指標

指標項目名 目指す方向 現状 H27 目標 H33

<再掲>廃棄物減量等推進員委嘱数(人) 維持 258 258

新 不法投棄物撤去重量(t) 減少 23.5 13

雑木林での不法投棄

七夕の妖精 おりぴぃ